新潟・糸魚川市で地滑り、けが人なし 2 世帯 4 人が孤立

4 日午前 1 時 15 分ごろ、新潟県糸魚川市来海沢で、停電の連絡を受けて復旧作業に向かった東北電力の作業員から「地滑りが発生している」と 119 番通報があった。 市によると、同市来海沢地区で地滑りが発生し、積雪や土砂が民家など 3 棟に流れ込んだが、けが人はいないという。 この地滑りにより県道が寸断され、同市の市野々地区と御前山地区の 2 世帯 4 人が孤立状態となり、県の防災ヘリが救助に向かっているという。 市は付近の 9 世帯 20 人に避難勧告を発令、全員が近くの公民館などに避難したという。 (asahi = 3-4-21)


足利の山火事、延焼止まる 「1 日には鎮圧宣言」見通し

栃木県足利市で 2 月 21 日から続く山火事は 8 日目の 28 日、白煙が時折上がる程度だった。 焼失面積は 3 日連続約 106 ヘクタールで変わらず、市は延焼が止まったと判断。 和泉聡市長は「3 月 1 日には鎮圧を宣言できると思う」と見通しを示した。 この日もヘリ 14 機が空中から放水を続けた。 地上からは消防隊員ら 192 人がホースで放水したり、水を背負って山中に入って残り火を消したりした。 305 世帯に出ている避難勧告は 28 日も解除されなかった。 足利市教委は 22 日から休校を続ける中学校 1 校を 3 月 1 日から再開する方針を明らかにした。 (asahi = 2-28-21)

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たばこの火「危険だ」と思った … 山火事、119 番の男性

栃木県足利市西宮町の両崖(りょうがい)山周辺で 21 日に発生した山火事は 27 日も鎮火のめどがたっていない。 火事の発生直後に 119 番通報した登山客の男性が朝日新聞の取材に応じ、通報当時の状況を語ってくれた。 男性は千葉県野田市から登山で訪れていた会社役員湯田淳さん (56)。 車で足利市を訪れ、21 日午後 2 時半ごろから両崖山を単独で登り始めた。 登山道は乾いた落ち葉で覆われていて、進むごとに足元で「カサカサ」と音がした。 中腹にあるあずま屋で中高年の男性グループが談笑していた。 1 人が火のついたたばこを手に持ったまま、台の上に両手をついていた。 「危険だな」と思いながら登山を続けた。

約 40 分かけて両崖山の山頂に到着した。 そのままハイキングコースを進み、西側にある天狗山を登っている途中、振り返ると先ほど通った両崖山の中腹から白い煙が上がっていた。 午後 3 時半ごろ、天狗山の山頂に着き、目をこらすと遠目にオレンジの炎が確認できた。 「火事だ。」 すぐに「両崖山の中腹が燃えている」と通報した。 急いで下山した。 途中で消防車のサイレンがどんどん近づいてきた。

火事の原因は明らかになっていない。 足利市は山中に火の気がないことから、ハイカーの火の不始末が出火の原因になった可能性があるとみている。 地面は乾燥し、積もった落ち葉が強風が吹くたびに舞っていた。 「何かの拍子に火が落ち葉に落ちて燃え移ったら、山火事につながってもおかしくない。 怖くなった。」 (平賀拓史、asahi = 2-28-21)

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栃木の山火事続く 北関東道一部通行止め、休校広がる

栃木県足利市で 21 日に出火した山火事は、5 日目となった 25 日も両崖(りょうがい)山周辺の各所から白煙が立ち上っている。 休校も広がり、周辺の高校 3 校、中学 1 校が同日休校になった。 現場近くを通る北関東自動車道の足利 IC - 太田桐生 IC (群馬県)間も、延焼や煙の影響で 24 日午後 10 時 20 分から通行止めになっている。

25 日も早朝から、自衛隊や栃木県などのヘリ 7 機の態勢で上空から消火活動を始めた。 地上からも群馬県などから消防の応援を得て 168 人態勢で消火活動に当たっている。 ただ水利の悪い箇所も多く、調整池や水槽も利用して消火活動に当たる方針。 上水道への影響も予想されるため給水車も準備しているという。 栃木県は 25 日、足利市に災害救助法の適用を決めた。 適用は 23 日付。 (根岸敦生、asahi = 2-25-21)

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栃木の山火事、きょう延焼 4 日目 避難勧告 100 世帯超

栃木県足利市の両崖(りょうがい)山周辺で 21 日午後に出火した山火事は、4 日目となった 24 日午後 1 時現在も燃え広がっている。 市はこれまでに周辺の 172 世帯に避難勧告を出している。 夜間はヘリによる上空からの消火活動を中断していたが、24 日朝から自衛隊ヘリ 5 機などが散水を再開。 焼失範囲も 21 日夕に把握した約 10 ヘクタールという数字以降は目測できていないという。

