AOKI、ビジカジに注力 オリヒカ店舗、10 年で倍増

紳士服大手 AOKI ホールディングスは 28 日、20 - 40 代向けのブランド「オリヒカ」の店舗を、今後 10 年で 300 店に倍増させる方針を明らかにした。 オフィスでのスーツ離れが進む中、オリヒカは職場で着られる「ビジネスカジュアル着」を収益の柱に育てる。

近年は、黒や濃紺などで上下をそろえる「ダークスーツ」を着なくてもよい職場が増え、ジャケットに色や素材が違うパンツを合わせる「ジャケパンスタイル」など、きっちりしすぎない「ビジカジ」が広がりつつある。 オリヒカでも売上高に占めるスーツのシェアは 6 割にまで下がり、残り 4 割のカジュアル商品が伸びているという。 AOKI の青木彰宏社長は「ビジネスの服装は多様化しており、着回しのきく商品を提供していく」と話している。 (asahi = 10-30-15)


ベトナムのアパレル製品輸出の半数、米国に

ベトナムは、税関総局によれば、今年初めの 9 ヶ月間で 170 億米ドル近くの衣料品を輸出し、うち半数近くが米国市場向けであった。 同局のデータによれば、1 月から 9 月までの間で米国向けの繊維衣料品の輸出は 83.3 億米ドル、対前年比 13.6% の伸びを見せた。 これは業界の平均的な成長率である 10% よりも高い数値であった。

米国の次は日本と韓国の各市場が続き、ベトナムからの同時期の輸入額はそれぞれ 20.3 億米ドル(対前年比 6% 増)、15.4 億米ドル(対前年比 0.6% 増)であった。 同国内の衣料品製造業者は、ベトナムと海外各国との間で自由貿易協定 (FTA)、特に環太平洋戦略的経済連携協定 (TPP) が施行されることから今後数年でさらに輸出が増加すると見込んでいる。

TPP によりもたらされる関税の優遇制度により、ベトナムの企業らは米国や日本に対する出荷額を引き上げることができると期待されている。 ベトナムの衣料品は現在米国で 17 - 30% の関税を課せられるが、TPP により税率は徐々に引き下げられ、最終的には 0% となる予定である。 ベトナムの米国に対する衣料品の輸出は近年、毎年 12 - 13% と徐々に増加しているが、米国のその他の市場からの輸入は平均的に 3% しか増加していない。 ベトナムは米国の衣料品輸入全体のちょうど 9% を占めているため、ベトナム企業が出荷額を増加させる余地はまだあるといえる。

欧州連合 (EU) は引き続きベトナムの衣料品にとって重要な輸出市場の一つであり続ける。 EU とベトナムとの自由貿易協定 (FTA) が発行されれば、関税が 0% まで引き下げられるため、ベトナムの衣料品の輸出業者は EU 市場に対して競争力を持つことになる。 またベトナムと韓国やユーラシア経済連合との間の自由貿易協定があれば、ベトナムの衣料品製造業者は、特定の条件を満たせば輸出をスピードアップし多くのチャンスに恵まれるだろう。

関税の引き下げや控除に加え、ベトナムや他の TPP 加盟の 11 カ国から輸入された糸や生地を使用しなければならないという米国主導の TPP の "yarn forward" 原則が、東南アジアに位置するこの国の産業の原材料製造を促進すると見られている。

ただ今のところ、ベトナムの衣料品業界にとって中国からの輸入に大きく依存していることだ。 商工省によれば、ベトナムの衣料品用の原料の 50% 近くは輸入に頼っている。 中国は TPP には参加しないため、ベトナム企業らはもし米国へ製品を輸出する際の税の優遇措置の恩恵を享受する為には、同国のすぐ北に位置する中国からの原料の輸入依存の割合を縮小しなければならない。 ベトナム繊維協会 (Vitas) によれば、外資系企業は国内の 3,000 社以上の繊維・衣料品企業の約 25% を占めるが、国の衣料品輸出高の 60% 以上に寄与している。 (Digima News = 10-29-15)


ゴム素材の「速い水着」開発 大阪の山本化学が製造

大阪発の水着で、東京五輪のメダルをとって - -。 ゴム素材メーカーの山本化学工業(大阪市)は 26 日、競泳用水着「マッハ」を 11 月に発売すると発表した。 2008 年の北京五輪前に話題となった高速水着騒動で、同社はゴム素材を水着メーカーに提供して注目された。 自社ブランドでの製造、販売は初めてとなる。 マッハは一般的な競泳用水着と比べて、体や水との摩擦抵抗が小さいのが特徴だ。 国際水泳連盟の認定を受け、五輪などの公式試合で使える。 価格は男性用で税別 1 万 8 千円、女性用で同 2 万 7 千円。 まず 11 月 5 日から高島屋大阪店で販売する。 (asahi = 10-26-15)


