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ツイッター CEO 「判断誤った」 米上院で浮かんだ課題

米上院司法委員会が 17 日、米ツイッターとフェイスブック (FB) の最高経営責任者 (CEO) を召喚し、大統領選を巡る投稿の管理体制についてただした。 トランプ大統領がツイッターで「私は勝った」と虚偽情報を拡散する異常事態の渦中で開かれた公聴会。 ソーシャルメディアでの言論をめぐる課題が改めて浮き彫りになり、両 CEO は、法制度の改革に向け歩み寄る姿勢も示した。 トランプ氏らの虚偽ツイートに警告を表示するのは「検閲」なのか、対応が甘すぎる「野放し」なのか - -。 5 時間近くに及んだ公聴会では、与野党の党派対立を反映し、追及の視点は分かれた。 ただ、「恐ろしいまでの説得と情報操作の手段(民主党議員)」と化した SNS が、それぞれの判断で投稿内容を監視している現状への問題意識は共通する。

米国では「通信品位法 230 条」により、SNS 企業に対し、利用者の投稿内容についての責任を幅広く免除する一方、中身を削除したり加工したりする裁量も認めてきた。 ネット企業の成長に貢献したとされる条項だが、議会で改正に向けた議論が進む。 ツイッターのジャック・ドーシー氏は、投稿管理について「多くの人々を公共の議論に参加させることを保証しつつ、議論の健全度を高めることも求められている。 不可能にも思える課題に直面している。」と率直に述べた。 ドーシー氏と FB のマーク・ザッカーバーグ氏は、「230 条の改正を支持するか」と問われると、いずれも「イエス」と回答。 ドーシー氏は、各社による投稿管理の透明性を高める方向で法律を拡充すべきだ、と述べた。

虚実ない交ぜのツイッターでの情報操作は、前回選挙でトランプ氏を当選に導いた原動力の一つとなった。 ドーシー氏によると、今回の大統領選前後の 10 月 27 日 - 11 月 11 日、ツイッターは選挙関連の投稿の 2.2% にあたる 30 万超のツイートに警告表示を付けた。 トランプ氏も、たびたび警告を付けられながら、選挙後も「不正選挙だ」、「選挙に勝った」との主張を展開。 SNS を利用する一方、自らに不利な「検閲」をしていると「被害者」の立場に立つ主張も重ねた。 こうした異例の展開に、両社とも受け身の対応を迫られがちだった。

今回の公聴会の直接の契機となったのは、タブロイド紙ニューヨーク・ポストがバイデン次期大統領の次男ハンター・バイデン氏の電子メールなどを入手したと報じた記事を巡る対応だった。 ツイッターは当初、ハッキングがあった可能性を踏まえて拡散を止める措置をとったが、かえって話題を呼ぶ結果になった。 その後、同社は記事のシェアを許す方針に転換。 ドーシー氏は公聴会で「誤りだった」と判断ミスを認めた。

FB でも、トランプ氏の不正選挙の訴えを受け「ストップ・ザ・スチール(選挙を盗むな)」というグループが結成されると、たちまち 30 万人以上が参加。 一部は武装した示威行動に出て、FB はグループを削除した。 一方、トランプ政権の前大統領首席戦略官スティーブン・バノン氏が政権高官への暴力を扇動する投稿をした問題では、アカウントを永久停止したツイッターに対し、FB は動画の削除にとどめるなど、対応は分かれた。 (ワシントン = 青山直篤、asahi = 11-18-20)


トランプ氏元側近、アカウント停止も SNS の攻防激化

米大統領選でバイデン前副大統領がトランプ大統領に対するリードを広げるなか、ツイッターやフェイスブック (FB) などソーシャルメディア上での攻防も激しさを増している。 6 日には、トランプ政権の元幹部が関わるツイッターのアカウントが停止になったことが明らかになった。

「私は、合法的に投じられた票では大統領選で簡単に勝っている。」

トランプ大統領は 5 日夜、自身の 8,850 万人に上るフォロワーに向けてこうツイート。 これに対し、米ツイッター社はそのツイート上に「選挙をめぐり異議が唱えられていたり、誤解を招く可能性があったりする内容が含まれている」との警告を出し、トランプ氏の投稿内容がすぐには表示されないようにした。 利用者が警告表示のなかの「閲覧」ボタンを押せば、このツイートを読むことはできる。 ツイッター社がこうした措置をとるのは、大統領選にからんで虚偽や不正確な情報が拡散するのを防ぐためだ。 同社は今年 5 月から、トランプ氏のツイートに警告をつけ始めた。 大統領選後の 5 日は、トランプ氏が投稿した 16 のツイートのうち、7 つに警告を出した。 トランプ氏は「ツイッター社は制御不能だ」といらだちをあらわにした。

