ASEAN に円供給枠 4 兆円 金融安全網を提案

麻生氏 米利上げ見据え備え厚く

麻生太郎財務相は 5 日、金融危機時に最大 4 兆円規模の円資金を供給する新たな金融安全網の創設を東南アジア諸国連合 (ASEAN) に提案した。 米利上げを見据え、危機への備えを厚くする。 日中韓 3 カ国と ASEAN は同日、財務相・中央銀行総裁会議を開き「保護主義を含む政策の内向きシフト」が世界経済のリスクとする共同声明を採択した。

アジア開発銀行 (ADB) 年次総会にあわせて開いた会議で提案した。 柱は外貨不足に陥った国の通貨と引き換えに米ドルを供給する 2 国間の通貨交換(スワップ)協定の拡充。 危機時に円を確保しやすくし、相手国のドル依存を解消する。 麻生氏は 5 日、自らの提案について「域内安定へ金融のセーフティーネットを強化する。 関心を示す国と個別に協議する。」と記者団に説明した。

日中韓の財務相と中銀総裁は 5 日、北朝鮮情勢を念頭に「地政学的な緊張の増大」に対応するとし、「あらゆる形態の保護主義に反対する」と表明。 日中韓と ASEAN の財務相・中銀総裁は「多国間の貿易・投資体制を支持する」として、世界貿易機関 (WTO) を軽視する米トランプ政権を暗にけん制した。 また財務省は 5 日、米ドルを供給する従来型のスワップ協定締結でタイ、マレーシアと合意した。 (nikkei = 5-5-17)


日本支援の加工団地 10 年 パレスチナとイスラエル協力

日本が支援し、パレスチナ経済の発展をめざすヨルダン川西岸エリコの「農産加工団地」が建設計画の発表から 10 周年を迎え、記念式典が 23 日、現地で行われた。 出席した岸信夫・外務副大臣は「平和と繁栄を希求すれば、パレスチナがこの地域で誇れる国家を必ずや建設できる。 団地はその一助となる」と述べた。

日本政府は、ヨルダン川西岸とガザでパレスチナ人の暫定自治が始まった 1993 年以降、18 億ドル(約 1,980 億円)近い支援を実施。 団地の開発は、日本とパレスチナ自治政府、イスラエル、ヨルダンが協力し、パレスチナ経済の発展をめざす日本主導の「平和と繁栄の回廊」構想の中核事業と位置づけられている。 日本政府は約 2 千万ドル(約 22 億円)を拠出。 総面積約 112 ヘクタール(東京ドーム 24 個分)の敷地で 39 社が入居契約を結び、6 社が操業を始めている。

「平和と繁栄の回廊」構想には、イスラエルとパレスチナの和平交渉が停滞する中、経済支援を通じて当事者間の信頼醸成に日本が一役買う狙いがあるが、米国が主導した和平交渉は 14 年に頓挫し、再開のめどが立っていない。 岸氏は 23 日、地元産オリーブの葉やジャガイモを使った製品を生産する 2 社を視察。 イスラエルのネタニヤフ首相とパレスチナ自治政府のハムダラ首相とそれぞれ会談し、日本主導の取り組みに協力を求めた。 (エリコ = 渡辺丘、asahi = 4-24-17)


「日本信頼できる?」 韓国 13% 中国 16% 6 カ国調査

公益財団法人新聞通信調査会は、米英仏中韓タイの 6 カ国で今年 2 月、各約 1 千人から回答を得た「対日メディア世論調査」の結果を発表した。 「日本を信頼できる国だと思いますか」とたずねたところ「とても信頼できる」、「やや信頼できる」と答えた人の割合は韓国で 13.8%、中国で 16.9%。 昨年比でそれぞれ 3.4 ポイント、0.7 ポイント下落した。 米では 76.7%、英は 65.4%、仏は 80.4%、タイは 89.0% だった。

知っている日本人の名前を 1 人挙げてもらったところ、米国では安倍晋三首相が 80 人で 1 位に。 2 年前の調査で安倍首相を挙げた人はゼロだったが急浮上した。 2 位は昭和天皇(55 人)、3 位はイチロー(11 人)だった。 中韓タイでも安倍首相が 1 位。 英仏では昭和天皇がトップだった。 政治家や文化人が各国で上位に入ったが、タイではドラえもん(111 人)が 2 位と「健闘」した。

昨年の米大統領選などで事前の世論調査が結果と食い違ったことなどを受けて「世論調査の結果は、人びとの意見を正しく反映していると思いますか」との質問も新設した。 「そう思う」、「ややそう思う」と答えた人の割合は中国とタイで 80% 前後だったが、残る 4 カ国では 50% を下回った。 大統領選を控える仏は最も低い 31.1% だった。 (田玉恵美、asahi = 4-23-17)


「日本へ格安旅行」偽の広告、1 千人空港に足止め タイ

「大阪や京都への格安旅行」という健康食品会社の偽のツアー広告にだまされた約 1 千人が 11 日夜、タイ・バンコクのスワンナプーム空港に詰めかける騒ぎがあった。 タイは 13 日から正月休み。 地元メディアによると、数千人が被害に遭った可能性があるという。 警察は詐欺事件として、会社代表とされるタイ人の女らを 12 日、逮捕した。

