花王が中国 EC 市場開拓へ、人気バイヤーとの協業で化粧品販売 - 報道

花王は商品を購入し消費者に転売する中国の個人事業主と協業、自社の高級化粧品を越境電子商取引 (EC) で販売してもらう戦略だと日本経済新聞が 4 日報じた。 新型コロナウイルスで蒸発した訪日客の代替需要を開拓する狙いもある。 花王は中国向け EC 支援のトレンドエクスプレス(東京・千代田区)と組み、中国人個人事業主(バイヤー)と契約、バイヤーはテンセント・ホールディングスの SNS アプリ「微信(ウィーチャット)」などを通じて中国の消費者に商品を紹介・販売するという。

中国の化粧品 EC 市場では影響力のある個人を通じた取引が拡大しており、日本ブランドの人気は高い。 日経新聞によれば、花王は約 4 兆 8,000 億円規模の同市場で発信力の高い個人バイヤーと組み、中国市場向けの新たな販路を開拓したい考えだ。 観光庁の推計では 2019 年の訪日客の消費額は 4 兆 8,135 億円で、そのうちの 3 割を買い物が占め、化粧品は 2 人に 1 人が購入していた。 これまで銀座のデパートなどでは中国人観光客が日本製の化粧品購入に押し寄せる姿が見られたが、新型コロナの感染拡大で客足は途絶えている。 20 年の訪日客消費額は前年比約 8 割強減少した。 (日向貴彦、Bloomberg = 5-4-21)


実は抜け穴だらけ? 「監視社会」中国の実態
IT を駆使して個人情報を収集しても管理は適当?

記事コピー (5-3-21)


日本企業 33 社の「中国依存度ランキング」 TDK、村田製作所は 50% 超

英 BBC が報じた新疆ウイグル自治区での綿花生産におけるウイグル人らの強制労働の実態を受け、スポーツメーカーの米ナイキとアパレルメーカーの H & M (スウェーデン)は「懸念」を表明。 以後、ウイグル産の綿花を製品に使用しないこととした。

だが、世界のグローバル企業が声を上げるなか、日本企業の反応は鈍い。 なぜ、欧米企業に比べて日本企業の歯切れが悪いのか。

『経済界』編集局長の関慎夫氏によれば、ユニクロを展開するファースリテイリングは全売り上げの2割超、日立製作所やソニーなどの電機メーカーも売り上げの約 1 割は中国が占め、"市場としての中国" を無下にできない事情があるという。 日本企業にとって中国市場の "存在感" はどれほどのものなのか - -。

中国事業を積極的に進める上場企業の株価指数「日経中国関連株 50」を構成する 50 社について調査した。 最新の有価証券報告書をもとに売り上げに占める中国市場の割合が算出できた33社をランキング形式にまとめたのが別掲の表だ。

ランキング上位には電気機器、化学関連のメーカーが
目立つ

「いま中国で市場が大きいのは、自動車と IT 関係の部品。 例えば村田製作所は自動車やスマートフォン向けの電子部品が主力製品ですが、自動車やスマホの製造国としては中国が圧倒的に強い。 必然的に、中国市場の売り上げが多くなり、50% 以上を占めています。

電子部品を扱う企業だけではなく、ファナックのように製造用のロボットを扱っている企業も中国における需要が圧倒的に高い。 ロボットメーカーの業績は、中国の経済成長に大きく左右される。 日本ペイント HD は自動車の外板の塗装をやっているし、東レもユニクロの工場向けに事業を展開しています。(前出・関氏)」

経済ジャーナリストの磯山友幸氏はこう指摘する

「小売業や最終製品のメーカーばかりが話題になりがちですが、ランキング上位は BtoB 企業が多い。 あまり表に出てきませんが、改めて中国市場の存在の大きさを突きつけられます。」

ランキング上位の企業に、ウイグル問題への見解を聞いたところ、TDK は「いかなる形の強制労働も明示的に禁止する」としたうえで、ウイグル人権問題への関与については、「調査の結果、強制労働の疑いがあるサプライヤーとは、当社グループのいずれの企業も取引がないことを確認しました」と回答した。 村田製作所は期限までに回答がなかった。

日本ペイント HD はウイグル人権問題への見解については「コメントは控えます」とし、今後の市場展開については「中国市場自体は引き続き会社方針に基づき展開していく予定」と回答。

中国に大きく展開する日本企業が抱えるリスクについて、関氏はこう指摘する。 「ウイグル問題以外にも、チャイナリスクはある。 台湾問題で米中間の亀裂が深まり、そこで日本政府が米国寄りの姿勢を強めれば、日本製品の不買どころか日本人駐在員の拘束まであり得るでしょう。

企業は地政学的に日本の置かれた立場を考えながらビジネスをしなければならず、その舵取りは非常に難しい。」 利益とリスクが背中合わせの中国ビジネス。 日本企業は窮地に立たされている。 (MoneyPost = 5-2-21)


