レギュラーガソリン価格 4 か月ぶりの値下がり 来週以降はどうなる?

高騰が続くレギュラーガソリンの価格が、実に 4 か月ぶりに値下がりに転じました。 13 日に発表されたレギュラーガソリン価格は、全国平均で 1 リットルあたり 184.8 円と、前の週から 1.7 円下がりました。 今年 5 月以来、18 週ぶりの値下がりです。 鳥取県は 186.2 円で前の週より 1.8 円値下がり、島根県は 185.1 円で前の週より 2.6 円の値下がりとなりました。 政府は、9 月末で終了予定だった補助金を年末まで延長し、今月 7 日からその額を拡充しています。 石油情報センターによりますと、原油価格は引き続き上昇しているものの、政府による補助金が拡充されたことで、ガソリン小売価格は来週も値下がりが予想されるということです。 (山陰放送 = 9-13-23)


島根原発 2 号機、来年 8 月に再稼働へ

原発の再稼働・新設・廃棄

記事コピー (9-15-21〜9-11-23)


施設食堂の運営委託された広島の会社が突然の「営業中止」島根県の施設にも影響

学校などの食堂で食事の提供を行う広島県の企業が突然営業を中止した問題で、島根県内でも、少なくとも 3 つの施設で食堂の運営に影響が出ています。 この問題は、学校や官公庁の食堂で食事の提供を行う広島県本社の「ホーユー」が、突然営業を中止し、会社と連絡が取れなくなるという事案が全国で発生しているもので、島根県内でも、少なくとも 3 つの施設で食堂の運営に影響が出ています。

大田市の県立農林大学校では、食材の調達や調理、提供までの業務委託契約を結んでいましたが、5 日、現場の調理スタッフから営業中止が伝えられたということです。 寮生などに対して 1 日 3 食、計 100 食分を提供していましたが、今後のめどについても立っていないといいます。 このほか、出雲市の県立東部高等技術校と、松江市の島根県警察学校でも、5 日までに、食堂の調理スタッフから「今後サービスを提供できない」と伝えられたということです。 「ホーユー」のホームページによると、全国各地の学校や幼稚園、自衛隊などの食堂の運営に関わっていて、今後も営業中止の影響が広がる可能性があります。 (TSK さんいん中央テレビ = 9-5-23)


島根県オリジナルのブドウ「神紅」 I ターン新規就農者が知事に贈る

島根県独自品種のブドウ「神紅(しんく)」を初収穫した島根県邑南町の新規就農者が 8 月 30 日、島根県庁を訪れ、丸山達也知事に神紅を贈呈した。 神紅は、シャインマスカットとベニバラードの交配種。大粒で種がなく、皮ごと食べられることや、糖度の高さと独特の香りが特徴となっている。 邑南町では 2020 年度から神紅生産による町づくりに取り組んでいる。 今回は I ターン者を対象とした町の農業研修制度「おーなんアグサポ隊」でブドウ栽培を学び、今春に町内で就農した辻聡志さん (36) が育てた神紅が贈呈された。

町によると、今年は辻さんらが栽培した 790 房が実り、8 月 13 日から出荷されたという。 辻さんは 3 年前、北九州市から同町に I ターン。 今夏、約 300 房の神紅を収穫した。 梅雨明け以降、気温の高い夜が続き、糖度や色づきの具合が心配されたが、上質のブドウに仕上がったという。 辻さんは「島根に神紅という素晴らしいブドウがあることを伝えていきたい」と話した。 (大村治郎、asahi = 9-4-23)

初 報 (8-29-23)


対馬に「幸せの使者」 … 島根生まれのコウノトリ、韓国を経由して飛来か

国の特別天然記念物・コウノトリが長崎県対馬市に飛来し、同市厳原町の「対馬野鳥の会」会員の正島和幸さん (82) が写真に収めた。 個体識別用の 足環あしわ から、島根県雲南市生まれで、韓国から飛来したとみられる。 兵庫県豊岡市の兵庫県立コウノトリの郷(さと)公園によると、このコウノトリは 2020 年 4 月、雲南市で誕生し、同年 6 月に巣立った。

21 年 12 月、福岡市で目撃された後、22 年 3 月 - 23 年 3 月に韓国で何度か目撃されていることから、韓国から対馬に飛来したとみられる。 正島さんは野鳥観察中の 15 日、対馬市美津島町洲藻の川にいるところを見つけた。 その後、25 日まで厳原町の若田地区で電柱に止まって羽繕いなどをする様子を写真に収めた。 正島さんは「2 羽いたという人もいたが、私が確認したときは 1 羽だった。 撮影できて良かった。」と話していた。 (yomiuri = 8-28-23)


10 倍増やした花火「有料観覧席」、3 割売れ残り
 「無料エリアから閉め出された」と批判噴出

松江市の宍道湖で 5、6 日にあった「松江水郷祭湖上花火大会」で、昨年の約 10 倍にあたる計 2 万 6,000 席用意された有料観覧席の 3 割強が売れ残る見通しになっている。 同大会では、コロナ禍の物価高騰に伴う花火の製造原価に加え、雑踏事故への対策費が増加。 主催者側は「有料エリアの拡大は持続可能な開催には不可欠」として理解を求めたが、市民に浸透しなかった格好だ。(松田栄二郎)