人気急上昇の米アパレル 原価や縫製費まで公開

米国で人気上昇中のサンフランシスコ発のアパレルブランドがある。 ハリウッドセレブも愛用する「Everlane (エバーレーン)」だ。 オンラインのみの販売で店舗はない。 人気の秘訣は、徹底的にコストをおさえ、高品質なアパレルを安価で提供していることだ。 面白いのは、その商品表示だ。 「劇的な透明性」を売りにしており、材料の原価、輸送費、縫製費、関税をサイトで公開している。 たとえば、筆者が購入したトレンチコートの原価は 57 ドル。 店舗では同様の商品を 325 ドルで販売しているが、エバーレーンでは 138 ドルで販売。 こうした内容が商品ごとに記載されている。 実に赤裸々な価格表示である。

創業者のミハエル・プレイスマンさんはベンチャーキャピタルの出身。 原価 7 ドルのシャツが店舗で 50 ドル以上で売られているアパレル業界の利幅の大きさに驚き、2010 年、25 歳でこのビジネスを始めた。 エバーレーンは原価 7 ドルのシャツを 15 ドルで販売している。 有名ブランドと同じ縫製工場で生産しており、ハイブランド並みの品質を維持している。 デザインもシンプルで活用しやすい。 最近、元 GAP のクリエイティブディレクターがメンバーに加わったことも話題となっている。

他にも、販売価格を下げるために様々な工夫を凝らしている。 通常、アパレル業界ではシーズンごとにコレクションが出るが、エバーレーンはほぼ毎週新作をリリースしている。 そして、大量生産することでコストを抑えるのではなく、少量生産にして在庫管理コストを抑制し、売り切る。 筆者も迷っているうちに売り切れた経験が何度かあるので、在庫のあるうちに購入をと思わずクリックしてしまう。

セールは一切しない。 販売経路がオンラインのみなので、これまでの顧客の購入傾向やマーケティングデータを活用して店舗よりも在庫予測もしやすいと思われる。 会員数は 100 万人を超えている。 売上高は公式には公開されていないが、昨年時点で 3 千万ドルを超えていると予想されている。

米国では今、こうした高品質のプロダクトを、中間マージンを削減して安価で提供するスタートアップ企業が人気だ。 男性向けアパレルを提供する「BONOBOS (ボノボス)」、ひげそり商品を販売する「Dollar Shave Club (ダラーシェイブクラブ)」など。 中でも有名なのが、眼鏡とサングラスをネット販売する「Warby Parker (ワービーパーカー)」だ。

従来は数百ドルしたハイセンスな眼鏡を 100 ドル以下で提供している。 コストを抑えるためにデザインはインハウスで手掛ける。 またプロモーションにおいても直接顧客に働きかけることができるソーシャルメディア (SNS) を積極的に活用し、フェイスブックやツイッターのみならず、ピンタレストや、タンブラー、ヴァイン、インスタグラムなどでもファンを増やしている。

他のファッションアイテムと同様にオンライン販売での課題は試着ができない点。 ワービーパーカーは 5 アイテムまで無料で自宅配送し、自宅での試着を促している。 返送も無料である。オンラインからスタートしたが実店舗も構えており、全米に 10 店舗展開している。 中間マージンを極力削減、そして情報公開。 ファッション業界も食品業界のように産地直送化が進むのかもしれない。 (三浦茜、nikkei = 10-23-15)


超速 OEM! アパレル界の Just In Time 生産システム!

売れなければ在庫、売れれば欠品 そんなアパレルの悩みに風穴をあける革命!

アパレル会社が抱える悩み多き課題は欠品や過剰在庫。 大ヒットすれば生産が追いつかず、一方、売れなければ不良在庫となってしまう。 これは企業規模の大きさを問わず、流通販売・アパレル業界など物販を取り扱う企業において共通した悩みだ。 そう言った悩みを一手に解決できるソリューションがある。 ファッションの流れに乗り スピーディーに必要な物を必要な時に、必要な量だけ生産する。

それが株式会社ティーオー(以下、ティーオー)が提供する「Flat World」だ。 このサービス内容は、サンプル生産で最速 3 日・通常生産においては最速 7 日と、短期間で商品企画から完成まで実現できるドリームファクトリーだ。 しかも、注文数は最小ロットでなんと 50 枚 - 可能で在庫を大量に持つ心配もない。 売れ筋を見極めてからリピート注文ができ・補充生産依頼も電話一本で最速 3 日。 このサービスを提供する、代表取締役の、李文平氏(以下、李氏)にお話を伺った。

在庫を抱えず、少量のテスト生産 & 販売/爆発的ヒットすれば、即再生産 & 納品が可能

李氏は、自社アパレル通販ブランド Aimoha を 2012 年に設立。 当時、この Aimoha で生産販売したフリースやレギンスが爆発的にヒット。 楽天だけでも、一日 200 枚以上・3 か月で 1.5 万枚前後もの注文が殺到し、会社設立からたった 6 ヶ月でなんと月商 1 千万円を突破。 しかしこの時、実は折角の爆発的アイテムを売り逃がすチャンスロスがあったのだ。

このままの状況では大量の注文に応じきれない …。 迅速に対応するには、生産工場や海運・空輸や関税システムを見直さなければならない。 それらの問題を徹底的に改善すべく李代表は、中国 - 日本間で交渉を積み重ね、この FLAT WORLD 〜小ロット スピーディー OEM 生産システム〜 を完成させた。 現在ティーオーが提携する生産工場は、それぞれ得意な生地と製作、つまり特性ごとに分野を分けて大小 8 つの工場を持ち、隣接した町に生地業者も控えているので、両者連携でスピーディー生産が可能。 輸出・運輸・通関といった交通整備も全て整えられ、クライアントは安心して企画やブランド経営に集中することができる。

