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「待機児童」減ったけど 認可保育所に入れない子 100 市区で 4 万人 首都圏の都心通勤圏の自治体と全国の政令指定都市計 100 市区の認可保育所への入園状況を調べた結果、入園を希望しているのに入れない子どもが今年 4 月 1 日時点で約 4 万人にのぼると、保護者らでつくる「保育園を考える親の会」が 10 月 14 日、発表した。 国が定義する「待機児童」は減っているが、希望する施設への入園にはなおハードルがあることが浮き彫りになった。 国の定義による「待機児童」の数は 100 市区で 581 人。 ただ、この中には認可施設の利用申請をしたものの入園できず認可外施設を利用したり、施設が遠いなどの理由で入園を辞退したりしたケースは入っていない。 こうした「認可施設を希望しているのに利用できない」子どもの数は 100 市区で 3 万 9,454 人(昨年度 4 万 3,392 人)にのぼった。 「育休延長」自治体の対応は また、育児休業の延長を希望する人への対応についても調査した。 育休を延長するには「認可施設の利用申請をしたのに入れなかった」という事情が必要なため、育休延長の目的で利用する意志がない施設に申請を出す人を国は問題視、今年度から対応を厳格化するとしていた。 100 市区の調査では、申請時に「育休延長可能」などの意向を示した人について、「一切配慮しない」とした自治体は 16。 一方で、約 8 割の自治体は、育休延長希望者の入園の優先順位を低く調整するなどの配慮を続けていることが明らかになった。 同会顧問の普光院亜紀さんは「一刻も早く入園したい利用者を優先するために、育休延長が可能な人の優先順位を下げることは合理性がある」とし、事務負担軽減や子育て支援の観点から、手続きの簡素化や育休を希望する期間取得できることの必要性を指摘した。 (田中聡子、asahi = 10-15-25) スキマバイト 介護施設で拡大 「周辺業務で助かる」、質低下が懸念 空き時間に単発・短時間の仕事をスマートフォンのアプリでマッチングするスキマバイト(スポットワーク)が、介護の現場で広がっています。 人手不足に悩む施設にとっては人材確保や採用でメリットがある一方で、履歴書や面接なしで採用される介護人材に、介護の質や安全性の課題について指摘する声も上がっています。 閑静な住宅街や畑などが並ぶ東京都杉並区内の介護付き有料老人ホーム。 常勤職員は 15 人ほど、派遣社員は約 7 人が働き、昨年 9 月からタイミーを導入して、取材した 8 月上旬の日には介護人材の 3 人がタイミーを通して働いていた。 タイミーの募集は午前と午後の約 4 時間の枠と日中に入浴介助を担当する計 3 枠を出している。 安全面や介護の質を保つため、タイミーの働き手は各部屋へのお茶配りや配膳、リネン交換などの周辺業務にあたり、食事や入浴などスキルのいる身体介助は常勤職員で担う。 タイミーでの入浴専門の働き手も介護度がある程度低い利用者を担当して、常勤職員の補助をつけている。 「身体介助など以外の間接業務もとても多い。 介護業界は人材不足でそこを担ってもらえるだけでも助かっている。」と施設長は話す。 この施設を運営する介護大手「ケア 21」は全国で約 160 施設を抱えるが、タイミーの活用は拡大し、全施設の 4 割で使う。 安全のため有資格者のみの採用を方針として掲げる。 活用の背景には人材獲得と採用難がある。 コロナ禍以降は特に採用が難しくなり、常勤で足りないときは派遣会社を通して依頼してきた。 タイミーでの採用は派遣よりも低コストであるほか、何度か働いてもらい、良い人材であればスカウトして正社員化することにも注力する。 タイミーの場合、引き抜きのコストはかからず「採用手法の一つとしても活用したい」と「ケア21」の人財採用部の山田健太郎次長は話す。 タイミーでの介護関連の募集人数は、今年 1 月時点で前年同月比約 3.6 倍に伸びた。 介護有資格者は前年同月比約 2 倍の約 42 万人となった。 このほか、介護分野に特化したスキマバイトサービスも広がり、「カイテク」や Usen Working の「Ucare (ユーケア)」などがある。 スキマバイトの介護分野での求人では、無資格者や未経験者を含めて募集をかけていることがある。厚生労働省によると、スキマバイトを高齢者施設の入居者に対する職員の配置基準に含めるかどうかは、「事業所の指定を行う都道府県などが実態を踏まえて判断することになる」としている。 介護の質の低下が懸念されるなかで、サービス事業者はどう対応しているのか。 タイミーは徹底した業務の切り出しを重視し、業務を細分化して資格保有や経験値に合わせて業務を任せる体制を構築する。 たとえば無資格者には直接の介護に関わらない厨房業務や掃除など間接業務にするようにして、無資格者が高齢者と 1 対 1 にならないように推奨する。 