マイナ保険証の負担誤登録、少なくとも 17 都府県 57 件 団体調査 マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」をめぐり、患者が医療機関の窓口で支払う費用の負担割合が誤って登録されるミスが少なくとも 17 都府県で 57 件起きたことが 26 日、全国保険医団体連合会の調査でわかった。 政府は確認を急ぐが、対応の遅れが否めない。 誤登録の問題では、千葉市が 13 日、本来は 3 割負担のところ、マイナ保険証で 2 割負担となっていた事案の発生を認めた。 同連合会が 6 月に集計した全国調査(医療機関 1 万 26 施設が回答)の結果を改めて精査したところ、千葉市を含め、負担割合が誤登録された事案が 17 都府県で 57 件確認されたという。 東京都三鷹市にある医療機関では、マイナ保険証のみの確認で患者から窓口負担分の支払いを受けた後、診療報酬明細書(レセプト)を請求した際に本来の負担割合は支払い分より大きかったことが判明。 後日、患者に不足分を支払ってもらった。 宮崎県内の医療機関では、本来は 3 割負担の患者がマイナ保険証では 2 割負担と表示される事例が発生。 医療機関での会計後、薬局で負担割合の相違が判明し、患者が紙の健康保険証を自宅に取りに戻り、会計し直したという。 また問題の発端となった千葉県では、同連合会に入っている千葉県保険医協会が今月 14 - 19 日に緊急調査。 回答した 406 医療機関のうち、14% にあたる 18 市町の 56 医療機関(46 医科、10 歯科)で、マイナ保険証と実際の窓口負担割合に相違があった。 また、マイナ保険証で受け付け業務が「増えた」としたのは 325 機関 (80.0%) にのぼり、「減った」は 12 機関 (3.0%) にとどまった。 「患者への説明(270 機関、66.5%)」、「機器の操作補助(268 機関、66.0%)」などに手間を要していて、利便性を高める狙いからは遠い実態が浮かぶ。 連合会の調査に基づき、国民民主党会派の芳賀道也参院議員(無所属)が 26 日の参院特別委員会で「各地でトラブルがある。 来年秋の保険証廃止の義務化を延期すべきだ。」と質問した。 加藤勝信厚生労働相は「千葉と同じシステムを利用している所では(ミスの)蓋然性が高い。 まずそういったところに確認をお願いしていく。」と答えたうえ、「こうした事象が発生する可能性がシステム上ないかどうか、システムベンダー(業者)を通じて速やかに確認したい」と述べた。 (関根慎一、asahi = 7-26-23) マイナ保険証、医療機関の窓口負担割合の登録でも誤り 千葉市で判明 マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」をめぐり、患者が医療機関の窓口で支払う費用の負担割合が誤って登録されるミスが千葉市で見つかった。 医療団体の調査では同様のトラブルが千葉県内の 50 施設であったとしており、他の自治体にも広がっている可能性がある。 同市によると、ミスは今年 6 月、国民健康保険の 70 歳の加入者 1 人について患者負担の割合を市職員がシステムに入力する際に起きた。 「3 割」とすべきところを「2 割」と入力。 その日のうちに間違いに気づき、入力し直したが、元のデータを消去しなかったため、誤ったデータが登録された。 消去が必要だったことについて、市の担当者は「システムの詳細を部署で把握していなかった」と話す。 医療機関側が、マイナ保険証で確認した患者負担と従来の保険証に記載された内容が異なると市に連絡した。 現在、市はほかにも誤登録がないかを調べている。 再発防止のため、マニュアルをつくり直したという。 このトラブルを受け、千葉県保険医協会が 7 月、同県内の医療機関 378 施設にアンケートしたところ、窓口負担が本来の割合と異なる事例は計 50 施設であったという。 マイナ保険証をめぐっては、政府は現在、別人情報へのひもづけ誤りについて点検をしている。 (中村靖三郎、asahi = 7-21-23) 別人の口座に入金ミス マイナ誤登録で初の事例 後期高齢者医療巡り マイナンバーに別人の情報が誤登録されている問題で、行政からのお金が実際に別人の口座に振り込まれる事案が初めて判明した。 ひもづけのミスは 75 歳以上が入る後期高齢者医療制度で発生。 厚生労働省は 18 日、自治体に対して改めて点検を求める通知を出したことを明らかにした。 同省や埼玉県所沢市によると、同市職員が 2015 年 12 月、80 代の女性について同姓同名で生年月日も同じ別人のマイナンバーをひもづけた。 女性に医療費と介護費が限度額を超すと還付される「高額介護合算療養費」が生じた際、同市が今年 6 月 28 日と 30 日に別人の公金受取口座に計 5 万 7,516 円を振り込んだ。 振り込みの通知を受けた女性の家族が市に連絡してミスが判明したという。 同省によると、介護施設などに入る際、転居しても転居前の自治体で対応する特例の対象者のひもづけは手作業が入る。 