サムスン、営業利益が半減 4 - 6 月期決算
韓国の電機大手サムスン電子が 5 日発表した今年 4 - 6 月期決算(速報値)は、本業のもうけを示す営業利益が 6.5 兆ウォン(約 6 千億円)で、前年同期より 56.2% 減った。 売上高は 56 兆ウォン(約 5 兆 1 千億円)で、同 4% 減だった。 韓国のアナリストによると、主力の半導体の価格が下落したことに加え、米中貿易摩擦のあおりで、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)など輸出先企業への販売が減り始めたことが響いたという。
半導体は韓国の輸出の約 2 割を占めており、サムスン電子の韓国経済における存在感は絶大だ。 半導体をめぐっては、日本政府が 4 日に製造に必要な一部素材の韓国向けの輸出規制を強化した。 韓国企業のこれら素材への日本への依存度は高く、韓国メディアは連日、韓国経済とサムスン電子の行方に不透明感が増しているとの報道を繰り返している。
半導体に利益の大半を依存する「一本足」の経営についてはサムスン電子も改革をめざしている。 4 月末にはシステム(非メモリー)半導体の研究開発や生産施設に、2030 年までに 133 兆ウォン(約 13 兆円)を投じる計画を発表した。 また、財閥としてのサムスングループをめぐっては、創業 2 世の李健熙(イゴンヒ)会長が病に倒れ、3 世にあたる李在鎔(イジェヨン)・サムスン電子副会長が贈収賄事件で起訴されるなど混乱が続いた。 現在は在鎔氏が「財閥総帥」として本格的にグループ経営に乗り出している。 (ソウル = 神谷毅、asahi = 7-5-19)
韓国最強のサムスン、新型スマホ発売延期に潜む「根本的な問題点」
サムスン電子の社運を懸けた折り畳み型スマホが発売延期
2016 年、韓国サムスン電子は、スマートフォン、"ギャラクシーノート 7" の発火問題で技術的な問題を露呈した。 それ以降、同社は急速な顧客離れに直面し、かつての成功のイメージが薄れつつあった。 その後、同社は中国の半導体需要などを取り込み、業績を立て直した。 今回、同社は起死回生を狙い、折り畳み型のスマートフォンである "ギャラクシー・フォールド" の開発を進めた。 この新機種は、値段が約 20 万円と高価格帯の新製品だ。 この新製品がヒットすれば収益への貢献はかなり大きい。 サムスンにとって、ギャラクシー・フォールドの開発は将来を左右するほどのプロジェクトだったといえる。
ところが、サムスン電子の取り組みは早くも失敗の危機に瀕している。 むしろ、同社の基本的な技術力の問題が露呈してしまった。 開発を急ぐあまり、技術力が追い付かなかったといえばそれまでだが、同社のモノづくりの姿勢には不安を禁じ得ない。 この事態は、サムスン電子の経営風土に関連する「根本的な問題」と併せて考えるべきだろう。 いうまでもなく、サムスン電子は韓国最大・最強の企業だ。 同社が経済に与える影響は非常に大きい。 今回の新製品発売延期は、同社の業績に大きなマイナスとなるだけではなく、韓国経済にも無視できない不安要因になる可能性がある。
サムスン電子が抱える技術力の問題
韓国サムスン電子が、4 月 26 日に予定していた折り畳み型スマートフォンの発売を延期すると発表した。 理由は、サムスンがレビュー用に配布した折り畳みスマホ "ギャラクシー・フォールド" に関して、利用者から、画面や折り畳み部分の不具合が複数報告されたからだ。
インターネット上に掲載されたレビューを見ると、有機 EL 画面の保護膜をはがしたところ、画面の半分以上が真っ暗になり、使えなくなってしまったことが報告されている。 製品説明文では、"保護膜ははがさないように" と記されていたが、構造としては簡単にはがせるものだった。 他にも、ヒンジ(折り畳み機構)部分の画面損傷や、保護膜をつけたままであるにもかかわらず画面にしわが寄る不具合などが報告されている。
正直、「えっ!?、そんなこと信じられない」と思ってしまう事象が多い。 さまざまな問題を指摘する投稿などを目にすると、サムスン電子製スマホを安心して使うことはできないだろう。 発売延期は当然の判断だ。 ヒンジ部分の損傷などが事前に認識されていなかったことは、根本的な技術力の稚拙さを露呈している。 また、保護膜をはがすことを想定していないのであれば、はがせないようにすべきだ。 これは、ブランド力を問う以前の、きわめて根本的かつ初歩的な問題だ。
突き詰めて考えると、サムスン電子に関しては、企業としての在り方が問われている。 サムスン電子はギャラクシー・フォールドの開発に 8 年もの時間を費やした。 にもかかわらず、同社は、消費者の安全などを顧みず、自社の価値観だけに基づいて製品開発を進めてしまったとしか思えない。 もし、"人が使う" ことが開発者や経営幹部の心中にあったなら、レビュアーの指摘よりも前に、自社内部で問題を検知し、対応ができたはずだ。 ある知人エンジニアは、「企業としての基本姿勢が問われる。 あまりにお粗末だ。」と、サムスン電子の経営実態を深刻に受け止めていた。
韓国の財閥企業は創業家利益を過度に追求