22 日から陸上自衛隊に出動を要請し散水を始めたが、強風のため消火活動は中断しがちになっていた。 火勢は収まらず、両崖山西側だけではなく、23 日には市役所や県立足利高校がある東側、西に離れた尾根続きの天狗山周辺にも広がった。 民家に約 500 メートルまで迫った箇所もあり、市は周辺に避難勧告を出した。 栃木県には 16 日から乾燥注意報が出されている。

現場は史跡足利学校や古刹(こさつ)の鑁阿寺(ばんなじ)を見下ろす標高 250 メートルほどの山林。 両崖山や西に連なる天狗山を巡るルートは人気のハイキングコースになっている。 火災は 21 日午後 4 時ごろに起きた。両崖山の西側、奥の沢付近で「火が出ている」と通報があった。 消防が消火活動に当たったが、足場が急で水の便が悪く、活動が進まない状況が続いた。 (根岸敦生、asahi = 2-24-21)


ランドセルが 800 円 「おさがり」学用品店、原点は私

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閉店した百貨店に「続けて」の声、一転して再オープンへ

神奈川の地場百貨店「さいか屋」が、21 日にいったん閉めた横須賀店を、3 月 6 日に再びオープンさせる。 閉店を発表した昨年 5 月以降、「店を続けてほしい」という声が数多く寄せられていた。 東証 2 部に上場している「さいか屋」は、川崎市、横須賀市、藤沢市の計 3 カ所に百貨店などを構える。 最初の百貨店である横須賀店は、1928 年に開店した。 立地は、京浜急行の横須賀中央駅から歩いて 10 分ほど。 90 年に売り場を広げ、ピークの 92 年 2 月期には 368 億円を売り上げた。

しかし、このころから地元の人口が減り始め、ただでさえ減った顧客層は、郊外のショッピングセンターに流れた。 2020 年 2 月期には売り上げがピーク時の 5 分の 1 まで減り、店の赤字は 4 年連続になった。 この決算を発表してから 1 カ月後、さいか屋の取締役会は、横須賀店の閉店を決めた。 登記上の本社がある川崎市の店は 15 年にホテルのビル内の小さな店に切り替え済みだ。 残る経営資源を藤沢店に集中させようと考えた。

反響は大きかった。 「閉店されたら困る」、「存続してほしい」。 そんな声が常連客から連日、販売員や店長に寄せられた。「署名活動を考えている」と言ってくれた客もいた。 すでに募集した希望退職に、100 人超の応募があった。 売り場面積を減らして営業すれば、採算の改善が見込める、と判断した。 一時閉店の直前、記者が店をたずねると、50 代の女性客はうれしそうに言った。 「小さな頃から屋上で遊んでいて親しみがある。 なくならなくて、よかった。」

再オープン後のデパ地下では、できたての総菜を充実させる。 1 階にはベルギーのチョコブランド「レオニダス」が新たに入る。 いろんな贈答品を 1 カ所で買えるギフトコーナーも設ける。 さいか屋は 21 年 2 月期の純損益も赤字を見込む。 株式の時価総額は 9 億円前後の水準で推移している。 月間平均と月末の時価総額が 10 億円以上にならないと、東証 2 部への上場が廃止されてしまう。 リミットは今年 6 月末だ。 百貨店は、地方を中心に振るわない店が多い。 人口の減少や専門店の台頭、ネット通販の浸透などが原因だ。 日本百貨店協会によると、昨年は 12 店が閉店し、年末の全国の店数は半世紀ぶりに 200 店を下回った。 (佐藤亜季、asahi = 2-27-21)


世界遺産の黒島天主堂、一般公開を開始 修理 2 年がかり

世界文化遺産の構成資産「黒島の集落」のシンボルで、国の重要文化財でもある黒島天主堂(長崎県佐世保市黒島町)が 2 年がかりの保存修理・耐震対策工事を終えた。 23 日、「感謝のミサ」と完工式が催され、報道陣に披露された。 24 日から一般に公開される。 ミサは、新型コロナウイルス感染症を警戒し、信者代表ら 5 人に限った。 工事を発注したカトリック長崎大司教区の高見三明・大司教は「教会堂は大切な場所だが、信仰の対象ではない。 これを機に改めて信者にふさわしい生活をし、島の共同体をつくっていきましょう。」と語りかけた。

明治初期、島の潜伏キリシタンは禁教令が解かれてカトリックに復帰。 木造の初代に代わり、フランス人のマルマン神父の指揮のもと、信者全員が献金や労働奉仕をして明治 35 (1902) 年に完成させたのが今の天主堂だ。 2018 年には、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」に登録され、その構成資産の一つ「黒島の集落」の象徴として、観光客の増加を後押しした。

「頭が下がる思い」

13 年からの調査で震度 6 程度の地震で倒壊の恐れが判明した。 れんが造りの建造物の耐震補強というまれな工事とあって、18 年にあった 2 度の入札には応札業者が現れず、19 年 3 月にようやく着工できた。 雨漏りやしっくい壁の崩れなどの修復も併せて実施。 公益財団法人・朝日新聞文化財団も助成した。

