中国の仮想通貨取引所、9 月末で全取引停止・閉鎖へ

中国にある仮想通貨の 3 大取引所の一つ、「ビットコイン中国」は 14 日、新規利用者の登録をやめ、9 月末で仮想通貨と人民元との交換など全取引を停止して閉鎖すると発表した。 ほかの取引所も閉鎖されるとみられる。 取引量の多い中国の規制は世界中の仮想通貨をめぐる議論に影響しそうだ。

中国金融監督当局が国内の仮想通貨と人民元とを取引する取引所の閉鎖を決めたと、有力経済誌「財新」の電子版が 8 日夜、報道。 それでも 3 大取引所は「通知を受けていない」として営業を続けていた。 しかし、中国の金融監督当局が設立した業界団体、中国インターネット金融協会が 13 日夜、「仮想通貨取引所は合法的な設立根拠がない」として取引サービスを提供しないよう会員に求める声明を出し、取引所の閉鎖は近いと見られていた。

ビットコイン中国の取引停止発表で相場は暴落。 同取引所では 14 日午後 8 時(日本時間午後 9 時)現在、直近 24 時間の高値より 3 割下落し、1 ビットコイン = 1 万 7,500 元(約 30 万円)近辺で取引されている。 中国系の事業者が運営しているとされるビットコインキャッシュは、さらに大きな下げ幅を記録した。 中国当局は、中央銀行が管理できない仮想通貨との取引が増えれば、金融の安定に支障を来す恐れもあると警戒感を強めていた。 急激な値下がりで多くの人に損失が出れば、社会不安につながる可能性もある。 (北京 = 福田直之、asahi = 9-14-17)

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中国、仮想通貨取引所を当面閉鎖 ビットコイン急落

【上海 = 張勇祥】 中国のニュースサイト「財新網」は 8 日、中国の金融当局が仮想通貨の取引所を当面閉じることを決めたと報じた。 閉鎖の期間は不明。 中国では仮想通貨のほとんどが取引所経由で行われており、一時的な影響が出るのは避けられない。 報道を受け仮想通貨は急落し、ビットコインの元建て価格は 9 日朝に 2 万 3,000 元台と約 2 割下げた。 報道によると、ビットコインなどの仮想通貨と人民元の交換を手掛ける取引所が閉鎖の対象になる見通し。 閉鎖の方針は、所管する地方の関連部局にすでに伝えられたという。

当局は仮想通貨の取引増加が違法な資金洗浄や金融詐欺、資金の海外流出につながるものとして警戒を強めていた。 年初には仮想通貨の大手取引所の検査に踏み切ったほか、年央にかけては数カ月間、仮想通貨の引き出しを停止していた。 4 日には、企業や団体が仮想通貨を発行して資金を集める ICO (イニシャル・コイン・オファリング)を禁止すると中国人民銀行(中央銀行)が発表した。 当局の許可を得ていない違法な資金調達と位置づけ、資金の払い戻しなども求めている。 ICO に関わる 60 社に調査に入るとの観測もある。

ただ、報道は中国内の仮想通貨の取引をすべて禁じるわけではないとも伝えた。 9 日も売買を続けている取引所はあり、影響がどの程度広がるかは見通しにくい。 中国は共産党首脳の人事を入れ替える 5 年に 1 度の党大会を控え、金融市場や経済の安定に全力を注いでいる。 仮想通貨を巡っては、詐欺などで多額の損失を抱える事例が頻発していただけに、看過できないと判断したとみられる。 (nikkei = 9-9-17)

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中国、仮想通貨の規制を今後さらに強化へ = 第一財経

[北京] 中国メディアの第一財経 (YICAI) は 4 日遅く、同国政府が仮想通貨に対する規制を今後さらに強化すると報じた。 中国政府は 4 日、新たなデジタル通貨をローンチして資金調達する「イニシャル・コイン・オファリング(新規仮想通貨公開 = ICO)」を違法行為と判断し、個人や団体に禁止令を出した。 意思決定機関に近い筋によると、ICO の禁止は仮想通貨の規制強化の始まりにすぎないという。 仮想通貨の分析サイト「クリプトコンペア」によると、ICO では世界全体でこれまでに総額 23 億 2,000 万ドルが調達されたが、うち 21 億 6,000 万ドルは 2017 年初め以降の調達という。

