JR 北海道の値上げに非難殺到、旧国鉄「運賃政策」の呪い

経営難に陥って運賃値上げを表明した JR 北海道は経営努力が足りないのか? この問題は安易に考えるべきではなく、旧国鉄時代から抱える足かせをきちんと議論すべきだ。

経営難に陥っている JR 北海道が表明した運賃値上げ。 しかし、沿線自治体からは非難の声が殺到している。 JR 北海道の値上げは果たして妥当なのか。 それを考えるには、他社との比較や、旧国鉄時代から今まで引きずっている運賃政策のまずさを知る必要がある。 JR 北海道は 10 月 20 日に北海道庁で開催された 6 者協議の場で、消費税が 10% に増税される来年 10 月に運賃改定を実施したいと表明した。/p>

具体的な値上げ額、範囲は明示されなかったが、増税分を含めて 40 億円の増収を見込んでいるという。 2017 年度の運輸収入は約 730 億円だから、平均 5% の値上げで、増税分 20 億円、収支改善分 20 億円の計算だ。 これに対して自治体からは、経営努力が不十分、まずは収益増加とコスト削減の自助努力が必要と反発の声が上がっている。 地方路線を維持するために都市圏利用者も一律で負担増を求められることへの不満や、値上げによる利用者離れを懸念する声もある。

公共性の高い鉄道事業、ましてや国が全株式を保有する JR 北海道の経営再建だけに、さまざまな思惑を抱える当事者間の取りまとめに苦戦しているようだ。 当初より JR 北海道は、増収の取り組み、コスト削減の徹底、社員の意識改革などの経営努力を前提に、「当社単独で維持することが困難な線区」、つまり赤字路線の負担の在り方の見直しを、国や自治体、利用者に求めていた。

一方、政府は 7 月に JR 北海道への追加支援を決定したが、同社が求めていた 2030 年までの長期的な支援については、取り組みの成果を見極めた上で別途検討するとして、現段階では 2020 年度まで 2 年間の支援のみを決定している。 国鉄民営化失敗の烙印を押されたくない国交省は監督権を発動してうみを一掃する構えだが、財布のひもを握る財務省は廃線したほうがいいといわんばかりの消極姿勢と、国も一枚岩ではない。

成果を急ぎたい JR 北海道は、鉄路存続を目指す 8 区間の行動計画を今年度中に取りまとめる方針だが、支援額と負担割合を巡って国と自治体の探り合いが続き、着地点は見いだせていない。 廃止予定の 5 区間についても、多額の廃止費用の手当てなど問題は山積だ。 この苦境を招いた最大の責任が、事故や不祥事を連発して利用者の信頼を裏切った JR 北海道にあることは言うまでもないが、貧すれば鈍するという通り、過酷な経営環境で余裕を失った結果の転落だったことは否めない。 (枝久保達也、Diamond = 11-12-18)


地銀・バス統合 独禁法適用見直しへ 首相が検討指示

政府の未来投資会議は 6 日、来年夏の新たな成長戦略策定に向け、地方施策の強化について議論した。 議長の安倍晋三首相は、人口減を背景にした経営難の地方銀行や乗り合いバス事業者などに関し、独占禁止法が経営統合促進の妨げになっていることから、法適用の緩和を検討するよう関係閣僚に指示した。

首相は、地銀などの経営統合に関する独禁法の適用見直しに対し「地域のインフラ維持と競争政策上の弊害防止をバランスよく勘案し、判断を行うことが重要だ」と強調。 「地方でのサービス維持を前提として、経営統合を可能とする制度をつくるか、予測可能性をもって判断できるよう透明なルールを整備することなどを検討したい」とも語った。

会議では、政府側から地方施策の強化に関する論点を提示。 地銀などの経営統合をめぐっては、独禁法の規制緩和があくまでも例外的対応であることを確認した上で、「地銀や乗り合いバスが破綻すれば地域に甚大な影響を与える可能性が高い」と指摘。 経営統合にあたり、(1) 地域経済の維持発展、(2) 地域のインフラ維持、(2) 競争政策上の弊害防止 - の 3 点をバランスよく勘案して判断すべきだとした。

地銀については、公正取引委員会の審査長期化など問題点も多いことから、地方基盤企業として経営統合を可能とする制度の創設や予測可能な透明性のあるルール整備を要請。乗り合いバスに関しても、複数事業者間のサービス調整がカルテルと指摘されないよう、独禁法適用の考え方を整理するよう促した。 (sankei = 11-6-18)


長野・辰野町が「ど真ん中町」に 「チコちゃん」で放映

日本の地理的中心をアピールする長野県辰野町が 26 日、その名も「ど真ん中町」に町名を変更すると発表した。 町名を一新し、日本のど真ん中をさらに PR する。 というのは半分冗談の半分本気の話。 正式には辰野町のままだが、町職員の名刺などに「ど真ん中町」を入れる。 ほかにも多くの手立てを打つ計画で、庁内にはすでに「ど真ん中」作戦チームを組織した。 これまで同町は「ホタルの里」で有名だったが、今後は町民を巻き込んで「ど真ん中」に向けた知恵を集める。