苦労して改善してきた他には例を見ない小ロット・リピート生産・スピード流通システムを、同じアパレル業者にサービスとして提供する。 苦労したからこそ、小さな企業にも提供したいのかもしれない。 取材中も李氏の人柄や熱い思いが十分に伝わってきた。 この人からこのサービスを受けたい。 きっと門戸を叩けば、そう思うに違いないだろう。

現在、この Flat World サービスの問い合わせ窓口では、見積依頼が多く寄せられてる。 商品のサンプル・デザイン画・パターン画などの画像があれば、最短一ヶ月でご希望のオリジナル商品が販売できる。 アパレル EC の夢を叶える生産プロジェクト。 一度、ご相談をされてみては如何でしょうか。 (ECのミカタ = 10-20-15)


消費税率アップも 2014 年国内アパレル市場は微増 ネット通販が底支え

矢野経済研究所が「国内アパレル市場に関する調査結果 2015」を発表した。 2014 年のアパレル総小売市場規模は前年比 0.9% 増の 9 兆 3,784 億円で、消費税率アップによる駆け込み需要の反動減はあったものの、紳士服、婦人服、ベビー・子ども服のすべてで堅調に推移。 百貨店や量販店チャネルが落ち込む中、専門店や通販チャネルが市場を牽引した。

品目別では、婦人服・洋品市場が前年比 1.4% 増の 5 兆 9,086 億円、紳士服・洋品市場が増減なしの 2 兆 5,476 億円、ベビー・子供服・洋品市場が同 0.7% 増の 9,223 億円となり、全品目で前年実績をクリア。 販売チャネル別では、同 2.6% 減の百貨店と同 3.8% 減の量販店は規模を縮小したが、同 2.7% 増の専門店と同 4.0% 増の通販等その他が売り上げを伸ばしている。 矢野経済研究所では、アパレル各社のインターネット通販事業の強化とともに、オムニチャネル戦略が奏功し、ネット通販分野が引き続き伸びていくと分析している。 (FashionSnap = 10-17-15)


部屋着で疲労回復を 特殊繊維で血流を良くする新製品

繊維メーカーのベネクスは、ルームウェア「リチャージプロ」を 12 日から売り出す。 特殊な繊維を使っていて、血流を良くして疲労回復を促すという。 生地に凹凸や締め付け具合の強弱をつけ、マッサージ効果や姿勢の補正機能もあるという。 長袖タイプは税込み 2 万 1,600 円。 半袖とロングタイツもある。 (asahi = 10-11-15)


日本アパレル危機に立ち上がる新制度「J ∞クオリティー」

日本で作られた洋服の「良さ」をどう伝えるか。 生き残りをかけて、ある認証制度がスタートした。

「100 年コート」と呼ばれるトレンチコートがある。 販売するのは三陽商会。 糸を染め、生地を織り、撥水加工を施して最後は青森県にある工場で熟練の職人が縫い上げる。 染め、織り、縫製などすべての工程が日本で行われ、ボタン付けやアイロン掛けにも機械は使わない。 出来上がるまでに 6 カ月以上を要する。 長めにとられた袖丈は、年月を経て袖口が擦り切れた時に修理をしてもバランスがとれるように、という配慮から。 撥水加工は、ドライクリーニング 10 回程度まではその効果が保てるという。

価格は税抜きで 7 万 - 9 万円台と決して安くはないが、しっかりした縫製で長年着られることを思えば納得できる。 同社の梅本祐助さん (35) はこう話す。 「30 年後に織りや縫製の工員が何人残っているか、技術を引き継いでくれる人がどれだけいるか、危機感を抱いています。」 今年 3 月、このコートが「J ∞クオリティー」認証を取得した。 取得の条件は、原料の生産以外のすべての工程を国内で行う純日本製であること。 「縫製だけを日本で、その他の工程は海外で」というケースでも名乗ることのできる「メイド・イン・ジャパン」との差別化のために、日本ファッション産業協議会が始めた新しい商品認証制度だ。

中国やアジア諸国で洋服が安く作られるようになり、国内の工場は次々に閉鎖された。 アパレルメーカーも不振が続く。 一方で、海外ブランドからは日本の織りや編み、染め、縫製などの細やかな技術が評価されている。 それを追い風にして立ち上がった制度だという。 取得には、織りや編みの工場、縫製工場、企画や販売をするメーカーなど、各工程を担う企業単位で認証が必要だ。 9 月初旬の時点で、292 社が認証を受けている。

それら企業で作られた最終的な「J ∞クオリティー」商品は、現在 135 品目。 メンズでは五大陸(オンワード樫山)やダーバン(レナウン)のスーツ、レディースではイネド(フランドル)のダッフルコートやリフレクト(ワールド)のジャケットなどが認証を取得している。 (AERA 2015 年 10 月 12 日号より抜粋、dot. = 10-10-15)