コインマーケットキャップ・ドット・コムによると、中国が ICO を禁止したことを受けて、ビットコインは 8% 下落。 仮想通貨全体の価値は約 10% 急落した。 コインデスクによると、ビットコインのライバル通貨であるイーサリアムは 4 日に約 20% 急落し、283 ドルとなった。 中国の ICO 情報サイト「ICOINFO (www.ico.info)」は 5 日、すべての ICO サービスを停止し、投資家への払い戻しのためにサイトを通じて仮想通貨を発行した団体と協力すると発表した。 一部ではすでに払い戻しが行われ、資金の引き出しも 5 日から始まるとしている。 また、別の仮想通貨取引所「Binance」も、新たな規制に完全に適合することを目指して懸命に取り組んでいるとの声明を出した。 (Reuters = 9-6-17)


北朝鮮のハッカー、全世界からビットコインを巻き上げる

北朝鮮は制裁が強化された場合に備え、ビットコインなど仮想通貨をため込もうと活発に動いている様子だ。 米サイバーセキュリティー会社ファイア・アイの新たな報告書によると、北朝鮮のハッカーらは韓国内の仮想通貨取引所や関連サイトへのサイバー攻撃を増やしている。 ビットコイン関連ニュースを扱う英語サイトをハッキングしたほか、身代金要求型ウイルス(ランサムウエア)「ワナクライ」で全世界からビットコインを巻き上げたという。

北朝鮮の最高指導者、金正恩氏は仮想通貨に対して明らかに高い関心を持っている。 国家の統制を受けず、秘密が守られるという仮想通貨の特徴は、資金調達やマネーロンダリング(資金洗浄)の手段として有用だ。 制裁強化と仮想通貨の利用拡大が見込まれることを考慮すると、北朝鮮の仮想通貨志向は強まる一方だと専門家らは語る。 この報告書をまとめたファイア・アイのリサーチャー、ルーク・マクナマラ氏は「制裁を大きなばねに、この種の活動が加速しているのは間違いないとみている」と指摘。 北朝鮮は仮想通貨を「外貨を稼ぐ極めて低コストのソリューション」だと考えているのだろうと分析した。

ファイア・アイが確認したところでは、韓国では今年に入り少なくとも 3 つの仮想通貨取引所が攻撃され、うち 5 月の攻撃では実害が出た。 同社は北朝鮮の関与を示す明らかな示唆はないとしているものの、現地メディアの報道によると、ソウルを拠点とする仮想通貨取引所「ヤピゾン」が盗難により 3,800BTC (現在のレートで約 16 億円相当)を失った。 北朝鮮の外国メディア担当窓口はコメントの要請に応じなかった。 同国外務省や国営メディアはこれまで、2014 年のソニー・ピクチャーズエンタテインメントに対するハッキングを含めいかなるサイバー攻撃にも同国は関与していないと主張している。

北朝鮮のハッカー部隊は軍事的な情報活動から金銭の窃取へと焦点を拡大させていると、韓国当局はみている。 オーストラリア戦略政策研究所の国際サイバー政策センターが 2016 年にまとめた報告書によると、北朝鮮で情報活動から通信網の混乱まで平時のサイバー業務を担う偵察総局は金正恩氏が直接統括し、約 6,000 人の職員を擁する。 (中村友治、Sam Kim、Bloomberg = 9-12-17)


仮想通貨狙ったサイバー犯罪急増 ID 盗み取り現金化か

ビットコインなどの仮想通貨を、不正アクセスによって盗む手口のサイバー犯罪が急増している。 警察庁は 7 日、2 - 7 月で計 33 件(被害総額約 7,650 万円)の被害を確認したと発表した。 ネットバンキングの電子決済サービスが悪用され、仮想通貨が不正に購入される事件も発生。 いずれも今年に入って初めて確認された手口といい、警察庁は警戒を強めている。