この女性も該当し、ミスにつながったとみられる。 デジタル庁によると、これまでマイナンバーカード普及のための「マイナポイント」を別人に誤って付与した問題が起きているが、別人の公金受取口座にお金を振り込んだ事例が明らかになるのは初めて。 (中村靖三郎、伊藤悟、asahi = 7-19-23) 富士通のマイナ証明書交付サービス、修正もれ発覚 2 度目の総点検中 マイナンバーカードを使った証明書の交付サービスで誤発行が相次いでいる問題で、システムを提供する富士通は 14 日、修正していない不具合が新たに複数見つかったと発表した。 これらの不具合を原因とする、他人の証明書の誤発行は起きていないとしている。 3 月以降、富士通の子会社「富士通 Japan」が運用するシステムで、別人の証明書が発行される事例が続発。 富士通は、システムを使う 123 自治体のサービスを停止して点検を始めた。 ところが、点検と修正が終わった直後の 6 月 28 日、福岡県宗像市で他人の証明書が誤発行された。 同社は再び 123 自治体にシステムの即時停止を依頼し、2 度目の総点検を進めた。 同社とデジタル庁によると、過去に見つかった不具合を全て再確認したところ、76 自治体で複数の修正もれが見つかった。 このうち 44 自治体では、宗像市と同じような他人の証明書の誤発行を起こしかねない不具合だった。 引き続きシステムの停止を依頼し、修正を進める。 さらに他の自治体でも、本人の古いデータが表示されるなどの不具合が見つかった。 修正もれの見つからなかった 47 自治体は問題ないと判断し、システム再開を自治体と調整している。 同社は誤発行を防ぐため、証明書の印刷データと申請者の情報を整合し、整合しなければ印刷を止める機能の開発を進める。 同社は 3 月以降に相次いだ誤発行について「申請が集中してシステムに負荷がかかったことが原因」としており、1 回目の総点検では負荷がかかった状態でのシステムの動作確認を中心に行ったと説明。 今回、修正が漏れていた過去の不具合の確認については「点検項目から外れていた」としている。 (田中奏子、asahi = 7-14-23) ◇ ◇ ◇ マイナ証明書トラブル、富士通だけなぜ続く? 識者が投げかける疑問 マイナンバーカードの利点の一つとされるコンビニなどでの証明書交付サービスを巡り、別人のものが発行されるトラブルが富士通のシステムで先月、再び見つかった。 このサービスを手がける会社は他にも複数あるなか、なぜ富士通だけ問題が相次ぐのか。 識者からは「技術的な稚拙さ」を指摘する声が出ている。 富士通をめぐっては今年 3 月以降、子会社の「富士通 Japan」が運用するシステムで別人の証明書が発行される事例が相次いだ。 富士通は「申請が集中してシステムに負荷がかかったことが原因」とし、5 月からシステムを使う全 123 自治体のサービスを停止して点検を始めた。 時田隆仁社長は同 24 日の記者会見で、トラブルの原因がすでに判明しているとして、「今後も次から次に(誤発行が)起きるような考えは持っていない」と述べていた。 しかし、6 月 17 日に点検作業が終わった直後の同 28 日、新たな誤発行が福岡県宗像市で見つかった。 富士通によると、このケースでは市民の女性が住所変更をした後に住民票を申請した。 このとき、サーバー上で住所の更新が遅れ、データの不整合がエラーを引き起こしたという。 このトラブルは過去、2019 年にも別の自治体で起きており、富士通側もシステムの不具合を把握していた。 当時、不具合の修正作業を行ったものの、宗像市を含む一部の自治体ではできていなかったという。 さらに、今年 5 月からの点検では負荷がかかった状態でのシステムの動作確認を中心に行ったため、宗像市で起きたエラーは点検項目から漏れていた。 取材に対し、同社は「点検からもれた理由は把握しているが、公表できない」と回答している。 同社は「このままシステムを動かしていると、新たな誤発行が起きる可能性がある」として、全 123 自治体に即時のシステム停止を依頼。 再度、総点検をするとしている。 こうしたトラブルを巡る富士通側の説明について、情報セキュリティーに詳しい立命館大の上原哲太郎教授は疑問を投げかける。 「たとえ負荷がかかったとしても、普通は(別人の書類が発行されるような)ファイルの取り違えをするようなことはない。 システムが技術的に稚拙で、ちょっとしたことでバグを生みやすいものになってしまっていたのでは」とみる。 点検の手法についても「やるべきだったのは負荷をかける試験ではなく、改めてプログラムを精査することだった」と疑問を呈した。 ただ、こうした作業は人手も時間もかかるため、「余裕がなかったのだろう」と推測している。 富士通は 6 月 30 日、この誤交付問題とは別に、サイバー攻撃への対策に不備があったとして総務省から行政指導を受けた。 同社の法人向けのインターネット回線サービスがサイバー攻撃を受け、約 1,700 の企業や政府機関の情報が流出した可能性があるという。 