厳しい措置は、トランプ氏の元側近や支持者にも及んでいる。 トランプ政権の前大統領首席戦略官であるスティーブン・バノン氏は 5 日、自らのトークショーの動画をツイート。 その中で、バノン氏は、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長と米連邦捜査局 (FBI) のレイ長官を斬首すべきだと言及。 暴力を誘発する投稿は規約違反に当たるため、ツイッター社はバノン氏が関わるこのアカウントを停止した。/p>

FB も対策を強化している。 トランプ氏が「選挙が盗まれようとしている」という主張を続けるなかで、トランプ氏の支持者らは 4 日、「ストップ・ザ・スチール(選挙を盗むのをやめろ)」という FB 上のグループを結成。 5 日には参加者が 30 万人以上に達した。 FB は朝日新聞の取材に対して、このグループを 5 日に削除したことを明らかにし、「このグループは選挙過程の正当性を傷つける目的で組織され、参加者からは暴力を呼びかける動きもあった(FB の広報担当)」と説明した。 (サンフランシスコ = 尾形聡彦、asahi = 11-7-20)


トランプ氏のツイート "選挙を盗む" に警告

ツイッター社は、アメリカ大統領選挙の開票が続くなか、トランプ大統領が投稿したツイートに警告の表示をつけました。 アメリカ大統領選挙で開票が進む中、バイデン氏が演説した直後に、トランプ大統領もツイッターを更新しました。 「我々は大きくリードしているが、彼らは選挙を盗もうとしている。 そんなことは絶対にさせない。 投票終了後に票を投じることはできない。」 「今夜、声明を出す。 大きな勝利だ!」と投稿しています。 しかし、ツイッター社は、このツイートの「選挙を盗む」という表現について、「誤解を招く可能性がある」との警告表示をつけ、警告に同意しないとツイートを見られないようにする措置をとりました。 (NNN = 11-4-20)


トランプ氏サイト、ハッキング被害「フェイクはごめん」

米大統領選を前に、トランプ大統領の陣営の公式ウェブサイトが 27 日、一時的にハッキングされた。 画面には司法省と連邦捜査局 (FBI) のマークとともに、「このサイトは押収された」という大文字が映し出され、「トランプ大統領によって毎日拡散されているフェイクニュースについて、世界はもうごめんだ」などと書かれていた。 ウェブサイトは、短時間で復旧した。 トランプ陣営は声明でハッキングされたことを認めたうえで、捜査当局とともに対処しているとし、「重要なデータの流出はなかった」と述べた。 (ワシントン = 園田耕司、asahi = 10-28-20)


フェイスブック、Q アノンのページを全削除 インスタも

米フェイスブック (FB) は 6 日、陰謀論を展開する集団「QAnon (キューアノン)」を名乗る FB ページやインスタグラムアカウントをすべて削除すると発表した。 同社は 8 月、QAnon にからんで暴力に関連する議論が行われていた 1,500 以上のページやグループを削除したが、今後は暴力的な内容がなくても一律削除する。

QAnon は、「Q」を名乗る正体不明の人物のインターネット上の投稿を信じる人らで構成され、ネット上で「トランプ大統領に反対する一派が、子供を性的な人身売買の対象にしている」などと陰謀論を展開している。 米メディアによると、夏ごろからは「子供たちを救え」というメッセージで抗議デモを行うなどしているという。 FB は 6 日、「QAnon の支持者たちが、子供の安全対策問題を使って、人を集めたり組織化したりしている」と指摘。 ページの内容にかかわらず、削除すると表明した。 (サンフランシスコ = 尾形聡彦、asahi = 10-7-20)


米大統領選、中ロが大規模サイバー攻撃 Microsoft が警告

【シリコンバレー = 佐藤浩実】 11 月の米大統領選が迫るなか、ロシアなど外国勢力によるサイバー攻撃の懸念が強まっている。 米マイクロソフトが 10 日に公表した報告書によると、ロシアのハッカー集団は過去 2 週間で政党や支援団体など 28 の組織に攻撃を試みた。 中国やイランからの攻撃も続いており、同社は多要素認証などでの防御を呼びかけている。 国家の関与が疑われるサイバー攻撃の動向を調べた。 それによると、ロシアのハッカー集団「ストロンチウム」は 19 年 9 月 - 20 年 6 月にかけて 200 以上の組織を攻撃。 今年 8 月 18 日 - 9 月 3 日までの 2 週間では 28 組織に属する 6,912 アカウントのハッキングを試みた。 「攻撃はいずれも成功していない(マイクロソフト)」と言う。

