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中国の海外高速鉄道プロジェクトが続々中止、背景にある「陰謀論」 - 米華字メディア

8 月 22 日、米華字メディア多維新聞は、海外で中国の高速鉄道プロジェクトが次々と中止になっている背景には陰謀があると報じた。 マレーシアのマハティール首相は 21 日、訪問先の中国を離れる前に「マレーシアでの中国による複数の建設支援プロジェクトはすでに中止された。 そこには総工費 200 億ドル(約 2 兆 2,000 億円)の『東海岸鉄道計画』も含まれており、中国の首脳はこれに理解を示した。」と発言した。

記事は、「重要な位置にあるマレーシアのプロジェクト頓挫は『一帯一路』構想に深刻な打撃を与える」との認識が一部メディアから出ていると紹介。 「近年、『一帯一路』沿線国において中国による高速鉄道建設が頓挫する傾向が徐々に起こりつつある。 マレーシア東海岸鉄道計画は氷山の一角に過ぎず、先日はシンガポール - マレーシア鉄道にもストップがかかり、インドネシアのジャカルタ - バンドン鉄道プロジェクトも一時期各種の問題が発生して着工できない状態に陥った」とした。

英紙フィナンシャル・タイムズの見積もりによると、リビア、メキシコ、ミャンマー、米国、ベネズエラの各国でキャンセルとなった中国の建設プロジェクトの総額は 475 億ドル(約 5 兆 3,000 億円)に達しているという。

記事は、「建設中止の背景には債務上のリスクのほかに、中国の動機に対する焦りと憂慮がある。 これらの国はインフラ建設では中国ファンドを必要とする一方、中国がプロジェクトを利用して資源を奪い、自国経済の命脈を握るのではないかと案じている」と指摘。 また、「国粋主義の台頭や西側メディアの『一帯一路』に対するネガティブな報道の影響もある。 さらに、マレーシアやインドネシアは歴史的に排中、反共の伝統があり、中国による高速鉄道プロジェクトは容易に民族感情に触れる」と論じた。

そして、「中国の高速鉄道が海外進出をする上で、必ずこのような『陰謀論』に直面する。 プロジェクトの融資や運営について考慮するだけでなく、いかにして相手国の民意をおとなしくさせるかも考えなければならない。」と指摘した。 (RecordChina = 8-24-18)

〈編者注〉 本文がどのように書かれているのか解りませんが、あくまで訳文で見る限り、「いかにして相手国の民意をおとなしくさせるか」というレベルの考えでしたら、鉄道プロジェクトのみならず、どのような海外プロジェクトでも上手くいくわけはありません。 全く逆で、地元の民意、総意がプロジェクトを押し上げる形でなければ成功など全く期待できません。 今、『陰謀論』など持ち出すこと自体が奇妙です。 先ずは謙虚であることが求められます。 かような立ち位置では、中国の慢心と言われても致し方ないでしょう。


中国高速鉄道に問題多発、「日本メディアが恥かかせ報道」との声も - 米華字メディア

2 月 11 日、米華字メディアの多維新聞は、中国高速鉄道で故障や問題が頻発していることについて、「中国と高速鉄道をめぐりライバル関係にある日本のメディアが、この問題をことさらに書き立てていると伝えられている」と指摘している。 中国は春節(旧正月、今年は 2 月 16 日)を迎え、大規模な帰省ラッシュが起きている。 今年の帰省ラッシュは 2 月 1 日から 3 月 12 日まで続き、旅客数は初めて延べ 30 億人を突破すると見込まれている。

そうした中、2 月 8 日には北京西駅から成都東駅へ向かう高速鉄道で重大な故障が発生した。 乗客は途中の西安北駅で代替車両に乗り換えを余儀なくされた。 また、同日には雲南省でも高速鉄道が 2 時間にわたって停電で立ち往生した。 1 月 25 日には青島駅から杭州東駅に向かっていた高速鉄道で電気系統の故障による火災が起き、乗客らが緊急避難を強いられる事故も起きている。 車両は 3 分の 1 ほどが燃え尽きた。 日本のメディアは「中国は高速鉄道の海外進出を進めているが、この火災で中国の高速鉄道への期待感は揺らいだ」と報じている。

業界関係者は「中国の重工業は現在のペースで成長を続けると、10 年後には日本と米国、欧州連合(EU)の総和を超える規模になる」とし、「このところ頻発する高速鉄道の故障は、そうした急速な成長を続ける中国にとって、慢心せず気を引き締めるべきだと注意を促す警鐘のようなものと捉えるべきだ」としている。 (RecordChina = 2-16-18)


川崎重工、中国企業との争い制し、NY 地下鉄 4,000 億円受注へ

1 月 21 日、米華字メディアの多維新聞は、日本の川崎重工業が、米ニューヨークの地下鉄車両の製造・納入をめぐり、中国企業の中国中車との争いを制し、総額約 4,000 億円の受注を獲得する見通しだと伝えている。