12 日に会見した観光スポーツ省などによると、健康食品会社はネット上で「サプリメント食品を買えば、ひとり 1 万 5 千バーツ(約 5 万 8 千円)の格安で 11 日からの 6 日間、旅行ができる」と広告していた。 だが航空機は予約されておらず、11 日には空港に同社の担当者も現れなかった。 申し込んだ人がカウンターに押しかける騒ぎになり、警察や同省職員が対応にあたった。 同省によると、ツアーを募った会社は無登録だった。 ネット上に掲載された同社のツアーパンフレットには、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪市)や京都の温泉などをめぐる予定と記されていた。 (バンコク = 染田屋竜太、asahi = 4-12-17)


BRICS 銀行、足並みそろわず 利害対立が影落とす

中国やインド、ロシアなど新興 5 カ国の共同出資で設立された「BRICS (ブリックス)開発銀行(正式名・新開発銀行 = NDB)」が 1 日、ニューデリーで年次総会を開いた。 今年の融資額を昨年から倍増させる方針を打ち出したが、5 カ国の足並みはそろっていない。 インド出身のカマト総裁は総会で「今年は 15 のプロジェクトに約 25 億 - 30 億ドルを融資する」と表明。 中国主導のアジアインフラ投資銀行 (AIIB) などと協力する覚書も締結した。

「今年は 7% 超の高成長が見込まれている。」 インドのジャイトリー財務相は 5 カ国で唯一の 7% 台の経済成長率を誇ったが、ロシアやブラジルは足元でマイナス成長に落ち込んだ。 南アフリカもふるわない。 カマト氏は「新興国経済は昨年より回復基調になる」とみるが、経済の減速や各国の利害対立が NBD の運営に影を落としている。

持ち直してきたとはいえ、原油価格の下落は資源輸出国のロシアやブラジルの経済を低迷させた一方、原油輸入国のインドにとっては恩恵が大きい。 世界経済を牽引してきた中国は内需に陰りがみえ、輸出拡大を目指しているが、インドは安価な中国製品の流入に反発している。 中国に NDB の主導権を握られることを懸念し、5 カ国の出資割合が均等になった経緯もある。

NDB は、途上国の開発を後押しする組織を BRICS 主導でつくり、需要が旺盛な新興・途上国のインフラ整備などに融資する狙いで 2015 年に設立された。 BRICS という枠組みは 00 年代前半に世界経済の成長株として注目されたことが発端だった。 インドの政策研究所のカシュヤプ・アローラ研究員は「高成長という共通項が失われ、BRICS の存在意義が問われている」と話す。 (ニューデリー = 奈良部健、asahi = 4-1-17)


米アメリカン航空、中国南方航空に 222 億円出資

【ニューヨーク = 稲井創一】 米航空最大手アメリカン航空は 28 日、中国航空最大手の中国南方航空に 2 億ドル(約 222 億円)出資すると発表した。 両社はコードシェア便などを互いに提供し、それぞれの顧客に対して路線網の充実を図る。 両社は互いに異なる航空連合に属しているが、成長が期待できる米国と中国を往来する旅客需要を取り込むためグループの垣根を越え連携する。

「世界で最も大きい航空会社 2 社が連携することで、決定的に重要な米中市場で広範な路線を提供できる。」 アメリカン航空のロバート・イソム社長は 28 日の発表文でこうコメントした。 国際航空運送協会 (IATA) によると 2015 年の旅客数ランキングでアメリカン航空は世界首位、中国南方は 4 位で、米中のトップ同士が手を結ぶ。

今回の出資を契機にアメリカンと中国南方は、互いの便を実質自社便としてそれぞれの顧客に提供するコードシェア便を始める。 アメリカンは中国南方の路線をコードシェア便として活用し、北京から中国国内へ約 40 地点、上海から約 30 地点もの目的地を増やす。 一方、中国南方はアメリカンの路線を活用して、北米や南米で約 80 地点の目的地を追加する予定だ。

中国と米国を往来する需要の取り込みを巡っては、15 年にデルタ航空が同じ航空連合スカイチームに所属する中国東方航空に 4 億 5,000 万ドルを出資し、コードシェア便の運航などを始めた。 ユナイテッド航空は米系で最多の米本土と中国を結ぶ直行便を運航しているほか、同じスターアライアンスの中国国際航空とも連携している。 ワンワールドのアメリカン航空は同じグループの香港キャセイパシフィック航空と長年提携していたが、中国国内の路線数は限定的だった。

一方、デルタ航空が提携先に中国東方を選んだことでスカイチームの中で中国南方は宙に浮いた存在になっていた。 米中の伸びる旅客を取り込むには、グループの垣根を越えても提携しなければ競合に対して出遅れかねないと、今回、アメリカンと中国南方の思惑が一致したようだ。 今後、中国南方がワンワールドに移籍する可能性もありそうだ。

