三峡ダムの水位が上昇続け地表面の高さに近づく 重慶市 ![]() 長江の重慶エリアでは 10 月 14 日、水位が上昇を続け、地表面の高さに近づく「平湖」の光景が再び見られるようになっている。 同日、三峡ダムの水位はすでに 175 メートル近くに達した。 (中国・人民網 = 10-15-20) "危険水位" の中国・三峡ダム、共産党系メディアも一面で報じる事態 「水害が政治にも関わる状況に」 ものすごい勢いで噴き出し、流れ込む水。 これは中国・長江中流にある「三峡ダム」の映像だ。 中国では 6 月の梅雨入り以降、南部と西南部で毎日のように大雨と集中豪雨が続いている。 そのため多くの河川が氾濫し、各地で洪水が相次いだ。 こうした水が三峡ダムに流れ込み、過去最大の水がいまだに流入を続けている。 琵琶湖の 1.4 倍にもなる総貯水量を誇る、世界最大級のダムは今どうなっているのか。 『ABEMA ヒルズ』は Twitter 上で寄せられた「中国の三峡ダムの現状を詳しく知りたい」という声を受け、調査した。 各地で洪水が相次ぐ 三峡ダムは、万里の長城以来の世紀の大事業として 2006 年に完成。 全長は 663km にのぼり、これは東京から兵庫県の姫路市までの距離に相当する。 貯水量は 393 億立方メートルで、なんと琵琶湖のおよそ 1.4 倍にもなる。 三峡ダムの設計上の最高水位は 175 メートルとされている。 しかし、22 日には過去最高の 167 メートルに到達。 危険な水位を意味する「制限水位」とされているのは 145 メートルで、大きく超えてしまっている。 川には置き去りにされた貨物船が 警戒を高めた中国当局は、船舶が長江を通航することを禁止。 川には置き去りにされた貨物船が 100 隻以上滞留している。 三峡ダムの水位が基準を下回るまで、物流は滞ることになるとみられる。 国営中央テレビは連日、放水の様子を中継して管理が正常に行われていることを強調している。 一方で当局は、SNS 上に投稿された決壊を心配する書き込みを制限するなど、かなり神経をとがらせているとみられる。 中国国民が注目する三峡ダムは今後いったいどうなるのか。 今の状況について、ANN 中国総局長の千々岩森生氏は「昨日、今日で少し水位は下がっている」と説明。 一方で、「2 カ月半前くらいから断続的に雨が続いていて、ダムの危険性は当初から噂も含めていろいろあった。 中国当局は正常な活動の範囲だとして、SNS を削除したりデマだと上書きする作業が続いていた。 ただ、中国で一番読まれている新聞『新京報』が 20 日に一面トップで『危険レベルが上った』と報じ、21 日には中国共産党系の『環球時報』も一面で報じていて、これまでとはフェーズが変わったという印象を受けている。」という。 長江は成都や重慶、武漢、上海など中国を横断する大河だ。 もしダムが決壊することがあった場合、どのような影響が考えられるのか。 千々岩氏は「(三峡ダムの)下流には人口 1,000 万人以上の武漢がある。 また、南京や上海などの下流域だけで中国の GDP の 4 分の 1 を稼ぐため、影響は甚大だ。 長江は物流の大動脈でもあるので、中国全体への影響も考えられる。 内陸部は発展が遅れているが、一番上流の雲南省や隣の貴州省は中国の中で最も貧しい地域で、長江の物流が止まってしまうことは、ここの開発にも大きな影響を与える。」との見方を示す。 また、影響は政治にも及ぶ可能性があるといい、「先週、重慶市を李克強首相が、下流の安徽省を習近平国家主席が視察した。 トップ 2 が時を同じくして(被害地の)視察に行くのは、ダムの決壊は置いておいても、今回の洪水・水害がいかに中国の政治、中国共産党の安定性にも関わる状況になっていることの証だと思う。」とした。 (ABEMA = 8-26-20) 中国・三峡ダム、あふれる寸前 長江上流で大雨続く 中国の長江上流域で続く大雨の影響で、世界最大級の三峡ダム(湖北省)が制限水位(145 メートル)を超える状態が続いている。 