新型機「ボーイング 777X」 現在の「777」と何が違う? 主翼に特徴 日本では ANA が導入

「折りたためる翼」なぜ?

ボーイングの最新鋭機種「ボーイング 777X」シリーズが、2020 年の就航を目指して開発中です。 「ボーイング 777」が入っているものの、従来の「ボーイング 777 シリーズ」とは、大きく異なります。 まずはより「大型」となる点です。 従来のボーイング 777 シリーズも大型機といわれ、777-200 型機は全長 63.7m、777-300 型機は 73.9m でした。 ボーイング 777X はこれより大きくなります。 ボーイング 777X は現在「-800」と、長胴型にあたる「-900」の二種が発表されていますが、-800 の全長は約 70m で、-900 は約 77m です。

特に -900 は「超大型機」にあたり「この規模の競合相手は、現在いません(ボーイング民間航空機部門 マーケティング担当副社長ランディ・ティンゼスさん)」とのこと。 ちなみに、生産終了が発表されたエアバスの超大型機、エアバス A380 型機の全長は 73m です。 ボーイング 777X の外観で、特徴的なのが「折りたためる翼」。 主翼の先端が、それぞれ約 3.5m、上に折れるようになっています。 主翼をたたむのは、おもに駐機など、地上にいるときです。 ボーイング 777X は幅も「超大型」化し、約 72m あります(-800、-900 共通 「777」は約 65m)。 この大きさでは、空港設備によっては大きすぎて駐機が難しいケースもあるため、翼をたためるようになっているのです。

「787」の技術を生かす 日本でも ANA が投入予定

ボーイング 777X は、たとえば主翼の形状や素材(複合素材)などに、現在就航している同社最新シリーズ「ボーイング 787」の技術を生かしているとのこと。 特に客室は、787 シリーズをベースとしており、加圧や加湿が行われるほか、客室内の荷物棚も 787 シリーズと同容量のものを装備します。 787 シリーズの客室仕様を踏まえて、新たな進化も加わります。 ボーイング 777X の機内の横幅は、従来の 777 シリーズ (777-300ER) より 10cm 程度拡張。 側壁を再設計し、より薄い断熱材を取り付けることで広げられたといいます。 窓も大型化するそうです。

「777X は、従来の 777 シリーズより効率性が高まり、航続距離も延びています。 従来の 777 と 787 シリーズの技術を組み合わせたほか、新技術も投入しています。 現在、非常にうまく売れており、世界中で 384 機を受注しています。(ボーイング副社長 ランディ・ティンゼスさん)」 日本の航空会社では、ANA (全日空)が 20 機発注。 世界の航空会社で最多の発注数は、アラブ首長国連邦のエミレーツ航空で、150 機です。 (乗りものニュース = 10-20-19)


北陸新幹線、25 日に全線再開 = 通常運行の 9 割 - JR 東

JR 東日本は 18 日、台風 19 号の影響により一部区間で運行を停止していた北陸新幹線の全線(東京 - 金沢)での直通運転を 25 日に再開すると発表した。 全体では通常の 8 割程度の運行本数となるが、直通は 9 割を確保する。 詳細なダイヤは 23 日に発表する。 当初は全線再開しても 5 - 6 割程度になると見込んでいた。 検査中や予備の車両を活用することで、運行本数の減少を抑える。 今年度中に完成予定の車両 5 編成も投入することで、本数を順次増やす。

浸水した長野新幹線車両センター(長野市)や置かれていた 10 編成 120 両の被害状況も明らかになってきた。 変電施設などが水に漬かったほか、車両は客席の座面まで浸水していた。 2 編成は脱線し、うち 1 編成は 10 - 15 メートルほど移動していたという。 (jiji = 10-18-19)

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北陸新幹線、代車が使えない 専用設計・周波数など壁に

台風 19 号による千曲川の氾濫で、北陸新幹線の多くの車両が浸水した痛手が JR にのしかかっている。 水につかった車両が北陸新幹線全体の 3 分の 1 にのぼる上、「代車」を使えない北陸新幹線ならではの特殊事情もあり、完全復旧を遠ざけている。 浸水した JR 東日本の長野新幹線車両センター(長野市)は、長野駅から 10 キロほど金沢方面寄りの線路沿いにある。 JR 西日本の白山総合車両所(石川県)とともに、北陸新幹線のメンテナンスを担う。 北陸新幹線は、JR 東の「E7 系」 19 編成、JR 西の「WW7 系」 11 編成の計 30 編成で運用されており、このうち車両センターに止めていた E7 系 8 編成と W7 系 2 編成が水につかった。

JR 東によると、15 日の段階で詳しい現地調査はできておらず、車両の被害状況も分かっていない。 しかし、ある新幹線技術者は「床下には車輪だけでなく、モーターやブレーキを制御する電子機器も多い。 半導体が水につかってしまえば、部品全体を交換するしかない。」と話す。 客室内でもシートなどが水につかっていれば、交換する必要性があるとみられる。 新幹線車両の寿命はおおむね 15 年とされるが、E7 系、W7 系とも 2015 年の北陸新幹線開業に合わせて開発された最新鋭車両。 1 編成 12 両の製造費は約 33 億円とされ、仮に被災した 10 編成がすべて廃車となった場合、損害額は車両だけで 3 百数 10 億円にのぼる計算だ。