きっかけは NHK のクイズ番組「チコちゃんに叱られる!」。 9 月 21 日の放送で、日本の中心に名乗りを上げている 28 カ所の「中心の中の中心」が辰野町の大城山だと認定された。 番組を見ていた武居保男町長は「うれしかった」と感無量。 「そこまで言ってくれた以上は何かしないといけないな、と。」

庁内で思案の結果が、町名改名大作戦。 チコちゃんが認定したのは「日本の中心」ではなく「28 カ所の中心」だが、それはそれ。 同町には「日本中心の標」や北緯 36 度 00 分、東経 138 度 00 分の「ゼロポイント」もあり、これまでも日本の真ん中を PR してきた。 それだけに、「チコちゃんの番組で勇気づけられた、元気になったという声が町民から寄せられています」と武居町長は明かす。

作戦チームを率いる赤羽裕治まちづくり政策課長は「ど真ん中を全国に PR したいし、町民には『日本の中心に住んでいる』という誇りを持ってほしい」とにっこり。 「名刺を始め、今後は色んなものに『ど真ん中町』を使います。」 (依光隆明、asahi = 10-30-18)


赤字鉄道を革新せよ ピンクの斬新バス会社と丹鉄の挑戦

ローカル鉄路の意義

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沖縄の建造物、初の国宝指定へ 琉球王家の陵墓「玉陵」

文化審議会は 19 日、琉球王家の陵墓「玉陵(たまうどぅん、那覇市)」を国宝に指定するよう文部科学相に答申した。 沖縄県では首里城正殿などが国宝だったが太平洋戦争で焼失し、戦後できた文化財保護法のもとでは県内の建造物として初めての国宝指定となる。 「大前(おおさき)神社(栃木県真岡市)」や「武知家住宅(徳島県石井町)」など 9 件の重要文化財指定も答申した。

玉陵は首里城を居城とした琉球第二尚(しょう)王統の歴代の陵墓で、1501 年に築造された。 首里城跡などとともに世界文化遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」を構成する。 石垣で囲まれた敷地の奥に 3 棟の墓室が並び、遺体を安置して白骨になった後に洗ってから納骨する琉球の葬送慣習を伝える。 東アジアで独自の発展をした琉球の建築や葬墓制を象徴し、深い文化史的意義があると評価された。

大前神社の本殿は 1707 年に建てられた。 組物の龍彫刻や柱や壁への幾何学的な地紋彫りなど先駆的な手法で飾られており、日光に次いで、関東で装飾建築が普及していく先駆けとして高い歴史的価値があると認められた。 武知家住宅は藍製造で栄えた吉野川下流域で最大級の藍商の住宅。 二重の本瓦ぶき屋根の主屋や、藍を発酵させる施設など生産に必要な建造物群が残り、この地域の近世の藍屋敷を代表する価値が評価された。 (上田真由美、asahi = 10-19-18)

ほかに新規・追加の重文指定は以下の通り。

▽ 旧相馬家住宅(北海道函館市)、▽ 曹源寺栄螺(さざえ)堂(群馬県太田市)、▽ 旧田中家住宅(埼玉県川口市)、▽ 伊藤家住宅(新潟県糸魚川市)、▽ 有馬家霊屋(たまや、福岡県久留米市)、▽ 旧田代家西洋館(佐賀県有田町)、▽ 旧笹浪家住宅(追加、北海道上ノ国町)


函館市、魅力度 1 位に返り咲く 京都市 2 位、札幌市 3 位 ブランド総研調べ

民間シンクタンク「ブランド総合研究所(東京)」が 15 日に発表した 2018 年の市区町村別の魅力度アンケートで、北海道函館市が 2 年ぶり 5 度目の 1 位となった。 2 位は昨年 1 位の京都市、3 位は札幌市だった。

研究所によると、調査は今年で 13 回目。千の市区町村と 47 都道府県を対象に 6 - 7 月、インターネットで 84 項目について尋ね、20 - 70 代の男女約 3 万人から有効回答を得た。 9 月に起きた北海道の地震の影響は反映されていない。 函館市は 16 年まで 3 年連続首位で、昨年の 2 位から返り咲いた。 調査では 7 割以上の人が「魅力的」と回答した。 (北海道新聞 = 10-15-18)


「日本の最も美しい」神社、来年 1 月に改名 2 文字短く

日本海の断崖絶壁に 123 基の鳥居が並ぶ景色が人気の山口県長門市の元乃隅稲成神社が来年 1 月、元乃隅神社に名称変更されることになった。

斎主によると、名前を短くして外国人観光客らに覚えやすくするためという。 これを受け、同市は観光パンフレットや案内板を改訂する方針。 神社は 1955 年創建。 2015 年に米国のニュース専門放送局 CNN に「日本の最も美しい場所 31 選」に選ばれたのを受けて人気が急上昇。 14 年に約 3 万人だった年間観光客が、昨年は約 108 万 3 千人にまで増えた。 中国など海外からの客も多い。