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ピース又吉 ファッション展でマントおねだり「日常でも着られるやつ」

お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹 (35) とモデルで女優の川原亜矢子 (44) が 15 日、都内で開幕した「日本を纏う展 - Japan Quality Clothing -」の記者発表に出席した。

経済産業省が主催し、純国産ファッションの統一ブランド「J∞QUALITY」をアピールするイベントで、独特のセンスでオシャレ芸人としても鳴らす又吉はグレーのスーツで登場。 洋服選びのポイントについては、「ずっと奇抜なもの、いかにインパクトを残すかやったけれど、年齢的なものなのか疲れてきた。 最近は着ていて落ち着く街になじむようなものに目が留まるようになった。」と説明した。

だが、秋冬物で現在探しているのは「マント」だそうで「洋服でも和服でもいけて、日常でも着られるやつなんですけれど、なかなかない。 内側にポケットがあって本やら携帯やらを入れられるようになっているのがいいですね。」と細かく注文。 川原に「作ってもらったらいいじゃないですか」と提案されると、「そうですね。 思いだけ伝えて、ね。」と出展企業に遠回しにおねだりしていた。 (スポニチ = 9-15-15)

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純国産衣類 : 72 商品 223 社を認証 J クオリティー

大手アパレル加盟の業界団体などで作る「日本ファッション産業協議会」は 22 日、今年始めた純国産衣類の認証制度「J∞QUALITY」で、三陽商会のトレンチコートなど 72 商品と、縫製、染色業者など 223 社を認証したと発表した。 同協議会が商品と事業者の認証をまとめて発表するのは初。 商品はこの秋冬から店頭に並ぶ。

認証対象は織り・編み、染色、縫製の 3 工程を国内で行った商品。 生産にかかわる事業者が認証を取得する必要がある。 2 月から申請を受け付け、専門家ら計 14 人が審査。 作り手のこだわりや仕上がりの丁寧さなども勘案した。 制度を支援する経済産業省の寺村英信繊維課長は「衣料品の国産比率は 3% 程度と低い。 世界でも高く評価されている日本の技術を消費者にアピールし、日本のものづくりを盛り上げたい。」と話す。 (野村房代、mainichi = 7-22-15)

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純国産の衣料品に認める「J クオリティー」

織り・編みから染色、縫製までの工程を国内で手がけた「純国産」の衣料品に認める「J クオリティー」の認証制度が今年から始まった。 アジアの消費者からの日本製への評価を追い風に、アパレルは「ものづくり」を前面に出した商品を企画する。

色合い・耐性に自信

都心から電車と車で約 2 時間、埼玉県ときがわ町の山あいにあるダイワインターテックは、コート向けの生地を専門に糸の染色から一貫生産する。 約 1 千平方メートルの工場に入ると「ガチャガチャ」と生地を織る音に包まれる。 30 台の織機は 24 時間稼働している。 野原民夫社長は「光沢感のある色合いと高い耐久性をあわせ持つコート生地は当社でしか作れない」と胸を張る。

綿糸を仕入れると、まず県内の川越市にある自社の染色工場へ。 スレン染めという糸の中に色の分子を結晶化させる方法で染める。 狙い通りの色を出すのが難しく、染料も一般的なものより 10 倍も高いが、その分、深みのある発色が可能で、日光や洗濯に対する耐性が強いという。 できた糸を、ベルギー製の織機などで高密度の綾織りの生地に織り上げる。

同社の生地を使うのが、三陽商会の「100 年コート」だ。 2013 年に設立 70 周年を記念して作った看板商品の一つ。 埼玉から生地を大阪府島本町の大阪染工に運び、水をはじく撥水(はっすい)加工を施す。 最後は青森県七戸町のコート主体の工場、サンヨーソーイングで熟練の職人が縫い上げる。 定番のトレンチコートは 9 万円台で店頭に並ぶ。

今年 3 月、100 年コートは「J クオリティー」を取得した。 日本ファッション産業協議会が今年から始めた業界認証の制度で、条件は原料以外のすべての工程を国内の企業が手がけた「純国産」商品であること。 各工程の企業に認証が必要で、100 年コートの場合は 4 社。 三陽商会の企画担当者は「100 年コートは生地から縫製まで、国内企業の高い技術を集めて作ってきた。 その価値を認めてくれる制度。」と歓迎する。 ダイワインターテックの野原社長も「普段なら黒衣の自分たちにも光が当たった。 消費者に直接アピールできる貴重なチャンスをもらった。」と喜ぶ。

海外で作った生地でも、国内の工場で縫製すれば日本製と表示することができる。 それでも、国内で縫製している衣料品の比率は 4% に満たない。 日本ファッション産業協議会の松田雍晴(やすはる)事務局長は「国内の繊維産業は海外に押されっぱなしだったが、近年は質を求める日本の消費者や海外の観光客の間で日本製への関心が高まっている。 この流れを追い風にしたい。」と話す。

