ガソリン減税、年内実施で与野党合意 自民党「参院選の民意に従う」 ガソリン税に上乗せされる旧暫定税率を廃止する法案をめぐり、与野党 6 党は 30 日、秋の臨時国会で法案を成立させ、年内に廃止することで合意した。 財源確保などの課題について与野党で検討するとしている。 自民、公明、立憲、日本維新の会、国民民主、共産の 6 党の国会対策委員長が会談。 「与野党合意の上、法案を成立させ、今年中のできるだけ早い時期に実施する」と明記した文書を交わした。 8 月 1 日召集の臨時国会中に与野党で実務者協議を設け、財源のほか、流通や地方財政への影響などの課題について協議することも盛り込んだ。 ガソリン税は 1 リットルあたり 25.1 円の旧暫定税率の上乗せがある。 激変緩和のため、野党は補助金で段階的に引き下げることを提案している。 通常国会では廃案 参院選経て与党が方針転換 今年の通常国会では、立憲など野党 7 党が廃止法案を共同提出。 少数与党の衆院で可決したが、参院では過半数を握る与党が採決に応じず、廃案となった。 自民の坂本哲志国対委員長は「参院選で民意が明確になった。 民意にしたがって政策作りをする」と成立の姿勢に転じた理由を説明した。 立憲の笠浩史国対委員長は「与野党が参院でも逆転した大きな成果だ」と述べた。 与野党はこの日、8 月 1 日からの臨時国会の会期を 5 日までの 5 日間とすることでも合意した。 (宮脇稜平、asahi = 7-30-25) ◇ ◇ ◇ ガソリン減税法案、8 月の臨時国会提出へ 野党国対委員長が合意 野党5党の国会対策委員長は 25 日、ガソリンの旧暫定税率を廃止する法案を 8 月 1 日召集の臨時国会に提出する方針を確認した。 施行時期や法案の詳細は今後詰める。 石破茂首相は 25 日の経団連の会合で「暫定税率の廃止は、早急に各党のご意見をたまわりながら結論を出したい」と述べた。 衆院の議院運営委員会に委員を持つ立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、れいわ新選組、共産党の野党 5 党の国対委員長らはこの日、国会内で会談し、臨時国会での法案提出に向け、各党の政策責任者で最終調整を続けることで一致した。 20 日投開票の参院選で、衆参両院で与党が少数となったことを踏まえ、攻勢を強めていく考えだ。 6 月 22 日に閉会した通常国会では、立憲、維新、国民民主、共産、参政、保守、社民の野党 7 党がガソリンの旧暫定税率廃止法案を共同提出。 少数与党の衆院で可決させたが、参院で採決されないまま閉会し廃案となった。 7 月 25 日は、れいわも含む野党 8 党の政策責任者も対応を協議。 終了後、立憲の重徳和彦政調会長は「年内、できるだけ早く施行できることを目指し、早期のとりまとめ、提出を行うことになった」と記者団に語った。 その後、立憲の笠浩史国対委員長は、自民党の坂本哲志国対委員長と面会。 臨時国会にガソリン減税の法案を共同提出する意向を伝えた。 坂本氏は、施行に向けて詰めるべき点が残っているとし、臨時国会での審議入りには難色を示したが、笠氏は「秋の臨時国会では必ず成立させたい。 与野党で協議し、調整を進めたい」と提案。 笠氏によると、坂本氏は「成立を前提として前向きに協議をしていきたい」と応じたという。 (南有紀、宮脇稜平、asahi = 7-25-25) 三菱自、4 - 6 月期は純利益 98% 減 米関税あおりで販売競争が激化 三菱自動車が 24 日発表した 2025 年 4 - 6 月期決算は、純利益が前年同期比 97.5% 減の 7 億円だった。 トランプ米政権が 4 月に発動した自動車に対する 25% の追加関税が利益を大きく押し下げた。 日米関税交渉の合意で自動車関税は 15% に引き下げられるが、すでに米国外で販売競争が激化しており、厳しい局面は今後も続く恐れがある。 営業利益は前年同期比 84.1% 減の 56 億円だった。 米国に支払う関税が 144 億円増えた。 北米だけでみると、営業損益は 30 億円の赤字(前年同期は 207 億円の黒字)だった。 また、米国の追加関税を埋め合わせるために米国外での販売競争が激しさを増し、値引きやローン金利優遇のための販売奨励金がかさんだことが 90 億円の減益要因となった。 米ドルに対して円高が進むなどの為替変動も営業利益を 209 億円押し下げた。 同社は 6 月に米国での販売価格を約 2.1% 値上げしており、「関税部分の費用の挽回に貢献してくれている(中村達夫副社長)」とする。 26 年 3 月期の業績予想は今年 5 月時点から据え置き、売上高は前年比 5.8% 増の 2 兆 9,500 億円、営業利益は同 28.0% 減の 1 千億円、純利益は同 2.4% 減の 400 億円と見積もっている。 