米航空大手 3 社が中国航空会社と相次ぎ提携する背景には、中国国内で路線網を拡充するだけでなく、中国を拠点とし、提携先の便を活用して東南アジア方面への路線網を中長期的に充実させたい考えもある。 アジアのハブ空港を目指して中国の主要国内空港では整備も進んでいる。 これまで米系航空会社にとって東南アジアへの主な乗り継ぎ拠点だった成田空港は存在感を問われることになりそうだ。 (nikkei = 3-29-17)


AIIB、13 の国・地域の参加を承認 カナダなど

[北京] 中国が主導するアジアインフラ投資銀行 (AIIB) は 23 日、カナダなど 13 の国・地域の参加を新たに承認したことを明らかにした。 参加国・地域はこれで 70 となった。 AIIB はウェブサイトに掲載した声明で、新メンバーを迎えるのは設立後初めてだとした。 今回承認したのはカナダ、ベルギー、エチオピア、ハンガリー、アイルランド、ペルー、スーダン、ベネズエラ、香港、アフガニスタン、アルメニア、フィジー、および東チモール。 AIIB の金立群総裁は「ほぼ全ての大陸にメンバーができたことを誇りに思う」と述べ、「年内にさらなる参加申請を理事会で審査する」と表明した。 (Reuters = 3-23-17)

前 報 (9-2-16)


G20 と対照的 - 中国の経済フォーラム参加者は保護主義反対で一致

中国・北京での経済フォーラムに集った世界の要人はいずれも保護主義に反対する立場を示し、トランプ米大統領の政策に異を唱えた。 その一方で中国に対しては、一部から重商主義的とみられている行動を抑制するよう警告した。 ドイツで 18 日閉幕した 20 カ国・地域 (G20) 財務相・中央銀行総裁会議は声明に反保護主義の文言を盛り込めなかったが、19 - 21 日開催の中国発展ハイレベルフォーラムの参加者らは保護主義反対で結束した。

2001 年の中国の世界貿易機関 (WTO) 加盟の際に米通商代表部 (USTR) 代表として中国首脳と交渉に当たったシャーリーン・バシェフスキー氏は同フォーラムで参加者らに、「低賃金国との貿易で、中国は米国の非難の矢面に立たされている」と述べた上で、「米中両国は共に、開かれた世界市場の実現で非常に大きな責任を負っている。 中国にとっては国内経済のさらなる改革と開放を意味し、グローバル化が正当性を保つには差別的措置の撤回も不可欠だ」と説明した。 (Bloomberg = 3-21-17)


【G20 財務相・中央銀行総裁会議】 「通貨安競争回避」で取り残された日銀 政策見直し迫られる可能性も

G20 財務相・中央銀行総裁会議では通貨安競争の回避が改めて確認されたが、今後、日銀の金融緩和が通貨安誘導と批判される懸念は残る。 米国が利上げのアクセルを踏み、欧州も緩和の出口を探る中、日本のみが大規模緩和の継続を打ち出しているからだ。 今後、各国の対日貿易赤字が膨らむと「輸出企業支援のための円安誘導」と受け取られ、他国と摩擦が強まる恐れもある。

「金融緩和は 2% 物価目標のため。」 G20 で麻生太郎財務相はこう強調し理解を求めた。 市場に大量のお金を流す金融緩和は金利低下による通貨安を招きやすいが、日銀もこれまで「為替は 2 国間の金利差のみでは決まらない(黒田東彦総裁)」と主張してきた。 しかし、15 日に米連邦準備制度理事会 (FRB) が政策金利を 0.25% 引き上げる追加利上げに踏み切ったことで、世界のお金は高い利回りを求めて米国に流入しやすくなる。 今後は円売りドル買いの動きが強まりやすい。

欧州中央銀行 (ECB) も「デフレのリスクはおおむね消えた(ドラギ総裁)」として金融政策の転換を模索し始めた。 緩和が縮小されれば、対ユーロでも円安が進むとみられる。 欧米が金融政策を正常化しようとする中、日本のみが金融緩和を継続すれば、「円安を狙っている」と批判される恐れもある。 ただ、日本の消費者物価(生鮮食品を除く)上昇率は 1 月にプラス圏に浮上したものの、日銀が目指す 2% には遠い。 米国では安定的に 2% を上回っており、欧州も 2% に到達した。

「基調的な物価の動きには(欧米と)差がある。」 黒田総裁は緩和継続の正当性を主張するが、G20 への目配りなど金融政策の難易度は増している。 (飯田耕司、sankei = 3-18-17)

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G20 声明で為替市場に転機か、安定維持の文言削除

[ロンドン] 17 - 18 日にドイツで開催される 20 カ国・地域 (G20) 財務相・中央銀行総裁会議の共同声明は、草案の段階で為替相場の安定維持をうたうお決まりの文言が削除された。 貿易赤字解消のためドル安を望むトランプ新政権の真意を映したとみられ、このままの形で採択されれば為替市場に転機をもたらすかもしれない。 ロイターが入手した草案は、昨年の声明に盛り込まれた為替相場の「過度のボラティリティー」や「無秩序」な動きへの言及が抜け落ち、「競争的な通貨切り下げ」を回避するとの言い回しも削除された。