復旧が難しい理由はそれだけではない。 全体の 3 分の 1 が被災したことによる車両不足も深刻だ。 修理できたとしても、安全性の確認には慎重な点検が必要で、再び営業走行できるまでには相当な時間がかかるとみられる。 新造するにしても新幹線車両は「注文製造」のため、1 年以上はかかるという。 東北・上越新幹線から代わりの車両を手配するのも難しい事情がある。

新幹線は沿線の電力会社の周波数をもとに、東海道、山陽、九州は 60 ヘルツ、東北、上越は 50 ヘルツを採用している。 ところが、北陸は東京電力(50 ヘルツ)、中部電力(60 ヘルツ)、東北電力(50 ヘルツ)、北陸電力(60 ヘルツ)と目まぐるしく沿線の周波数が切り替わるため、専用の切り替え対応システムを搭載した車両しか走れない。 さらに、かつて在来線の難所として知られた群馬・長野県境の碓氷峠越えにあたる安中榛名 - 軽井沢の区間は、全国の新幹線でも有数の急勾配な箇所だ。 このため、E7 系や W7 系はモーター出力やブレーキ性能を高めた専用設計となっており、他の車両で置き換えられないという。

北陸新幹線は大幅に本数を減らして、東京 - 長野と金沢 - 上越妙高(新潟県)で折り返し運転している。 不通区間のバイパスルートとして、信越線の長岡 - 直江津では臨時快速列車を 17 日まで走らせる。 JR 東によると、東京 - 金沢の直通運転は、早ければ 1 - 2 週間程度で冠水した線路や設備の復旧を終えて再開できる見込み。 ただ車両不足のため、長期間にわたり運転本数が 5 - 6 割にとどまる暫定ダイヤで走ることになりそうだ。 (細沢礼輝、asahi = 10-15-19)

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北陸新幹線、最新型の車両も浸水 … 長期間ダイヤに影響か

JR 東日本は 13 日、台風 19 号による大雨で長野市にある千曲川の堤防が決壊し、近くの「長野新幹線車両センター」が浸水したと発表した。 北陸新幹線の車両や線路が水につかり、同日昼頃を予定していた同新幹線の運転再開は大幅に遅れ、同日夜となった。 JR 東によると、浸水したのは同社の「E7 系」 8 編成と、一部区間を運営する JR 西日本の「W7 系」 2 編成の計 10 編成 120 両で、北陸新幹線全車両の 3 分の 1 にあたる。 E7 系は JR 東で営業している新幹線の中で最新型の車両だ。

社員が同センターに近づけず、浸水の程度など詳しい状況は不明だが、水が引いた後も、電気系統や客室の設備の点検や修理に加え、メンテナンス機器がある同センター自体の復旧作業が必要だという。 運転再開後も本数減少など、長期間ダイヤに影響を及ぼす可能性がある。 長野市の洪水ハザードマップによると、同センター付近は千曲川などが氾濫した場合、10 メートル以上浸水する危険があるとされていた。 このほか、JR 東管内の鉄道設備では、栃木県栃木市の両毛線大平下 - 栃木間で、川に架かる橋の一部が流されたほか、茨城県の水郡線でも橋が流された。 川崎市の武蔵小杉駅が冠水し、構内が一時、改札機の高さ付近まで水につかった。 (yomiuri = 10-13-19)


台風 19 号、自動車生産に被害じわり 部品調達が困難に

台風 19 号の影響が自動車生産に影を落とし始めた。 スバルが 16 日、部品が調達できずに国内で唯一の完成車工場である群馬製作所(群馬県太田市など)の操業を停止した。 自動車各社の工場に大きな被害はなかったが、東日本の部品メーカーが被災し、サプライチェーン(部品供給網)への影響が出始めた。 影響が長引けば、景気の下押し圧力にもなりかねない。 スバルは台風 19 号が通過した後、14 日に通常通り群馬製作所を稼働させたが、16 日午後からエンジン工場を含めて操業を止めた。 プレス部品をつくる取引先企業が浸水被害に遭い、部品の調達が滞ったためだ。

群馬製作所は今年 1 月にも、部品メーカーから調達した電動パワーステアリング装置の不具合の影響で、約 10 日間操業を停止した。 被災した企業の復旧作業を支援しつつ、25 日の操業再開を目指している。 群馬製作所の 1 日の生産台数は国内外向けを合わせて約 2,500 台。 もともと 19 日から「即位礼正殿の儀」が行われて祝日となる 22 日まで休みの予定で、影響は 1 万台程度にとどまる見込み。 「復旧を急ぎ、なるべく早く操業を再開したい(広報)」としている。 群馬製作所の操業停止を受け、トヨタ自動車系の部品大手、豊田自動織機(愛知県刈谷市)は 16 日、愛知県内でつくるスバル向けカーエアコン部品の一部の生産を止めた。

三菱ふそうトラック・バスでも、東北地方の部品メーカーが被災した影響で部品調達に遅れが出ている。 神奈川県内の完成車工場と部品工場の一部ラインを 15 日午後に一時停止。 16 - 17 日は通常通りの操業だが、18 日以降の操業は未定という。 同社広報は「様子をみながら翌日の操業を決めていく」としている。 他の自動車大手の完成車工場は通常通り稼働しているが、「一部の取引先が台風の影響を受けた(日産自動車)」、「樹脂部品をつくる取引先が被災した(マツダ)」など、他社でもサプライチェーンへの影響が出ている。

