第一稀元素が工場増設 江津で、44 億円投じ新棟

自動車排ガス浄化用の触媒材料メーカー、第一稀元素化学工業は江津工場(島根県江津市)の増設を決め、島根県、江津市と 26 日に立地に関する覚書に調印した。 同工場の隣接地に土地を取得し、新たな工場棟を建設する。 投資額は約 44 億円で、2019 年 4 月に操業を始める。 操業後 3 年間で 19 人を新たに雇い、従業員数を計 71 人とする計画だ。 県は地域経済の発展につながるとして合計約 7 億円を助成する。

取得した土地は 1 万 1,580 平方メートルで、延べ床面積 4,740 平方メートルの鉄骨 3 階の工場棟を建てる。 18 年 1 月に着工する。 同工場は自動車に組み込み、一酸化炭素や窒素酸化物 (NOx) といった排ガスの有害物質の無害化に使うジルコニウム化合物の製造を手掛けている。

東南アジアなど新興国を中心に自動車の排ガス規制の動きが強まり需要が高まっているため、工場増設を決めた。 第一稀元素化学は江津市のほか、大阪市、福井市にも工場を持つ。 江津工場の増設により、同社のジルコニウム化合物の生産能力は現在に比べ約 10% 高まるという。 (nikkei = 12-27-17)


鳥取西道路、一部の開通延期 地滑り恐れで現場埋め戻し

年内に開通予定だった鳥取西道路の青谷 - 浜村鹿野温泉インター間(4.7 キロ)について、国土交通省鳥取河川国道事務所は 23 日、開通時期が 2019 年夏までずれ込む見込みだと発表した。 道路脇の斜面に地滑りの恐れがあるためで、現場を埋め戻して新たにトンネルを掘ることを決めた。 鳥取西道路は、18 年内に浜村鹿野温泉 - 鳥取西間(12.8 キロ)が開通し、全線が開通する予定だったができなくなった。

同事務所によると、問題の斜面は浜村鹿野温泉インター(鳥取市鹿野町乙亥正)近くで、この日、専門家による技術検討委員会のメンバーが現地を視察した。 メンバーらはその後、鳥取市内の同事務所で開いた会合で、対策工事として、道路を造るために山を切り崩した部分を埋め戻し、トンネルを掘る案を了承した。

メンバーらは斜面の上部の土砂を撤去するなど複数の案を検討したが、トンネルが最も安全性が高いと判断したという。 地滑りの恐れがある区間は来春から 10 万立方メートルの土砂で埋め戻した後、延長約 120 メートルのトンネルを掘る計画だ。 青谷 - 浜村鹿野温泉間は今秋、斜面を安定させるために打ち込んでいたアンカー 4 本が破損。盛り土などの対策工事をし、いったんは今月 17 日の開通を発表していた。 ところが、斜面がさらに広範囲で不安定となっていることが判明したため、開通を延期していた。 (柳川迅、asahi = 12-24-17)


インド企業の名を擁する島根県の農業機器メーカー「三菱マヒンドラ農機」

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楽天トラベル、2017 年訪日旅行(インバウンド) 人気上昇都道府県ランキングを発表

- 伸び率 1 位は島根県 -

楽天株式会社

旅行予約サービス「楽天トラベル」は、2017 年 1 月 1 日(祝) - 12 月 31 日(日)の楽天トラベル外国語サイト経由の予約人泊数(= 予約人数 x 泊数)をもとに、「2017 年訪日旅行(インバウンド) 人気上昇都道府県・人気都道府県ランキング」を発表しました。 外国語サイト経由の予約人泊数は、前年同期比 +52.6% (約 1.5 倍)と堅調に伸びています。 宿泊先を都道府県別にみると、伸び率では島根県が 1 位となり、予約人泊数では東京都をはじめ定番の都道府県がランクインしました。

伸び率順

1 位 島根県 +135.0% / 2 位 三重県 +132.6% / 3 位 鳥取県 +130.9% / 4 位 宮城県 +123.1% / 5 位 鹿児島県 +119.1%

予約人泊数順

1 位 東京都 / 2 位 大阪府 / 3 位 北海道 / 4 位 京都府 / 5 位 福岡県

予約人泊数をベースに、前年同期比の伸び率順に都道府県を順位付けした「2017年訪日旅行(インバウンド) 人気上昇都道府県ランキング」では、島根県が 1 位になりました。 同県内では、「松江・玉造・安来・奥出雲」エリアの予約人泊数が前年同期比 +155.0% (約 2.6 倍)と最も増加しており、特にアクセスが便利な松江駅前や松江しんじ湖温泉の宿泊施設が好調です。

隣県の鳥取県は 3 位にランクインし、米子鬼太郎空港を擁する「米子・皆生温泉・大山」エリアが最も伸びて +166.9% (約 2.7 倍)となりました。 同県では香港からの予約人泊数が最も多く、2016 年の香港航空による米子 - 香港線就航など、国際線の拡充が予約の増加を後押ししたと考えられます。

なお島根県と鳥取県は 2017 年 1 月、両県を横断する広域観光周遊ルート「縁の道〜山陰〜」を紹介するウェブサイトを開設するなど、連携して国内外の誘客に注力しています。