物価高や警備費

松江市や松江商工会議所などでつくる主催者の松江水郷祭推進会議が有料観覧席の大幅増加を打ち出したのは、昨年 12 月。 コロナ禍で 3 年ぶりの開催となった昨夏の花火大会で、物価高騰や警備の人件費などが膨らんだことが主な原因だった。 推進会議によると、花火の製造原価は高騰しており、2019 年と同じ 1 万 3,000 発で試算した場合、打ち上げ経費は 19 年比の約 1.5 倍となる約 3,500 万円余りに増加。 警備費もコロナ禍明けで夏のイベントが集中し 2.6 倍の約 2,300 万円まで膨らむ見通しになった。

一方、財源の大きな割合を占める企業協賛金も「頭打ちの状態(事務局)」で、長引くコロナ禍でさらなる負担を求めることも難しい。 このため、推進会議は「持続可能な開催には事業収入が不可欠」と判断、有料観覧席の大幅増に踏み切ることにした。

混乱助長

有料観覧席は昨年、宍道湖大橋南側の「白潟エリア」で初日に限り、2,635 席を用意。 今年は、一畑電車松江しんじ湖温泉駅周辺から県立美術館周辺を「湖北」「湖南」エリアとして新たに加え、例年の約 10 倍となる計 2 万 6,000 席を確保し、1 億 3,700 万円の事業収入を見込んでいた。 ところが、新規の有料エリアは昨年まで無料だったこともあり、市民から「これまで無料で見られた場所から閉め出された」と批判が噴出。 中でも芝生や階段で譲り合って座るブロック席は、1 人 5,500 円と有料ながら場所取りが必要になることもあり、大幅に売れ残ってしまった。

さらには、有料観覧席を敬遠する一部の市民らが当日、歩行者天国となった宍道湖大橋付近の車道にシートを敷く想定外の事態が発生。 主催者側は昨秋に韓国・ソウルの繁華街で起きた雑踏事故を受け、県警の指導もあって立ち止まって鑑賞することを禁止していたにもかかわらず、人々の滞留が起きてしまったという。 事務局側は、有料エリアの拡大に理解を得ようと、花火の数も昨年より 6,500 発増やし、両日で計 2 万発に増加。 両日の人出は昨年より約 25 万人多い延べ約 65 万人となったものの、計画に対する見通しの甘さが混乱を助長させたと言わざるを得ない結果となった。

説明不十分

最も大きな要因の一つは、市民への理解醸成の取り組みが不十分だったことだ。 事務局には、大会前だけでなく当日も「市民の祭りなのに有料化はおかしい」、「祭り自体をやめた方がいい」などの声が多数寄せられたという。 推進会議は「各エリアにどう席を割り振るかに時間をかけすぎた」として PR 不足を認めた上で、売り上げが不振だったことについて「想定よりもマイナスになることは避けられない」と説明。現在、実際にかかった費用や有料観覧席の収益などを集計中で、その穴埋め方法なども検討するという。 一方、有料観覧席は市民に理解を求めながら来年以降も継続し、価格やエリアを見直す方針という。

松江商工会議所まちづくり推進部の佐々木護室長は「花火だけでなく、来場者の安全確保にかかる費用も昔と比べて高コスト化しており、来場者の負担がなければ大会継続は困難だ。 地域の理解を得られる方法を模索したい」と話している。 (yomiuri = 8-28-23)

◇ ◇ ◇

「松江水郷祭」のべ 65 万人が夏の風物詩楽しむ

5 日と 6 日、「松江水郷祭」が開催され、のべ 65 万人が松江の夏の風物詩を楽しみました。 物価高などが続く中、ことしは有料の観覧席を去年の 10 倍にするなど大きく形を変えて行われ、今後の大会のあり方が注目されます。 ことしの「松江水郷祭」は4 年ぶりに飲食が解禁されて屋台も出店し、花火の打ち上げ前から多くの家族連れなどでにぎわいました。 そして、2 日間で過去最多となる、あわせて 2 万発の花火が松江の夜空を彩りました。

打ち上げ場所を去年の 2 か所から 4 か所に倍増したことで、よりダイナミックな花火を楽しめるようになり、大会の主催団体によりますと、ことしはのべ 65 万人が訪れたということです。 一方、主催団体は、物価高などの影響が続く中で安定的な収益を確保するため、有料の観覧席を去年の 10 倍にあたる 2 万 6,000 席に増設しました。 家族連れで有料席を利用した米子市の女性は、「有料席は初めて利用したが、目の前に遮るものもなく、迫力のある花火を間近で見ることができて満足だ」と話していました。

一方、無料で観覧できるエリアから、花火を見た高知県の女性は「以前は無料でももっと湖のそばに行って見ることができたと聞いた。 今後、できれば無料でも近くまで見に行かせてほしい。」と話していました。 主催団体によりますと、有料席のチケットの売れ行きは 3 日の時点で 5 割ほどだということで、今後は市民を対象にアンケート調査を行うなどし、来年以降の大会のあり方を模索していくということです。 (NHK = 8-7-23)