仮想通貨の利用者はネット上の「取引所」に開設したアカウントを使って通貨を管理する。 警察庁によると、アカウントへの不正アクセスは今年 2 月に確認された。 被害はいったんおさまったものの、5 月以降に急増。 被害にあった通貨はビットコインやリップルなど 5 種類だった。 警察庁が把握したケースでは、ID とパスワードが盗み取られ、利用者になりすました人物が通貨を別のアカウントに移していた。 その後、海外の取引所で現金化された可能性があると警察庁はみている。 (浦野直樹、asahi = 9-7-17)


ビットコイン、ついに 4,000 ドル突破、日本円の取り引きが相場に影響

米国時間の 8 月 12 日に仮想通貨ビットコインの価格が初めて 4,000 ドルを超えた。 処理速度の問題解決を巡る対立が分裂騒動に発展した不透明感が嫌気され、ビットコインの価格は 7 月には一時 2,000 ドルを割っていた。 しかしながら、新通貨ビットコインキャッシュとの分裂後もビットコインに大きな混乱がなかったことから個人投資家からの資金流入が回復し、最高値を更新する上昇が続いている。

4,000 ドルを突破するアップトレンドの継続は多くのアナリストの予想を上回るものだが、要因として CNBC は相場上昇の主役が中国から日本に変わった影響を指摘する。 法整備が進む日本で個人投資家の参入が活発になっており、CryptoCompare によると日本円での取引量がグローバル規模の 46% 近くになっている。 さらに米国と北朝鮮の衝突シナリオに備えたリスク回避の動きが見られるようになっており、ビットコインが資金移行先の受け皿の 1 つになっているのもアップトレンドの継続を支えている。 (Yoichi Yamashita、MyNavi = 8-14-17)


ビットコインから分裂した「ビットコインキャッシュ」とは何者か

8 月 1 日に新しい仮想通貨が発行され、話題を呼んでいる。 以前から情報を追っている方も、ウォレットを見て気づいた方もいるだろうが、ここではその新しい通貨である「ビットコインキャッシュ(以下、BCH)」を簡単に紹介する。

ビットコインキャッシュとは何か

ビットコインキャッシュとは、ビットコイン(以下、BTC)がハードフォークされ、誕生した新しい通貨だ。 ビットコインはもともと、取引量が増えてきたことによる取引スピードの低下など、スケーラビリティが問題となっており、今回のコインはそうした問題を解決するために一部のビットコインマイナーにより生み出された。 そうした経緯があるため、ビットコインキャッシュは「ビットコイン」という名称が使われており、機能面で従来のビットコインを踏襲する部分も多いが、全く新しい通貨と認識すべきだろう。

ビットコインとの共通点・相違点

BCH の基本的な機能は BTC に則して作られているが、大きく 3 点で BTC との相違点がある。

・ ブロックサイズの上限を 8M バイトまでに拡大(BTC は 1M バイト)
・ BTC とは、交わらず共存する
・ ハードウェアウォレットなどのセキュリティを向上させる施策が用意されている

詳細な説明は本稿では割愛するが、簡単に言えば、これまでの BTC が抱えていた取引速度が低下するリスクを無くし、セキュリティの向上でより安全な取引を実現する、ということだ。 まさに従来のスケーラビリティ問題を解決するためのコインとなる。 ところが、現実は思い通りにいかず、8 月 3 日現在、BCH は BTC よりも "取引速度の遅い" コインとして低調な滑り出しとなってしまった。 その理由として「マイナーの数」と「マイニング報酬」が関係している。

ビットコインの基礎技術であるブロックチェーンが分散台帳と呼ばれるのは、内部の全ての取引を複数のマイナーが検証し承認する仕組みとなっているためで、これによりブロックチェーンは改ざんやネットワーク攻撃から守られてきた。 つまり、マイナーはブロックチェーン技術の核とも言える存在なのである。 では BCH のマイナーは誰か。 実は、BTC と同一マイナーが承認している。 しかも今回のハードフォークは、従来取沙汰されていたハードフォークの方法とは違い、今までのビットコインをコピーするような形式であったため、マイナー達の混乱も招いているのか、多くのマイナーは BCH のマイニングに参加していないようだ。