記事が日本メディアの報道を引用して伝えたところによると、ニューヨークの地下鉄は朝夕のラッシュ時の遅れが深刻で、運営するニューヨーク市交通局 (NYCT) は、乗降しやすいようにドアの幅を広げるなどした新型車両「R211」を同社に約 1,600 両発注する方針を固めた。 受注総額約 4,000 億円は同社にとって過去最大規模となるという。 受注した場合、兵庫工場(神戸市)で試作車両を製造し、量産車両は米国の現地工場で完成させる方針だという。

中国メディアの鳳凰網によると、この入札では当初、世界最大の鉄道車両メーカーである中国中車とカナダ企業ボンバルディアによる共同入札が契約候補に有力視されていた。 だが 17 年 8 月、中国中車は受注争いから脱落したことが伝えられた。 (RecordChina = 1-22-18)


日中の受注合戦、マレー半島でも 高速鉄道構想

マレー半島を貫く高速鉄道構想の入札が年末にも予定されている。 日本と中国はここ数年、首脳外交などを通じて受注合戦で繰り広げてきた。 中国の強い執着の背景には、鉄道建設を通じた、この地域への影響力の確保があった。 マレー半島を貫く高速鉄道構想が、いよいよ動き出す。 クアラルンプールからシンガポールまでの約 350 キロを、時速 320 キロで走り 1 時間半で結ぶ。 2026 年の開業を目指す。 元々建設の先駆けとなったのは鉄道発祥の地、大英帝国。第 2 次世界大戦中には日本も夢想した路線だ。

年末にも予定されている入札には、日本や中国とともにフランス、ドイツ、韓国も強い関心を示す。 とりわけ日本と中国はここ数年、それぞれの首脳による外交や現地での展示会などを通じて、受注合戦で火花を散らしてきた。 インフラ輸出をアベノミクスの成長戦略に据える日本政府は「受注した夢をみる(外務省高官)」ほど、力を入れてきた。 来年にも判明する入札結果に注目が集まる。

中国が示す強い執着は、経済だけが理由ではない。 中国からラオス、タイを通ってシンガポール海峡へと抜ける路線は、習近平(シーチンピン)政権の対外戦略「一帯一路」で要の一つ。 マレーシアがマハティール首相時代の 1990 年代に提唱した「東南アジア縦貫鉄道」は、その動向を中国の資金力が握る。 中東から資源を運ぶ要衝マラッカ海峡を米国などに封鎖される事態を想定し、その迂回路を設ける狙いもある。 高速となって貨物から旅客の輸送に転じたとはいえ、この地域への影響力の確保が念頭にある。 (編集委員・吉岡桂子、asahi = 11-17-17)


支援国の日本か、貿易国の中国か 鉄道入札競わせるタイ

タイで運輸行政に携わる官僚ら約 20 人が 10 月、日本を訪ね、鉄道の安全確保に向けた視察や研修を受けた。 日本側の狙いは明快で、安全面の長所を力強くタイ側に PR し、鉄道事業の入札で中国に競り勝つことだ。 ただ、高速鉄道の建設でタイは、最大の投資受け入れ先・日本と、最大の貿易相手・中国とでバランスに配慮しながら、両国との協力関係を築いていた。

タイで運輸行政に携わる官僚や国鉄の幹部ら鉄道関係者約 20 人が 10 月初め、日本を 1 週間ほど訪れた。 北陸新幹線に乗り、建設現場を視察したり、安全管理の研修を受けたりした。 鉄道の安全確保に向けた取り組みを理解してもらおうと、国際協力機構 (JICA) が企画。 「安全には、お金も時間もかかることはよくわかった。」 タイ政府の高官は、そう評価した。 バンコクでは、都市鉄道の建設現場で作業員の死亡事故が相次ぎ、当局は批判を浴びている。 今回の研修は、信号や踏切の装置から工事の足場の組み方まで、海外経験を持つベテランの講師が説明にあたった。 (編集委員・吉岡桂子、asahi = 11-16-17)

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中国とタイを結ぶ高速鉄道が始動も、タイ国民は「我々に利益なし」と冷ややか = 中国報道

中国は自国を中心とした経済圏の確立に向けて「一帯一路」と呼ばれる戦略を推進しており、同戦略では高速鉄道が重要な鍵を握る。 タイの軍事政権は中国側の働きかけを受け、首都バンコクと北東部のナコンラチャシマを結ぶ高速鉄道計画を承認したが、同路線は将来的に中国とも結ばれることが想定されている。 高速鉄道の建設は当然ながら政府主導で進められるプロジェクトだが、中国メディアの一点資訊はこのほど、「政府ばかりが強力に推進する高速鉄道計画に対し、タイの民は冷めている」と論じる記事を掲載した。

記事はバンコクポストの報道を引用し、中国とタイを結ぶ高速鉄道の第一期工事として、中国とタイの首脳は 9 月 4 日から 5 日にかけて正式に調印する計画だと伝える一方、「紆余曲折が続いた中タイ高速鉄道がようやく始動する見通し」だと報じた。 中タイ高速鉄道は中国が推進する「一帯一路」のうち、中国から東南アジア各国を結ぶ鉄道路線の一部とされ、中国は雲南省からバンコク、そしてシンガポールまでを高速鉄道で結びたい考えだ。 同計画はパンアジア高速鉄道計画と呼ばれ、ラオスも経由することになるが、ラオス国内ではすでに工事が始まっていて、2020 年に完成する予定となっている。

