老舗ファッション物流会社がネット対応で変身

東京納品代行が成田に拠点を新設 返品対応も

東京納品代行(東京都江東区)が、衣料品のネット販売増加を追い風に事業規模を拡大している。 海外ブランド向けの物流サービスを強化するため、5 月に千葉県富里市で新たな物流センターを開設した。 同センターは保管・配送だけでなく、品質管理や修理まで行うのが特徴だ。 物流に付帯するサービスをワンストップで手がけ、顧客から高評価を得ている。

同社はセンコーグループに属し、ファッション物流事業を担当する。 海外の高級ブランドは航空便で商品を輸入することが多いため、成田国際空港近辺に物流施設を展開している。 今春オープンした「成田ファッションロジスティクスセンター I (FLC1)」は、既設の成田センターに継ぐ第 2 の拠点。 総床面積は 3 万 6,100 平方メートルで、最大 300 人が働く。 現在の稼働率は 70% だが「8、9 月に 100% となる(大迫友行社長)」計画だ。

同社の強みは、顧客の要望をワンストップで引き受けられる点にある。 倉庫として顧客の商品を保管するだけでなく、スタッフによる検品や X 線検査による検針、補修、衣料品のプレスなども行う。 ネット通販では「同じ服の M・L を注文した上で、サイズの合う M だけ買い、残りを返品するお客も多い(嶋田亮司主管支店長)」が、返品された服も同社がきれいにプレスし再保管。 プレゼント用の包装や、リボンかけも行う。 高級ブランドを扱うため、専門知識を持つ人材の採用も強化している。 現在同社には 20 人の衣料管理士、7 人の繊維製品品質管理士が在籍している。

書籍や小物に比べ遅れていた衣料品のネット通販だが、ここ数年で急激に市場が拡大。 同社の売上高も「過去 5 年間毎年 10 億円ペースで増加しており、2016 年 3 月期は約 180 億円となる(大迫社長)」見通し。 成田地区でのさらなる事業強化のため 16 年 4 月に FLC II を開設し、成田 3 拠点体制とする計画だ。 さらに現在成田センターのみで行っている通関申告作業を FLC でも始め、作業効率を向上する。

労働人口の減少や、雇用状況の改善もあり、パート労働者の不足が顕在化している。 労働集約型産業である同社への影響も大きく「今後は IT やロボットなどを使った倉庫内作業の自動化・省力化に取り組む(大迫社長)」方針だ。 M & A も含め、22 年度までに売上高を 400 億円へと成長させる。 (鳥羽田継之、NewSwitch = 8-1-15)


アダストリア、子会社から衣料品企画製造事業を吸収

アダストリアは 9 月 1 日付で、子会社 N9 & PG が営む衣料品等企画製造に関する一切の事業を自社へ承継させる吸収分割を行う。 昨年 2 月 28 日付で、グループの物流機能を担う完全子会社が、グループの商品企画・生産管理機能を担う完全子会社を吸収合併し、商号変更を経た N9 & PG に海外を含めた生産から物流までの機能を一元化することで、グループ内の商品供給体制整備のスピードアップを目指したグループ体制を構築した。 しかし、新体制でグループ運営を進める中で、商品企画・生産管理機能については、物流機能よりも小売機能とより密な連携をとることがバリューチェーンの最適化に適すると判断した。

3 月 1 日付で持株会社から小売事業会社となったグループ中核事業体であるアダストリアに商品企画・生産管理機能を集約する一方、物流機能については、海外物流機能の強化・展開も見据えて別法人で運営を進めることが適切と判断し、今回の吸収分割を実施する。 N9 & PG が営む衣料品等企画製造に関する一切の事業の 2014 年 3 月 1 日から 2015 年 2 月 28 日までの売上高は 318 億 8,000 万円だった。 (流通ニュース = 7-27-15)


最低賃金引き上げに揺れるロスのアパレル工場

ロサンゼルス市議会は先月、最低賃金を 2020 年までに時給 15 ドルに引き上げる条例案を可決した。 同市には全米で最も多くの衣料品工場が集まっており、アパレルメーカーやデザイナーは最低賃金引き上げによって「LA 製」が危機にさらされることを危惧している。 (The Wall Street Journal = 7-16-15)


デング熱で注目度大 … 衣料や塗料など「蚊よけ」商品が多彩に

デング熱などのウイルスの運び屋にもなる蚊を寄せ付けない、とうたった商品が増えている。 これまでは蚊取り線香・マットなどが定番だったが、蚊の嫌がる薬品などを配合した衣料品が人気だ。 さらに東南アジアなどで実績のある「虫除け塗料」も登場。 必要な薬品の原料が需要増で値上がりするなど、夏を迎え商戦は熱を帯びてきた。

大阪や東京などで展開するアウトドア用品専門店「エルブレス」では今年、繊維に薬剤を含んだ「防蚊生地」を使った 3 種類のブランドを販売。 品ぞろえは昨年の 3 倍に拡大した。 婦人用のタイツがゴルフ愛好家らを中心に売れ、品薄が続いているという。