加えて、問題となるのが「マイニング報酬」である。 マイニング報酬とは、マイナーがブロックチェーンの取引を承認した際にもらえる手数料と思ってもらえればよい。 報酬価格は仮想通貨によって違うが、BTC と BCH を比べると圧倒的に BCH の方が安い。 同じ労力を割くのであれば、多くのマイナーは BTC を選択するのである。 こうして、BCH は大きな構想を描いて誕生したものの、滑り出しで大きくつまづくことになった。

各取引所の足下対応と今後の動向予想

足下の各取引所の対応だが、多くの取引所では混乱を避ける目的もあり、結局 BTC の保有者に同単位の BCH を配賦する方策をとったようだ。 BCH の価格は、一時期は BTC の 30% 程度であり、これにより一部の BTC ホルダーは突然数十万 - 数百万円相当の仮想通貨を受け取ったわけだが、現在では上記の BCH の取引不全も少しずつ解消され、売り越された結果 BTC 比 10% 程度の価格に落ち着いている。

今後の動向予想としては、BTC 側のマイナーと BCH 側のマイナーの対話に注目されたい。 前述の通り、BCH の大きな問題は実効性の部分であり、BTC 側のマイナーとの和解によりこの点が解消され、マイニング報酬が向上すれば、当初想定した BTC に比べた利点が再評価される可能性もある。 一方で、今回のようなやや強引なフォークが繰り返されれば、仮想通貨の価値そのものが信頼されなくなる事態に陥る危険性もある。 すべては市場参加者やマイナーなど仮想通貨に関わるあらゆる人々の行動次第だが、私としては、もう少しの間、市場を信じて BCH を持ち続けてみたいと思う。 (カワノサトシ、Cnet = 8-4-17)


ビットコイン、23 日取引停止 = 混乱回避へ資産保護 - 国内 13 社

仮想通貨の取引所を運営する国内 13 社は 23 日、仮想通貨の代表格である「ビットコイン」の入出金を一時停止する。 事業者の対立により基幹システムが分裂し、コインが失われる恐れが生じたことから利用者の資産を保護し、混乱を回避する。 一時停止は当初、8 月 1 日の予定だったが、13 社が加盟する日本仮想通貨事業者協会が前倒しを決めた。

システム分裂を避ける折衷案が示され、混乱は収拾する方向となったが、不測の事態に備え、ビットバンク(東京)や BTC ボックス(同)は 23 日正午からビットコインの入出金を停止する。 再開時期は未定。 ビットポイントジャパン(同)は午後 4 時から取引を停止し、25 日午後 4 時に再開する予定だ。 (jiji = 7-22-17)


ビットコインのバブルが崩壊しつつある? 3 日で 3 割下げの大暴落

3 日で 3 割の下げの大暴落となったビットコインについて報じている
「値が下がれば、売りが売りを呼ぶ展開になり一気に暴落しやすい」と評論家
「今後も乱高下は続く」とみて、関連株にも注意が必要だという

仮想通貨「ビットコイン」の "バブル" が崩壊しつつある。 ビットコインの価格が 15 日の取引で、前日比で一時 19% も下落した。 16 日付のブルームバーグが報じた。 1 ビットコインは今年 1 月、10 万円前後で推移していたが、6 月 12 日に 3 倍以上の 33 万円超まで上昇。 過去最高値をつけた。 ところが、わずか 3 日後の 15 日にはナント、一時約 23 万円と、3 割下げの大暴落。 一体何が起こっているのか。

マネー評論家の新田ヒカル氏はこう言う。 「貨幣なら政府が、株式なら企業業績が価値の "アンカー" となっています。 しかし、仮想通貨であるビットコインには "アンカー" がありません。 決済機能も不十分で、使い勝手が悪い。 ビットコインへの投資はギャンブルのようなもので、保有者はいつ価値が下がるかとビクビクしているのが実態です。 大量保有者が利益確定のために売り、ひとたび値が下がれば、売りが売りを呼ぶ展開になり一気に暴落しやすいのです。 今後も乱高下は続くでしょう。」