斎主の岡村頼樹さん (70) によると、社名が長いため短くすることを数年前から検討していた。 今年 1 月、短縮することや新しい社名について、「おみくじで神のお告げを聞いて決めた」という。 新社名は来年 1 月 1 日から使用する。 ただ、すでに神社の由緒を説明する案内板や社務所の看板などは新しい「元乃隅神社」にしている。 社務所には「神のお告げに従い改名します」という旨の貼り紙もある。

岡村さんは「短い名前になることで、外国人らにも親しみやすくなるのではないかと考えた。 稲成神社にはかわりはなく、多くの人に参拝してほしい。」と説明している。

一方で、神社を重要な観光スポットに位置づけている長門市や県は対応を迫られそうだ。 市は観光パンフやチラシを新規製作分から改訂する。 約 10 カ所ある道路の案内板についても順次改訂する方針だ。 県も案内板の改訂を検討する。 大西倉雄市長は「社名の変更について、市として賛否をいうべき立場にはない。 『元乃隅』という社名は定着しており、このことで観光客が増えたり減ったりすることはないのではないか。 案内板については徐々に改訂していく。」としている。 (林国広、asahi = 10-12-18)


肉厚で甘み、唯一の大規模養殖地 陸前高田支える高級貝

東日本大震災の被災地・岩手県陸前高田市で希少な二枚貝が復活し、出荷量を伸ばしている。 一人の漁師が偶然見つけた稚貝を少しずつ増やし、全国唯一の大規模養殖地に育てあげた。 津波で施設は大破したが、仲間と再建し、復興を支える高級貝に成長した。

地元でエゾイシカゲガイの「生みの親」と言われるのが、漁師の小泉豊太郎さん (70) だ。 元々、トリ貝を養殖していたが、二十数年前のある日、養殖カゴを引き揚げると、見たこともないクリーム色の稚貝が交じっていた。 エゾイシカゲガイだった。 トリ貝の養殖カゴで育て始め、試行錯誤の末、収穫量は 3 年目にして 400 キロに増えた。

浜の仲間に技術を伝え、生産者は 13 事業者に。 2010 年度には 38 トンを出荷するまで成長したが、津波でほぼすべての養殖施設が流された。 一度は再建をあきらめた。 ただ、小泉さんは「始めた俺がやらねえわけにはいかねえべっちゃ」と奮い立ち、迷っていた仲間にも「海に出て復興させねば」と呼びかけた。

12 年春、再びカゴを設置。 津波で海の環境が変わり、稚貝がとれるか分からない。 その年の秋、カゴを引き揚げると親指の爪ほどの稚貝が顔をのぞかせていた。 「これで仕事になる」と確信し、仲間の漁師に「イシカゲは大丈夫だからよ」と伝えた。 (渡辺洋介、asahi = 10-9-18)


楽器にちらり鮮やか、有田焼・伊万里焼の「音人」ボタン

金銀の楽器に桜や唐草模様が映える。楽器の修理・販売が本業の KAN (カン)ファクトリー(佐賀市天神 2 丁目)が扱うのは、有田焼・伊万里焼で作った小さな楽器のパーツ「音人(おと)」だ。 2 年ほど前から販売し始めると、専門誌にも取り上げられ、遠くは北海道からも注文があるという。 パーツは「フィンガーボタン」と呼ばれるもので、楽器を吹くとき、指で押さえる部分のこと。 メーカー製の楽器には白い貝が使われていることが多い。 演奏中にはほとんど見えないが、"オンリーワン" の楽器を求める演奏者に人気だという。

池田隆治社長 (58) が焼き物でフィンガーボタンを作ろうとしたのは「思いつき」だった。 窯元に直接交渉に行くと「できますよ」。 ただ、陶磁器は焼くと縮むことが前提で、ボタンの枠にぴっちりとすき間なくはまるものを作るのは難しい。 なので、あらかじめ大きく作って店で削ることにした。 研削のために、修理で使っていた普通の工具ではなく、高価な機械を導入した。

できあがったボタンを知り合いのプロのトランペット奏者に使ってもらうと、見た目だけでなく、「音も良くなる」と言われたという。 トランペットだけだった対応楽器も、金管楽器全般と木管楽器のサックスにまで広げた。 さらに「ロータリーキャップ」と呼ばれる、ほかのパーツにつけられる音人も作った。 絵柄も徐々に増やし、今は 30 種類近くをそろえる。 はじめはピンクの柄の「桜」が人気だったが、現在人気なのは深い青の「るり雫(しずく)」と、紺地に金の桜柄の「るり金桜」。 一つから注文でき、複数の柄を組み合わせる人もいる。 近々、古伊万里風の柄のものも加わる予定だ。 オーダーメイドもできるという。

池田さんは「楽器のケースを開けたときにプレーヤーのモチベーションが上がれば。 吹くのとは違う楽しみもあっていいのでは。」 楽器用と同じ技術でつくったアクセサリーやタイピンも販売している。 メーカーや柄、仕上げによるが、トランペット用は一つ 6 千円、三つセットで 1 万 5 千円から。 問い合わせは KAN ファクトリー (0952・97・8284) へ。(杉浦奈実、asahi = 10-8-18)


災害に負けるな、ローカル線 地方鉄道の存在意義は?