ウォータースライダー事故で重体の男児が死亡 町長「痛恨の極み」

島根県邑南(おおなん)町市木のレジャー施設「瑞穂ハイランド」のウォータースライダーで 24 日午後、同町の小学 3 年、岩本昊駿(ひろたか)さん (8) が別の児童と接触して意識不明となる事故があり、岩本さんは 25 日午後 5 時半ごろ、搬送先の病院で死亡した。 県警が事故当時の詳しい状況を調べている。 県警川本署や町などによると、同施設は定休日で、地元公民館が「デイキャンプ体験」を主催し小学 1 - 6 年の 10 人が参加した。 町教育委員会や放課後児童クラブの職員ら計 8 人が付き添った。

ウォータースライダーは山の斜面にシートを敷き、上から水を流すもの。 長さ約 25 メートル、幅約 1 メートルで、滑り出しの傾斜は約 20 度で徐々に緩やかになるが、ゴール地点で飛び出す場合もあるという。 午前中のメニューに組み込まれていたウォータースライダー体験の際には、職員や施設スタッフらが見守り、前の児童がコース外に出てから滑るよう徹底していた。

事故は、体験メニュー終了後の午後の自由時間に起きた。 岩本さんはウォータースライダーのゴール地点から 2、3 メートル上のコース内にいて、滑り降りてきた別の児童と接触し、転倒したという。 この時見守っていたのは放課後児童クラブの職員 1 人だけだった。 岩本さんは町の公用車の中で休まされていたが、その後、意識不明となり救急搬送された。 石橋良治町長は 25 日、会見を開き、「事故が起きてしまったことは痛恨の極み。 申し訳ない。」と謝罪。 大橋覚教育長は「危険が伴う遊びなのに、危機管理を徹底していなかった。 職員の配置に問題があった。」と述べた。 (高田純一、asahi = 8-25-23)


山陰道地滑り、路面に亀裂 出雲・多伎 国交省、24 年度中に恒久対策

島根県東部を襲った 7 月上旬の大雨以降に、出雲市多伎町小田の山陰道脇の斜面で地滑りが発生し、道路管理用の駐車スペースの路面に約 10 メートルの亀裂が発生したことが分かった。 現在、地滑りは収まっているが、国土交通省中国地方整備局松江国道事務所は 22 日、来年度中に恒久的な安全対策を実施することを明らかにした。 亀裂が見つかったのは、出雲多伎インターチェンジ (IC) から約 1.6 キロ西の本線横駐車スペース。 推定で幅 50 メートル、高さ 20 メートル、奥行き 45 メートルの地滑りが発生し、路面が隆起したという。

7 月 10 - 11 日に出雲多伎 - 大田中央・三瓶山間を通行止めとした。 応急対策のため、地滑りや地下水の水位を観測する計測器を設置し、地下水排出用の横ボーリングを 5 本実施。 今後、データを取得した上で、地滑りを防ぐためのアンカーの打ち込みや、横ボーリングを組み合わせた安全対策を検討する。 伊藤法政副所長は「来年度内には完成させたい」と話した。 松江市内であった有識者でつくる対策検討委員会(委員長・河原荘一郎松江工業高等専門学校教授、7 人)の会合で、事務所側が被害状況や対策を説明。委員から了解を得た。 地滑り拡大の兆候はないが、1 時間に 2 ミリを越える動きが確認されれば、再度通行止めにすることも決めた。 (高見維吹、山陰中央新報 = 8-23-23)


出雲の 3 中学が「全国」へ 吹奏楽コン中国大会「もっと磨きたい」

第 64 回全日本吹奏楽コンクール中国大会(中国吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)が 19 日、岡山県の倉敷市民会館で開幕した。 中学生の部と大学の部があり、計 28 校が出場した。 審査の結果、中学生の部は出雲市立一、出雲市立三、出雲市立大社(以上島根)が、大学の部は広島大が、それぞれ全日本吹奏楽コンクールの代表に選ばれた。 中学校の部は 10 月 21 日に名古屋市で、大学の部は同月 28 日に宇都宮市で開かれる。 (asahi = 8-19-23)


殺菌用の洗浄水が生乳に混入 タンクから抜き忘れ 16 人が飲む

島根県は 18 日、県畜産技術センター(出雲市)が JA しまねを通じて乳業メーカーの島根中酪(同)に出荷した生乳 486 キロに、生乳保管用のタンクの洗浄水約 100 キロが混入したと発表した。 これまでにこの生乳を使った牛乳を 16 人が飲んだことが確認されたが、健康被害の報告はないという。

県によると、洗浄水は生乳を保管するタンクの殺菌・消毒に使われる。 センターが 3 日に出荷した生乳の乳成分が薄いと、JA しまねから 4 日に指摘があった。 センターで 2 日に生乳を出荷後、職員がタンクを洗浄する際に排水バルブを閉じたまま行い、洗浄水がタンクに残ったことが原因という。 島根中酪は洗浄水が混入した生乳や牛乳を 5 日までに販売店などから撤去したが、県内の高齢者施設や県立高校の寮などで 16 人がこの牛乳を飲んだという。 県は、島根中酪などへの賠償費用を予算案として県議会に上程する方針。 (大村治郎、asahi = 8-19-23)