2011 年の東日本大震災では、サプライチェーンが相次いで寸断。 部品不足で自動車生産が停滞し、正常化まで半年近くかかった。 各社はその後、2 次、3 次下請けなどまで含めたサプライチェーン全体をチェックし、災害時の部品の代替調達先を探したり、取引先にも災害時の事業継続計画 (BCP) を策定させたりするなど対策を進めてきた。 (森田岳穂、竹山栄太郎、asahi = 10-16-19)


車体が伸びて鉄の壁に 全長 16 M、高速道の作業員守る

高速道路の工事現場で働く作業員を事故から守るため、車体が伸びて「鉄の壁」となる作業車が登場した。 愛知・岐阜・三重の東海 3 県の工事現場で年末から使われる予定だ。 中日本高速道路が開発し、全長約 16 メートル、幅 2.5 メートル、重さ約 25 トン。

「保護ビーム」と呼ばれる高さ 1.2 メートル(防護ネットを付けると高さ 1.8 メートル)、全長約 10 メートルの部分が伸縮し、作業時は車体全体で約 23 メートルの壁になって工事現場を囲む。 衝突を和らげる装置も備え、作業員は車が突っ込む事故から守られ、安全に工事を進められるという。 設計上は、保護ビームに 10 トントラックが時速 80 キロで衝突しても耐えられるという。

開発のきっかけは、2017 年 8 月に岐阜県多治見市の中央道で停車中の工事車両に大型トラックが突っ込み、男性作業員 1 人が死亡したほか、別の作業員やトラック運転手、高架下の国道を走っていた車の運転手ら計 8 人が負傷した多重事故だった。 中日本高速が管理する高速道路の工事現場では、事故が年々増えている。

昨年度は人身事故と物損事故を合わせて 149 件あり、16 年度の 3 倍以上にのぼる。 中日本高速によると、作業員を車から守る車両は米国ですでに活用されているが、国内では初めて。 工事用車両の製造を専門とする東邦車両(横浜市)との共同開発で、製作費は 1 台約 4 千万円。 工事現場での運用状況をみながら量産も検討していくという。 (佐藤英彬、asahi = 10-3-19)


あれれ、一時停止は? 横断歩道の歩行者無視 220 台

「横断歩道は歩行者優先。」 自動車教習で必ず習うが、実態はどうか。 新潟市の中心部で調べると、信号のないところでは多くの車が止まらず、通学路の交通量が多い小学校が対応に苦慮していた。 新潟県警は取り締まりを強め、専門家も注意を呼びかけている。 9 月中旬の平日朝。新潟市中央区の新潟大学病院の信号のない横断歩道を、通勤する人や学生らが行き交っていた。 片側 1 車線の見通しの良い直線道路と大学病院の駐車場に入る道の十字路。 人と車の通りが比較的多いこの交差点を、午前 8 時から 1 時間観察した。

その 1 時間で横断歩道を渡ろうとした歩行者は約 60 人いたが、約 220 台は無視して通り過ぎ、止まったのは約 40 台にとどまった。 制限速度は 30 キロだが、ほとんどの車がそれを上回るとみられる速度で走り抜ける。 歩行者に気づいて一度止まりながら、対向車が止まらないため、再び走り出してしまう車もあった。 近くに住む 70 代男性は、手の合図で車を制止するようにして横断した。 「なかなか止まってくれないから、手を挙げて渡るようになった」と話した。

よく病院を利用するという同市中央区に住む女性 (30) は、4 台の車が通り過ぎたあと、タクシーが停止して横断できた。 「免許を取る時に当たり前だったのに、みんな当たり前じゃなくなっている」と話す。 自身も、8 月の免許更新の際に受けた講習で「横断歩道は歩行者優先」と聞くまで忘れかけていた。 「いつの間にか、車が先に通って良いと思っていた。」

止まる車が少ないことを背景に、信号のない横断歩道を渡らないよう指導している小学校もある。 同市中央区の女池小(児童数約 800 人)。 校門の前を通る市道は交通量が多く、横断するのを信号のある学校前の交差点以外は渡らないよう指導しているという。 山田淳教頭は「一つの交差点に集中させるため、朝はとても混み合う」と話す。

ただ、強制はできず、全員に完全に守らせるのは難しい。 混雑を避けるためか、別の横断歩道を渡ろうとする児童もいる。 そのため、要所に登校を見守る地域ボランティアを配置している。 5 年ほど前から見守りを続ける新田見(にたみ)秀雄さん (73) は「当初に比べると止まってくれる車は増えたと感じるが、旗を出しても止まってくれない車は尽きない」と話す。 取材後、近くの横断歩道を渡って帰ろうとしたが、幼稚園の送迎バスが止まるまで、12 台が通り過ぎた。