ローカル鉄路の意義

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「土浦全国花火競技大会」見物客 10 人やけど 荒天のため途中で中止に

6 日夜、約 75 万人が訪れた土浦市の桜川畔で開かれた日本三大花火大会の一つ「第 87 回土浦全国花火競技大会」で花火の一部が落下し、複数の見物客がやけどを負ったが、いずれも軽傷。 大会は強風のため途中で中止になった。 市消防本部などによると「(不発の花火による)火花で約 10 人が顔などにやけどを負ったが、応急手当てを受けるだけの軽傷だった」という。

会場では同日午後 6 時 40 分ごろ「安全確認のため大会を中断します」とアナウンスが流れ、約 1 時間後に中止になった。 埼玉県から来た男性会社員 (24) は「(自分のいた所からは)強風をそれほど感じなかった。 1 時間ぐらいで再開できると思っていたら、中止と知って驚いた。」と話していた。 大会は大正 14 (1925) 年、霞ケ浦海軍航空隊の殉職者の慰霊と、関東大震災で不況にあえぐ商店街の復興などを目的に、同市の住職が私財を投じて開催したのが始まり。 現在では全国の花火師たちが技術と創造性を競う国内最大級の大会となっている。 今年は 20 都道県 56 業者が出場し、約 2 万 2,500 発の花火が打ち上がるはずだった。 (sankei = 10-6-18)


「前橋カオス」、「市長が神対応」 聖地が呼び込む観光客

アニメやゲームなどのサブカルチャーを観光資源に生かし、地域おこしにつなげる動きが、群馬県内でも盛り上がりを見せている。 ただ、一過性にならないか危ぶむ声も。 サブカルで地域のブランド力を上げて人を呼び込み続けるには、長期的な視点が必要だと先達は言う。 普段は人影もまばらな前橋駅前や市中心部の商店街が、大勢の人であふれた。 美少女たちが登場するスマートフォンの人気ゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」の記念イベントが 9 月 8、9 日の 2 日間、ヤマダグリーンドーム前橋で開かれたためだ。

山本龍市長はイベントの前後に、ツイッターで歓迎ムードを後押しするつぶやきを投稿。 市もイベント期間中に特設ホームページを開設し、飲食店などを紹介した約 2 万枚の特製マップを配った。 インターネット上は「前橋市が熱烈歓迎」、「山本市長の神対応」などと沸いた。 イベント翌日の記者会見で山本市長は「2 日間で 1 万 8 千人の若者が集まり、前橋が(良い意味で)カオス(混沌)になった」と喜んだ。 市の担当者は「2 日間のイベントで多くの人がとどまり、いろんな場所を訪れてくれた。 影響力の大きさを感じた。」と驚く。

サブカルをきっかけに、多くの観光客が押し寄せる現象は各地で起きている。 とくに有名なのが「聖地巡礼」。 アニメや漫画などの舞台となった土地をファンが訪れることを指す。 2000 年代から盛んになってきたとされる。 近年、制作コストの圧縮などのため、現実の場所をほぼそのままモデルにすることが多い。 ファンは舞台となった場所を訪れ、その感想や写真を SNS などに投稿。 それを見た別のファンが新たな観光客となる。 サブカルの世界とリアルを重ね、"発見" を楽しむ観光の仕方が広がりつつある。

茨城県大洗町や埼玉県鷲宮町(現・久喜市)は、こうした観光需要を掘り起こした例と言われる。 大洗町を舞台とした人気アニメ「ガールズ & パンツァー」は 12 - 13 年にかけて放送された。 商店街が自発的にファンをもてなすようになり、今でもイベントなどに訪れるファンは多い。 野村総合研究所の調べでは、13 年度の経済効果は約 7 億 2 千万円。 鷲宮町は「らき☆すた(07 年放送)」の舞台となり、鷲宮神社への初詣参拝者は 07 年から 5 年間で約 5 倍の 47 万人まで増加した。 (丹野宗丈、asahi = 10-5-18)


阿蘇の地域、丸ごと「宿」に 住民に開放、BBQ 交流も

阿蘇谷の中ほどにある熊本県阿蘇市黒川の上西黒川地区で、地域を一つの宿・体験施設として観光客を迎える取り組みが始まった。 広場や空き地を遊び場や図書館、談話室に活用。宿泊する人と住民に開放し、交流も楽しんでもらう。 熊本地震で建物を失ったゲストハウスのオーナーが住民に呼びかけて実現した。

JR 阿蘇駅の近く。 昔ながらの農村集落の雰囲気が残る一角に、宿の「フロント」を兼ねた「地域談話室」はある。 宿泊客はここでチェックインする。 といっても建物はない。 キャンピング用トレーラーを置き、周りにウッドデッキを設けただけ。 泊まるのは、地区内のゲストハウス(簡易宿泊所)か、ホテルの相部屋(ドミトリー)だ。 滞在中は、山々を見渡す空き地にベンチや本箱を置いた「青空図書館」や、公民館横の広場などを住民と同じように使える。 談話室ではウッドデッキにいすを並べてくつろいだり、七輪でバーベキューをしたりして交流できる。