経済連携で日中韓対話 中国、日本の投資取り込みに意欲

【済南 = 羽田野主】 日中韓の政府や企業が経済連携を進める「協力開発対話」が 25 日、中国山東省済南市で開かれた。 山東省のトップ、劉家義・山東省共産党委員会書記は 24 日の歓迎式で「日韓企業と経済・貿易の協力を強化したい」と強調した。 劉氏は「習近平(シー・ジンピン)国家主席の対外開放政策のもと、日韓企業と双循環(2 つの循環)の構築に取り組みたい」とも話した。

双循環は海外からの投資も利用しつつ、国内の需要と供給側面を強化し経済成長につなげる考え方で、習氏肝煎りの経済構想だ。 習指導部は日本の原発処理水などの問題で対日批判をくり返しているが、経済面で引き続き日本を引き寄せる戦略を描いている。 日本からの投資の呼び込みに意欲をみせた形だ。 中国人民対外友好協会の林松添会長は 25 日「2022 年は日中国交正常化 50 周年。さまざまなイベントを企画したい」とあいさつした。

新型コロナウイルスの流行後、海外の政府・企業関係者らを交えた大規模なイベントは今回が初めてという。 日本側からパナソニックやキヤノンなど大手電機や三菱商事や三井物産、みずほ銀行など 42 の企業から 60 人が参加した。 長崎県や新潟県、福島県など自治体関係者も参加した。 開場には約 500 人が詰めかけた。 (nikkei = 4-25-21)


日本は「ルビコン川渡った」 台湾問題を直視する意味

米中首脳会談で提起された台湾問題

記事コピー (4-18-21)


見えぬ中国の「情報」リスク LINE が突きつけた問い

対話アプリ「LINE」の個人情報が業務委託先の中国企業からアクセスできる状態になっていた問題をきっかけに、情報管理をめぐる「中国リスク」に注目が集まっている。 中国には、国民や企業に諜報活動への協力を義務づける「国家情報法」があるが、運用の実態は見えない。 日本企業にとって、どこにどんなリスクがあるのかも分からず、対応に苦慮するケースが増えそうだ。

「中国での開発を長い間続けてきたが、潮目の変化などを見落としていたのが偽らざるところ。 ユーザーへの配慮が足りなかった。」 この問題で 3 月下旬に会見した LINE の出沢剛社長は国家情報法のリスクについて認識の甘さを認めた。 2017 年に施行された国家情報法は中国の諜報活動を取り決めた法律だ。 中国語の「情報」は日本語とは異なり、「諜報」の意味合いが強い。 同法は「いかなる組織及び国民も、国家の諜報活動を支持し、これに協力し、知り得た国家諜報活動の秘密を守らなければならない」と定める。

「日本企業の意識の低さ露呈」

経済安全保障に詳しい井形彬・多摩大学ルール形成戦略研究所客員教授は、同法の仕組みをこう解説する。 「たとえば、中国製のサービスを使用して中国に不利益な活動をする人物を中国当局がテロリストと認定すれば、サービス運営者はこの人物の情報を提出するよう求められる。 運営者はおそらく中国企業として拒否できない。」 LINE の姿勢については「日本企業の経済安保に対する意識の低さが露呈したケース」と指摘する。

この法律はすでに米中間で激しい対立の火種となってきた。 米国のトランプ前政権は、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の製品が同法に基づき中国のスパイ活動に使われる恐れがあると主張。 具体的な証拠を米側は示していないが、19 年以降、華為に対する輸出制限措置などを繰り返しとってきた。 これに対し、中国側は反発している。 中国外務省の華春瑩報道局長は 19 年末の記者会見で、「外国に保管されているデータを収集するために、現地の法律に違反してバックドア(管理者が気づかない情報の抜け穴)を設置するよう企業や個人に求めたことはなく、また求めることもない」と述べた。

国家情報法について、中国の治安当局者は朝日新聞の電話取材に対し、「国家情報活動への協力を組織や個人に求めることは、米国など多くの国がすでにやっている」と正当性を強調。 中国政府が日本企業の情報を収集する可能性については、「すでにわが国の技術の方が日本企業よりも優れている分野が多く、その必要はない」と否定した。

つかめぬ流出リスク、対応困難

ただ国家情報法は、中国の国民や企業に諜報活動に関する秘密保持を義務づけていることもあり、実際どの程度活用されているのかは極めて不透明だ。 自民党で経済安保の議論を主導する新国際秩序創造戦略本部の甘利明座長は「中国は自国にない技術やデータを抜き取っているという前提で対策をとるべきだ。 中国進出のメリットと情報流出のリスクを考えなければならない」と指摘。 中国とのかかわりを持つ日本企業に警戒を求める。