繊維大手の帝人では、防蚊生地の販売量が前年の約 3 倍で推移。 同社は「これまでアウトドア衣料用が中心だったが、婦人用衣料やユニホームなど、新分野への展開が見込める」と期待する。 実際、防蚊生地を使った婦人用ズボンは 5 月のテレビ通販番組で約 4 万着が完売した。 関心が高まったきっかけは昨年夏、蚊が媒介するデング熱の国内感染が約 70 年ぶりに確認されたこと。 普段から蚊を寄せ付けないようにするという発想が広がっている。

関西ペイントは今夏、東南アジアで販売している商品の「逆輸入」を始めた。 虫除け成分を含む無色透明の塗料で、「ムシヨケクリーン(1 リットル = 1 万 2 千円前後)」として発売。 壁や天井に塗ると、室内に蚊が寄りつきにくくなるという。 大日本除虫菊(大阪市西区)が今年発売した「蚊がいなくなるスプレー(24 時間用、税抜き 1,730 円)」は、室内で一吹きすれば壁などに蚊が嫌がる薬剤が行き渡る。 同社は「売れ行きは好調」としている。

一方で市場の急成長に対応しきれないところも。 グンゼは昨年秋、パジャマやアームカバーなど防蚊商品の開発に乗り出したが、洗濯に対する耐久性などの未解決の課題が残っているという。 防蚊生地「モスキュート」を平成 6 年から展開する大和紡績は、デング熱騒動で薬剤の原料が値上がりしたため、別の薬剤による商品開発を急いでいる。 (sankei = 7-10-15)


そごう・西武、高価格の衣料品 PB 付加価値高める戦略へ

そごう・西武は衣料品のプライベートブランド(PB = 自主企画)で、高価格帯シリーズ「リミテッドエディション プティシック」を 8 月末に発売する。 約 5 万円のワンピースなど、従来の同社 PB の中心価格帯より 2 倍ほど高く設定した。 フランスで有名ブランド衣料の製造を担う事業者に生産委託し、付加価値の高い PB で目の肥えた顧客のニーズに応える。

「プティシック」は約 3 万円のスカート、2 万 5,000 円前後のブラウスなど秋冬物の 10 商品をそろえる。 仏ブランド「アニエスベー」などと取引のあるフランス各地の工場と提携し、素材の調達から製造まで一貫して発注する。 例えばセーターの生産はブルターニュ地方、コートはノール・パドカレ地方などと商品ごとに強みを持つ産地の工場で生産体制を敷く。 堤真理執行役員は「上質で長く着られるものにお金をかけるフランスの消費行動が日本でも浸透している」と、高価格 PB の開発理由を説明する。

そごう・西武はこれまで様々な PB 衣料を販売してきた。 2014 年に夫婦でさりげなくおそろいファッションを楽しめる「アベックモード」、今春には地方の店舗ごとに独自色を出した「エリアモード」を発売した。 PB 衣料の売上高は 15 年 2 月期で 1,000 億円と売上高の 1 割超に及ぶ。 他の百貨店も PB の衣料雑貨について、お得感を打ち出す価格訴求路線から、付加価値を高める戦略に切り替えている。

三越伊勢丹は東京・六本木の小型店などに、婦人靴 PB 「ナンバートゥエンティワン」で従来品の 1.5 - 2 倍の高価格帯を取り入れた。 売れ行きは好調といい、伊勢丹新宿本店(東京・新宿)などで売り場の拡大を検討している。 高島屋は PB 衣料で人気のカシミヤセーターの品ぞろえを増やした。 冬の定番素材とされるカシミヤを使いながら、「初夏まで着られる」としてシルク混の春向け商品を売り出した。 (nikkei = 7-9-15)


夏でも快適、男性用肌着 支えるのは素材の進化

真夏を迎え、シャツの肌への張り付きや汗の臭いを気にする男性も多いはず。 そんな悩みにこたえる機能性肌着が売れています。 男性は自分のため、女性は夫や父のため、よい品を探してみてはどうでしょうか。 大阪市の高島屋大阪店の男性用肌着売り場は、機能性を売りにした商品が多く並ぶ。 汗がワイシャツに染みにくい、着るとひんやりした感覚を得られる。 こうした機能性肌着が好調で、売り場の 5 - 6 月の販売額は前年同期比 3 割増えた。

購買層は 30 - 50 代と幅広い。 価格は 1 枚 3 千円前後とやや高いが、バイヤーの木村由美さんは「まとめて 4、5 枚買う方もいます」という。 グンゼやワコールなどのメーカーは、新商品を相次いで出している。 売れ行きのよさは、クールビズと節電の定着が影響しているようだ。 上着なしの薄着が多くなり、エアコンの設定温度を 28 度ほどにするオフィスが多い。 エスカレーターの運転や廊下の空調を抑える動きもあり、薄着でも汗をかきやすい職場環境になっている。 (伊藤弘毅、asahi = 7-9-15)