止まる車少ないため「自分も」

ドライバーはなぜ止まらないのか。 交通心理士の長塚康弘・新潟大名誉教授は、自動車教習を終えた後、あらためてルールを復習する機会が少ないことを指摘する。 実際に路上に出てみると、横断歩道前で止まる車は少ないため、それに慣れることで「自分も同じような運転をするようになってしまう」とみる。 一方、歩行者についても「できることはある」と話す。 ただ手を挙げるだけでなく、上下左右に振るなど、車に気づいてもらう努力をする必要があるという。 「しっかりと渡る意思表示をすれば車に認知される。」

秋が深まり日没が早くなるこれからは、さらに注意が必要だ。 県交通安全対策室によると、10 月以降は日の入りが早まり、帰宅ラッシュの時間帯が暗くなる。 夏に比べて歩行者が被害にあう事故が増える傾向がある。 剣物(けんもつ)正明室長は「横断歩道での歩行者優先はマナーではなくルール。 事故を防ぐために、ドライバーにはしっかり意識を持ってもらいたい」。 (谷瞳兒、asahi = 10-2-19)

県警、昨年 1,689 件検挙

JAF が 2018 年 8 - 9 月に実施した全国調査では、信号のない横断歩道で一時停止する車の割合は、県内で 13.8% (全国平均 8.6%)。 一昨年に行われたアンケートで止まらない理由を複数回答で聞くと、「対向車が停止せず危ないから」が最も多い 44.9%。 「後続から車がきておらず、通り過ぎれば歩行者は渡れると思うから」が 41.1% と続いた。 県警は取り締まりを強めている。 交通指導課によると、18 年、横断歩道を渡ろうとする歩行者がいるのに一時停止して譲らない道路交通法違反(横断歩行者等妨害)容疑での検挙は 1,689 件。 前年より 511 件多く、5 年前と比べると 3 倍近くに増えた。 今年は 8 月末時点で昨年を上回る 2,186 件を検挙した。

一方、死傷者数は大幅に減っているとはいえない。 交通企画課によると、18 年に信号機のない道路(横断歩道以外も含む)での横断中に事故死したのは 5 人で前年を 1 人上回った。 歩行中の事故での死傷者は 5 年前より全体で 31% 減少したが、信号機のない道路での死傷者は 24% の減少にとどまっている。

〈横断歩道の歩行者優先〉 道路交通法では、車やバイクの運転手に対し、横断歩道を渡ろうとする歩行者がいるときには手前で一時停止することを義務づけている。 違反した場合、6 千円 - 1 万 2 千円の反則金を支払う行政処分が出される。 歩行者をはねるなど事故を起こした場合などは、3 カ月以下の懲役か 5 万円以下の罰金が科せられる。


危ない交差点ワースト 10、半数が大阪

「一般社団法人 日本損害保険協会(会長 : 金杉恭三)」が、2018 年「全国交通事故多発交差点マップ」を発表。 全国のワースト1は、大阪府「上本町 6 丁目交差点」と福岡県「湯川交差点」となった。 人身事故の半数以上を占めるといわれる、交差点やその付近での交通事故。 その防止・軽減を目的として、2008 年度から同マップは毎年発表されている。 すでに 1,700 以上の交差点情報があり、都道府県ごとに人身事故件数ワースト 5 の場所についての特徴や事故の状況、要因や予防方策などを見ることができる。

今回ワースト 10 内の半数に名を連ねてしまった大阪府では、1 年の間に上位 5 カ所の交差点で 81 件の事故が発生しており、左折事故(26 件)が特に多く、次いで多かったのが追突事故(21 件)だった。

たとえば 1 位となった「上本町 6 丁目交差点」は、東西の千日前通り(大阪枚岡奈良線)と、南北の上町筋(赤川天王寺線)が交差する四差路交差点で車線数が多く、中央分離帯もある大きな交差点。 近くにはバス停があり、駅近くのため車だけでなく歩行者の通行も多いという。 さらに左折の車と横断中の自転車との衝突事故も多数発生している。 このように安全確認すべき点が多いことが、同交差点がワースト1となった理由と思われる。 すでに企業の交通安全研修やカーナビへの情報連携などにも活用されている同マップの情報だが、交差点の地図や写真も掲載されているので、1 度目を通しておきたい。 (lmaga.jp = 9-26-19)

全国交通事故多発交差点マップ


生産終了の VW ビートル、最後の 63 台が日本上陸

7 月に生産を終えた独フォルクスワーゲン (VW) 社の「ザ・ビートル」が 25 日、愛知県豊橋市の港で最後の国内陸揚げを迎えた。 カブトムシの愛称で親しまれたビートルシリーズの国内販売は年内に終了する。 丸みを帯びた外見が特徴のビートルは、初代が 1953 年に日本初上陸を果たした。 98 年にニュー・ビートル、2012 年にはザ・ビートルとリニューアルを重ね、国内でも人気を集めた。

VW 社は 18 年に生産終了を発表。 メキシコで生産された最後のザ・ビートル 63 台が日本での陸揚げ拠点の豊橋市の港に到着した。 最終陸揚げに立ち会った VW グループジャパンのティル・シェア社長は「3 世代 22 万台のビートルが日本のカーライフに彩りを添えてきた。 長年にわたりブランドアイコンのビートルを愛してくださった皆様にお礼を伝えたい。」とあいさつした。 (宮沢崇志、asahi = 9-26-19)


