ファミレスのジョイフル、パートら 1 万 7 千人無期雇用へ

ファミリーレストランの「ジョイフル」などを展開するジョイフル(大分市)は 13 日、パートタイムやアルバイトで働く約 1 万 7 千人を無期雇用に転換すると発表した。 4 月 1 日から実施する。 外食業界で人手不足が深刻さを増すなかで、「雇い止めの心理的な不安をなくす(同社広報)」ことで、働きやすい環境をつくるねらいという。 これまでは、原則として 1 年ごとに有期の雇用契約を更新してきた。 無期雇用への転換は、関東や東海、関西など各地で店舗運営などにあたる子会社も含めて実施する。

対象になるのは、フランチャイズ店舗を除いた国内の約 750 店舗や工場、配送センターなどで働くパートとアルバイトの全員。 昨年末時点で計 1 万 6,929 人という。 働いた年数には関係なく、全員を無期に切り替える方針だ。 今年 4 月 1 日以降に入社するパートやアルバイトとの雇用契約は、全員が無期で結ぶという。

改正労働契約法によって 4 月 1 日以降、有期の雇用契約を繰り返し更新して 5 年を超えた働き手は、無期雇用への転換を申し込むことができる。 人手不足に悩む小売業などで、人材確保や働きやすさ向上などのため、無期への転換を進める動きが出ている。 厚生労働省や日本フードサービス協会(東京)によると、今回のジョイフルはそうした中でも比較的規模が大きいとみられるという。 (山下裕志、asahi = 2-13-18)


生活困窮者へ支援策、閣議決定 医療扶助では抑制策も

政府は9日、生活が苦しい人たちへの支援策の改革法案を閣議決定した。生活保護世帯の子どもの大学進学時に一時金を支給したり、劣悪な「無料低額宿泊所」を排除する規制を設けたりして自立を後押しすることが柱だ。一方、生活保護受給者の薬は後発医薬品(ジェネリック)を原則にする。今の国会に提出し、今年度内の成立を目指す。 この法案は、生活保護法や生活困窮者自立支援法など 4 本の改正法をまとめた一括法案だ。

子どもの貧困対策では、生活保護世帯の子どもが大学や専門学校に進む場合、新生活準備のためとして 10 万 - 30 万円を支給する制度創設を盛り込んだ。 新年度から導入する方針だ。 ひとり親家庭に支給する児童扶養手当は、4 カ月ごとにまとめて年 3 回支給する仕組みを、2 カ月ごとにまとめて年 6 回支給するように変える。 家計管理をしやすくする狙いだ。

無料低額宿泊所は、劣悪な施設に生活保護の受給者を集めて多額の経費を取る「貧困ビジネス」の温床との指摘もある。 都道府県への事前届け出制とし、防火体制や部屋面積などの最低基準を設けるなど規制を強化する。 基準は都道府県ごとに条例で定める。 一方で質の高い自立支援に取り組む施設を認定し、運営費を補助できるようにもする。

生活保護費の医療費にあたる「医療扶助(国と地方を合わせた新年度当初予算案ベースで約 1 兆 9 千億円)」の抑制策も入った。 割安な後発医薬品について今は可能な限り使用を促すとし、本人が望めば先発薬を医師が処方している。 これを後発薬の使用を原則にし、医師が医学的に問題ないと判断すれば、本人の希望に関わらず処方するようにする。 政府は、生活保護受給者の後発薬の使用率を今の 72% から 18 年度中に 80% に高めたい考えだ。 厚生労働省によると、1 ポイント上がると 10 億 - 15 億円の費用削減効果があるという。ただ、「受給者が薬を選べなくなる」との批判もある。(佐藤啓介、asahi = 2-9-18)

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生活保護の受給世帯数、最多更新 高齢者世帯増加続く

昨年 11 月に生活保護を受けた世帯は前月より 64 世帯増え、164 万 2,971 世帯だった。 7 カ月連続の増加で、昨年 8 月以降、過去最高を更新し続けている。 厚生労働省が 7 日発表した。 65 歳以上の高齢者世帯が増え続けており、特に約 9 割を占める単身世帯が前月より 564 世帯多い 78 万 7,462 世帯だった。 現役世代などは減少傾向で、全体の受給者数は前月より 791 人少ない 212 万 4,526 人だった。 (asahi = 2-7-18)

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生活保護の減額幅、5% を上限に 厚労省方針、反発受け

厚生労働省は、来年度からの生活保護費の見直しで、大幅な減額となる世帯が出ないように引き下げ幅の上限を 5% に抑える方針を固めた。 原案では、食費や光熱費などの生活費にあたる「生活扶助費」を最大で 1 割以上減らすとしていたが、縮小する。 大幅な引き下げ案に対し、当事者や支援団体が反発していた。

生活扶助費の支給水準は 5 年に 1 度見直され、厚労省は低所得世帯の生活費を基にした検証結果から、水準全体を引き下げることにしている。地域や世帯類型によって増える世帯もあるが、都市部や多人数世帯を中心に減額となる。