ストロンチウムは選挙関係者のアカウント情報を得るため、考えられるパスワードを総当たりで試す「ブルートフォース攻撃」と、複数のアカウントに対して同時に 1 つのパスワードを試す「パスワードスプレー攻撃」をしかけた。 16 年の大統領選では特定の標的から情報を奪う「スピアフィッシング」が主流だったが、攻撃はより大規模化している。

中国のハッカー集団「ジルコニウム」も大統領選に関わる情報を手に入れようと攻撃を続けている。 3 月 - 9 月までに検知した攻撃は数千件に上り、150 件近い情報漏洩が発生した。 失敗に終わったものの、民主党のバイデン氏の選挙活動に関わる人を対象にした攻撃もあったという。 イランの「リン」は 5 月 - 6 月にかけてトランプ大統領の選挙活動に関わるスタッフのアカウントへの侵入を試みた。

選挙のような国家の動向を左右する大型イベントでは、サイバー攻撃が活発化しやすい。 マイクロソフトはパスワードと生体認証などを組み合わせる「多要素認証」を徹底するなどして、攻撃を回避するよう呼びかけている。 同社はセキュリティー関連の事業を手掛けており、サイバー攻撃についても不定期で報告書を出している。 (nikkei = 9-11-20)


ロシア、再び米選挙介入か FB が関連アカウント削除

米フェイスブック (FB) は 1 日、2016 年の米大統領選に介入したとされるロシアの団体に関連した新たなアカウントやページを発見し、削除したと発表した。 米ツイッターも、関連アカウントを凍結した。 今年の米大統領選を前に、ロシアが再び介入を試みている様子が浮かんだ形だ。 FB が削除したのは、ロシア企業「インターネット・リサーチ・エージェンシー (IRA)」とつながりのある個人がかかわる、フェイスブック上の 13 のアカウントと、二つのページ。 合わせて約 1 万 4 千人のフォロワーがいたという。

削除されたページの一つは、「ピースデータ」という報道機関を装い、米国のフリーランスの記者に依頼して記事も書かせていたという。 ニューヨーク・タイムズによると、この記者は過去に、大統領選の民主党候補のバイデン前副大統領について「左派の価値観を体現していない」との趣旨の記事を執筆していた。 今回はロシア当局が背後にいるとは知らず、ネット上で募集広告を見て連絡をとったという。 米ツイッターも同日、「ピースデータ」関連のツイッターアカウントを凍結したと公表した。 16 年の米大統領選でロシア当局はトランプ陣営に肩入れしようと介入し、IRA などを通じて、FB 上で大量の広告を出すなどしたとされる。 (サンフランシスコ = 尾形聡彦、asahi = 9-2-20)


炎上した三浦瑠麗さんの CM 「左右問わず排除激しく」

アマゾンが有料サービス「プライムビデオ」の CM に、国際政治学者の三浦瑠麗(るり)さんを起用したところ、ネット上で批判を受け、「解約運動」も起きた。 なぜ、批判の炎は大きくなったのか。 CM は、タレント松本人志さんの「プライムビデオ使ってる人増えているみたいやね」というナレーションが流れるなか、タレントのリリー・フランキーさんや三浦さんが登場。 プライムビデオを楽しんでいる姿が映る。

だが、ツイッターでは三浦さんの起用を問題視する投稿が殺到。 「#Amazonプライム解約運動」というハッシュタグ(検索目印)付きの投稿も相次いだ。 米クリムゾン・ヘキサゴン社のソーシャルメディア分析システムを使い、「Amazon」、「解約」を含む投稿を調べると、最も多いのは 8 月 17 日で約 8 万 6 千件だった。 その後、ネット上で「ユーチューブで CM 動画が見られなくなった」とのニュースも飛び交った。 アマゾン側は動画を削除したのかどうか、実際の解約がどの程度あったのかなど事実関係を明らかにしていない。

批判の理由の一つは、三浦さんが 2018 年にフジテレビの番組「ワイドナショー」に出演した際、「北朝鮮の潜伏工作員が国内にいる」という趣旨の発言をしたことだ。 在日韓国・朝鮮人への差別につながりかねないとして問題視する声が発言当時から出ていた。 また、徴兵制の導入が平和構築に意義を持つなどと著書で主張していることへの批判もあった。