三菱重工航空エンジン、ANA の 787 向けトレント 1000 中圧圧縮機モジュール初換装

三菱重工業グループの三菱重工航空エンジンは 9 月 12 日、全日本空輸が運航するボーイング 787 型機に搭載しているロールス・ロイス製エンジン「トレント 1000」の中圧圧縮機 (IPC) モジュールの換装作業を受注し、11 日に換装を終えたエンジンを初出荷したと発表した。 換装作業は、三菱重工の協力企業である東明工業の知多工場と知多北工場で実施。 ANA からトレント 1000 を受領後に分解し、既存の IPC モジュールを取り出して改修型のものに交換し、エンジンを再び組み立てて返送する。 初出荷に先立つ 10 日には、現地で出荷式典を開いた。

トレント 1000 の IPC モジュール換装は、2018 年 4 月に FAA (米国連邦航空局)と EASA (欧州航空安全局)がロールス・ロイスに対し、航空機の安全性を確保するための整備や改修を指示する「耐空性改善命令 (AD)」を出したことによるもの。 EASA の AD によると、IPC のローターブレードに亀裂が生じることで、飛行中にブレードが飛び散り、機体の操縦性を低下させる可能性があるという。

787 とトレント 1000 の最大顧客である ANA は、この整備作業の影響で多くの欠航が発生。 欠航が生じた 2018 年 7 - 9 月期の減収は 55 億円にのぼった。 11 月に Aviation Wire の単独インタビューに応じたロールス・ロイスのウォーレン・イースト CEO (最高経営責任者)は、「2020 年の東京オリンピックを視野に、早い時期に終えることが重要」と、改修を急ぐ姿勢を示した。 (Tadayuki Yoshikawa、AviationWire = 9-12-19)

前 報 (8-4-18)


欧州で花盛りの EV、各社が披露 フランクフルトショー

フランクフルトモーターショーが 12 日から一般公開される。 主役は電気自動車 (EV)。 環境意識が高い欧州の消費者にアピールする各社の意気込みの裏には、欧州連合 (EU) が課す高いハードルへの対応を迫られていることもある。 独ダイムラーが 11 日に開いた報道向け発表会では、舞台中央にメルセデス・ベンツのコンセプトカー「ビジョン EQS」が据えられた。 ベンツのエンブレムの形をした LED が無数に光るグリルが印象的なセダンは、スポーツカー並みの加速力を持ち、一度の充電で 700 キロ走れる想定だ。

登壇したオラ・ケレニウス社長は「電化は自動車産業を根本的に変える」と話し、来年末までに EV とプラグインハイブリッド (PHV) を新たに 20 車種以上投入し、2030 年には販売車の半数にする目標を示した。 フォルクスワーゲン (VW) が目玉に据えるのは来年発売の小型 EV 「ID3」。 一時代を築いたビートルやゴルフを継ぐ車と位置づける。 28 年までに世界で EV を 70 車種、2,200 万台投入する構想だ。

独 BMW も、8 月に就任したオリバー・ツィプセ社長が EV のコンセプトカーを背にした演説の冒頭で「常に次世代のことを考えている。 いま一番の課題は気候変動だ。」と環境意識をアピール。 21 年までに 100 万台以上、EV や PHV を販売すると話した。 環境意識が高い欧州の消費者に、EV はピッタリの商品だ。 かつてはディーゼル車が人気だったが、15 年にフォルクスワーゲン (VW) が排ガス検査を逃れるために違法ソフトを載せた車を販売していた不正が発覚してからは、EV に人気が移っている。

各社が注力する理由はそれだけではない。 英調査会社 LMC オートモーティブのピート・ケリー氏は「EU の規制に対応するカギだからだ」と指摘する。 EU が 08 年に決めた規制は、21 年に域内で発売される新車の二酸化炭素 (CO2) 排出量を 1 キロ走行当たり平均 95 グラム以下と規定している。 クリアできなければメーカーは巨額の罰金を支払わなければならない。

欧州自動車工業界が 4 日に発表した 19 年 4 - 6 月の EU 域内の新車販売台数で、EV と PHV は合わせて前年同期比 35.6% 増。 市場全体がマイナス傾向にある中で奮闘した。 だが、シェアで見るとまだ EV は 2% 程度。 60% 近いガソリン車には遠く及ばない。 充電設備などインフラをどう整えていくかが課題だ。 ショーに日本勢で唯一参加したホンダは、来年に欧州で発売する量産型 EV 「ホンダe」を披露。 加えて、ドイツの地元会社と提携し、充電設備の普及に乗り出すことも発表した。 (フランクフルト = 和気真也、asahi = 9-11-19)


あおり運転対策で道交法改正へ 行為の規定や罰則を検討

ほかの車の走行を妨げるといった「あおり運転」の対策のため、警察庁は道路交通法を改正する方針を固めた。 関係規定の罰則強化と、現行法では規定されていないあおり運転にあたる行為を新たに定めることを検討する。 来年の通常国会への改正案提出を目指す。

現行の道交法にあおり運転そのものの規定はなく、警察は様々な法令を駆使してきた。 主には道交法の車間距離保持義務違反(罰則は高速道路が 3 カ月以下の懲役または 5 万円以下の罰金、一般道が 5 万円以下の罰金)を適用。 ほかに急ブレーキ禁止違反(3 カ月以下の懲役または 5 万円以下の罰金)、追い越しの方法違反(同)、進路変更禁止違反(5 万円以下の罰金)なども適用した。