ただ、最大 1 割以上の減額となる原案には、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会が報告書で、「検証結果を機械的にあてはめてはならない」と指摘した。 こうしたことを受け、厚労省は各種加算を含めた生活保護費全体の減額幅が原案で 5% を超える世帯は、一律で 5% とする考えだ。 減額幅が 5% 未満や増額となる世帯は、原案をそのまま適用する。 新たな基準は来週中に正式に決める。 来年 10 月から適用を始め、2020 年度までの 3 年間で段階的に実施する方向だ。 (佐藤啓介、asahi = 12-15-17)

生活保護支給状況 (6-7-17)


子ども・子育て支援法改正案が閣議決定 早期成立目指す

政府は 6 日、認可保育園に入れない待機児童の解消を進めるための子ども・子育て支援法改正案を閣議決定した。 財源となる経済界の拠出金の増額や、自治体が認可園の広域利用を協議する場の設置が柱だ。 4 月 1 日の施行を目指し、通常国会で早期に成立させる方針だ。

増額する拠出金は、従業員の社会保険料の一部として企業が負担している「事業主拠出金」。 社会保険料の標準報酬に対する割合の上限を、今の 0.25% から 0.45% に引き上げる。 今年度の拠出金は 0.23% 分の約 4 千億円。 新年度は約 1 千億円上乗せして 0.29% 分の約 5 千億円とし、さらに段階的に上げていく。 使い道についても見直す。 今は児童手当や企業主導型保育所の整備費などに限っているが、保育士の人件費を中心とした認可保育園の運営費に拡大する。 (西村圭史、asahi = 2-6-18)


受け入れ枠増えたが … 4 人に 1 人「保育園落ちた」 横浜

4 月に保育園に入るための競争が過熱している。 各地で認可保育施設の選考結果が出始め、横浜市では 4,417 人が 1 次選考に落ちた。 今後、2 次選考も行われるが、4 人に 1 人が落ちた計算になり、保護者からは落胆の声があがる。

横浜市の区役所の窓口には 30 日、落選通知を受け取った母親らが次々と訪れた。 港北区役所に 1 歳 1 カ月の息子と相談に訪れた母親 (34) は「育児休業は息子が 2 歳になる 12 月までなのに、年度途中での入園は絶望的。 先が真っ暗になった。」と話す。 認可外の保育園も探しているが、受け付けが抽選だったり先着順だったりして、入園の確約は一つも取れていないという。

1 歳半の娘と訪れた 30 代の母親は、保育の質や通える距離について妥協し、積極的に希望しない園まで申し込んだが、すべて落選した。 「厳しいエリアと聞いていたが、もう自力でどうしようもない。 何年、保活を続ければよいのか。」 横浜市によると、認可保育園やこども園、小規模保育園、保育ママなどの認可保育施設の 1 次募集に申し込んだのは 1 万 8,133 人。 このうち内定者は 1 万 3,716 人で、4,417 人に落選を示す「保留通知」を 26 日に発送した。

来春に向けて約 3 千人分の受け入れ枠を増やし、全体としては前年同期より 160 人減った。 落選者の 9 割近くは 0 - 2 歳児が占めた。 横浜市の担当者は「0、1 歳児の申し込みが増えている。 中でも北部が厳しい状況。」と分析。 「これから 2 次募集を行い、定員外の受け入れもなるべく増やし、(認可外ながら市の独自基準をクリアした)横浜保育室なども紹介して、一人でも多く入園できるよう努めたい」と話している。 (田渕紫織、中井なつみ、asahi = 1-30-18)

前 報 (9-1-17)


東京都の官民ファンド、介護・保育一体施設に投資

福祉インフラ充実へ

東京都が福祉施設の整備促進に向け創設した官民連携ファンドによる初の投資事業が 22 日、明らかになった。 大田区内で介護付き有料老人ホームと保育所が一体の施設を 2019 年春に開業する。 総事業費 33 億円のうち 6 億円をファンドが拠出。 民間の投資マネーを東京に呼び込み、少子高齢化で需要が膨らむ福祉インフラの充実を急ぐ。

「福祉貢献インフラファンド」は都が 25 億円を出資して 16 年に創設。 福祉分野の投資で実績のある AIP ヘルスケアジャパン(東京・港)が運営し、東銀リースや芙蓉総合リースが参加している。 投融資の対象は都内の福祉関連の建物で、不動産投資信託 (REIT) のように賃料などの収益の一部を出資者に回す。

第 1 弾の事業は大田区内の新築 5 階建て、延べ床面積 3 千平方メートル超の施設。約 60 室ある老人ホームと定員 80 人超の保育所が入る。 建物は 19 年 1 月に完成し、各施設は同 3 - 4 月に開業する。 事業費はファンドからの出資のほか、民間金融機関からの融資などで賄う。 都内では遊休地が少ない土地事情もあり、高齢者施設や保育施設が不足している。 官民ファンドは福祉分野で施設整備を促す資金の循環を後押しする。 (nikkei = 1-22-18)