価値伝える工夫も

J クオリティーの認証を取得した企業は 6 月末段階で延べ 159 社にのぼる。 さらに 100 社以上が申請中だ。 今秋冬には商品が約 100 点になる。 国内のアパレルは、ファストファッションなどに押されて不振が続く。 活性化の切り札に J クオリティーへの期待は大きい。 オンワード樫山は五大陸、レナウンはダーバンのスーツの一部商品で認証を取得する予定だ。 認知度が高いブランドだけに、国内のほか、海外のインバウンドの需要も期待する。 五大陸の責任者は「純国産をうたうことで、日本製に憧れを持つアジアからの観光客にアピールしやすい。」

レディースブランドでは、フランドルが毛織物の産地、愛知県一宮市の中伝毛織のウール生地を使ったイネドのダッフルコートで認証を取得する予定だ。 東京スタイルはナチュラルビューティーのカシミヤのコート、ワールドはリフレクトの人気シリーズ「匠(たくみ)ジャケット」で取り組む。

課題は消費者に価値を理解してもらい、購買につなげていくこと。 販売を担うアパレルは「ホームページと連動して宣伝する(三陽商会)」、「接客する販売員にいつも以上に時間を割いて商品の説明をした(オンワード樫山、ワールド)」など工夫をこらす。 日本の消費者は「純国産」をどう見ているのか。 業界団体がファッションに興味のある消費者に行った調査では、「純国産の商品なら、どれくらい高くなっても買いますか」という質問に、「10% 増以内」と答えた人が、4 割強に上ったという。 (田中祐也、asahi = 7-21-15)


地方創生に向け相互支援促進 クロスカンパニーが瀬戸内・玉野市と包括協定

地方創生に向けて包括的な相互支援の促進を図ろうと、アパレル企業「クロスカンパニー(岡山市北区)」が 8 日、同社本社で瀬戸内、玉野両市と包括協定を締結した。 同社が自治体と協定を結ぶのは初めて。 同社の石川康晴社長は「新しい価値を全国に発信したい」と話していた。 地域活性化や移住・定住の促進、少子化対策など、さまざまな分野で相互に連携・協力し、地方創生のための包括的な相互支援を図る。 協定の有効期限は平成 28 年 3 月末だが、3 者のいずれも解消を申し出なければ、1 年間延長される。

締結式で、武久顕也・瀬戸内市長は「市のプロモーションで、同社のデザインや社員の専門性をお借りできれば」と語り、黒田晋・玉野市長は「市職員の研修に専門家を派遣してもらい、広告宣伝や営業などについて教えてもらいたい」と期待を寄せた。 石川康晴社長は「アパレルメーカーとして培ってきたマーケティング力やデザイン力、プロモーション力などが役立つと思う」と話していた。 (sankei = 10-9-15)


"クモの糸" を衣服の素材に ザ・ノース・フェイスが初採用

ゴールドウインが、11 年にわたってクモの糸の人工生成に取り組んでいるバイオ分野のベンチャー企業スパイバー (Spiber) と共同開発したプロトタイプ「ムーン・パーカ (MOON PARKA)」を発表した。 アパレル工業ラインで製造された、人工タンパク質素材が使われる世界で初めての衣服になる。 スパイバーによる人工合成クモ糸素材「QMONOS (TM)」の研究開発は、経済産業省や新エネルギー・産業技術総合開発機構の支援を受けている国家プロジェクト。

今日開かれた発表会で、代表執行役の関山和秀は「今回が実用化に向けた第一歩。 石油の枯渇が懸念されている現状で、環境の持続可能性を考えた新素材として更に注目されるよう、研究開発を進めていきたい」と話しており、「ザ・ノース・フェイス (THE NORTH FACE)」を通じて 2016 年内の製品化を目指すという。 また、同社は今回のスポーツアパレル分野での実用化に向けて、ゴールドウインからの出資 30 億円を含む総額 95 億 8,416 万円の資金調達を行なっている。

「ムーン・パーカ」は、ザ・ノース・フェイスの頂上製品「アンタークティカ・パーカ (ANTARCTICA PARKA)」をベースにしたアウタージャケットで、「QMONOS (TM)」を表地とロゴの刺繍糸に採用。 ザ・ノース・フェイスの原宿店(10 月 10 日 - 18 日)、堀江店(10 月 23 日 - 11 月 1 日)、キャナルシティ博多店(11 月 6 日 - 15 日)、白馬店(11 月 20 日 - 29 日)、サッポロファクトリー店(12 月 4 日 - 18 日)、仙台店(12 月 25 日 - 16年 1 月 10 日)でプロトタイプを一般公開する。 (Fashionsnap = 10-8-15)

前 報 (11-18-14)


岐阜アパレル一堂 駅前問屋街一帯「ギフコレ」開幕

岐阜アパレルの魅力を PR する「ギフコレ 2015AW (ギフコレウイーク)」が 4 日、岐阜市の JR 岐阜駅前の問屋街一帯で開幕した。 岐阜シティ・タワー 43 (同市橋本町)や問屋街一帯の店舗で最新作を紹介している。 9 日まで。 岐阜ファッション産業連合会(野口千寿雄理事長)が岐阜アパレルの活性化を目的に開催。 シティ・タワーでは、メーカー約 25 社が最新の秋冬物約 50 点を展示している。 シルクジャケットやストライプ柄のボトムズのほか、チュニック、ブラウスなどの婦人服が並び、来場者の目を楽しませた。