23 日に合意に至った日米関税交渉について、松岡健太郎副社長は「当初懸念されていたよりも関税率が低く抑えられたという点でポジティブ」とした一方、「昨日の今日なので、(詳しい影響を)見極めた上で見通しを出したい」と述べた。 (中村建太、asahi = 7-24-25) まるで新幹線な搬送ロボ、JR 東海が開発中 時速 2 キロで駅の売店へ JR 東海は、駅の構内の売店などに自動で商品を運ぶためのロボットを開発中だ。 将来の人手不足への対応が狙いだが、通勤時間帯のような人の流れが激しいときでも安全に運行できるよう工夫を重ねている。 16 日、試作機を発表した。 今年度中に、名古屋駅で実証実験を行う予定だという。 試作機は、最大 300 キロの荷物を載せた台車を牽引できる、自動搬送ロボット。 東海道新幹線の初代 0 系に似た親しみのあるデザインだが、時速 2 - 4 キロほどでゆっくり走る。 人混みを走行中でも目立つよう、176 センチの高さに球体のあんどんを付け、進行方向の床面には映像を投影して注意を促す。 搬送ロボは、「荷物を運搬しています」と音声を発しながら走行。 上方や周囲に取り付けたセンサーで、人や物との衝突を防ぐ。 搬送ロボは、JR 東海とグループのジェイアール東海物流、名古屋大学などが共同で開発している。 同時に、駅構内の天井に複数取り付けた 3D センサーで人の流れを計測し、AI を活用して予測するシステムの構築も進めている。 将来的には、人混みをできるだけ避ける最適な走行ルートを、システムで導き出すようにしたいという。 システム開発には、ソフト開発を手がける来栖川電算(名古屋市)が参加した。 JR 名古屋駅では、繁忙期には 1 日あたりトラック約 40 台分の商品が、駅構内の各売店に運ばれている。 現在は手押しの運搬車を使って、約 20 人の作業員が、のべ 160 回に分けて運んでいるという。 JR 東海の丹羽俊介社長は、「作業員の高齢化も進んでおり、人に頼らない業務体制の整備を進めたい」と話す。 (大平要、asahi = 7-16-25) 「航研機」が航空宇宙技術遺産に認定 珍しいメインギア収納を実演 1938 年に航続距離 1 万 1,651 キロで世界記録を出した「航研機」の復元機。 このほど日本航空宇宙学会の「航空科学技術遺産」に認定されたのを記念し、主脚の引き込み収納の様子が実演された。 主脚は 1 度、後方に 30 度傾いた後に、90 度引き上げられ主翼の中に収納される複雑な仕組みとなっている。 脚収納の操作はワイヤ-方式で、しかも人力で行われた、という。 当時は既に、電動式や油圧式などの操作法があったが、機体の完成が急がれたことから、複雑な設計を伴う部分が省略されたことによるそうだ。 1938 (昭和 13)年、日本初となる周回長距離飛行の世界記録を樹立した国産プロペラ機「航研機」が、このほど日本航空宇宙学会の「航空宇宙技術遺産」に認定された。 復元機が展示されている青森県立三沢航空科学館(大柳繁造館長、三沢市)で 6 月 22 日、認定を記念した機体解説とプロペラ回転・引き込み脚の作動実演があり、多くの航空ファンが集まった。 「航研機」は「東京帝国大学航空研究所試作長距離研究機」の略称だ。 同研究所が、周回飛行距離の世界記録樹立をめざし 31 年に計画をスタートさせ、機体は 37 年に完成した。 38 年 5 月 13 日、千葉県木更津飛行場を離陸した航研機は、周回航続距離 1 万 1,651.011 キロメートルの世界記録と、1 万キロメートルコース速度 186.197 キロメートル/時の国際記録を樹立し、15 日に滞空時間 62 時間 22 分 49 秒で帰着した。 当時の日本は、前年の 37 年に、朝日新聞社機の「神風号」が、東京 - ロンドン間(全行程 1 万 5,357 キロメートル)を 94 時間 18 分(実飛行時間は 51 時間 19 分)で飛び、都市間連絡飛行の国際新記録を樹立するなどしており、航空途上国から一流国へと駆け上がっていた時代だ。 航空宇宙技術遺産としては、長距離飛行の世界記録樹立のみに絞って設計され、長距離実験機としては世界初となる完全引き込み式主脚を装着するなど、様々な工夫がなされたことや、世界記録達成で、当時の日本の技術の高さを示したことなどが認められた。 また、航研機で得られた経験や知見、人材が、戦後の日本で 7 年間もの航空機開発禁止期間を経てなおしっかり継承され、国産旅客機「YS11」などの航空機開発につながった点も評価された。 航研機を猛プッシュ、青森ゆかりの 3 人 三沢に展示されている航研機は復元機(レプリカ)だ。 本物は太平洋戦争終戦まで、東京・羽田の格納庫に保管されていたが、進駐軍によって、近くの沼に沈められ埋められた。現在は、羽田空港の滑走路の下にあるという。 復元は、2003 年の同館開館が契機となって実現した。 三沢市は、1931 年に初の太平洋無着陸横断飛行を成功させた「ミス・ビードル号」が出発した地で、現在でも、米軍と航空自衛隊、民間機が飛び交う「空の街」だ。 