派遣切り「2018 年問題」にご注意を 法改正から 3 年

派遣社員を雇い止めする「派遣切り」が今年、多発する可能性がある。 派遣労働者の直接雇用を促す目的で、派遣期間を一律 3 年に限る改正法の施行から秋で 3 年を迎え、その後、雇用契約した人たちが、派遣先の直接雇用か、雇い止めかの分岐点に立つためだ。 弁護士や研究者は「2018 年問題」と注意を促し、ネット上で無料相談を受け付けている。

弁護士たちが懸念するのは、例えば次のようなケースだ。 大手企業で十数年、文書ファイリングの仕事をしてきた派遣社員。 派遣元とは 1 年ごとに契約を更新してきたが、派遣先からは今年中の雇い止めを示唆された。 派遣社員側には「長年働いてきたのに、今後は働き続けられないのか」との思いが残る。 このケースのような文書ファイリングのほか、秘書、翻訳など政令で定められた 26 の業務には従来、派遣期間に制限がなかった。 厚生労働省によると、15 年 9 月に労働者派遣法が改正される前には約 134 万人の派遣社員の 4 割が、これら 26 業務に就いていた。

しかし、同法の改正で、企業が同じ派遣社員を受け入れられる期限が一律 3 年までとなった。 「3 年」と期限をつけた改正案について政府は「正社員を希望する人にはその道が開かれるようにする」、「派遣元の責任を強化し、派遣就労への固定化を防ぐ」としていた。 しかし、最終的に「抜け道」もできた。 例えば、企業は 3 年たったら、別の派遣社員に切り替えられる規定がある。 企業にはこうした措置に際して、労働組合の意見を聞くことが義務づけられているものの、直接雇用をせず派遣に仕事をさせ続けることが可能だ。

期間制限が裏目に出て、26 業務に従事した人たちが法改正から 3 年の 9 月以降、相次いで雇い止めとなるおそれがある。 (釆沢嘉高、asahi = 1-14-18)

前 報 (9-12-15)


ファンケル、直営店の契約社員全員を地域限定の正社員に

ファンケルは 10 日、化粧品や健康食品を販売する直営店で働く契約社員全員を、原則として転勤がない「地域限定正社員」にすると発表した。 対象は全国 204 店舗の 971 人で、店舗で働く従業員の 65% を占める。 契約社員は 1 年ごとの契約更新だが、4 月に雇用区分を切り替えて廃止し、無期雇用の正社員となる。 人材確保や従業員の意欲向上が狙いだ。 正社員化で賞与はわずかに増えるが、毎月の賃金は変わらない。 転勤がある正社員との待遇差はあるが、同社は「担当する地域で安定して長く働いてもらえる(広報)」としている。 (asahi = 1-10-18)


公務員の定年、2033 年度に 65 歳 政府検討

政府は、原則 60 歳と定める国家、地方公務員の定年を 3 年ごとに 1 歳ずつ延長し、2033 年度に 65 歳とする方向で検討に入った。 人件費の膨張を抑制するため、60 歳以上の職員の給与を減額するほか、中高年層を中心に 60 歳までの給与の上昇カーブを抑える考えだ。 19 年の通常国会に国家公務員法改正案など関連法案を提出し、21 年度からの着手を目指す。

外郭団体を含め、数百万人の公務員の給与体系や年齢構成などに影響が及ぶ大改革となる。 少子高齢化が加速する中、高齢者の就業を促進し、労働力を確保するのが狙いだ。 公務員の年金受給年齢の引き上げと定年を合わせ、公務員が退職後「無収入期間」が生じるのを避ける。 60 歳定年が多い民間企業に見直しを迫る意味合いもある。

公務員の総定員が定められている中、65 歳までの延長を短期間で行うと、新規採用数を極端に絞らざるを得ない年度が出る。 組織の年齢構成が大きくゆがむ恐れがあり、3 年に 1 歳ずつ延ばすのが現実的と判断した。 (sankei = 12-30-17)


無料低額宿泊所に法規制 「貧困ビジネス」を排除へ

厚生労働省は、生活が苦しい人が無料や低額で暮らせる「無料低額宿泊所」を法律で規制する方針を決めた。 施設基準を満たさない業者に業務停止命令を出せるようにする。 劣悪な施設に生活保護の受給者を集め、多額の経費を取る「貧困ビジネス」を排除する狙いだ。 関連法の改正案を来年の通常国会に提出し、来年度からの実施を目指す。

社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会が 11 日にまとめた、生活困窮者らの支援制度の見直しに関する報告書に盛り込まれた。 無料低額宿泊所は、社会福祉法に定められた施設。 厚労省は、▽ 原則個室で広さは 7.43 平方メートル以上、▽ プライバシーに配慮、▽ 利用料は生活保護の住宅費の範囲内、といった基準をガイドラインで示している。

ただ、施設基準を満たさなくても法的な罰則はなく、自治体ごとに条例を作って対応しているのが実態で、劣悪な環境の施設も少なくないとされる。 厚労省の 2015 年の調査では、全国の 537 宿泊所のうち、部屋の面積が基準未満の施設が 4 割近くあった。 入居者約 1 万 6 千人のうち、9 割以上が生活保護受給者だった。 (佐藤啓介、asahi = 12-12-17)