2 位の三重県では、「志摩・賢島」エリアが最も大きく伸び、前年同期比 +378.7% (約 4.8 倍)となりました。 2016 年 5 月に開催された「G7 伊勢志摩サミット 2016」による知名度の向上が、引き続き貢献しているとみられます。 リアス式海岸が美しい英虞湾を一望できる「横山展望台」、水族館、クルージング、シーカヤックなどのマリンスポーツ、海女体験といった、伊勢志摩国立公園の自然や地元の文化に触れられるスポットやアクティビティにアクセスしやすい宿泊施設が人気です。

4 位の宮城県では、2016 年 6 月にタイガーエア台湾が仙台 - 台北線を、2017 年 9 月に Peach Aviation が仙台 - 台北線を就航したことなどから、台湾からの予約が +173.9% (約 2.7 倍)と特に好調です。 5 位の鹿児島県は、2016 年 4 月に発生した熊本地震の影響からの回復がみられ、最も人気の「鹿児島・桜島」エリアが +140.8% (約 2.4 倍)となるなど、順調に伸びています。 (PR Times = 12-19-17)


自分の骨で固定し治療 手術中ねじに加工 島根大

島根大医学部(島根県出雲市)が、患者自身の骨を加工した「骨ねじ」を使って骨折部分を固定する新たな治療に取り組んでいる。 国内初の臨床応用として 10 年間で患者 12 2人に手術し、8 割を超す 10 人は術後の経過が良好という。 研究グループは「骨ねじは異物反応がなく、金属ボルトのように再度の除去手術も必要なく、患者の負担も減らせる」としている。

研究グループの内尾祐司教授らが 15 日に成果を発表した。 内尾教授らによると、骨折の固定手術を行う際、すねなどからピーナツ程度の大きさの骨片を採取。 手術室に置いた加工機を使ってその場でねじに加工し、骨折を固定する。 術後数カ月で周りの骨と同化し、採取した部分の骨も自然に修復されるという。

2006 年に大学の倫理委員会の承認を得て臨床研究を開始。 今年までに 10 代後半 - 60 代の男女 12 人が手術を受けた。 10 人は骨の結合など経過が良好で、うち 7 人は術後 1 年以上経過した。 一方、合併症による再手術が 1 例、退院後の採取部分の骨折が 1 例あった。 研究グループは「手術の成功率は通常の治療と比べても遜色ない」としている。

治療法は人気テレビドラマ「ドクター X」でも紹介された。 島根大は現在、地元企業などと新型の加工機を共同開発しており、今年 9 月に試作機が完成。 従来約 1 時間かかっていた加工時間の短縮、ねじ以外の形状への加工などを目指している。 (山田英之、mainichi = 12-16-17)


ホーランエンヤ、19 年 5 月に開催 10 年に 1 度 島根

江戸時代から続く豊作祈願の船神事「ホーランエンヤ(松江城山稲荷神社式年神幸祭)」について、松江市などは 13 日、2019 年 5 月 18 - 26 日に開催すると発表した。 豪華なのぼりや旗で飾られた船団が大橋川を進む日本 3 大船神事の一つで、10 年に1度実施される。

行事は 18 日の「渡御祭(とぎょさい)」で幕を開ける。 松江城内にある城山稲荷神社の御神霊を船に乗せ、約 10 キロ離れた東出雲町の阿太加夜(あだかや)神社まで運ぶ。 中日となる 22 日には阿太加夜神社で「中日(ちゅうにち)祭」、最終日となる 26 日は御神霊が再び船に乗り、松江城山稲荷神社まで戻る「還御(かんぎょ)祭」がそれぞれ開かれる。

会見した松浦正敬市長は「新しい元号となる記念すべき年に実施される。 円滑に進むよう支援したい。」 松江城山稲荷神社の永岡章典宮司は「皆様に参加頂き、成功に終わるようにしていきたい」とそれぞれ語った。 ホーランエンヤは 1648 年に始まったとされる。 十数年ごとに実施されてきたが、2010 年に 10 年に 1 度と決まった。 前回は 09 年で、市によると観覧者は約 36 万 5 千人だったという。 (井潟克弘、asahi = 12-15-17)

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Ruby で作った独創ビジネスはどれ? 島根県が第 3 回グランプリを発表

島根県は 2017 年 12 月 14 日、国産プログラム言語「Ruby」で開発した、独創的な IT 製品・サービスを表彰するイベント「Ruby biz Grand prix 2017」を東京都内で開催した。 このイベントは、島根県発の Ruby を活用してビジネスでイノベーションを起こした事例を表彰するもの。 2015 年から数えて今年で第 3 回目の開催になる。

表彰に先立ち主催者として藤原孝行島根県副知事が登壇。 溝口善兵衛島根県知事のメッセージを代読した。 「全国から 29 の事業の応募があり、いずれも将来性に富む優れたビジネス事例だ。 表彰は、開発しやすいという Ruby の特徴を生かしつつ、技術やサービスの独創性や将来性に優れた事例を選定した。」と話した。