ギャラクシー・フォールドに関して、レビュー直後から不具合が相次いで報告された背景には、韓国財閥企業に特有の問題が強く影響している。 それは、財閥企業の創業家一族が、自らの利得を過度に追求したことだ。 韓国の財閥企業では、世襲に基づく経営風土が守られ、経営者の "わがままさ" が放置された。 それが、韓進や錦湖アシアナの経営を悪化させた。 スマホ発売延期により、サムスンでもこの問題が再度露呈した。 サムスン電子の経営は、決算数値が示す以上に深刻と考える。 なぜなら、同社は 2016 年のスマホ発火問題という教訓を生かすことができていないからだ。
本来、企業経営者は過去の不正や問題の教訓を生かして経営体制を見直し、組織力を高めなければならない。 しかし、サムスン電子内部では、創業家の利得追求のために新製品の開発を急ぐ考えが優先されてしまった。 その結果、新商品開発を急がなければならないという "集団心理" が強くなってしまい、初歩的な不具合の有無を確認することが難しくなったのだろう。
企業として、収益を追求することは何よりも重要だ。 同時に企業に求められることは、付加価値の獲得をもとにして、利害関係者と良好な関係を築き、強化することである。 それが企業 = 社会の公器といわれるゆえんだ。 一方、韓国では、社会の公器である財閥企業の活動が、創業家の利得にかなり強く結びついてしまっている。 韓国財閥企業には、資本家、消費者、地域社会など多様な利害関係者と良好な関係を築き、持続的な経営を目指すという、企業の最も基本的かつ重要な考えが浸透していない。
グローバル化が進み、企業を取り巻く利害がより複雑化する中、企業は独善的な発想で経営を続けることはできない。 これは世界の常識だ。 韓国財閥企業は経営の専門家、あるいは実力のある人材を登用し、より公平に経営の意思決定を行う環境を整備しなければならない。 サムスン電子 1 社の売上高は、韓国 GDP の 13% 程度に達する。 財閥企業の経営風土をより公平かつ持続的なものに改革することが、韓国の潜在成長率を左右するだろう。
財閥企業の業績悪化が懸念 高まる韓国の政治・経済の先行き不安
ただ、韓国の政財界が財閥企業の経営風土改革に本腰を入れることは、口で言うほど容易なことではない。
財閥企業の業績は、韓国国内の雇用や所得に直接的に影響する。 雇用や所得の環境が悪化すれば、失業率の高止まりに直面してきた若年層などの不満が高まる。 それが、社会心理をさらに悪化させる。 韓国の政治家にとって、それは耐えられるものではない。 政治家が財閥企業経営の問題を口にすることはあっても、実際に改革を進めることは難しい。 加えて、韓国では労働組合の影響力が非常に強い。 「韓国は労組天国」と指摘する専門家もいるほどだ。 韓国自動車業界では、販売不振に加え労組のストが経営を混乱させている。 昨年 6 月には、無労組経営を続けてきたサムスン電子でも労働組合が結成された。
半導体輸出から景気が落ち込む中、韓国の労組は不満をため込み、不況下での賃上げなどを求める可能性がある。 文大統領にとって、労働組合は重要な支持基盤だ。 最低賃金引き上げ公約の撤回などを受けて、労働組合は文大統領を信頼しなくなっている。 文氏としては、労働組合の感情を逆なでしたくない。その点からも、政府が財閥企業の経営改革に取り組むことは難しい。韓国にとって、富が公平に再配分されやすい経済を目指すことは困難だろう。
文大統領としては、中国にすりより、需要のおこぼれにあずかりたいはずだ。 財閥企業に依存し、その輸出を増やすことで成長を遂げてきた韓国にとって、最大輸出先である中国からの配慮は、喉から手が出るほどほしいものである。 しかし、中国は自国の景気対策に取り組みつつ、米国との通商摩擦にも対応しなければならない。 対米関係上、中国はわが国との関係を従来以上に重視し始めた。 中国にとって、韓国にかまう暇はない。 それに追い打ちをかけるように、財閥企業の世襲経営が限界に直面している。
韓国を取り巻く内外の情勢は厳しさを増している。長めの目線で考えると、財閥企業の業績悪化懸念が高まり、社会心理に渦巻く "怨" の感情は膨らむだろう。 当面、連鎖反応のように韓国の政治と経済への不安は高まらざるを得ないかもしれない。 (真壁昭夫、Diamond = 4-30-19)
サムスン新端末、Galaxy S10 に「極めて残念な問題」がある事が判明
サムスンが 2 月 20 日に発表する、Galaxy S10 に関しては既にその機能の大半が、関係筋からの情報で明らかになっている。 しかし、サムスンが最後まで隠しておきたかった最大の欠点が、最新のリーク情報で明るみに出た。 携帯電話アクセサリーの通販サイト MobileFun が公開した動画で、サムスンがこのモデルに投入する「世界初のディスプレイ内蔵型の超音波式指紋センサー」が、一般的なスクリーンの保護膜を貼りつけた場合に動作不能になることが判明した。 また、その回避措置となりそうなオプションも、見栄えが悪く、高価であることが分かった。