少子高齢化対策の 2 兆円パッケージ、閣議決定

安倍内閣は 8 日の臨時閣議で、少子高齢化に対応するための 2 兆円規模の政策パッケージを決定した。 幼児教育・保育や高等教育の無償化を 2020 年 4 月から実施することなどを明記。 財源には、2019 年 10 月の消費税率 10% への引き上げによる増収分と企業からの拠出金を充てる。

安倍晋三首相は臨時閣議後、政策パッケージでは「人づくり革命」と「生産性革命」を「車の両輪」としていると記者団に説明。 「20 年までの 3 年間、人材、設備への投資を大胆に促し、日本経済の生産性を飛躍的に押し上げる。 また、子どもたちの未来に予算を振り向け、社会保障制度を全世代型へと大きく転換していく。 国民の信認を力として、この大改革を成し遂げていきたい」と述べた。 (asahi = 12-8-17)


会社員・公務員 300 万人、増税 年収 800 万超、自民了承 所得税

所得税改革の内容が固まった。 減税措置である三つの控除を見直すことで、年収 800 万円を超える会社員や公務員約 300 万人や、年金以外の所得が 1 千万円を超える年金受給者約 20 万人が増税になる。 2020 年 1 月から実施し、財務省は全体で年 1 千億円超の税収増を見込む。 自民党の税制調査会が 7 日、政府・与党案を了承した。 公明党も認める見通しで、14 日にまとめる与党税制改正大綱に盛り込む。

今回の見直しでは、会社員向けの「給与所得控除」を一律で 10 万円減らし、控除額の上限も「年収 800 万円以上で年 190 万円」に引き下げる。 一方、すべての納税者向けの「基礎控除」は 10 万円引き上げるが、年間所得が 2,400 万円超の人から段階的に減らし、2,500 万円超でゼロにする。

この結果、年収 800 万円超の会社員が増税となり、年収 850 万円で年 1.5 万円、900 万円で 3 万円、1 千万円で 6 万円の負担増になる見込みだ。 ただ、22 歳以下の子どもがいる世帯や、介護が必要な家族がいる世帯は増税の対象外とし、増税対象は会社員や公務員の約 5% になる。 これに対し、会社に所属せずに個人請負などで働く人は大半が減税になる。 働き方の違いによる税制の格差を是正する狙いだ。

年金受給者向けの「公的年金等控除」も、控除額を一律で 10 万円縮小する。 年金が年 1 千万円を超える人は、控除額に上限を設け、年 195 万 5 5千円で頭打ちにする。 高額の退職金を年金で受け取る人など、約 3 千人が増税対象になる。 不動産収入など年金以外の所得が年 1 千万円を超える人(約 20 万人)は、控除額をさらに 10 万円、2 千万円超の人は 20 万円減らす。 増税になる年金受給者は全体の約 0.5% という。 (長崎潤一郎、南日慶子、asahi = 12-8-17)

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高収入の会社員を中心に増税 自民税調で方針一致

自民党の税制調査会は 29 日の会合で、会社員向けの減税措置である「給与所得控除」を縮小し、高所得者を中心に増税する方針で一致した。 年金受給者向けの「公的年金等控除」の見直しでは、年金以外の収入が 1 千万円以上の人の控除額を 10 万 - 20 万円減らして増税する方向で調整に入る。

公的年金等控除については、年金以外の収入が年 1 千万円以上の人は控除額を 10 万円、2 千万円以上の人は 20 万円程度を減らす案を軸に検討する。 対象は年金受給者全体の 1% 未満とみられ、収入が 1,500 万円の人で年約 3 万円の増税となる見通しだ。 また、多額の退職金を年金の形で受け取るなど、年金自体の収入が 1 千万円以上の人も約 3 千人近くにのぼり、こうした人には、いまは青天井の控除額に新たに上限を設ける方向で検討する。 公的年金等控除は、経済力が落ちる高齢者の生活に配慮した減税措置だが、政府・与党は、十分な収入がある人に限って増税すれば、理解を得られるとみている。

この日の自民税調の会合は非公開で開かれ、額賀福志郎・小委員長は会合後、「働き方の多様化にしっかりと対応していくということだ」と説明した。 会社に所属せずに働く人が増えているため、高収入の会社員を増税し、フリーランスや個人請負などで働く人は減税にする方針で、こうした見直しの方向性に異論は出なかったという。 具体的には、給与所得控除を高収入の会社員を中心に縮小し、納税者すべてが受けられる「基礎控除」を増やす。 税調幹部の間には「消費を支えている高所得者にも配慮すべきだ」という意見もあり、増税となる年収の線引きを含め、詰めの議論に入る。 (長崎潤一郎、南日慶子、asahi = 11-29-17)

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政府、高所得の会社員増税の方向で検討へ

政府は 2018 年度税制改正大綱に盛り込むことを目指す所得税改革について与党と調整に入った。 会社員の給与収入から差し引ける給与所得控除を縮小する一方で、全納税者が適用される基礎控除を引き上げることで、働き方の違いによる税格差を是正するのが狙い。 増税となる高所得者層の反発が予想される。