耐震工事は、れんがの外壁に縦に穴を開け、建物の周囲に計 72 本のステンレス棒を基礎まで通して固定。 各所で補強材を目立たせない工夫をした。 屋根瓦は全てふき替えた。 れんが壁はコケを落とし、茶色が鮮明になった。 脇の出入り口の地下から四つのロザリオが見つかり、創建時に埋めたものと推測された。 工事を手掛けた業者は「120 年前に国内外の資材を集め、よくぞこれほどの建て物を造ったものと、神父に頭が下がる思い」と語った。 来訪の際は、教会群インフォメーションセンター (095・823・7650) に事前に連絡が必要だ。 (原口晋也、asahi = 2-24-21)


航行不能、大型海獣の肉片が原因か 佐渡汽船の一時漂流

佐渡島沖で 18 日に一時漂流した佐渡汽船のジェットフォイル (JF) 「つばさ」は、海水取り入れ口に大型海獣の肉片が詰まり、航行不能になったとみられることが 19 日分かった。 同船は予定より約 9 時間遅い同日午前 2 時すぎに両津港に到着。 乗客ら 40 人にけがはなかったが、暖房が切れた船内で長時間揺られ、疲れ切った様子だった。

第 9 管区海上保安本部が原因を調査した。 JF は取り入れた海水をエンジンや発電機の冷却などに用いており、取水ができずエンジン停止や停電につながったとみられるという。 海水取り入れ口に詰まった肉片の識別を担当した新潟市水族館「マリンピア日本海」によると、海保から一辺 20 - 50 センチほどの肉塊が持ち込まれたといい、担当者は「骨の大きさ、厚みからみて、魚ではなく大型海獣とみられる。 クジラかアザラシのような生物の可能性が高い。」と話した。

「つばさ」には、客 36 人と乗員 4 人が乗っていた。 新潟港を 18 日午後 4 時 20 分に出発し、同 5 時 27 分に両津港に着く予定だったが、同 5 時ごろ、佐渡島の姫埼灯台から東に 10 キロの洋上で航行不能に。 佐渡汽船のカーフェリーで引航を試みたがロープが切れて失敗。 その後、新潟海上保安部の巡視船が同 9 時半ごろから引航するなどし、19 日午前 2 時 11 分に両津港に着いた。

到着後の船体点検で肉片が見つかり、除去。 同社は航行可能と判断し、19 日午前に「つばさ」を定期運航に復帰させた。 同社は「ご利用のお客様及び関係者の皆様にはご心配とご迷惑をおかけいたしまして、誠に申し訳ございませんでした」と文書で謝罪した。 9 管は、トラブルにつながるような異状が船になかったか調べる方針。 (谷瞳児、高橋俊成、asahi = 2-20-20)

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40 人乗った水中翼船、電源喪失し漂流 9 時間後に到着

新潟港(新潟市)から両津港(新潟県佐渡市)に向かっていた佐渡汽船のジェットフォイル(JF、高速水中翼船)が 18 日夕、佐渡島沖で動けなくなり、一時漂流するトラブルがあった。 乗っていた計 40 人にけがはなかった。 船は新潟海上保安部の巡視船に引航され、約 9 時間後の 19 日午前 2 時すぎに佐渡に着いた。 第 9 管区海上保安本部によると、18 日午後 5 時 20 分ごろ、JF が電源を喪失し、佐渡島の東の海上で動けなくなったと、佐渡汽船から新潟海保に通報があった。 乗客は 36 人、乗員は 4 人。 午後 4 時 20 分に新潟を出港し、同 5 時 27 分両津着の予定だった。

停止したのは、佐渡島の姫埼灯台から東に 10 キロ沖。近くを運航中だった佐渡汽船のカーフェリー(31 人乗船)による引航を試みたが、ロープが切れて失敗。 このため、新潟海保の巡視船が午後 9 時半ごろに引航を開始し、19 日午前 0 時 15 分ごろに両津港沖で巡視艇に切り替え、同 2 時 11 分に同港に到着した。 新潟地方気象台によると、トラブルがあった当時、現場海域には海上強風警報が出ていた。 波の高さは 4 メートルと予報していた。 佐渡汽船によると、運航中に漂流物とみられるものを吸い込み、電気系統に不具合が生じて航行不能になったという。 同社は着岸直後から潜水士らによる船体の点検を始めた。 海保も今後、原因などを調べる。

トラブル発生後、船室内も停電となり、暖房が動かず、水洗トイレも使えない状態だった。 乗客らは引航される間、毛布にくるまるなどして寒さをしのいだという。 けが人はいなかったが、船酔いする人が多数いたという。 佐渡汽船は「ご利用のお客様及び関係者の皆様にはご心配とご迷惑をおかけいたしまして、誠に申し訳ございませんでした」と文書で謝罪した。 同社の JF では、今回とは別の船が 2019 年 3 月、佐渡沖でクジラとみられる物体に衝突する事故があり、国の運輸安全委員会によると乗客ら 109 人が重軽傷を負った。 (asahi = 2-19-21)