MobileFun の動画は、サムスンの最新型の指紋センサーを稼働させるためには、スクリーン保護膜をセンサーの形にそって、丸く切り抜く必要があることを示している。 ユーザーらは非常に見栄えが悪く、最大の売りである指紋センサーにダメージを与えかねないオプションの選択を迫られる可能性があるのだ。 ニュースサイト 9to5Google の記事によると、発売日時点で S10 の超音波式指紋センサーに対応する、世界で唯一のスクリーン保護膜を製造した Whitestone は、この保護膜を 60 ドルで発売するという。
価格がここまで高い理由は、このプロダクトの製造には特殊なメソッドが必要であるからだ。 Whitestone によると、S10 のディスプレイに保護膜を貼る場合、ディスプレイとの間に少しでも空気が入り込むと指紋センサーが動作不能になるという。 Whitestone は独自の液体接着剤を開発し、専用の保護膜を開発した。 ただし、Whitestone の保護膜は 2 枚入りで販売され、9to5Google はこれが十分な耐久性を備えたプロダクトであると評価している。 現在のところ Whitestone のメソッドが、他メーカでも再現可能であるかは確認されていない。 また、この保護膜の貼り付けを面倒に感じるユーザーも多いことが予想される。
サムスンの Galaxy S10 は米国で 5G 通信に対応し、最新シリーズのなかで最も高額な端末になる見込みだ。 購入者はなんとしてでも、この端末のディスプレイや新型の指紋センサーを保護したいはずだ。 そんな中、一般的な消費者がより高い関心を注ぐのは、光学式の指紋センサーを搭載する廉価版の S10e になるかもしれない。 (Gordon Kelly、Forbes = 2-19-19)
サムスン、スマホの中国生産中断検討 韓国報道
【ソウル = 山田健一】 韓国サムスン電子が中国でスマートフォン(スマホ)の生産停止を検討していることが分かった。 13 日付の韓国紙・電子新聞が報じた。 早ければ年内に生産をやめる可能性がある。 サムスンは中国でスマホの販売が大幅に落ち込み、直近の市場シェアはゼロ % 台に低下したとみられる。 スマホ市場の成長鈍化を受け、生産網の見直しを迫られる可能性がでてきた。
報道についてサムスンは 13 日、「中国生産に関して決まったことは何も無い」とのコメントを公表した。 電子新聞は「サムスンが中国・天津市の携帯電話工場の生産を年内にも中断し、同工場で生産している台数を別の工場に移転する方向で検討している」と報じた。 サムスンのスマホの生産拠点は中韓両国や、インド、ベトナムなどにあり、ベトナムが最大。 中国では広東省恵州市にもスマホ工場を保有する。 天津の生産法人の設立は 2001 年。
スマホの中国シェアが 20% 強だったとみられる 13 年には、年間売上高は 15 兆ウォン(約 1 兆 5,000 億円)に達した。 しかし、地元メーカーの台頭に伴い、15 年には半分の約 7 兆ウォンに急減。 16 年以降はサムスンの開示対象から外れたため不明だが、一段と縮小したもようだ。 (nikkei = 8-13-18)
リコール、Samsung Galaxy Note 4 のバッテリーが発火のおそれ
今回はちょっととばっちり。 SamsungのGalaxy Note 4 が、バッテリー発火の恐れありとしてリコール中。 対象となるのは 1 万 200 台で、昨年 2016 年 12 月から今年 2017 年 4 月の間に「交換」されたバッテリー。
Samsung と言えば発火、爆発! というネタ的イメージがついていますが、問題となっているバッテリーは、Samsung の工場で不具合が生じたわけではありません。 リコール対象になっているのは、FedEx が担当した AT & T のリファービッシュ版 Note 4、または AT & T の保険においてバッテリー交換されたもの。 米国消費者製品安全委員会 (CPSC) は、該当端末を使っているユーザーは直ちに使用をやめるよう求めています。 対象者には、FedEx 便で交換用の新バッテリーと、リコールバッテリー用の返品ボックスが届くという対応中。 来週には「Galaxy UNPACKED 2017」というイベントを控えている Samsung。 とばっちりとはいえ、またまた発火とはタイミング悪いですね …。 (Gizmodo = 8-18-17)
サムスン営業利益 1.4 兆円 四半期で過去最高
韓国電機大手のサムスン電子は 27 日、今年 4 - 6 月期決算(速報値)を発表した。 世界シェア首位の半導体事業が好調で、本業のもうけを示す営業利益は前年同期より 72.8% 7増の 14 兆 700 億ウォン(約 1 兆 4,070 億円)となり、四半期で過去最高になった。 売上高は 61 兆ウォン(約 6 兆 1 千億円)で、前年同期より 19.7% 増えた。 同社は、半導体需要がさらに拡大するとみて、ソウル近郊の京畿道平沢市に新設した世界最大規模の半導体工場を今月 4 日に稼働させ、さらなる拡充も決めている。 (ソウル = 武田肇、asahi = 7-27-17)
電池欠陥が原因 = スマホ発火で安全策強化 - サムスン電子