日本企業にとって悩ましいのは、どんな種類の情報に流出リスクがどの程度あるのかがつかみにくく、効果的な対応が難しい点だ。 経済的な結びつきの強い中国でビジネスをしたり、現地企業と取引したりするケースは極めて多く、LINE もシステム開発などを中国の関連企業に委託していた。 情報管理を厳格にすれば、その分、中国での経済活動への制約は大きくなる。

見直しの動き、他の企業でも

LINE は問題発覚後の 3 月下旬、中国からのアクセスを遮断した。 この問題を受けて、利用者の視線を意識して情報の取り扱いを見直す動きは、ほかの企業でも出ている。 携帯電話大手の KDDI は、業務委託先の米国企業が香港に置くサーバーに保管されているデータを日本国内などに移転する検討を始めた。 対象は、海外で現地企業の通信回線を使う「ローミング」に必要な電話番号などで、利用者の氏名や住所などは含まれない。中国が関与を強める香港の情勢や、情報管理に対する消費者の意識の高まりを踏まえ、「安心して使ってもらうための対応として移転を検討している(広報担当者)」という。 一方、こうした対応について「過敏になっている」と漏らす通信業界関係者もいる。

この問題は、強権的な姿勢を強める中国との向き合い方を日本企業に改めて問いかけているが、どう対処すればよいのか。 多摩大の井形氏は、社内で扱う情報をランク付けし、中国側が触れられる範囲を限定することを提案。 「日本企業も中国関連の企業とやりとりする時は、どこまで情報を与えるのかを考え、情報保護やアクセス権のあり方を見直す必要がある」と話す。 (福田直之、編集委員・峯村健司、杉山歩、asahi = 4-12-21)


ウイグル巡る中国制裁、踏み絵迫られる日本 - 菅首相は 4 月に訪米

→ 政府は慎重姿勢、制裁へ向け早期の法整備求める声も
→ 法整備しても発動するかは「全く別物」 内閣官房参与の宮家氏

新疆ウイグル自治区の人権問題を理由に米国や欧州連合 (EU) が制裁措置へ踏み切る中、経済への影響が懸念される日本は慎重な姿勢を崩していない。 菅義偉首相の訪米を 4 月上旬に控え、決断を迫られる時期は遠くないとの指摘もある。 「何もしない国と見られるのは恥ずかしい。」 中谷元・元防衛相は、人権問題に対して日本も非難や懸念の表明だけではなく行動が必要だと話す。 首相訪米や 6 月の主要 7 カ国 (G7) 首脳会議に向け、「この 2 カ月が大事だ」と強調。 超党派の議員連盟を立ち上げ、日本でも制裁を可能にする法整備を急ぐ考えを示した。

一方、加藤勝信官房長官は 23 日の会見で米と EU の動きは「承知している」と述べたが、具体的な対応は明言しなかった。 「深刻に懸念し、中国政府に対して透明性のある説明を行うよう働き掛けをしている」としたものの、外為法では人権問題のみを理由に制裁を実施する規定はないとも説明した。 日本にとって中国は、輸出入総額の 2 割を占める最大の貿易相手国。 2007 年に米国を上回って以降、10 年以上連続して首位となっており、新型コロナウイルス禍で経済が低迷する中で摩擦は避けたいのが実情だ。

26 日にはスウェーデンの衣料小売りヘネス・アンド・マウリッツ (H & M) が新疆ウイグル自治区で生産されるコットンの調達を停止したことをきっかけに中国で外国ブランドの不買活動が活発化するとの懸念が広がり、「無印良品」を展開する良品計画株は一時前日比 6.8% 安の 2,494 円まで売り込まれた。 野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは 25 日付のコラムで、「両国の経済関係に悪影響を与えることを懸念した面が日本政府にあったのではないか」と分析。 関係悪化を避ける日本の姿勢には「一定の合理性がある」と指摘した。

ただ日米首脳会談ではバイデン大統領から協調を求められることも想定され、経済的な損失などを覚悟した上で、中国の人権問題にも同盟国と協調して強い姿勢で対応する決断を「比較的早い時期」に迫られる可能性もあるとの見方を示した。 昨年 6 月に施行された香港の統制を強化する国家安全維持法をきっかけに中国に対する国際社会の懸念は高まり、今年に入って海警局に武器使用を認めたことも尖閣諸島周辺で中国と対峙する日本にとっては不安材料となった。 16 日の日米安全保障協議委員会(2 プラス 2)では、海洋進出を進める中国を名指しで批判する共同文書を発表している。

報復

中国は 27 日、制裁措置への報復として、米国とカナダの個人や団体に対する制裁を発表。 対立は長期化の様相を呈してきた。 中国外務省の華春瑩報道官は日本についても「侵略による 3,500 万人の犠牲者のことを忘れてしまったのだろうか」と述べ、中国を批判するのは「日本の利益にならない」とけん制した。 制裁を可能にする法整備を目指す国民民主党の山尾志桜里衆院議員は、1989 年の天安門事件後に「一番に経済制裁解除に踏み切った国が日本だ」とした上で、「対話と協調路線で民主主義が深まることはなかった」と振り返る。 「人権を守る国や企業でないと経済も追求できない状況に国際社会が変わり始めている」との認識であり、政府には「視点を早く変えてほしい」と求めた。