給与所得控除とは会社員の所得税を計算する際、スーツ代などを必要経費とみなし、収入に応じて定められた計算式で求めた金額を差し引ける仕組み。 控除額は収入に応じて 65 万円から段階的に増え年収 1,000 万円の場合、上限となる 220 万円が控除される。 今回の税制改革では給与収入額に関わらず控除額を一律に減らし、さらに上限額も下げる案を軸に検討する。 また納税者一律に適用される基礎控除は、現在の 38 万円を 50 万円程度に引き上げる案が有力で、自営業など会社員以外の人は減税となる。

現在は会社と同じような働き方をしても給与所得控除は会社員しか対象にならず、政府では働き方により生じる格差を問題視。 年収 800 万 - 900 万円を下回る会社員は基礎控除の拡大分と相殺して負担増とならない範囲で給与所得控除を調整していく。 一方、年収 800 万 - 900 万円を超える会社員は増税となるが、実現すれは、税格差の是正には一定の効果が見込める。

昨年度は配偶者控除の見直し、また 2014 年度には給与所得控除及び対象となる給与収入の引き下げの経緯もあり、高所得者層の反発が予想される。 政府は増減税が同額となる税収中立の立場を念頭に置いているが、依然として「取りやすいところから取る」姿勢は変わっていない。 大規模な金融緩和による景気回復の声もあるものの肝心な給与収入は増えておらず、実感がない中での増税は景気にも水を差しかねない。 2019 年 10 月には消費税 10% への増税も控えており、慎重に進められることが求められる。 (財経新聞 = 11-18-17)


就職難の韓国、日本に熱視線 「K-Move」で後押し

就職難が続く韓国。 視野を広げ、海外で機会をつかもうとする若者に対し、国を挙げての後押しが熱を帯びている。 日本に的を絞った「徹底支援」をアピールする大学も目立ってきた。 人材確保の新たな道として日本企業も関心を寄せる。 韓国南東部、大邱市にある永進専門大。 パソコンが並ぶ教室で学生が 4 - 5 人のチームごとに登壇し、一礼してから発表を始めた。

「私たちが開発したソフトについて説明します。」 滑らかな日本語で、話が続く。 パソコン画面の説明文も日本語だ。 学生は日本での就職を念頭に、1 年生の時から専攻の IT と並行して日本語を学んできた。 この日の授業は、学生がソフトを企画・開発する卒業プロジェクトで、日本語での面接の練習も兼ねていた。 「もっと大きな声で」と、教員から指導の声が飛ぶ。 入室時のあいさつやお辞儀の仕方まで厳しくチェックされ、やり直す。 (釜山 = 佐々木亮、asahi = 12-7-17)


従業員の賠償負担を廃止 同意なし天引きと訴訟も 引っ越し大手のアート社

引っ越し大手の「アートコーポレーション(大阪市)」が引っ越し作業中に物品や建物が損傷した際、顧客に支払う賠償金の一部を従業員に負担させていた制度を 10 月に廃止していたことが 3 日、同社への取材で分かった。 制度をめぐっては元従業員らが同意なしに負担金を天引きされたとして、返還を求め同社に訴訟を起こしている。 従業員に賠償金を負担させる仕組みは、他の引っ越し会社や運送業界なども既に導入。 同社は事故削減が目的で「従業員に弁償義務を負わせたものではない。 有用だが評価の方法を見直し、別の制度を取り入れた。」と説明している。

訴訟代理人を務める指宿昭一弁護士は「通常の範囲で注意をしていて起きた損害は会社が負うべきだ。 同様の制度を設けている全ての引っ越し会社が廃止する必要がある。」と指摘した。 同社によると、制度は賠償すべき事故があった時、正社員やリーダー格のアルバイトは 1 件につき 3 万円を上限に負担させていた。 (sankei = 12-3-17)


温まらない懐、ワケは「広がるワニの口」

ワニの口のように開く 2 つの折れ線グラフ。 上あごは日本全体の賃金、下あごは 1 人あたりの賃金だ。 厚生労働省が 22 日発表した毎月勤労統計調査によると、7 - 9 月期の 1 人あたり実質賃金は、アベノミクスが始まった 2012 年 10 - 12 月期より 4% 低かった。 一方、1 人あたり実質賃金に雇用者数を掛けた日本全体の賃金は 6% 高い。 有効求人倍率など雇用指標はバブル期の水準を超えて好調だが、一人ひとりの懐は温まっていない。

日本全体の賃金が増えたのは、働く高齢者や女性が増え、雇用者が 12 年以降に 290 万人増えた影響が大きい。 ただ、高齢者や女性はフルタイムの正社員ではなく、非正規のパートやバイトで働く人が多い。 厚労省の調査では、正社員の平均賃金は月 32 万円なのに対し、非正規は 21 万円。 しかも非正規は雇用者全体の 37% を占め、5 年間で 2 ポイント上昇した。 このため、1 人あたりでならすと賃金は上がりにくい。 大和総研の長内智シニアエコノミストは「1 人あたり実質賃金を伸ばさないと、景気回復の実感が得られず、消費が活性化しない」と指摘する。 (nikkei = 11-22-17)