【ソウル】 スマートフォン「ギャラクシーノート 7」が相次ぐ発火で生産・販売中止になった問題で、韓国サムスン電子は 23 日、発火は電池の欠陥が原因と結論付けたと発表した。 また、部品の安全性点検を担当する「部品専門チーム」を新設するなどし、電池の安全性を大幅に強化していく方針を表明した。
サムスンをめぐっては、朴槿恵大統領の親友の国政介入事件を調べている特別検察官チームが、同社の事実上のトップ、李在鎔副会長 (48) について、贈賄などの容疑で逮捕状を請求。 ソウル中央地裁が棄却したため、経営空白が生じる事態は当面、免れたが、スマホ発火問題と併せ、経営やブランドイメージへの影響は避けられない。
高東真・無線事業部長は記者会見で「顧客や通信・流通業者、協力企業に迷惑を掛けたことをおわびする」と謝罪。 「原因を徹底究明し、開発、製造、検証などすべてのプロセスで総合的な再発防止策を立てていく」と強調した。 ノート 7 は昨年 8 月、世界 10 カ国・地域で発売された。 電池を大容量化するなどし、「戦略製品」と位置付けていたが、発売直後から発火事故の報告が相次ぎ、9 月に販売を一時停止した。 電池を取り換えた上で販売を再開したものの、交換品でもトラブルが続き、10 月に生産・販売が打ち切られた。 損失額は 7 兆ウォン(約 6,800 億円)を上回るとみられている。 (jiji = 1-23-17)
サムスン、スマホ営業益 95% 減 新型機の発火事故響く
韓国サムスン電子は 27 日、今年 7 - 9 月期決算を発表した。 新型スマートフォン「ギャラクシーノート 7 (日本は未発売)」の発火事故で生産・販売を打ち切った影響で、営業利益は 5.2 兆ウォン(約 4,800 億円)で、前年同期比 29.7% 減。 このうちスマホなど IT モバイル部門の営業利益は 1 千億ウォン(約 91 億円)で、前年同期比 95.8% 減と大幅に落ち込んだ。
サムスン電子は「ノート 7」の生産・販売中止で必要な払い戻しや交換などの費用を 7 - 9 月期の業績に反映させた。 今の会計基準になった 2010 年以降で、IT モバイル部門の営業利益は 10 年 4 - 6 月期の 6 千億ウォンが最低だったが、今回はそれをさらに下回った。
スマホはサムスン電子の主力事業で、IT モバイル部門は 15 年の営業利益の 4 割近くを占めた。 「ノート 7」は 8 月に韓国や米国などで発売したが、バッテリーの不具合による発火事故が相次いだ。 9 月に回収・無償交換に乗り出したが、交換した製品でも発火が相次いで報告され、10 月 11 日に生産・販売の打ち切りを決めた。 (ソウル = 東岡徹、asahi = 10-27-16)
サムスン、損失 2,700 億円見通し スマホ発火事故
韓国サムスン電子は 14 日、相次ぐ発火事故で販売を打ち切ったスマートフォン「ギャラクシーノート 7」について、販売の機会が失われることによる損失が今年 10 - 12 月期から来年 1 - 3 月期にかけて 3 兆ウォン(約 2,700 億円)台になる見通しだと明らかにした。
サムスン電子は生産・販売中止で必要な払い戻しや交換などの費用は今年 7 - 9 月期の業績に反映した。 しかし、同社のスマホで主力製品になるはずだった「ノート 7」が販売できなくなったことで、業績への否定的な影響がさらに続くことが見込まれるという。 今後は既存の製品の販売拡大や、製品の安全性強化に取り組むという。(ソウル = 東岡徹、asahi = 10-14-16)
発火したサムスンのスマホ、生産も中止 日本では未発売
韓国サムスン電子は 11 日、スマートフォンの最新機種「ギャラクシーノート 7(日本では未発売)」の生産を取りやめ、今後は販売しないことを決めた。 発火事故を受けて回収・交換を進めていたが、交換品も発火したとの報道が出るなど事態が深刻化していた。 サムスン電子は 11 日朝、購入者の安全を考慮し、販売と交換を一時的に中止すると発表したが、午後になって一転、生産と販売の中止を明らかにした。 購入者には 13 日から別の機種への交換や払い戻しに応じるという。 同社は「ノート7を信じ、愛していただいたお客さまに深くおわびする」とのコメントを出した。
「ノート 7」は 8 月に韓国や米国などで発売したが、バッテリーの不具合による発火事故が相次いだ。 これを受け、9 月に製品の回収・無償交換に乗り出したが、交換した製品でも発火が相次いで報告され、原因を調べていた。 一方、韓国産業通商資源省の国家技術標準院は 10 日、サムスン電子や民間の専門家を交えた事故の調査会議を開いた。 その結果、交換品について「新たな欠陥の可能性を確認した」という。 これを受け、同院は 11 日、購入者に対する使用中止勧告や、販売や交換の中止でサムスン電子側と合意したと発表していた。
スマホは同社の主力事業で、スマホなどの IT モバイル部門は 2015 年の営業利益の 4 割近くを占めた。 最近は中国勢の追い上げで低迷していたものの、3 月に発売した新製品がヒットし、業績は回復傾向にあった。 「ノート 7」は高い防水機能や、目の虹彩(こうさい)による認証機能を備え、回復に弾みをつける製品と期待されていた。 同社が 7 日発表した今年 7 - 9 月期決算(速報値)によると、本業のもうけを示す営業利益は前年同期比 5.6% 増の 7.8 兆ウォン(約 7,200 億円)だった。 部門別の業績は公表されていないものの、「ノート 7」による損失を好調な半導体やディスプレーで補ったとみられている。