危険がいっぱいのビットコインだが、関連株にも注意が必要だ。 「取引所を世界規模で運営する米企業と提携している『マネーパートナーズ』は、関連株の筆頭格。 決済技術を大手企業に提供する『リミックスポイント』は、今は好調ですが、今後は株価の動きに注意が必要です。(同氏)」 取引所運営の技術を提供する「カイカ」や、ビットコインによる決済サービスを手掛ける「GMO ペイメントゲートウェイ」など関連10銘柄がるが、ビットコインの暴落が続くなら黄信号がともる可能性もある。 (日刊ゲンダイ = 6-18-17)



仮想通貨 16 億円不正引き出し 警視庁が本格捜査

インターネット上の仮想通貨ビットコインの取引所マウントゴックスの運営会社 MTGOX (東京都渋谷区)が経営破綻した問題で、同社のシステムに不正アクセスするなどの手口で、少なくとも現在のレートで約 16 億円相当の約 2 万 7 千 BTC (ビットコインの単位)が何者かに引き出されていたことが 30 日、捜査関係者への取材で分かった。

警視庁は、電子計算機使用詐欺の疑いで本格的な捜査を開始。 同社から関係資料の任意提出を受け、全容の解明を進める。 MTGOX は 2 月、計約 85 万 BTC が消失したと説明。 3 月には約 20 万 BTC が見つかったとしたが、今回判明した消失額と隔たりがある。 (kyodo = 7-30-14)


中国のビットコイン、せめぎあう規制と自由

上海の繁華街にあるオフィスビル 6 階の一室。 40 人ほどの若者がパソコンに向き合っていた。 ここは、インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」を扱う中国の取引所最大手の「ビットコインチャイナ(BTC チャイナ)」だ。 中国当局の「締め出し」作戦のなかでも、生きていた。 「本当の意味での通貨ではない。」 中国人民銀行が否定的な見解を公表したのは、価格も取引量もピークに達していた昨年暮れのこと。 当局の指導を受けた銀行は、ビットコインの決済から手をひいた。 価格も暴落した。

確かに、中国共産党一党独裁の中国の人民元札にはすべて、毛沢東(マオツォートン)の顔がついている。 国家の縛りを越えてネット上で動き回る架空のお金は、金融秩序を乱しかねない「反体制派」にも見える。 だが、BTC チャイナ最高経営責任者 (CEO)、李啓元(ボビー・リー)さん (39) はあっさりと言う。 「取引自体は禁止されていないよ。 価格の激しい変動を怖がって新たな参入は減ったけど、売買を続けている人は大勢いる。」 参加者の人数は教えてくれなかったが、9 割以上が大学卒以上の学歴で、理科系の 35 歳以下の男性だそうだ。 目的は、投機だ。 (吉岡桂子、asahi = 7-27-14)


ビットコイン取引「世界一」の中国、事実上の取引禁止に

中国の大手銀行が 7 日までに、インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」の取引にかかわる業務を一斉に停止した。 中央銀行の中国人民銀行の指示を受けたとみられる。 中国はビットコインの取引額が世界一とされているが、事実上の取引禁止になる。

中国 2 - 4 位の中国建設銀行、中国農業銀行、中国銀行など大手 6 行以上で、利用者がビットコインを買うために現実のお金を支払うといった決済業務を停止した。 「社会と公衆の財産を守り、マネーロンダリング(資金洗浄)を防ぐため(中国建設銀)」などと説明している。 利用者の多くはネット上にあるビットコイン取引所でビットコインを買ったり売ったりする際、銀行のネット口座を通じてお金を支払ったり受け取ったりする。 こうした決済ができなくなれば、事実上の取引停止につながるとみられる。

中国の経済誌は、人民銀がビットコイン取引の監視を強めるため、4 月下旬に各行にビットコイン取引所向けのお金のやり取りを禁じたと報じている。 中国はビットコインの取引が多く、一時は世界の 3 分の 1 を占めたとされる。 中国の取引が落ち込めば、取引所の運営がさらに厳しくなるおそれがある。(北京 = 斎藤徳彦、asahi = 5-8-14)