みずほ FG、1.9 万人削減へ 構造改革案の概要

みずほフィナンシャルグループ (FG) は 13 日、マイナス金利などで収益が悪化している国内事業立て直しのための構造改革案の概要を発表した。 グループの従業員は、IT を活用した業務効率化などにより、2017 年 3 月末時点の約 7.9 万人(臨時従業員を含む)を、10 年後の 27 年 3 月末には約 1.9 万人削減する。 希望退職の募集は行わず、今後の退職者増による自然減と採用の抑制で調整するほか、出向者を増やす方針だ。

国内の店舗は機能を見直して統廃合し、17 年 3 月末時点の約 500 拠点(銀行や証券、信託銀で計約 800 営業所)を、8 年後の 25 年 3 月末には約 100 拠点削減する。 新たな方針は、18 年度以降、3 年ごとに策定する中期経営計画に順次盛り込んでいく。 同日発表の 17 年 9 月中間決算に併せて公表した。 みずほ FG の佐藤康博社長は「日本の金融機関の経費率は高い。 経費の構造改革を進めていく。」と述べた。 みずほ FG の 17 年 9 月中間決算は、業務純益が前年同期比 1,615 億円減の 2,416 億円、連結純利益が 415 億円減の 3,166 億円だった。 (asahi = 11-13-17)

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三菱 UFJ、店舗 1 - 2 割減へ 9,500 人分の業務削減

三菱 UFJ フィナンシャル・グループ (FG) 傘下の三菱東京 UFJ 銀行が、国内約 480 店舗のうち 1 - 2 割程度の統廃合を検討していることが 29 日、分かった。 デジタル技術の活用などで 9,500 人分の業務量を減らす。 日銀の金融緩和で低金利が長引くほか、人口減少などで経営環境が悪化する中、費用構造を大幅に見直して収益力を高めるのが狙い。 三菱 UFJ は、策定中の平成 30 年度からの中期経営計画で収益強化の具体策を打ち出す。 「旧来型の改善の積み重ねでは対応できない(三毛兼承頭取)」として無人店なども検討する。

5 年前に比べ、銀行窓口を訪れる顧客は減少。 店舗の ATM (現金自動預払機)利用率に大きな変化はないが、スマートフォンやパソコンを使ったインターネットバンキングは 4 割も伸びている。 単純な事務作業を減らし、信託や運用といった高度サービスに対応できる店舗に切り替える。 メガバンクでは、みずほ FG が今後 10 年程度で約 1 万 9 千人分の業務量削減を目指す。 三井住友 FG も生産性の強化や業務効率化を通じ、32 年度までに 4 千人分の業務量を減らす方針を既に打ち出している。 (sankei = 10-29-17)


車大手、期間従業員の無期雇用を回避 法改正、骨抜きに

トヨタ自動車やホンダなど大手自動車メーカーが、期間従業員が期限を区切らない契約に切り替わるのを避けるよう、雇用ルールを変更したことが分かった。 改正労働契約法で定められた無期への転換が本格化する来年 4 月を前に、すべての自動車大手が期間従業員の無期転換を免れることになる。 雇用改善を促す法改正が「骨抜き」になりかねない状況だ。

2013 年に施行された改正労働契約法で、期間従業員ら非正社員が同じ会社で通算 5 年を超えて働いた場合、本人が希望すれば無期に転換できる「5 年ルール」が導入された。 申し込みがあれば会社は拒めない。 08 年のリーマン・ショック後、大量の雇い止めが社会問題化したことから、長く働く労働者を無期雇用にするよう会社に促し、契約期間が終われば雇い止めされる可能性がある不安定な非正社員を減らす目的だった。 施行から 5 年後の 18 年 4 月から無期に切り替わる非正社員が出てくる。

改正法には、企業側の要望を受け「抜け道」も用意された。 契約終了後から再雇用までの「空白期間」が 6 カ月以上あると、それ以前の契約期間はリセットされ、通算されない。 これを自動車各社が利用している。 トヨタは 15 年、期間従業員の空白期間を、それまでの 1 カ月から 6 カ月に変えた。 ホンダ、日産自動車、ダイハツ工業も 13 年に空白期間を 3 カ月から 6 カ月に変更した。

自動車業界の期間従業員は、半年程度の契約を繰り返して働き続けることが多い。 日産の期間従業員は連続で 4 年 11 カ月まで、トヨタ、ダイハツ、ホンダは連続 2 年 11 カ月か 3 年まで働ける。 例えば、期間従業員が 2 年 11 カ月働いて、いったん退社、6 カ月未満で再契約し、2 年 1 カ月を超えて働けば、無期雇用に切り替わる権利を得られる。 だが、空白期間を 6 カ月にすれば、どれだけ通算で長くなっても無期転換を求められない。