特に問題視されたのは、富士通側がサイバー攻撃を受けた事実に約 8 カ月も気づいていなかったことだ。 総務省から「全社的な体制に構造的な問題がないかを検証」するなど、企業統治のあり方の是正を求められる事態にまでなっている。 上原氏は「社内の規定や運用ルールに縛られて、技術が後回しになっているのではないか。 体質の改善が必要だ。」と指摘している。 (田中奏子、奈良部健、asahi = 7-3-23) ◇ ◇ ◇ 富士通、マイナカード証明書交付サービス再び停止へ また誤発行発生 富士通は 29 日夜、子会社が運営するマイナンバーカードを利用した証明書交付サービスで新たに誤発行が発生したと発表した。 同社は 5 月から全国 123 自治体でシステムを一時停止して点検し、6 月 17 日に完了していたが、今回の不具合は修正できていなかった。 同社はシステムを利用する全自治体を対象に、システムを再び止めて点検する。 誤発行は福岡県宗像市で 28 日に起きた。 市民の女性が市役所の窓口で住所変更の手続きをした後、マイナンバーカードを使って証明書交付サービスで住民票の写しを発行しようとしたところ、他人のものが発行されたという。 同社によると、システムのサーバー上では住所情報が遅れて更新され、発行請求のデータとサーバー上のデータが整合せず、不具合が起きたという。 2019 年にも同様の原因による誤発行が起きていたといい、同社はこの不具合を把握していた。 しかし、5 月から 6 月 17 日に順次実施した一斉点検では修正されていなかった。 同社は今回の不具合を含めて過去の事例もさかのぼって調査し、修正できているか確認する必要があると判断した。同じシステムを導入している全国123自治体に即時の再停止を依頼して点検し直すという。「多大なるご迷惑、ご不便をおかけいたしますことを重ねて深くおわび申し上げます」とコメントしている。 (田中奏子、asahi = 6-30-23) ◇ ◇ ◇ マイナカードの証明書誤交付 富士通社長が謝罪「行政の信頼損ねた」 富士通の時田隆仁社長は 24 日、マイナンバーカードを使った証明書が誤発行されるトラブルが相次いだことについて、「住民のみなさまがご利用になる行政サービスの信頼を損ねる事態となった。 深くおわび申し上げます。」と謝罪した。 この日開いた経営計画の説明会の冒頭で、同社の子会社である富士通 Japan が提供する証明書のコンビニ交付サービスで、他人の戸籍証明書や住民票などが誤って交付された問題に言及した。 富士通は最長 6 月 4 日までシステムを一時停止し、一斉点検すると表明している。 時田氏は「直接的な原因の修正は終わり、(トラブルが起きる)範囲も限定されている。 今後も次から次に起きるようなことはないと考えている」との認識を示しつつ、システムを一時停止する理由は「さらなる安全性の確認をする」ためだと説明した。 質疑では自身の責任問題も問われたが、「大変重く受け止めている。 いまは全力で信頼回復に努めている。」と述べるにとどめた。 (田中奏子、asahi = 5-24-23) ◇ ◇ ◇ マイナカードでの誤交付 富士通、システム停止で点検 富士通は 23 日、マイナンバーカードを使った証明書のコンビニ交付サービスをシステム点検のため最長 6 月 4 日まで停止すると発表した。 同サービスでは他人の住民票や戸籍謄本などが誤って交付される不具合が相次いでいる。 5 月 9 日に河野太郎デジタル相が同社にシステムの一時停止と点検を要請したことを明らかにし、富士通側が自治体や総務省などと調整をしていた。 富士通は 24 日に中期経営計画を公表する予定。 オンライン説明会を開いて誤交付問題への対応を説明するとみられる。 同システムは子会社の富士通 Japan (東京・港)が 200 弱の自治体に提供している。 3 月から 5 月にかけて、横浜市、東京都足立区、川崎市、徳島市、新潟市、さいたま市、熊本市の 7 自治体で誤発行が相次ぎ判明した。 一部の自治体ではすでに停止して点検を始めた。 残りの自治体でも速やかに作業を進める。 自治体に設置するサーバーを利用するものでは 28 日まで、クラウドを利用したサービスでは 6 月 4 日までシステムを停止する。 富士通は点検が終わり次第、順次サービスを再開する。 システム停止中の自治体ではコンビニでの交付サービスが受けられないため、市民生活への影響は大きい。 コンビニで証明書を交付するサービスは、富士通子会社以外のシステムを導入する自治体を含めて全国で約 1,200 の自治体が導入している。 誤交付の原因は自治体ごとに異なる。 横浜市ではサービス利用者の増加でシステムへの負荷が増えたことが原因とした。 処理しきれない申請について強制的に印刷をやめ、次に処理するはずだったデータを誤って取得、印刷した。 足立区では自治体窓口で使うシステムとコンビニで証明書を交付するシステムをつなぐ際に障害が起きた。 今後、富士通には誤交付問題について、徹底した原因究明と再発防止策が求められる。 (nikkei = 5-23-23) マイナカード利用で見られるワクチン接種情報 1 年以上更新されず マイナンバーカードを使う「マイナポータル」で参照できる新型コロナウイルスのワクチン接種履歴の情報が、1 年以上更新されていない事例があったことが朝日新聞の取材でわかった。 約 6,700 人分の情報で、自治体からマイナポータルに転送することになっていたが、自治体が設定を怠っていたという。 専門家は「行政のデジタル化をうたっていても、その過程は手作業によるものが多く、ミスや情報の漏洩が起きるリスクはある」と指摘する。 コロナワクチン 4 回接種したのに … マイナポータルは、政府運営のオンラインサービス。 税・所得、健康保険証などの情報を閲覧することができる。 これらの情報は所管する行政機関や健康保険組合などがそれぞれマイナンバーにひもづけている。 マイナポータルで情報の更新漏れがあったのは、埼玉県神川町(人口約 1 万 3 千人)。 町によると、昨年 6 月中にマイナポータルで新型コロナワクチンの接種歴を見られるようにシステムの改修に着手。 昨年 4 月 29 日に町のサーバーに登録されていた接種歴の情報をまずマイナポータルに転送した。 6 月 10 日に情報を自動転送できるシステムに改修したが、町職員が転送に必要な設定をし忘れ、4 回接種を受けたのに 3 回になっているなど、4 月 30 日以降の約 6,700 人分の履歴がマイナポータル上で更新されないままになっていたという。 今年 6 月末に町民からの指摘で発覚。 7 月 3 日までに問題は解消されたという。 町の担当者は「作業をきちんと終えたかどうかの確認が不十分だった。 住民の皆さまにご迷惑をおかけして申し訳ない。」と話した。 厚生労働省によると、こうした予防接種をめぐる情報更新の遅れはほかでは確認されていないという。 「マイナポータルの存在意義揺らぐ」 行政の情報システムに詳しい立命館大学の上原哲太郎教授(情報セキュリティー)は「このような情報更新の遅滞があると、効率よく最新の情報を一覧できるというマイナポータルの存在意義が揺らぐ」と指摘する。 マイナカードをめぐってはマイナ保険証に別人の情報を誤登録するなどのトラブルが相次いだ。 上原教授は「マイナンバー制度は正確で迅速な情報開示が狙いの一つだったはずだ。 ミスをゼロに近づけるためにも、政府や自治体は制度の狙いをいま一度、再認識する必要があるのではないか。」と話す。 一方、今回の事例については「マイナンバーは行政の透明性の確保という理念があり、マイナカードは行政を監視するためのツールとしての役割もある。 町民が問題点を指摘して行政手続きが改善された例と捉えることもできる」とも話した。 (長野佑介、asahi = 7-10-23) 政府、マイナンバーの「総点検本部」を設置へ トラブル続発に対応 マイナンバー制度をめぐるトラブルの続発を受け、政府はデジタル庁と厚生労働、総務の 3 省庁による「総点検本部」を立ち上げ、21 日に初会合を開くことを決めた。 岸田文雄首相が同日の記者会見で、同本部を軸に政府と自治体の連携を強化するなどの対応策を説明する。 首相や閣僚が関与を強めることで、制度に対する国民の不安解消につなげたい考えだ。 総点検本部には首相も出席し、司令塔には河野太郎デジタル相が就く。 マイナンバー関連の業務で住民と向き合う自治体と政府の協力を強化する。 具体的には、総務省に自治体の窓口役となる職員を置いて、トラブル情報を集約し迅速に対応する体制をとる。 菅義偉政権下で河野氏が行政改革相として新型コロナのワクチン接種を担当した際に、接種を加速化させた自治体との連携をモデルにするという。 本部では、マイナンバーカードで行政手続きができる「マイナポータル」で、閲覧可能な情報のすべてを対象に点検作業にあたる方針。 マイナポータルでは、本人以外の公金受取口座や健康保険証のデータがひもづけられる問題などが次々と判明している。 政府は一連の問題を受け、デジタル庁を中心に省庁横断の情報共有チームをつくっている。 ただ、次々と新たなトラブルが発覚し、与党からは「官邸が主導して一元的に対応すべきだ(自民・世耕弘成参院幹事長)」など体制改善を求める意見が出ていた。 マイナンバーをめぐっては、自治体のコンビニ交付サービスで別人の住民票などが発行される問題や、他人の公金受取口座が登録されるミスも発覚。 マイナンバーカードを健康保険証として使う「マイナ保険証」でも他人の情報がひもづけられ、受診履歴や薬剤情報などが他人に閲覧されていた問題も起きている。 政府は 20 日、新たに障害者手帳の情報が他人のマイナンバーにひもづけられるトラブルも公表した。 首相は 13 日の記者会見で「全ての事案を重く受け止める」とし、関連するデータやシステムの総点検を今年秋までにすると表明。 また、新たなミスを生まない仕組みづくりに取り組むとし、自動化の徹底やチェック体制の整備などシステム改修が必要ないものは、秋までに実行するとした。 (asahi = 6-20-23) 障害者手帳でもマイナンバー誤登録 静岡で数十件確認、全国で点検へ 河野太郎デジタル相は 20 日の閣議後記者会見で、障害者手帳の情報が他人のマイナンバーにひもづけられるトラブルが静岡県で数十件確認されたことを明らかにした。 