島根・鳥取両県知事「大規模災害」県境超え協力を 「8 の字ルート」も連携して推進へ

山陰両県知事会議が松江市内で開かれました。 今回の台風 7 号による被害を受けて、両県で大規模災害が発生した場合の連携などについて、平井・丸山両知事が意見を交わしました。

「被災された全ての皆様にお見舞い申し上げます。 早期の生活復旧を心から祈念します。(島根県・丸山知事)」

松江市で開かれた会議の冒頭で、丸山知事が、鳥取県での台風 7 号による被害に対して、お見舞いの言葉を述べました。 会議では、今回の台風 7 号の被害を受けて、鳥取県内の被災地の早期復旧に向けて、両県が連携して国に対し、財政措置を求める考えが示されました。 また、いずれかの県で大規模災害が発生した場合、相互に支援する態勢づくりを進めていくことを確認しました。 このほか、中海と宍道湖の沿岸を高規格道路で結ぶ「8 の字ルート」の整備についても意見が交わされ、観光面でもメリットが大きい周遊ルートだとして両県が連携して構想を後押しする考えで一致しました。 (TSK さんいん中央テレビ = 8-17-23)


インドからやって来たのは理工系大学生 14 人 狙いは、優秀な人材確保 松江

1 日、インドから理工系の大学生たちが島根県松江市を訪れ、日本文化などを体験しました。 狙いの一つは、優秀な人材確保です。 松江市役所を訪れたのは、インド西部にあるマハラシュトラ州プネ市にある 3 つの理工大学の学生、14 人です。 文科省の事業の一環として、7 月 20 日から 2 週間来日した中で、インドと文化的・経済的関係が深い松江市を 5 日間訪れ、日本文化の体験や大学の視察などで県民らと交流しました。

「自分がここの人たちに役立つような研究をして行きたいのと、自分が今持っている知識をそれに生かしてもっと良い結果を出したいです。(インドからの学生)」
「多くの企業がインド企業とのつながりに関心があります。(松江市上定昭仁市長)」

松江市の上定昭仁市長は、市内の多くの会社がインド企業に関心を持っていると紹介。 インドの理工系人材との交流や、将来の松江での活躍に期待しました。 (BSS 山陰放送 = 8-11-23)


松江市に工場を新設 愛知県の「タムラ」 島根県庁で調印式 県と市は資金面や人材確保で支援

愛知県に本社がある産業機械の部品などを製造する会社が島根県松江市に工場を新設することになり、島根県庁で覚書の調印が行われた。 工場を新設するのは、半導体などを作る装置の部品や鉄道車両の部品などを製造するタムラ。 このほど島根県庁で調印式が行われ、田村勇作社長、島根県の丸山知事、松江市の上定市長などが出席した。

愛知県春日井市に本社があるタムラでは、大手メーカーをはじめとした産業機械部品の受注が増えたことや、新たにアルミニウムの表面を加工する処理を始めることなどから工場の新設を検討。 土地の価格や流通、FDA で愛知からのアクセスも良いことから約 7 億 3 千万円をかけ松江市に工場新設を決めたという。 新工場は来年 9 月に操業を始める予定で、島根県と松江市は資金面や人材確保の支援を行うとしている。 (日本海テレビ = 8-3-23)


少女漫画「ちはやふる」展、最後 和歌発祥の地、島根・出雲で

百人一首を用いた競技かるたの魅力を伝えてきた人気少女漫画「ちはやふる」。 そのストーリーを多数の原画で振り返る「ちはやふる展」が島根県出雲市で開かれている。 2021 年から東京、愛知、兵庫、福岡の 4 都県で開催され今回が最後。 和歌の発祥地とされる出雲で締めくくる。 9 月 10 日まで。 ちはやふるは末次由紀さん作で、07 - 22 年に漫画誌「BE・LOVE」で連載された。 主人公の綾瀬千早と幼なじみの太一や新、個性的なライバルたちが競技かるたに情熱をかけ、友情を育みながら成長していく姿を描いている。 今回の展覧会は同市の「平田本陣記念館」と「出雲文化伝承館」の 2 会場に分けて展示。 (kyodo = 7-26-25)


「U・I ターン」で島根県に転入 2 年ぶり増加

昨年度(令和 4 年度)、いわゆる「U ターン」や「I ターン」で島根県に転入してきた人は 3,400 人余りで、前の年度よりおよそ 100 人増えて、2 年ぶりに増加に転じました。 県によりますと、5 年以上島根に定住する意思を持って「U ターン」や「I ターン」で転入してきた人は、昨年度 3,463 人で、前の年度より 101 人増えました。 増加に転じるのは 2 年ぶりで、このうち「U ターン」は 9 人増えて 2,010 人で、統計を取り始めてから初めて増加したほか、「I ターン」は 87 人増えて 1,403 人でした。