菅政権で外交担当の内閣官房参与を務める宮家邦彦氏は対中政策での日本の難しい立場を示唆した。 「日本にとって中国は重要な隣国であり、両国は地理的に離れることはできない」とした上で、制裁を可能にする法整備をしても実際に発動するかどうかは「全く別物だ」と英語でのインタビューで述べた。 (延広絵美、Bloomberg = 3-29-21)

〈編者注〉 対中関係についても、日本は米国が最も話し易い相手でしょう。 両国とも、中国が最大の貿易相手国であり、メジャーな企業が中国に製造工場を有していることなど、置かれている立場も似通っています。 中国も、日米系の工場閉鎖といった強硬手段などとれるはずもありませんから、そうそう及び腰になる必要もありません。 中国だって、全世界を敵に回すことなどできません。 その前に、体制そのものが崩壊してしまいます。

◇ ◇ ◇

中国を名指し、日米が異例の牽制 外務・防衛閣僚会合

日米両政府は 16 日、米国のバイデン政権発足後初めてとなる外務・防衛担当閣僚会合(2 プラス 2)を東京都内で開いた。 中国の海警部隊に武器使用を認める海警法などに「深刻な懸念」を表明し、軍事的、経済的に台頭する中国を強く牽制する共同声明を発表。 年内に 2 プラス 2 を改めて開くことも確認した。

日米が共同文書で中国を名指しで批判するのは異例だ。 米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官は初の外遊先に日本を選び、15 日に来日した。 新政権発足から約 2 カ月という異例のスピードで日米 2 プラス 2 を開き、対中政策でインド太平洋地域を重視する姿勢を鮮明にした。 ブリンケン氏は共同会見の冒頭、「インド太平洋地域はますます世界の地政学的に重要な地域。 米国と日本がその他の友好国、同盟国とともに共通の概念を持ち、すべての人のために安全保障を獲得していかねばならない。」と述べた。

共同声明では、米国が「核の傘」を含む拡大抑止を日本に提供することや、米国の日本防衛義務について定めた日米安全保障条約第 5 条の沖縄・尖閣諸島への適用を改めて確認。 「中国による既存の国際秩序と合致しない行動は、政治的、経済的、軍事的、技術的な課題を提起している」として、中国に対する脅威の認識を明確化した。 そのうえで、中国海警法などの動きについて「深刻な懸念」を表明。 「尖閣諸島に対する日本の施政を損なおうとする、いかなる一方的な行動にも反対する」とし、「南シナ海における中国の不法な海洋権益に関する主張や活動への反対」もうたった。 米国が緊迫化を懸念する台湾海峡の安定の重要性にも言及した。

拉致問題や米軍基地にも言及

民主派弾圧に続いて選挙制度改変が進む香港や、新疆ウイグル自治区の人権状況についても「深刻な懸念」を共有。 バイデン政権が重視する価値観の側面からも中国を牽制した。 北朝鮮をめぐっては「完全な非核化へのコミットメント」や、拉致問題解決の必要性を確認した。 日韓関係が悪化の一途をたどるなか「日米韓の協力はインド太平洋地域の平和にとって不可欠だ」とも記した。 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設については「普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策」と再確認し、早期の移設をめざすとした。

日米 2 プラス 2 は 2019 年 4 月に米ワシントンで開かれて以来で、日本での開催は 13 年 10 月以来。 米両長官は日本に続き、17 日に韓国を訪れる。 18 日にはブリンケン氏とサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)、中国の楊潔チー共産党政治局員らが、米アラスカ州アンカレジで米中外交トップによる初めての会談を行う予定だ。 中国外務省の趙立堅副報道局長は 16 日の定例会見で、日米 2 プラス 2 について「地域国家間の団結やアジア太平洋地域の平和と安定に資するべきであり、第三者の利益を損なうものであってはならない」と注文をつけた。 (寺本大蔵、asahi = 3-16-21)

日米 2 プラス 2 共同発表(骨子)

  • 米国は、核を含むあらゆる種類の能力による日本防衛に対する揺るぎないコミットメントを強調
  • 日米安保条約 5 条の下での尖閣諸島を含む日本の防衛に対する米国の揺るぎないコミットメントについて議論
  • 中国海警法などの動きに深刻な懸念。 尖閣諸島に対する日本の施政を損なおうとする、いかなる一方的な行動にも反対。 台湾海峡の平和と安定の重要性を強調。
  • 香港及び新疆ウイグル自治区の人権状況に深刻な懸念
  • 北朝鮮の完全な非核化へのコミットメントを再確認。 拉致問題解決の必要性を確認。 日米韓協力は地域の安全に不可欠。
  • 日米同盟の役割・任務・能力について協議し、防衛協力を深化。 拡大抑止を強化。 宇宙やサイバー領域、情報保全を強化。
  • 米国防総省の「世界的な戦力態勢の見直し」で緊密に連携。 米軍普天間飛行場の辺野古移設が唯一の解決策と再確認。
  • 年内に日米 2 プラス 2 を改めて開催