長年にわたり市は県に対し「航空ミュージアム」構想を訴えてきたが、97 年になって、実現に向けて、大きく動き出した。 ミュージアムの展示の目玉としては、「ミス・ビードル号」の復元機が計画されていた。 そんな折、航空史に詳しい大柳さんが、同年にあったシンポジウムで、青森県出身の 3 人が深くかかわっていた航研機の存在を紹介した。 航研機には、主操縦者として弘前市出身の藤田雄蔵氏、製造工場長としてむつ市出身の工藤富治氏、設計担当として五戸町出身で「YS11」の生みの親でもある木村秀政氏(いずれも故人)が関係していた。 大柳さんは、航研機を展示のもう一つの目玉として、当時の三沢市長や県知事に熱烈にプッシュ。 ついには復元を勝ち取った。 「本来であれば記録飛行の達成地である木更津あたりに展示されるべきなのだろうが、なんとか関係者の同意が得られた」と大柳さんは当時を振り返る。 復元は 97 - 2002 年で行われ、約 2 億円が費やされた。 当初は「実際に飛べる機体として復元しよう」という計画もあったが、「法律などいろいろ問題があり、飛ばすには至らなかった」と大柳さん。 それでも復元作業中に実際の設計図が発見されるなどの幸運にも恵まれた。 大柳さんは、「残念ながら飛べはしないが、現代のいい材料を使っているので、ある意味、本物よりもいい機体かもしれない」とも話す。 「航研機は日本の航空史に名を残すもの。 若い人たちは、県出身の先人たちの活躍に触れて欲しい。」と話している。 (鵜沼照都、asahi = 7-12-25) ホンダ、燃料電池システムの生産計画を見直し 市場の伸び鈍化のため
記事コピー (10-5-19 〜 6-30-25) 米国関税の影響大のスバルとマツダ、株主総会で対応説明 生産移管も 自動車大手の中でも米国に輸出している割合が高く、米国の関税政策による経営への影響を注視されるスバルとマツダは 25 日、それぞれ定時株主総会を開いた。 総会では、米国への生産移管や値上げの検討などの方針を株主に説明した。 スバルは米国での販売台数の 5 割弱を日本で生産している。 米国が輸入車に課した 25% の追加関税が 1 年間続けば、26 年 3 月期の営業利益が最大約 3,700 億円下押しされると見積もる。 大崎篤社長は群馬県の工場で作っている主力車種「フォレスター」の生産を今秋、米国に移管すると説明。 「為替の影響を受けにくくなり、収益の安定に寄与する」と話した。 「関税政策が明るみに出る前から検討していた」とも語った。 マツダは米国の販売台数の約 5 割を日本で生産している。 同社は、米アラバマ州にあるトヨタ自動車との合弁工場での生産台数増加を目指し、値上げも検討していることを明らかにした。 毛籠(もろ)勝弘社長は「取引先などと力を合わせて雇用と事業を守り抜く」と述べ、販売台数の維持を目指す考えを示した。 (松岡大将、asahi = 6-25-25) 広域的な ETC 障害時には「料金徴収せず」 NEXCO が再発防止策 中日本高速道路(NEXCO 中日本)管内の料金所で 4 月に起きた大規模な ETC のシステム障害について、同社と東、西も含めた NEXCO 3 社は 23 日、再発防止策をまとめた。 広域的なシステム障害の発生時には、料金を徴収しないなどを基本方針としている。 4 月 6 日に発生したシステム障害は、約 38 時間続き、最大 8 都県 106 カ所の料金所で ETC が使えなくなった。 この影響により、各地で交通渋滞が起きたり料金が徴収できなくなったりした。 再発防止策の基本方針では、システム障害が発生した際は料金所の発進制御バーを開放するなど現場で即時に必要な対応を行うことや、円滑な料金の徴収が困難になった場合には料金を徴収しないとしている。 道路整備特別措置法では、緊急車両や災害救助用車両など告示で定める車両については料金の徴収をしないとされている。 今後のシステム障害時には一般車両も徴収対象外にできるよう、国が告示の改正を検討しているという。 再発防止策を盛り込んだ危機管理対応マニュアルは、国土交通省への報告後の 7 月 1 日から運用を始める予定だ。 (辻健治、asahi = 6-23-25) インドに次世代新幹線導入で合意へ モディ首相が 8 月末に訪日で調整 日印両政府はインドのモディ首相が 8 月末にも訪日し、石破茂首相と会談する方向で調整に入った。 日本の新幹線方式を採用したインド初の高速鉄道計画に、JR 東日本が開発中の次世代新幹線車両「E10 系」を日本国内とほぼ同時期の 2030 年代初頭に導入する方向で合意する見通しだ。 複数の日印外交筋が明らかにした。 モディ氏の訪日は、広島県での主要 7 カ国首脳会議(G7 サミット)に合わせた 23 年 5 月以来、2 年 3 カ月ぶり。 今秋インドで予定する日米豪印の戦略対話「QUAD (クアッド)」首脳会合の前にモディ氏が訪日し、日印首脳の相互訪問を軌道に乗せる狙いがある。 