三浦さんが安倍晋三首相と会食をし、首相が議長の「未来投資会議」議員を務めることなどから、「安倍首相に近い」として政治的な立場から CM 起用を疑問視する声もあった。 同じく安倍氏と会食した松本さんも同様の批判を受けた。 京都弁護士会所属の弁護士、渡辺輝人さんは、ツイッターで解約を表明した一人だ。 「とりあえず解約した。 解約理由の記載欄に『松本人志と三浦瑠麗を CM に起用したため』と書いておいた」と投稿。 約 4 千回リツイート(引用投稿)され、「いいね」が約 9 千件ついた。

朝日新聞の取材に渡辺さんは「三浦氏の『北朝鮮の工作員がいる』という発言は、我々の社会の内側に敵を見いだそうとするもので、社会を敵と味方に分断する」と指摘。 解約運動は、ネット上で横行する誹謗中傷とは異なる「市民運動」とみる。 「ネット書店でもあるアマゾンが憎悪をあおる言論を肯定しているようにもみえる CM で、消費者として受け入れられない。」

ただ、ツイッター上では「解約運動」への批判の声も出た。 脳科学者の茂木健一郎さんは 8 月 17 日、ツイッターに「このハッシュタグはおかしい。 三浦瑠麗さんは自分できちんと考える方。立場が少しでも違うと拒絶というのは人間としてどうか。」と投稿した。 取材に対して「三浦さんの意見に必ずしも賛成ではないが、『一発アウト』の発言ではない」と述べ、テレビやネットでの発言の自由が狭まることを心配する。

アマゾンジャパンはどのような狙いで三浦さんを起用したのか。プライムビデオの PR 担当は朝日新聞の取材に「キャスティングの基準その他の情報は開示していない」とし、批判については「お客様の反応を真摯に受け止め、今後の制作に反映する」と述べた。 三浦さんは朝日新聞の取材に対し、「本件について私から特段の感想を申し上げることはございません」とコメントした。

広告大手「博報堂」での勤務経験がある編集者の中川淳一郎さんは「アマゾンは、三浦さんの『知的で、働きながら子育てをしている』といったイメージにだけ着目し、炎上リスクはあまり検討しなかったのではないか」とみる。 「ネット上では自分と違う立場の人間を徹底的に排除する動きが左右問わず激しくなっている。 政治については誰もが自由に発言していいはずなのに窮屈になっていく」と危惧する。

ネットでの言論はなぜ激しいものになりがちなのか。「『許せない』がやめられない」などの著書がある、非営利組織「ホワイトハンズ」代表の坂爪真吾さんは「ツイッターでは価値観の近い人をフォローすることが多く、異なる価値観に触れにくい。個々の怒りや嫌悪の感情が連鎖して拡大していく」と指摘。「今回は大企業に対する消費者の抗議という側面があったが、それでも自分の正義が絶対だと思うのは危険。 自分の怒りを分解し、その正当性を疑う努力が必要だ。」と話している。 (杉浦幹治、赤田康和、asahi = 9-1-20)


Facebook、トランプ陣営の広告を削除 ナチスを想起

【シリコンバレー = 奥平和行】 米フェイスブックは 18 日、トランプ米大統領の陣営が SNS (交流サイト)に投稿したコンテンツや広告がドイツのナチス政権を想起させるとして削除したことを明らかにした。 トランプ氏は SNS の運営企業が保守的な発言を制限していると反発しており、両者の対立が一段と激しくなる可能性がある。

トランプ氏の陣営は赤い逆三角形の模様に「ANTIFA」の文字を重ねた画像を投稿し、広告も出した。 赤い逆三角形はナチスの強制収容所で政治犯を識別する印として使い、同氏は黒人殺害事件に抗議するデモについて、極左団体「アンティファ(反ファシスト)」が暴徒化をあおっていると主張していた。 フェイスブックの広報担当者は取材に対し、「当社の指針では、非難や議論以外の目的で禁止されているヘイトグループの印を使うことを禁止している」と指摘した。 一方、トランプ氏の陣営はツイッターを通じて、赤い逆三角形は「(単なる)絵文字だ」と主張し、「アンティファによって幅広く使われている」と述べた。

米国では SNS を通じた政治広告の扱いが焦点になっている。 ツイッターなどが禁止に踏み切る一方、フェイスブックは知る権利などを理由に続行の姿勢だ。 ただ、同社に対しては 2016 年の米大統領選で選挙の公正さをゆがめたとの批判が出ており、選挙広告の透明性を高める取り組みを続けている。 16 日には政治広告の表示を止められる機能を発表した。 (nikkei = 6-19-20)

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Facebook が「他国の支配下にあるメディア」のラベル付けをスタート