年代別に見ると、20 代から 30 代の若い世代が全体の半数近くを占めたほか、50 代が前の年度より 2 割増え、増加した割合が最も大きくなりました。 また、島根出身者が多い中国地方からの転入や、コロナ禍で続いてきた入国制限の緩和を受け、島根で就職を希望する外国人の転入も増えたということです。 一方、県が掲げる目標と比べると全体で 700 人ほど少ないということで、県しまね暮らし推進課は、「移住者の獲得競争は激しくなっている。 島根が埋没しないよう、物販などを取り入れた新たな PR 手法も考えながら魅力を伝えていきたい」と話しています。 (NHK = 7-20-23)


中山間地域で生活実態調査 島根県、5 年ぶりに全 3,838 集落にアンケート 今回から給油所も調査

島根県は本年度、過疎と高齢化が進む中山間地域の全集落で住民の生活実態を調べる。 5 年ぶりの調査で、3,838 集落にアンケートを送り、公民館エリア単位の 251 地区で聞き取りする。 今回から給油所の調査を組み込む。 2024 年度にまとめる次の中山間地域活性化計画の資料にする。 集落の代表者に担い手や若い世代の増減と理由、困り事などを聞いて分析する。 公民館エリア単位の聞き取りには、県職員や委託業者が直接出向く。 病院や商業など生活機能の確保や、住民主体で生活機能・サービスを維持する「小さな拠点づくり」の有無を確認する。

給油所には、事業を続ける意向があるかや、地下タンクをはじめとする設備の老朽化について聞く。 灯油などの配達の範囲や、給油所がなくなった場合に影響を受ける地域も調べる。 県内の中山間地域は松江、出雲市の中心部を除く全域で、面積は約 9 割を占める。 住民基本台帳によると、4 月 1 日時点の人口は 34 万 8,188 人でこの 10 年で 13.3% 減った。 中山間地域のうち、高齢化率 50% 以上で世帯数 19 戸以下のいわゆる「限界集落」は約 4 分の 1 の 832 集落ある。 20 代の住民が 5 人以下の公民館エリアは、浜田市 4 地区、益田市 2 地区、津和野町 2 地区など西部を中心に計 13 地区ある。

アンケートとヒアリングは 12 月までに終える予定。 中山間地域・離島振興課は「あらためて実態を把握し、行政も積極的に関わって新たな対策を考えたい」とする。 (新山創、中国新聞 = 7-18-23)


島根のソウルフード・あご野焼の老舗「長岡屋茂助」が破産手続き 負債約 5 億 7,800 万円 松江市

島根県を代表するふるさとの味として、広く親しまれている「あご野焼」など販売する島根県松江市の「長岡屋」が、13 日、松江地裁から破産手続き開始の決定を受けたと、民間調査会社の帝国データバンクが明らかにしました。 負債額は約 5 億 7,800 万円。 帝国データバンクによると、長岡屋は 1738 年創業の老舗水産練製品メーカー。 「長岡屋茂助」の屋号で、トビウオを原料とする「あご野焼」を主力としていて、地元百貨店やスーパー、土産物店などに販売していました。 また、直営店を松江市と出雲市に 1 店舗ずつ構え、2018 年 5 月期には年間売上高約 2 億 6,700 万円を計上していました。

しかし、新型コロナの影響により 2022 年の 5 月期の年間売上高は約 1 億 7,000 万円までダウン。 約 6,700 万円の欠損を計上して債務超過の状態が続いていました。 その後も、業績の回復見込みが立たないとして、事業の継続を断念しました。 新型コロナ関連の倒産は島根県で 50 件目となります。 (BSS 山陰放送 = 7-13-23)


(島根)県内企業の景況感示す指数 2 期ぶりにプラス 松江財務事務所

松江財務事務所が発表した「景気予測調査」で、6 月までの 3 か月の県内企業の景況感を示す指数が 2 期ぶりにプラスに転じました。 新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが 5 類に移行したことに伴い、飲食業で回復が進んだことなどが主な要因です。 この調査は松江財務事務所が 3 か月ごとに行っているもので、今回は 102 社から回答を得ました。

それによりますと、7 月までの 3 か月の県内企業の景況感について、前の 3 か月より「上昇」と答えた企業の割合から「下降」と答えた企業の割合を差し引いた指数はプラス 6.9 ポイントと、25 ポイント改善して、2 期ぶりにプラスに転じました。 これは、新型コロナの 5 類移行に伴って飲食業で団体客が増えて回復が進んだことなどから「非製造業」でプラス 21.5 ポイントと、37 ポイント改善したことが主な要因です。

一方で「製造業」は、海外の金利引き上げに伴う景気後退の影響を受け、スマートフォン向けの部品の需要が減っていることなどからマイナス 18.9 ポイントでした。 今後の先行きについて、松江財務事務所は「新型コロナの 5 類移行に伴って、経済の回復が進むとみている経営者が多い。 ただ、物価高騰などが企業に与える影響も大きいので動向を注視したい」と話しています。 (NHK = 7-12-23)


松江で 200 ミリ超、九州北部は 10 日以降も大雨 土砂災害に警戒

活発な梅雨前線が停滞している影響で、西日本から東日本の日本海側を中心とする地域は 9 日、激しい雨に見舞われた。 10 日以降も九州北部などでさらに雨が降り、局地的に非常に激しくなるおそれがある。 気象庁は、土砂災害などに注意するように呼びかけている。 気象庁によると、9 日午後 6 時現在の主な 24 時間降水量の最大値は、▽ 松江市 208.0 ミリ、▽ 佐賀県鳥栖市 186.5 ミリ、▽ 大分県日田市 185.0 ミリ、▽ 山口県下関市 180.5 ミリだった。