このほか、今年 2 月に働き手が有する資格者証の回収や確認をシステム上で完結できる機能を追加し、事業者がスムーズに資格の確認をできるようにした。 パーソルグループが運営するスキマバイトサービス「シェアフル」も業務を切り出して、無資格でも行える業務だけを依頼するよう事業者に推奨するほか、有資格者を募集したい場合は「資格者限定」と求人に明記するよう求人企業に依頼する。 「Ucare」は働き手を有資格者中心にしている。 有資格者はアプリ上で資格証の提示を必須として、同社が目視で確認するほか、事業者が独自で作成した研修コンテンツの受講を必須条件として設定できるしくみを導入している。 淑徳大の結城康博教授(社会福祉学)に、介護業界のスキマバイトの広がりについて、状況や課題などを聞いた。 ☆ 介護施設は慢性的な人手不足で、本当に深刻な状況だ。 本来は正規職員などを自前でリクルートして教育すべきだがそれもできておらず、猫の手も借りたい状態でスキマバイトに頼っている。 課題は介護の質や安全性だ。 高齢者と人間関係をつくり、人それぞれの特性に応じて介護することが大切で、スキマバイトは対人援助ではなく、機械的な「作業」が提供される懸念がある。 日替わりで高齢者の生活空間に入ることは、信頼が保たれず高齢者に不安を与える可能性があるほか、どれだけ介護のスキルがあっても、初めての施設や高齢者を介護することはリスクがある。 スキマバイトは既存社員の負担を軽減させるために使うべきだが、主力として位置づけられている施設もある。 介護保険の介護報酬は上がっておらず、政策的には介護業界で人が雇える水準、全産業並みの賃金にしないと解決にならない。 政策の問題が活用の広がりを生み出しているとも言える。 (片田貴也、asahi = 10-13-25) 世界大学ランキング、東大が 26 位 トップは英オックスフォード大 英国の教育誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」は 9 日、2026 年版の世界大学ランキングを発表した。 1 位は 10 年連続で英オックスフォード大。 日本勢のトップは 26 位の東大で、前年の 28 位から順位を上げた。 2 位は米マサチューセッツ工科大、3 位は米プリンストン大と英ケンブリッジ大で、上位 10 位を米英勢が占めた。 日本勢では、京大が 61 位(前年 55 位)、東北大が 103 位(同 120 位)、大阪大が 151 位(同 162 位)で、上位 200 校に入った。 アジアのトップは中国の清華大で 12 位。 北京大が 13 位に続いた。 ランキングは、115 カ国・地域の 2,191 大学について、研究の環境や質、学生への教育、国際性などの評価をもとに順位付けした。 (加藤あず佐、asahi = 10-9-25) 出産費用の値上げ相次ぐ 無痛分娩の助成を機に? 病院「今しかない」 東京都内に暮らす会社員の女性 (29) は今年 2 月に妊娠がわかると、迷わず無痛分娩で出産することを決めた。 初めての出産。 その痛みは、想像することもできない。 「妊娠がわかったときから、怖さがあった」という。 無痛分娩は麻酔によって、出産時の痛みをやわらげることができる。 気になったのは、ネット上で「自然に産んだほうがいい」、「痛みを伴ってこそ母になれる」といった無痛分娩に批判的な論調も広がっていることだった。 だからこそ、東京都が無痛分娩にかかる費用について最大 10 万円を助成する方針を決めたことは、費用負担の面よりも、普及を後押しする取り組みとして、ありがたかった。
ただし、病院探しは難航した。 無痛分娩に 24 時間対応できる施設は限られ、自宅近くの施設は予約でいっぱい。 結局、自宅から車で 30 分ほどかかる病院を予約した。 自然分娩で 100 万円、さらに無痛分娩の追加費用が … 費用負担の効果も限定的だ。 この病院は自然分娩の費用が 100 万円ほどで、そこに無痛分娩の費用が加算される。 これまでは加算分は 18 万円だったが、都の助成が始まる 10 月からは、25 万円に値上げされた。 女性の出産予定日は 10 月下旬。 10 万円の都の助成を受け取っても、値上げ分を考慮すると、9 月出産までの費用総額と比べて 3 万円安くなる程度にとどまる。