国営新華社通信によると、上流で起きた洪水の影響で、22 日には水位が過去最高の 167.65 メートルに達した。 2006 年にダム本体が完成した三峡ダムは全長 2.3キロ、高さ 185 メートル。 ダムを管理する中国長江三峡集団によると、設計上の最高水位は 175 メートルという。 6 月以降、上流域で洪水が相次ぎ、その都度、流入量が増えている。 最近も「第 5 波」の洪水が起き、同集団は流入量が過去最高の毎秒7万5千立方メートルとなると発表していた。 約 130 万人を移住させるなど国家プロジェクトとして造られた三峡ダムの状況には中国国内でも関心が高い。 国営中央テレビは連日、放水の様子を中継し、管理は正常に行われていると強調。 ネット上には決壊を心配する声もあるが、当局はこうした書き込みを制限している模様だ。 三峡ダムが変形したとの根拠不明の情報を流した SNS のページが開けなくなるなど、当局も神経をとがらせているとみられる。 中国各地で大雨の被害が広がっており、政府は 13 日、約 6,340 万人が被災し、死者・不明が 219 人、経済損失は約 1,800 億元(約 2 兆 7 千億円)に上ると発表。 習近平(シーチンピン)国家主席が安徽省に、李克強(リーコーチアン)首相も重慶の被災地を視察した。 中国では 23 日以降も四川省などで大雨の予想が出ている。 (広州 = 奥寺淳、asahi = 8-24-20) 中国の三峡ダム、豪雨で水位が急上昇 設計最高水位に迫る [上海] 中国の長江にある世界最大級の三峡ダムの水位が最高レベルに迫っている。 豪雨により、記録的な水量がダムに流れ込んでいることが原因。 20 日に毎秒 7 万 5,000 立方メートルの水がダムに流れ込んだ結果、ダムの水位は一晩で 2 メートル超上昇し、21 日午前までに 165.5 メートルに到達。 危険水位を約 20 メートルも上回り、設計最高水位である 175 メートルに迫りつつある。 当局は水位を下げるため、20 日に放水量を過去最高の毎秒 4 万 8,800 立方メートルに引き上げたが、水位が設計最高水位を超えるのを防ぐため、再び放水量の引き上げが必要になる可能性がある。 (Reuters = 8-21-20) 中国洪水危機 … ダム緊急放流で下流の村が水没 … "遊水地" に 20 万人居住 中国の長江流域を中心に続く豪雨による洪水被害。 影響はその他地域の河川にも広がっている。 長江、黄河の間に位置する中国 7 大河の一つ・淮河(わいが)でも、水位が急速に上昇し、安徽省にある王家ダムでは 7 月 17 日夜に警戒水位を上回った後、さらに水位は上がり続け、地元当局は立て続けに警報を発表。 20 日未明には保証水位(ダムや堤防の設計上、安全が保てる上限の水位)も越え、上昇が止まらないことから、20 日朝にはついに 13 年ぶりに水門を開け、下流の遊水地への放流を実施した。 ![]() この遊水地は約 180.4 平方キロメートル、山手線の内側 2.6 個分ほどの広さがあるが、なんとこの遊水地の中には 4 つの村があり、約 20 万人が暮らしているのだ。 このうち大多数は、遊水地内の高台に住んでいるが、水没の恐れがある地域の住民 2,000 人余りに対し、地元当局は 19 日午後 7 時ごろ、「20 日午前 3 時までに避難せよ」と命令を出した。 住民に出された突然のお達しということもあって、ネットに上がった映像には、人々が慌てて身の回りの家財用品を車に詰め込んで移動する様子や、家畜とともに避難する人々の様子が映っている。 村は水没 … 増加水面積は "琵琶湖の 4 割" 20 日午前 8 時半ごろ王家ダムの放流が始まると、水は激しい勢いで下流に流れ込み、中国メディアによると 24 時間後には遊水地内の大部分の農地や道路は水に沈み、水没した村の水深は 3 メートルほどまでに達していた。 