Facebook が、2020 年の下半期から「一部または全部が国家の管理下にあるメディア」にラベルを付けると発表しました。 その背景には、2020 年 11 月に行われるアメリカ大統領選挙に向けて、有権者の議論を他国の影響から保護する狙いがあります。 Facebook が 2020 年の夏から開始する「国家の管理下にあるメディア」のラベルのサンプルが以下。左の Facebook のページ画面の下部には、「Russia state-controlled media」と表示されています。 また、この表示のリンクから、右のような透明性レポートを読むことも可能です。 PC でも同様に、目立つ位置に透明性レポートが表示されます。

アメリカのニュース専門局・CNBC によると、こうしたラベルが付けられるのはロシアのメディアである Russia Today、Sputnik、中国の CCTV、新華社などですが、対象となるニュースメディアは固定ではなく適宜追加または除外されるとのことです。 さらに、Facebook は発表の中で「これらのメディアからのコンテンツについても同様に透明性を確保するため、2020 年後半からこれらのメディアからの広告にはラベルを付ける予定です。また、2020年11月のアメリカでの選挙に向けて、外国からの多種多様な影響力から公の議論を保護するため、夏の終わりをめどにアメリカでこれらのメディアからの広告をブロックします」と述べました。

以前「民間企業は『真実の決定者』になるべきではない」との考えを表明した Facebook が今回の対応に踏み切った理由について CNBC は、「今回の決定は Facebook がトランプ大統領の投稿を管理することを拒否したことで、従業員やパートナー企業からの非難の嵐に直面したことを受けてのものです」と述べています。 (Gigazine = 6-5-20)

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米フェイスブック社員、CEO へ抗議 大統領対応に不満

米フェイスブック (FB) で、創業者であるマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者 (CEO) への社員の抗議が拡大している。 暴力をあおるようなトランプ米大統領の投稿に米ツイッター社が厳しい対応を取る一方、FB が「放任」していることが原因だ。 30 億人の利用者を抱える世界最大手のソーシャルメディア企業が揺れている。 2 日、FB で開かれたザッカーバーグ氏と社員の対話集会。 米メディア「リコード」が報じた質疑全文によると、社員の一人はこうただした。 「どうやって FB のリーダーを信頼したら良いのか。」

「我々はできる限り透明性を確保するよう努めている。」 ザッカーバーグ氏は何度もそう説明した。 FB 広報は朝日新聞の取材に、質疑の中身は明かさなかったが、「マークは今日、従業員と開かれた対話を行った」と回答した。 社員が不満を募らせているのは、トランプ氏の投稿への同社の対応だ。

トランプ氏は 5 月 29 日、白人警官が黒人男性を死なせた事件を巡る米国内での抗議活動の拡大に対し、「略奪が始まれば、銃撃が始まる」とツイートし、FBにも書き込んだ。 ツイッター社は「暴力賛美を禁じる規約に反する」と警告をつけ、すぐには表示できないようにした。 一方、FB は、そのまま表示し続けた。 ザッカーバーグ氏がその後、トランプ氏と電話で話していたことも明らかになり、FB 社員の間で不満が高まった。 1 日には一部の社員が抗議のストを実施。 ソフトエンジニアの一人は実名の FB ページ上で、「トランプ大統領は FB 規約の例外になっている。 他のユーザーが同じことを投稿したら、利用停止になる。」と抗議し、退社を表明した。

最近の騒動の発端は 5 月 26 日、トランプ氏の郵便投票を巡るツイートに、ツイッター社が「事実を知って」という警告をつけたことだ。 ザッカーバーグ氏は「FB は、人々がオンライン上で言うすべての事柄を巡る真実の仲裁人になるべきではないと強く信じる」と発言した。 対応の差が明白になるなかで、FB 社内の反発が高まっていた。 FB とツイッターの間では、政治広告を巡る取り扱いでも差が出ている。 米大統領選を前に、政治広告について、ツイッターは全面的に禁止したのに対し、FB は継続。 政治との向き合い方で両社の違いが浮き彫りになっていた。 (サンフランシスコ = 尾形聡彦、asahi = 6-5-20)


ツイッター、世論誘導の不正アカウント 3 万件を削除

【シリコンバレー = 白石武志】 米ツイッターは 11 日、中国とトルコ、ロシアの各国政府による世論誘導に関与した不正アカウントを新たに 3 万 2,242 件削除したと発表した。 このうち中国関連は全体の 7 割強に上った。 中国共産党に有利な情報を主に中国語で広めていたという。 ツイッターが中国政府が関与したと特定した不正アカウントの削除件数は 2 万 3,750 件だった。 香港の政治力学について人を欺くような情報なども発信していたという。 不正アカウントとは別に、投稿内容の注目度を高める役割を果たすアカウントも約 15 万件確認した。