「日本の桜と中国の桜、どっちがきれい?」 しばし沈黙した後、中国人から返ってきた答えは …

東京では 2 年連続で 3 月 14 日に桜が開花し、22 日には早くも満開を迎えました。 これから日本列島各地で見ごろを迎えます。 今年はコロナ禍で、残念ながら、お花見パーティーや宴会などはできそうにありませんが、やはり、満開の桜を目にすると、日本人として晴れやかな気持ちになります。 さて、今年のお花見が例年と異なることのひとつは、街に外国人観光客がほとんどいないことでしょう。 全外国人観光客(コロナ前の 2019 年は約 3,188 万人)の 3 分の 1 (約 959 万人)近くを占める中国人観光客も同様です。

彼らにとっても、日本の春といえば、やはりお花見。 通常なら、東京の上野公園や新宿御苑、大阪の大阪城公園や万博記念公園などに大勢の中国人が訪れ、思い思いに桜の写真を撮り、SNS に投稿していましたが、今年はそうした人々の姿はありません。

中国で有名な桜の名所は、あの武漢

日本に来られない今年、彼らはどうしているのかと思って中国の SNS をのぞいてみると、中国国内でお花見を楽しんでいました。 話題の筆頭は武漢です。 武漢といえば、新型コロナの感染が拡大したことで世界的に有名になりましたが、コロナが発生する以前、武漢を象徴するものの一つが、実は桜でした。 武漢大学のキャンパスには、戦争中に日本人が植えたとされる約 1,000 本の桜並木があり、そこが全国的にも知られる桜の名所となっているのです。

去年は誰も見られなかった「武漢の桜」

昨年はコロナで大学のキャンパスも閉鎖となりましたが、今年は人数制限をして入場が可能になったことが現地で報道されていました。 ほかに、東京と気候が近い上海や杭州、青島、南京などでも桜が開花し始め、先週末あたりから、公園や庭園、道路沿いの桜の写真を撮っている人が大勢います。 私は SNS を通じて、日本でお花見を経験したことがある中国人に「日本の桜と中国の桜、どっちがきれいだと思う?」と問いかけてみたところ、数人から返信がありました。

そもそも、そんな質問をすること自体、ナンセンスであり、どちらの桜も同じように美しく、比べるべきものでないことはわかっているのですが、日中双方でお花見を経験したことのある中国人の意見は、何か私たち日本人の参考になるところがあるのでは、と思ったのです。

中国のお花見は人、人、人で大混雑

上海在住で、十数年前まで関西地方に住んでいた男性は、私の質問に対して、しばらく沈黙したあと、こう語りました。 「う〜ん …、日本の桜は繊細で、はかない感じですね。 幹がどっしりとしていて、樹齢が長い古木が多いけど、川沿いなどでは枝がしなっているので、ちょうど目の高さで花を楽しめる。 上海には古木は少なく、若い木が上にまっすぐ伸びている感じ。 上海の街中には、日本みたいな小さな川がないので、川沿いの桜や川面に散る桜の花びらは楽しめません(笑)。

でも、最近は上海でも若者を中心に、お花見をしている人や、写真を撮っている人がすごく多くてびっくりしますよ。 今の中国人の "お花見ブーム" は、絶対に日本の影響を受けていると思う。 どっちがきれいかなんて、考えてみたこともないけど … 自分はやっぱり日本の桜を見たいな。」

北京在住で、留学や仕事で東京に住んだことがある女性は「東京の桜が恋しいです。 今年も東京に遊びに行って、お花見をしたかった。 とても残念です。」といいました。 その理由を女性はこう語ります。

「中国にも珍しい品種の桜もあるので、桜の種類や色合いなどはあまり変わらないと思いますし、案外、中国にも桜の木は多いのですが、全体的な雰囲気とか、お花見文化はちょっと違いますよね。 北京のお花見スポットとして有名な玉淵潭公園や、武漢、無錫、南京などの桜の名所は、とにかく人が多い(笑)。 人、人、人って感じで、もうイモ洗い状態です。 桜はきれいだけれど、人があまりにも多すぎるので疲れます。 東京も上野公園などは人が多いといわれますが、中国の人の多さとは、正直比べ物になりません。

最近は北京でも、シートを敷いてお花見をしたり、お弁当を食べている人も、けっこう見かけるようになったのですが、東京のようなのんびりとした雰囲気とか風情はないんです。まだお花見の習慣に、それほど慣れていないからかもしれないですが …。 日本と中国、どちらのほうがきれいだということはできませんが、私は若いときに日本に住んでいたから、やっぱり、桜を見ると、自然と自分が日本で見に行った風景を思い出し、懐かしい気持ちになります。」

世界三大お花見スポットの 1 つは中国!?