ただ、「ノート 7」の生産・販売の取りやめによって多額の損失が出そうで、今後の全体の業績にも影響しかねない。 韓国のアナリストは、「ノート 7」の問題はサムスン製スマホの別の人気機種や、今後発売する新機種の売れ行きにも影響を与えかねないと指摘。 生産・販売中止を決めたことについて、「早くこの問題を整理し、雰囲気を刷新させたいのだろう」と話した。 (ソウル = 東岡徹、asahi = 10-11-16)
サムスン 最新スマホの生産を一時中断 = 韓米などで発火報道
【ソウル】 韓国のサムスン電子が最新スマートフォン(スマホ)「ギャラクシーノート 7」の生産を一時中断したことが 10 日、同社の協力会社関係者の話で分かった。 米国と韓国と中国、台湾で交換後のギャラクシーノート 7 の発火が報じられていることを受けた措置とみられる。 この関係者は、世界市場向けに同製品を生産するベトナム工場を含め生産が一時中断されたと伝えた。 また、「米国だけでなく、中国や韓国など全世界の消費者の安全を考慮して取った措置だと聞いている」とした。 韓国や米国、中国の製品技術、消費者安全などに関する機関とも協力しているとみられる。
これにより、10 月 28 日に予定されている欧州主要国やインドでのギャラクシーノート 7 供給再開も延期が予想される。 サムスン電子は 8 月にギャラクシーノート 7 を発売したが、バッテリーの発火事故が起こり、9 月初めに回収・無償交換を発表した。 同月、問題は無いと判断して新しいバッテリーを搭載した機器の供給を再開したが、韓国と海外で交換後の機器の発火が相次いで報告されている。 主要メディアの報道によると、米国で 5 件、韓国と中国、台湾でそれぞれ 1 件、発火事故が起きた。
サムスン電子が韓国で発生した 1 件について関係機関に調査を依頼したところ、「外部から強い衝撃や押す力が加えられたようだ」とする結果が公開された。 (韓国・聯合ニュース = 10-10-16)
サムスン新スマホ、リコール後も発煙か 米報道
韓国サムスン電子の最新型のスマートフォン(スマホ)「ギャラクシーノート 7」の発火問題で、リコール(回収・無償修理)された従来の端末から交換した安全対策済みの端末でも異常が報告された。 米メディアによると、米国時間の 5 日にケンタッキー州の空港から離陸しようとしていた米サウスウエスト航空の機内でノート 7 が発煙した。 この端末を持っていた乗客によると、2 週間前に新しい端末に交換したばかりだったという。
5 日の発煙を受け、米消費者製品安全委員会 (CPSC) や米連邦航空局 (FAA) が調査に乗り出した。 サムスンは発煙が「新しい『ノート 7』に関連したものかどうか現時点では確認できない」とコメントしたという。 サムスンは 8 月 19 日にノート 7 を発売。 しかし、一部電池に問題があったことが判明し、9 月 2 日に米国や韓国など主要 10 カ国・地域で出荷済みのほぼ全量にあたる 250 万台を回収・交換することを決めた。
ただ、9 月下旬には韓国メディアが新しい端末で異常放電などの問題が起きたと報道。 米国内でも新端末の異常が報告されたことで、再度、対応を迫られる可能性がある。 (nikkei = 10-6-16)
サムスン、米でスマホ 100 万台リコール 新型が発火
米消費者製品安全委員会 (CPSC) は 15 日、韓国サムスン電子が新型スマートフォン「ギャラクシーノート 7」をリコール(回収・無償修理)すると発表した。 対象は約 100 万台。 米国では、同機種が過熱して炎上したとされる車の映像が報じられるなど、社会問題となっている。
同委員会によると、これまでにやけどが 26 件、車や車庫の火災など器物への被害が 55 件報告されている。 同機種は米国やカナダ、韓国などで先月発売されており、日本では販売されていない。 サムスンは今月、同機種の販売の中断を発表した。 「過熱や安全面のリスクがある」として、電源を切り、使用をやめるよう呼びかけている。 米連邦航空局 (FAA) は、航空機内で同機種の電源を入れたり、預け入れの荷物に入れたりしないよう呼びかけている。 (ワシントン = 五十嵐大介、asahi = 9-16-16)
CPSC、韓国サムスンの新型スマホ使用中止呼びかけ
【ニューヨーク = 稲井創一】 米消費者製品安全委員会 (CPSC) は 9 日、韓国サムスン電子の最新型スマートフォン「ギャラクシーノート 7」の使用や充電を控えるように呼びかけた。 バッテリーの発火懸念があるため。 サムスンは同機種のバッテリーに不具合があるとして大規模な製品回収を発表していた。 米アップルが 7 日に発表した新型 iPhone (アイフォーン)との米市場でのシェア争いで痛手になりそうだ。 (nikkei = 9-10-16)
米航空当局が機内使用禁止に 韓国サムスンのスマホ「ギャラクシー」新型機、爆発の恐れで