不正アカウントの削除件数はトルコ政府関連が 7,340 件で次ぎ、ロシア政府関連は 1,152 件だった。 不正アカウントはトルコではエルドアン大統領を支持する活動に、ロシアでは反体制派への攻撃などにそれぞれ使われていた。 ツイッターは SNS (交流サイト)を使った外国勢力の選挙介入などを防ぐ取り組みの一環として、2018 年から外国政府の関与が疑われる不正アカウントの削除件数を定期的に公表している。 当初はロシア関連が多かったが、その後、不正アカウントを使った世論誘導の手法はイランやサウジアラビアなどに広がった。 (nikkei = 6-12-20)

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米ツイッター、新型コロナ発生源巡る中国報道官の投稿に警告表示

[上海] 短文投稿サイト運営の米ツイッター)は、米軍が新型コロナウイルスを中国に持ち込んだ可能性があると示唆した中国外務省報道官の 3 月の投稿に、ファクトチェック(真偽確認)を促す警告マークを表示した。 中国外務省の趙立堅報道官は 3 月 12 日、「米国でペイシェントゼロ(感染源)確認はいつなのか? 何人が感染しているのか? 病院はどこなのか? 米軍が新型コロナ感染を武漢に持ち込んだのかもしれない。 データを公表し、透明性を向上させるべきだ。 米国は中国に説明する義務がある!」とツイートしていた。

真偽確認を促すリンクをクリックすると、「WHO は新型コロナウイルスが実験室で作られたものではなく動物由来であることを示す証拠があるとしている」という見出しのページに移動する。 ツイッターは 26 日、郵送投票を巡るトランプ米大統領のツイートに初めて真偽確認を促す警告マークを表示。 大統領はこれに反発して 28 日、ソーシャルメディア企業を保護する法律を撤廃するか効力を弱める法律を導入すると表明した。 (Reuters = 5-29-20)

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トランプ氏、SNS大手の法的保護剥奪へ 大統領令に署名

ドナルド・トランプ米大統領は 28 日、ツイッターなどの交流サイト (SNS) 大手に対しユーザーが投稿したコンテンツに関する免責を与える法的保護を剥奪するための大統領令に署名した。 大統領令が施行されれば、ツイッターやフェイスブックなどの SNS 各社は訴訟を起こされやすくなり、政府による規制の大幅強化につながる可能性もある。 トランプ氏は今週、ツイッターが自身の投稿に事実確認を促す警告文を付けたことに怒りを表明していた。 同氏は大統領令への署名に当たり、各 SNS はもはや中立的な討論の場でなく「政治運動」を行っているため、規制が必要だと述べた。 (AFP = 5-29-20)

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ツイッター、トランプ氏投稿に初めて「根拠なし」ラベル

米交流サイト (SNS) 大手ツイッターは 26 日、ドナルド・トランプ大統領の投稿 2 件について、「根拠のない」ことを示すラベルを付け、虚偽の主張をしていると非難した。 かねてトランプ氏の暴言、侮辱、虚偽の主張を非難するよう求める声が上がっていたが、ツイッターが同氏の投稿にこうしたラベルを付けたのは初めて。 トランプ氏は問題のツイートの中で、証拠を示すことなく、郵送投票が「不正選挙」につながると主張していた。

ツイッターはトランプ氏の投稿に「郵送投票に関する事実はこちら」と書かれたリンクを付けた。 リンク先では、CNN やワシントン・ポストをはじめとするメディアの記事が表示され、郵送投票が不正選挙につながることはほぼないという専門家の見解が書かれている。 これを受けてトランプ氏は、「2020 年米大統領選に干渉している」としてツイッターを非難。 「ツイッターは言論の自由を封殺している。 私は大統領として、これを許してはおけない!」とツイートした。 (AFP = 5-27-20)


ズームの「言論の自由」に懸念、「天安門事件」会議でアカウント一時停止

【ワシントン】 ビデオ会議サービス「ズーム」は 10 日、中国の天安門広場で多数の民主化活動家が死傷した 1989 年 6 月 4 日の天安門事件を振り返るビデオ会議を開いた米人権団体のアカウントを一時的に停止していたことを明らかにした。 新型コロナウイルスが流行する中で利用者が急増しているズームでの言論の自由が守られるのか、警戒する声が上がっている。