空白期間を6カ月に変更した理由について、日産、ダイハツ、ホンダの広報は、労働契約法の改正を挙げた。 トヨタ広報も「法の順守はもちろん、時々の状況に応じた制度づくりを行っている」と答えた。 三菱自動車、マツダ、スバルの空白期間は以前から 6 カ月だった。 スズキは再雇用をしていなかったが、13 年に認める代わりに 6 カ月の空白期間を導入した。 トヨタなど 4 社の空白期間変更により、自動車大手 8 社すべてで、期間従業員は無期転換の権利を得られないことになる。

法改正の議論では、経団連が「企業が再雇用をしなくなって労働者の雇用機会が失われる」などと主張、空白期間をとりいれることになった。 労働組合は 5 年ルールの形骸化を防ぐため、空白期間を設けることに反対していた。 労組関係者は「法案をまとめるために妥協の産物としてつくられた抜け道が、利用されてしまった」という。 無期雇用に転換したとしても、ボーナスや定期昇給がある通常の正社員になれるわけではない。 ただ、無期雇用で職を失う心配がなくなれば、住宅ローンを借りやすくなったり、有給休暇を取りやすくなったりする。 サービス残業などの違法行為にも、泣き寝入りしなくてすむ。

厚生労働省によると、期間を定めた契約で働く人は 1,500 万人にのぼり、うち 3 割が同じ企業で 5 年超続けて働く。 400 万人以上が無期雇用を申し込む権利を手にする計算だ。 非製造業を中心に無期雇用の制度づくりを進める企業もある一方、無期雇用の権利が発生する前に雇い止めする企業も出ている。 自動車各社は無期転換とは別に、正社員登用を進めていることを強調する。 ただ、登用者数が期間従業員全体に占める割合は、1 割程度にとどまる社が多い。 (大日向寛文、asahi = 11-4-17)

労働問題に詳しい嶋崎量(ちから)弁護士の話 : 改正労働契約法の趣旨に反する雇用が、日本を代表する自動車産業で広く行われていることは驚きだ。 他業界への波及が懸念される。 不安定な雇用で働かせ続けたい経営側も問題だが、万一これを容認したのであれば、労働組合も社会的責任が問われかねない重大な問題だ。 非正規社員の間には、「正社員の雇用安定しか考えていない」という労使双方への批判がもともと強い。 労使で早急に議論をして改めてほしい。

自動車大手 8 社が設けた空白期間

トヨタ自動車 1 カ月 → 6 カ月(2015 年) / ホンダ 3 カ月 → 6 カ月(2013 年) / 日産自動車 3 カ月 → 6 カ月(2013 年) / ダイハツ工業 3 カ月 → 6 カ月(2013 年) / スズキ 6 カ月(2013 年) / スバル 1 日 → 6 カ月(2008 年) / マツダ 6 カ月 / 三菱自動車 6 カ月 * カッコ内は変更時期。 スズキは 13 年の制度変更まで再雇用をしていなかった。


年金積立金運用、5 四半期連続の黒字 4 兆 4,517 億円

年金積立金管理運用独立行政法人 (GPIF) は 2 日、今年 7 - 9 月期の公的年金の積立金の運用益が 4 兆 4,517 億円だったと発表した。 黒字は 5 四半期連続。 9 月末時点の運用資産額は 156 兆 8,177 億円で、過去最高を更新した。

世界的に企業業績が堅調で、国内外の株式運用が好調だった。 円安で、外国資産の評価額が膨らんだこともプラスに働いた。 国内債券は北朝鮮のミサイル発射や核実験による地政学的リスクの高まりから、一時的に下がる時期もあったが、期間全体ではほぼ横ばいだった。 高橋則広理事長は「良好な市場環境が続いた」とのコメントを出した。 運用資産全体における 9 月末時点の構成割合は外国株式が 24.03%、外国債券が 14.02% でともに最も高くなり、逆に国内債券は 28.5% と最も低くなった。 (佐藤啓介、asahi = 11-2-17)


「現金支払いお断り」東京で実験店開店へ ロイヤル HD

ロイヤルホールディングス(HD、福岡市)は 1 日、支払いを電子マネーやクレジットカードだけにした実験店を東京都内に 6 日に開くと発表した。 現金の管理を完全になくすなどして従業員の作業効率を上げ、深刻化する人手不足に対応する狙いだ。 東京都中央区に 6 日、開店するレストラン「GATHERING TABLE PANTRY (ギャザリングテーブルパントリー)」は、現金のやりとりをなくすため、入り口にレジを置かず、電子マネーのチャージもできない。 店舗入り口に「現金お断り」を知らせる表示を出す。

注文はテーブルのタブレット端末から。代金も同じタブレット端末で、電子マネーやクレジットカードを使って支払う。 店舗運営の作業が減ることで、約 40 席の店を 3 人で運営できるとロイヤル HD はみている。 今後は、この店で得たノウハウを主力の「ロイヤルホスト」の店舗などにも導入していく方針だ。 (牛尾梓、asahi = 11-1-17)