同様に都内の病院では、出産にかかる費用の値上げが相次いでいる。 23 区内にある病院は 10 月 1 日から、無痛分娩の費用を 13 万円から 18 万円に値上げすることを決めた。 少子化で出産数が減る一方で、無痛分娩を希望する妊婦の割合はこの 3 年ほどで、3 割台から 8 割超に増加した。 無痛分娩に対応するためには麻酔科医の人件費などがかかることから、病院幹部は「コストがかなり厳しい状況で、(助成が始まる)今しかないと値上げを決断した」と明かす。 別の都内の病院は 4 月、自然分娩の費用を 5 万円値上げした。 担当者は食費やリネン代の高騰を指摘し、「病院の努力だけでは値段を維持できない」と説明する。 値上げ幅が大きくなると助成の効果が薄れることになるが、都福祉局の担当者は「値上げは病院の判断なので、意見するところではない」と話す。 増える無痛分娩の希望者、大規模病院に集約化進む? それでも、無痛分娩を希望する妊婦は今後も増え続けるとみられている。 日本産婦人科医会によると、総分娩数に占める無痛分娩の割合は 2018 年に 5% だったが、23 年は 13.8% まで増えた。 都内における 23 年の無痛分娩の割合は 31.2% で、全国最多だ。 常務理事の関沢明彦医師は「(都の助成をきっかけに)無痛分娩がさらに増えるだろう」と話す。 課題は、態勢の整備が追いつくかどうかだ。 無痛分娩に 24 時間対応するためには麻酔科医の確保が必要だが、慢性的に不足する状態が続く。 関沢氏は「中規模以下の医療機関では、麻酔科医を 24 時間配置することは難しい。 人手が確保できる大規模な病院に無痛分娩が集約化されると、希望する妊婦にとってはアクセスの悪化につながりかねない」と指摘する。 日本大学医学部の田倉智之主任教授(医療経済学)も淘汰が進むことを懸念しているという。 「無痛に対応できるよう麻酔科医を雇用し、施設を整える病院もあれば、財政的に余裕もなく『もう分娩の取り扱いをやめよう』という施設もでてくるかもしれない。 そうなると、産める場所が少なくなったり、選択肢が減ったりする。 結局、妊婦の利益になったのか、という点で疑問が出てきてしまう。」 さらに、限られた麻酔科医が都内に集中することも危惧されているといい、田倉氏は「埼玉県や千葉県など、東京周辺の麻酔科医が無痛分娩に対応するために都内に移ってしまうと、一般の外科手術など医療全体に影響が及ぶ可能性がある」と指摘する。 都の昨年の調査によると、回答があった都内の医療機関のうち、6 割あまりが無痛分娩に対応。 今後、さらに増えるとみられるが、東京以外の地方によっては対応できる施設がほとんどないところもあるのが実情だ。 田倉氏は「出産方法の受け止めはひとそれぞれで、大切なのは、それぞれの女性が、自分が安心して産みたいと思う方法で出産できること。 急速に進む少子化のなかで、麻酔科医の育成や分娩施設の確保など、国によるスピード感のある対応が求められている。」と指摘する。 都内においても、無痛分娩に対応しない施設では、出産希望者が減らないかといった影響が危惧されている。 世田谷区にある青木産婦人科の青木宏明院長は迷ったすえに、無痛分娩の導入を見送った。 青木院長は「無痛分娩を全否定するつもりはないが、安全性のリスクはあり、美化されすぎることへの懸念がある。 行政は出産そのものに助成するべきではないか。」と訴える。 (石川瀬里、立岩穣一、中村英一郎、asahi = 10-1-25)
111 郵便局の軽バン停止へ、2 千局見通し 日本郵便「委託で対応」
記事コピー (asahi = 4-16-25〜10-1-25) 理工系の「女子枠」設置の大学、8 校増えて 38 校に 文科省公表 京都大も「女子枠」を導入予定 文部科学省は 30 日、女子生徒が対象の選抜「女子枠」を設ける国公立大学が 38 校になったと発表した。 理工系学部で女子学生を増やす目的がある。 来春入学者向けの入試で設けられる。 女子枠は、国公立大の計 38 校・49 学部が設け、前年度の 30 校から 8 校増える。 新設する 8 校は、岩手大、山形大、京都大、広島大、愛媛大、埼玉大、大阪大、小松大(石川県)。 (島崎周、asahi = 9-30-25) 「保育園留学」 首都圏の子育て世帯に人気 移住体験、自治体にも恩恵 子どもを自然豊かな地域の保育園に通わせながら、家族で短期間の地方暮らし体験ができる「保育園留学」が、首都圏の子育て世帯を中心に広がっている。 人口減少や少子化に悩む自治体側にもメリットがあるという。 車で約 1 時間半、近場での移住体験に魅力 8 月中旬、東京都青梅市の三田保育園に、武蔵野市内から一家族が保育園留学に訪れていた。
在園児と打ち解けた様子でプール遊びをする長男 (5) を、両親がほほえみながら見つめていた。 未就学児 2 人と両親の 4 人家族で、同じ武蔵野市内で別居する両親と 3 世代で訪れた。 日中は長男を園に預けながら、近くの民宿を拠点に 1 週間滞在し、次男 (2) を連れて地元の飲食店や観光地に足を運ぶ。 留学のきっかけは、インスタグラムの広告。 「青い空に豊かな緑。 見た瞬間これだ! と思いました。」と母親 (34) = 育休中 = は話す。 自宅から車で約 1 時間半と通える距離で、自然豊かな環境のもと、移住体験ができることに魅力を感じたという。 普段の休日は近くの公園など、決まった場所に行くことが多いという。 青梅では新しい場所で刺激を受けながら、いつもとは違うゆったりとした時間の流れの中で過ごせている。 会社員の父親 (42) は、「『青梅時間』が流れている。 