米人権団体「人道主義中国」が天安門事件に関するビデオ会議をズームで行い、250 人以上が参加した。 同団体によると、天安門事件の記憶を消し去ろうとしている中国からも多数が参加した。 その 1 週間後に同団体の有料アカウントが何の説明もなく停止されたという。 この件は米ニュースサイト「アクシオス」が最初に報じた。 同団体の共同設立者で天安門事件後に中国当局から指名手配された当時の学生リーダーの一人、周鋒鎖氏は AFP に対し、問題のアカウントは 10 日に復旧したと明らかにした。

ズームも、このアカウントを一時停止し、すでに復旧させたことを認めた。 ズームの広報担当者は、「どのグローバル企業とも同様に、当社も事業を行っている国や地域の法律に従わなければならない。 会議が複数の国にまたがって行われる場合は、各参加者はそれぞれの国の法令に従うことが求められる」、「当社は、各地の法令を順守するために取る措置に限度を設けることを目指しており、こういった問題に関係するプロセスを常に見直し、改善している」と述べた。

影響を受けた人権活動家らは、ズームが中国共産党指導部から直接圧力を受けた可能性があると怒りをあらわにしている。 人道主義中国は、「もしそうなら、ズームは独裁的政府と共謀して天安門虐殺の記憶を消そうとしていることになる」とする声明を発表した。 同団体は、厳しい検閲が行われている中国にいる人たちと連絡を取る上でズームは「不可欠」なものだとしている。 (AFP = 6-11-20)


北朝鮮、ユーチューブで新機軸の宣伝? 「日常」を紹介

「NEW DPRK (新しい朝鮮民主主義人民共和国)」というタイトルのユーチューブのチャンネルで、1 カ月ほど前から新しい映像が増えている。 国内ではネット接続を厳しく制限している北朝鮮当局が、対外宣伝用に運営していると韓国政府はみており、「新しい現象」として注視する。 チャンネルは昨秋に開設されたとみられる。 平壌に暮らす女の子や若い女性が「ユーチューバー」として日常生活を伝え、体制を称賛する北朝鮮のスタイルとは一線を画す内容だ。 最近配信された映像は、母親に勧められ、日常生活を紹介することにしたという 7 歳のリ・スジンさんの自己紹介から始まる。 新型コロナウイルスの影響で休校が続くなか、高級マンションでの生活が紹介される。

室内には革張りのソファやピアノ、大きな水槽、空気清浄機、システムキッチン、大型冷蔵庫、ランニングマシンなどが置かれている。 母親が買い物に訪れたデパートの店内には洋服や靴などの商品がずらりと並び、品不足との印象は受けない。 これまでの北朝鮮メディアとは違い、登場人物が豊かな生活を誇らしげに語り、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長ら金ファミリーをたたえる場面はない。

「将軍様に感謝します」とスジンさんが発言したのは一度だけ。 一番好きな人は「お母さん」と話す。 「学校にはいつになったら行けるの?」と尋ねるスジンさんに、パジャマ姿の父親が「新型コロナウイルスの治療薬ができたらね」と答えるなど、家庭内の会話が続く。 スジンさんの特技はピアノ。 7 歳としてはかなりの腕前だが、卓越した技能を宣伝するような演出はない。 別の映像に登場する若い女性らの発言も、セリフのようには感じられない。 「護身術を身につけたい」と、マスクをしたままテコンドーの体験レッスンを受けた女性は、ぎこちないキックの後に照れ笑いを繰り返した。

北朝鮮に詳しい西江大の金英秀(キムヨンス)教授は「北朝鮮の閉鎖性が出ていない。 肯定的なイメージを与えるのに効果的で新しい宣伝扇動だ」と分析する。 韓国政府は北朝鮮によるユーチューブの活用に注目する。 統一省関係者は 2 日、記者団に「新しい現象で、関係機関と対応を準備している」と述べた。 (ソウル = 鈴木拓也、asahi = 6-3-20)

〈編者注〉 でも、北朝鮮に住む人が見たら、とても心穏やかではいられないでしょう。 このギャップを埋められる力が、現体制にあるとはとても考えられません。


YouTube、中国共産党批判のコメントを自動削除
YouTube は不具合との主張

YouTube が、中国共産党に対して批判的なコメントについて、自動削除を行っていることが判明しました。 YouTube の広報担当者によると、これは不具合であり、調査中だとしています。