大多数の住民が住む高台も水に囲まれ、孤立状態となった。 衛星写真を見ると王家ダムのすぐ下流付近のエリアで水が増えたのが一目瞭然だ。 中国中央テレビによると、7 月 15 日の時点では水の面積が 249.1 平方キロメートルだったのが 7 月 20 日には 510.6 平方キロメートルまで増えた。 赤色の部分が水の面積が拡大したエリアで、およそ 261.5 平方キロメートル。 琵琶湖の 4 割ほどの面積が 5 日間で一気に増えたことになる。 中国中央テレビは、高台に取り残され孤立状態にある住民に取材し、「事前に通知を受け物資を準備したので、食べ物や飲み物には困っていない」、「放流は生活に一定の影響は与えるが、みんなの心理状態は良い方だ」などと、住民らが放流について理解を示しているような声を伝えている。 さらに中央テレビは、避難を余儀なくされた遊水地の住民について、「大局を念頭に置き、みんなのために家を捨てた」などと英雄視するようなトーンで報道している。 また、孤立状態の高台住民についても「彼らは決して孤独ではありません。 なぜなら彼らの背後には国家があるからです。」などと、"愛国モード" で関連のニュースを伝えている。 放流によって家や生活の糧を失った人たちの不満を抑えようという狙いがあるとみられる。 放流によって、王家ダムの水位は徐々に下がり始め、地元当局は丸 3 日以上経った 7 月 23 日午後 1 時に放流を停止する命令を出した。 23 日正午現在、水位は依然警戒水位を 0.79 メートル上回っていたものの、放流開始前に比べ、水位は 1 メートル以上下がった。 遊水地に放流した分、王家ダムより上流の洪水リスクが減少したことになる。 安徽省では、別の河川でも水位を下げるための苦肉の策として 19 日、堤防が爆破された。 長江の支流・じょ河でも水位が急上昇し、下流の大都市の被害を防ぐため、堤防 2 か所を爆破し、大半が農耕地で住民がほとんどいないエリアに水を流し込むことで水位を下げたのだ。 各地で相次ぐ洪水にこうした非常手段をとらざるを得ないケースも出てきている。 世界最大級の三峡ダムは、6 月末から断続的に放水が続けられているが、大雨は続き、依然最高水位に近い状態が続いている。 ネットには心配する声もみられるが、中国共産党系の環球時報は、「権威人士(権威ある人)」として、ダムを管理する三峡集団の責任者のインタビューを掲載し、「現在、三峡ダムは安全かつ良好な状態で運用されている。 いわゆる『変形』やその他リスクは発生していない」、「1.2 万あまりの計測器が設置されており、安全モニタリングを行っている」などとして「崩壊の危険」などの噂については「デマ」だと切り捨てた。 洪水は既に長江流域を中心に広範囲にわたっており、大雨は今後も断続的に続く見通しだ。 更なる被害拡大が懸念されている。 (高橋宏朋、FNN = 7-24-20) 三峡ダムまた水位上昇か せき止め湖で住民避難も 中国の洪水は被災者 4,550 万人に
大規模山崩れで "せき止め湖" が … 決壊の危機に住民が避難 ![]() 湖北省の西部・恩施トゥチャ族ミャオ族自治州で 7 月 21 日、大規模な山崩れが発生。 土砂が長江の支流の清江になだれ込み、川をせき止めた "せき止め湖" が出来た。 清江はこれまで水位が上昇し、17 日には自治州の中心部・恩施市に水が流れ込み街が冠水する大きな被害が出ていた。 山崩れ現場では川がせき止められて水位が上昇し、決壊の恐れもある。 決壊すればさらに大きな被害になるのは目に見えている。 地元当局は、死傷者はいないとし、周辺の住民約 8,400 人を緊急避難させた。 たまった水を流す措置をとってある程度、水を排出し、徹底監視を続けており、水位は下がり決壊の恐れは低くなっているとしている。 しかし SNS には、一帯では道路に大きなひびが入り、家屋が傾き、住民の目の前でがけ下に崩れて落ちる様子などが投稿されている。 さらなる土砂崩れが起きないとは限らない。 