日印両政府は、両首脳の会談において JR 東日本が 30 年度の営業運転開始をめざす E10 系をインドでもほぼ同時期に導入する方針で合意する方向で調整。 「最新モデルを日本国内と海外で同時に導入する初めてのケース(日本政府関係者)」になるという。 インド初の高速鉄道計画は、安倍晋三首相(当時)が 15 年末にモディ氏と会談し、新幹線方式による高速鉄道計画に合意した。 当初は東北新幹線「はやぶさ」に使われている「E5 系」を投入する方針だったが、JR 東日本が今年 3 月、E10 系の開発着手を公表。 日本側が最新鋭の E10 系の導入を提案し、インド側も歓迎しているという。 モディ氏の訪日の際、両首脳が次世代新幹線の試験車両がある宮城県を視察する案も浮かんでいる。 ![]() 会談では、岸田文雄首相(当時)が 22 年に表明した 5 年で 5 兆円をインドに投資する目標の進捗を確認。 半導体分野などでの供給網(サプライチェーン)構築に向けた協力についても協議する。 複数の外交筋によると、モディ氏は訪日後、中国やロシアなどでつくる「上海協力機構 (SCO)」首脳会議が開かれる中国を訪問する可能性があるという。 インドは全方位外交を掲げており、「訪中前に訪日し、中国に傾斜するイメージを避けたいのだろう(政府関係者)」との見方もある。 (里見稔、ニューデリー・石原孝、asahi = 6-21-25) JR 東が新夜行列車 首都圏 - 北東北 JR 東日本は、首都圏と北東北エリアなどを結ぶ新たな夜行列車を導入する。 常磐線の特急「ひたち」として走る「E657 系」を 1 編成改造し、2027 年春にデビューさせる。 外観はかつての寝台特急「ブルートレイン」をイメージした明るい青色を用いて、「夜行列車の旅の楽しさ」を受け継ぐという。 10 両編成で定員約 120 人の車内は、全席グリーン車指定席の個室タイプとする。 先頭車となる 1 号車と 10 号車は広めの「プレミアムグリーン個室」で、1 人用と 2 人用を設定。通常のグリーン個室のうち 4 人用は常時フルフラットで、その他の個室も座面の配置換えでフルフラットにすることができる。 5 号車はラウンジで、飲み物や軽食の自動販売機が置かれる。 首都圏を午後 9 時過ぎに出発すれば、翌朝に北東北エリアに到着する運行スタイルを想定し、個室でゆったり夜の旅を楽しんでもらいたいという。 料金は未定だが、プレミアムとグリーンの個室料金は、それぞれ東北新幹線のグランクラス、グリーン車料金に対応するイメージという。 (細沢礼輝、asahi = 6-14-25) 日野自と三菱ふそう、経営統合に最終合意 26 年 4 月に新会社上場 トラック大手の日野自動車と三菱ふそうトラック・バスは 10 日、経営統合に最終合意したと発表した。 2026 年 4 月までに日野の親会社であるトヨタ自動車と、三菱ふそうの親会社の独ダイムラートラックが新たな持ち株会社を設立し、統合する 2 社を傘下に置く。 新設する持ち株会社は、東京証券取引所プライム市場への上場を目指す。 社名や本社所在地は今後決める。 最高経営責任者 (CEO) には、三菱ふそうのカール・デッペン社長が就く。 出資比率はトヨタ、ダイムラーともに 25% とするが、議決権ベースではトヨタが 19.9% となる。 統合後、国内の商用車メーカーは日野と三菱ふそうの両社のほか、いすゞとその子会社の UD トラックスによる陣営の二つに再編される。 電動化、自動化で多額の開発費がかさむ中、経営規模を拡大し、世界市場での生き残りを図る。 日野と三菱ふそうの統合は、23 年 5 月に基本合意した。 だが、日野で22年に発覚したエンジンを巡る認証不正の影響や、高い市場シェアを背景にした競争当局の許認可の取得に時間がかかることなどから、統合は先送りされていた。 その後解決に一定のめどが立ち、合意に向けて話し合いが続いていた。 (松岡大将、asahi =6-10-25) ◇ ◇ ◇ 日野自、三菱ふそうとの経営統合へ再始動 認証不正で米国当局と和解 トラック大手の日野自動車は 16 日、認証不正に関する訴訟で米国当局などと和解したと発表した。 同社は不正を巡って米国以外でも訴訟を起こされていたが、いずれも和解の方向となっており、一連の係争が終結する見通しとなった。 同社は 2023 年に三菱ふそうトラック・バスとの間で経営統合に合意した。 しかし、日野の不正への対応などのため、統合の手続きを延期していた。 今回の米国での和解を受けて、再び動き出すことになった。 排ガスや燃費性能の偽装が 22 年に発覚した日野は、米国とカリフォルニア州の当局からエンジンの性能についての調査を受け、カナダと豪州でも集団訴訟を起こされた。 カナダでは 5,500 万カナダドル(発表当時の為替レートで約 60 億円)で和解し、豪州では 8,700 万豪ドル(同約 85 億円)で和解する見通しが立ったが、米国では解決していなかった。 