三越伊勢丹 HD、衣料品物流を一括管理 他社にも参加呼びかけ

三越伊勢丹ホールディングスは 10 月から、主力の衣料品を中心に保管から販売までを一括管理する仕組みを導入する。 現在は取引先のアパレル企業などが各店舗への納品までを手掛けるが、新たに始める共同配送システムの利用を促す。 運転手不足などによるコスト増が深刻になるなか、効率を高めると同時に店頭での欠品も減らす。 他の百貨店にも参加を呼びかけ、業界を挙げた物流効率化につなげる。

物流会社と組んで東京都江東区に専用の配送センターを開く。 参加するアパレル企業などの商品をいったん同センターに集め、検品・仕分けしたうえで首都圏などの各店舗に混載で届ける。 取引先の拠点まで商品を受け取りに行くサービスも提供する。 一般的に百貨店との取引では、商品の保管や仕分け、配送・納品などを取引先が担うケースが多い。 アパレル企業などは自ら物流業者を手配したり、仕分け・検品などを手掛けたりしている。

新たな仕組みでは、新センターを中心に保管から納品までを一括して手掛けるため、現在は各社で重複している作業が効率化できるという。 参加企業は三越伊勢丹 HD と組む物流会社に配送料などを払うが、各社が個別に手配するよりも割安になるとしている。 大手アパレルを中心とした約 100 社を対象に新システムへの参加の呼びかけを始めた。 三越伊勢丹 HD の売上高に占める対象企業全体の割合は 15% 強に達する。

衣料品で軌道に乗れば、食品などを含めた約 1 万 6 千の取引先全体に広げていく方針。 全取引先合計の三越伊勢丹 HD 向けの物流費は年間約 120 億円。 新システムへの参加企業が増えれば、1 割程度の削減が可能と見る。 削減分は三越伊勢丹 HD と取引先で分ける。 新システムでは三越伊勢丹 HD がセンターの在庫情報などを逐次、把握できる。 これを各店舗の売れ行き情報などと組み合わせれば、店舗間の商品の融通がこれまで以上に容易になる。 店頭での売れ筋商品の欠品を減らすことにもつながると期待する。

婦人服を中心にアパレル各社は販売不振にあえいでいる。 ワールドは全社員の 4 分の 1 にあたる 500 人の早期希望退職を募り、オンワードホールディングスも若者向けの不採算ブランドを廃止した。 百貨店各社は有力な取引先であるアパレル各社と連携して収益性をいかに高めるかが課題になっている。 三越伊勢丹 HD は首都圏での取り組みの成果を確認したうえで、全国の自社店舗に広げるほか、他の百貨店にも参加を打診する方針だ。 (nikkei = 7-8-15)


英バーバリーと契約終了 三陽商会、ブランド切り替え

アパレル大手の三陽商会と英バーバリーが 45 年間結んできたライセンス契約が、30 日で切れた。 三陽は、主に百貨店内にある約 360 店のうち約 100 店を閉め、約 260 店を 7 - 9 月にかけて「マッキントッシュ ロンドン」の店に切り替える。 主力のコートは 10 万円台が中心となり、三陽製バーバリーとほぼ同じだ。 ただ、ブランド力の差は大きい。 三陽は 7 - 12 月の会社の売上高を前年比 21.7% 減と見込む。 好立地の店を守るには新ブランドの売れ行きが大事になる。 一方の英バーバリーは、高級な英国製を扱う国内の直営店を、18 店から 2018 年春までに 30 - 55 店に増やす計画だ。 (asahi = 7-1-15)

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デサント、衣料品扱う直営の新型店 今秋開店

デサントは 1 日、衣料品を中心に扱う直営の新型店を開くと発表した。 今秋に東京都と大阪府、福岡県に直営店を出し、3 店で年間 4 億円の売り上げを目指す。 機能性などスポーツウエアのノウハウを生かした衣料品を販売し、都市部の 20 - 40 歳代の需要を取り込む。 普段使いの衣料で新たな顧客獲得を狙う。 店名は「DESCENTE BLANC (デサント ブラン)」。 ポロシャツや小物など幅広く扱う。 スポーツウエアの要素を取り入れた衣料の人気が高まっており、新型店によって販売拡大につなげる。 店舗の追加出店も今後検討する。 (nikkei = 7-1-15)


人気ブランドの服、模倣の疑い 衣料通販社長逮捕へ

若い女性に人気のブランド「スナイデル」の服とデザインが酷似した商品を販売した疑いが強まったとして、大阪府警はインターネット通販ブランド「グレイル」を展開する衣料品企画販売業 Gio (ジオ、大阪市西区)の社長の男 (36) と社員の計数人について不正競争防止法違反(商品形態模倣行為)の疑いで逮捕状を取った。 30 日にも事情聴取し、容疑が固まれば逮捕する方針。 捜査関係者への取材でわかった。

