日印、レアアース調達で大筋合意 年間使用量の 1 割強 日本とインド両政府は 30 日、日本の年間使用量の 1 割強に当たるレアアース(希土類)をインドが日本に輸出することで大筋合意した。 主な産出国である中国の輸出制限が続くなか、日本は官民で代わりの調達先を探してきた。 8 月にも輸出を始める。 枝野幸男経済産業相らがデリーを訪れ、印政府と大筋合意した。 インドの資源開発公社「インディアン・レアアース」と豊田通商が協力し、年間約 4 千トンのレアアースを日本に輸出する計画。 日本の年間使用量約 2 万 7 千トンの約 15% にあたる。 少なくとも 15 年間は枯渇しないという。 すでに豊田通商はインド南部のアンドラプラデシュ州で工場建設を進めているが、日本への最終的な輸出量や利益配分などをめぐり、これまで両国間で調整が難航していた。 (asahi = 4-30-12) レアアース、カザフから調達 脱中国狙い 5 月合意へ 日本とカザフスタンの両政府は、レアアース(希土類)の「ジスプロシウム」を共同開発することで近く合意する。 来年から日本が 1 年で使う分の 1 割強を輸入し、年々増やしていく。 日本はレアアースの 8 割を中国に頼ってきたため、「脱中国依存」を進めるきっかけにする。 枝野幸男経済産業相が 5 月初めにカザフスタンを訪れ、ナザルバエフ大統領らと会談して正式に合意する予定だ。 これを受け、住友商事と石油天然ガス・金属鉱物資源機構 (JOGMEC)、現地の資源開発公社カザトムプロムが共同開発の基本計画に調印する。 カザフスタンではウランの採掘が盛んで、精製した残りの土にジスプロシウムが含まれている。 計画では、北部のステプノゴルスクに工場をつくり、残土を国内から集め、ジスプロシウムを取り出す。 信越化学工業がジスプロシウムを分離する技術を提供する。 (asahi = 4-29-12) 6 月にも WTO に中国提訴 レアアース問題 中国がレアアース(希土類)の輸出を制限している問題で、日本は中国を世界貿易機関 (WTO) に 6 月下旬にも正式に提訴する方針を固めた。 両政府代表が 25、26 日にスイス・ジュネーブで協議したが、折り合いがつかなかった。 米欧もほぼ同じ時期に提訴に踏み切るとみられる。 協議は、WTO の裁判にあたる「審理」に入る前に必要な手続きだ。 普通は二国間で行われるが、今回は米欧も同席し、関心を持つカナダも加わって中国側と話し合った。 日米欧は輸出制限の撤廃に加え、レアアースの海外向け価格が中国の国内価格より大幅に高いことも問題にした。 中国は、輸出制限は環境保護が目的だと主張し、譲らなかった。 日米欧は「中国は(指導部が交代する)秋の共産党大会を控え、折れる様子がない」と判断し、WTOに審理を開くよう訴えることにした。 (asahi = 4-28-12) 日米欧、中国と協議へ レアアース輸出規制で提訴手続き 中国がレアアース(希土類)の輸出を規制していることについて、日米欧は今月下旬にスイス・ジュネーブで中国政府と協議を開く方針を固めた。 日米欧は中国を世界貿易機関 (WTO) に提訴する手続きに入っており、その一環だ。 通常の手続きではそれぞれが中国と二国間協議をするが、日米欧が連携して交渉にあたることにした。 日本が中国との貿易紛争を WTO に持ち込むのは初めて。 日本は商社などから聞き取った輸出規制の実態を挙げ、WTO のルールに違反していると主張する。 中国は、鉱山周辺の環境を守るために規制が必要、などと説明するとみられる。 日本は 3 月 13 日、自動車やハイテク製品などに使うレアアースの輸出を不当に制限しているとして、米欧とともに中国を WTO に訴える手続きを始めた。 二国間(今回は日米欧と中国)協議は、WTO の裁判にあたる「審理」に入る前に必要な手続きだ。 (asahi = 4-6-12) 日米欧、WTO 提訴へ手続き 中国のレアアース輸出制限 中国が電気自動車やハイテク製品に使う「レアアース」などの輸出を制限しているとして、日本と米国、欧州連合 (EU) は 13 日、世界貿易機関 (WTO) への提訴の手続きに入った。 中国との対立を避けてきた日本にとって初めての中国提訴になる。 レアアースは製造業に欠かせない材料だからだ。 (asahi = 3-13-12) 脱レアアースに意欲 枝野経産相、工場視察で中国を牽制 枝野幸男経済産業相が 18 日、千葉県成田市のTDK成田工場を視察した。 世界最大のレアアース(希土類)生産国の中国が輸出規制を続けるなか、TDK はレアアースを使わない磁石の量産をめざしており、枝野氏は国も技術開発を後押しする考えを示した。 枝野氏は視察後、記者団に「レアアースをできるだけ使わない技術の開発を国としてさらに進める。 資源も(中国以外で)より幅広く獲得したい」と話した。 さらに「(輸出規制などの)不公正なやり方を続けることは中国の今後にプラスではない」と牽制した。 レアアースは、ジスプロシウムやネオジムなどの希少金属。 自動車や家電のモーターに使う、小型で強力な磁石の原材料になる。 高い生産技術を持つ日本企業の誘致を進めたい中国が、10 年秋にレアアースの輸出規制を強めてからは価格が高騰し、日本政府は規制をやめるよう求めている。 TDK 成田工場は従業員 640 人が働く製造開発拠点。 レアアース使用量を減らし、2015 年にレアアースを使わない磁石の量産をめざしている。 (福山崇、asahi = 2-18-12) 中国、WTO 指摘に上訴へ レアメタル輸出制限で 世界貿易機関 (WTO) の紛争処理小委員会が中国によるレアメタルなど鉱物資源の輸出制限を協定違反と指摘したことについて、中国商務省の沈丹陽報道官は 24 日、「上訴する」と述べた。 今回は対象になっていないレアアース(希土類)についても欧米が提訴に動く可能性があるなかで、上訴を通じて中国の姿勢を改めて明確にする。 沈報道官は「中国のやり方や政策は WTO に違反していない」と強調。 上級委員会に上訴する方針を明らかにした。 中国は、資源と環境の保護を理由に、レアメタルやレアアースなど鉱物資源の輸出や生産の数量を管理、制限している。 7 月に出された WTO の報告書は、輸出に比べて生産に対する規制が甘く、外国企業に不利な措置とみなした。 レアアースを安定的に調達するため、日本企業のなかには産地である中国に工場を新設する動きが出ている。(北京 = 吉岡桂子、asahi = 8-24-11) レアアース輸出、中国が歩み寄りの構え 日中商務相会談 海江田万里経済産業相は 18 日、訪問先の中国・北京市で同国の陳徳銘商務相と会談し、レアアース(希土類)の対日輸出枠の確保や価格高騰への対応を求めた。 日本政府によると、陳氏は輸出枠について「必要なら調整したい」と発言。 ゼロ回答が続いていた交渉の場で、今後の歩み寄りに含みをもたせた。 レアアースは中国が世界供給の 97%(2008 年)を占めているが、採掘に伴う環境と資源の保護を理由に輸出を制限してきた。 中国商務省が設けた 11 年の輸出量枠は 3 万 184 トン。 前年比で横ばいだったが、うち 1 - 2 割が新たに輸出規制の対象に加えられた「合金類」で、事実上の削減となっていた。 海江田氏は会談で、「前年と同じ輸出枠を設けるのなら、(合金類を除き)純正のレアアースだけにしてほしい」と要請。 日本側の説明によると、陳氏は「合金類は下期の輸出数量を精査し、必要な場合は若干調整する」と応じた。 (asahi = 7-18-11) 中国レアアース輸出枠ほぼ横ばい 11 年通年 中国商務省は 14 日、レアアース(希土類)の 2011 年下期(7 - 12 月)の輸出量枠を、1 万 5,738 トンとすると発表した。 通年では 3 万 184 トンと前年比 0.2% 減で、ほぼ横ばいだった。 ただ、合金類が新たに輸出規制の対象に加えられており、事実上の削減となる。 07 年の輸出枠に比べてほぼ半減した。 レアアースは、ハイブリッド車、携帯電話やデジカメなどハイテク製品からミサイルなどにも使われる希少金属の一種。 日本政府はレアアースの安定した供給と内外価格差の解消を求める方針だ。 中国政府は輸出枠の削減や資源税の導入といった規制について、資源や環境の保護と説明。 同様の理由で実施するアルミニウムの原料となるボーキサイトなど鉱物資源に対する規制は、欧米の訴えにより、世界貿易機関 (WTO) の紛争処理小委員会(パネル)で協定違反とされた。 これに対して、中国側は「遺憾」を表明し、規制の必要性と正当性を強調している。 (asahi = 7-14-11) 中国の鉱物輸出制限「違反」 WTO が初の判断 中国による鉱物資源の輸出制限について、世界貿易機関 (WTO) の紛争処理小委員会(パネル)は 5 日、WTO 協定違反だと訴えていた米国や欧州連合 (EU) の主張を認め、違反にはあたらないという中国の主張を退ける報告書を発表した。 WTO の紛争処理で、輸出制限をめぐる判断が示されるのは初めてとみられる。 中国が世界の供給の 97% を握る(2008 年)レアアース(希土類)の輸出制限問題にも影響しそうだ。 パネルは、中国がアルミニウムの原料となるボーキサイトなどにかけた輸出税や数量制限が、WTO 協定に違反していると認定した。 中国は、WTO 協定が例外的に制限を認める「資源を枯渇から守り、環境を保護し、国民の健康を守るための措置」に該当すると主張したが、パネルは「中国は国内の採掘を制限したり中長期的に環境を守ったりする措置を同時に実施していない」として退けた。 (asahi = 7-6-11) 中国、レアアースの価格統制 禁輸解除後 3 倍近くに高騰 日本が得意とする自動車や家電製品に欠かせないレアアース(希土類)をめぐり、中国政府が一定の価格以下での輸出を認めない制限措置をとっていることが 19 日、わかった。 輸出価格は日本への事実上の禁輸を解除した昨年 12 月以降、3 倍近くに高騰している。 複数の業界関係者が明らかにした。 経済産業省もこうした状況を把握している。 菅政権は、日中韓首脳会談のため 21 - 22 日に訪日する中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相との二国間会談で、問題提起する方向で検討に入った。 尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件後の日中関係悪化をきっかけに、昨年 9 月、中国からのレアアース輸出が滞り始めた。 同 12 月初めに輸出がほぼ正常化したが、関係者によると、直後から中国税関による輸出価格の制限措置が始まったという。 具体的には、輸出業者がオンラインで税関に輸出申請する際、当局が設定した通関の最低価格を輸出価格が下回ると通関が許可されず、手続きが完了しない。 最低価格は日々変わるが、上昇を続けている。 (asahi = 5-20-11) レアアース資源税を大幅引き上げ … 4 月から最大で 120 倍 = 中国 中国政府・財政部と国家税務総局はこのほど、レアアース鉱石採掘にかける資源税を 4 日 1 日に引き上げることを明らかにした。 種類によって異なるが、最大で現行の 120 倍の額になる。 中国新聞社が報じた。 セリウムなどを含むバストネス石やモナズ石は 1 トン当たり 60 元(約 742 円)、イットリウム鉱石などは 1 トン当たり 30 元の資源税を課す。これまでは、有色金属(鉄・マンガン・クロム以外の金属)鉱石と同様に 1 立方メートル当り 0.5 - 3 元の税率で、地方によってはさらに低かった。 中国政府は 2007 年ごろから、レアアース資源の採掘を強く抑制するようになった。 これまでは、「量的規制」で採掘を規制したが、今後は「課税」による規制の強化と、中国政府は方針を転換したという。 レアアース関連を専門にする金元証券の孫凡アナリストは、新しい税率を「かなり高いものだ」と表現。 資源保護と生産シェアの引き下げを目指す、政府の方針があらわれたものとの考えを示した。 (サーチナ = 3-25-11)
レアアース鉱区、中国が初の国家管理 【北京 = 幸内康】 中国国土資源省は、南部の江西省にある国内最大級のレアアース(希土類)鉱山を含む地域を、国が管理する鉱区に初めて指定した。 中国が進めるレアアースの生産・管理強化の一環とみられる。 指定された鉱区は、約 2,500 平方キロ・メートルの広さで、レアアースの埋蔵量は約 76 万トンと想定される。 今後、政府がこの鉱区の埋蔵量の詳細な調査を行い、採掘を計画的に管理していく。 中国は世界のレアアース生産の 9 割超を占めているが、政府は乱開発による資源枯渇や環境破壊への危機感が強い。 レアアースの輸出量も減少させる方針で、2011 年上半期の輸出枠は前年同期より 35% 少ない約 1.4 万トンにした。 (yomiuri = 2-11-11) |