イベントでは、グランプリである大賞のほか、特別賞、FinTech 賞、ソーシャルイノベーション賞の対象として 11 企業を選び、表彰式を行った。 大賞は、人事評価クラウドサービス「コンピテンシークラウド」を手掛けるあしたのチームと、Web サイトの多言語化ツール「WOVN.io」を提供するミニマル・テクノロジーズが受賞した。

大賞を受けたあしたのチームの高橋恭介社長は「今年一番のサプライズ」と喜びを語った。 2008 年創業の同社が Ruby を採用したのは今から 2 年半ほど前のこと。 CTO (最高技術責任者)として、Ruby を使った開発会社の立ち上げで実績を持つ林田幸一執行役員を迎えたことがきっかけだ。

「それまでの 7 年でコンピテンシークラウドの導入企業は 300 社だったが、Ruby を導入してからの 2 年半で、800 社に導入できた。 Ruby は開発生産性の高い素晴らしい言語で、当社を変革できた。 林田 CTO をはじめ開発チームに感謝したい。」と続けた。 大賞を受賞したもう 1 社、ミニマル・テクノロジーズは 2014 年、林鷹治社長が Web サイトの多言語化ツール「WOVN.io」を開発したことがきっかけで設立された。 「当初は 1 人で開発したが、Ruby の高い開発生産性のおかげでサービスを提供できた」と、林社長は振り返る。

林社長はさらに Ruby の国際化にも言及。 「当社には世界十数カ国から、Ruby が好きなエンジニアが集まっている。 優秀なエンジニアを多く擁することで、WOVN.io の成長を加速させることができている。」とメリットを語った。

このほか特別賞には、チーム向けドキュメント共有サービスを手掛ける esa、BGM や効果音といった音楽素材販売サービスを提供するクレオフーガ、モバイルアプリの利用分析やモバイルアプリを使ったマーケティングサービスをそろえる Repro の 3 社が受賞した。 また FinTech 賞はコインチェックとトラスト & グロースの 2 社、社会的な変革をもたらす事業を表彰するソーシャルイノベーション賞はアクトインディ、JapanTaxi、SmartHR、パソナテックの 4 社がそれぞれ受賞した。

表彰式など一連のプログラムが終わった後、審査委員長を務めた Ruby の生みの親、まつもとゆきひろ氏が講評を述べた。 「開発コミュニティに貢献したり、社会的にインパクトを与える要素を複数持つ製品やサービスを提供したりしている企業を選んだ」という。 さらに「一見不可能な取り組みを技術で可能にする人を意味するハックを、Ruby を使って様々な分野で実践していることは大変喜ばしい」と続けた。

Ruby biz Grand prix は来年も実施する予定だ。 「社会や日本、世界をハックによってより良くしていく企業が多く登場することを期待している。」とまつもと氏は締めくくった。 (西村崇、ITPro = 12-14-17)

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プログラミング言語「ルビー」、島根の IT 潤す 誕生 25 年へ

松江市発祥のプログラミング言語「Ruby (ルビー)」が誕生し、来年 2 月に 25 年を迎える。 松江市は 2006 年からルビーを地域振興に生かす取り組みを始め、島根県とともに人材の育成や企業の製品・サービス開発を支援してきた。 県外ベンチャー企業の進出が相次ぐなど、成果は着実に上がりつつある。

「市内の企業や教育現場でルビーの活用が広がっている。 インドなど海外との IT (情報技術)ビジネス交流も始まった。」 松江市の松浦正敬市長は 1 日、市内で開かれたルビー普及のための国際会議「Ruby ワールドカンファレンス」の冒頭、こう強調した。 ルビーは誰でも無料で使え、ウェブサイトや業務システムなどが効率的に開発できる。 松江市が取り組む「Ruby City MATSUE」プロジェクトは、ルビー開発者のまつもとゆきひろ氏が市内に住んでいたことがきっかけで始まった。 松江市は製造業の集積が乏しく、それまでは工場誘致が産業振興策の中心だった。 ルビーを前面に出すことで、地方都市でも拠点を置きやすい IT 産業を呼び込むことを狙った。

JR 松江駅前に 06 年に開設したソフトウエア研究施設「松江オープンソースラボ」は、IT 関連企業の会議や研修に自由に使える場として地元に定着した。 成果は現れている。 松江市内に拠点を設けた IT 企業はプロジェクト開始後、37 社に達した。 今年に入ってからも、IT 人材派遣のパソナテック(東京・千代田)が 9 月に、システム開発のアイルが 10 月に、それぞれ拠点を新設した。

アプリ開発のモンスター・ラボ(東京・目黒)が 14 年に開設した松江の開発拠点には 9 月、インド人の IT エンジニアが初めて入社した。 南部ケララ州出身のポール・ジョー・ジョージさん (22) だ。 松江市が周辺の 4 市や地元企業などと 1 月に実施したインターンシップ(就業体験)で同社を訪れたのがきっかけで松江移住を決めた。 ポールさんは「ルビーはインドでも有名。 日本語を早く上達し、新しい IT 技術を学びたい。」と意気込む。