ゴックス社、預かり金の返還困難 米で 10 億円トラブル

破綻(はたん)した仮想通貨ビットコインの取引所マウント・ゴックスの関連会社が、米国で無認可で送金を繰り返し、米政府に 500 万ドル(約 5 億円)を差し押さえられていたことが、日米両国の裁判資料で明らかになった。 また、米国企業との業務提携が不調に終わり、500 万ドルが戻らず訴訟になっており、顧客の預かり金計 10 億円の返還が困難になっている。

日米の裁判所に出された資料によると、ゴックス社の米関連会社は昨年 5 月、米国土安全保障省から、現地の金融機関などの口座にあった約 500 万ドルを差し押さえられた。 このお金はビットコイン利用者からの預かり金が原資だった。 発端は、米メリーランド州に住む匿名の情報提供者から、米政府関係者にあった通報だった。 ゴックス社との取引があり、送金の事実を知っていたようだ。

関連会社は 11 年 5 月、米大手銀行に口座を開設。 その際、銀行側は、関連会社に全額出資するゴックス社のマルク・カルプレス最高経営責任者に対し、「両替業務や送金をするのか」などと尋ねた。 カルプレス氏は否定し、銀行側に虚偽の説明をしていた。 実際には日本の銀行口座から、頻繁に送金をしていた。 (篠健一郎、大鹿靖明、稲田清英、asahi = 4-20-14)


ビットコイン「通貨でなく資産」 米内国歳入庁が見解

米内国歳入庁 (IRS) は 25 日、ネット上でやりとりされるビットコインなどの仮想通貨についての指針を公表した。 仮想通貨は「通貨でなく資産」にあたるとして、課税の対象になるとの見解を示した。 指針では、モノやサービスの対価として支払われる仮想通貨は「状況によっては通貨のように機能する」としながらも、「法定通貨として認められるものではない」と指摘している。

仮想通貨は、投資目的で保有される場合は株式のように無形資産として扱われ、売買でもうけた利益は課税の対象になるとした。 ネット上で複雑なプログラムを解いて通貨を「発掘」した場合にも、受け取った対価に課税される。 (ワシントン = 五十嵐大介、asahi = 3-26-14)


20 万 BTC、3 年前の財布に残存 … マウント社

インターネット上の仮想通貨「ビットコイン (BTC = Bitcoin)」の大手取引サイト運営会社で、2 月に経営破綻した「マウントゴックス社(東京)」は 20 日、同社が消失したと説明していた約 85 万 BTC のうち、約 20 万 BTC が残っていたと発表した。

同社の代理人弁護士によると、今月 7 日、2011 年 6 月以前に同社が使っていた、「ウォレット(財布)」と呼ばれるネット上の保管場所を調べたところ見つかったという。 同社は 2 月 28 日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した際、保有するほぼ全てにあたる計約 85 万 BTC が消失したと説明していた。 (yomiuri = 3-21-14)


「創始者ナカモト氏は実在」 ビットコイン問題で米誌

「サトシ・ナカモトは本名だった - -。」 米ニューズウィーク誌は 6 日、世界で話題になっている仮想通貨ビットコインの創始者が実在したとする記事を出した。 「ビットコインの裏の顔」と題する記事によると、ナカモト氏は米ロサンゼルス近郊に住む 64 歳の男性。 大分県別府市の住職の子として生まれ、再婚した母親に連れられ 1959 年に米国に移住した。 金融情報会社や米政府などでエンジニアとして働いた後、ビットコインの開発に携わったという。

記事では、ナカモト氏とされる人物が自宅前で記者に対し、「(ビットコインには)もう関わっていない」などと答える短いやりとりが書かれている。 93 歳の母親と暮らし、「推定 4 億ドル(412 億円)のビットコインを使わず、家に引きこもっている」という。 一方、ナカモト氏とされる人物の母親は 6 日、ロサンゼルス近郊の自宅前で報道陣に対し、「ビットコインについては知らない」と話した。(ワシントン = 五十嵐大介、ロサンゼルス = 藤えりか、asahi = 3-7-14)