留学をきっかけに青梅の地を知ることができた。 再び来たい。」とほおを緩める。 75 年続く保育園 「少子化で子どもが集まらない」 同園は 2023 年、都内で初めて保育園留学を開始した。 在園児と同じ利用時間で 1 - 2 週間ほど通うことができる。 これまでに 25 家族が利用した。 75 年の歴史をもち、自然豊かな環境のもと、命の大切さを学ぶ教育を大切にしてきた同園だが、最近は少子化の影響を受けている。 5 代目の園長・鈴木慶子さん (49) は、受け入れ開始の背景の一つに、在園児の定員割れへの危機感があった、と話す。 「先代らが運営をしていた当時は、近所からの子どもたちで園運営ができていた。 でも今は、それでは子どもが集まらないんです。」 車で片道 30 分かけて通園する園児もいる。 ここ数年、インスタグラムで広報活動をしたり、通園バスを運行してみたり、試行錯誤をしてきた。 豊かな自然の中で原体験ができる、この環境をなくしてはいけない - -。 そんな思いで保育園留学事業を市に提案。 これを受けて市が 23 年度、「青梅市の子育て・暮らし体験事業」として新規事業化した。 受け入れ開始で認知度アップ、働く職員の自信に 受け入れ開始以来、徐々に口コミで認知度があがり園児数も増加。 現在は定員の 20 人を超す園児が在籍する。 この夏には移住してきた 2 家族から、3 人が新たに入園した。 当初は知らない子を短期で受け入れる不安もあったという。 受け入れ前には面談でアレルギーの有無や子どもの発達の状況など詳細な聞き取りを行うほか、園の卒入園時期や行事開催月での受け入れは避けるなど、「受け入れ態勢の協議を徹底して行うことを心がけている」という。 受け入れは在園児にもいい刺激になっている。 「訪れた子のことを知りたいと質問したり、自分たちの普段の遊びを紹介したり、普段の小さいコミュニティーに良い変化がもたらされている。」 滞在中に在園児と「親友」になって帰る子どももおり、鈴木園長は「大人では信じられないスピード。 やっぱり子どもの力はすごいと、日々目の当たりにしています。」と話す。 「この環境を望んできてくださる家族がいることは、働く職員にとっても、いい環境で仕事ができているんだと我が身を振り返るきっかけになる。 自信につながっている。」 園の提案を受けて事業化へと進めた市シティプロモーション課の松永和浩課長 (56) は、「留学をきっかけに、『住んでみたい』、『もう一度訪れたい』というご家族のお声が多いと聞いている。 『関係人口の創出』を目的とする事業として、非常にうれしいことです」と話す。 利用者の約 7 割が首都圏から、「子育ても仕事も諦めない選択を」 青梅市を含め、全国で「保育園留学」を手がけるのは、地方創生事業をおこなう創業 12 年のベンチャー企業「株式会社キッチハイク(本社・東京都台東区)」。 事業開始の 2021 年 11 月以来、留学先は 45 自治体、60 園、留学数は 2,500 家族にのぼる。 同社によると利用者の約 7 割が東京、神奈川、千葉などの首都圏からだという。 同社の広報、長谷部由梨さん (43) は「都内の子育て世帯の共働き率は約 67% (22 年度、都調べ)に達するなど、子育てと仕事の両立が課題になる中、ニーズの高まりを感じている」と話す。 「事業は、共働きの親が子育ても仕事も、どちらも諦めない選択をしながら暮らしていけるような環境をつくりたいという思いから始まった」と振り返る。 また、同社は地域活性化事業に取り組んできたことからも、過疎化が進む地域の課題解決にもつなげたいと考えた。 同社によると、最初の事業開始地である北海道厚沢部町では、保育園留学を通じて、宿泊費、一時預かり費用、現地出費(レンタカー代、食費、レジャー費用)などを含め、地元への経済効果は年間 3 千万円以上との推計があるという。 保育園留学の費用などを、ふるさと納税の返礼品として受け取れる「留学先納税」の活用も進み、自治体への還元も行われている。 25 年 9 月現在、19 自治体 27 園で利用が可能という。 事業開始から 4 年近く。 当時の保育園児が小学生となり、きょうだいでの利用ニーズもあることなどから、昨年には新たに「小学生留学」事業も開始した。 すでに保育園留学をおこなっている 15 地域で実施し、利用家族数は昨年度の 10 家族から今年度約 70 家族まで拡大した。 現在、冬休みや春休みでの利用の問い合わせが多数寄せられており、さらに増える見込みだ。 長谷部さんは「色んな形で都市の家族とその地域がつながっていけるよう、挑戦しつづけていきたい」と話す。 (竹中美貴、asahi = 9-22-25) 育休取得の行員と同僚に 5 万円を支給 三井住友銀が 3 メガ初の新制度 三井住友銀行は 19 日、育児休業を 1 - 6 カ月にわたって取得した行員とその同僚に、5 万円の報奨金を 10 月から支給すると発表した。 