一方で「行き過ぎた世界的な不均衡」という文言が約 10 年ぶりに復活。 多額の貿易黒字を抱えるドイツや中国を狙い撃ちにしているのは明白だ。 こうした文言の修正からは、米政府が内心では根強い貿易赤字や製造業凋落の原因とされるドル高に苛立ちを感じていると読み取れそうだ。 通貨戦争はだれも望んでおらず、「過度のボラティリティー」などの文言が最終的に復活することもあり得る。 ただ、最終的に声明が草案に近い形になれば、トランプ米政権が為替や貿易に影響力を行使していることを示す明白な証拠となる。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのグローバル金利ヘッドのサイモン・デリック氏は「過去において G7 や G20 の声明文は、具体的な行動を正当化したり、はっきりとした警告を送るのに利用されてきた。 声明の文言が為替政策の変数であるならば、文言の変化は重大な意味を持つ。」と指摘する。 デリック氏によれば、2003 年のドバイ会合の声明が為替レートの「柔軟性」に言及し、04 年のボカラトン会合で「経常収支の世界的な不均衡」という文言が入ると、日本は 04 年に円売りの市場介入を中止した。

G20 加盟国は自国通貨高を望んでいないが、貿易が国際政治の課題に返り咲いたこのタイミングで「世界的な不均衡」という文言が G20 声明に復活するのは、「明らかに強いメッセージを送ることを意図している」と同氏はみる。 G20 の政府高官は、外為市場にどのようなシグナルを発するかについてまだ協議が続いていると述べた。 その上で「どのようなものになるにせよ、絶対に市場に誤解されないようにしたい」と語った。 トランプ新政権は、為替相場を操作して自国製品の競争力を高めているとして、米国の主要貿易相手国 5 カ国のうち日本、中国、ドイツの 3 カ国を非難し、為替市場のボラティリティが高まった。

ドル指数は 1 月に 14 年ぶりの高値をつけ、外為ストラテジストを対象としたロイターの調査では今後 1 年間にさらにドル高が進むと予想されている。 ムニューシン米財務長官は、強いドルは国益にかなうという従来からの米国の主張を繰り返し表明しているものの、短期的には「プラスではない部分がある」と警告。 国際通貨基金 (IMF) のラガルド専務理事に対し、為替レート政策について「率直な」分析を行うよう期待すると述べている。 (Jamie McGeever、Reuters = 3-12-17)


米、中国携帯大手に罰金 1,300 億円 制裁関連で最高額

米商務省、司法省、財務省は 7 日、中国携帯大手の中興通訊 (ZTE) が、米国の金融制裁の対象であるイランや北朝鮮に米国製品を使った通信機器を輸出した罪を認め、罰金など約 12 億ドル(約 1,370 億円)を支払うことで合意した、と発表した。 米国の制裁に関連した罰金としては過去最高額という。

商務省などによると、ZTE は 2010 年 1 月 - 16 年 4 月、米国の制裁で輸出が禁止されているイランの企業に通信機器を輸出。 さらに、米国の安全保障上、輸出が規制されている半導体やサーバーなどを 283 回にわたり北朝鮮に輸出したという。 ZTE の当時の首脳が自ら取引を許可。 社内に 13 人の専門部署を作って電子メールなどの証拠を毎日隠滅し、社員には 100 万元(約 1,700 万円)の罰金を伴う守秘義務契約を結ばせたという。

報道で問題が発覚した 12 年、オバマ前政権が調査を開始。 連邦捜査局 (FBI) などが合同で調査し、中国などによる貿易慣行の不正に厳しい姿勢を示すトランプ政権で罰金が決まった。 ロス商務長官は初の記者会見で「我々の経済制裁を無視するものは、罰せられずにはいられない。 トランプ大統領の指導力のもと、米国の国家安全と労働者を守るため、強力な通商政策を実行していく。」と話した。

昨年 4 月に就任した ZTE の趙先明(ツァオシャンミン)最高経営責任者 (CEO) は 7 日の声明で「ZTE は間違いを認めて責任を取り、前向きな変化に向けて取り組み続ける」とコメントした。 米メディアによると、米当局は中国のスマートフォン最大手、華為技術(ファーウェイ)に対しても同様の調査を進めているという。 (ワシントン = 五十嵐大介、asahi = 3-8-17)


日清紡がメキシコ新工場計画を白紙に 自動車関連材料工場

日清紡ホールディングス (HD) は、メキシコを最有力としていた自動車用ブレーキ摩擦材の新工場計画を見直す。 8 日の決算発表会見で奥川隆祥取締役常務執行役員が説明した。 トランプ米大統領が、メキシコやカナダと結ぶ北米自由貿易協定 (NAFTA) の見直しを表明する中、日系も含め、米自動車メーカー向け部品をメキシコで生産するリスクが大きくなったと判断した。