捜査関係者によると、社長らは昨年から今年にかけ、「スナイデル」のデザインを模倣した洋服数点を客数人に販売した疑いがある。 昨年末、スナイデルを展開する東京都渋谷区のアパレル会社が府警に告訴し、府警が 3 月、Gio 本社を同法違反容疑で家宅捜索していた。 民間調査会社によると、Gio は 2006 年創業で従業員 45 人(今年 6 月現在)。 09 年に約 8 億円だった売上高は昨年、69 億円にのぼった。 業界関係者によると、テレビ CM や広告にトリンドル玲奈さんや藤井リナさんら著名なタレントやモデルを起用。 1,999 円のコートなど「安くて可愛い」を意味するプチプラと呼ばれる商品で急成長したという。

「雑誌の服、まねたことも」

「日本最大級のファストファッションブランド通販。」 グレイルのホームページにはそう記されている。 同様にプチプラを扱うネット通販業者の男性は Gio を「業界で頭一つ抜きんでている」と評する。 9 年前に創業し、2009 年に大阪府東大阪市から若者向けの店が立ち並ぶ大阪・南堀江に移転。 派手な宣伝で急成長した。 人気モデルの藤井リナさんを起用したテレビ CM では「パンプス \1,999!」、「パンツが \980!」と低価格を強調。 藤井さんが次々と服を替え、「通販サイトがダサいなんて誰が言った!!」と決めぜりふをはいた。

大手出版社の女性ファッション誌にもトリンドル玲奈さんや藤井さんら何人ものモデルやタレントを登場させて広告を掲載。 自社のサイトにその商品を並べて「XX (雑誌名) 8 月号掲載」、「○○(モデル名)着用スカート」などと PR した。 「大胆なやり方は同業者の間で話題になった。 先発組を売り上げですぐに追い抜いた。」と男性は話す。

Gio 関係者によると商品は数千枚単位で衣類メーカーに委託し、海外の工場で製造。 デザインはメーカー側から提案されることもあったが、大半は Gio 側から指示した。 関係者は「他のブランドを参考にしたり、雑誌に載っている服をまねたりしたこともある。 売れそうな商品が載っているページには付箋(ふせん)を貼っていた。」と明かす。

メーカーやモデル事務所との交渉は社長が自ら担った。 「交渉能力が高く、どんな商品が売れるかを見極めるセンスも飛び抜けていた。 ただ、急成長してコンプライアンス面などの経営の基本が整っておらず、デザインを担当する人材も育てていなかった。」とこの関係者は話す。 複数の業界関係者によると、プチプラを扱うネット通販業者は 05 年ごろから現れた。 繊維業者が集中する大阪は特に多いという。

同業者の男性は「薄利多売のプチプラでは、デザインにお金をかけられない」と話し、有名ブランドの服に似た商品をメーカーに依頼することもあると打ち明ける。 「ただ、最低 3 カ所は変える。 裾の長さとか、首回りのカットとか。 それがせめてものポリシーだ。」 (伊藤喜之、asahi = 6-30-15)


アパレルのワールド、希望退職 500 人募集 社員の 3 割

アパレル大手のワールド(神戸市)は 7 月から希望退職者を募る。 社員の約 3 割にあたる 500 人程度で、年間 30 億円規模の人件費削減につながるとみられる。 5 月には店舗やブランドの一部撤退を発表しており、大幅な人員削減も進めて低迷する業績の立て直しを急ぐ。 希望退職の対象は、40 歳以上 60 歳未満の正社員と、定年退職後に再雇用されている 60 歳以上の契約社員。 募集期間は 7 月 6 - 24 日で、退職日は 9 月末になる。 退職金に特別加算金を上乗せし、希望者には再就職を支援するという。

ワールドの 2015 年 3 月期の純利益は日本基準で 7 億円と 3 年ぶりに黒字となったが、円安や衣料品の低価格化などで厳しい経営状況が続く。 今年度中に、約 90 ブランドのうち 10 - 15 ブランドから撤退、約 3 千ある店舗は 400 - 500 店を閉める方針だ。 (asahi = 6-27-15)

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苦しむアパレル、どう復活を? 「ワールド」社長・上山健二さん

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国産ニット、身近になりますか? 「島精機製作所」社長・島正博さん

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東大、伸縮性ある布地に電気回路を形成できる技術開発 - 銀・洗剤含む特殊インクで印刷

東京大学大学院工学系研究科の染谷隆夫教授らは、銀や洗剤を含む特殊なインクをプリントするだけで、伸縮性のある布地に複雑な電気回路を形成できる技術を開発した。 この技術を利用し、筋肉の活動を測れる筋電センサーを作製。 同センサーを腕に装着し、手を握る動作と開く動作の筋電位を計測できることを確認した。

生体情報を得られるセンサーを組み込んだ服を作れば、スポーツ科学や医療・福祉など幅広い分野での活用が期待できる。 染谷教授は「センサーやスマートフォンなどの機能を服に付加した未来型コンピューターデバイスを作れる」と意気込む。 研究チームは、銀やフッ素系ゴム、フッ素系界面活性剤(洗剤)などを混ぜ合わせ、伸縮性がありプリントすることで電気を流すインクを開発した。 このインクを型に入れて繊維素材にプリントすることで配線や電極などを一括形成できる。