和解を受けて米国では制裁金など計 12 億0,076万ドル(約 1,800 億円)を支払う予定だ。 同社は和解費用などとして特別損失を既に計上しているが、改めて精査する。 資金を確保するため、本社に隣接する日野工場(東京都日野市)の一部敷地の売却を決めていた。 (松岡大将、asahi = 1-16-25) 西武池袋線、JR 武蔵野線への直通運転を検討 2028 年度めど 西武鉄道は 9 日、2028 年度をめどに西武池袋線とJR 武蔵野線の直通運転を検討していることを明らかにした。 西武所沢駅(埼玉県所沢市)と JR 新秋津駅(東京都東村山市)間にある連絡線を利用する見込み。 実現すれば、西武線と JR 線の直通運転は初めてとなる。 西武池袋線は、池袋駅(東京都豊島区)から飯能駅(埼玉県飯能市)を経て西武秩父線につながる。 JR 武蔵野線は府中本町駅(東京都府中市)から南浦和駅(さいたま市)や西船橋駅(千葉県船橋市)をつなぐ環状路線で、JR 京葉線に乗り入れる。 連絡線は現在、機関車の牽引で鉄道車両を移動させるのに使われ、昨年には小田急電鉄の中古車両を西武線内に運び込むルートとなった。 この連絡線を使えば、新たな用地を取得せずに西武池袋線とJR武蔵野線を直通させることが可能になるという。 西武鉄道は「28 年度をめどに臨時列車を直通させる方向で検討している。 お客様の利便性向上や新たな流動の創出など、両社の沿線価値向上を含めたバリューアップを進める」とコメント。 JR 東も「直通運転を検討していることは事実」としている。 (細沢礼輝、asahi = 6-9-25) "トンネルの上にトンネル" って、ヘンだよな …?」 全国ここだけ「三つ目トンネル」の珍景 なぜこんな構造に? 「二階建てトンネル」 … あまり聞かない構造ですが、とある高規格道路にはもっと大規模な、「三つ目トンネル」が存在します。 実は全国的にもかなり珍しい構造でした。 「二階建て」どころじゃない! 「三つ目トンネル」って何だ!? ![]() 千葉の房総半島では、「二階建てトンネル」なるスポットが映えスポットとして話題になっていたりします。 都市の地下はいざ知らず、地上でトンネルが上下 2 本並ぶような光景は珍しいのでしょう。 ところが、石川県の金沢市には、最初から「二階建て」どころか、「三つ目トンネル」と呼ばれる構造で作られた、しかも高規格道路のトンネルが存在します。 それは金沢市の山側を結ぶ、金沢外環状道路の通称「山側環状」に設けられたトンネルです。 4 車線道路の上下線別に設けられた "めがねトンネル" の直上に、もう一つトンネルがあることから、"三つ目トンネル" というわけです。 しかも、その上のトンネルには、本線から分岐・合流するランプ橋 2 本が吸い込まれるように接続しています。 本線を走っていると、頭上に延びていくランプ橋の上にトンネルが見えてすぐ、その下で自身もトンネルに吸い込まれていきます。 「これ、ヘンだよね? 珍しいよね …?」と同乗者も思わず漏らしましたが、調べてみると、やはり全国でも例のない構造でした。 トンネルの名称は、上のトンネルが「涌波(わくなみ)トンネル」、下のめがねトンネルが「崎浦涌波トンネル」といいます。 上の涌波トンネルは側道にアクセスする「涌波 IC」の一部を構成するものです。 "側道" といっても、その場所は本線である崎浦涌波トンネルの "上" を走っています。そして、663m ある崎浦涌波トンネルを西に抜けたところで、先ほどと同じように頭上から 2 本のランプ橋が本線へ合流してきます。 こちらもセットで、涌波ICはフルインターを構成しているのですが、この崎浦涌波トンネル西側の坑口上には、トンネルはありません。 なぜこのような構造なのでしょうか。 地形は「山 on 山」 この涌波 IC は金沢の 2 大河川、浅野川と犀川を越えています。 そのあいだは涌波台地と呼ばれる小高い丘になっており、その下を崎浦涌波トンネルが貫いているのです。 台地の上には住宅街が広がり、下に自動車道のトンネルがあるとは思えない光景です。 ところが、この涌波台地の東側(浅野川側)にはさらに、南北方向に小立野(こだつの)台地が横たわっています。 台地の東の縁にもう一つ山があるようなイメージです。 その小立野台地を涌波トンネルが貫き、涌波台地と山側環状の本線をランプでつないでいます。 涌波 IC の開通は 2006 年のこと。 これによって、浅野川と犀川で隔てられた地域どうしがつながりました。 そこを通過する本線だけでなく、側道でのアクセスも容易にしたのは、地域の地理概念を一変させたことでしょう。 (乗りものニュース = 6-8-25) 停止も再開も、列車が判断 省人化へ、実用化 40 年頃 列車自らが線路上の障害物を見つけて緊急停止したり、取り除いた後に安全を確認して運転再開したりできる「自律型列車運行制御システム」を、鉄道総合技術研究所(鉄道総研)が開発した。 