3 メガバンクで初めての取り組みで、育休がとりやすい環境づくりを後押しする。 支給対象の同僚は、育休を取る行員と同じチームで仕事をする行員。 育休で欠員が出ても意欲的に働けるようにするのが狙い。 育休が 6 カ月を超える場合は代替人員の配置を検討するため、対象外となる。 男性行員は約 1 カ月以上の育休を必須に あわせて、男性行員は子どもが 2 歳になるまでに、約 1 カ月(20 営業日)以上の育休取得を原則必須にする。 三井住友銀は 2023 年度に男性の育休取得率が 100% になったが、日数は平均 12 日間にとどまり、目標の 30 日間以上を大きく下回っていた。 いずれの取り組みも 28 年度までで、育休取得や男性の育児参画を根付かせるための措置としている。 金融業界では三井住友海上火災保険が 23 年 4 月に同様の制度を導入。 育休を取った社員の同僚に、職場の規模と育休期間に応じて 3 千 - 10 万円の「祝い金」を支給している。 (稲垣千駿、asahi = 9-19-26) 丸亀製麺、店舗責任者の年収 500 万円台 → 最大 2 千万円 待遇改善策 丸亀製麺などを運営する外食大手トリドールホールディングス (HD) は 17 日、店舗などで働く従業員の待遇改善策を発表した。 店長制度を刷新し、現在は 500 万 - 520 万円程度の年収を、新しい報酬制度では最大 2 千万円に引き上げる。 店長制度は「ハピカンオフィサー」という制度に変える。 「ハピカン」は、幸福(ハピネス)と感動を組み合わせた。 これまで店長が担ってきた店舗運営業務の一部を副店長などに移した上で、店長には店独自の「感動体験の創造をリード」する役割を求める。 店舗売上高以外に、従業員や来店客の声をデータサイエンスも活用して分析、評価していくという。 丸亀製麺の場合、「ハピカンキャプテン」という名称にして 11 月から導入する。 評価に基づき、「スター」、「エクセレント」、「グレート」と階層が上がっていく仕組みで、年収は最大 2 千万円になるという。 今後、3 年でキャプテンを 300 人、年収 2 千万円クラスを 10 人育てていきたいとしている。 また、トリドールグループの店舗で働く従業員の 15 歳以下の子どもを対象に、所属するブランドの店で無償で食事を提供することも発表した。 「家族食堂制度」として、12 月から丸亀製麺、天ぷらまきの、焼き鳥とりどーるなどで導入。 その後も他ブランドへの展開を検討する。 粟田貴也社長は会見で「今年は創業 40 年です。 世界に通用するグローバルフードカンパニーになりたい。 その実現に向けて、実践していきたい」と話した。 外食業界では、人材確保の観点などで従業員の待遇改善に踏み切る企業が相次いでいる。 「ガスト」、「ジョナサン」などを運営するすかいらーく HD は今春、新人事制度を導入。 店長職の最高年収は 1 千万円を超え、年内に第 1 号が誕生する予定。 丸亀製麺では、店長がうつ病を発症し、労災認定された事案が複数ある。 今回の対応の背景に労災問題があったかについて、トリドール HD 側は「ありません」と回答した。 店長の労務管理については「引き続き適正な労働時間の管理と従業員の健康を守る施策を実施していく」とした。 (橋田正城、南日慶子、asahi = 9-17-25) 化粧品会社でパワハラ、新入社員が死亡 社長辞任し 1 億円超支払いへ 化粧品メーカー「ディー・アップ(東京)」の坂井満社長(当時)が、自らのパワハラ行為により社員の女性(当時 25)が自死を図り亡くなったことへの責任をとり、社長を辞任したうえで同社とともに調停金 1 億 5 千万円を遺族に払うことになった。 遺族らが 11 日の会見で明らかにした。 遺族は会社と社長に賠償を求めて提訴したが、東京地裁が 9 日に「調停に代わる決定」を出し、調停金の支払いや会社側による再発防止の実施などが盛り込まれた。 双方が受け入れ、訴訟は終わった。 遺族らによると、女性は 2021 年 4 月に入社。 その年の 12 月、許可なく取引先に直行したなどの理由で社長と面談した際、社長から「野良犬」などと言われ長時間にわたり叱責された。 翌日も「弱い犬の方がほえる」などと言われた。 女性は 22 年 1 月にうつ病と診断され、8 月に自死を図り一命をとりとめたが、意識のない状態が続き 10 月に亡くなった。 三田労働基準監督署は 24 年 5 月、社長のパワハラの影響で発症したうつ病と死亡の因果関係を認め、労災認定した。 女性の姉は会見で「妹が亡くなってから何年もたち、今さら謝罪されても腑に落ちない気持ちもある。 裁判としてはいい結果をいただけたが、生きているうちに謝ってほしかった」と語った。 同社はサイトで、すでに社長が交代したことを説明したうえで「亡くなられた元従業員とご遺族におわび申し上げます。 社内体制と職場環境の見直しと改善に取り組んでまいります。」とする談話を公表した。 (黒田早織、asahi = 9-11-25) 最低賃金、全都道府県で初の 1 千円超え 全国平均 1,121 円前後へ