この問題を最初に報じた The Verge によると、「共匪」あるいは「五毛」という単語を含むコメントが自動削除されているとのこと。 共匪は共産主義の匪賊(野盗、ゲリラ)のことで、中国共産党軍の蔑称としても使われています。 五毛は、やはり共産党配下で世論誘導などを目的に宣伝工作や、いわゆるやらせレビューなどを書き込む人たちのこと。 書き込み 1 つあたり 5 毛が支払われていたとされることから、この名が付いたようです。 いずれも共産党を批判あるいは侮辱する意味の単語ですが、コメント中で肯定的な意味で使われている場合にも、自動的に削除されるとのことです。

直近では、Oculus の創業者であるパルマー・ラッキー氏や、人権活動家のジェニファー・ゼン氏がこの問題を Tweet していますが、少なくとも 2019 年 10 月の時点では、YouTube の公式ヘルプで指摘されていました。 YouTube は不具合であり、意図した結果ではないとしていますが、通常のスパムや攻撃的な内容を含むコメントを削除するためのコンテンツフィルタに、2 つの単語が追加されたように見えます。 この追加が意図しないもので、混入原因を調査中ということも考えられますが、それにしても 6 か月近くそのままというのは、説明として苦しいものを感じます。

Google は中国向けに検閲済み検索エンジンを計画(その後計画を終了)していたこともあり、今回の件も中国共産党からの圧力、あるいは忖度があったと考えるのが自然ではあります。 ただ、こういったことは Google に限った話ではなく、Apple も 2019 年の香港民主化デモ時、香港警察の行動を追跡できるアプリをストアから削除し、中国政府に屈したのではと指摘されていました。 いずれにしろ、今後、テック業界と中国との関係についての議論が再燃するきっかけとなるかもしれません。 Google からの正式な対応や発表を待ちたいところです。 (山本竜也、Engadget = 5-27-20)


中国がネットで虚偽情報拡散と専門家 - 新型コロナ陰謀論も分析

→ ロンドン在住の専門家ベンジャミン・ストリック氏が調査まとめる
→ フェイスブックは指摘されたアカウント削除 - 迷惑メール拡散が理由

ソーシャルメディア上で中国政府が支援しているとされるプロパガンダ(宣伝工作)活動と結び付きのある大量の自動作成アカウントが、新型コロナウイルスなどの問題について虚偽情報を拡散している - -。 ロンドン在住の専門家がこう指摘した。 ソーシャルメディアサイトの情報活動分析を専門にしているベンジャミン・ストリック氏によれば、こうしたアカウントは中国政府に批判的な人物を攻撃するコンテンツや新型コロナ発生源について米国を非難する陰謀論を広めるために利用されている。

同氏は 4 月 25 日 - 5 月 3 日に中国による虚偽情報拡散に関連するアカウントをツイッター上で 1,000 超、フェイスブックで 50 ページ余りを特定したと説明。 中国側の活動の一環として毎日 300 もしくは 400 の新たなツイッターアカウントが作成されていると推計している。 ストリック氏はインタビューで、「こうしたネットワークはまだ成長している」と指摘。 「国家が支援する中国のキャンペーンだと考えている」と述べた。

調査ウェブサイトのベリングキャットに先週公表された調査で、同氏はこの活動を「さまざまなトピックスに関するナラティブ(話)をゆがめ、定められたアジェンダを後押しするため」に、協調したやり方で機能する「よく仕組まれた情報キャンペーン」だと表現した。 米グラフィカの調査ディレクター、ベン・ニンモ氏はストリック氏が突き止めたアカウントは「スパモフラージュ・ドラゴン」として知られるネットワークに関連しているようだと分析。 スパモフラージュは以前、ユーチューブとツイッター、フェイスブックでアカウントを乗っ取ったり偽アカウントを利用したりすることで香港の抗議参加者への攻撃を促していたと特定されている。

「外の世界とのコミュニケーション」

中国外務省は 13 日、中国による虚偽情報拡散に関する報道や報告は「全く事実無根だ」と反論。 同省の趙立堅報道官は北京での定例記者会見で、「中国は虚偽情報に反対」だと述べ、「中国の当局者がツイッターなどのソーシャルメディアプラットフォームにアカウントを開設している目的は世界とより良い意思疎通を行い、中国の状況と政策を紹介することだ。 相互理解を深めるため外の世界とのコミュニケーションと意見交換を強化したい。」と説明した。

ツイッターの広報担当は発表資料で、「プラットフォームを操作する試みを割り出し減らすため積極的にモニター」しているとし、「国内もしくは外国主導で国が支援する活動に確実に帰することができる情報キャンペーンを特定した場合、それを開示する」とコメントした。 フェイスブックの広報担当者は、ストリック氏が特定したアカウントを削除したことを明らかにした。 迷惑メールを拡散させたことが理由だという。 (Ryan Gallagher、Bloomberg = 5-14-20)

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