5 日からバイヤーに公開され、商談が繰り広げられる。 ファッションデザイナーを目指す学生との共同企画「岐阜マザーズコレクション・コンテスト」の作品展示も実施。 母に着てほしい服をテーマに、県内の高校や専門学校、短大の学生らがメーカーと協力し、デザイン・製作した 15 作品を展示している。 4 日は「秋のせんい祭」が開かれ、お値打ち品を求める女性客らでにぎわった。 (岐阜新聞 = 10-5-15)


岩手の高い縫製技術に注目 東京でアパレル企業商談会

【東京支社】 本県の縫製業者と首都圏のアパレルメーカーとの商談会「いわてアパレル企業ビジネスマッチングフォーラム(県北広域振興局、いわて産業振興センター主催)」は 1 日、東京・有楽町の東京交通会館で開かれた。 東京では初開催。 本県の縫製業は、高い技術で注目を集めている。 参加した担当者はビジネスチャンスをつかもうと自社の技術を売り込んだ。

商談会には本県の 16 社と、発注企業としてレナウン(東京)やセレクトショップ大手のシップス(同)、若い女性に人気のブランドを手掛けるワールドプロダクションパートナーズ(神戸市)など首都圏や関西などから 42 社が参加。 本県の縫製業者は製品サンプルを持参し、自社の特長を説明した。 商談会は 2010 年度から二戸市で実施。 今回は発注企業が拠点を置く都内での開催を求める声に応えた。 女性服を扱うメーカーを中心に、発注側の参加社数は昨年の 2 倍近くに上った。 (岩手日報 = 10-2-15)


逆流現象 中国の紡績業は「安さ」求めて米国へ

中国浙江省の大手紡績工場で働いていたニー・メイチュアンの月収は、25 年前、米ドル換算で 19 ドルだった。 その会社(英語名 : Keer Group = キール社)の工場が今年 3 月、米サウスカロライナ州に進出し、ニーはそこで米国人従業員に仕事のやり方を教えている。 以前、彼女がやっていた仕事だ。 ニーは新人 2 人を相手に、ほつれた綿の繊維を紡績機から取り除く作業を教えているが、「彼女たちは仕事を覚えるのが早い」としながらも、「でも、もっと早くこなさなくてはダメだ」と言い添えた。

低コストでやりくりできた国の繊維製造は、安価な製品を大量生産する典型例だったが、その業者が最近は米国に進出するようになっている。 背景の一つに、生産コストが高いのか、低いのか、その境界がぼやけてきたことがある。 こうした事態になろうとは、10 年前にはほとんど考えられなかった。 中国の繊維製造業は年々もうけが出なくなっているのだ。 労賃の上昇、燃料費や輸送コストの高騰、政府による綿材料の輸入規制などのためである。

一方で同時に、米国側では生産コストの点で競争力が高まっている。 中国のキール社がランカスター郡(サウスカロライナ州)に進出したのは、たとえ賃金が低く抑えられても仕事に就きたいという住民がいて、安くて広大な土地と燃料が使えるからだ。 加えて、補助金が投入された綿材料も豊富にある。 地元の政治家も州や連邦レベルの政治家も、永遠に戻ってこないだろうと思っていた製造業の雇用復活のために助成や減税などの優遇措置を提示してキール社の誘致に動いたのだった。

中国の繊維業界には、米国が主導する TPP (環太平洋経済連携協定)の成立をにらみ、米国内に足場を築いておきたいという動機もある。 TPP に加盟しない中国としては、もうかる米国市場から締め出されたくないのだ。 キール社は米国への工場進出に 2 億 1,800 万ドルを投資。 原綿を紡績し、製品をアジア各地の繊維メーカーに販売する事業である。 キール社の紡績機は現在もまだ多くは中国内に残っていて米国から輸入する綿材料を使っているが、状況は徐々に変わりつつある。

「キール社がここ(ランカスター郡インディアンランド)に進出した理由? それは優遇策、土地、環境、労働者だ。」とキール社の会長チュー・シャンチンはいう。 最近、米国に視察に訪れた。 「中国では今、繊維の製造業はどこでも損失を出している。 その点が米国では違う。」と彼はいうのだ。 米中間の貿易は 1970 年代に再開された。 これまでは、中国製の安い電子機器やアパレル、その他の製品がどっと入ってきており、ほとんどいつも米国側が大きな貿易赤字を抱えてきた。

ところが、今では中国側で賃金や燃料費の上昇によって製造業の競争力が落ちている。 コンサルティング会社「ボストン・コンサルティング・グループ (BCG)」によると、中国の製造業界の賃金は 2004 年が時給 4.35 ドルだったが、10 年後の昨年は約 3 倍の 12.47 ドルにまでアップした。 一方、米国の製造業界の賃金は昨年が時給 22.32 ドルだったが、10 年前と比べた上昇率は 30% 以下だった。 労賃だけを比べると米国の方が高いのだが、その分は天然ガスの価格や安価な綿材料、優遇税制などで相殺できる。