記事コピー (4-23-25〜9-5-25) 休暇取得の部下に「妻を教育しておけ」、職員を停職処分 東京消防庁 家族の体調不良で休暇を取った部下に対して「妻を教育しておけ」などと暴言を吐くといったパワハラ行為を繰り返したとして、東京消防庁は 22 日、品川消防署の男性消防司令補 (52) を停職 4 カ月の懲戒処分とし、発表した。 同庁によると、2023 年 11 月から 24 年 6 月、訓練中にヘルメットの上から部下を殴ったり、家族の体調不良で休暇を取った部下に「妻を教育しておけ。 理解できなければ離婚しろ。」などと発言したりした。 上司にも「言い方に気をつけろ。 何様なんだ。」と発言したという。 消防司令補は「搬送訓練中に落とされて、反射的に手が出た。 発言はハラスメントのつもりはなかった。 被害者に謝罪したい。」と話しているという。 また、同庁は 22 日、駅のエスカレーターでスマートフォンを使って女性のスカート内を盗撮したとして、金町消防署の男性消防司令補 (43) も停職 3 カ月の懲戒処分とした。 処分を受け、依願退職したという。 (長妻昭明、asahi = 8-23-25) 国家公務員技術系、定員割れ 2 年連続 民間と人材獲得競争が影響か 人事院は 12 日、2025 年度の国家公務員一般職試験(大卒程度)の合格者数を公表した。 機械や土木といった「技術系」の合格者は計 1,206 人で、採用予定の 1,682 人を 400 人以上も下回った。 技術系の合格者の「定員割れ」は 2 年連続となった。 技術系のうち、「機械」は採用予定 156 人に対し合格者は 75 人、「建築」は同 81 人に対し 35 人と、いずれも半数に届かなかった。 「デジタル・電気・電子」も同 262 人に対して合格者は 140 人にとどまった。 技術系の受験者数は前年度より約 2 割減って 1,919 人。 人事院によると、民間との人材獲得競争が激しくなっており、その影響が出ているとみられる。 合格者は採用予定に対して 476 人少なく、定員割れの人数は 60 人だった前年度から大幅に増加した。 人事院は今後、インターンシップ制や技術系に特化した採用試験の導入を検討し、来年度に具体策を示す方針だ。 「行政」などを含めた一般職全体では、1 万 8,406 人が受験し、合格者は 8,815 人。 採用予定の 5,802 人を上回った。 一般職試験の全合格者のうち、女性は 4,152 人で 47.1% を占め、人数、割合ともに現行の試験制度となった 2012 年度以降で最高となった。 (古賀大己、asahi = 8-12-25) 定員割れ私大、53% に改善 18 歳人口増で? 一時悪化ストップ 入学者数が定員に届かない「定員割れ」の私立大が、今春は 316 校と昨年度より 38 校減った。 定員割れ私大は全体の 53.2% で、昨年度より 6.0 ポイント低い。 改善は 5 年ぶり。 日本私立学校振興・共済事業団が 8 日、回答のあった 594 校の結果を集計して発表した。 担当者は、18 歳人口が 2.7 7万人増えたほか、制度改正で国の給付型奨学金などの対象も広がり、「4 年制大学を目指す人が増えた可能性がある」とする。 学生募集をやめた大学もあり、入学定員は昨年度より 1,114 人少ない 50 万 2,755 人。 一方、入学者数は 1 万 6,107 人多い 51 万 0,839 人だった。 定員に対する入学者数の割合を示す入学定員充足率も、私大全体では 2 年連続で 100% を割っていたが、今年度は 101.61% だった。 だが、定員を満たしたのは大都市周辺の大規模大が多く、地方の小規模大を中心に状況はなお厳しい。 定員割れとなった私立短大も、昨年度より 29 校少ない 220 校だった。 23 校が今春から学生募集をやめ、入学者数の減少 (3,207 人) を定員減 (6,539 人) が上回ったためだ。 定員割れ私立短大の割合は昨年度より 3.1 ポイント減ったが、なお 88.4% に上った。 私学事業団の担当者は「18 歳人口は 2027 年度から再び減少期に入る。 予断を許さない」と話す。 (増谷文生、asahi = 8-9-25) 大企業の今夏ボーナス、過去最高 97 万 4,000 円 経団連まとめ 経団連は 8 日、大手企業の夏のボーナスの妥結状況(最終集計)を発表した。 平均妥結額は前年比 3.44% 増の 97 万 4 千円で、比較可能な 1981 年以降で最高だった。 前年を上回るのは 4 年連続になる。 22 業種 154 社(約 88 万人)について、主に業種団体からの情報提供に基づいてまとめた。 製造業は 4.37% 増の 102 万 9,479 円となり、初めて 100 万円を突破した。 化学 (21.28%)、繊維 (13.08%)、非鉄・金属 (12.64%) などの増加率が目立った。 