水道も一時供給が出来なくなるなど住民の苦境は続いている。 三峡ダムは "第 3 のピーク" が来る 批判とダムへの疑問の声 世界最大級の三峡ダムは、依然として高い水位が続く。 最高水位 175m に対し、7 月 20 日に 164m まで迫った水位はいったん下がり始めた。 7 月 24 日には159m 台となり水の排出量が流入量を上回っている。 ただ、中国メディアによると、当局は、長江流域でさらに雨が降ると予想されるため、27 日ごろにかけてダムへの水の流入量が再び増加し、第 3 の洪水ピークが来ると想定。 三峡ダムの水の排出量が引き続き増えるため、長江下流域の各地でさらに水位が上昇することになると警戒を呼び掛ける。 すでに被害が出ている地域でまた水位上昇が懸念されている。 ダムの水位上昇が伝えられ始めて以降、決壊しないか、など不安の声が絶えない。 ダムの運営当局は中国メディアに対し、「ダムの運営状況は安全で、変形するなどの問題は起きていないし脆弱ではない」と安全性を強調した。 中国のネット上でも、「三峡ダムがなかったら被害はもっと広がっていた。 感謝しないといけない。」、「ダムは十分頑張ったから責めないで欲しい」という声がある。 ただ一方で、そもそも長江流域の洪水対策が大きな目的で建設された三峡ダムの治水効果に疑問の声があがる。 ネット上には「結局、洪水の時期にはダムを守るために大規模に放水し、下流域の被害を拡大させる」、「あってもなくても同じだ。 作らないほうが良かった。」などの批判が根強い。 中国共産党機関紙・人民日報は「これまでダムは 107 億立方メートルもの水をせき止めた」と効果を強調するが、長江やその支流、多くの巨大な湖などで警戒水位を超え、記録的な貯水量になっている現状がある。 ダムや水門を開き放水せざるを得ない状況で、家が冠水し避難する人が多数にのぼっている。 ある中国人は「そもそも洪水を防ぐために金をかけて多くの人に影響を与えて巨大ダムを造ったはずだが、これだけの被害が出ているのを見れば、三峡ダムは役立たずではないか?」と怒る。 被災者 4,500 万人 … 記録的被害の洪水に中国政府はどう対応するのか 中国メディアは 7 月 22 日、政府発表として 6 月からの被害状況を伝えた。 被災者が 27 の省や市などでのべ 4,552 万 3,000 人、死者行方不明者 142 人、倒壊家屋が約 3 万 5,000 棟、経済損害は 1,160 億 5,000 万元(約 1 兆 8,000 億円)にのぼるとしている。記録的な被害は一層拡大しているが、同時に「直近 5 年の同期の平均値と比べると、被災が原因の死者・行方不明者の数は 56.5% 減、倒壊した家屋は 72.4% 減、経済損害は 5% 減」と、今回の被害がことさら大きいわけではないと強調するような言及をしている。 被害拡大を受け、中国政府は 15 日、17 億 5,500 万元(約 265 億円)を水害対策の資金に充てると発表している。 経済への悪影響を少しでも食い止めようとするものだが、ネット上には「これだけの被害が出ているのに、足りるのか」など、政府対応への批判の声が多い。 だが、削除されている書き込みは少なくない。 収束が見通せない中、対応が遅れれば政府批判が強まりそうだ。 (城戸隆宏、FNN = 7-24-20) 江蘇省、長江南京流域に赤色洪水警戒を発令 中国江蘇省南京市では、潮の干満と長江上流からの増水が重なり、長江南京水位ステーション(観測所)で 18 日午前 7 時 50 分に水位 10.26 メートルを観測。 江蘇省水利庁は同日午前 9 時、長江南京流域に赤色洪水警戒を発令した。 長江では今後も高水位、高水量が続くと予想されており、洪水対策は厳しい状況を迎えている。 (新華社/AFP = 7-19-20) 中国・長江流域の洪水、1,500 万人が避難 中国で 6 月から続いている豪雨による洪水で、長江流域の広範囲で冠水が発生している。 