当初、年内にも工場用地を選定する考えだったが、状況が大きく変化する可能性もあるとして、メキシコ新工場は事実上断念した格好だ。 ブラジルにある傘下企業の拠点から米国に供給する可能性もあるが、米国での新工場建設となる公算が大きい。 メキシコでの生産拠点計画見直しは、旭化成も自動車用機能性樹脂の新工場計画を白紙撤回する考えを示しているほか、旭硝子もフロントガラス工場の増強を見直す方向で検討に入っている。 (sankei = 2-8-17)


アップル、グーグル、MS など 97 社、入国禁止に反対する法廷助言書を提出

Apple、Google、Microsoft をはじめとする 97 社が米国時間 2 月 5 日、Donald Trump 米大統領の入国禁止令を非難する法廷助言書を提出した。 同法廷助言書では、この大統領令は差別的であり、移民法に違反しており、世界中から人材を集められなくすることで米国企業に損害を与えると主張している。 移民やその子供は 200 の米国企業を設立し、それらの企業は年間計 4 兆 2,000 億ドルの売上高を上げていると、この文書には記されている。 その中には、Apple、AT & T、Google、Ford、General Electric、McDonald's、Boeing、Disney などが含まれる。

この法廷助言書は、Trump 大統領の入国禁止令について提訴したミネソタ州やワシントン州を支持するもの。 主にイスラム教国からなる 7 カ国からの入国制限をめぐり、James Robart 連邦地裁判事は 3 日、一時的な差し止め命令を出した。 第 9 巡回控訴裁判所は先週末、差し止め命令の取り消しを求めた申し立てを退けた。 Trump 大統領は、国家を危機に追いやったとして裁判所を非難するように一般大衆をあおっている。

「このいわゆる判事の意見は、本質的にわが国から法執行というものを奪うもので、ばかげており、覆されるだろう」と大統領はツイートした。 「1 人の判事がわが国をこのような危機に追いやるとは、信じられない。 何か起きたら、彼と裁判制度のせいだ。 (悪い)人間が流入するだろう。 ひどいことだ。(Trump 大統領)」

Bloomberg によると、97 社は今週後半に法廷助言書を提出する予定だったが、この大統領令に対する法的な動きが相次いだことを受けて予定を早めたという。 法廷助言書に署名した企業は、Apple、Airbnb、Box、Citrix、Dropbox、eBay、Facebook、Google、Intel、LinkedIn、Microsoft、Mozilla、Netflix、PayPal、Reddit、Salesforce、Snap、Spotify、Twitter、Uber、Wikimedia Foundation、Yelp、Zynga など。

自由な往来とスキルのある移民に大きく依存する IT 業界は、この入国制限を最も声高に批判している。 この入国制限は現在、イラク、イラン、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンの国民が対象だが、他の国にも適用が拡大される可能性がある。 企業らは法廷助言書の中で、米国は長い間、害を及ぼす者から自国を守ることの重要性を認識してきたと主張している。 「しかし、米国への入国を希望する人々に対する身元調査の強化などの管理によって、移民を歓迎するという基本的な信念を貫きながらそうしてきた」と企業らは説明している。 (Liam Tung、C|net = 2-7-17)

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スタバ、難民 1 万人を今後 5 年で雇用 米の入国制限受け

米コーヒーチェーン大手のスターバックスのハワード・シュルツ最高経営責任者 (CEO) は 29 日、トランプ大統領が出した難民らの入国を制限する大統領令を受け、世界中で今後 5 年間に 1 万人の難民を雇用する計画を策定中だと明らかにした。 シュルツ氏は、ネット上に掲載した従業員向けのメッセージで「深い懸念と沈んだ気持ち、そして固い決意でこれを書いている」とした上で、「我々は、この国の良心やアメリカンドリームに疑問符がつくという、かつてない時代に生きている」と、トランプ政権の方向性に懸念を示した。

さらに、大統領令の影響を受けるとみられる従業員のサポートに全力を尽くすと約束。 「戦争や暴力、差別などから逃れてきた人たちを歓迎し、5 年間で 1 万人の難民を世界中の店舗などで雇用する計画を立てている」と明かした。 シュルツ氏はまた、「メキシコとの間に壁ではなく橋を架ける」と明言。 メキシコのコーヒー農家などへの寄付や投資などを通じ、トランプ政権が検討している関税や入国制限などに対応する考えを示した。 同社の従業員に対しては、「あなたたちの声と一票が何より大切になっている」として、政治家に個々の思いを届けるよう呼びかけた。 (ワシントン = 宮地ゆう、asahi = 1-30-17)

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フェイスブック CEO が懸念 難民入国制限の米大統領令

フェイスブック (FB) のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者 (CEO) は 27 日、自身の FB に投稿し、移民や難民の入国を制限する大統領令などに懸念を示した。 トランプ大統領が就任後、シリコンバレーの IT 大手トップが批判的な意見を表明したのはほぼ初めてだ。 ザッカーバーグ氏は祖父母がドイツ、オーストリアなどからの移民で、妻プリシラさんの両親も中国とベトナムからの移民だったと説明。 「米国は移民から成る国で、我々はそれを誇りにすべきだ」、「助けが必要な難民には門戸を開くべきだ」などと、移民や難民受け入れを制限する大統領令に懸念を示した。