布地を元の長さの 3 倍程度に伸ばした際の電流の流れやすさは 1 センチメートル当たり 182 シーメンス。 3 倍以上伸ばせる布地タイプのデバイスの中では世界最高の導電率を持つという。 (日刊工業新聞 = 6-26-15)


福山デニム、ブームに沸く 備後絣の伝統生かした高品質

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オンワードとラオックス、衣料の海外販売で合弁

アパレル大手のオンワードホールディングスと、家電量販店のラオックスは 22 日、日本製の衣料品を海外向けに販売する合弁会社を設立すると発表した。 オンワードが、男性向けシャツやネクタイなどの衣料品を国内で生産。 ラオックスは中国など海外向けにはインターネットで、訪日外国人向けには国内免税店で、それぞれ販売する。 日本製の衣料品はアジアを中心に、縫製技術など品質の高さで人気を集めているという。

合弁会社は 9 月 1 日付で設立する予定で、資本金は 4 億円。 オンワードが 51%、ラオックスが 49% 出資する。 社名などは未定。 3 年以内に売り上げ 200 億円を目指すという。 記者会見したオンワードの保元道宣社長は「国内のものづくり基盤が細ってきているなか、海外への販路拡大で地方の活性化につなげたい」と話した。 (yomiuri = 6-22-15)


ポケットにリアルな猫? 主婦の手作りシャツに注文殺到

ポケットからひょっこり顔を出す猫を刺繍したシャツが人気だ。 写真と見まちがうほど写実性豊かに手がけるのは、奈良県の主婦。 ネットに載せたら瞬く間に世界に拡散し、注文が殺到した。 東京の編集者の目にとまり、5 月には作品集も出した。 ちょうど 2 年前の今ごろだった。 橿原市の主婦の hiroko さんがパソコンを開くと、100 通近いメールが届いていた。 「変なウイルスに感染したかと驚きました。」

数日前、大学生の次男のために手作りしたシャツを写真共有サイト「フリッカー」に掲載していた。 猫好きの次男からリクエストされ、胸ポケットから顔をのぞかせる猫を写実的に仕上げた。 大量のメールの送り主は、ネットでその画像を見た人たちだ。 なぜか多くは外国人。 「かわいいね!」、「オーダーはとってないの?」。 一つひとつ売り物ではないと返事した。 反響メールは引きも切らず、日に数十通届いた。

「フィアンセがねこシャツに夢中で。 同じようなものを作ってもらえませんか?」 英国の男性の丁寧な文面に心動かされ、応じることに。 以来、できる範囲で注文を受けた。 アジア、米国、ロシア、サウジアラビア ・・・。 注文主の 7 割超が外国人だ。 1 着 3 万 5 千円前後。 これまで約 130 着を作った。 依頼を受けると、何度もメールでやり取りする。 愛猫の写真を送ってもらい、シャツの寸法や好みの生地を尋ねる。 英語が得意なわけではない。 辞書を引きつつメールを書く。

高校生から大学院生まで 5 人の子の母。 子どもが小さいころから洋服を作っていた。 刺繍を始めたのは 10 年ほど前から。 どこかで習ったことはなく、独学だ。 家事を済ませた午前 8 時から針を持つ。 長いときは 1 日 5 時間。 猫の種類によっては 40 色もの糸を使い、約 1 週間で仕上げる。 抱える注文は 100 件以上あり、長い人で 3 年待ち。 ネット上には「hiroko のねこシャツ」をうたう偽物も出現した。 (坪倉由佳子、asahi = 6-18-15)


着物で出勤「きものの日」 経産省が報告書

経済産業省は、日本の伝統文化である着物の復活によって地域を活性化させようと、着物での出勤などを盛り込んだ報告書をまとめました。 経産省の研究会は、職員が着物を着て出勤する「きものの日」を設定することなどを盛り込んだ報告書を公表しました。 「きものの日」の具体的な日にちなどは今後、検討し、経産省だけでなく霞が関全体に広げたいとしています。

地方の中小企業が多い着物産業はピーク時の 6 分の 1 まで市場規模が落ちているため、産業として復活させることで地域経済の活性化につなげる狙いです。 ここ数年、若者を中心に低価格の着物の需要が増えていることや訪日外国人の関心が高いことを追い風に国内外にアピールする方針です。 (テレ朝 = 6-17-15)


蚊が嫌う服、デング熱で人気 帝人の「スコーロン」使用

蚊などの害虫から刺されにくくなる帝人の生地が引っ張りだこだ。 2007 年に売り出され、アウトドア服などに細々と使われていたが、昨夏、デング熱の国内感染が確認されたこともあり、洋服各社からの問い合わせが急増。 今年の販売量は前年の約 3 倍に伸び、商談は 10 倍以上に増えているという。