「敵に塩を送る協定」を締結 本当は仲良しの敵対都市

敵であっても災害時には助け合う - -。 3 年前に互いの魅力を競い合う「敵対都市」を宣言して連携を深める鹿児島県の出水市と錦江町が、災害時の相互応援協定を結んだ。 武田信玄と上杉謙信の故事にならって別名を「敵に塩を送る協定」と呼び合うが、今回は話題づくりではなく、自然災害の激甚化と被害の広域化に対する強い危機感が背景にある。 熊本県に接する鹿児島県北端の出水市と、大隅半島の南端に近い錦江町は直線距離で約 103 キロ、車で一般道を走れば片道 3 時間半かかる。 大きな地震や台風・豪雨などで同時に大きな被害に見舞われる可能性が低い「遠い関係」が、今回の相互協定に結びついた。

1 月 26 日付で締結された協定では、被災時の応援内容として、復旧活動に必要な資材・物資、被災者への食料や飲料水、生活必需品の提供のほか、被災者の一時受け入れ、職員の派遣などを挙げている。 こうした相互応援協定は 2007 年に鹿児島県と県内全市町村が締結。 出水市はその前年に、薩摩川内市や阿久根市、熊本県水俣市など近隣自治体と協定を結んでいる。 昨年 7 月の熊本県南部豪雨では、人吉・球磨地方の自治体が軒並み被災するなど想定を超える自然災害が発生した。 錦江町の木場一昭町長は翌月、一部で浸水被害があった出水市に防災担当者を派遣し、相互応援協定を提案した。

両市町はご当地アイドルがライバルとして競う連携企画が発展する形で、2018 年 6 月に友好都市ではなく敵対都市を宣言。 「対決」をキーワードに双方のイベントに参加して地元を PR するなどお互いを盛り上げてきた。 木場町長と出水市の椎木伸一市長がマラソンで健脚を競うなどトップ同士の交流も深まり、提案を受けた椎木市長が二つ返事で快諾したという。 木場町長は「被災した時、互いに『いつでも行きます』という関係を築いておけば助けを頼みやすくなる」と強調する。 自然災害だけでなく、町内で鳥インフルエンザが発生した場合に養鶏の盛んな出水市にアドバイスをもらうことも期待しているという。

椎木市長は「県境をはさんで発生した熊本県南部豪雨では広域被災の怖さを痛感した」と語り、遠く離れた錦江町との連携を歓迎する。 「地域の活性化を目指した敵対宣言が、住民の安全・安心にかかわる危機管理での連携に発展した。全力で戦っていても、どちらかが傷ついたら手を差し伸べるのがライバルの神髄」と語り、今後も「本当は仲のいい敵対関係」の絆を深めたい考えだ。 (城戸康秀、asahi = 2-13-21)


佐賀空港、50 億円かけて改修 宇宙のスペースも夏にも

約 50 億円という費用をかけて増築と改修が進められている佐賀空港ターミナルビル(佐賀市)で、国内線の搭乗待合室やゲートが新しくなり、このほど運用が始まった。 これとは別に、佐賀県が国の新型コロナウイルス交付金を使ってつくる「宇宙スペース」は、夏にも完成予定という。 5 日、報道陣に公開された。 待合室はビル東側の 2 階に新設。 まだ改修中だが、面積はこれまでの約 1.6 倍になるという。 いすやテーブルには諸富家具を使用。 床のデザインは、有明海に広がるノリ畑をイメージした。 これまで待合室だった場所は、売店エリアにする予定。

検査場は 2 レーンに増やし、広さは約 2 倍に。 飛行機に乗り込む搭乗橋も 1 本増やして 3 本にした。 国内線エリア全体の完成は 3 月末を予定している。 佐賀空港は 1998 年開港。 県によると、当初は年間 73 万 7 千人の利用を見込んでいた。 積極的なアジアの LCC (格安航空会社)の誘致などもあり、2018 年度には約 82 万人になった。 ビルが手狭になったとして、本格的なリニューアル工事が始まっていた。 ただ新型コロナウイルスの影響で、中国・韓国・台湾との国際線は全て運休に。 国内線の羽田便と成田便も、昨年 4 - 12 月の搭乗率は 36.1% まで落ち込んでいる。

県は空港のコロナ対策費用として、今年度予算に 6,060 万円を追加。 これは全額コロナ交付金だ。 搭乗待合室のいすを間隔が広いものに換えるなどのほか、「宇宙をテーマにした多目的スペース」の整備に 2,400 万円をかけるとしていた。 (福井万穂、asahi = 2-8-21)


有力ホテルの廃業・休館相次ぐ 需要回復見通せず

地域の有力ホテルが相次いで廃業や休館に追い込まれている。 新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛や入国制限の影響による利用低迷が深刻だ。 感染の「第 3 波」で需要の回復時期が見通せず、老朽化した建物の改修負担も重荷となり事業継続を断念するケースが増えている。