記事は、中国とタイがこれまで高速鉄道計画について協議を行ってきたものの、その協議は一向にまとまらず、紆余曲折が続いたと伝え、それは「タイの政変と日本との競争が原因だ」と主張。 日本がタイに高速鉄道計画の提案を行ったことで、タイは中国に対して「価格交渉」を行うようになったとし、これによって協議がまとまらなくなったと主張した。

また、紆余曲折が続いたもう 1 つの理由として「タイ国民の高速鉄道に対する熱意が欠けていること」を挙げている。 タイ政府は高速鉄道建設に積極的な姿勢を示してきたほか、中国メディアも中タイ高速鉄道の必要性を積極的にアピールしてきたが、それとは裏腹に、タイ国民の間では「中タイ高速鉄道は中国が必要としているだけで、タイ国民に利益をもたらさない」という認識が広まっているという。 記事は、タイ国民はすっかり「冷めてしまっていて、中タイ高速鉄道計画に対する疑念を抱いている」と指摘し、中国とタイ政府が鉄道計画について正式に調印したとしても、タイ国民の疑念は消えるものではないと伝えている。 (村山健二、SearChina = 9-4-17)

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また波乱が起きるのか! タイ高速鉄道の着工延期に中国が警戒感

日本とタイは 8 月、バンコクとチェンマイを結ぶ約 700 キロメートルの高速鉄道計画で、新幹線を導入することを前提とした覚書を締結した。 一方、中国もタイと高速鉄道の建設を共同で進める計画を推進していたが、タイは中国側の提案を一部拒否し、中国からの借款は受けない方針を示している。 日本と中国がともに競合関係にあるタイ高速鉄道市場について、中国メディアの参考消息は 3 日、「高速鉄道計画における中国とタイの協力に再び波乱が生じる可能性がある」と伝えている。

記事は、シンガポールの聯合早報が報じた内容として、タイが 2016 年中に予定していた高速鉄道 4 路線の着工が、17 年にずれ込む可能性があると伝え、この 4 路線にはタイと中国が協力して建設する予定だったバンコクからタイ東北部ナコーンラーチャシーマーを結ぶ路線も含まれていると紹介。 また、同路線は中国の昆明からタイ、そしてシンガポールまでを結ぶ路線の一部であることを指摘した。 また、17 年にずれ込む可能性があるのは、「日本が建設する路線も含まれる」とする一方、タイ政府の高官の見解として「着工は遅れるものの、17 年内には着工する予定」と紹介した。

記事は、もともとタイが中国からの借款を受け入れる際の金利をめぐって中国と対立し、話し合いが決裂した後にタイが「中国の資金提供を受け入れない」と発表していたことを紹介。 「中国とタイは友好関係にあるものの、高速鉄道プロジェクトは中国による『援助』によって建設するものではない」と指摘し、高速鉄道によって東南アジア諸国を結ぼうと計画する中国にとって「タイにだけ過剰な譲歩をするわけにはいかない」のが現実であると論じた。

さらに、「中国からの借款を受け入れない」と発表していたタイがここにきて、中国と協力して建設する計画の路線も含め、4 路線の着工が 17 年にずれ込むと発表したことに対し、「中国とタイの協力に再び波乱が生じる可能性」があると警戒感を示している。 (SearChina = 11-8-16)


日本で生まれた高速鉄道、欧州で成熟し、そして我が国が革命を起した = 中国報道

中国では高速鉄道の発展について、「日本で生まれ、ヨーロッパで成熟し、中国でイノベーションが起きた」と評されている。 中国メディアの騰訊はこのほど、「中国の高速鉄道は世界で最も凄い」と主張する記事を掲載し、世界で運行されている高速鉄道のうち、中国の鉄道が最も優れていると主張している。 中国高速鉄道の最新車両である「復興号」は、2012 年から開発が始まり、14 年に設計が完成、15 年に運行試験が行われ、17 年に正式に披露されたことを紹介。

記事によれば、復興号の全体設計や車体、ステアリング、けん引、ブレーキ、ネットワークなどの基幹技術は中国が開発したもので、中国が完全な知的財産権を持つという。 さらに記事は、復興号は新しい流線型のノーズを採用し、空気抵抗を減らすことに成功したほか、滑らかな車体デザインを採用したことでより優雅な見た目となったと主張。 「CRH380」シリーズの列車より空気抵抗が 7.5% - 12.3% 下がり、時速 350 キロの場合は 100km 当たりのエネルギー消費量が 17% ほど減少し、より省エネを実現したことを紹介した。