県全体にも効果は波及している。 島根県は 07 年から IT 産業振興策にルビーを活用しており、15 年度以降、毎年 3 億円台の予算を企業への補助や教育、情報発信など IT 関連に充てている。 県情報産業協会によると、17 年 4 月時点の県に拠点を持つソフト系 IT 企業の雇用は 2,085 人と 09 年同月比で 35% 増え、16 年度の売上高は約 230 億円と 08 年度比 74% 伸びた。

課題は人材の確保だ。 県が今年実施した県内 IT 企業への調査で、「技術者が不足している」と感じている企業は 8 割近かった。 IT 人材の獲得競争は激しく、地元の理工系大学や高等専門学校を卒業した学生が県外の企業に就職するケースが増えている。 このため松江市では小中学校でルビーの体験授業を始めるなど、子供のうちからルビーに親しんでもらう取り組みに力を入れている。 「将来、エンジニアとして育ってほしい(松浦市長)」との期待に応える人材が地元に多数定着すれば、世界有数の IT 集積地として飛躍する可能性もある。 (松江支局長 西村正巳、nikkei = 11-10-17)

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神話の地から最先端の発信を - - IT しまね開業支援事業

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アイル、島根県松江市に「アイル松江ラボ」を開設、Ruby によるシステム開発を強化

株式会社アイルは 2 日、島根県松江市に研究開発施設「アイル松江ラボ」を開設し、プログラミング言語「Ruby」によるシステム開発の強化を本格始動したと発表した。 アイルでは、2017 年 5 月から松江市で次世代サービスの研究開発を行っている。 開発には Ruby を使用しており、よりスピーディーに高度な機能開発を進めるため、開発拠点として Ruby の街を標榜する松江市を採択したという。

これまでは仮オフィスでの業務だったが、松江城近くの古民家風サテライトオフィス用施設「松江城下」に入居し、本オフィスとして 10 月から業務を開始した。 アイルでは、今後は技術者の確保やより高度なプログラミング技術の習得に向け、ラボを拠点に精力的に活動していく。 その一環として、11 月 1 日 - 2 日に松江市で開催される「RubyWorld Conference 2017」に協賛・ブース出展し、ショートプレゼンテーションも行う。 (三柳 英樹、クラウド Watch = 10-2-17)


高校生手作りの野菜や加工品販売 松江の産直市で

県内の高校生らが 9 日、松江市学園南 1 丁目のくにびきメッセで開かれた「ぎゅぅ〜ッと島根 大産直市(JA しまねなど主催)」に出店し、学校で手作りしてきた野菜やヨーグルトなどの加工品を販売した。 松江農林、出雲農林、邇摩、矢上、益田翔陽の 5 校から 2 人ずつの 10 人が参加した。

松江農林 2 年の恩田詩織さん (17) と岩谷凌君 (17) は、キャベツや白ネギなどの野菜と紫芋やボタンなどのジャムを販売。 恩田さんは「夏暑い中、袖をまくって作ったジャムを求めて下さるのがうれしい。」 岩谷君は「種から育てたものが売れた。 進学して、将来は島根の農業に関わっていけたら。」と話した。

県農業経営課の仁田学さんによると、県内では農業系の高校への進学者は多いが、担い手としてつながっていないという。 「作って、加工して、売るという体験を通して、1 次産業としてだけでなく広い視点で農業をなりわいとして考えるきっかけにしてもらえれば」と力を込めていた。 (内田快、asahi = 12-10-17)


LED 照明 頭部に装着 体勢を変えてスイッチ 島根大など開発

看護・介護現場向け 患者対応しながら照らす

島根大学は 4 日、発光ダイオード (LED) 照明製造の Do ライト(島根県出雲市)、パソコン製造の島根富士通(同)と共同で、看護・介護現場用の LED 照明を製品化したと発表した。 看護師らの頭部に装着し、体勢を変えるとスイッチが自動で入る仕組み。 患者対応で両手がふさがっていても操作しやすい。 Do ライトが今月 18 日に販売を始める。 商品名は「ハンズフリー LED ライト」。 ライト部が耳の上になるようにバンドで装着する。 斜め下を見るように頭部を 60 度傾けると、約2秒で自動点灯する。センサーに触れると光り方を切り替えたり、消灯したりできる。

巡回時に広い範囲を照らす「ワイド」と、患者への処置時などに狭い範囲を照らす「スポット」の 2 種類の光を選べる。 患者がまぶしさを感じにくい照明方式を採用したため、懐中電灯やペンライトを使う場合に比べ、光によるストレスを抑えられるという。 パソコンなどに接続して充電し、最長 7 時間連続で発光する。 重さは 37 グラムと軽量で、価格は 1 万 9,000 円。 まず島根大医学部が年内の導入を決めた。 来年 1 月からは医療機器商社を通して全国の医療機関や介護施設向けに発売する。 同年 3 月までに 1 万 7,000 台の販売を目指す。 (nikkei = 12-5-17)


島根・大東町の小学校に県内初のコウノトリ人工巣塔

雲南市大東町の小学校校庭に 28 日、国の特別天然記念物コウノトリの人工巣塔(すとう)が設置された。 市内では 5 月、ヒナを育てていた親鳥が猟友会員に誤射された。 再び野外で営巣することを願って企画した地元の春殖(はるえ)地区振興協議会会長の石川幸男さん (71) は「コウノトリが雲南の環境を好んで住んでくれる地域づくりを目指したい」と意気込んだ。