米連邦航空局 (FAA) は 8 日、航空機の利用者に対し、機内で韓国のサムスン電子の新型スマートフォン「ギャラクシーノート 7」の電源を入れたり充電したりしないよう強く勧告した。 預け入れ荷物の中にも入れないよう求めた。
このスマホを巡っては充電中にバッテリーが爆発したとの情報があり、サムスンは 2 日、リコール(無料の回収・修理)を発表していた。 2 日の段階でサムスン側は、日本ではまだ発売されておらず、発売時期は未定としていた。 このスマホはサムスンの主力機種で、8 月に韓国や米国などで発売されたばかり。 個人情報保護のため、瞳の虹彩の模様を読み取って画面ロックを解除する機能を採用したほか、バッテリー容量が大きく、充電速度も速いと宣伝していた。 (kyodo = 9-9-16)
サムスン、ギャラクシーノート 7 の販売中断 出火事故で
韓国サムスン電子は 2 日、韓国や米国などで先月 19 日に発売したばかりの新型スマートフォン「ギャラクシーノート 7」の販売を中断すると発表した。 バッテリーの不具合から、充電中に発火するケースがあった。 部品交換後に販売を再開するが、新部品の準備に 2 週間ほどかかるという。 韓国では、「充電中のノート 7 が発火した」などとする消費者の訴えが、破損したノート 7 の写真と共にインターネット上で流れ、社会的な反響を呼んでいた。 日本ではまだ発売されていない。
サムスン側は不良品の発生率について「100 万台のうち 24 台が該当」と説明。 すでに販売した製品はサービスセンターで点検し、問題があれば新製品と交換する。 交換の対象になる製品は 250 万台に上るという。 バッテリー部品に問題がない中国と香港では販売を続ける。 ノート 7 は防水機能を高めたほか、目の虹彩(こうさい)による認証機能も備えた。 サムスンは「全世界のスマートフォン市場に新しいマーケットを開拓する製品」と宣伝し、伸び悩みが懸念される携帯商品の起爆剤として売り込んでいた。 (ソウル = 牧野愛博、asahi = 9-2-16)
サムスン、新スマホにシェア挽回託す きょう主要国で発売
虹彩認証など多機能を搭載
韓国のサムスン電子は 19 日、韓国や米国など主要市場でスマートフォン(スマホ)の新製品「ギャラクシーノート 7」を発売する。 瞳の虹彩を使う個人認証機能など最新技術をふんだんに盛り込んだ。 不振の米アップルを横目にサムスンのスマホ事業の利益は大幅に改善しているとはいえ、原動力はコスト削減。 首位ながらも低下基調のシェアを挽回し、本格的な回復軌道入りを新スマホに託す。 「注意深さは維持しつつも少し期待を持っている。」 スマホを担当する高東真(コ・ドンジン)無線事業部長は今月 11 日、ソウルでの「ノート 7」発表会で取引先などの反応を紹介し、控えめながらも自信を見せた。
新製品は画面ロック解除や、ウェブサイトで買い物をした際の決済に使う個人認証に瞳の虹彩を読み取る方式を導入した。 指紋認証に比べ安全性がさらに高まる。 ノートシリーズの特徴である内蔵ペンも入力できる線幅を細くし、辞書連動機能などを付け加えた。 サムスンは年に 2 回、スマホの新製品を出す。今年 3 月発売の「ギャラクシー S7」は関係者の予想を上回る売れ行きで久々のヒットとなった。 iPhone (アイフォーン)人気が落ち、小売店がサムスンの端末に販売促進費などを傾けるといった追い風も吹いた。
潮目の変化を持続できるか。 「ノート 7」の売れ行きが左右する。 虹彩認証は富士通が既に実用化しており、「ノート 7 に目立った進化はない」と厳しい見方がある一方、グローバル機種に決済や防水といった先端機能をまんべんなく盛り込んだ「全部載せ」を評価する声もある。 期待感からサムスンの株価は上昇基調だ。 18 日には一時、前日比 5% 高い 164.4 万ウォンをつけ、上場来高値を更新した。
スマホ部門は、営業利益が今年に入って急回復している。 4 - 6 月期は 4.32 兆ウォン(約 3,900 億円)と前年同期比 5 割以上増えた。 ただ、機種数の絞り込みや開発費の抑制といった効率化による寄与が大きい。 売上高は小幅増にとどまる。 スマホの出荷台数シェアは漸減傾向だ。米 IDC によると 4 - 6 月は 22.8% で、「S7」ヒットがあったものの 1 - 3 月に比べ 1 ポイント低下した。 米国では半年前まで約 2 倍の差をつけられていた首位アップルに迫る水準まで上昇した。 一方、中国やインドといった新興成長市場では中低価格機を得意とする地元メーカーなどの猛追を受け、シェアを削られている。
高機能スマホでもシェア 3 位で徐々に存在感を高める中国の華為技術(ファーウェイ)が、サムスン製とほぼ同水準の仕様を持つ端末を展開する。 サムスンは「ノート 7」のような最先端機を他社に先行して市場に投入し、最重要の高機能機市場を防衛。 ブランド力を高め、中低価格機での競争力向上にもつなげる戦略を描くが、新興勢力との競争で前途を阻む波は高い。