BCG によると、製造業一般では、米国での製造に 1 ドルかかるところが中国では 96 セントだ。 しかし、国際繊維製品製造者連合会 (ITMF) の調べだと、繊維製造に限れば中国の方が米国より 30% ほど高くつく。 「だれもが、いつまでも中国の方が安いと思い込んできた」と BCG の上席パートナー、ハロルド・サーキンはいう。 「ところが、状況は想像以上に速いペースで変化している。」 中国のコスト増を嫌って、いくつかのタイプの製造業はもっと安いバングラデシュやインド、ベトナムへと拠点をシフトさせている。 しかも、中国の製造業自体が新たな拠点を各地に求めて大量流出するといった事態が起きている。

最近は米国が、流出する中国企業の受け皿になっているのだ。 ニューヨークの調査会社「ロジウム・グループ」が今年 5 月に発表した報告書によると、中国の企業が 00 - 14 年の間に米国での新規事業や買収に投入した資金は計 460 億ドルにのぼるが、その大半がここ 5 年間の投資だった。 カロライナには現在、キール社を含め中国の製造会社が少なくとも 20 社進出している。 昨年はサウスカロライナ州リッチバーグに中国のサン・ファイバー社が進出し、ポリエステル繊維の製造工場を設立した。 また、ランカスター郡では中国大陸と台湾の繊維会社がそれぞれ工場設立交渉を進めているところだ。

「中国が繊維業の雇用を持ち込んできてくれるなんて、想像すらしなかった」とキース・タネルはいう。 ランカスター郡経済開発公社 (LCEDC) の理事長だ。 彼はキール社の誘致に、インフラ補助や収益事業債、給付付き税額控除など計約 2 千万ドルの助成金取り付けに奔走した。 (Hiroko Tabuchi、New New York Times News Service = 10-2-15)


ゴルチエ氏監修の服販売へ セブン & アイ衣料品テコ入れ

セブン & アイ・ホールディングスは 1日、世界的デザイナーのジャンポール・ゴルチエ氏が監修した婦人服をイトーヨーカドーとそごう・西武で売り出す。 「ユニクロ」など専門店に押されて不振が続く総合スーパーの衣料品販売をテコ入れする。

来日したゴルチエ氏は 30 日、会見で「パリを取り入れつつ、日本人に合ったものに仕上げた」と話した。 1,400 円の靴下から 4 万 9 千円のコートまで 50 商品を扱う。 採寸に使うメジャーをイメージしたベルト(4,900 円)などユニークな商品もある。 婦人服ブランド「セットプルミエ」の上位版とし、イトーヨーカドーは主要都市の 45 店舗、そごう・西武は全 22 店で扱う。 セブン & アイが業態を超えて著名デザイナーと衣料品をつくるのは初めて。 年 25 億円の販売をめざす。 (asahi = 9-30-15)


アパレル関連企業の業績動向調査 2014 年度は約半数が業績悪化

2 割超の企業が赤字に 〜

はじめに

ここ 3 年ほどで急激に進んだ円安による仕入コストの上昇や、2014 年 4 月の消費増税の影響に伴う消費の低迷などから、アパレル業界の経営環境は非常に厳しい状況が続いている。 加えて、2014 年度以降はアパレル関連企業の倒産が増加に転じているほか、一部大手アパレル企業でも業績悪化を余儀なくされており、その動向が注目されている。 そうした状況を踏まえて、帝国データバンクは、2012 年度 - 2014 年度のアパレル関連企業の業績動向 (*) について、調査・分析した。 (帝国データバンク = 9-29-15)

* 「男子服卸」、「婦人・子供服卸」、「下着類卸」、「男子服小売」、「婦人・子供服小売」を主業とする企業を調査対象とし、このうち 2012 年度 - 2014 年度の年売上高が比較可能な 1 万 5,688 社について分析を行った(かばんや靴、アクセサリーなどの服飾雑貨を扱う業者は含まない)。

調査結果

  1. 2014 年度のアパレル関連企業の年売上高の合計は前年度比 0.7% 増の 10 兆 468 億 9,900 万円で、伸び率が鈍化
  2. 2014 年度の赤字企業の割合は 21.6% で、2013 年度比で 2.8 ポイント上昇し 2 割台に。 減益企業も含め、56.2% が業績悪化または改善していない
  3. 赤字企業の割合は、年商が 1 億円以上では 2 割前後だが、「1 億円未満」では約 3 割の企業が赤字に
  4. 地域別に分析すると、年売上高は「中部」が前年度比 2.5% 減となり 3 大都市圏で唯一の減収となったほか、「東北」の赤字企業の割合が 34.6% と唯一 3 割超えに

制服復活、銀行で再導入相次ぐ 背景に安心演出や好業績

銀行や信用金庫で、いったんは廃止した行員の制服を復活させる動きが相次いでいる。 経費削減やお堅いイメージの払拭(ふっしょく)を狙って私服に切り替えたものの、再び制服を導入する見直しが全国で広がる。 なぜ、いま「制服回帰」なのか。 三菱東京 UFJ 銀行は来年 1 月、発足 10 周年を機に制服を復活させる。 2010 年 12 月末に廃止して以来、5 年ぶりの復活だ。 男女とも濃紺やグレーを基調としつつ、以前の制服と比べ、男性のネクタイは企業カラーの赤を強調。 女性は胸元のリボンをより大きくみせるようにした。 支店の窓口や案内係を中心に男女約 1 万 6 千人が着用する。