より悪質な場合は、相手の運転者に心理的に恐怖を与えたなどとして刑法の暴行罪(2 年以下の懲役もしくは 30 万円以下の罰金など)や、自動車運転死傷処罰法の危険運転致死傷罪(負傷は 15 年以下の懲役、死亡は 1 年以上の有期懲役)などで摘発してきた。 さらに茨城県の常磐自動車道で 8 月にあった事件では、蛇行や割り込み、急ブレーキなどを繰り返し、車を無理に止めさせたとして、県警は全国初とみられる強要容疑で男を再逮捕した。

警察庁は、車間距離不保持など道交法の関係規定の罰則強化や違反点数の引き上げを検討。 あおり運転にあたる行為を道交法に新設し、その規定で取り締まりができるようにすることも視野に入れている。 ほかの車の走行に危険を生じさせたり、停車を余儀なくさせたりといった行為を対象にしたい考えだ。 新たに定める行為の罰則は暴行罪より厳しくすることを検討している。

あおり運転は、2017 年 6 月に神奈川県の東名高速で起きた事故をきっかけに社会問題化。 あおり運転により停車を余儀なくされたワゴン車が後続の大型トラックに追突され、夫婦 2 人が死亡し、姉妹がけがをした。 警察庁は事故を受け、昨年 1 月に全国の警察に摘発強化を指示し、昨年の車間距離不保持での摘発は前年の 1.8 倍の 1 万 3,025 件に上っていた。 ほかに殺人 1 件、傷害 4 件、暴行 24 件、自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死傷罪の妨害目的) 25 件を適用した。 (八木拓郎、編集委員・吉田伸八、asahi = 9-10-19)


トヨタ・スズキが資本提携、5% 出資へ … 国内 3 陣営に再編

トヨタ自動車が、スズキとの資本提携を検討していることが 28 日わかった。 トヨタがスズキに約 5% 出資する一方、スズキもトヨタに出資する方向だ。 両社は資本提携を契機に、自動運転技術の共同研究に取り組む。 近く発表する見通しだ。 今回の資本提携により、国内自動車業界は、トヨタ連合と、日産自動車・三菱自動車連合、単独路線を維持するホンダの 3 陣営に集約されることになる。

トヨタは、年間の新車販売台数が 1,000 万台を超える世界 3 大自動車グループの一角として、独フォルクスワーゲン (VW)、日産・仏ルノー・三菱連合と競い合っている。 年間約 340 万台の新車販売台数を誇るスズキと資本関係を結ぶことで、ライバルに差をつけ、変化の激しい自動車業界の競争を勝ち抜く構えだ。 一方、スズキは、単独で次世代車の開発費を捻出し続けるのは難しい状況で、これまで深めてきたトヨタとの協力関係を資本提携にまで発展させるかどうかが注目されていた。

スズキは 2009 年に VW との資本提携を発表し、19.9% の出資を受け入れたが、VW から思うように環境技術の供与を受けられなかったことなどから、15 年に提携関係を解消。 それ以降、資本面では独立性を保っていた。 トヨタはこれまで国内自動車メーカーとの関係を深めてきた。 ダイハツ工業を完全子会社とし、日野自動車にも 50.2% を出資しているほか、SUBARU (スバル)に約 16.8%、マツダにも約 5.1%、それぞれ出資している。 スズキに対しては 17 年以降、ハイブリッド車 (HV) の技術を提供するなど、協力関係を築いてきた。 トヨタとスズキはともに静岡県西部の発祥で、創業家同士の関係も深い。

自動車業界は、電動化や自動運転技術の開発競争が激化し、単独での生き残りが難しくなっている。 自動運転分野では、豊富な資金力を持つ米グーグルや米アップルなどの巨大 IT (情報技術)企業も参入しており、規模の拡大が競争を勝ち抜く大きな要素とみなされている。 (yomiuri = 8-28-19)

◆ 資本提携 = 企業同士が、互いの株式を持ち合い、協力関係を結ぶこと。 技術協力や共同開発といった契約に基づく業務提携よりも強固な関係を築きやすいとされる。 業務提携から資本提携に発展するケースも多い。


大韓航空が日本便を大幅縮小へ 関係悪化、釜山 - 関西も

大韓航空は 20 日、日韓関係の悪化で韓国と日本を結ぶ便の利用者が減少しているとして、主力路線の釜山 - 関西の運航を休止するなど、大幅な見直しに踏みきると発表した。 代わりに東南アジアや中国などとの路線を拡充するという。 9 月 16 日から釜山 - 関西、11 月からは済州 - 成田、済州 - 関西を運休。 9 月 29 日から 11 月 16 日まで仁川(ソウル) - 小松、仁川 - 鹿児島を運休し、9 月 26 日 - 10 月 26 日、仁川 - 旭川は運休する。 このほか、仁川 - 関空、仁川 - 福岡、仁川 - 沖縄なども一定期間減便する。