では、安全性はどのように保障するのだろうか。 記事は、「安全を確保するために、復興号はベアリングの温度、冷却システムの温度、ブレーキシステムの状態および客室の環境を観測することができ、異常があれば自動で警報を鳴らしたり、減速や停車などの措置を取ることができる」と紹介。 また、特筆すべき点として、「遠隔データを通じて車両の状態を即時に把握し、観測、遠隔メンテナンスを実施することができる」としたほか、車両先端と接続部には特別な装置が増設され、低速運行中に衝突が起きた場合に車両の防護能力を高めることができると紹介した。

中国の国土は極めて広く、地域によって気温や湿度は大きく異なるが、こうした違いに対応できるよう、復興号はヨーロッパ基準より 20 万キロメートルも長い 60 万キロメートルの試験走行を行い、その結果として設計寿命も和諧号の 20 年よりも 10 年間延び、30 年に達したという。また、復興号は車両の高さが 4,050mm まで高くなり、車内空間は広くなり、車内はより静かに、座席幅も広くなった。 さらに、乗客はいつでも車内で充電コードや Wi-Fi に接続することができるほか、照明制御モードを通して光の明るさをコントロールでき、またトンネルを通過する際の耳への影響も減少したと報じられている。 (村山健二、SearChina = 8-2-17)

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中国の高速鉄道、時速 350 キロ復活 脱線事故で減速

中国国営新華社通信によると中国鉄道当局は 27 日、北京と上海を結ぶ高速鉄道の「復興号」が、9 月中旬から時速 350 キロで運転をするとの見通しを明らかにした。 現在、高速鉄道の最高速度は 300 キロ。 2011 年に浙江省温州市であった事故を受け減速していた。 報道によると、当局は高速化について「安全性の問題はない」と判断したが、懸念を打ち消す努力が求められそうだ。

かつて中国の高速鉄道は北京 - 天津間などで最高時速 350 キロで走っていた。 だが、11 年 7 月に浙江省温州市で追突・脱線事故が発生し、200 人以上の死傷者が出たため、最高速度を 300 キロに落としていた。 350 キロでの運転となる復興号は 6 月 26 日に運行を始めたばかり。 習近平(シーチンピン)国家主席が唱える「中華民族の偉大な復興」にちなんだ名前と言われる新型新幹線で、試験走行で時速 420 キロを達成していた。 350 キロでの運転が実現すれば、北京 - 上海間を現在より 1 時間以上短い、4 時間 30 分程度で結べるようになる。 (青島 = 福田直之、asahi = 7-27-17)


マレーシアとシンガポール間に高速鉄道 受注競争激化か

マレーシア、シンガポール両政府は 13 日、両国を結ぶ高速鉄道を建設する二国間協定を結んだ。 2026 年の開業をめざし、来年 10 - 12 月に車両や信号など鉄道システムの製造先を決める国際入札を実施、18 年末にも落札先を決める予定。 総額 1 兆 5 千億円とされる大型計画の始動で、日本や中国などによる受注競争が激しさを増しそうだ。

両国は二国間をまたぐ高速鉄道はアジアで初めてとしており、18 年末ごろに着工する見込みだ。 13 日には、クアラルンプール近郊のプトラジャヤにあるマレーシア首相府で署名式が開かれ、両国首脳が立ち会い、担当相が署名した。 その後の記者会見で、マレーシアのナジブ首相が「高速鉄道は両国の姿を大きく変える」と話すと、シンガポールのリー・シェンロン首相も「両国関係は安定する」と応じた。

高速鉄道は、クアラルンプールとシンガポールの間(約 350 キロ)を最速 90 分で結ぶ計画で、マレーシア側に 7 駅、シンガポールに 1 駅を建設する。 両政府は建設費を公表していないが、地元報道によると、総事業費は約 600 億リンギ(約 1 兆 5 千億円)に上る。 線路などの土木工事や鉄道の運営会社については、それぞれ入札を予定している。 (プトラジャヤ = 都留悦史、asahi = 12-14-16)


インドネシア鉄道建設でまた引っ掻き回そうとしている日本よ、まず「中国台頭恐怖症」を治せ! = 中国メディア

近年、アジア地域における日本と中国の高速鉄道建設受注争いが白熱化している。 インドネシアもその「戦場」の 1 つだ。 中国メディア・今日頭条は 20 日、「日本がまたインドネシア高速鉄道を引っ掻き回そうとしている。 それよりもまず、『中国台頭焦燥病』を治せ。」と題した文章を掲載した。

文章は、「中国が台頭する速度が絶えず高まるのに伴って、日本は『中国台頭焦燥病』を患った」とし、中国が「一帯一路戦略」を打ち出すと、日本はさらに中国に対抗するようになり、アジア地域における高速鉄道の競争を「重要な戦争」とみなすようになったと説明した。 そして、昨年のインドネシア高速鉄道受注争いでは、日中両国が競争を繰り広げたうえ、中国がインドネシアに対して出資や担保を求めない融資案を出して勝利、インドネシアに対して最も経済支援を行ってきた日本が、苦杯をなめることになったとした。

一方、今月に入ってインドネシアが再び鉄道建設に関して日本と中国に「招待状」を出したと紹介した。 これは、高速鉄道ではないジャカルタ - スバラヤ間の鉄道建設計画へのオファーであり、「日本に優先権を与える」としたインドネシア側の申し出に対して、日本側がどう対応するかが注目されているプロジェクトだ。