ただでさえスマホ市場は成熟期に入り、小さな進歩だけでは、もう大きな成長は見込めない。 「次」は何か。 各社が模索する中、サムスンも切り札を温めている。 「フォルダブル端末は色々なテストをしているが、まだ時間が必要だ。 発売は今年下半期なのか来年なのかわからない。」 2 日、ニューヨークでのノート 7 発表会で高事業部長はこう語った。 フォルダブル端末は、ちょうつがいなどを使うことなく画面自体を折り畳んで持ち運べる新タイプの製品だ。 コンパクトなスマホを必要に応じて開き、大画面にするような使い方が期待されている。製品化の実現には、サムスンが得意とする柔軟性に優れた有機 EL パネルなどが不可欠だ。
これまで次世代製品ととらえられていたが、高氏の発言で「実用化は遠くない」との受け止め広がっている。 サムスンの動きを「ハードウエアは完成済み。 あとはソフト。」と見る業界関係者もいる。 フォルダブル端末が市場に受け入れられるかは予断を許さない。 だがスマホに大きな革新をもたらす動きを先導できれば、サムスンの逆襲が見えてくる。 (nikkei = 8-19-16)
サムスン、ギャラクシー S7 発表 日本は夏ごろ発売か
スマートフォン世界最大手の韓国サムスン電子は 21 日、スペイン・バルセロナで最新モデルの発表会を開いた。 出荷台数は世界トップだが、割安感のある中国勢の猛追を受け、シェアが下がりつつある。 最新技術とともに扱いやすさをアピールし、てこ入れを急ぐ。
発表したのは、ギャラクシー「S7」と、画面の両脇が湾曲した「S7 エッジ」。 カメラに一眼レフでも使われる技術を採用し、ピントが合う速さを現モデルより 4 - 10 倍ほど向上させた。 バッテリーを大きくして電池のもちをよくし、防水機能もつけた。 22 日にバルセロナで始まる携帯電話の国際見本市「モバイル・ワールド・コングレス (MWC)」で展示する。
米アップルの iPhone (アイフォーン)と競合する高級機種。 3 月中旬から世界各地で発売し、日本でも今夏ごろに大手携帯会社から売り出される見通しだ。 調査会社 IDC によると、昨年のスマホの出荷台数のメーカー別シェアは、サムスンが 22.7% で首位だが、前年より 1.7 ポイント下落。 2 位のアップルや 3 - 5 位の中国勢がシェアを伸ばしたのとは対照的だ。 (バルセロナ = 内藤尚志、asahi = 2-22-16)
スマホから消えた「サムスン」の文字
"嫌韓" の日本限定「ステルス作戦」か、付属品からもロゴ削る徹底ぶり
日本で発売された韓国サムスン電子の新型スマートフォンで「サムスン (SAMSUNG)」のロゴの文字が消えた。 社名はブランド力を誇示できる刻印に等しいだけに、そのメリットを捨て、あえてサムスンの名をふせる狙いは何か。 米アップルと中国新興メーカーとの狭間で熾烈なスマホ販売競争が繰り広げる中、まるで「名を捨て実をとる」ような大胆な奇策が関心を集めている。
フランス通信 (AFP) や韓国メディアなどによると、サムスンのロゴをなくすのは日本市場に限っての対応だ。 4 月 23 日に日本で通信会社を通じて発売された最新型「ギャラクシー (Galaxy) S6 エッジ」、「S6」には社名が入っていない。 スマホブランドの「Galaxy」のロゴが前面に打ち出されている。 S6 は、高級感のあるデザインが人気の米アップルの「iPhone (アイフォーン) 6」の対抗機種にほかならない。
本体の素材から見直して、従来のプラスチックから、強化ガラスやアルミニウムなどに変えたことで質感はぐっと高まった。 S6 エッジは両端を湾曲させた有機 EL ディスプレーを採用。 画面の縁が薄く、映像が浮き出るように鮮やかに見えるのも特徴だ。 家電メーカーらしく、カメラにこだわり、高性能レンズを搭載。 薄暗い室内でも鮮明に撮影でき、手ぶれを防止する機能を充実させた。 共同通信によると、東京都内で 4 月 8 日に行われた発表会では、アイフォーン 6 で撮った写真との仕上がりを比較して優位性を PR。 日本担当の幹部は「製品展示や販売員の説明でアップルに見劣りしないよう全力を挙げる」と述べたという。
前門のアップル、後門の中国 … 板挟み
サムスンの足元での最大の課題は、スマホ市場での世界首位の座のアップルからの奪還にある。 長く世界シェアトップを走ったきたサムスンの変調は、昨年末から鮮明になってきた。 それはさまざまなデータが示している。 2014 年 10 - 12 月期にサムスンのスマホ世界販売台数(米調査会社ガートナー調査)はアップルに抜かれ 2 位に転落。 ロイター通信によると、アップルがサムスンを抜いたのは 2011 年以来のことだ。 サムスンの 13 年の通年業績は、営業利益、売上高とも過去最高だったが、14 年は 9 年ぶり減収、3 年ぶりの減益を記録した。
4 月 7 日に発表した 15 年 1 - 3 月期の連結決算(暫定値)でも、営業利益が前年同期比約 31% 減の約 5 兆 9 千億ウォン(約 6,500 億円)。 営業利益は前期(14 年 10 - 12 月期)に比べれば、12% 程度増加しているが、本格回復にはまだ遠い。 中国の北京小米科技(シャオミー)や華為技術(ファーウェイ)など新興メーカーの追い上げはきつくなるばかりで、前にはアップルが立ちふさがる。 主力スマホのギャラクシーの牽引力が弱まりは、業績に直結している。
反韓感情で勢いを失う?