また、数年前に中学校で授業をしたとき、「最も優秀だった生徒の何人かは不法移民だった」と明かし、「世界中から集まる優秀な人たちがここ(米国)で生活し、働き、貢献することが、我々の利益にもなっている」とも述べた。 ザッカーバーグ氏の投稿には、数時間で約 23 万人が「いいね!」をした。 シリコンバレーの IT 企業は世界から集まる技術者によって支えられている。 ザッカーバーグ氏ら IT 企業のトップはこれまでも移民を積極的に受け入れるよう訴え、選挙中から反トランプ氏を表明していた人が多かった。 ただ、大統領就任後は目立った発言をする人は少なく、ザッカーバーグ氏が口火を切った形だ。(ワシントン = 宮地ゆう、asahi = 1-28-17)


米国際貿易委、特許侵害でソニーなど 17 社を調査

[ワシントン] 米国際貿易委員会 (ITC) は 18 日、グラフィックプロセッサーや DDR メモリーコントローラーの特許を侵害している可能性があるとして、ソニーを含む 17 社に対する調査を開始した。 調査対象には米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ (AMD) や中国のレノボ・グループ(聯想集団)、韓国 LG 電子、台湾のメディアテック(聯發科技)、米モトローラ・モビリティー、米クアルコムも含まれる。 プロセッサー開発などを手掛ける ZiiLabs が、これらの企業によるスマートフォンやノートパソコン、テレビ、ブルーレイプレーヤー、ゲームシステムの輸入について特許侵害を主張している。 (Reuters = 1-19-17)


今年の世界経済は 2.7% に成長加速、米国政策に不透明感 = 世銀

[ワシントン] 世界銀行は 10 日、最新の世界経済見通しを公表し、2017 年の世界経済は成長が加速すると予想した。 原油や商品相場が持ち直すことで商品輸出に頼る新興国への圧力が和らぐほか、ブラジルとロシアでの深刻なリセッション(景気後退)が終わるとの見方を示した。 最新の見通しでは、2017 年の世界の実質国内総生産 (GDP) 伸び率は 2.7% となり、金融危機後で最低となった昨年の 2.3% から改善する見込み。

先進国の成長率は 1.8% と、昨年の 1.6% からやや上昇する見込み。 新興国および途上国の成長率は 4.2% で、昨年の 3.4% から加速すると予想されている。 世銀のジム・ヨン・キム総裁は「世界経済の低迷が長く続いたが、ようやく成長加速の兆しが見えてきた」とし、「今こそインフラと人材への投資を増やすときだ」との見解を示した。 一方で、2017 年の世界経済にはかなりの不確実性が存在する。 今回の見通しには、米国のトランプ新政権で予想される財政支出の拡大や保護主義的な通商政策の影響は含まれていない。

世銀は 2017 年の米国の経済成長率は 2.2% で、昨年の 1.6% から加速すると予想。 「米経済の成長加速は、その要因が拡張的財政政策であれ何であれ、世界経済全体を力強く後押しする可能性がある」と指摘した。 ただ、成長加速は米国での利上げを招く可能性があるほか、金融環境のタイト化につながり、外部金融への依存度が高い一部の新興国に悪影響を与えかねない。 世銀はまた、米国の経済政策の方向性が不透明なことは、政策が明確になるまで投資が控えられる状況を招き、世界経済の成長の押し下げ要因となる可能性があると指摘した。

中国については、2017 年も成長鈍化が続くと予想。 17 年の成長率は 6.2% で、昨年の 6.7% から低下するとの見通しを示した。 一方、インドネシアやタイなど一部の東南アジア諸国は成長が加速すると予想した。 インドについては、国内の供給面の改革が進み、生産性が向上する中、2017 年は 7.6% 成長と、昨年の 7.0% から伸びが加速するとした。 (asahi = 1-11-17)


日本「少女像」、中国「THAAD」、米国「トランプ」 … 韓国は?

韓国が主要貿易国である日本、米国、中国から外交・安保などを理由にかつてないほどの圧力を受けており、韓国経済が危機に直面している。 釜山(プサン)日本総領事館前の少女像設置と高高度防衛ミサイル (THAAD) 体系の配備を理由に、日本と中国が経済報復を拡大しているのみならず、今月に発足する米新政権によるトランプノミクス(トランプ政府の経済政策)まで韓国経済を圧迫することで対外リスクが拡大している。

6 日、日本政府は釜山の総領事館前の少女像設置を理由に、これまで議論してきた韓日通貨スワップをめぐる協議の中断を一方的に通知した。 そして、中国政府は昨年 2 月に韓国が THAAD 配備を公式化した後、強く反対の意を表明してきた。 これを受け、中国メディアを総括する国家新聞出版広電総局は、「限韓令」方針で韓流コンテンツや韓国芸能人の中国活動を制限するなど圧迫の水準を高めてきた。