文章は、「日本は早期に新幹線技術を開発し、高い技術を持つ。 そして優位性のあるリソースを積極的に整合して国際的な競争量を高めている。」としたうえで、インドネシアをはじめとするアジア地域における高速鉄道争いでは、中国が勝利を収めることになると断言。 技術的に日本の新幹線に引けを取らなくなったこと、建設コストが日本よりはるかに低いこと、そして、中国の鉄道建設投資には「一帯一路」戦略が密接に関わっており、地域の経済活性化にも大きく貢献するものであることを説明した。

これに対して、「日本は中国のように地域経済の連携強化に結び付けることなく、単に鉄道を 1 本建設するだけだ」と主張。 「日本よ、鉄道建設の任務は中国に任せておけ。 まずは冷静になって、焦燥病を治して来い。」と日本に呼びかけている。

日本にしてみれば「余計なお世話」と言いたくなるような論調ではある。 ただ、「中国台頭に対する焦燥病」が日本国内に全くないと言い切ることはできるだろうか。 広大な国土、莫大な人口、巨大な潜在的マーケットを持つ中国が、そのスケールに見合う経済規模と世界的な影響力を持たんとするなかで、アジアのリーダーを自負してきた小さな島国・日本が多少なりとも焦りを感じるのは、当然と言えば当然だろう。 しかし、だからといって焦り過ぎてはいけない。 地に足を着けたうえで今後の日本と中国の関係に思いを巡らせ、冷静に対処していく必要があるのではないだろうか。 (SearChina = 10-24-16)

〈編者注〉 サーチナが主張する通り、上記の記事内容は、中国自身の焦りの現れとしか読み取れません。


中国高速鉄道はなぜ新幹線に負けたのか! コストだけなら = 中国

日本とタイはこのほど、新幹線技術を全面的に採用した高速鉄道を共同で整備することに関する協力覚書に署名した。 バンコクとチェンマイを結ぶ約 700 キロメートルの高速鉄道計画は 2018 年にも着工する見通しだ。 中国メディアの中国建築新聞網はこのほど、日本とタイが覚書を結んだことを伝えつつ、中国もタイには高速鉄道技術を積極的に売り込んできたと指摘、「中国高速鉄道はなぜ負けたのか」と疑問を投げかけ、その理由を考察した。

記事は、バンコクとチェンマイを結ぶ路線に中国高速鉄道が採用されることはなかったと指摘する一方、中国は雲南省からラオスを経由し、タイにつながる高速鉄道路線の建設を計画していると紹介。 インドネシアやマレーシア、タイ、ベトナムなど東南アジア諸国はいずれも高速鉄道建設に大きな関心を抱いており、その市場規模は数百億ドルに達すると見込まれていることを伝えた。

続けて、中国高速鉄道は建設、運用のコストが安いため、「経済的な角度から見れば、東南アジア諸国は中国高速鉄道を選ぶべきである」と主張する一方、それでもタイやインドが一部路線で新幹線を採用する意向を固めたことには新幹線の技術力のみならず、乗車券の販売システムやほかの公共交通機関との緊密な連携といった要素が中国高速鉄道より優れているためであると論じた。

日本と中国は東南アジア諸国で高速鉄道の受注競争を展開しているが、表向きはビジネスであるものの、実際は自国の将来的な影響力をかけた政治的な争いという一面も持っている。 中国は中国を中心とした経済圏の確立に向け、中国と各国を高速鉄道で結ぶ計画を進めているが、そうなれば日本の東南アジアでの影響力低下は必至であり、日本としては何としても阻止したい事態であるのは間違いない。 (SearChina = 8-14-16)


習主席訪米の「重要な成果」が一年足らずでご破算に - 米メディア

6 月 8 日、米企業エクスプレスウエストは中国企業との「高速鉄道建設計画」を中止することを明らかにし、今後は別の協力相手を探すと発表した。 10 日付で米ラジオ局ボイス・オブ・アメリカ中国語版サイトが伝えた。 米エクスプレスウエストは昨年 9 月に中国の国営企業・中国鉄路総公司を中心とする企業連合「中国鉄路国際」と合弁会社を設立。 米西部ラスベガス - ロサンゼルス間を結ぶ「高速鉄道建設計画」に 1 億ドル(約 106 億円)を投入すると発表していた。 このプロジェクトは中国の米国における最初の高速鉄道の受注となり、早ければ今年 9 月にも着工予定だった。 ある専門家はこのプロジェクトの総価値は 50 億ドル(約 5,340 億円)に上ると見ている。

また昨年 9 月の習近平(シー・ジンピン)国家主席の訪米直前にメディア向けに開かれた「米中経済協力プロジェクト」の説明会の際、今回の米高速鉄道建設計画は中国当局によって米中経済協力による 3 つの重要な成果の 1 つと位置づけられ、その後習主席が訪米で達成した 49 の成果の 1 つにも選ばれていた。