情報の流出や給付金の交付への影響はないとしている。 政府は同様のトラブルがないか、全国の自治体に点検を求める。 河野氏によると、自治体が障害者手帳とマイナンバーをひもづける際に同姓同名の別人の情報を誤って登録したり、過去に使われていた障害者手帳の番号をシステム上で取り消さないまま、使い回したりしていたことが主な原因という。 静岡県に 4 月下旬、「マイナポータルで自分の身体障害者手帳情報が見られない」という問い合わせがあり、県が調べていた。 河野氏は再発防止のため、マイナンバーをひもづける際に生年月日や住所など複数の個人情報で確認したり、障害者手帳を申請する際に申請者自身にマイナンバーを記入してもらうようにしたりすることを挙げた。 マイナカードを巡っては誤登録や情報漏れなどのトラブルが相次いでいる。 岸田文雄首相はデータやシステムの総点検を秋までに実施する方針を示している。 (asahi = 6-20-23) "日本の住所表記" 何がそんなに大変? ゼンリンに聞いた 記事コピー (6-13-23) マイナンバーで新たなトラブル、他人の年金記録が閲覧できる事例報告 … 取得者向けサイトから マイナンバーカードを巡るトラブルで、他人の年金記録を閲覧できる問題が発生していたことが 9 日、新たに分かった。 デジタル庁などが確認を進め、今後の対応を検討している。 政府関係者によると、マイナカード取得者向けのサイト「マイナポータル」から、自分のものではない年金情報を閲覧できた事例が報告されている。 規模や原因は不明だが、人為的なミスにより、他人の情報が誤ってひもづけられた可能性が高いとみられる。 (yomiuri = 6-9-23) マイナ保険証トラブルで全額患者負担、533 件に 5 月から大幅増 マイナンバーカードを健康保険証としても使う「マイナ保険証」をめぐり、医療機関で「無効」と表示されるなどして、患者が医療費の全額を立て替えた事例が 4 月以降、全国で少なくとも 533 件あったことがわかった。 全国保険医団体連合会が 9 日、医療機関に独自に聞き取り調査した結果を公表した。 5 月時点では 122 件だったが、大幅に増えたとしている。 マイナ保険証システムを導入した 35 都道府県の医療機関 6,062 施設が回答(8 日時点)した。 その結果、64.8% (3,929 施設)が、マイナ保険証が「無効・資格なし」と表示されるなど、何らかのトラブルを経験。 このうち 533 件で、マイナ保険証が使えず、いったん患者に 10 割負担を請求したという。 別人の情報がひもづけられていた件数が 85 件あったという。 厚生労働省は当初、マイナ保険証の不具合で患者の資格確認ができない場合を含めて「(保険証がない場合は)患者からは 10 割分を受領してください」と医療機関向けのマニュアルで示していた。 だが、批判を受けて、6 月 2 日付で内容を改定。 「マイナンバーカードの生年月日に基づき自己負担分(3 割など)を支払ってもらう」とした上で、事後に訂正が必要な場合は「所要の手続きを行ってもらうことが考えられる」とした。 だが、無保険だった場合、患者から支払われなかった分は、「未収金」となる恐れがある。 このため、医療現場からは「マイナカードには加入している保険組合の記載もなく、今の保険証より医療機関の未収金が格段に増える。目先の『10 割負担』の批判をかわすために、医療現場にリスクを押しつけている(さいたま市の山崎利彦医師)」といった声が上がっている。 同連合会の調査では、「無効のたびに保険組合に連絡をして確認する必要があり、逆に手間が増えた」、「土日は保険組合も休みでトラブル対応をしてもらえない」、「マイナ保険証を使えなかったことで患者に納得してもらえず、暴れられて警察沙汰になった」などの回答が寄せられたという。 一方、総務省は 9 日、マイナンバーカード普及のための「マイナポイント」が誤って別人に付与されたといったトラブルが、133 自治体で 173 件確認された、と発表した。 これまで把握していた 97 自治体 121 件から増えた。 全国の自治体を対象にした調査で、新たに判明した。 政府が進めた「マイナポイント事業」で、誤付与は起きた。 マイナカードに誤って別人のキャッシュレス口座がひもづいたことが原因となっている。 総務省によると、173 件には、ポイントを付与する前に気付いて実際には付与されなかったケースなども含まれる。 全国 1,788 自治体のうち、1,780 団体から回答があり、その数字をまとめた。 (村井隼人、鈴木友里子、asahi = 6-9-23) トラブル続きのマイナ、国や県から「ご指示」が次々と 自治体は困惑 2024 年秋に現行の健康保険証の原則廃止などを盛り込んだマイナンバー法など関連法改正案が 31 日、参院地方創生・デジタル社会形成特別委員会で、賛成多数で可決された。 2 日の本会議で成立する見通し。 