大雨のため、JR 西日本によると、山陽新幹線は 9 日午前 8 時半ごろから広島 - 小倉間の上下線で運転を一時見合わせた。 山口県下関市に設置している雨量計が規制値に達したためだという。 同日午後 1 時に運転を再開した。 52 本が運休し、98 本が最大で 5 時間 4 分遅れ、約 4 万 4 千人に影響が出た。 気象庁によると、梅雨前線は 10 日以降も 11 日にかけて西日本から東北にかけて延び、停滞する見込み。 前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込むため、大気の状態が不安定になるとしている。

10 日午後 6 時までに予想される 24 時間降水量はいずれも多いところで、▽ 九州北部 200 ミリ、▽ 東海と北陸、中国 100 ミリ、▽ 関東甲信 80 ミリ、▽ 東北と近畿、四国 60 ミリ。 気象庁は、西日本の日本海側はこれまでの大雨で地盤が緩み、土砂災害の危険度が高まっている場所があるとして、注意を呼びかけている。 低い土地の浸水、川の氾濫などへの注意も求めている。 また、落雷や竜巻などの激しい突風への警戒も呼びかけている。 一方で、10 日は東京都や埼玉県、愛知県のほか、九州南部などで気温が上昇するとして、熱中症への注意も呼びかけている。 (asahi = 7-9-23)


幸せのバブルリング世代交代 亡きシロイルカ・ケーリャの子 2 頭継承

島根県浜田市の水族館「県立しまね海洋館アクアス」で 7 日、シロイルカのパフォーマンスが約 1 カ月ぶりに再開した。 シロイルカのオス「ケーリャ」が死んでから休止していた。 水中で泡の輪をつくる「バブルリング」で人気を博したケーリャに代わって主役になったのは 2 頭の子どもたち。華麗な演技でさっそく観客を魅了した。 午前 10 時半、初回のパフォーマンスが始まった。 プールにケーリャの息子のシーリャ(13 歳)、娘のミーリャ(8 歳)が姿を現した。 シーリャが「幸せのバブルリング」を 10 回連続で出すのに成功すると、観客席から大きな拍手がわき起こった。

初回のパフォーマンスには、近くの「こくふ子ども園」など約 100 人の子どもたちが招待された。 ミーリャが、自ら出したマジックリングの中をくぐる「ミラクルリング」を決めた。 見ていた男児 (5) は「最後のリングがすごく大きかった」と興奮していた。 出雲市の会社員田中育子さん (44) は雨で行くか迷ったが、再開初日を見逃すことはできないと午後 3 時半からのパフォーマンスに訪れた。 大学生のころから親子のパフォーマンスを見てきた。 「親子 3 頭のパフォーマンスの方が迫力はあったけど、お父さんが死んでがんばって練習をしてきたことが伝わった。 見られてよかった。」と話した。

観客席には飼育員の水野美華さん (31) の姿もあった。 この日仕事は休みだったが、2 頭が心配で訪れた。 ケーリャと向き合い、死んだ後は 2 頭の訓練にかかわってきた。 訓練中、2 頭の大好きないたずらを抑えるのに苦労したという水野さん。 親子 3 頭でバブルリングを披露し、観客を楽しませてきた日々が忘れられない。 「真ん中にケーリャがいないというのは私のなかではまだ信じられない。 でも子どもたちで(パフォーマンスが)できてよかった。」

ただ 2 頭でパフォーマンスができるまでの道のりは、決して平坦ではなかった。 ケーリャが死んだ後、パフォーマンスプールのゲートを開けても 2 頭は入ってこなかった時期もあった。 パフォーマンスはプールのデッキにいる飼育員と水中のダイバーとの連携が不可欠。 アクアスは、かみ合わなければ別のシロイルカとの組み合わせも考えていたという。 2 頭の練習は 6 月 16 日に始まった。

ミーリャは繁殖期の 4 - 5 月にパフォーマンスを休んでいたため、演技を思い出させるのに苦労した。 ストレスがたまってしまうのか、下ばかりを見てバブルリングを一度も出さない日もあった。 そんなときは兄のシーリャが寄り添っていたという。 それでも地道に訓練を続けた成果は出た。 パフォーマンスの完成度は日増しに高まり、今月 7 日の再開が決まった。 館長の湊直樹さんは初回の演技をみて 2 頭の成長を感じた。 「息ぴったりに音楽に合わせて泳ぎ、逆さになってリングを出したのは初めてのこと。 これからもきょうだいでショーを続けていきたい。」と話した。 パフォーマンスは平日 1 日 4 回、土日祝 1 日 6 回。 問い合わせはアクアス (0855・28・3900) へ。 (高田純一、asahi = 7-8-23)

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幸せのバブルリングありがとう シロイルカ「ケーリャ」の献花台設置