ここまで詳しく分析できる中国人はあまり多くないと思いますが、彼ら以外、「日本でお花見をしたことはあるが、日本に住んだことはない」という中国人からは「どちらの桜もきれいだけれど、日本に行ってお花見をするほうが、友だちに自慢できる」や「やはり、日本で見るほうがきれいな気がする。 富士山と一緒に河津桜の写真を撮ることは、日本でしかできないことですから。」などの声がありました。

取材した人たちは日本と関わりの深い人だったことから「日本でお花見をしたい」という意見が多かったですが、日本について何も知らない中国人に聞けば、まったく違う答えが返ってくる可能性もあります。 おそらく、日本の桜を見たことがなければ「もちろん、中国のほうがきれい!」と答えたかもしれません。 桜の美しさは、日本でも、中国でも、どこでも変わらないと思いますが、前述の女性がいっていたように、桜を含めた "お花見文化" という点では、やはり日本のほうに伝統があるように思います。

ちなみに、中国語でお花見は「賞桜花(または賞花)」などというのですが、中国のサイトでお花見について調べてみると、「世界三大お花見スポット」について書かれたものが多数ありました。 それは青森県の弘前公園、アメリカ・ワシントンのポトマック河畔、中国・無錫(むしゃく)の太湖(または武漢の東湖と書いているものもある)の 3 か所となっています。 私自身はこの 3 つについて、聞いたことがありませんでしたが、サイトを見る限り、中国ではこの情報がかなり広まっているようでした。

そういえば、ここ数年、日本通の中国人の多くが、わざわざ青森県まで行き、弘前公園のライトアップされた夜桜の写真を撮って SNS に投稿しているところを、何度も見かけたことがあります。 もしかしたら、東京の新宿御苑や、目黒川沿いで桜の写真を撮るよりも、もっとレアで、もっと自慢できるお花見スポット (!?) だと中国では認識されているのかもしれません。 (中島恵、Yahoo! = 3-24-21)


中国、対日改善意欲も海警法を正当化

【北京 = 三塚聖平】 中国は全人代期間中、五輪を通じた協力を呼び掛けるなど日中関係の改善に意欲を見せた。 米国との対立の長期化が見込まれる中で、日本とは距離を近づけたい思惑があるが、日本側が懸念を示す海警法については正当化を続けるなど、安全保障面での強硬姿勢は崩していない。 王毅国務委員兼外相は 7 日の記者会見で「中日関係の改善と発展は両国民の利益に合致する」と強調。 夏の東京五輪、来年 2 月の北京冬季五輪を挙げて「両国民の友好を深め、中日関係の発展を促進する機会にできる」と意欲を示した。

対日関係を重視する背景には米国の存在がある。 中国を「最も手ごわい競争相手」と位置付けるバイデン米政権は、同盟国などと対中連携の強化を進める。 オーストラリアや英国などとの関係も急速に悪化する中、中国は日本をつなぎ留めようとしている。 一方で、王氏は日本社会に「客観的で理性的な対中認識を形成することを望む」と注文も付けた。 日本の対中世論が悪化し、習近平国家主席の国賓訪日が日程調整も進まないことへのいらだちとみられる。

だが、中国自身が対中感情の悪化を招いた側面には目をつぶる。 王氏は、中国海警局(海警)に武器使用を認めた海警法について、「特定の国に対するものではない」と日本側の懸念を一蹴。 海警は尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の日本領海に侵入を繰り返しており、日本側に譲歩する気配はうかがえない。 (sankei.bz = 3-11-21)


公海上で中国籍の漁船転覆 5 人を救助し 5 人不明 捜索続く

2 日午前 8 時 50 分ごろ、沖縄県石垣島北方約 330 キロメートル沖の東シナ海公海上で、10 人が乗船していたとみられる中国籍の漁船「SHIEN LIAN CHENG 707(105トン)」が転覆した。 海上保安庁が漁船からの遭難警報を受信した。 第 11 管区海上保安本部によると同日午後 2 時すぎ、中国当局から「付近の中国漁船が漂流者 5 人を救助した。 残り 5 人が行方不明」との連絡が入った。 午後 9 時現在、5 人は行方不明のまま、11 管区の航空機と巡視船、付近の中国漁船による捜索が続いている。

11 管区によると、遭難警報の受信から約 30 分後の午前 9 時 20 分すぎ、同管区所属の航空機が上空から転覆した漁船を発見し、その近くでブイにしがみつき漂流している 8 人を確認した。 その後、中国当局から 5 人を救助したとの連絡があり、当初確認できていた漂流者 3 人の行方が分からなくなった。 2 日午前 10 時の現場海域は雨で、風速 15 メートル、うねり 3 メートルとしけた状態だった。 転覆現場は「日中地理的中間線」から、やや日本側に入った公海上。 漁船がいつどこを出発し、どのような漁をしていたかは分かっていない。 11 管区から巡視船 4 隻、航空機 2 機が現場へ急行した。 (沖縄タイムズ = 3-3-21)