業績連動型の賞与を導入している企業が数値を押し上げた。 妥結額が高かったのは、機械金属 (123 万 1,456 円)、造船(117 万 3,062 円)、食品(112 万 5,950 円)など。 非製造業は 3.30% 増の 86 万 3,726 円だった。 電力 (10.81%)、航空 (5.89%) の増加率が顕著だった。 建設(126 万 9,893 円)と商業(117 万 4,194 円)で妥結額が 100 万円を超えた。 いずれも、春闘で基本給を大幅に引き上げる会社が目立ち、好調な業績もふまえて高水準になった。 経団連の新田秀司・労働政策本部長は「賃金引き上げの力強いモメンタム(勢い)が継続し、定着が確認できる結果になった」と話した。 (橋田正城、asahi = 8-8-25) 実質賃金 1.3% 減 6 月分給与 6 カ月連続でマイナス 厚生労働省は 6 日、6 月分の毎月勤労統計調査の(速報)を発表し、物価の影響を考慮した働き手 1 人あたりの「実質賃金」は前年同月より1.3% 減り、6 カ月連続のマイナスとなった。 物価高に賃上げが追いついていない。 労働者が実際に受け取った「名目賃金」にあたる現金給与総額は 2.5% 増の 51 万 1,210 円で 42 カ月連続のプラスだった。 一方、実質賃金の計算に使う消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)が 3.8% 上昇し、実質賃金は低下した。 ボーナス増加も プラス転換に至らず 現金給与総額のうち、基本給などの所定内給与は 2.1% 増の 27 万 0,244 円だった。 賞与(ボーナス)など特別に支払われた給与は 3.0% 増の 22 万 0,391 円だった。 昨年 6 月分は賞与が急増した影響もあり、実質賃金が 27 カ月ぶりにプラスに転換したが、今年はプラス転換には至らなかった。 (宮川純一、asahi = 8-6-25) ◇ ◇ ◇ いつプラス? 実質賃金 4 カ月連続マイナス 春闘賃上げも物価高重く 厚生労働省が 5 日に発表した 4 月分の毎月勤労統計調査(速報)では、物価の影響を考慮した働き手 1 人あたりの「実質賃金」は前年同月より 1.8% 減り、4 カ月連続のマイナスとなった。 高水準が続く春闘での賃上げが反映され始めるタイミングだったが、米価の高騰など物価高が賃金に重くのしかかっている。 4 月の実質賃金、4 カ月連続マイナス 春闘効果は顕著にはみられず 労働者が実際に受け取った「名目賃金」にあたる現金給与総額は 2.3% 増の 30 万 2,453 円で、40 カ月連続のプラスだが、伸び率は 3 月分と比べ横ばいに。 一方、春闘による賃上げの影響で、現金給与総額のうち、基本給などの所定内給与をみると、2.2% 増の 26 万 9,325 円と、3 月分の 1.4% から大きく回復した。 ただ、実質賃金の計算に使う消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)が 4.1% 上昇し、実質賃金は低下した。 高水準の春闘 労働組合の中央組織・連合が 5 日に公表した春闘の第 6 回集計では、定期昇給を含む正社員の賃上げ率は平均 5.26%。 33 年ぶりの高水準となった昨年に続き、賃上げ率は 5% を超えた。 物価高への対応として重要なベースアップも集計可能な組合の平均で 3.71% と高水準だが、コメをはじめとした食料品物価の高騰に賃上げが追いつかない。 連合幹部は「春闘の結果が反映されて所定内給与は順調に上がっている印象だ。 だが物価上昇を超えられておらず、今後の実質賃金の動向を注視していく」と話す。 プラス転換についてエコノミストは … SMBC 日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは、春闘の影響は「7 月くらいまで徐々に反映されてくる」と指摘。 実質賃金がプラスに転じるかについては、食料品価格が昨秋から高騰していることなどを踏まえ、「秋ごろには、一定期間プラスには転換するだろう」との見方を示しつつ、プラスを定着させるための条件として「経済全体で生産性が向上する必要がある」と話した。 (宮川純一、片田貴也、asahi = 6-5-25) ◇ ◇ ◇ 「実質賃金のプラス定着、夏以降か」 2 月は 1.2% 減 2 カ月連続 厚生労働省は 7 日、2 月分の毎月勤労統計調査(速報)を発表した。 物価の影響を考慮した働き手 1 人あたりの「実質賃金」は前年同月より 1.2% 減り、2 カ月連続でマイナスとなった。 物価の高騰に賃上げが追いつかない状況が続いている。 労働者が実際に受け取った「名目賃金」にあたる現金給与総額は 3.1% 増の 28 万 9,562 円だった。 実質賃金の計算に使う 2 月の消費者物価指数は 4.3% 上がり、この物価上昇分を差し引いた実質賃金は 1.2% のマイナスとなった。 