帝人の「スコーロン」は蚊などがとまると触角や足先に虫が嫌がる成分が伝わり、刺さずに逃げる。 アース製薬が開発した気化しにくい防虫剤を、帝人の技術で極細の糸の表面にしっかりと接着し生地にした。 20 回洗濯しても、防虫効果が 8 割以上続くという。 アウトドア専門店の「エルブレス」は今年、スコーロンを使った服の品ぞろえを 3 倍にし、取り扱う店も 3 倍に拡大。 広島県の服飾メーカーがスコーロンでつくった女性用ズボンは、テレビ通販で 5 月に紹介されたところ、約 4 万着が初日でほぼ売り切れたという。 (伊沢友之、asahi = 6-15-15)


エルメス、シャネルもシェアする時代 ファッションレンタルのアプリが大人気 アパレル苦戦も納得

DVD やクルマと同じように、洋服やバッグも気軽にレンタルできるサービスが増えている。 洋服を 1 枚購入する程度の月額利用料で何度も借りられ、気に入れば買い取りもできる。 背景にあるのは若者世代の意識の変化。 大量消費、大量生産で拡大してきた国内アパレルが苦戦する中、ファッションもシェアする時代が到来している。

月額制で借り放題

子供が生まれてからおしゃれができなくなった。 気軽にいろんな洋服を着てみたい …。 そんな女性たちの声に応えて今春、事業を開始したのが古着のレンタルサービス「サスティナ」だ。 扱うのはビームスやメゾンドリーファーをはじめとする人気ブランドの中古品。 会員登録すれば専用アプリで 1 回 5 点まで選ぶことができ、月に何度でも借りられる。 利用料は月額 5,800 円。 送料、クリーニング代込みで、返却期限もない。 気に入った服は買い取りもでき、ファッション好きの女性にとっては夢のようなサービスだ。

3 月末に始まり、専用アプリのダウンロード数は 3 万人を突破。 予想以上の反響のため、会員登録待ちの状況が続いているという。 手がけるのは、IT やマーケティング業界出身者らで平成 26 年 6 月に設立した企業「オムニス(東京都渋谷区)」。 シェアハウスでモノを共有するシェアリングの仕組みをファッション業界に持ち込んだ。

発想のきっかけは、女性の入居者の間で不用になった靴や服を交換する習慣があったことだ。 「米国を中心に広がるシェアリングエコノミーというビジネスの概念も参考になった」と同社最高執行責任者 (COO) の斉藤貴志氏は語る。 会員は 30 歳前後の OL や主婦を中心に幅広く、月 3 回利用の 40 代も。 コーディネートスタイルを掲載しているので、アクセサリーやバッグと組み合わせて借りる人が多いという。 アップルウオッチなど装着型端末を借りられるのも特徴だ。

プロがコーデ手伝い

コーディネートで悩む女性に好評なサービスが、今年 2 月に始まった「エアークローゼット」。 利用者の好みや感想を基にプロのスタイリストが選んだ洋服 3 点が届く。 気に入らない場合は何度でも交換できる。 月額利用料はクリーニング代、送料込みで 6,800 円。 サスティナと同様に返却期限がなく、買い取りも可能だ。 「若い働く女性や母親はショッピングに行く時間が限られている。 試着感覚でいろんなファッションとの出会いを楽しんでほしいとの思いで始めた」と、運営するノイエジーク(東京都中央区)の広報担当、小谷翔一氏は話す。

無料会員数は 5 万人超。 月に数千人がサービスを利用し、大半が継続を希望する。 「普段ならチャレンジしないコーディネートへの評価が高く、新しいファッションを求める消費者が予想以上に多いと実感している(小谷氏)」という。 同社はファッション EC (電子商取引)などの収納サービスを展開する寺田倉庫(東京都品川区)と業務提携し、衣服の保管からクリーニング、管理までの運営体制を確立。 アパレルブランドと連携し、消費者とブランドの懸け橋を目指している。

買えないバッグも

ブランドバッグを月額 6,800 円、返却期限なしで借りられるのが、エス(広島市中区)のレンタルサービス「ラクサス」。 シャネル、エルメスといった高級ブランドバッグを千個以上そろえ、「欲しいけど買えない」という女性の願いを解決する。 2 月にサービスを開始し、利用者は 25 - 44 歳を中心に 600 - 700 人。 1 回につき 1 点、月 2 回以上の利用は追加料金が要るため、「1 回の利用が多い(同社広報)」という。 2 年目は会員数 3 万人以上を目指し海外展開も計画中だ。

3 社に共通するのは、ネット通販やマーケティングなどの経験者らが起業した IT ベンチャーということ。 物流体制の構築や在庫の増強など課題は多いが、スマホアプリを活用したビジネスモデルでファッション業界や消費スタイルを変えようと意気込む。 (橋長初代、sankei = 6-14-15)

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値段もオシャレ度も "そこそこ" 服は欲しくない … 続々閉店する国内アパレルブランド事情