ゴックス社の内部情報流出か 自称ハッカーがデータ公表

仮想通貨ビットコインの大手取引所で、経営破綻(はたん)した「Mt. Gox (マウント・ゴックス)」を運営する会社の元社員らの個人情報がネット上にアップされていたことがわかった。 破綻原因とされるサイバー攻撃との関連は不明。 運営会社の代理人からはコメントを得られなかった。

ロシア在住のハッカーを名乗る人物が 2 日、掲示板サイトに公表したファイルを朝日新聞が調べたところ、運営会社の元社員 9 人を含む 18 人分の名前や連絡先、メールアドレスなどがアップされていた。 ハッカーはマウント・ゴックスのサーバーに侵入し、大量の顧客情報も入手したと掲示板に書き込んでいる。

名前があった元社員は「アップの事実を 3 日夜知った。 4 日未明から知らない電話がかかってくるようになった。 マウント・ゴックスのコールセンターに対策を依頼したが、何の反応もない。」と話す。 (須藤龍也、asahi = 3-4-14)


ビットコイン相場が下落 マウント・ゴックス破綻で

ネット上で流通する仮想通貨ビットコインの私設取引所「Mt. Gox (マウント・ゴックス)」を運営する会社が 2 月 28 日に経営破綻したことを受け、ほかの主要な取引所のビットコイン相場は下落した。

ネット上でビットコイン情報を提供している「コインデスク」によると、マウント・ゴックスを除くビットコインの主要 2 取引所の価格指数は、米国時間 28 日午後 7 時半(日本時間 3 月 1 日午前 9 時半)時点では、前日に比べ約 6% 安い 540 ドル前後で取引されている。 ただ、マウント・ゴックスがすべての取引を止める直前の 25 日には約 420 ドルまで急落しており、その水準からみるとかなり戻している。(ニューヨーク = 畑中徹、asahi = 3-1-14)


ビットコインのマウント・ゴックス破綻 民事再生法申請

インターネット上の仮想通貨ビットコインの私設取引所「Mt. Gox (マウント・ゴックス)」の運営会社は 28 日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、経営破綻した。 負債が資産を上回る「債務超過」の状態のため、顧客から預かっていたコインや現金など計約 500 億円分の大半が返せなくなるおそれがある。

申請したのは運営会社「MTGOX (東京都渋谷区)」で、負債総額は約 65 億円。 取引システムに深刻な不具合があり、コインと現金の売買を仲介することができなくなったことから、事業をいったん閉じることにした。 同社の口座で保管していた顧客のビットコイン約 75 万枚が何らかの理由によって失われ、返還を求められてもすぐに対応できないという。

同社のマルク・カルプレス最高経営責任者 (CEO) は同日都内で記者会見し、「(取引の)システムに弱いところがあってビットコインがなくなり、迷惑をかけて申し訳ない」と陳謝した。 代理人の弁護士によると、同社では 2 月初め、送金が正常に行われないトラブルが相次いだ。 原因は取引プログラムの不具合を悪用した外部からの不正アクセスとみられる。 コインが不正に引き出された疑いもある、と主張している。

同社の調査では、顧客から預かったコイン 75 万枚(時価約 410 億円相当)と、自社でもつコイン 10 万枚(約 55 億円相当)の大半がなくなったという。 さらに顧客から預かった現金約 28 億円の大部分も同社の銀行口座になく、消失しているという。 利用者へのコインや現金の返還について、代理人の弁護士は「まったくわからない」としている。

同社はコインや現金がなくなったのは、いずれもハッカーによる不正アクセスが原因とみており、「そうした痕跡もある(弁護士)」という。 今後は外部の専門家と協議したうえで、警察へ被害届を出す方針という。 同社は利用者からの問い合わせに応じるための専用窓口 (03・4588・3921) を設置した。 月曜日から金曜日の午前 10 時から午後 5 時まで対応する。 (篠健一郎、asahi = 2-28-14)