ファミマ 24 時間営業見直しの実証実験 「店が赤字でも本部は黒字」システムにも驚きの声

24 時間営業見直しに加え、たとえ店が閑古鳥でも本部は儲かるというシステムに驚きの声が広がっています。 ロイヤルホストを筆頭にファミリーレストランが 24 時間営業の見直しを始めたことが大きな話題になりましたが、ついにその波がコンビニエンスストアにも押し寄せてくることになりそうです。

人件費高騰に伴う 24 時間営業見直しへ

ファミリーマートは人手不足の深刻化を受けて一部店舗の営業時間を短縮する実証実験を実施しています。 売り上げや人件費への影響を検証した上で 24 時間営業継続か見直しかを判断していくとのこと。 ファミリーマートは全国約 1 万 7,800 店舗のうちオフィスビルや駅構内などの約 5% を除いて 24 時間営業を行っています。 しかし人手不足に伴う人件費の高騰によってフランチャイズ加盟店の経営が厳しさを増していることからこうした実証実験を始めたものです。

ただしコンビニは夜間の商品配送や陳列、清掃などを含めて 24 時間営業を前提とした経営モデルとなっています。 このため、ライバル店との競争で不利になる可能性があることはもちろん、店内作業に留まらず流通までも巻き込んだ大幅なスキームの見直しが必要となります。 過去に一部店舗で 24 時間営業見直しの実験をしたローソンでは売り上げが落ち込んだことから見直しを見送った事もあり、今回の実験でどのような結果が出るか注目されます。

見直しを遅らせたロイヤリティー制度

しかし人手不足とそれに伴う人件費の高騰が叫ばれ始めたのはしばらく前のこと。 ファミレスなどと違って 24 時間営業見直しの話がコンビニ業界から出てこなかったのには理由があります。 それは本部が「まんじゅう 1 個でも売れれば黒字」という驚くべきシステムのため。 大手コンビニ各社はそのほとんどの店舗をフランチャイズ契約によって運営しています。 その際、本部は売上高から商品原価を除いた「粗利益」の一定割合を、ロイヤルティーとして加盟店から受け取っているのです。

このため、フランチャイズ加盟店が 24 時間営業を維持するためにどれだけ人件費がかさみ、それに見合う売り上げが得られなかったとしても、まんじゅう 1 個、コーヒー 1 杯でも売れれば黒字という絶対に赤字の出ない契約になっているのです。 つまりフランチャイズ加盟店側のみが人件費などを差し引いた際の赤字を被り、例え店が赤字を出しても本部は黒字になるため、これまでコンビニ業界は黒字の目減りにしかならない 24 時間営業見直しに極めて消極的だったということになります。

ロイヤリティー制度のもたらす過労とブラックバイト

もちろんこうした非対称性の極みのような状況はフランチャイズ加盟店側にとっては足りないバイトの穴埋めなどによる過重労働の温床となり、本社からのノルマ達成の要求はアルバイトに対するおせちやケーキの購入強要といったブラックバイト案件の発生を促してきました。 また、コンビニ業界がこうした状況下で現代日本の奴隷制度である外国人技能実習制度をコンビニにも適用するように要求し、安価な労働力を酷使することで乗り切ろうと目論んでいることも事実。

コンビニが既に日本人にとっては重要なインフラとして機能していることは誰しもが認めるところですが、そのインフラの維持を末端のフランチャイズ加盟店や外国人技能実習生に押しつけて企業利益だけを追い求めるのでは、さすがに無責任の誹りは免れないでしょう。 (BUZZUP! = 10-31-17)


「70 歳以上でも働けます」企業の 22%、人手不足受け

70 歳以上まで働ける企業の割合が 2017 年に 22.6% となり、比較できる 09 年以降で最高となったことが、厚生労働省が 27 日発表した「高年齢者の雇用状況」でわかった。 65 歳までの雇用確保措置は法定義務になっているが、深刻化する人手不足を受け、さらに年齢の高い人を雇用する企業が増えている。 従業員 31 人以上の企業約 16 万社を対象に 6 月 1 日時点の状況を聞き、約 97% が回答した。 70 歳以上まで働ける企業の割合は前年比 1.4 ポイント増えた。 66 歳以上の希望者全員が働ける継続雇用制度を設けた企業の割合は 5.7% で、同 0.8 ポイント増えた。 厚労省は「人手不足感が強まり、66 歳以上の人も大事な労働力として雇う企業が増えた」としている。

高年齢者雇用安定法は、65 歳までの雇用確保措置として、定年制の廃止、定年延長、継続雇用制度の導入のいずれかを企業に義務づけているが、65 歳を過ぎた人を雇い続ける企業も増えている。 希望者全員が 65 歳以上まで働ける企業は 75.6% で、嘱託に切り替えるなどの継続雇用制度の導入 (56.0%)、定年の 65 歳以上への引き上げ (17.0%)、定年制の廃止 (2.6%) の順に多かった。 継続雇用の賃金は一般的に現役時より大幅に下がるため、人件費を抑えるために継続雇用を選ぶ企業が多い。 (村上晃一、asahi = 10-28-17)