国内大手アパレルが手がけるブランドが続々と閉店している。 百貨店を中心に大型商業施設に入っていたブランドが多く、全国に店舗展開していた。 閉店(予定)ブランドをめぐっては、「昔はよく買ったけど最近は …」、「どれも似たようなものが多くて …」という声も聞く。 海外通販やファストファッションなど、多くの選択肢を持つ消費者は、国内ブランドの持つ "無難さ" に魅力を感じなくなったのかもしれない。

ワールドも 400 - 500 店閉店

先月 15 日、アパレル企業の TSI ホールディングス(東京都港区)は、プラネットブルージャパンなどの子会社の解散と、東京スタイルやサンエー・インターナショナルの 9 ブランドを 8 月末で廃止すると発表した。 同社は昨年 2 月期までにも子会社の精算やブランド撤退で店舗数を半減させ大胆なリストラを行ってきたが、今期も引き続き大なたをふるう。 また、神戸に本社を置くワールドも、18 日、全店舗の 15% 前後にあたる 400 - 500 店を平成 27 年度中に閉店、併せて 10 - 15 の不採算ブランドを廃止すると発表した。 具体的な廃止ブランド名の発表は今のところない。

OL 向けブランドの栄枯盛衰

サンエー・インターナショナルが手がけるブランドはバブル期以降に誕生したものが多く、「ボディ ドレッシング(8 月廃止)」や「マテリア(昨年 2 月廃止)」、「ノーベスパジオ(同)」などは、特に OL 層に人気が高かった。

適度にトレンドを取り入れつつ TPO に対応できると、社会で活躍する女性たちに重宝され、店舗数も百貨店を中心に拡大していった。 いずれも主要価格帯は 3 - 6 万円。 シンプルな T シャツでも 1 万円以上、10 万円を軽く超えるアウター(コート類)もざらにあった。 買い物というと、百貨店やショッピングビルというのが当然だった時代はよく売れたのだろう。 主要商業施設には必ずといっていいほど件のブランド店舗が存在していた。

"無難だが、面白くなく、そこそこ高い" 服 … は欲しくない

しかし、時代は流れ、ファストファッションが台頭し、日本では手に入らなかった海外のブランドも簡単に通販できるようになった。 「1,000 円で買える T シャツで満足」という人もいれば、「ハリウッドセレブが着ていたワンピースを海外通販で手に入れた」という人もいる。 消費者には多くの選択肢が与えられ、そこそこおしゃれで、そこそこ値の張る "無難な服" の需要は下がっていったのだろう。

それぞれに個性を出してはいるものの、同業他社のブランドとの差はさほどない。 多くのブランドがひしめく「婦人服フロア」には、去年は "ミモレ(ふくらはぎ)丈スカート" を並べ、今年は "ガウチョパンツ(半端丈のフレアパンツ)" をこぞってそろえる。 毎シーズン、各ブランドの似たような "流行の服" が横並びに売られている状態だ。 強烈な個性を持たないブランドが売るそれらは画一的に見え、「百貨店で売っている服って、面白みがないのよね …」、「同じような服ばかりで楽しくない」という声が聞こえるのも当然だろう。

売れそうな服ではなく、大好きと思える服を

景気が回復している現在、百貨店の業績も好調だそうだ。 しかし、それは宝飾や美術品、高級ブランドなどの高額商品、訪日外国人客によるインバウンド消費によるもので、中間層の消費は不振だという。 ある百貨店関係者は「正直、婦人服は売れていません」と明かす。 売れないからといって、百貨店や商業施設が婦人服を扱わないわけではなく、主力商品であることは間違いない。 離れていった中間層消費者を戻すにはどうすればいいのか、策を練っているところだろう。

玉石混淆にモノがあふれる時代。 アパレル各社には、売れそうな服(売りたい服)を作るのではなく、消費者をうならせるような洋服を作ってほしいと願っている。 「流行に関係なく、ここの服が大好き!」、「デザインも品質も申し分ない!」と、多くの人を引きつけてやまないブランドが増えますように。 (杉山みどり、sankei = 6-9-15)


衣料品大手、夏物スーツに力 クールビズでも見た目きちんと

衣料品大手が夏物のスーツやジャケットに力を入れる。 三陽商会は紳士向けスーツなどを 3 割増産する計画で、ファーストリテイリング傘下の「ユニクロ」もジャケットの種類を 5 割拡大。 クールビズ期間中の軽装が定着する一方、見た目をきちんとしたいという消費者が増えている。 景気回復や賃上げを追い風に需要が広がると期待する。

三陽商会は夏向けの紳士用ジャケットやスーツの生産量を前年比で 3 割増やす。 30 代後半から 40 代が主要顧客の「エポカウォモ」では伸縮性の高い軽量ジャケット(税別 3 万 9 千円)を発売。 昨年、同じ素材でパンツのみを発売したところ「ジャケットもほしい」との要望が多かった。 オンワード樫山も英「ジョゼフ」の紳士のスーツを 5 割、レナウンも紳士服「ダーバン」の盛夏向けスーツを 5 割増産する予定だ。