ビットコイン〉 インターネット上だけでやりとりされる仮想通貨。 2009 年ごろに登場した。 国が発行・管理する円やドルなどの通貨と違って、特定の発行者や管理者はいない。 世界各国にネット上の取引所が 20 以上あり、円やドルなどの現金で買うことができる。 最近の交換レートは 1 コイン = 約 550 ドル。 世界で約 1,250 万枚(時価約 7 千億円相当)出回っている。 日本でコインをもっている人はまだ少ないが、欧米を中心に世界の約 3,300 店で使える。


東京のビットコイン取引所、サイト閲覧不能に

インターネット上で流通している仮想通貨「ビットコイン」の取引所、「Mt. Gox (マウント・ゴックス、東京・渋谷)」のウェブサイトが 25 日、閲覧できなくなった。この状況が続けば、この取引所を通じたビットコインと世界各国の通貨との交換などの取引ができなくなるおそれがある。

マウント・ゴックスでは今月初め、ビットコインを引き出すことができなくなり、「システム障害が起きたためで、復旧作業を進めている」と説明していた。 25 日になってサイトの閲覧自体もできなくなったが、この件についてマウント・ゴックスは同日深夜まで何も説明していない。 (asahi = 2-26-14)


世界最大のビットコイン取引所、顧客の引き出し再開

仮想通貨ビットコインの世界最大の取引所を運営するスロベニアのビットスタンプは 15 日、顧客によるビットコインの自動引き出しを再開したと発表した。 同社はサイバー攻撃を受けたあと、4 日間にわたって引き出しを停止していた。

また、東京に拠点を置くビットコイン取引所の Mt. Gox (マウントゴックス)も引き出しを含めた完全復旧に向けてソフトを変更するため、すでに停止している引き出しに加え、預け入れや送金を一時的に停止したと発表した。 預け入れの停止は日本時間 16 日午前 0 時(米国東部時間午前 10 時)までの予定。

Mt. Gox は 1 週間以上にわたってビットコインの引き出しを停止している。 同社が 10 日に不正な引き出し要請があったことを明らかにすると、翌 11 日にはビットコインの共通インフラの一部がサイバー攻撃を受けた。 Mt. Gox は引き出しを再開する前に変更したソフトを点検し、週明け 17 日に最新情報を顧客に通知するとしている。

一方、ビットスタンプは声明を発表し、「徹底的な点検を行い、ビットコインの自動引き出しを完全に復旧させた」と述べた。 ビットスタンプが 14 日、同日中にビットコインの引き出しを再開するとの見通しを示したことを受けと、コインデスク算出のビットコイン指数は 9.73% 上昇した。 引き出し再開は 15 日になって発表された。 決済業者ビットペイのプログラマー、Jeff Garzik 氏は 14 日、ビットスタンプなどの取引所と協力して問題の解決策を探っていると述べていた。 Garzik 氏はビットコインの中核的な開発チームのメンバー。

しかし、本格的なソフトの修復にはさらに時間がかかるとみられる。 修復されるのは「ブロックチェーン(ビットコインの取引履歴)」を管理するプログラムとやり取りするために多くの取引所が利用しているソフト。 ビットコインの業界団体、ビットコイン財団の主任研究者で、開発チームのリーダーでもあるギャビン・アンドリーセン氏はこのソフトへの抜本的な対策が整うのは 16 日からの週になると述べている。

ビットスタンプは声明で、若い技術には極端な事例に対するサイバー攻撃など予見できない出来事が起きるのは当然としながらも、中核的なプログラムの安全性を強調した。 Mt. Gox は今月 10 日、ビットコインのソフトのバグを悪用してユーザーが不正な引き出しを試みたと明らかにしていた。 ユーザーはバグを利用して、実際には完了している支払いが失敗したかのように見せかけて、ビットコインを再び送るように要求していた。

当初、ビットコイン業界では、Mt. Gox がこれまでに判明しているバグの悪用からビットコイン口座を守るための正しい内部手続きを行っていなかっただけとみられていたが、翌日には、ハッカーがそれまで発見されなかったバグを悪用、問題が拡大した。 (Michael J. Casey、The Wall Street Journal = 2-16-14)