このうち仁川 - 旭川便は 6 月に運航が始まったばかり。大韓航空は 7 月にも、釜山 - 札幌便の運休を決めたが、これほど大規模に日本路線を縮小するのは異例だ。 一方、日本路線に使用していた飛行機を振り替える形で、仁川とベトナム、タイ、インドネシア、オーストラリアとを結ぶ便を増便するとしている。 韓国の日本旅行ブームに乗って急成長してきた韓国の格安航空会社 (LCC) も、日韓関係の悪化以後、軒並み日本の地方と結ぶ路線などの縮小を発表している。 (ソウル = 武田肇、asahi = 8-20-19)


なくせ! 踏み間違い事故 = 「ワンペダル」注文殺到 - 熊本の町工場開発

ペダルの踏み間違いが原因とみられる自動車事故が多発する中、熊本県の町工場が開発した「踏み間違えないアクセル」に注文が殺到している。 取り付けまで 10 カ月待ちの状況だが、悲しむ人がいなくなることを願い、開発者は「事故を減らすため生産力を高めたい」と話す。 同県玉名市の「ナルセ機材」が開発した「ワンペダル」は、アクセルペダルをなくし、ブレーキペダルの脇に取り付けたレバーを足で横に押して加速する構造。 ブレーキ上に足を置いたまま操作するため、加減速の際にペダルを踏み換える必要がなく、ブレーキが利き始めるまでの空走距離も短くなる。 価格は取り付け費用を含め約 20 万円。

車検の基準を満たしており、改造の届け出も不要。 取り付け後はそのまま公道を走行できる。 ノリ養殖機器を製造する同社の鳴瀬益幸社長 (83) が製造に乗り出したのは約 30 年前。 踏み間違いで駐車場から道路に飛び出しひやりとしたのがきっかけ。 中学で音楽の先生が鍵盤楽器の複数のペダルをかかとを付けたまま操作していたのがヒントになった。

1991 年に最初の特許を取得し発売、改良を重ねた。 東京・池袋で母子が死亡した事故や福岡市で車が暴走し運転の男性と妻が死亡した事故などで踏み間違いの可能性が指摘され、今春以降、注文が急増した。 従業員の有瀬智雄さん (49) によると、これまでは取り付け時間の問題からキャンセルとなることも多かったが、最近は「どれだけ待ってもいい、というお客が多い。」 池袋事故があった 4 月以降、北海道から沖縄まで約 50 基を販売。 玉名市の取り付け費補助への申請も昨年度は 4 件だったが今年度は既に 15 件に上った。

熊本県荒尾市の武田幸生さん (81) は半年ほど前、病院の駐車場で踏み間違いをした。 「大事故にはならなかったが、ニュースを人ごとではないと思った」と 7 月下旬、申し込みに訪れた。 車種や年式によりアクセルの構造が異なるため、取り付けは月 13 基程度が限度。 鳴瀬社長は「事故を減らすため、売れ筋の車だけでも規格化し量産する方法を検討している」と話している。 (jiji = 8-17-19)


ホンダ、新型「シビック」を発表! 北米で公開された最新モデルは何が進化した?

ホンダは、2020 年モデルとなる新型「シビックハッチバック」を米国で発表しました。 現地での発売は、2019 年 8 月 16 日(現地時間)より開始されるといいます。 いったい、どのような点が新しくなったのでしょうか。 2020 年モデルの新型シビックハッチバックは、外観においてバンパーのデザインが変更され、フォグライトハウジングにボディカラーと同色のクロスバーが追加されました。 また、フロントグリルをはじめ各部のデザインも改良が加えられています。

足まわりについては、ダークグレーまたはブラックの新しいホイールのデザインが採用されました。 内装は、グレードごとに新たな意匠が用意されており、静粛性の向上を図るためにフロア、トランク、フロントおよびリアフェンダーに遮音材が追加されています。 今回の改良で、北米市場でははじめて最上級グレード(スポーツツーリング)に 6 速 MT 仕様が設定されました。 シビックハッチバックの 2020 年モデルは、現地価格で 2 万 1,650 ドル(約 230 万円)から 2 万 8,850 ドル(約 306 万円)です。 (carView = 8-17-19)


ホンダジェットが世界首位 2019 年上期引き渡し

ホンダの米子会社「ホンダ エアクラフト カンパニー」は 12 日、小型ビジネスジェット機「ホンダ ジェット」の 2019 年上期(1 - 6 月)の顧客への引き渡し機数が 17 機となり、3 年連続で同クラスで世界首位になったと発表した。 機体は最大 7 人乗り。主な顧客は企業経営者や富裕層で、受注の 6 割を北米が占める。 18 年に燃費の良さが特徴の新型「ホンダ ジェット エリート」の納入を始めた。 機体価格は 525 万ドル(約 5 億 5,000 万円)。 Kyodo = 8-13-19)

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ホンダジェット、中国でも型式証明取得

本田技研工業の航空機事業子会社ホンダ エアクラフト カンパニー (HACI) は、小型ビジネスジェット機「HondaJet Elite (ホンダジェット エリート)」の中国での型式証明を、CAAC (中国民用航空局)から現地時間 8 月 5 日に取得した。

型式証明は、各国の航空当局が定める機体の強度や性能、安全性などの基準を機体が満たしていることを証明するもの。 エリートはホンダジェットの改良型で、航続距離を伸ばし、客室内の静粛性を高めた。 2018 年 5 月の発表後、FAA (米国連邦航空局)や EASA (欧州航空安全局)、国土交通省航空局 (JCAB) をはじめ、メキシコとブラジル、インド、カナダで型式証明を取得している。