伊藤忠社員が出所、帰国へ 中国で 3 年の刑期満了

【北京】 2018 年 2 月に中国広東省広州市で当局に拘束され、懲役 3 年の実刑判決を受けた大手商社・伊藤忠商事の 40 代の日本人男性社員が、今月 20 日に刑期を満了し、出所したことが22日分かった。 男性は帰国準備を進めている。 日中関係筋が明らかにした。

男性社員は、スパイ行為などを取り締まる国家安全局に拘束され、広州市中級人民法院(地裁)が 10 年 10 月、国家安全危害罪で懲役 3 年の判決を言い渡した。 どのような行為が罪に問われたかは公表されていない。 中国では 15 年以降、スパイ行為などに関わったとして日本人 15 人が拘束され、解放された 5 人を除く 10 人が起訴された。 刑が確定した 9 人のうち今回の男性社員を含む 2 人が刑期を満了。 19 年 7 月に湖南省長沙市で拘束された男性の裁判は今月始まった。 (jiji = 2-22-21)


東京舞台の映画、中国で大ヒット 長澤まさみさんら出演

東京を舞台に、妻夫木聡さんや長澤まさみさんら多くの日本の俳優が出演する中国映画「唐人街探案 3」が中国で大ヒットし、興行収入記録を続々と塗り替えている。 映画には新宿の雑踏や東京タワーの夜景など、東京の風景がふんだんに盛り込まれており、新型コロナウイルスの感染拡大で外国旅行に行けない状況が続く人たちの心をつかんでいるようだ。 映画は、中国人の探偵コンビが世界各地で難事件を解決していく推理コメディーの人気シリーズで、今回が 3 作目。 本来は 2020 年の春節映画として大々的に PR されてきたが、新型コロナの感染拡大で公開が 1 年延期になっていた。

今月 12 日、春節に合わせて公開が始まると、初日の興行収入は 10 億 5 千万元(約 172 億円)にのぼり、米映画「アベンジャーズ 4」が記録していた中国本土の初日の興行収入最高額(7 億 3 千万元)を大きく塗り替えた。 公開 4 日目の 15 日夜には興行収入 30 億元(約 490 億円)を突破し、中国映画史上最速記録を樹立した。 大ヒットの背景には新型コロナもある。 今年の春節は感染予防のため帰省や旅行などの遠出を控え、自宅近くで休暇を過ごす人が多く、その受け皿として映画館の需要が高まった。 中国では「唐人街〜」以外にも 6 本の春節映画が上映されているが、興行成績は軒並み好調だ。

「唐人街〜」の東京での撮影は 19 年に行われており、コスプレイベントの大行列やごった返す新宿駅周辺の街並みなど、コロナ禍以前の風景が全編にわたって映し出されている。 東京は中国人観光客に人気の旅先だっただけに、中国の SNS では「懐かしい東京の景色に涙が出た」、「日本に旅したようだった」、「コロナ感染が収まったら、真っ先に東京に行きたい」といった投稿が目立つ。 映画を通じて外国旅行の気分を味わう人も多いようだ。 製作に関わった日本の映画製作会社「STORY」によると、日本での公開も検討されているという。 (上海 = 宮嶋加菜子、asahi = 2-18-21)


日本にたくさん存在する「世界一」に背筋が凍る理由 = 中国メディア

中国人は「世界一」や「世界最強」と言う言葉が好きなようで、何かにつけて自国の世界一を誇りにする傾向があるが、同時に他国が持つ世界一の記録にも興味津々のようだ。 中国メディアは、「日本にはたくさんの世界一がある」と紹介する記事を掲載した。 中国人は「世界一」や「世界最強」と言う言葉が好きなようで、何かにつけて自国の世界一を誇りにする傾向があるが、同時に他国が持つ世界一の記録にも興味津々のようだ。中国メディアの百家号は 12 日、「日本にはたくさんの世界一がある」と紹介する記事を掲載した。

記事が挙げた 1 つ目は、日本の「対外純資産」だ。 財務省によると、2019 年の対外純資産額は 364 兆 5,250 億円であり、世界最大の純債権国だった。 それで記事は、国内総生産 (GDP) ではなく対外純資産の規模を見ると、日本の経済力は「相当強い」ことがよく分かると分析した。 また、文化面では「アニメ・漫画の強国」と紹介。 日本に並ぶ国はなく、中国でも「日本のアニメ・漫画を見るか」と尋ねた調査では、見ると答えた人はなんと 8 割に達したと伝えた。 アニメや漫画は日本の主要な産業の 1 つになっており、国の経済を支えていると紹介している。