鉄道各社が実現を急ぐ「自動運転」を見据え、運行管理や踏切、信号設備も列車側が自動制御することで、ローカル線などの省人化をめざす。 2040 年ごろの実用化を見込んでいるという。 鉄道総研によると、自律型システムは、カメラやセンサーによって線路内の障害物を検知する技術や、線路内や沿線、車両の情報を集約して車上で運行判断する技術、無線通信で踏切やポイントを直接制御する技術など五つの要素技術で構成される。 各要素を採り入れた試験車両の走行実験が 5 月中旬、東京都国分寺市内にある鉄道総研の実験線で報道公開された。 試験車両は先頭部にカメラと 9 個のセンサーからなる前方監視装置を搭載。 車上から踏切の遮断機や線路のポイントを制御しながら自動走行し、線路内に置かれたマネキン人形を「障害物」として検知すると、緊急停止した。 マネキンが取り除かれると、運転再開できるかどうかを自動判断し、再び動き出した。 通常の鉄道運行は、列車は運転士が動かし、運行管理は指令室、ポイントや踏切といった地上設備は駅機器室などがそれぞれ管理している。 自律型システムが実現すれば、無人運転に加え、指令室の省人化や機器室の削減につながる。 鉄道総研の担当者は「自律運転による省力化は、運転本数の少ない地域鉄道でより大きな効果を発揮するはず」と話している。 (細沢礼輝、asahi = 6-7-25) 国内線が苦境、ANA は 6 割が赤字路線で「維持困難」 国が対応議論 コロナ禍後も苦境が続く国内の航空路線の維持に向け、国土交通省は 30 日、新たに立ち上げた有識者会議(座長・竹内健蔵東京女子大教授)で議論を始めた。 国内線は出張需要が戻らない一方で、燃料などのコストは上昇している。 航空各社の協業や、訪日客をどう取り込んでいくかが、議論の焦点になる。 国交省によると、国内線の日帰り旅客のうち「出張・業務」を目的とした人の数は、2019 年の約 317 万人から 24 年には約 103 万人にまで減少。 一方、全日本空輸 (ANA) と日本航空 (JAL) の営業費用は、18 年度から 24 年度にかけて 16% 増えた。 国による空港使用料の減免などの効果を除けば、国内主要 6 社の国内線事業は昨年度の営業損益が赤字に転落した。 全日本空輸では、国内線全体に占める赤字路線の割合が、2018 年度の 39% から 23 年度には 58% にまで急速に悪化した。 有識者会議に参考人として呼ばれた同社の松下正上席執行役員は「国内線の収益性は著しく悪化し、ネットワーク(路線網)の維持が困難な状況だ」と窮状を訴えた。 会議では「(航空各社で)もっと踏み込んだ協調が必要ではないか。 大胆なコードシェア(共同運航)があってもいいのでは。(加藤一誠・慶応大教授)」とする意見や、「最初から協業・協調と考えるのは一足飛び。 路線や市場ごとに議論したうえで、慎重に考えるべきだ。(花岡伸也・東京科学大教授)」との声が出た。 また、訪日旅行客のうち国内線を利用する人が数 % にとどまっていることから、さらに需要を喚起する必要性も訴えられた。 有識者会議は約 1 年をかけて国内線の長期的なあり方を議論し、今後の方向性を示す予定だ。 (中村建太、asahi = 5-30-25) JR 北に異例の「強化型保安監査」 2 年にわたり継続的・集中的に 安全管理上の問題が相次ぐ JR 北海道に対し、北海道運輸局は 27 日、国土交通省鉄道局と合同で、同社の安全対策を 2 年程度、監視し続ける「強化型保安監査」を始めた。 JR 北が 4 月末に運輸局に改善報告を出した後も、事故などが頻発していることに危機感を募らせ、全国初の異例の体制をとる。 27 日午前 10 時、運輸局などの監査員が JR 北の本社に入った。 30 日までの 4 日間、最初の監査立ち入りを実施する。 その後も、必要に応じて監査に入り、約 2 年にわたって継続的・集中的に監査を続ける。 四半期ごとの確認もする方針だ。 異例の監査に乗り出した背景には、昨年以降、安全の根幹にかかわるトラブルの続発がある。 昨年 11 月には、函館線砂川駅で、保線作業員が見張り員を置かずに線路内で作業し、接近する貨物列車から警笛を鳴らされた。 そのうえ、管理者は保安体制をとっていたと社内で虚偽の報告をしていた。 こうしたことを受け、運輸局は 3 月末に JR 北に改善を指示。 同社は 4 月末、保安ルールの見直しや社員への安全教育の徹底などを掲げた改善報告を出した。 しかし、3 週間もたたない 5 月 15 日、札幌駅構内で、運転士が必要な操作を誤り、列車が急停止し、乗客 4 人がけがを申告する事故が起きた。 その直前には、函館線長万部 - 国縫間でグループ会社の社員が見張り業務を怠って保線作業に加わり、貨物列車の接近に気付かない事象もあった。 運輸局が監査体制の強化を決めたのは、改善報告後もこういった問題が頻発しているためだ。 