大東町仁和寺の市立西小学校の校庭の端に全校児童 165 人が集まり、直径約 1.6 メートルの巣台に材料となる木の枝を並べた。 作業員が巣台をクレーンで高さ約 11.5 メートルのコンクリート塔の先端に設置すると、子どもたちは大きな拍手をして喜んだ。 人工巣塔は誤射事故で縁ができた、コウノトリの生態調査などをする NPO 法人コウノトリ湿地ネット(兵庫県豊岡市)が寄贈。 雲南市がヒナの生育環境に適していることに加え、一帯で目撃情報が多い西小が設置場所に選ばれた。 湿地ネットによると、巣塔は県内唯一で、学校敷地内に設置されるのは豊岡市の小学校に次いで全国 2 例目という。 (市野塊、asahi = 11-29-17)


ヘルプマーク 来月から交付開始 島根

内臓の障害や難病、妊娠初期など援助や配慮が必要なのに見た目では分かりにくい人に、県は来月 1 日から「ヘルプマーク」と「ヘルプカード」を配る。 カバンなどにつけたり周囲に見せたりすることで優先席を譲ってもらうなどのサポートを呼びかける。 マーク、カードとも名刺大。 マークはストラップ式のプラスチック製で、赤地に白で十字とハートの表示が記されている。 両面同じデザインで、片面にシールを貼って障害の内容や緊急連絡先を記載することもできる。 カードは十字とハートの表示のほか県観光キャラしまねっこを記載。 配る分に加え、県障がい福祉課のホームページで公開し自由に印刷して利用できる。

同課によると、心臓や腎臓に病気がある人や妊娠初期の人は立ったままがつらくても席を譲ってもらえなかったり、優先席に座るのがストレスになったりすることがあるという。 ヘルプマークは東京都が 2012 年に始めたのが他の道府県や市町村にも広がり、各地で導入されているという。 同課や市町村の障害福祉担当課で無料で受け取ることができる。 (奥平真也、asahi = 11-27-17)


鳥取砂丘でポケモン GO の催し「100 匹以上捕まえた」

スマートフォン向けゲーム「ポケモン GO」と連動した大規模イベント「ポケモン GO サファリゾーン in 鳥取砂丘」が 24 日、鳥取市の鳥取砂丘で始まった。 例年ならこの時期の観光客は 1 日 1 千 - 3 千人程度だが、この日は午後 3 時の時点で約 1 万 5 千人が訪れるなど、砂丘が「ポケモントレーナー」でにぎわった。 26 日まで。 期間中、砂丘には通常国内では発生しないポケモンの「バリヤード」や希少な「アンノーン」が出現する。

周辺駐車場は 23 日夜から埋まり始め、24 日午前 8 時半ごろにはほぼ満車に。 周辺の商業施設からのシャトルバスも待ち時間の見込みが 3 時間となった。 土曜となる 25 日は、県がバスの台数を増やし対応する。 大分市の会社員河野久恵さん (27) は「100 匹以上は捕まえたと思う。 はるばる来たかいがあった。 もう少しアンノーンが出てくれれば。 九州でもやって欲しいです。」と話していた。 県は地域活性化を狙って、ゲームが公開された昨年 7 月に鳥取砂丘での「ポケモン GO」のプレーを推奨する「スナホ・ゲーム解放区宣言」を出している。 (柳川迅、asahi = 11-24-17)


若い世代がしまね流エコライフを考える 島根

(島根)県内を舞台にした環境に優しい暮らし方の将来像を検討してきた若い経営者や学生たちが、結果を県に提言した。 地球温暖化を防ぐための「生活者目線」の対策やアイデアが盛り込まれている。 メンバーは 20 - 30 代のボランティアの 12 人で環境アドバイザー、経営者、学者、島根大の学生らさまざま。 県は 2020 年度までに二酸化炭素の排出量を 1990 年度より 23% 減らすことを目指しており、一般家庭からの排出削減を進めため参考意見を集めようと呼びかけた。

議論は 6 月から始まり、計 6 回の検討会を重ねた。 島根大生約 260 人にアンケートを実施し、若者の志向する暮らし方や消費に対する考え方を調べた。 東京まで出向き、都会に住む県出身者と意見交換することもあった。 出された意見は「宅配便の再配達を避けるため、なるべくコンビニで受け取る」、「空き蔵をリフォームしてコレクション所蔵用に貸し出す」、「小水力や木を使った発電方法を導入する」など。 暮らしやコミュニティーづくりに注目した内容だ。 メンバーの清水妙子さん (33) は、洋服を買う際に再利用を視野に入れることなど主婦の立場から意見を出したという。 「エコだけではなく、まちづくりなどにつながる可能性を感じた。」

田舎に住みたい学生も一定数いると話してくれたのは島根大 4 年で生物資源学部の河西海里さん (22)。 多様な立場の意見を聞いて考えが広がったといい、「社会に関心を持って動いていきたい」と話した。 メンバーは今月半ば、県に提言した。 皆でまとめた検討結果をスライドで説明し、未来の生活をイメージしたイラストも添えた。 報告を受けた藤原孝行副知事は「来年度以降の施策に生かしたい」と話した。 (市野塊、asahi = 11-21-17)