そんな中で、鳴り物入りで投入するスマホに自社のロゴを入れない意味は何か。 欧米や韓国メディアも関心を寄せた。 AFP は、社名のロゴを消した理由について、サムスン側は明らかにしていないと報じた一方、最大のライバル、米アップルが支配的な地位を占め、日本勢が一定の勢力を持つ市場で「苦戦してきた」と指摘し、これまでのサムスンの日本でのビジネス状況と関連付けた。
朝鮮日報(日本語電子版)も、サムスンが 12 年に「ギャラクシー S3」を日本で発売した際は、富士通、アップルに続く 3 位の 14.8% のシェアを占めたが、反韓感情を背景に 13 年以降は勢いを失ったと分析。 14 年は 5% 台に低下していると紹介した。 ロゴは、イヤホンや変換器などの付属品からも消えた。 同紙は「異例の動き」と指摘。 そのうえで、同紙は、サムスンが唯一苦戦する日本市場で、「その攻略をするため、社名を捨てたことになる」との見方を示した。
一方、4 月 23 日付の経済金融専門紙フジサンケイビジネスアイは、サムスン電子ジャパン首脳は「ギャラクシーというブランドをもっと理解してもらうためだ」と説明したと報じた。 とはいえ、「ギャラクシー」ブランドは十分に日本市場で浸透している。 わざわざ、宣伝にもなる社名を外すほどのメリットは何か。 アップルファンが多く、ニッポンブランド贔屓の強い日本市場にあって、やはり、サムスンという企業イメージをできるだけ薄くする "ステルス" 戦略なのか。 その思惑を巡っては、さまざまな観測を呼びそうだが、確かなことは、ハイスペックな新製品を携え、日本市場の攻略に本腰を入れてきたということだ。 (sankei = 8-11-15)
サムスン、脅威の 11K 解像度スマホディスプレイを開発中?
11K 解像度、わけがわからないよ。 年々高解像度化するスマホ向けディスプレイ。 すでに最新のスマートフォンはフル HD でも飽きたらず、WQHD 解像度(2,560 x 1,440 ドット)にまで達しています。 正直「もうええんちゃうの」なんて思わないでもないですが、なんとサムスンははるかに上をいく 11K 解像度のモバイルディスプレイを開発しているそうなんです。
この計画は韓国政府の助力の下スタートしたそうです。 製品の登場時期は 2018 年。 奇しくも国内で 8K 解像度放送が始まるこの年に、テレビよりもはるかに小さいモバイルガジェットで 11K 解像度が達成されるとは …。 サムスンの野心、恐るべしです。 ちなみにこの 11K 解像度をモバイルデバイスのディスプレイサイズに当てはめると、その画素密度は 2,250ppi。 iPhone 6 Plus の画素密度が 401ppi なのを考えると、まさに桁違いでしょう。 さらに、11K 解像度はあまりにも解像度が高いことから画面が 3D のように見えるんだとか。 むむ、これはかなり気になってきましたね。
2018 年といえば、平昌冬季オリンピックの開催年。 サムスンの幹部もこのオリンピックに合わせて 11K 解像度ディスプレイのようなインパクトのある発表をしたいと意気込んでいるそうです。 そもそもコンテンツはあるの? という疑問もありますが、日本でも 8K 解像度放送が始まる 2018 年なら、意外と需要はあるのかもしれませんね。 (塚本直樹、Gizmodo = 7-20-15)
サムスン最新スマホはどこまで "下がる"? 日本で苦戦続く
5 月 28 日、台湾・MoneyDJ 理財網は日本の報道を引用し、韓国・サムスンの最新スマートフォンが日本市場で苦戦していると伝えた。 サムスンの最新スマホ、「Galaxy S6」、「Galaxy S6 edge」に関して、日本では NTT ドコモが異例の値引きを実施すると伝えられている。 ドコモは 2 年前にサムスンとソニーの販売を強化した「ツートップ戦略」で獲得した顧客の流出を防ぐ狙いで、下取り価格の引き上げやクーポンなどで実質 1 万円引き下げる方針。 機種変更で発売後間もない値引きは異例だという。
さらに、日本の量販店の POS データをもとに集計した「BCN ランキング」では、5 月 18 - 24 日の週の販売量で「Galaxy S6」、「Galaxy S6 edge」はそれぞれ 39 位と 47 位と順位を下げていた。 これはドコモが販売している HUAWEI 製のキッズケータイの 36 位より順位が低く、同ランキングからもサムスンの最新スマホが日本市場で苦戦していることがわかる。 (RecordChina = 5-30-15)
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