東京・九段下のホテルグランドパレス(東京・千代田)が東京五輪開会式直前の 7 月に営業を休止する。 丸の内のパレスホテル(現パレスホテル東京)の姉妹ホテルとして 1972 年に開業し、プロ野球ドラフト会議の舞台にもなったが、最近では利用客は例年の約 3 割まで落ち込んでいた。 委託業務の見直しなど経費削減を進めたが、同ホテルは「いったん立ち止まり財務悪化を食い止める。 事業継続が可能かを検証する。」と説明する。 東京商工リサーチによると 2020 年の宿泊業の倒産件数(負債額 1 千万円以上)は 19 年比 57% 増の 118 件で、7 年ぶりの高い水準となった。 全業種の倒産件数が 7% 減ったのとは対照的だ。

地方のホテルでも影響は大きい。 坂本龍馬が新婚旅行で訪れたといわれる鹿児島県の霧島温泉では、創業 50 年の霧島国際ホテル(霧島市)が 5 月 20 日で営業を終える。 運営会社を傘下に持つ大和紡績(大阪市)はホテル事業から撤退する。 地表に出る温泉蒸気を利用した地熱発電施設をいち早く設置するなど先進的な取り組みを進めてきた。 観光需要の本格回復が見通せないことに加え「今後は改修投資が継続的に必要となる(大和紡績)」ことが重荷となり、事業継続を断念した。

広島駅近くのホテルニューヒロデン(広島市)も 1 月末で閉館し、46 年の歴史に幕を下ろす。 開業翌年に全線開通した山陽新幹線の利用客などを取り込んできたが、20 年 4 - 9 月の宿泊売り上げは前年同期から約 9 割減った。 日本総合研究所の藤波匠・上席主任研究員は「観光業は時代に即した投資ができていなかった面もある。 日本人客の獲得の工夫が必要になるなか、生き残れるホテルの選別が加速する。」とみる。 (nikkei = 1-30-21)


箱根駅伝、ユニホームにスポンサーロゴ 青学大は「妙高市」、活性化にも一役

駒大が最終10区で大逆転劇を演じて総合優勝を果たした今年の箱根駅伝。 97 回目を迎えた大会で、大きな変化があった。 各大学のユニホームに、スポンサーのロゴを入れられるようになったことだ。 世界陸連の広告規程改訂によって可能となり、日本陸連でも新ルールを採用し、導入された。 ロゴを付けたのは、関東学生連合を除いて 20 校中 13 校。 ロゴは集団で走っている時は見えにくかったが、単独で走った際はテレビ画面越しでもはっきりと確認できた。 総合優勝の駒大は進学塾を運営する「日能研」、法大は約 20 年前から支援を受けているビルメンテナンス業「郵生」の名前が入っていた。

異彩を放ったのが、青学大だった。 胸に、新潟県の「妙高市」。 13 校の中で唯一となる自治体名で、青学大が 2004 年から夏の合宿地として利用してきた縁がある。 妙高市は今回、スポンサー料を調達するためにクラウドファンディングで資金を募り、約 103 万円を集めた。 青学大は往路こそ 12 位に沈んだが、翌日は盛り返して復路を制し、総合 4 位。効果的な PR になっただろう。

「多くの企業からオファーがあったが、最初はビジネス色が出ない方がいいと思った。」 青学大の原晋監督は、そう意図を説明した。 陸上に限らず学生が部活で競技を続けようとすれば、合宿や遠征費用、用具代など個人の負担は少なくない。 その負担は「今までなら親の負担だったり、OB 会の寄付だったりで成り立ち、それ以外は『けしからん』と言われてきた」と原監督は明かす。 「けしからん」空気を和らげるために青学大が選んだのが、妙高市だった。

こうして自治体にスポンサーを担ってもらう取り組みは、学生の金銭的負担を軽減するだけでなく、地域の活性化に貢献することにもなる。 それは何より、学生スポーツが新たな存在価値を発信できるということだ。 「ようやく、この時代が来た」と原監督は表現した。 ユニホームに刻まれた「妙高市」の文字には、大きな可能性が詰まっていると感じた。 (辻隆徳、asahi = 1-26-21)


大分空港が「宇宙港」へ着々 米企業、打ち上げ試験成功

大分空港(大分県国東市)などを発着点に、航空機からの人工衛星打ち上げを目指してきた米企業ヴァージン・オービットが、米国沖の太平洋上で 10 基の超小型衛星の打ち上げ試験に成功した。 大分発着の打ち上げは 2022 年に予定されており、大分県は関係省庁との間で国内法の確認や調整を急いでいる。