8 日に死んだシロイルカのオス「ケーリャ」。 水中で口から泡の輪(バブルリング)を出すパフォーマンスで人気を博し、親子で繰り広げるショーは観客を楽しませた。 飼育先には献花台が設けられ、ねぎらいや感謝の言葉を書き残す人が絶えない。 島根県浜田市の水族館「しまね海洋館アクアス」。 開館半年前の 1999 年秋、ケーリャはロシアからやってきた。 愛敬をふりまき、飼育員とのふれあいが大好きだった。 そんな遊びの中でバブルリングが生まれた。

頭上の噴気孔からブクブクと空気を吐き出す。 それをいったん口に入れて吐き出すと、きれいなリングになることを覚えた。 一躍、アクアスの人気者になった。 2007 年にソフトバンクの CM でやさしい「島根のおじさま」として起用されると、全国区になった。 プールが改修された 19 年から息子のシーリャ(13 歳)、娘のミーリャ(8 歳)の親子 3 頭で 1 回 15 分のパフォーマンスを続けてきた。 土日祝やお盆、ゴールデンウィークは 360 席が毎回埋まった。 浜田市の中村文哉さん (25) は「小さいときケーリャを見たくて行ったけれど、人が多くて(観客席に)入れなかった」と懐かしむ。

そんなケーリャは昨年 11 月ごろから微熱が続き、食欲も落ちた。 今月 7 日にパフォーマンスをした翌日、死んだ。 推定 25 - 27 歳だった。 献花台は 10 日に設置された。 えさを欲しがるケーリャの写真が飾られ、全国から届く花束でいっぱいだ。 「小さい頃から見ていたよ」、「子どもたちを見守ってね」、「もうゆっくりして」。 献花台脇のボードには、ケーリャへのメッセージカードが日ごとに増えている。 広島県府中市の森山直洋さん (47) はケーリャの死をネットで知り、10 日に家族 4 人で訪れた。 「子どもたちを何回も連れてきた場所。 ケーリャが死んだことを知って、飛んできた。」と話した。

ケーリャが死んだ後、息子のシーリャ、娘のミーリャは一時プールのゲートを開けても入ってこなかった。 その後飼育員が呼び寄せて入るようになり、今は 2 頭でバブルリングを出す練習を続けている。 ただ 2 頭でパフォーマンスをするかは白紙だ。 アクアスの湊直樹館長は「ケーリャが残した功績は大きい。 2 頭の子どもたちもそれを受け継ぎ、パフォーマンスが再開できれば」と期待を寄せる。 (高田純一、asahi = 6-14-23)


O157 集団感染 … 出雲市の児童福祉施設で 30 人感染 うち 29 人が幼児  まだ 50 人以上が検査中 島根県

島根県は 7 月 2 日、出雲市の児童福祉施設で腸管出血性大腸菌 O157 感染症患者が集団発生していて、現在あわせて 30 人にのぼっていると発表しました。 県は、今後も感染者が増える見込みとしています。 今回の集団感染については、6 月 25 日に感染が分かった出雲市の女性(40 代)の接触者のうち、感染確認された幼児と同じ児童福祉施設に通う別の幼児 3 人の感染が 30 日に発表されていて、その関連の調査で新たな感染者 26 人が確認されたものです。

島根県感染症対策室は、7 月 2 日午後 3 時から県庁で緊急で会見を開きました。 それによりますと、出雲市の児童福祉施設で 6 月 30 日までに 4 人が O157 に感染していましたが、同じ施設の幼児と職員について検査をしたところ、新たに 26 人の感染が分かったということです。 現在、この施設であわせて 30 人の感染が分かっています。 そのうち 29 人が幼児です。 施設の関係者ではまだ 50 人以上の検査結果が出ていないということで、さらに感染者が増えるものとみられます。

26 人の内訳は、幼児 25 人(男児 12 人・女児 13 人)、職員(20 代女性) 1 人です。 症状は、下痢 24 人、腹痛 17 人、発熱 17 人、血便 15 人です。 入院中の人は 4 人、症状継続が 8 人、回復傾向 16 人、すでに回復 1 人、無症状 1 人となっています。 島根県内で 2023 年に入ってから確認された、O157 感染者はこれで 36 人となりました。 梅雨に入り高温多湿の日が多くなっているため、食中毒への注意が必要です。 腹痛や吐き気などが数日続くこともある食中毒は、重症化すると命に関わることもあります。

感染症に詳しい医師によりますと、中でも O157 は、加熱が不十分な食肉などが原因となることが多く、感染すると激しい腹痛、著しい血便となることがあります。 そして、小児や高齢者では重症化することが稀にあり、溶血性尿毒症症候群や脳症を合併する可能性があるため、注意が必要といいます。 溶血性尿毒症症候群 (HUS) は、全身に小さな血栓ができて、脳、心臓、腎臓などへの血液の流れを妨げる病気で、特に子どもや高齢者は重症化しやすく、最悪死に至る危険性もあるといいます。

食中毒に詳しい専門家は、食中毒予防の 3 原則として、菌をつけないこと、増やさないこと、殺菌することの 3 つを挙げています。 高温多湿の今の季節、菌を「つけない・増やさない・殺菌する」の 3 つが大切だとしています。 (BSS 山陰放送 = 7-2-23)