認知症早期発見のための AI 診断開発へ 島根大、再来年度実用化目指す

認知症の前段階とされる軽度認知障害 (MCI) の早期発見のため、人工知能 (AI) を用いた画像診断法を開発すると、島根大と民間シンクタンク「ERISA (松江市)」などが 20 日、発表した。再来年度中の実用化を目指す。 認知症は、脳の障害により知的機能が徐々に低下する。 MCI を経て発症し、進行すると治療が難しく、早期の発見が重要となる。 患者を対象としたこれまでの研究で、脳が萎縮する前に、脳の特定領域の血流に変化が生じることが分かっている。

開発する手法では、磁気共鳴画像装置 (MRI) により得られる脳内の血流変化の様子を捉えた画像などを多数、AI に学習させ、MCI に特徴的な変化や兆候を見つけ出し、高精度で早期の MCI 診断に役立てる。 従来は、脳の萎縮を画像で見て判断するなどしていたが、医師により熟練度に差があった。 認知症患者の萎縮した脳の画像を AI に学習させる実証研究では、90% 以上の精度で判別できるようになったという。 島根大医学部とヘルスサイエンスセンター島根(島根県出雲市)が医療データの提供や研究に当たり、ERISA が AI 利用や事業化を担う。 (sankei = 11-20-17)


島根県益田市に見る "ポスト" コンパクトシティのクラウド活用術

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島根・有福温泉「樋口」の経営会社が破産開始、負債 4 億円

東京商工リサーチ (TSR) によると、島根県江津市の有福温泉で老舗旅館「樋口」を経営していた有福観光はこのほど、松江地方裁判所浜田支部から破産開始決定を受けた。 負債総額は 3 億 9,903 万円。 業況不振から今年 3 月には従業員を解雇し、事業を停止していた。

有福観光は 1955 年に設立。 有福温泉は「美人・美肌の湯」として知られ、ピーク時の年間来訪者数は約 30 万人に上ったが、近年は減少傾向にあった。 そのような状況のなか、同社は 2006 年 12 月期に「隠れ家」をコンセプトとする大規模リニューアルを実施。 団体客主体から個人客主体の営業スタイルに転換して宿泊者を増やしたが、その後は 10 年に近隣で火災が発生し、13 年には島根県西部豪雨の影響を受けるなど、不運が続いていた。 (TravelVision = 11-15-17)


島根で世界遺産サミット 五輪に向け魅力発信

世界遺産がある自治体の関係者が魅力発信や活用について話し合う「第 4 回世界遺産サミット」が 10 日、石見銀山のある島根県大田市で開かれた。 2020 年東京五輪・パラリンピックに向けて魅力を国内外へ発信するため、世界遺産間の連携に取り組む「石見銀山宣言」を採択した。

同市によると、15 都府県の 23 市区町村、青森県、滋賀県が参加。 首長らによるパネルディスカッションでは、岩手県平泉町の青木幸保町長が「周辺自治体とも連携しながら魅力を発信していくことが重要ではないか」と話した。 昨年登録された「国立西洋美術館」の東京都台東区の荒川聡一郎副区長は、近隣の科学博物館などと連携し、「東京五輪に向け、観光地としての魅力を上げることを目指している」と述べた。 「白川郷・五箇山の合掌造り集落」の富山県南砺市の田中幹夫市長は「保全と活用について、集落に住む人と行政などが集う場をつくることが重要だ」と話した。 来年は兵庫県姫路市で開催する。 (kyodo = 11-10-17)


「天空の朝ごはん」人気 山頂で地元食材楽しむ 島根

山頂で日の出を見ながらパンやコーヒーを楽しむイベント「天空の朝ごはん」が、島根県で人気を集めている。 これまでに世界遺産・石見銀山がある大田市などで、パン屋やカフェが中心となって 20 回以上実施し、延べ約 700 人が参加。 地元の食材を使ったメニューが並ぶ朝食が話題を呼び、県外からも参加者が訪れている。

10 月下旬の午前 5 時 20 分ごろ、大田市の三瓶山の観光リフト乗り場に約 30 人が集まり、太平山(854 メートル)山頂へ。 辺りが真っ暗なうちに登り、空が白み始めるころ、地元の牛乳を使った食パンなど 9 種類のパンがテーブルに並べられた。 パンは石見銀山の麓でドイツパン屋「ヒダカ」を営む日高晃作さん (36) が作ったもの。 地元のサツマイモを使ったスープや、「カフェ・カリアーリ石見銀山本店」店長の有藤朗さん (43) が入れたコーヒーも振る舞われた。