滑走路の長さやノウハウ評価

広瀬勝貞知事は打ち上げ成功を受けて、「(22 年予定の)大分からの打ち上げに弾みがつく結果。 引き続き取り組みを進めて参りたい。」との談話を発表した。 ヴァージン・オービットは、ボーイング 747-400 型を改造した航空機を使い、日本時間の 18 日に試験を行った。 米カリフォルニア州のチャンネル諸島沖合の太平洋上で、機体から切り離された小型ロケットは自由落下した後に点火。 向きを変えて宇宙空間に飛び出し、米航空宇宙局 (NASA) から委託を受けた超小型人工衛星を軌道に乗せた。 航空機からの空中発射による打ち上げ成功は世界初という。

大分空港は 3 千メートル級の滑走路があることに加え、県内企業が連携して人工衛星開発に携わった経験があるなど宇宙産業の発展が見込める点などが評価され、昨年春に拠点の一つに選ばれた。 今後、ロケットを整備したり衛星を搭載したりする施設や、燃料関係の設備などを空港と周辺地に整備する必要がある。県は法令上の課題解決などを支援し、大分空港を「宇宙港」にすることで県内企業の運用面での参画や宇宙関連産業の活性化を期待している。 (寿柳聡、asahi = 1-25-21)


唯一のガソリンスタンドが閉店 危機を救った町長の決断

ガソリンスタンド(サービスステーション、SS)がまちから 1 店もなくなったら - -。 昨年、1 軒しかない SS が閉店した福島県三島町では、町が店を譲り受けて再開にこぎつけた。 「SS 過疎」は人口減少が進む地方の共通課題で、存続に向けて知恵を絞る。 三島町唯一の SS は、町を東西に貫く国道 252 号を曲がった役場近くにある。 もとは夫婦が営んでいたが、病気のために昨年 5 月に閉店した。 町民は東に約 12 キロ離れた柳津町の SS か、西に 15 キロ離れた町外の SS で給油せざるを得なくなった。 スポーツ店を経営する三島町の栗城浩一さん (64) は、会津若松市にある店から戻る途中、灯油を購入していた。

マイカーや暖房需要だけではない。 10 台ある町の除雪車の大半は町内で給油しており、除雪を担う業者は「燃料が手に入らなければ除雪が間に合わない」と危機感を抱いた。 矢沢源成(げんせい)町長は「町民の命を守るために SS は必要」と考え、町が譲り受けることにした。 100% 出資する農業法人「桐(きり)の里産業」が運営を担い、昨年 12 月 4 日に再開した。 栗城さんは「町に SS がなければ困る。 町が再開してくれてよかった。」 県石油商業組合の小林勝専務理事も「災害時最後のとりでとして供給を絶やさないという使命が、町民の生活や命を救うことになる」と評価する。

町にはかつて国道沿いに別の SS があったが、老朽化で 2011 年に閉鎖。 16 年の町民アンケートでは「SS をこれからも存続してほしい」が 8 割を超え、理由は「身近にあった方がよい」が大半を占めた。 今回、SS を再開できたが、課題はどう維持していくかだ。 人口減少が進む中、売り上げが減れば存続が難しくなる。 そこで町は、3 年後をめどに SS を国道沿いに移転させる計画だ。 交通量が多く、町外のお客を期待できる。 町民が気軽に立ち寄れるスペースを設けたり、野菜など地場産品を販売したりする構想を描く。 矢沢町長は「高齢化が進む町にあって新しい SS が生活サービス機能をもてるような仕組みづくりに取り組んでいきたい」と語り、4 月ごろに検討委員会を立ち上げ、具体的な計画を練る予定だ。

資源エネルギー庁によると、県内の SS 数は 1990 年代半ばをピークに減り続けている。 2020 年は 801 カ所で、20 年前より 4 割(527 カ所)減った。 人口減に加え、高齢化で車に乗る人が少なくなったり、ハイブリッド車などの普及でガソリン需要が減ったりしているためだ。

全国的にも同様の傾向で、市町村内に SS が 3 カ所以下の「SS 過疎地市町村」は 332 (20 年 3 月末現在)あり、増加傾向が続く。 こうした中、三島町のような事例も増えている。 和歌山県すさみ町は 09 年に SS が廃業、最も近い SS まで 13 キロ離れた。 町は大地震に備えた拠点整備にあわせ、15 年に道の駅の隣の閉鎖中の SS を買い取り、町営として再建した。 SS は地域に欠かせないインフラだ。 石油元売りや国などでつくる SS 過疎地対策協議会は、SS 存続を民間任せにせず、自治体がリーダーシップをとるべきだ、と指摘している。 (上田真仁、asahi = 1-17-21)

SS 存続に向けたアイデア

  • 買物弱者支援や高齢者のコミュニケーション機会の確保など「地域の総合生活サービス拠点」に転換
  • 住民、企業、自治体が経営に参加する「地域参加型」に
  • 燃料販売以外の事業分野との経営統合や事業の継承
     (SS 過疎地対策協資料から)