準備を進めてきたのは、談話室がある場所で、16 年 4 月に熊本地震が起きるまでゲストハウス「阿蘇び心」を経営していた吉沢寿康さん (44)。 広島県出身の吉沢さんは 2001 年に旅行会社を退職し、バイクで全国を旅行。 朝晩や四季で変化する阿蘇の景色や人々の温かさが気に入って広島県から移住した。 ライダー向け宿泊所の運営やまちづくり、観光に携わった後、12 年に民宿だった木造平屋の建物を改修して「阿蘇び心」をオープンした。 地震前の 1 年間は国内外の 3,600 人が宿泊し、夜はテーブルを囲んだ交流で盛り上がった。

だが、熊本地震で建物が半壊。 修復は難しく、解体した。 熊本市や福岡市の系列のゲストハウスで仕事を続けながら、阿蘇での再開を模索していた。 (後藤たづ子、asahi = 10-4-18)


富山は日本のスウェーデン? 駅前行く女性からの気づき

「保守的」と言われる富山と、「リベラル」が理想の国としたスウェーデン。 二つの社会を読み解き、思想の左右の線引きにとらわれず、より良い社会について考える。 そんな著書を井手英策・慶応大教授(財政社会学)が出し、(富山)県内の書店で売り上げを伸ばしている。

井手さんが出したのは「富山は日本のスウェーデン 変革する保守王国の謎を解く(集英社新書)」。 出版のきっかけは 10 年ほど前に富山を訪れた時、富山駅前で仕事に向かう多くの女性を見たこと。 「保守的な土地だと思っていたが、多くの女性が働いているのはなぜか」との疑問から調査を始めた。 調べてみると、富山は女性の正社員比率が高く、生活保護を受けている世帯の割合は低い。 小中学校の学力は全国トップクラスで、保育所の待機児童はゼロ。 女性の労働参加や子育て環境の整備など、社会民主主義の国スウェーデンのような状況が、富山にあった。

一方で富山は、土地は長男が相続する傾向が強く、働く女性が多いのは 3 世代同居の世帯などで「一家に二人主婦はいらない」ことの結果でもあり、「イエ」の論理が残っているという。 ただそれを「保守的だ」と批判して終わりにするのではなく、そんな社会の内側で起きている「変化の兆し」をとらえ、「自由で、公正で、連帯できる社会をめざす」ことを呼びかける。

富山でリベラルな北欧のような状況が生じた背景を探るため、100 人を超す富山の人たちの話を聞いたという。 そして井手さんが気づいたのは「家族を大事にする価値観」だという。 デイサービス施設で障害者や子どもも受け入れる「富山型デイサービス」のような取り組みにも、家族のため、みんなのため一肌脱ぐ気質を感じたという。

スウェーデンでも家族を重視した。 1930 年代に首相に就いた P. A. ハンソンは、国家を「国民の家」とし、失業率の悪化などで苦しむ国を、互いに助け合う家族の価値で作り直そうとした。 人口減少が進むこれからの社会で「人は助け合わなければ生きていけない。 家族の価値観が大事になる。」と井手さんは話す。 近年、富山でも女性の県外流出や 3 世代同居世帯の減少が進み、家族についての考え方も変化している。

井手さんは、事例の一つとして、過疎化の進む朝日町笹川地区の地域おこしの活動を紹介。 「一村一家」と呼ばれ、住民が家族のようにつながっていたという同地区。 しかし現在は、「家族の価値観を押しつけない『執着しない家族』の形が必要」と自治振興会長は話したという。 時代に合わせ、社会は変化を迫られる。 井手さんは「今変えるべきは何か。 みんなで考えていく必要があるし、富山にはそのためのヒントがたくさんある。」と話している。 (田島知樹、asahi = 9-22-18)


「事業は瀕死」クールジャパン機構を長崎企業連合が提訴

官民ファンド「海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)」と組んで米国で「日本茶カフェ」事業を展開する長崎県の企業グループが、機構が一方的に運営会社を清算しようとして損害が出ているとして、約 4 千万円の損害賠償と出資契約の無効確認を機構に求める訴訟を東京地裁に起こした。 提訴は 11 日付。

原告は、日本茶を輸出するマエタクや地方銀行十八銀行など長崎県や周辺の 11 企業・団体が出資する会社グリーンティーワールドホールディングス。 機構とは 15 年 4 月、約 210 万ドルずつ出資して運営会社をつくり、米ロサンゼルスでカフェ 1 店舗を営む。 運営会社株は長崎側が 50.1%、残りを機構が持つ。

訴状によると、機構は昨年以降、事業赤字などを理由に運営会社の解散を迫り、今年 4 月には米国の裁判所に清算を申し立てた。 長崎側は、機構から不相応に大きな組織や新ブランドの商標登録を要求されて費用負担が膨らんだにもかかわらず、今度は運営会社を無理やり清算させられようとしているとして、出資時の契約に違反すると主張する。