また、20 日に発足する米新政府も韓国経済の負担要因になる可能性が大きい。 トランプ政府の経済政策の方向が米国を優先する保護貿易主を積極的に展開するものと予想されているためだ。 このような日米中の攻勢の中で、韓国の柳一鎬(ユ・イルホ)経済副首相兼企画財政部長官は 8 日に開かれた与党・野党・政府間政策協議会で「日本と中国との外交的問題がもしも経済的影響を及ぼすのではないかと考える」とし、「韓国経済の対外的不確実性が大きくなっている」と懸念した。 (韓国・中央日報 = 1-9-17)


ドル指数が年間で 3.7% 高、円は対ドルで 5 年ぶり上昇 = NY 外為

[ニューヨーク] 終盤のニューヨーク外為市場では、円相場が対ドルで 116 円台後半での取引。 年間では約 3% 値上がりし、過去 5 年間で初の上昇となる見込み。 主要 6 通貨に対するドル指数は 10 - 12 月期に約 7%、年間では約 3.7% 上昇。 11 月の大統領選でトランプ氏が当選して以降、大幅な財政出動をめぐる期待がドルを押し上げたほか、米連邦準備理事会 (FRB) の来年の利上げ見通しも買いを後押しした。

市場では、来年もドル高傾向は続く見通しだが、トランプ次期政権がどの程度ドル高を容認するかは不透明で、下落リスクもあるとの声が聞かれた。 FX プリマスのアナリストは「ドルはトランプ政権や中国経済の動向に左右される」と指摘した。

各通貨の年間の動きは、英ポンドが対ドルで約 16% 下落。 2008 年以降で最も値下がりした。 6 月の国民投票で欧州連合 (EU) 離脱(ブレグジット)が決まったことが売りに拍車をかけた。 ユーロは対ドルで 3% 下落、3 年連続の値下がり。 メシキコペソは対ドルで約 20% 安。 トランプ氏の国境警備強化や貿易協定をめぐる発言が影を落とした。 中国人民元は対ドルで 7% 安。 中国経済の減速懸念が売りを誘った。 (Reuters = 12-31-16)


和牛輸出 100 億円到達 1 - 10 月、アジア需要開拓

国産牛輸出が伸び続けている。 2016 年 1 - 10 月の輸出額は前年同期比 18% 増の 100 億円に到達した。 農林水産省などは年末までに 120 億円に届くとみており、過去最高だった 15 年の 110 億円を超える公算が大きい。 アジアでの需要を順調に開拓し、日本の農産物輸出の主力品目に成長しつつある。 和牛の輸出先は香港やシンガポール、米国などだ。 いまや日本の農産物輸出のけん引役で、加工食品や酒類を除くと、リンゴ(133 億円)に次ぐ品目になっている。

茨城県畜産協会によると、16 年 4 - 9 月の「常陸牛」の輸出額は 2,000 キログラムに達し、15 年度実績(1,800 キログラム)を上回った。 ベトナムの高級ホテルや日本料理店で人気という。 「飛騨牛」を生産する山武商店(岐阜県)は「国内に比べ香港やシンガポールは伸び率が高い」と話す。 政府は相手国が求める衛生水準を満たすため、食肉処理の能力を増強している。 今年度は全国 5 カ所の関連施設で輸出条件を満たす態勢を整える計画だ。 今後 3 年で海外から 50 人のシェフを日本に招き、和牛の調理方法を伝授する。 おいしさと品質を訴える。 (nikkei = 12-21-16)


米 FRB 1 年ぶり利上げ 来年の利上げ予想は「年 3 回」

米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会 (FRB) は 14 日、金融政策を決める連邦公開市場委員会 (FOMC) で、昨年 12 月以来 1 年ぶりに政策金利を引き上げることを決めた。 トランプ次期米大統領が大規模な景気刺激策を掲げるなか、来年の利上げ予想は「年 3 回」として、利上げのペースがこれまでの想定より速まるとの見方を示した。

FOMC は 15 日から、短期金利の指標となる「フェデラルファンド金利」の誘導目標を「年 0.25 - 0.50%」から「年 0.50 - 0.75%」に引き上げることを全会一致で決めた。 政策金利は、銀行の預金の利息や自動車ローンなどの金利に影響をあたえる。 これまで金利を低くすることでお金を借りやすくし、景気の下支えをしてきた。 イエレン FRB 議長は声明発表後の記者会見で、今回の利上げ判断について「景気回復の進展への我々の自信の表れだ」と話した。 (ワシントン = 五十嵐大介、asahi = 12-15-16)


中国、米企業にまた制裁金 = 独禁法違反

【北京】 中国国家発展改革委員会の幹部は 14 日付の同国英字紙チャイナ・デーリーに掲載されたインタビュー記事で、近く独占禁止法違反で米自動車メーカーに制裁金の支払いを命じることを明らかにした。 社名には言及しなかった。 このメーカーは 2014 年以降、口頭や電子メールを通じ、販売業者に価格維持を指示。 自由な価格設定を妨げたという。 (jiji = 12-14-16)

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米医療機器大手に制裁金 = 独禁法違反で 20 億円 - 中国