地銀再編 福井銀、福邦銀を子会社化へ 資本提携を発表

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第一ホテルアネックスなど休業 緊急事態で客減少

阪急阪神ホテルズは 14 日、東京都千代田区の「第一ホテルアネックス」や大阪市北区の「大阪新阪急ホテル」など傘下の 7 施設での宿泊サービスを 1 月 20 日から休止すると発表した。 11 都府県への緊急事態宣言の発出で宿泊客が減少している状況などを踏まえた措置で、期間は 2 月 21 日までとしている。 各ホテルにあるレストランのうち、直営の施設も 1 月 17 日から 2 月 7 日まで休業する。 予約済みの宿泊については第一ホテルアネックスの場合、近隣の「第一ホテル東京」に振り替えるなどして対応し、キャンセルにも応じるという。  広報担当者は「宿泊客が減っている状況と、利用者と従業員の感染防止を考慮して判断した」と語った。 (神山純一、asahi = 1-14-21)


原発立地自治体の核燃料税、震災後 2.3 倍 料金影響も

原子力施設の立地自治体が条例を作って電力会社などに独自に行う課税で、東京電力福島第一原発事故の直後の 2011 年度に 201 億円だった税収総額が、20 年度には 467 億円の見込みとなり、10 年間で 2.3 倍に増え、事故前の水準を超えた。 朝日新聞の調べで分かった。 税金分は電気料金に影響する可能性がある。 原発停止中や廃炉でも税収が確保できるように事故後に制度が変えられ、原発内にたまる使用済み核燃料への課税も強まった。 立地自治体の原発依存は、事故 10 年で更に深まっている。

自治体による課税は、原子力施設にかける核燃料税と、使用済み核燃料税がある。 朝日新聞は、原子力施設がある 13 道県と立地市町村の課税状況を調べた。 20 年度の総額 467 億円のうち、核燃料サイクル施設が集中する青森県と、国内最多の原発がある福井県とで全体の 6 割を超えた。 各地の原発が止まっている 20 年度の総額は、事故前で各地の原発が動いていた 10 年度の計 403 億円と比べても多かった。

核燃料税は、原発を動かす際に入れる核燃料の価格に応じて課税する方式で始まった。 事故の影響で各地の原発が止まり、11 年度は立地 6 県で税収がゼロになる状況の中、福井県が 11 年秋、原子炉の出力に応じて課税する「出力割」を始めた。 原発が止まっていても一定の税収がある仕組みで、他道県も続いて導入した。 愛媛県は 14 年、廃炉になった原発にも出力割を課す制度をつくり、佐賀県などが続いた。

使用済み核燃料への課税では、福井県が 16 年、県外への持ち出しを促すとする「搬出促進割」を導入。 愛媛県と佐賀県が 19 年に、四国電力伊方原発と九州電力玄海原発に保管されている使用済み核燃料についてそれぞれ課税を始めた。 立地の伊方町が 18 年度から、玄海町が 17 年度から課税しており、同一の燃料に県と町が二重に課税する状況だ。 両県の条例に同意した総務省は「確かに課税対象は同一だが、電力会社の負担は過重ではない」とする。

使用済み核燃料を保管する中間貯蔵施設がある青森県むつ市は 20 年 3 月、課税条例をつくった。 施設が稼働予定の 21 年度からの課税を想定し、5 年間で 93 億円の税収を見込む。 核燃料税を福井県が全国で最初に始めた 1976 年からの全立地自治体の税収は、20 年度までに計1兆円を超えた。 今後も拡大する見込みだ。 課税強化の背景には、原発が止まって廃炉も進み、多くで再稼働のめどが立たず、立地自治体に入る固定資産税などが減っている事情がある。

自治体の多くは「原発が動いていなくても、避難道路の整備などの財政需要がある」と説明するが、税収の使途を調べると、温泉施設の維持運営費など直接の関係がない支出先も目立つ。 16 年に電力の小売りが全面自由化されるまで、核燃料税や使用済み核燃料税分は、利用者が支払う電気料金に上乗せされていた。 自由化後も、原発を持つ大手電力会社の電気料金に影響する可能性がある。 (室矢英樹、白木琢歩、asahi = 1-11-21)

核燃料税と使用済み核燃料税》 自治体が条例をつくり、地方税法で定められた以外の税目に課す法定外税のひとつ。 課税される側の電力会社などの意見を自治体が聴き、総務大臣の同意を経て課税するが、同意しなかった例は過去にない。 電気料金を負担する住民らの意見を聴く場はない。 核燃料税は福井県が 1976 年度に創設し、使用済み核燃料税は新潟県柏崎市が 2003 年度に始めた。