長崎側は単独での事業継続を望んでいるという。 原告代表者は取材に「不毛な時間と費用、労力を費やして事業は瀕死の状態。 早く機構のしばりから解放してほしい。」とコメントした。 機構は取材に対して「機構としては手続きを踏んでやむなく清算を求めるに至ったと認識している」と回答した。 クールジャパン機構は日本の商品や文化の海外発信支援を目的に 13 年に設立。 会計検査院から投融資額を回収額や保有株の評価額などが下回る損失状態と指摘され、近く改組される産業革新機構の傘下に入る方向で再編が検討されている。 (藤田知也、asahi = 9-21-18)


観光産業を敬遠? 「ハワイ超え」の沖縄、気になる数字

クルーズ船が次々と寄港し、国際通りは人波が途切れない。 「観光立県」をうたう沖縄は昨年、観光客数が過去最多の 939 万人に達し、初めてハワイを超えた。 しかし、その後に公表されたもう一つの数字もまた、衝撃を広げている。 観光産業で働きたいか、県が初めて県民に調査したところ、「働きたい」、「やや働きたい」がわずか計 16.4%。 「働きたくない」、「あまり働きたくない」は計 47.2% に上った。 観光産業へのイメージも「休みが取りにくい」が 39.2% で最多。 「社会的評価が高い」は 3.2% にとどまった。

我那覇綾音さん (22) は、台湾留学で中国語を習得。 「地元で暮らしながら、大好きな沖縄の魅力を国内外に発信できる職場」にあこがれ、名護市の名桜大観光産業専攻に進んだ。 しかし、ホテルでアルバイトをする同級生から聞こえてきたのは、「休みが取れない」、「時給が安い」という悲鳴に近い声だった。 「観光業」の月給は 14 万 5 千円で、計 16 業種の平均 16 万 6 千円を下回っているとの求人誌の最新の調査結果もある。 観光客数の伸びは、全国最下位の県民所得向上につながっていない。

戦後 27 年間続いた米軍統治が影を落とす。 本土が 1 ドル = 360 円の時代、沖縄で使われた独自通貨は 1 ドル = 120B 円と 3 倍の価値に設定され、本土から安い商品が流れ込む極端な輸入型経済に。 製造業は競争力を失った。 1972 年の本土復帰後、高度成長から取り残された製造業は伸びず、代わって着実な成長をとげてきたのが観光だった。 県民総所得に占める収入割合は米軍基地関係 5.7% に対し、観光は 12.5% (2014 年度)。 ただ、季節に左右され、非正規雇用や低賃金の課題がある観光業界への過度な依存には危うさが伴う。

来春に卒業をひかえる我那覇さんは今、教員をめざして勉強中だ。 アルバイト先の塾で、貧困が教育格差を生む現実を知り、進路を変えた。 ただ、沖縄観光の未来もやっぱり気になる。 「1,500 万人を(佐喜真淳氏)」、「1,200 万超を(玉城デニー氏)」。 知事選の候補が観光客の数を強調しすぎているようで、心配している。 (宮野拓也、asahi = 9-17-18)


開業直前に自前で作った幻の CM 「祝! 九州」はこれだ

今、JR 九州は?

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豪雨被災の JR 山陽本線、9 月 30 日に全線再開 「10 月中」の見通しを前倒し

西日本豪雨

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四万十川、相次ぐ死亡事故 危険を感じられない観光客

四万十川で遊泳中に流される死亡事故が今夏も起きた。 高知県外からの観光客にも人気の勝間沈下橋(四万十市)では、この 5 年間で 5 件の水難事故が発生している。 観光名所で相次ぐ事故に地元の自治体も対応に頭を悩ませている。 四万十市の市街地から北西に国道 441 号を 15 キロほど車で走ると、勝間沈下橋が見えてくる。 全長 171,4 メートル、幅 4.4 メートル。 四万十川本流の下流から 4 本目の沈下橋だ。 周辺の河原は広く水遊びがしやすい。 映画「釣りバカ日誌」のロケ地に使われ、人気の観光スポットになっている。

事故は 8 月 26 日に起きた。 県内にある妻の実家に帰省していた埼玉県戸田市の会社員男性 (24) は、親戚ら 7 人と遊泳に出かけた。 男性は勝間沈下橋から何度も飛び込んでいたが、姿が見えなくなった。 地元の消防が翌日、沈下橋から下流に 100 メートルほど離れた川底で男性を発見した。 現場の水深約 18 メートル。 男性はライフジャケットを着用していなかった。

中村署によると、川は事故前日の降雨で増水してにごり、水中の視界は約 1 メートルだったという。 捜索では県警のヘリコプターが現場付近を何度も往復したが、空中からは遺体を目視で見つけられなかった。 黒岩覚副署長は「水がにごっているときは、川の流れが普通じゃないことが多い。 下流は大きな石がないから白波が立たないが、流れは見た目以上に速い。」と話す。

県外の人、危険感じず

四万十消防署によると、四万十川では 2013 年以降、水難事故が 10 件あり、そのうち勝間沈下橋付近では 5 件発生した。勝間沈下橋で事故に遭った 5 人は県外からの観光客で、うち 4 人が死亡した。 なぜ勝間沈下橋付近の事故が多いのか。 四万十消防署の担当者は「下流の水深は 18 メートル以上ある。 下流に流されると、水流の速い渦に巻き込まれて岸に戻れないことがある。」と説明する。 勝間沈下橋の近くに住む行政書士の伊与田順一さん (64) は「事故に遭う観光客は川とプールが同じ感覚なのではないか。 地元の子は危険とわかっているから飛び込みません。」と話す。