濁流による堤防の決壊、家屋の浸水といった被害も出ており、多くの住民がボートやいかだに乗って避難している。 中国政府によると豪雨による死者・行方不明者は少なくとも 141 人に上り、7 月だけでも 1,500 万人近い人々が避難を余儀なくされている。 経済的損失も甚大だという。 400 以上の河川で水位が警戒レベルを超え、一部の河川では過去最高の水位を記録。 当局によると、記録的水位が確認された期間には長江流域において 1961 年以降で最大の平均雨量が記録された。 長江流域では毎年、夏季の降雨と上流に位置するチベット高原の氷河が解け出すことにより洪水が起きている。 地元当局などは特に、大きな被害が出ている江西省にある中国最大の淡水湖、八陽湖の水位が歴史的な高さに達していることに懸念を強めている。 近いうちに状況が劇的に改善する見込みはない。 乱開発や軽率なダムや堤防の建造といったずさんな治水政策が原因で、夏季の洪水の脅威はここ数十年にわたり悪化していると批判する声も出ている。 (AFP = 7-17-20) 中国・長江流域に記録的大雨 氾濫相次ぎ 224 万人避難 中国・長江流域の各都市で記録的な大雨が続き、浸水被害や土砂災害が相次いでいる。 新型コロナウイルス感染の「震源地」となった湖北省武漢市では長江が警戒水位を超え、住民避難も始まった。 一帯では今後も大雨が続く見込みで、地元政府が警戒を呼びかけている。 中国政府の応急管理省の発表によると、13 日までに全国で死者・行方不明者計 141 人、3,873 万人が被災、うち 224 万人が避難生活を送っている。 家屋約 2 万 9 千戸が倒壊、農地 51 万 6 千ヘクタールが被害を受け、直接的な経済損失は約 860 億元(約 1 兆 3,200 億円)にのぼっている。 特に長江流域の重慶、湖北省、江西省などでは 6 月の梅雨入り以降大雨が続いており、6 月以降の長江流域の平均降水量は 1961 年以来最多となる 403 ミリを記録。 河川の氾濫や堤防の決壊が相次いで発生している。 長江中流域の武漢市では 7 日に長江が警戒水位を超え、市内で浸水被害が出ている。 市政府は洪水災害警戒レベルを引き上げ、周辺住民を小学校やホテルに避難させた。 地元メディアの報道によると、避難所には老人が多く、新型コロナの感染を防ぐため、消毒液やマスクを配布。 体温検査を毎日実施し、発熱があった場合は即隔離とする対策をとっているという。 ![]() ![]() ![]() こうした中、湖北省宜昌市の長江中流にある世界最大規模のダム・三峡ダムの貯水能力や安全性を不安視する声も高まっている。 ダムは連日の大雨で 6 月下旬から制限水位(145 メートル)を上回る状況が続く。 水位を下げるため放流を実施してきたが、下流域で降雨による増水が続き、現在は放流量を減らしており、水位の上昇が続いている。 15 日午後 4 時(日本時間同 5 時)時点でダムの水位は155.78 メートルになっている。 三峡ダムへの関心は高く、ダムの様子を 24 時間中継している動画サイトは多いときは 1 万人近くが視聴。 「水位がまた上がった」、「決壊の危険性はないのか」、「暴雨が続くが持ちこたえられるのか」など、投稿が相次いでいる。 中国水力発電プロジェクト学会幹部は中国メディアの取材に対し、「SNS では断片的な情報を意図的に抽出し、不安をあおる投稿が多い。 三峡ダムは正常に稼働しており、安全だ。」と主張している。 中国気象局は今後も局地的な豪雨が頻発し長江の増水は続くと予想。 各地の政府は住民に最大限の警戒を呼びかけている。 (上海 = 宮嶋加菜子、asahi = 7-15-20) 三峡ダムで洪水対策 ダム放流量を毎秒 1.9 万立方メートルまで抑制 12 日午後 2 時、三峡ダムの流入量は 1 秒あたり 3 万 3,500 立方メートル、放流量は同 1 万 9 千立方メートルに達した。 