核燃料税、使用済み核燃料税の各自治体の累計収入 1 億円未満は切り捨て / 福島県は 2012 年度に核燃料税を廃止
青森県むつ市は 20 年 3 月に条例成立し、21 年度から課税予定
自治体創 設収入累計(2019年度迄)主な原子力施設
北海道1988年度200億円北海道電力泊原発
青森県91年度2,988億円日本原燃再処理工場など
宮城県83年度161億円東北電力女川原発
福島県77年度1,246億円東京電力福島第一原発など
茨城県78年度347億円日本原子力発電東海第二原発など
新潟県84年度715億円東京電力柏崎刈羽原発
石川県92年度149億円北陸電力志賀原発
福井県76年度2,246億円関西電力高浜原発など
静岡県80年度434億円中部電力浜岡原発
島根県80年度199億円中国電力島根原発
愛媛県78年度334億円四国電力伊方原発
佐賀県79年度491億円九州電力玄海原発
鹿児島県83年度344億円九州電力川内原発
新潟県柏崎市2003年度91億円東京電力柏崎刈羽原発
愛媛県伊方町18年度6億円四国電力伊方原発
佐賀県玄海町17年度12億円九州電力玄海原発
鹿児島県薩摩川内市04年度56億円九州電力川内原発
総 計1兆0,026億円


破綻の夕張リゾート、負債は 5 億円超 事業再開見通せず

昨年末に経営破綻が明らかになった北海道夕張市の「夕張リゾート」の経営再開が極めて厳しい状況にあることが、関係者への取材でわかった。 同社の負債総額は 5 億円を超え、返済の見通しが立たない状況だ。 同社は市内でスキー場やホテルなど、市の観光振興に欠かせない施設を運営していたが、施設は休業したまま。 市は事業継続を強く求めているが、休業の長期化でさらなる人口流出が懸念される。 「夕張の市政を揺るがしかねない大きな事態と受けとめている。」 夕張市の厚谷司市長は昨年 12 月 30 日に臨時の記者会見を開き、夕張リゾートの経営破綻が市の経済に与える影響の大きさを説明した。

市によると、同社代理人の弁護士とは同 28 日に連絡が取れた。 厚谷市長は代理人を通じて、同社にコロナ終息後の一日も早い事業再開や、閉鎖中の施設の劣化防止などの要望を伝えた。 だが、今月 8 日現在も、同社からの具体的な回答はないという。 新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、昨年は市内への観光客数が激減。 ホテルは休業を余儀なくされ、12 月 15 日にはスキー場の今季の営業休止も決まった。 その後、同 24 日に同社が自己破産の申し立てを明らかにした。

複数の関係者によると、同社の負債総額は 5 億円以上だが、預貯金は約 200 万円しかないという。 債権者はホテルなどに食材や燃料を納入していた市内外の業者や、スキー場のシーズン券を購入した客ら数百人に上るとみられる。 同社は今月中には裁判所に破産手続き開始の申し立てをする方針だ。 代理人を務める杉山真一弁護士(第二東京弁護士会)は取材に、「スキー場やホテルが夕張市にとって重要な施設であることはオーナー始め関係者は理解しており、良い方向に進むよう努力したい」と話す。 だが、多額の負債に加え、新型コロナの感染拡大で利用客の回復も見通せないことから、早期の再建は困難な状況だ。

市内では昨年、経営悪化で時計製造「シチズン」の子会社が希望退職者を募り、冷凍食品大手「マルハニチロ」が今年 3 月で工場を閉鎖すると発表した。 追い打ちをかけるように、冬の観光の目玉であるスキー場やホテルが閉鎖になった。 こうした状況に、市民の間では今後の経済への不安が渦巻いている。 市は 7 日から、夕張商工会議所と共同で市内 130 の商工業者に緊急アンケートを行い、今後の雇用や経営への影響調査に乗り出した。 担当者は「夕張リゾートの破綻はスキー関係だけでなく、夏の夕張メロンなど全シーズンに影響する。 影響の深刻さは計り知れない。」と危機感を募らせる。

夕張市の昨年 11 月時点の人口は 7,468 人。 この 1 年間で 300 人以上減り、人口減少に歯止めがかからない状態が続いている。 市内の雇用状況の悪化が進めば、人口流出に拍車がかかりかねない。 商工関係者は「これが夕張の第 2 の破綻にならなければいいが」と不安を漏らす。 市は先月 30 日、スキー場やホテルの早期再開と雇用維持による人口流出阻止を目的とした対策会議を設置。 職員を重点配置し対応に当たるとともに、道などに協力も働きかけていく。 今月中には厚谷市長が道庁を訪ね、前夕張市長である鈴木直道知事に支援を要望する予定だ。 鈴木知事は先月 28 日の会見で「財政再生計画への影響も心配される。 市と連携して雇用や地域経済に対する支援に努めていく」と述べた。 (斎藤徹、asahi = 1-9-21)

夕張リゾート〉 夕張市が財政破綻した 2007 年、同市の第三セクターが所有していた「マウントレースイスキー場」や「ホテルマウントレースイ」、「ホテルシューパロ」などの観光関連施設を、観光リゾート企業「加森観光」が指定管理者として委託した際、現地の運営会社として設立された。 委託終了後の 17 年、鈴木直道市長(当時)は一連の施設を中国系企業の子会社「元大夕張リゾート」に約 2 億円で売却し、夕張リゾートも傘下に入った。 19 年 4 月、中国・香港の投資会社「グレートトレンド」に約 15 億円で転売された。