日の出眺めながら

参加者らは澄んだ空気の中、日の出を眺めながら朝食を楽しんでいた。 大田市の野津英夫さん (69) は数回参加しているリピーターで、「山頂から朝日を見ていると、心が洗われるようだ」と笑顔を見せた。 日高さんの友人が兵庫県で同様のイベントをしていたことがきっかけで、昨年 6 月に初めて 2 人の店がある大田市大森町の山で開催した。 徐々に三瓶山や同県川本町の山などに実施範囲を拡大。 初日の出を拝むイベントも企画している。 日高さんは開催地によって使う食材やパンの種類を変えており「それぞれの地元食材を使ったパンを楽しんでほしい」と意気込む。 参加費は大人 2 千円。問い合わせはカフェ・カリアーリ、電話 0854・89・0879。 (sankei = 11-9-17)


浜田でノドグロつみれ鍋  5 千食を大鍋でぐつぐつ 島根

高級魚ノドグロを使ったつみれの鍋料理が楽しめる「BB 大鍋フェスティバル 2017」が 4 日、浜田市原井町のしまねお魚センター周辺であった。 水産都市の秋の風物詩で、時折雨が降る中、約 1 万 5 千人が訪れた。

鍋は北前船をかたどった全長 6 メートル。 浜田商工会議所青年部が前日から準備を始め、ノドグロ入りのつみれ 5 千個や白菜 300 キロ、大根 100 キロ、青ネギ 80 キロなどを入れて約 5 千食を作った。 「あご(トビウオ)」だしを使い、日本海の魚介類の魅力が凝縮した。 浜田市の県立大 2 年、梶瑞希さん (19) は友人 2 人と一緒に初めて会場を訪れた。 鍋を味わい、「食感がフワフワしたつみれがおいしかった」と喜んでいた。 (礒部修作、asahi = 11-5-17)


出雲で「日本の祭り in しまね」開幕 高円宮久子さまご臨席

国内外の伝統芸能が一堂に集まる「日本の祭り in しまね 2017」が 4 日、島根県出雲市の市民会館で開幕した。 高円宮妃久子さまが臨席され、記念式典や公演などが行われた。 5 日まで。 平成 5 年から全国回り持ちで年 1 回開かれている地域伝統芸能全国大会で、島根県での開催は平成 9 年以来 20 年ぶり。 「『ご縁』でつながる祭りの力」をテーマに、台湾とインドネシアの海外 2 団体を含む各地の団体が出演。 同会館をメインに、出雲大社周辺や同県浜田市の石央文化ホールなどで 2 日間にわたり、さまざまな伝統芸能を披露する。

同会館で行われた記念式典で、主催する地域伝統芸能活用センターの中村徹会長が挨拶。 同センターの名誉会長を務める久子さまは「日本人にとって祭りや伝統芸能は心のふるさとであり、人々の心をつなぐもの。 国際交流にもつながる。」と話された。 引き続き表彰式があり、各受賞者が久子さまからメダルを授与された。 この後、ステージでは、地元・出雲市の大土地神楽や、鹿児島県南種子町の蚕舞などが披露された。 (sankeI = 11-5-17)


島根県民が熱愛する「赤天」はハムカツ代わりに誕生? 「紹介されて嬉しい」と歓喜も

2 日に放送された、『カミングアウトバラエティ 秘密のケンミン SHOW (日本テレビ系)』では、練り物を特集。 島根県の「赤天」という食べ物が紹介され、ネットで話題になっている。

赤天とは?

島根県民が熱愛するという「赤天」だが名前を聞いてもわからない人が多いだろう。 番組では老舗のかまぼこ店で正体に迫った。 インタビューに対して、店主は …、「タチウオ、エソ、イトヨリなどのすり身を唐辛子で味付けし、食紅で赤く染めて油で揚げたもの。 ハムカツの代用品として広まった。」と、成り立ちを語った。 島根県出身のニッチェ・江上は「赤天」の魅力を語った。 「よく食べたし、みんな好き。 大人になってからはビールのお供に最高です。 なぜなら、練り物の中でピリ辛なものって少なくないですか? 赤天は口に入れた瞬間にすり身の甘みがきて、追うようにピリピリ辛味がくる。 一度食べたらこの赤を見たらヨダレがでるほど食べたくなる。」 一度食べたら忘れられないクセになる味のようだ。

ネット民から歓喜の声

ネットでは「島根県の赤天が取り上げられて嬉しい」などの声が目立っている。

島根県は印象が薄い?

しらべぇ編集部は、全国 20 - 60 代の男女 676 名を対象に「もっとも印象が薄い都道府県」を調査を実施。 およそ 4 人に 1 人が「もっとも印象が薄い」と選んだのは、島根県。 2 位となった鳥取県に 5 ポイント近い差をつけた。 島根県は、日本地図を見ても場所がわからない人が多いと言われるほど印象が薄い県であることが現実だ。 しかし、今回の放送で「赤天」食べたいと思った人も多そうだ。 今後は、「赤天」を大きく売り出すことで島根県の PR になれば、印象が薄い県を脱却できるかもしれない。 (嘉手川裕太。しらべぇ = 11-3-17)