政府が普及を急いだマイナカードだが、情報漏洩などのミスを防ぐための対策が追いつかず、トラブルが収まらない。 住民と直接向き合う自治体の担当者からは、とまどいの声も聞こえる。 「毎日のようにご指示が来ています。」 九州の中核市の担当者は苦笑する。 5 月 23 日には、公金受取口座が別人のマイナンバーに登録された事例が全国で相次いでいたことが発覚。 その日から 1 週間だけで、デジタル庁や総務省、県からトラブル対応の要請や連絡が 6 件来たという。 「間違いなく利用者にお伝えいただけるようお願いします。」 デジ庁から新たなマニュアルが示された 2 日後、こんどは総務省から別の作業の手順徹底を求めるメールが届くといった具合だ。 デジ庁は一連のトラブルについて「人的なミス」であるとし、システム自体の問題ではないと強調する。 だが、この自治体担当者は「現場に責任を押しつけているようだ。 ミスをなくすシステムを作るのがスジでは。」と不満を漏らす。 「ほぼ全国民に行き渡ることをめざす」との方針を 20 年 9 月に掲げ、政府がマイナカードの普及に前のめりになりすぎたのも混乱の一因だ。 複数の自治体によると、とくに労力を割いたのはマイナカードを作った住民などにポイントを付与する「マイナポイント事業」だという。 昨年 6 月からは、マイナンバーに公金受取口座の登録をした人などを対象に最大 2 万円分のポイントを受け取れる「第 2 弾」が始まった。 口座の誤登録やポイントの誤付与は、窓口で端末操作を誤ったのが原因だった。 秋田県のある町役場では窓口業務の職員 4 人が並行して登録支援も担当する。 国のマニュアルでは住民自身が端末を操作する決まりだったが、訪れるのは高齢者が多く、実際には職員が代わりに入力したという。
旗振り役のデジ庁自身も混乱している。 ポイントを受け取るためのサイトやアプリは、手続きの開始時と完了時にマイナカードで本人確認する仕組みになっていた。 しかし、煩雑すぎるとの批判があり、昨年 6 月に一部を簡略化。 これが自治体窓口での誤登録を招いたとし、今年 4 月には一転、元に戻した。 デジ庁は発足して 2 年足らずと日も浅く、人員が不十分との声もある。 ある幹部は「今回のような突発対応を担当レベルでできるほど、各担当にリソース(人員)が張られていない」と漏らす。 (柴田秀並、asahi = 5-31-23) マイナポイント誤登録、システム変更でミス拡大 手続き簡略化が一因 政府によるマイナンバーカードの普及促進策「マイナポイント事業」をめぐり、キャッシュレス口座の誤登録が相次いで発覚した問題で、デジタル庁は 29 日、本人確認を簡略化するシステム変更を昨年 6 月に実施したことが原因の一つだったとの認識を示した。 自治体の窓口で住民が続けて申請手続きをした場合に、別人の情報が混ざってポイントを誤って付与するミスが起きやすくなっていた。 参議院の特別委員会で、立憲民主党の杉尾秀哉議員の質問に、デジタル庁の村上敬亮統括官が答えた。 ポイントを受け取るためのサイトやアプリは、手続きの開始時と完了時にマイナカードで本人確認する仕組みになっている。 しかし、これが煩雑すぎるとの批判が政府のコールセンターなどにあり、「(手続き完了時の確認は)やめるという判断をした」という。 その結果、昨年 8 月以降、別人の口座が登録されるケースが複数見つかった。 自治体に対して総務省などが注意喚起したものの、問題が解決しなかったため、今年 4 月にシステムを元に戻したという。 こうした問題やシステム変更について、デジタル庁と総務省では、今月 24 日に北九州市がマイナポイント事業に関わるミスを公表するまで、大臣ら幹部には情報が共有されていなかったという。 河野太郎デジタル相は、質疑のなかで、「注意喚起ではなくシステムで対応すべきだった。 早い段階で上下左右に情報共有し、必要ならば広く広報をしておくべきだった」と述べた。 政府は 2020 年からマイナポイント事業を 2 回に分けて実施し、総額 2 兆円を超える予算をつぎ込んできた。 ただ、市区町村の現場では申請待ちの行列ができるなど混乱が広がった。 総務省では昨年 8 月以降、今年 4 月にシステムを改修するまでに、全国 90 自治体で 113 件のポイントの誤付与があったことを把握。 他の自治体でも起きていないか、全国調査を実施している。 (渡辺淳基、鈴木友里子、asahi = 5-29-23) マイナポイントを別人に誤付与、90 自治体で 113 件判明 総務省 マイナンバーカード普及のための「マイナポイント事業」に関連し、総務省は 25 日、ポイントを別人に誤って付与する事例を全国 90 自治体で 113 件確認したと発表した。 今後、他の自治体でも起きていないか全国調査をするため、件数はさらに増える可能性がある。 総務省によると、窓口を訪れた住民がキャッシュレス決済口座の登録を自治体の端末でおこなった際、別人のマイナカードに誤って登録したことが原因という。前の住民がログアウトしないまま、次の申請者が手続きをしたことで、その申請者のキャッシュレス口座と前の住民のマイナカードがひもづき、ポイントも誤って付与された。 