【北京】 中国国家発展改革委員会は 7 日、米医療機器大手のメドトロニックが自由な小売価格設定を妨げたなどとして、独占禁止法違反で制裁金 1 億 1,850 万元(約 20 億円)の支払いを命じたと発表した。 トランプ次期米大統領が、就任した後も対中強硬姿勢を崩さなければ、米有力企業に対する摘発が増える可能性がありそうだ。

同委員会傘下のメディアによると、昨年調査に着手し、今年 4 月に同社を家宅捜索した。 同委は、メドトロニックは販売店に圧力をかけ、病院に納入する際の最低価格を設定するなどして、公正な競争を阻害したと指摘。 「医療機器の価格高止まりで患者の(治療費)負担が増えた」としている。 中国はトランプ氏が中国製品に高率関税を課す方針を表明していることに対し、報復する構えを示している。

中国では昨年、携帯電話向け半導体大手の米クアルコムが独禁法違反で約 61 億元(約 1,011 億円)の巨額制裁金を支払った。 「最近では医療分野が目を付けられている(業界筋)」とされ、日本の関連メーカーも警戒を強めているもようだ。 (jiji = 12-7-16)


1 億円を一斉引き出し 中米の銀行カード情報を使用

東京都など 1 都 6 県の現金自動出入機 (ATM) で昨年 12 月 27 日、現金 1 億 500 万円が一斉に引き出される事件があり、警視庁は、現金を引き出したとして北海道釧路市鳥取大通 7 丁目、無職千葉智之容疑者 (38) ら男 3 人を不正作出支払用カード電磁的記録供用と窃盗の疑いで逮捕し、24 日発表した。 中米エルサルバドルの銀行が発行するカード情報が使われていた。 同様の一斉引き出しは今年 5 月にも発生。 この時は、南アフリカの銀行が発行するカード情報を使って全国 17 都府県の ATM から計約 18 億 6 千万円が引き出された。 手口が酷似していることなどから、警視庁が関連を慎重に調べている。

組織犯罪対策特別捜査隊によると、3 人は昨年 12 月 27 日、東京都品川区のセブン-イレブンの ATM から、エルサルバドルの銀行が発行するデビットカードの情報を書き込んだ偽造カードで、現金計 180 万円を引き出した疑いがある。 3 人は現金を下ろしたことは認めているという。 この日は午前 9 時 - 午後 2 時の約 5 時間で、東京都や神奈川、千葉、埼玉、茨城、群馬、静岡各県のセブン-イレブンに設置された ATM から、計約 1 億 500 万円が一斉に引き出された。 うち 5,300 万円が都内での被害だった。 偽造カードが利用された形跡がある店舗は 1 都 6 県で約 330 店舗にのぼるという。 (asahi = 11-24-16)

関連記事 (6-28-16)


習主席、経済圏の主導権を握る考え 「RCEP 妥結を」

南米ペルー・リマで開かれているアジア太平洋経済協力会議 (APEC) に出席中の習近平(シーチンピン)・中国国家主席は 19 日、APEC の「最高経営責任者 (CEO) サミット」で講演した。 習氏は、中国が主導する東アジア地域包括的経済連携 (RCEP) の「早期妥結を図る」と表明。 アジア太平洋地域の経済圏づくりで主導権を握る考えを明確にした。

習氏は講演で、APEC が掲げるアジア太平洋自由貿易圏 (FTAAP) 構想について、「経済界の友人から『APEC の夢』だと言われた」と紹介して重要性を強調。 その土台として、RCEP を早期に妥結させる必要性を示した。 米国のオバマ政権は昨年、中国抜きで太平洋を囲んだ貿易圏づくりをめざした環太平洋経済連携協定 (TPP) の大筋合意を参加国から取り付けた。 だが、離脱を訴えるトランプ氏の大統領選勝利によって先行きが不透明になっている。

RCEP の交渉には中国のほか、日韓、豪州、インドなど 16 カ国が参加しており、米国は含まれていない。 2013 年に最初の会合がおこなわれたが、先行した TPP の議論を見極めたいとする思惑もあり、交渉が遅れている。 (リマ = 益満雄一郎、asahi = 11-20-16)


中国製鋼材、ベトナム経由で間税回避か米商務省が調査へ = WSJ

米商務省は、中国鉄鋼メーカーが米国の輸入関税を回避するためにベトナム経由で対米輸出しているかどうかをめぐり、7 日にも正式な調査を開始する見通しだ。 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル (WSJ) が関係筋の話として 6 日報じた。 中国の鉄鋼メーカーをめぐっては、同国から輸入されるステンレス鋼板などに対する米商務省の反ダンピング関税仮決定直後に対米輸出をベトナム経由に切り替えたとして、米鉄鋼 4 社が 9 月、米商務省に申し立てを行う意向を示していた。

4 社によると、中国のメーカーは国内で生産した鉄鋼製品にベトナムで腐食防止加工を施したうえで米国へ出荷、ベトナムからの輸入品に適用される米国の関税を支払っているという。 ベトナムからの輸入品の関税は中国製品よりも低く設定されている。 WSJ は、ベトナムでの加工が当該製品をベトナム製とみなすに十分かどうかが鍵になると指摘している。 米商務省はコメントを差し控えている。 (Reuters = 11-7-16)