事故後も勝間沈下橋ではカヌーで川下りをしたり、橋の上を歩いたりする観光客たちがいた。 東京都渋谷区の大学生八代康佑さん (23) は「都会にはないきれいな川で、インスタ映えする」と写真を撮っていた。 橋では地元のトラック運転手から「飛び込んだら危ないよ」と声をかけられ、事故があったことを知った。 八代さんは「飛び込みたくなるのもわかる。 そんなに流されるなんて想像がつかない。」 (加藤秀彬、asahi = 9-14-18)


この財布、COACH じゃなくて高知だよ 人気沸騰中

米ブランド「COACH」ではなくて「高知」発のブランドが人気沸騰中だ。 「高知」の文字をあしらった財布は全国から注文が殺到している。 「ん?」 思わず二度見てしまうデザインだ。 長財布の一面を「高知」という漢字が覆い尽くす。

「COACH や思ったら高知やった」

8 月 11 日朝、長財布を手にしたお笑いコンビ「NON STYLE」の石田明さんがツイッターでつぶやくと瞬く間に広がり、3 日現在、「いいね」は約 18 万、リツイートは約 3 万に上っている。 財布は 8 月から販売を始めた。 知名度がなく当初はほとんど売れなかった。 だが、石田さんのツイートをきっかけに一気に注文が全国から殺到した。 すでに注文は 6 千個を超えた。

長財布の制作者は、高知市在住の中島匠一さん (25)。 個人で「高知」というブランドを立ち上げ、T シャツや靴、腕時計などファッション小物のデザインを手掛けている。 「高知県は『どんな生き方をしてもいい』と思わせてくれたところ。 恩返しがしたい。」と言う。 (森岡みづほ、asahi = 9-4-18)


世界遺産に外国人客 13 倍 … 高速全線開通 10 年

中日本高速道路(名古屋市)は、全線開通 10 周年を先月に迎えた東海北陸自動車道の 10 年間の経済波及効果は愛知、岐阜、富山の 3 県で約 3.7 兆円に上ったと発表した。 観光振興や物流効率化、企業立地の促進などに寄与したとしている。 同自動車道は、東海地方と北陸地方を直結する延長 185 キロの高速道路。 2008 年 7 月 5 日に一宮ジャンクション (JCT) - 小矢部砺波 JCT 間が全線開通した。

発表によると、経済波及効果 3.7 兆円のうち、岐阜県内への効果が最も大きく、2.2 兆円に上った。 3 県の経済成長の年平均約 0.8% の底上げに貢献したことになるという。 観光面では、岐阜県高山市街地への観光入り込み客数が 1.4 倍に増加。 外国人宿泊者数は、世界文化遺産・白川郷合掌造り集落がある白川村で約 13 倍、高山市で約 3 倍になった。 高速バス「高山 - 白川郷・金沢線」の利用者数は約 4 倍に増えている。

東海 3 県と北陸 3 県間の物資輸送は、98% が自動車で行われ、物流の効率化に貢献。 富山県小矢部市の小矢部フロンティアパークでは、東海地方の企業が、大規模災害時などのバックアップ機能、リスク分散を踏まえ、工場などを立地するケースが増え、パーク周辺の製造業従業員数は 1.5 倍に増加した。 さらに、高校がない白川村では、開通前は高山市の高校に通学するには路線バスで片道 2 時間以上かかり、下宿するケースが多かったが、開通後は片道 1 時間程度になり、バス通学が増えたとしている。 (yomiuri = 9-1-18)


記録的不漁から一転、サンマ豊漁に沸く花咲港

北海道根室市の花咲港がサンマの豊漁に沸いている。 昨年の記録的な不漁から一転、千島列島沖で大群が見つかり、28 日は水揚げを待つ船が沖合で順番待ちをするほどの活況となった。 8 年連続サンマ水揚げ日本一の同港には、28 日未明から大量のサンマを積んだ棒受け網漁船が集結した。 朝一番の午前 7 時の競りでは、1 キロ・グラムの最高値が 227 円と、大型船の水揚げ初日となった 24 日から一気に 3 分の 1 に値を下げた。 この日だけで 1,342 トンが水揚げされ、5 回に分けて競りにかけられる見込み。

市場は、本格的なシーズン入りを前にした想定外の豊漁に輸送用トラックが間に合わない状況。 朝から 1 匹 100 円で販売を始めた根室市の鮮魚店「茂勝」の日沼茂人社長 (67) は「昨年は 9 月 1 日時点で 1 キロ・グラム 900 円の高値で、魚も痩せていた。 今年は脂の乗ったサンマを手頃な値段で提供できる」と喜んでいた。 (yomiuri = 8-28-18)