今回のプロジェクト中止に関し、エクスプレスウエストはその理由として中国企業側の計画の遅れを挙げた。 この他、米連邦政府が米国の高速列車は国内で製造し関係部門の監督指導を受ける必要があると規定したことも理由の一つだという。 中国鉄路国際の幹部は匿名ながらまだ話し合いを進めている最中にエクスプレスウエストが声明を出したことについて「無責任だ」と批判。 中国は目下高速鉄道技術の輸出を目指し、日本の新幹線とも海外で激しい受注競争を繰り広げているが、タイやメキシコなどでも計画が頓挫している。 (RecordChina = 6-11-16)


インドネシア高速鉄道 中国人作業員のトラブル相次ぐ

中国が受注したインドネシアの高速鉄道事業は 27 日、中国人の作業員らが現場近くにあるインドネシア空軍の基地に無許可で侵入したとして逮捕されるなど、トラブルが相次いでいます。 インドネシア空軍によりますと、インドネシアの高速鉄道事業に関わる中国人の作業員 5 人が、27 日、現場近くにあるジャカルタ東部の空軍基地に無許可で侵入したとして逮捕されました。 作業員らは、鉄道の建設を進めるためインドネシアと中国が作った合弁企業の下請け会社に勤めていて、軍の調べに対し、「鉄道建設のための土壌調査をしていた」と話しているということです。

ジャカルタとバンドンを結ぶインドネシアの高速鉄道を巡っては、日本との激しい競争の末に中国が受注し、3 年後の 2019 年の完成を目指してことし 1 月に起工式が行われました。 ところが、合弁企業がインドネシア政府に提出した書類に不備が見つかるなどトラブルが相次ぎ、今も着工しておらず、今回、作業員の逮捕で建設の開始がさらに遅れることも予想されます。 (NHK = 4-28-16)

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中国、インドネシア高速鉄道の認可遅延に直面

総工費約 55 億ドルの中国によるインドネシア高速鉄道計画が起工式のあと中断したまま 1 週間が過ぎ、中国企業が新興国市場で直面する問題が浮き彫りになっている。 10 月にインドネシア初の高速鉄道の建設契約を日本との激しい競争の末に勝ち取り、中国政府は大成功を収めたと思っていた。 ジャカルタ - バンドン間の鉄道は中国にとって東南アジアで初めての高速鉄道計画で、中国企業が複雑な民主主義の下で事業を行う能力が試されるとみられている。 中国の高速鉄道を採用することの利点を精査しているインド、マレーシア、シンガポールなどの国々がそれを注視する。

インドネシアの運輸省によると、建設を請け負う中国とインドネシアのコンソーシアムが必要な書類を提出していないため、同省はまだ建設許可や事業権契約に署名していないという。 当局者の一人は、一部の書類が中国語で書かれているため手続きがなかなか進められないと現地メディアに語った。 高速鉄道への反対を表明しているインドネシアの運輸相は、ジャカルタのモノレール計画のように途中で中止された場合の景観復元を保証してほしいと述べた。 事業主体となる合弁会社のトップは、起工式は式典にすぎず、適正な許可書が発行されるまで建設は始まらないだろうと語った。

許可手続き、なかなか進まず

許可書の問題は外国人投資家が繰り返し口にする不満の一つだ。 世界銀行によるビジネス環境のランキングで、インドネシアは官僚主義で知られる中国の 84 位より低い 109 位。 アナリストらは、今回の問題は、インドネシアで最大級のインフラ計画を 2018 年までに完了しようと急ぐ中国が直面するだろう数々の問題を味見した程度にすぎないという。 土地の買収、環境問題、政争などのために、多くの計画が何年も中断したり、撤回されたりしている。

中国と東南アジアの関係に詳しいシンガポールの東南アジア研究所の趙洪氏は、中国の国有企業は自国では反対意見を強引に押しのけて進んできたが、民主主義下では異なるアプローチが必要だと指摘した。 「中国の国有企業は非常に簡単に政府の承認を得られるが、他国ではその社会をもっと正確に理解する必要がある。 特にインドネシアの政治は極めて複雑だ。」と同氏は言う。

国営の中国国家開発銀行はインドネシア鉄道計画で資金の 4 分の 3 を有利な条件で供給し、インドネシア政府の保証も求めない。 ジャカルタ在住の政治アナリスト、ポール・ローランド氏は言う。 「この計画を 2 年ほどで終えられると思うのは、もともときわめて希望的な観測だった。」 (Ben Bland、The Financial Times = 1-29-16)

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高速鉄道、資金調達で差 中国受注に菅氏「考えられぬ」

インドネシア政府が、同国初の高速鉄道を中国に発注する方針を決めた。 決め手は、巨額の資金調達での柔軟性だった。 各国で「新幹線方式」を官民で売り込む日本の直面する壁が、改めて浮き彫りになった。 「手元には日本と中国の提案がある。 インドネシア政府は計画に国家予算を一切使わない。 日本はインドネシアの政府保証を求めているから自動的に落選だ。」 担当閣僚の一人、リニ国営企業相は 29 日、ジャカルタで報道陣に語った。