物価は、過去最大の上げ幅となったコメなど食料品を中心に高止まりしている。 現金給与総額のうち、基本給などの所定内給与は 1.6% 増の 26 万 1,498 円だった。 現金給与総額を就業形態別にみると、フルタイムの一般労働者は 3.7% 増の 37 万 3,099 円、パートタイム労働者は 2.4% 増の 10 万 7,572 円だった。 ただ実質賃金がプラスに定着するかは不透明だ。 今春闘での賃上げ率は、3 日に公表された連合の第 3 回集計で平均 5.4% と高水準となっている。 ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎・経済調査部長は、春闘の影響が反映される 4 月分から名目賃金は上がるが、物価を安定して上回るかは見通せないという。 斎藤氏は「物価水準が落ち着くのは今年の夏 - 秋とみられ、実質賃金がプラスに定着するのも早くてそのころまでかかるのではないか」と分析している。 (宮川純一、asahi = 4-7-25) ◇ ◇ ◇ 1 月の実質賃金 1.8% 減 3 カ月ぶりマイナス 昨年 3 月来の下落幅 物価の上昇分を差し引いた働き手 1 人あたりの 1 月の「実質賃金」は、前年同月より 1.8% 減り、3 カ月ぶりのマイナスとなった。 基本給は 3.1% 増と約 32 年ぶりの高い伸びだが、物価の高騰には追いつかず、実質賃金の下落幅は昨年 3 月以来の大きさとなった。 厚生労働省が 10 日、毎月勤労統計調査(速報)の 1 月分として発表した。 労働者が実際に受け取った「名目賃金」にあたる現金給与総額は 2.8% 増の 29 万 5,505 円で、37 カ月連続のプラスだったが、実質賃金の計算に使う消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)が 4.7% も上昇した。 米類が大幅に値上がりしたほか、キャベツやハクサイなどの生鮮食料品も高騰した。 現金給与総額のうち、基本給にあたる所定内給与は 3.1% 増の 26 万 3,710 円で、1992 年 10 月以来 32 年 3 カ月ぶりの伸び率だった。 一方、賞与を含む「特別に支払われた給与」は 3.7% 減の 1 万 2,317 円だった。 昨年 11、12 月の実質賃金は賞与などが大きく伸びた影響で 2 月連続のプラスに転じていたが、1 月はこれらもなくなったことで再びマイナスになった。 今春闘、2 日に大手が一斉回答 厚労省の担当者は「基本給などの賃上げは進んでいるが、食料品を中心とした物価の高騰が激しい。 3% を超える物価上昇では、実質賃金がプラスになるのはかなり難しい」と話す。 昨年の春闘での賃上げ率は、労働組合の中央組織・連合の集計で 33 年ぶりの 5% 台に達する高水準だったが、実質賃金はマイナス基調が続く。 今春闘では、連合傘下の賃上げ要求の平均が昨年を 0.24 ポイント上回る 6.09% となり、93 年以来 32 年ぶりに 6% を超えた。 春闘は 12 日に大企業の集中回答日を迎える。 (宮川純一、asahi = 3-10-25) ◇ ◇ ◇ 昨年の実質賃金 0.2% 減でマイナス幅改善、名目賃金は 33 年ぶりの高い伸び 厚生労働省は 5 日午前、2024 年の毎月勤労統計調査(速報)を発表した。 労働者 1 人あたりの平均賃金を示す現金給与総額(名目賃金)に物価変動を反映した実質賃金は前年比 0.2% 減で、3 年連続のマイナスとなったが、マイナス幅は 23 年 (2.5%) から改善した。賃金上昇が物価高騰に追いつきつつある。 基本給と残業手当などを合わせた名目賃金は、賃上げや賞与の引き上げが影響し、月平均で前年比 2.9% 増の 34 万 8,182 円で、33 年ぶりの高い伸び率だった。 主に基本給を指す「所定内給与」は同 2.1% 増の 26 万 2,347 円で、30 年ぶりの伸び率となった。 賞与など「特別に支払われた給与」は同 6.9% 増の 6 万 6,192 円で、比較可能な 01 年以降で最も高い伸び率だった。 就業形態別でみると、正社員などの一般労働者の名目賃金は同 3.2% 増の 45 万 3,445 円、パートタイム労働者は同 3.8% 増の 11 万 1,842 円で、ともに統計を取り始めた 1993 年以降で最も高かった。 実質賃金の算出に用いる消費者物価指数は同 3.2% の上昇となった。 このため、名目賃金が上昇したにもかかわらず、実質賃金はマイナスとなった。 同時に発表された 2024 年 12 月分の毎月勤労統計調査(速報)は、名目賃金が前年同月比 4.8% 増の 61 万 9,580 円で、36 か月連続プラスだった。 実質賃金は同 0.6% 増で、冬の賞与増などを背景に 2 か月連続のプラスとなった。 (yoiuri = 2-5-25) |