夕空にふわり歴史絵巻 愛知・西尾で大提灯まつり

愛知県西尾市一色町の諏訪神社で 26 日、「三河一色大提灯(ぢょうちん)まつり」が始まった。 江戸時代から 450 年以上続く祭りで、直径 4 - 6 メートル、全長 6 - 10 メートルの大ぢょうちん 12 張が境内に並んだ。 午後 7 時すぎ、ちょうちんにろうそくの灯がともされ、華やかな歴史絵巻が夕暮れの空に浮かぶ光景に、多くの人が見入っていた。 大ぢょうちんは 27 日午後 5 時まで掲げられている。 (戸村登、asahi = 8-26-18)


金足農に協賛金 1.9 億円、目標の 4 倍 報告会に 1 千人

第 100 回全国高校野球選手権記念大会(朝日新聞社、日本高野連主催)で準優勝した金足農(かなあしのう、秋田市)の報告会が 23 日、同校で開かれた。 準優勝盾を持った主将の佐々木大夢君(3 年)を先頭に、銀メダルを首から下げた選手たちが校歌に合わせて入場すると、生徒や保護者、住民ら約 1 千人から大きな拍手が起こった。

中泉一豊監督 (45) は「選手がよく頑張った。 大会で苦しい場面もあったが、我慢して粘り強く、最後まで諦めずに戦った結果。 多くの人が支え、応援してくれたおかげ。 人の気持ち、温かさを感じた。」 佐々木君は「決勝でも期待に応えたかったが、みなさんの応援があってこその準優勝です」とあいさつ。 エースの吉田輝星君(3 年)も「力以上のものを引き出してくれた」と応援にお礼を述べた。 金足農の応援団が「頑張った、頑張った、野球部」とエールを送った。

渡辺勉校長 (55) によると、学校に集まった協賛金は、21 日時点で 1 億 9 千万円。 当初の目標だった 5 千万円の約 4 倍となった。 吉田君はその後の会見で、約 3 週間ぶりに帰った自宅で「あきたこまち」や骨付き肉を食べたと明かし、「家で食べるごはんは格別でした」と笑った。 (野城千穂、asahi = 8-23-18)

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金農ジェットで応援えがにゃが! JAL が緊急臨時便

日本航空は 20 日、21 日午前に、秋田 - 大阪・伊丹の臨時便を航行させることを決めた。 秋田県庁が同日、公式ツイッターで明かした。 金足農が、県勢として 103 年ぶりの決勝進出を決めたことを受け、多くの秋田県民が甲子園に向かうことを想定した対応とみられる。 秋田空港を午前 8 時 50 分に出発し、伊丹空港着は同 10 時 15 分。 JAL4730 便となる。 試合開始は午後 2 時。 同時間帯の全日空便は、すでに満席となっている。 カナノウ旋風は、ついに航空会社まで動かす、社会現象となった。 (日刊スポーツ = 8-20-18)


寺の多さ理由か … 市内に増え続けるスリランカ人

栃木県足利市に住むスリランカ人が、今年 8 月時点で 704 人にまで急増し、市内の国・地域別の外国人住民数で中国人を抜いて、トップとなっている。 先に移り住んだ人が同郷の人たちに「住みやすいまち」として紹介し、市内には「リトルスリランカ」とも言えるコミュニティーができているという。 日本人市民とスリランカ人住民の交流の輪も広がり始めている。

「足利の人たちにスリランカの良さを知ってもらいたい。」 7 月 15 日、足利氏ゆかりの名刹・鑁阿寺(ばんなじ、足利市家富町)で、足利市内に住むスリランカ人が、故郷の伝統料理を無料で振る舞うイベントを開いた。 同市相生町のウメシュ・ラージャパクシェさん (35) が、足利に住む同郷の友人ら約 10 人と企画。 前日から約 100 人分のカレーや、スリランカのふりかけ「サンボル」などを仕込み、市民らに味わってもらった。 ラージャパクシェさんは 2009 年に来日し、現在は市内の繊維業者で働いている。 「足利に生まれ育った人たちと、我々スリランカ人が、もっと交流できる場所を作りたい」と話す。

足利市内ではもともとスリランカ人留学生の姿がみられたが、昨年春頃から急増。 400 人台だった人口は、11 月には外国人住民の国・地域別で最も多かった中国人(652 人)を抜き、初めてトップになった。 今年に入り 700 人台まで増え、国内でもスリランカ人が多いとされる横浜市(7 月現在で 798 人)や名古屋市(昨年 12 月現在で 832 人)に迫る勢いだ。

スリランカ人が急増する背景について、足利市市民課は「先に足利に住み始めた人が、新たに住み始めた仲間を生活面で支えるなど、強いコミュニティーが市内で形成されている」とみている。 日本語学校や、近隣に工業団地があり、仕事を得やすいことなどもある。 また、「東の京都」とも呼ばれる足利の土地柄も理由の一つのようだ。 市内には 123 の寺があり、「仏教徒が多いスリランカ人にもなじみやすい」との声がある。 モスクもあり、礼拝が欠かせないイスラム教徒のスリランカ人からも喜ばれているという。

7 月の料理イベントに参加した同市利保町の会社員の男性 (30) は「スリランカの人たちが足利を好きになってくれるのはうれしい」と話した。 ラージャパクシェさんは「これからもイベントを重ね、足利の人たちと信頼関係を築いていきたい」としている。 (asahi = 8-12-18)