他にも、工業や電子関連でも世界一が多いという。 例えば日本の「工作機械」は、世界一の加工精度を誇るという。 工作機械の生産で一流の企業は日本に集中しており、小さな企業でもそこにしかない技術を持っていると技術の高さを伝えている。 さらには、治安や長寿などでも世界ランキング上位の常連で、日本は住みやすい国だと称賛。 記事はほかにも、「電池」関連の特許出願数が世界一であることなど、多くの日本人も知らないような「世界一」の記録をたくさん紹介している。

知ると「背筋が凍る」としているが、それは数の多さだけでなく、世界一にこだわらずとも、いつの間にかたくさんの記録を保持している日本を恐ろしく感じたからなのかもしれない。 (村山健二、SearChina = 2-16-21)


中国発「コロナテック」、身近な存在に 日本に次々上陸
買い物 VR や非接触検温、感染拡大防止に一役

新型コロナウイルス対策として中国で普及した新技術が日本に続々と上陸している。 仮想現実 (VR) 技術を使った不動産の内覧システムや非接触型の体温計が中心。 VR 技術をネット販売に応用するなど日本で独自の進化も遂げている。 中国発「コロナテック」は、日本でも身近な存在になりつつある。

野球グラブ 1,300 個、VR で店内一望

「道具選びの相談に乗るなど、オンラインでもリアルに近い環境を低コストで整えたかった。」 スポーツシーブイ(千葉県鎌ケ谷市)の中村勇太専務は、VR 技術を使った店舗の内覧サービスを導入する理由を語る。 同社は野球用具店「超野球専門店 CV」を運営する。 売り場面積は約 450 平方メートルと関東最大級で、グラブだけで 1,300 個という品ぞろえが特長だ。 もともと遠隔地に住む野球少年らに対し、ネット動画で相談に乗っていたが、コロナ禍を機に、少年らに店舗の魅力を 3 次元で伝えることを思い立った。

新サービスでは、同社のウェブサイト上で売り場の様子を 360 度見渡せるようにし、どんな商品があるかを確認できる。 売り場の画像データを人工知能 (AI) で処理できるよう、専用カメラによる撮影を終え、4 月をめどに公開する予定。 スタートアップの新ビジネスを支援する鎌ケ谷市の補助金の対象にも選ばれた。 中村専務は「五感に訴える店作りを目指しており、VR ならそれを疑似的に体感してもらえると考えた」と話す。

導入するのは 2014 年設立の中国スタートアップ、衆趣科技 (3DNest) の VR 技術だ。 もともと中国では不動産や展示会の内覧で実績を積んでおり、日本でもそうした需要を見込んでいた。 それだけに日本法人の張顕赫社長は「野球が人気スポーツではない中国では想像もつかない用途を開拓できた」と語る。

賃貸物件も VR で内覧

世界でもいち早くコロナ禍に直面した中国では 20 年、VR などリモート・非接触に関する産業が急成長した。 例えば、VR 内覧技術が得意な不動産仲介の貝殻找房は 20 年 8 月、ニューヨーク証券取引所での新規株式公開 (IPO) にこぎ着けた。 日本で不動産仲介を手掛ける GA テクノロジーズはこの技術に注目し、20 年 6 月に貝殻と提携。 現在は約 2,000 の賃貸物件を VR で内覧できるようにした。 複数の技術を比較し「中国が価格を含めて世界で最も進んでいる(田吹洋執行役員)」と判断した。

非接触体温計を分解してみると

また、日本でもコロナ対策として、オフィスビルや外食店の入り口などで非接触型の体温計による検温を行う例が増えている。 赤外線センサーで測るこうした体温計を家電量販店やネット通販サイトで探すと、大半が中国製だ。 そこで、東京都内の家電量販店で売れ筋となっている中国製の非接触体温計を購入。 ハイテク調査会社テカナリエ(東京・中央)に分解・調査を依頼した。 従来の電子機器は、組み立ては中国でも、内部の半導体や部品は日本製という例が多かった。 ただ、ユアーショップ(大阪市)が販売する体温計「TG8818N」は頭脳に当たるマイコンに中国の深セン市愛普特微電子(APT チップ)製を搭載。 アリババ集団が持つ「C-Sky」と呼ぶ独自の IP コア(回路の設計情報)に基づき、回路を設計したもようだ。

アーテック(大阪府八尾市)が販売する「051161」のマイコンは中国の深セン市博巨興実業発展 (BJX) 製だった。 年間 300 種類もの機器を分解・調査する清水洋治テカナリエ社長は「中国製半導体の搭載は年々広がっている」と指摘する。 中国発の技術は米中摩擦の火種であり、日本でも情報漏れや安全保障の観点から警戒感が根強い。 しかし、コロナ禍の克服を目指す日本社会の現場では、欠かせない技術として定着しつつあるようだ。 (山田周平、原島大介、nikkei = 2-12-21)