このため、本来なら受け取るポイントを受け取れなかった住民と、二重で受け取った住民がいる。 総務省では、これらの住民への対応については把握できていないとしている。 政府は昨年 6 月から、最大 2 万円分のポイントを受け取れるマイナポイント事業「第 2 弾」を始めた。 カード取得者に最大 5 千円、健康保険証としての利用登録と、公金受取口座の登録をした人に各 7,500 円分のポイントを付与。 ポイントの誤付与は「第 2 弾」で起きた。 総務省は同 8 月にこうした事例が起きていることを把握。 公表は自治体の判断に任せていたが、担当者は「(マイナカードをめぐる)様々な事案が発生したことを受けて総務省としても公表することとした」と説明した。 今年 4 月にキャッシュレス口座を登録するシステムを改修したことで、それ以降、同様の事案は確認されていないという。 マイナカードをめぐっては、健康保険証としても使う「マイナ保険証」で別人の情報が誤って登録されたり、公金を受け取るための預貯金口座が別人のマイナンバーに誤って登録されたりするトラブルが相次いでいる。 (鈴木友里子、asahi = 5-25-23) マイナ保険証、またもミス相次ぐ 対策はトラブル把握から 3 カ月後 マイナンバーカードを健康保険証としても使う「マイナ保険証」で別人情報が誤って登録されるトラブルが相次いだ問題を受け、加藤勝信厚生労働相は 23 日、「大変申し訳ない」と謝罪した。 マイナ保険証に別人情報が登録されるミスはこれまで判明しているだけで 7,300 件超。 流出の恐れがあるのは受診履歴など慎重に扱われるべき情報で、問題を解消できなければ制度への信頼を根幹から揺るがしかねない。 ただ、同様のミスが相次いだのは初めてではない。 2021 年にマイナ保険証の本格運用を開始する前にも、他人の情報をひもづけるミスが 3 万 5 千件判明。 本格運用の開始は半年延期された。 このときも一斉点検をしたり、新旧のデータに矛盾がないか自動で突き合わせるシステムを導入したりして、対策をとっていたはずだった。 だが、誤登録は防げなかった。 厚労省の担当者は「加入者の出入りは膨大で、頻繁にある。 すべてのチェックは行き届かなかった」と話す。 トラブルが発生した後の対応の遅さも際立つ。 同省は 23 日に一斉点検の方針を示したが、7 千件以上の誤登録があることは3カ月以上前から把握していた。誤登録された本人がSNS上で問題について発信したことをきっかけに注目を集めるようになり、ようやく対策に乗り出した格好だ。 同省はこれまで、健康保険組合などに対して、氏名、生年月日、性別、住所の4情報で確認するよう求めていた。ただ住所の確認を省くなどこのルールが徹底されず、誤登録につながった。同省は見込みが甘かったことを認め、「4月からは漢字氏名、カナ氏名、生年月日、性別、住所の5情報すべてが一致するように確認を徹底することにルールを変えた」とし、一元的なチェック体制の構築を目指すという。 (村井隼人、asahi 5-23-23) ◇ ◇ ◇ マイナ保険証誤登録 7,300 件 別人の情報閲覧可能に 健康保険証とマイナンバーカードが一体化した「マイナ保険証」を巡り、医療保険を運営する健康保険組合などによる誤登録が 2021 年 10 月から 22 年 11 月末までに全国で約 7,300 件あったことが 12 日、厚生労働省の調査で分かった。 これが原因で、別人の医療情報を閲覧されたケースが 5 件あった。 既に正しい情報に修正したという。 厚労省は、関係機関に再発防止の徹底を求めた。 不具合が明らかになった富士通 Japan 以外のシステムでも、同様の事態が起きていないかどうか確認へ 一方、総務省は 12 日、マイナカードを使って住民票の写しなどがコンビニで受け取れるサービスについて、別人の証明書が誤交付されたケースを東京・足立と横浜、川崎、徳島の 4 市区で延べ 14 件確認したと明らかにした。 保険証との一体運用は、カードの利便性を向上させるため 21 年 10 月から本格的に始まった。 健保組合などが情報を登録する際、誤ったマイナンバーを入力したのが原因とみられる。 この結果、専用サイト「マイナポータル」などで、別人の処方薬や医療費の情報が閲覧できるようになっていた。 厚労省は、登録に誤りがないか点検を徹底するとしている。 (kyodo = 5-12-23) 住民票の次は印鑑登録証明書 … マイナンバーカード使ったコンビニ発行で新たな不具合 11 件 マイナンバーカードを使ってコンビニエンスストアで証明書を交付する際に不具合が相次いでいる問題で、総務省は 16 日、登録を抹消した印鑑登録証明書が誤って発行される不具合が全国の 3 政令市で延べ 11 件あったことを明らかにした。 内訳は熊本市で 5 件、さいたま、新潟両市で各 3 件。 松本総務相は 16 日の記者会見で「大切な印鑑証明が適切に発行されなかったことは誠に遺憾だ」と述べた。 マイナカードを使ったコンビニ交付サービスを巡っては、横浜市など 4 自治体で、住民票などの証明書が別人に発行される不具合が 14 件起きている。 