運輸局技術・防災課の担当者は「改善報告後に負傷者が出る事態は極めて異例。 JR 北が改善対策を確実に実行するには、監査で立ち入って指導していくことが必要だと判断した」としている。 JR 北の綿貫泰之社長は 5 月 14 日の定例記者会見で、改善報告後もトラブルがなくならないことについて、陳謝したうえで、「社員同士で議論しながら、一人ひとりが腹落ちする形で安全意識の徹底を図っていく」と力を込めた。 ただ、こうした意識の徹底には時間がかかり、その間に利用客の安全をおびやかす事態が発生するおそれがある。 運輸局は異例の監査体制下で JR 北に確実な具体策の実施を求める。 「利用者目線に立ち返る必要」 北海道教育大札幌校・武田泉准教授(地域交通政策)の話 : 人員不足や効率優先のゆがみが、現在の事態につながっているのではないか。 安全な鉄道の再構築に向けて、JR 北は、いま一度、利用者目線に立ち返る必要がある。 具体的には、鉄道利用者の利便性向上につながるような施設開発やスペースの有効活用は可能で、こうした関連事業の収益を安全対策に振り向ける余地はある。 また、2011 年の石勝線の脱線事故などを受けて複雑化した保安ルールを、少ない人員に合わせて、メリハリのきいたものに見直すことにも取り組むべきだ。 ただ、東京などの大都市圏とは異なり、北海道では収益源となる鉄道路線は限られている。 少ない経営資源のなかで、万全の安全対策を講じるのは限界にきている。 国の抜本的な費用負担による下支えがないと、根本的な解決は難しいと考える。 (佐藤亜季、asahi = 5-27-25) 無人自動運転ロボタクシー、先進地米国から見えた日本が出遅れた理由
記事コピー (4-7-11〜5-25-25) JR 九州、コロナ前超える過去最高の売上高 不動産・ホテルなど好調 JR 九州が 9 日発表した 2025 年 3 月期決算は、売上高が前年比 8.1% 増の 4,543 億円とコロナ禍前の 19 年 3 月期を上回って過去最高となった。 営業利益は同 25.2% 増の 589 億円、純利益は同 13.6% 増の 436 億円だった。 増収増益はコロナ禍からの回復で 4 年連続となる。 事業別では、訪日客が増えた恩恵などを受けたホテル業や、不動産賃貸業の伸びが目立った。 鉄道旅客運輸収入も 1,512 億円と、1,514 億円だった 19 年 3 月期とほぼ並んだ。 また、日韓航路の高速船で浸水を隠蔽して運航していた問題は、発覚後に運航停止が続いたことなどから利益を 10 億円強押し下げる要因となったという。 古宮洋二社長は記者会見で、売上高が過去最高になったことについて「景気も少しずつ良くなってきているということと、社員の頑張りを含めて、こういう結果が出た」と強調。 一方で、鉄道事業については「心配していることがある」とし、九州新幹線の福岡 - 鹿児島中央間など、長距離の利用が十分に回復していない点を課題に挙げた。 26 年 3 月期の業績見通しは、今年 4 月の運賃引き上げに伴う増収などで、売上高は同 6.4% 増の 4,833 億円、営業利益は同 14.6% の 676 億円、純利益は同 17.0% 増の 511 億円を見込んでいる。 (江口悟、asahi = 5-9-25) 三菱自、鴻海傘下開発の EV 投入へ覚書 26 年後半に豪州などで発売 三菱自動車は 7 日、台湾の受託生産大手、鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下企業が開発する電気自動車 (EV) を、2026 年後半にオーストラリアとニュージーランドで発売すると発表した。 供給に関する覚書を締結した。 生産委託した車を三菱自が自社ブランドで販売する「OEM」方式を想定している。 現地の厳しい環境規制に対応するため、自前で開発するより供給を受けてラインアップを強化するのが最適と判断した。 生産は台湾で行う方針だ。 北米では、三菱自の筆頭株主の日産自動車が開発する新型EV「リーフ」を土台にした車を 26 年後半に発売する。 鴻海は、iPhone (アイフォーン)やゲーム機などの受託生産で成長した。 16 年には電機大手のシャープを買収し、近年は新たな成長分野として EV に注力している。 責任者で元日産首脳の関潤氏は 4 月に都内で講演し、27 年までに乗用車やバスなど複数の EV を日本で展開する方針を示した。 (松岡大将、asahi = 5-7-25) フォルクスワーゲン、1 - 3 月期純利益は 4 割減 中国での苦戦響く ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン (VW) が 30 日発表した 2025 年 1 - 3 月期決算は、純利益が前年同期比 43.4% 減の 18 億 3,100 万ユーロ(約 2,970 億円)だった。 