これにより、ダムの貯水量が 1 秒あたり 1 万 4,500 立方メートル増加し、その水位は 151.48 メートルに達し、洪水警戒水位を 6.48 メートル上回ることとなった。 今月に入り、長江上流地域が豪雨に見舞われた影響を受け、三峡ダムの流入量が急増している。 しかし長江水利委員会は、長江流域の増水状況がますます深刻化している現状をかんがみ、三峡ダムの放出量を 1 秒あたり 1 万 9 千立方メートルに抑制することを決定し、三峡ダムの貯水量を増やすことで、長江中流・下流の洪水抑制力の強化を図るとしている。 (中国・人民網 = 7-13-20) 中国・長江流域、豪雨で氾濫警報 三峡ダムは警戒水位 3.5m 超える 中国の長江(揚子江)流域で豪雨による土砂崩れが発生、過去 2 日間に流域の 4 都市が最高度の氾濫警報を出した。 最も危険な状況であることを示す「赤色警報」を出したのは湖北省と江西省の各 2 都市。 土砂崩れなどでこれまでに約 140 人が死亡または行方不明となっており、中国中央テレビは10日、一連の被害による経済損失は600億元(86億ドル)を超えると伝えた。 今回の豪雨について、中国当局は、南シナ海とインド洋から湿った空気が流れ込んでいることが原因と説明している。 気象当局によると、6 月の降雨量は平年より 13.5% 多かった。 流域にある巨大ダムの三峡ダムでは貯水量が増え、放水しても追いつかない状況。 水利省によると、警戒水位を 3.5 メートル上回っているという。 (Reuters = 7-10-20) 武漢の長江水位、今もなお上昇中 湖北省 長江上流地域で大雨が続き、漢江の中上流の水量が増えたことから、武漢を流れる長江と漢江の水位は引き続き上昇し続けている。 中国新聞網が報じた。 (人民網 = 7-6-20) 長江の三峡ダム、氾濫期に備え放流 中国 【中国・宜昌】 中国湖北省中部宜昌の長江流域にある巨大水力発電ダム「三峡ダム」で 29 日、雨期の大雨に備えて今年初めての放流が実施された。 (AFP = 6-30-20) 中国各地で洪水、土砂災害が発生 - 重慶では 80 年に 1 度の大洪水 6 月に入ってから、中国の西部・中部・中西部などで豪雨が続き、洪水と土砂災害が発生している。 中国メディアによると、25 日の時点で被災者は 1,000 万人を超え 1,256 万人に達した。 中国メディアは、新型コロナウイルスの発生地である湖北省をはじめ、西は四川省、貴州省、東は安徽省などにおいて、浸水する住宅、ビル、流される車などの様子を報じている。 西部の直轄市・重慶市では、1940 年に設立された同市の水文観測所で初の赤色警報を出した。 重慶市は北海道並みの面積を持つ広大な行政区で、被害は主に郊外で発生しており、在留邦人が多く住む市中心部は問題がないようだ。 今回、気になる点が 2 点ある。 1 つには、国務院総理などの国家指導者が被災地を訪問していないことだ。 このような大災害であれば国務院総理などの国家指導者が速やかに被災地に入り視察、被災者の慰問、救助作業の陣頭指揮などを行う。 1998 年の長江流域での大洪水、2008 年の四川大地震などもそうだった。 2 つ目に、洪水と世界最大のダムとされる三峡ダムとの関連が指摘されている。 三峡ダムの水位が上昇し、放水しているというのだ。 洪水の被災地は三峡ダムから下流に位置する長江およびその支流の流域に多い。 1990 年代から推進されていた三峡ダムは中国の電力不足、北部の水資源不足などの問題を解決するための国家プロジェクトとして推進されたが、環境・生態に与える影響が巨大かつ未知数であると懸念され、晴れ舞台となるはずの竣工式(2006 年)には、建設を推進した国家指導者らが誰 1 人として参加しなかったという、いわくつきのものだ。 中国当局は否定しているが、ダムの堤防の湾曲や決壊のリスクを指摘する論者もおり、引き続き懸念されている。 (Net IB = 6-26-20) |