旅館ロビーで大迫力の山陰プロジェクションマッピング 撮影に 3 年、松江市の玉造温泉

松江市の玉造温泉街の旅館白石家が、ロビーに巨大スクリーンを設置して始めたプロジェクションマッピングが宿泊客に好評だ。 天井や壁もスクリーンとして使い、春夏秋冬の山陰の景色をダイナミックな演出で映し出す。 窓から見える庭園には雲海をイメージしたスモークをたき、盛り上げている。

映像は約 15 分間で、午後 8 時 45 分から毎日上映している。 島根県津和野町の太皷谷稲成(たいこだにいなり)神社や鳥取県の大山など約 40 カ所を紹介。 季節ごとに名所を分け、春は松江市のチェリーロードなど桜の名所、夏は松江水郷祭の花火や島根県内の安来市のひまわり畑、秋は大田市の三瓶山の紅葉、冬は雪化粧した松江市の松江城などが次々と流れる。

プロジェクター 15 台、スピーカー 20 台を駆使する。縦 2.7 メートル、横 4.5 メートルのスクリーン 2 枚に加え、床や壁、天井にも桜や紅葉などの映像が舞う。 代表的な観光地だけでなく、観光マップに載っていない場所も登場する。 映像はドローンも使い、約 3 年間かけて撮影した。 プロジェクションマッピングのノウハウがある松江市の日本庭園「由志園」が演出などに協力した。

企画した内藤優子社長は「何げない山陰の風景が都会の人には魅力的になる。 『偉大なる田舎』をアピールしてリピーターが増えるきっかけにしたい。」と強調。 4 月末の導入後、映像で見た場所への行き方を問う宿泊客もいるという。 白石家は 2022 年度、宿泊予約サイト「じゃらん」の 51 - 100 室部門で、取扱額の中四国地方トップに輝いている。 (高橋良輔、中国新聞 = 7-2-23)


人口 17 万人の島根県出雲市、露・東欧の IT 人材を受け入れへ

日本のある地方都市が、ウクライナ情勢に伴う混乱により海外で就職を希望しているロシア・東欧の情報技術 (IT) 人材を多数受け入れている。 受け入れにより自治体で IT 産業を育成し、立ち遅れた行政システムもアップグレードするチャンスにしようというのだ。 BSS 山陰放送など現地メディアが 26 日に報道した。

報道によると、島根県にある人口 17 万人の出雲市は先月末、ロシアや東欧の IT エンジニアを受け入れるための官民共同出資による新会社「People Cloud (ピープル・クラウド)」を設立したとのことだ。 資本金は 1,000 万円で、出雲市、島根中央信用金庫、地元 IT 企業 3 社が共同出資した。 NHK は「このプロジェクトはウクライナ情勢を地域発展のチャンスに活用しようというもの」と分析している。 出雲市は「多くの時間と資源が投入される IT 企業の海外人材誘致を地方自治体が支援して迅速に進め、企業技術力向上と地域グローバル化を成し遂げようという趣旨」と説明した。

ロシアや東欧諸国はこれまで、米国など西側諸国と競争する過程で高度な IT 教育を実施し、ノウハウを蓄積してきた。 しかし、そうして育成された IT 人材の多くが昨年のロシアによるウクライナ侵攻後、西側諸国の制裁措置などにより仕事を失い、海外に就職先を求め始めている。 こうした状況を知った出雲市では、人材を受け入れるための戦略を立てた。 まず、ピープル・クラウドが公開募集を通じて海外の IT 人材に 6 カ月間、オンラインで日本語のレッスンを行う。 その後、出雲市に招き、約 2 週間にわたり企業訪問や面談実施をサポートする。 そして、現地での就職と移住・定着までを総合的に支援するというものだ。

ピープル・クラウド設立以降、先日まで約 1 カ月間行われた募集には、ロシアやベラルーシなど 17 カ国から IT 人材 100 人以上の応募があった。 年内に受け入れる人数の当初目標だった 40人をはるかに上回り、途中で募集を中止しなければならないほど反響が大きかったという。 志願したあるロシア人の IT エンジニアは「経済制裁により西側から入ってきたソフトウェアがロシアで事実上、使えなくなり、もうこれ以上エンジニアとして仕事ができない環境になってしまった」と話した。

出雲市は IT 人材を受け入れることにより、アナログのままになっている自治体行政システムをデジタル化することも計画している。 事実、ピープル・クラウドの第 1 陣派遣団としてこのほど出雲市で暮らすことになったロシア出身のスタニスラフ・シェフツォフさん (33) は 1 週間でスマートフォン位置情報と公共交通機関利用者数などのデータをもとに、地域別の人出を予測するシステムを開発した。 これを人工知能 (AI) と融合させれば、自治体が特定のエリアに道路や停留所など基幹施設を建てる際にどれだけ効果があるかが予測可能になるという。

ピープル・クラウドは今年から、今後のウクライナ情勢に関係なく、東欧の人材の受け入れを加速させる方針だ。 日本の各メディアは「先端技術開発だけでなく、都市消滅克服やグローバルな広報まで融合させた出雲市の『挑戦』が注目されている」と報じている。 (キム・ドンヒョン、韓国・朝鮮日報 = 6-27-23)