中国で苦戦し、収益への貢献が大きいポルシェの販売が前年同期を大きく下回ったことなどが響いた。 売上高は同 2.8% 増の 775 億 5,800 万ユーロ。 グループ世界販売は同 1.4% 増の 213 万台。 主力の欧州や北米で販売が伸びた一方、販売の約 3 割を占める中国は減少した。 本業のもうけを示す営業利益は同 36.9% 減の 28 億 7,300 万ユーロ。 欧州連合 (EU) 酸化炭素 (CO2) 排出規制への対応に伴う引当金や構造改革費用などの計上が響いた。 トランプ米政権が 3 月下旬に発表した輸入車への追加関税を受けて在庫評価を見直した。 ただ、関税の本格的な影響は業績に反映されていない。 関税の影響次第では減益幅が広がる恐れがある。 売上高に対する営業利益の割合は前年同期の 6.0% から 3.7% に低下。 VW は収益力の向上を目指してドイツ国内で人員削減などのコスト削減策を進めている。 (ハンブルク・寺西和男、asahi = 4-30-25) 料金所出た直後に高速道に再入場し、逆走か 東北道の 3 人死亡事故 栃木県那須塩原市の東北自動車道上り線で 4 月 26 日夜、逆走車が他の車に正面衝突するなどで 3 人が死亡した事故で、逆走車は下り線から黒磯板室インターチェンジ (IC) の料金所を出た後、すぐに入り直し、上り線を逆走した可能性が高いことが栃木県警への取材でわかった。 同料金所を逆走車と特徴のよく似た乗用車が出入りする様子が監視カメラに映っていたという。 同料金所に入ると、下り線と上り線の分岐がある。 この車は上り線側の道を進み、信号機のある Y 字交差点で右に向かうべきところを、何らかの理由で左に進んで逆走したとみて調べている。 県警によると、車は約 500 メートル逆走した地点で別の乗用車に接触。 そのまま走り続け、さらに約 2.7 キロ先で乗用車と正面衝突し、それぞれの車の運転手が死亡した。 接触事故は走行車線で、衝突事故は追い越し車線で起きたという。 今回の事故を受け、県警と県、NEXCO 東日本は、「平面 Y 型」と呼ばれるこうした交差点での誤進入を防ぐための対策を協議している。 (高橋淳、asahi = 4-30-25) ◇ ◇ ◇ 栃木の東北道で車が逆走、正面衝突など計 3 人死亡 約 3 キロ走行か 栃木県那須塩原市の東北自動車道上り線で 26 日午後 10 時ごろ、逆走した乗用車が別の乗用車と正面衝突する事故があった。 栃木県警によると、それぞれを運転していた宇都宮市の前原勇太さん (42) と、岩手県北上市の会社員、平岡勝利さん (56) が死亡した。 前原さんの車が逆走したという。 さらに約 20 分後、この事故の影響で起きた渋滞の最後尾の乗用車に大型トラックが追突する事故も発生。 乗用車に乗っていた埼玉県川越市の長嶋弓子さん (60) が亡くなった。 発表によると、追突事故は計 6 台が関係し、計 10 人が負傷。 そのうち男性 2 人が骨盤骨折などの重傷を負った。 県警はトラックを運転していた岩手県陸前高田市のトラック運転手炭釜秀一容疑者 (54) を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)容疑で逮捕した。 正面衝突事故は、ほぼ直線の 2 車線のうちの追い越し車線で起きた。 逆走車は衝突事故現場の 1 - 2 キロほど手前で、別の車と接触事故も起こしていたという。 県警には衝突事故の直前に、事故現場から約 3 キロ離れた黒磯板室インターチェンジ (IC) 付近で「車が逆走している」という通報が相次いでいたという。 逆走車は同ICか、併設の黒磯パーキングエリアから上り線に進入したとみられる。県警が逆走の原因など詳しい状況を調べている。 一連の事故の影響で、東北道上り線は那須 IC - 黒磯板室 IC 間が 26 日午後 10 時過ぎから 27 日午前 6 時半まで通行止めになった。 「相当な衝撃だったと思う。」 埼玉県の 40 代の男性会社員は 27 日午前、朝日新聞の取材にそう話した。 26 日午後 10 時過ぎ、宮城県から自宅に向かう途中、東北道上り線の那須高原サービスエリア(栃木県)を出た所で渋滞に巻き込まれた。 通行止めとなり、約 3 時間動けなかったという。 その後、事故現場を通ると、パトカーや救急車を含む複数の車両が 10 台以上集まっていた。 事故に遭ったとみられる車両はドアがへこみ、道路を遮るように止まっていたという。 別の男性会社員 (32) は、事故現場手前の白河インターチェンジ(福島県)付近で「逆走車あり」の警告表示を見た。 まもなく渋滞に巻き込まれたという。 栃木県内の東北道では昨年も逆走による死亡事故があった。 取材に、「いつ自分が巻き込まれるかという怖さでいっぱい。 悲惨な事故の加害者にも被害者にもならないよう気をつけなければ」と答えた。 (岡本智、玉那覇長輝、久保田一道、高橋淳、asahi = 4-27-25) |