HACI は、2017 年 10 月から広州白雲国際空港に拠点を置くディーラー「HondaJet China」を通じ、中国でホンダジェットの受注を複数得ているという。 今回の型式証明取得を受け、年内に中国の顧客への引き渡しを始める見通し。 ホンダジェットは、小型ビジネスジェット機カテゴリーで、2017 年と 2018 年の 2 年連続で世界最多納入を記録。 現在 130 機以上が世界で運航されている。 (Tadayuki Yoshikawa、AviationWire = 8-6-19)

前 報 (12-20-18)


「JAA の経験が財産」 JAL が台北で 60 周年式典

日本航空 (JAL/JL) は現地時間 7 月 30 日、東京 - 台北線就航 60 周年を迎えた台北松山空港で記念式典を開いた。 羽田行き JL98 便の乗客には、搭乗証明書などの記念品が配られた。 この日の夜には、台北市内で日台路線就航 60 周年パーティーが開かれ、JAA のボーイング 747-300 型機の模型などゆかりの品が展示されたほか、客室乗務員が JAL と JAA の歴代制服を披露した。

日本、台北間は 1 日 6 往復

JAL は 60 年前の 1959 年 7 月 30 日に、羽田 - 台北(松山) - 香港線として、日本と台北を結ぶ路線を週 2 往復で開設。 機材はダグラス DC-6B 型機を投入した。 1974 年には台湾当局による日台路線停止措置に基づき、JAL は日本と台湾を結ぶ路線を休止したものの、日台間路線の再就航に向けて完全子会社の日本アジア航空 (JAA/EG) を設立し、1975 年 9 月 15 日から JAA 便として羽田 - 松山線の運航を DC-8 で再開した。

1978 年 5 月に当時の新東京国際空港(現成田国際空港)が開港し、JAA を含む JAL グループの国際線は成田に拠点を移した。 那覇や名古屋など、成田以外の台湾路線も開設し、機材も 747-300 や DC-10 などの大型機を導入。 30 年以上にわたり JAA が日台間の翼を担ってきたが、2008 年 3 月末で JAA としての運航を終え、4 月からは JAL による運航に戻された。 JAL の台北路線は現在、羽田から松山へ 1 日 2 往復のほか、桃園へは成田から 1 日 2 往復、中部と関西からは 1 日 1 往復ずつ運航している。

羽田 - 松山線の機材は、8 月 31 日までは座席配置の異なる 2 種類のボーイング 777-200ER 型機(3 クラス 236 席 : ビジネス 42 席、プレミアムエコノミー 40 席、エコノミー 154 席、または2 クラス 312 席 : ビジネス 26 席、エコノミー 286 席)を使用。 桃園路線は、成田発の 1 往復のみ 787-8 (2 クラス 206 席 : ビジネス 30 席、エコノミー 176 席)で、他はすべて 737-800 (2 クラス 144 席 : ビジネス 12 席、エコノミー 132 席)で運航する。 羽田 - 松山線の JL97/98 便は、9 月 1 日から運航機材を 787-8 に変更する。

「季節変動ほとんどない」

30 日は台北松山空港で就航 60 周年式典が開かれ、搭乗口には JAL と JAA の歴代制服を着用した台湾拠点の客室乗務員 6 人が登場し、セレモニーに華を添えた。 羽田行き JL98 便 (777-200ER) は乗客 228 人(幼児 1 人含む)を乗せ、午後 2 時 11 分に松山を出発。 記念品として、搭乗証明書やマグネット、ボールペンが乗客にプレゼントされた。

JAL の国際路線事業本部長の大貫哲也常務によると、台湾路線全体の搭乗率は 80% 台後半で、季節変動はほとんどないという。 日本発と台湾発の比率はほぼ半々で、台湾発の需要はほほ観光需要であるのに対し、日本発はビジネスの需要が高い傾向にあると説明した。 「以前の JAL は、最大の需要に合わせて機材計画を立てており非効率だった」と大貫常務は振り返る。 現在はより単価の高い乗客を取り込むよう、きめ細かく供給量を調整しており、航空会社としての腕の見せ所だと意気込む。

「需要はいくらでもあるが、どこまで追いかけていくか。 フルサービスキャリア (FSC) としてかかるコストに見合った需要に対して、適切な大きさの飛行機を選んで投入することが、エアラインビジネスのキーとなる(大貫常務)」と述べ、いつか来た道に戻らぬよう社内を引き締める。 羽田 - 松山線の機材は座席数の異なる 777-200ER を投入しているが、必要であればデイリーでも差し替えるという。

それでも、昨年 7 月からは実績が前年を割り込んでおり、やや厳しい状況が続く。 大貫常務は、「我々は日台路線に特化した JAA の経験が財産。 (日台路線が)大きく拡大していくと楽観的なことは言えないが、マーケットと対話してやっていく。 必ず我々の活躍の余地があると確信しており、今の形をしっかり先につないでいく。」と、次の 70 周年に向けての抱負を語った。 (Masahiro Sato、AviationWire = 7-31-19)