日中が競った首都ジャカルタ - バンドン間(140 キロ)の高速鉄道計画は、政府が 4 日に計画をいったん白紙化。 「インフラ予算は(首都のある)ジャワ島以外に使うので財政負担はできない」と説明し、時速 200 キロ程度の「中速鉄道」計画にするとしていた。 日本案は、64 兆ルピア(約 5,400 億円)の総事業費の大半を円借款でまかなうのでインドネシアの政府保証が必要だった。 中国案は、建設費をすべて政府保証ゼロの融資でまかなう計画だったが、中国側と合弁を組んで高速鉄道を運営予定のインドネシア国営企業が、合弁に必要な資本金の増額を国家予算に頼らねばならない内容だった。

すると中国は、国営企業が予算を計上しなくてすむように資金繰りを修正できると表明。 これを受ける形で、ダルミン経済調整相が 23 日、谷崎泰明駐インドネシア大使に対応を打診したが、日本側は新たな資金調達策を示せなかった。 中国外務省の洪磊副報道局長は 29 日の定例会見で、「中国は高速鉄道建設に豊富な経験を持ち、協力や融資の条件でも強みがある」と述べた。 提唱する「二つのシルクロード」経済構想を軌道に乗せる意味でも、東南アジア一の人口大国での受注は意味がある。

一方、菅義偉官房長官は 29 日、「全く常識では考えられない」と会見で憤りをあらわにした。 菅氏は、円借款の原資が税金であることを念頭に「(インドネシア)政府が財政負担や債務保証を伴わない事業提案はまず我が国としては受け入れられない」と強調した。 日本は、インドやマレーシア、タイ、ベトナム、米国などでも新幹線輸出を目指している。 資金調達策は今後も大きな課題になる。 (ジャカルタ = 古谷祐伸、北京 = 斎藤徳彦、asahi = 9-30-15)

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インドネシア側、高速鉄道「中国案を歓迎したい」 官房長官に伝える

インドネシアのソフィアン国家開発企画庁長官は 29 日、菅義偉官房長官と官邸で会談し、日本と中国が受注を競っていたインドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画で「中国の提案を歓迎したいと考えている」と伝えた。 菅氏は「極めて遺憾だ」と述べた。 ソフィアン氏は高速鉄道計画に関し「日中双方の提案を再検討する必要があるといったん判断した。 しかし中国側からインドネシア政府の財政負担や債務保証を伴わずに事業を実施できるとの新たな提案があった。」と説明した。

菅氏は「日本は実現可能な最良の提案をしたと確信している」と強調。 インドネシアが高速鉄道に代わり時速 200 - 250 キロ程度の「中速鉄道」導入の検討を始め、公平に事業参加を呼び掛けるとしていた経緯を踏まえ「方針が急きょ変更され、理解しがたい」と指摘した。 さらに「大型インフラ計画については、実現可能性を踏まえ透明かつ公平に実施されることが重要だ。 改善を期待している。」と述べた。 ソフィアン氏はインドネシアのジョコ大統領の特使として来日した。 (kyodo = 9-29-15)

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日本が中国を撃退! インドネシア鉄道受注の逆転劇

成長戦略の柱としてインフラ輸出を掲げる日本政府は、この夏、インドネシアの高速鉄道受注をめぐり中国と激しく競い合った。 終盤、中国優勢に傾いたが、結末は計画自体が白紙撤回に。 その裏には、日本政府の猛烈な巻き返しがあった。

「痛み分けのように報道されているが、インドネシアの政府関係者は陰で、"日本が勝った" と言っている。(インドネシア政府と交渉に当たった日本政府関係者)」 今年 9 月、インドネシア政府は、日本と中国が受注を競っていたジャカルタ - バンドン間 140 キロメートルを結ぶ高速鉄道計画を撤回した。 この計画をめぐっては、日本が数年前から新幹線方式で売り込みをかけ「独壇場」とみられていた。 ところが、今年 3 月に突如、中国が参入を表明、終盤では中国有利との見方も浮上したほどだった。

にもかかわらず、計画自体が撤回される事態となったのは、日本側が最後の 2 カ月間、水面下で猛烈な反撃に出たからだ。 そもそもこの計画は、2014 年まで 10 年間務めたユドヨノ前大統領が進めようとしていたもの。 それが、新たにジョコ大統領が就任するや事態は一変、15 年 1 月に計画の凍結が発表された。 ところが、である。 3 月にジョコ大統領が訪中した際、突然、中国と高速鉄道建設の覚書を締結してしまう。 この中で中国は、インドネシアの政府保証なしで総事業費の 74 兆ルピア(6,200 億円)の全額を融資するという "破格" の条件を提案した。

事態の急展開に焦ったのは日本の政府関係者だ。 すぐさま調査に乗り出してみると、おかしな事実が判明する。 中国側が提示した需要予測や採算面といった条件が、日本の国際協力機構 (JICA) がインドネシアで実施した調査結果と比較して、少しずつ良いものとなっていたのだ。 しかし、日本側の調査内容は、インドネシア政府にしか提出していない。 「その時点で、中国は現地調査を行っておらず、まるで日本の調査結果を把握しているかのような提案だった。(政府関係者)」 交渉に当たっていた政府関係者の多くは、インドネシアから中国側に漏れたのではと疑った。