今回の不具合でも同じ「富士通 Japan(東京都)」のシステムが使われているという。 同社によると、今回はシステムのプログラムに問題があった。 印鑑登録の抹消が一定条件の下ではコンビニ交付サービスのデータベースに反映されず、抹消前のデータに基づき誤交付された。 18 日までにプログラムの改修を行う予定だという。 総務省は 11 日、別人への証明書発行が明らかになったことを受け、同社に再発防止を要請していた。 松本氏は 16 日の記者会見で「再び不具合が生じたことも大変遺憾だ」と述べた。 (yomiuri = 5-16-23) ◇ ◇ ◇ 熊本市、印鑑登録書のコンビニ交付停止 マイナカード不具合で マイナンバーカードを使った証明書のコンビニ交付サービスで誤交付が起きた問題に関連し、熊本市は 13 日夜から、印鑑登録証明書の交付を停止した。 市によると、システム事業者である富士通 Japan から「熊本市でも誤って発行される可能性がある」と連絡があったため。 住民票や戸籍関係証明、税関係証明はサービスを利用できるという。 (asahi = 5-14-23) ◇ ◇ ◇ マイナカードでの証明書誤交付、富士通に停止要請 200 自治体採用 マイナンバーカードを使った証明書のコンビニ交付サービスで、他人の住民票などが誤って交付された問題で、河野太郎デジタル相は 9 日、システムを提供する富士通 Japan に対し、システムの一時停止と再点検を要請したことを明らかにした。 全国で 200 弱の自治体が同社のシステムを採用しており、今後、各自治体ごとに対応を進める。 河野氏は会見で「個人情報保護に関して国民の皆様の信頼を傷つける大変重大な事故で、誠に申し訳なく思う。 点検に自治体にもご協力いただくようお願いし、事業者の管理体制についてもしっかり確認を進めていきたい。」と話した。 デジタル庁などによると、誤交付は 3 月下旬以降、横浜市と川崎市、東京都足立区で起きた。 住民がマイナンバーカードを使い、コンビニエンスストアで住民票や印鑑登録証明書などの交付を受けようとしたところ、他人の証明書が発行された。 短い時間に処理要求が重なると誤作動する問題がプログラムにあったという。 3 月下旬に横浜市で誤交付が発生した際には、総務省が各自治体や業者に点検を要請し、富士通 Japan の同じ製品を使う自治体など 30 団体については同社が詳しく調べていた。 しかし、5 月 2 日に同社の別の製品を使っていた川崎市では、戸籍証明書を誤交付する問題が生じた。 改めてデジ庁が富士通 Japan に対し、システムを一時停止したうえで点検範囲を拡大するよう要請する形になった。 3 月に点検を求められながら、再発を防げなかったことについて、富士通 Japan は 9 日、「多大なるご迷惑、ご心配をおかけし、深くおわびする」と発表した。 そのうえでデジ庁からの要請について「厳粛に受け止め、真摯に対応する」とした。 点検や一時停止の期間は未定という。 証明書のコンビニ交付は、マイナンバーカードの本人確認機能を使い、コンビニの複合機で住民票や印鑑登録証明書の印刷ができるサービス。 総務省によると、9 日時点で全国の約 3 分の 2 にあたる 1,164 市区町村で導入されている。 (渡辺淳基、伊沢健司、asahi = 5-9-23) ◇ ◇ ◇ マイナカードで別人の住民票、足立区でも 横浜市で誤交付が判明後に マイナンバーカードを使ってコンビニエンスストアで住民票などの交付を受けるサービスで、別人の住民票などが誤って発行されるトラブルが東京都足立区で 2 件 4 人分起きていた。 同様のトラブルが 3 月末に横浜市で発覚し、システムを担う富士通 Japan が他自治体について調べていた。 足立区と同社が 1 日、記者会見して発表した。 区内のコンビニで 3 月 22 日に住民票の写し 1 件 3 人分、4 月 18 日に印鑑登録証明書 1 件 1 人分、別人のものが交付された。 氏名、住所、生年月日などが記されていた。 同社によると、2 件以上のコンビニ交付の印刷処理が同時に実行された際、別人のファイルを取得するプログラムになっていたのが原因という。 区は 1 月 4 日にシステムを導入し、同 17 日、3 月 22 日、4 月 18 日に計 3 件のシステムエラーを検知したが、誤交付は確認できなかったという。 横浜でのトラブル後、同社のシステムを使う全国の自治体などの一部でシステムを一時止め、プログラムを修正するなどしていた。 足立区のトラブルの一部はその後に起きていた。 同社は点検の結果、横浜市や足立区以外で誤交付はなかったとしている。 同社の国分出・ソリューション開発本部長は会見で、「足立区や区民の方に多大な迷惑をおかけした。 原因究明と再発防止に取り組んでいきたい。」と話した。 近藤弥生区長は「区民の電子サービスへの信頼を損なうことになった。 他のシステムも含め、運営管理を徹底していく。」とのコメントを出した。 (石平道典、asahi = 5-1-23) |