「逆さイチョウ」も 金言寺で見ごろ 奥出雲町

奥出雲町大馬木の金言(きんげん)寺でイチョウの大木が鮮やかに色づいている。 近くの田んぼの水面に紅葉が映り込む「逆さイチョウ」で知られ、写真愛好家たちの撮影ポイントになっている。 イチョウは高さ 33 メートル、幹回り 6 メートルあり、県の天然記念物。 町観光協会などによると、樹齢は 400 年で、700 年とも伝わる。 スケールの大きい紅葉は 3 日ごろまでが見頃といい、「葉が落ちても下に敷き詰められ、違った風情があります」と協会担当者。 5 日まで、地元住民によるライトアップがある。 日没から午後 9 時まで。 入場無料。 近くに有料と無料の駐車場がある。(清野貴幸、asahi = 11-2-17)


島根の「技」集結 技能フェスにぎわう くにびきメッセ

石工、瓦製造、洋装、建築、造園など様々な職業技術が一堂に会する「しまね技能フェスティバル 2017」が 29 日、松江市学園南 1 丁目のくにびきメッセであった。 計 41 ブースが設けられ、子ども向けの体験コーナーや伝統技能の実演に多くの人が集まった。 様々な物作りの楽しさを広く PR しようと、県技能振興コーナー(県職業能力開発協会内)が主催した。 同市宍道町特産の来待石の商品を手がける来待石灯ろう協同組合はペンダント作りコーナー(無料)を設けた。 あらかじめペンダント型に作った石にハンドドリルで穴を開け、磨いてひもを通すと出来上がり。 担当者は「来待石は軟らかいので工作しやすい。 地元の石のことをもっと知ってほしい。」と話した。

島根電工(同市)による高所作業車乗車体験コーナーには行列が。 子どもたちはヘルメットと安全帯を着用し、ゴンドラに乗り込み高さ 8 メートルにまで上昇、下で見守る親に手を振って応えた。 最高 15 メートルにまで上がり、電柱の作業などに使われている。 体験した市内の小学 1 年永江伸幸君 (6) は「ちょっと怖かった」と言いながらも笑顔だった。 ほか、全技連マイスター会県支部による和服の着付けは女の子に人気。 県鉄筋工事事業協同組合は普段身近に見る機会の少ない鉄筋組み立ての実演を披露した。 県職業能力開発協会の錦織宏樹事務局長は「子どもたちが自ら体験することで、出来れば物作りの道に進んでもらい、技能の伝承につながることを期待している」と話した。 (奥平真也、asahi = 10-30-17)


ひかわ食品加工、業務用食品に本格進出

島根の農産品でケチャップ 東京の飲食店などに納入

水道工事を手掛けるイマックス(島根県出雲市)の子会社で農産物加工のひかわ食品加工(同)は、業務用製品に本格進出する。 これまではトマトケチャップなどを島根県内の土産物店などで一般消費者向けに販売してきたが、新たに東京の飲食店などと取引を始めた。 独自技術を用いて小豆を皮ごとペースト状にした業務用のあんも開発しており、全国の和菓子店などへの供給も目指す。

同社は地元産のトマト、タマネギ、ニンニクなどを使ったケチャップやジュース、ジャムなどを製造販売する。 原料を長時間煮込むことにより、コクや風味を高めている。 一般消費者向けの売上高比率は現在約 9 割だが、業務用の比率を高めて 2 年後をメドに半々としたい考え。 同時期の売上高は 2017 年 9 月期比で 3 倍となる 3 千万円を目標にする。 業務用製品は瓶入りの一般消費者向けとは異なり、密封した袋入り。 まず東京のイタリアンレストラン「クッチーナ イタリアーナ ロッチャドォーロ神楽坂(東京・新宿)」と、福岡市の野菜・果物販売店「ベーカーズマルシェ しあわせな台所」向けにトマトケチャップを納入した。

ロッチャドォーロ神楽坂ではスパゲティなどの具材用に、しあわせな台所では店頭で販売するパンに挟む野菜などの調味料などとして活用している。 両店での採用を機に全国の飲食店への採用働き掛けを強める。 野菜や果物などの皮もまるごとペースト状にできるイマックスの独自技術を用いた業務用製品の開発、販売も進める。 送水などに使うポンプを応用した技術で、果皮も一緒にすりつぶすことができる。 果肉だけを使った商品よりも栄養価が高く、トマトケチャップの場合は抗酸化作用があるといわれる栄養素、リコピンを通常の製品に比べて約 3 倍含むという。

現在一般向けに販売している「皮まるごとトマトケチャップ」を業務用に展開するほか、新たに小豆を用いた製品も開発した。 小豆を皮ごとペースト状にすることで、小豆の皮を取り去らずに粒のまま残した「つぶあん」、皮を取り除いた「こしあん」とは違った味わいを実現した。 イマックスの小松博幸常務は「つぶあん、こしあんに続く『第 3 のあん』として和菓子店や洋菓子店に採用を提案していきたい」としている。 (nikkei = 10-28-17)

ひかわ食品加工 : 1994 年に旧斐川町(現出雲市)の地元農産物を使った加工品を生産する、ひかわ加工グループとして設立。 2008 年に法人化して現社名に変更した。 現在の従業員数は 6 人。 16 年 11 月に水道工事業、イマックスの子会社になった。 イマックスは傘下にリフォーム事業、福祉施設運営事業などの会社を持ち、グループ全体の売上高は 17 年10月期で約30億円を見込む。