クールビズは今年で 11 年目を迎えた。 2011 年からはスーパークールビズが始まり、官公庁がポロシャツやアロハシャツでの勤務を認めるなど、カジュアル化が一段と進んだ。 一方で「『だらしなく見える』との声も高まり、スーツに回帰する動きが広がっている。(三陽商会)」 スーツの高機能化が進んでいることも背景にある。 青山商事は 5 月、太陽光による生地表面の温度上昇を抑える「熱遮蔽スーツ」(税別 4 万 8 千 - 5 万 8 千円)を発売した。 全 15 万着を用意し、クールビズ向けスーツの 8 割を同タイプにする。

そごう・西武では 4 月末 - 5 月下旬、スーツの売上高が前年比、13 年比ともに 2 割増えた。 「スーツに合わせる商品の売れ行きも良い(三越伊勢丹)」という。 「ユニクロ」は男性向けジャケットの色や柄の種類を 5 割増やした。 軽量素材を使って従来商品より 45% 軽くした「ウルトラライトウェイトストレッチジャケット(税別 5,990 円)」などを新たに売り出している。 クールビズの年間市場規模は 2,000 億円前後とみられる。 第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストは「今年は景気回復も追い風となり、買い替え需要で昨年よりも市場は拡大する」と予測する。 (nikkei = 6-2-15)

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クールビズ商品、涼しく進化 紳士服大手各社

だんだんと夏が近づいてきた。 暑い時期に軽装で働くクールビズもすっかりと定着し、オフィス街ではノーネクタイやノージャケット姿の人が目立っている。 その需要を狙う紳士服大手各社の商品も年々、より涼しく進化している。 ただの軽装にとどまらない、最新のアイテムをチェックしてみた。

コナカは、「服は軽いほど涼しく感じる(担当者)」として、軽量化に力を注いでいる。 夏の主力商品「ウルトラライトスペック」スーツの最新シリーズ(税抜き 5 万 5 千円)では、標準の春夏物スーツより、約 15% の軽量化を実現させた。 A5 サイズ(身長 170 - 175 センチ、ウエスト 80 センチ)のスーツの重さは 383g で、ワイシャツ 2 枚ぶんほどの軽さになったという。 (奥田貫、asahi = 5-28-15)


大阪船場に関西最大の免税店「丸屋免税店」がオープン、訪日外国人客狙う

"爆買い" に対応 中国政府系の道紀忠華シンクタンクと提携

6 月 1 日、総合衣料卸売業のプロルート丸光(本社・大阪市中央区、安田康一社長)は、新たに訪日外国人旅行者に対する免税販売小売事業をスタートさせ、大阪本店に「丸屋免税店」をグランドオープンした。 創業 115 周年事業の一環で、中国政府系の道紀忠華シンクタンク(本部・北京市、日本支社・東京都千代田区、後藤錦隆代表)と業務提携契約を締結、同シンクタンクが訪日外国人旅行者の誘致をはじめ、免税店運営に全面的協力する。

2 階の免税品売場の面積は 約 1,000 平方メートルで、一般免税店として関西最大。 主な取扱商品は宝飾品、腕時計、電化製品、化粧品、衣料品、家庭用品、医薬品、健康食品、日用品、伝統工芸品、菓子類など。 12 階に、160 人が一度に食事のできる免税店用レストランを創設。 食事から買物までワンストップで楽しむことができるという。

プロルート丸光はすでに、香港中旅日本中国旅行社(香港)、上海東航国際旅行社有限公司(上海)、中国天鵝国際旅游公司(北京)の中国大手旅行社と業務提携を締結し、中国各地からの旅行団体の誘致を推進している。 春秋航空をはじめとする航空会社とも連携。 今後も有力旅行社との提携を拡大、ツアープランへの組み込みなどで旅行者誘致を図り、新たな収益基盤確立と大阪船場地域の一層の活性化に努めたいとしている。

同日、「丸屋免税店」のオープンを記念してセレモニーが開催され、同社の安田康一社長が挨拶、日本の歴史ある大型卸売業が経営する総合免税店として、中国人客をはじめとする訪日外国人旅行者の方々が安心して買物していただけるよう、価値ある日本製品を日本流サービスにて提供したい。 日中民間レベルの交流を進め、日中友好の架け橋になることを願っている。」と抱負を述べた。

道紀忠華シンクタンクの後藤錦隆代表は「昨今、多くの中国旅行者が日本を観光に訪れており、今年 1 年だけでも 400 万人を超す中国人が日本を訪れる見込みだ。 その数は、中国人口のわずか 0.3% であり、今後も飛躍的に増大するのは間違いない。」

「中国人は買い物が大好きで、特に品質の良い日本製品には人気が高い。 一方で、商品品質の問題、価格の問題など、様々な問題が発生しているのも事実であり、日本を訪れる中国の旅行者が安心し、満足して買い物をすることができるルートつくりは、道紀忠華シンクタンクの大きな課題の一つと認識をしている。 民間交流を通して日中友好を図ることは、アジアや世界にとって大きなメリットにつながる。」と語った。(八牧、RecordChina = 6-1-15)