中国側提案の甘さを指摘し大統領を説得

奮い立った日本勢は、ここから猛烈な反撃に転じる。 日本政府関係者は、7 月から数回にわたってインドネシア入りし、ジョコ大統領や政府幹部に説得を繰り返した。 中国側が提案した内容には幾つも甘い部分があった。 日本はそこを突いた。 まずは工期だ。日本側が 6 年かけて 21 年の完成を目指すとしていたのに対し、中国側は鍬入れを 15 年 8 月末に行い、わずか 3 年で開通すると宣言していたのだ。 5 年の任期中に完成し、国民にアピールできるとあれば、大統領らの心が動いても不思議はない。

しかし、「環境調査もせず、工事に際して何が可能かなど、現地の法律も精査していなかったのが実情だった。(日本政府関係者)」 さらに、需要予測もでたらめだった。 日本は、約 2,000 円という運賃収入だけを想定していたが、中国は沿線開発から生じる収入を 3 割も含んでいたのだ。 その上、着工も決まっていないのにどこに駅を造るのかを事前に地権者と話し合っていた節があった。

意外だが、中国側が提示した建設費は日本のものより高かった。 列車の気密性が高い日本方式では、擦れ違う際にガタつかない。 ところが、中国の列車は気密性が低く、線路の間隔を広く取る必要がある。 その分、土地の取得費や工事費が高くなってしまうのだ。 だからこそ、沿線開発の収益も入れてお茶を濁したかったのだろうという見方がもっぱらだ。 日本側は、こうしたいいかげんな予測やむちゃな工期についてインドネシア側に通告。 さらに、アフターサービスの不安についても、これまでアフリカでトラブルを起こした案件などを基に解説した。

併せて、中国は自国から労働者を連れてくるため技術移転しないことを指摘。 長い目で見ればインドネシアの発展につながらないことも説いた。 その上で、「民主主義国家として、こんなプロセスでよいのですか。」とまくし立てたのだ。 インドネシア政府が中国と覚書を結んだのは、日本側から良い条件を引き出すためのポーズではなく、実際に中国案採用に傾いていたという。 だが、こうした交渉を経て、ついにインドネシア政府首脳も「確かに、高速で動くものを日本以外の国に任せるのは不安」と漏らすまでになっていた。

この時点で、日本政府関係者は逆転の可能性も感じていたというが、結果的にインドネシア政府は双方とも採用せず、計画自体が白紙に戻った。 中国の高速鉄道の源流は、日本の技術のコピーだ。 その中国に負けたとあれば、日本の面目は丸つぶれだった。 そういう意味では、受注こそできなかったものの、実質的には "勝った" といっても過言ではない。 (清水量介、週刊ダイヤモンド = 9-23-15)


航空機輸出、日中が火花 燃費の MRJ か安さの ARJ か

高速鉄道の輸出を競う日本と中国が、新たに参入する航空機でも火花を散らす。 16 日に始まったアジア最大のシンガポール航空ショーで、三菱航空機は、燃費の良さを誇る MRJ の新規受注を発表した。 中国メーカーは安さと政治力を武器に市場開拓をめざす。 三菱航空機は 16 日、国産初のジェット旅客機 MRJ を 20 機受注することで、米エアロリース社と基本合意した。 キャンセル可能分を含む受注数は日米を中心に 427 機になる。 新規受注は 1 年半ぶりだ。

「(昨年 11 月の)初飛行の後、北米でもアジア太平洋でも MRJ への関心が格段に高まっている。」 シンガポールで記者会見した三菱航空機の森本浩通社長は胸を張った。 高い経済成長が見込めるアジア太平洋は、どの航空機メーカーにも主戦場。 座席数が 100 席以下の小型機の需要は今後 20 年間で約 1 千機と、三菱航空機はみる。 日本以外のアジアで受注は少ないが、「競合より 2 割良い(森本氏)」という燃費を強調する。

MRJ と競合する小型機「ARJ21」を手がける中国の国有企業、中国商用飛機も負けていない。 会場のど真ん中に MRJ の 2 倍近いブースを構え、ARJ の巨大模型を三つ並べた。 「インドネシアやベトナム、カンボジアなどアジア市場が狙い。 MRJ に技術面では劣るが、機体の安さでは、こちらが上。」と担当者は話す。

中国商用飛機によると、ARJ の受注は中国の航空会社を中心に 300 機超。 MRJ が 18 年に計画する航空会社への納入はすでに始め、今月中にも実際に客を乗せて飛ぶ予定だ。 タイの航空会社やコンゴ共和国政府からも受注。 政治的な結びつきのあるイランやパキスタン、モンゴルの航空会社などとも商談を進めているという。 (シンガポール = 都留悦史、北京 = 斎藤徳彦、asahi = 2-17-16)

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