3 メガバンクでは、みずほ銀行は制服があり、三井住友銀行では、新規の貸与を取りやめている。 合併で三菱東京 UFJ 銀行が発足する前、旧 UFJ 銀行には制服があったが、旧東京三菱銀行では廃止していた。 合併後は一体感を生むために新しい制服をつくったが、「新銀行のブランドが浸透して役割を終えた(広報)」として 5 年弱で姿を消した。 一転して今回の復活。 コーポレート・コミュニケーション部の吉田愛さんは「来店客から『行員が制服を着ている方が安心感がある』という声が多く寄せられていた」と説明する。

中京銀行(名古屋市)も来年 4 月、13 年半ぶりに制服を復活させる。 支店勤務などの女性行員約 560 人が対象。 村瀬太一・人事部長は「統一感を持ってお客様をもてなすことで、親しみを感じてもらいたい」と狙いを語る。 02 年に制服を廃止した後、女性行員は私服勤務だったが、来店客から「色合いが暗い」などの声が寄せられていた。 新しい制服はイメージカラーの赤色を使ったスカーフを採り入れ、華やかなデザインに。 窓口係の石田智子さんは「私服を買う費用がかかっていたので、制服の導入は助かります。」

香川銀行(高松市)や静岡銀行(静岡市)は昨年から、十六銀行(岐阜市)も 13 年から制服を復活させた。 制服メーカーでつくる業界団体の調査によると、金融や不動産業で制服を採用する企業の割合は、14 年は 86%。 08 年の 53% から大幅に増えた。 (内山修、井上亮、asahi = 9-29-15)


8 月の全国スーパー売上高、2.0% 増 23 年ぶりに 5 カ月連続増

日本チェーンストア協会が 24 日発表した 8 月の全国スーパー売上高は、全店ベースで 1 兆 1,283 億円だった。 既存店ベースでは前年同月比 2.0% 増となり、5 カ月連続で前年実績を上回った。 5 カ月連続のプラスは 1992 年以来 23 年ぶり。 8 月は前半に猛暑日が続いたことで、夏向けの衣料品のほか食料品や住関連品も伸びた。

既存店ベースの部門別では衣料品が 3.9% 増、食料品が 2.7% 増、住関連品が 1.7% 増だった。 衣料品は前半の猛暑が追い風になり、夏向けのスーツのほか浴衣や日傘、肌着などが好調だった。 食料品は農産品や総菜の伸び幅が大きかった。 9 月について同協会は「前半の天候不順や(秋の大型連休の)シルバーウイークの動きも気になるが、おおむね平年並みで落ち着くのではないか」とみている。 23 年ぶりに 5 カ月連続でプラスとなった足元の動向について、同協会の井上淳専務理事は「日常の消費は脆弱さを抱えながらも回復してきている」との見方を示した。 (nikkei = 9-24-15)

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8 月全国百貨店売上高は前年比 +2.7% 増、5 カ月連続増

[東京] 日本百貨店協会が 18 日発表した 8 月の全国百貨店売上高は、店舗数調整後で前年比 2.7% 増の 4,362 億円と、5 カ月連続でプラスとなった。 8 月は、猛暑日が続いた前半は盛夏物、気温の低下した後半は秋冬物がリード役となり、日本全体 18 地区のうち 12 地区で売上高が前年比プラスとなった。 訪日外国人向けの売上高は、夏季休暇を日本で過ごす家族層の来店が多かったことから、前年比約 3.6 倍の 172 億円と、統計開始以来単月で過去 3 番目の規模に膨らんだ。 調査対象の百貨店は 82 社・238 店舗。 東京地区は前年比 6.1% 増と、5 カ月連続プラスとなった。 (Reuters = 9-18-15)

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三越伊勢丹、8 月売上高 5.8% 増 婦人向け衣料けん引

三越伊勢丹ホールディングスが 1 日発表した 8 月の売上高(速報、外商を除いた既存店ベース)は、前年同月比 5.8% 増だった。 5 カ月連続で前年実績を上回った。 8 月は気温の変化に合わせ、婦人向け衣料品の夏・秋物の売り上げが伸びた。 訪日外国人(インバウンド)消費による高額商品の販売も好調に推移している。

商品別にみると婦人雑貨が上旬にサングラスなどの夏向け商品、下旬からは季節の買い替え需要が旺盛で秋向け商品が伸びた。 時計・宝飾品は三越日本橋店で 500 万円以上の商品の販売点数が伸び、消費がより高額商品へシフトしているという。 紳士・スポーツも秋冬のアウターやレザーの好調で前年を上回った。 免税売り上げは首都圏の三越伊勢丹合計で 3.2 倍になり、全体に占める割合は 9.9% になった。 旗艦 3 店では三越銀座店が 17.6% 増だった。 伊勢丹新宿本店は 13.4% 増、三越日本橋本店は 3.3% 増だった。 中国景気の悪化の影響については「今のところは出ていない」としている。 (nikkei = 9-1-15)