最後の吉原芸者 四代目みな子姐さん

記録映画「最後の吉原芸者 四代目みな子姐さん」を、渋谷の「Up Link」で見ることができました。 みな子姐さん 85 歳の時より、2010 年 90 歳でお亡くなりになるまでの 5 年間、"追っかけ" で捉え続けられた製作者安原眞琴さんに先ずは敬意を表します。

遊女の街吉原で、江戸時代より歌舞音曲一本で脈々と代を重ねた生粋の芸者 ・・・、その最後の吉原芸者となられた四代目みな子姐さんの三味と唄、苦しい生い立ちに大空襲や吉原廃業など苦難の生活、昼夜休みなく続けられたお稽古、それに粋なお座敷話しを生き生きと笑顔で語っておられるお姿を、カメラは殆どアップで追いかけています。

とても日本舞踊の舞台などでは見られない明治・大正期の俗曲「議員さんの唄」、「東京駅ができたときの唄」、太鼓持ちの芸を彩る「どうぞ叶えて」、「かっぽれ」、「ずぼらん」等々、最後はやはり吉原で生まれた「(吉原)さわぎ」で締めくくられています。 みな子姐さんや二調鼓の二三松さんの前には、常にお客様やひいき筋がおられたことがしっかりと伝わる演技でした。

本編にはない、実際にお座敷で撮られた映像を併せ見せていただきましたが、それがおめでたい長唄「鶴亀」、それでも芸者バージョンはぐっとはしょった短唄です。

装いについては、素人の筆者が口を挟めるものではありません。 ぶれが無く、しっくりと身に着いた日常のお着物姿とだけ付け加えておきます。 お亡くなりになられてもう 3 年とのことですが、生前のお姿を知らないだけに、お酒が大好きでお元気なご様子の映像を通して拝見していると、何故か館内のどこかに隠れていらっしゃるのではないかと錯覚してしまいます。 楽しませていただき本当にありがとうございました。

(竜、8-6-13)

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