パリ郊外を欧州最大の繊維街に変えた中国系移民たち

フランスの首都パリ郊外の労働者階級の居住区に場違いな高級セダンが列を成して止まっている。 ここは「メイド・イン・チャイナ」の衣料品を売る欧州の中心地、オーベルビリエ。 最近では欧州最大のファッションセンターもオープンした。 パリの北の端、環状道路と国立スタジアム「スタッド・ド・フランス」の間に位置する広大な地区で何百もの卸売業者が、無数の色や柄の生地やさまざまな衣料品を売っている。 既製品のスーツを手頃な価格で売る小売店、安い靴下を束で売るスーパー、スニーカーを売る屋台もある。

「ここでは何でも、どんな値段でも見つかる」と話すのは、6 年前に中国から移住しここで働くミンさん。 黒いダウンジャケットにファッショナブルなジーンズといういでたちで、卸売用の箱や包装袋が山積みになったカートを押していた。 「欧州中から人々がやって来る。 ここは国際的だ。」 この街には何世代にもわたって中国系移民が暮らし、中には財を成した者もいる。

「すべての店の後ろにチームがいる」と、パスカルと名乗る中国系フランス人男性は語った。 彼は最近、両親の店を継いだという。 「欧米の顧客を満足させる品をそろえるために、私たちはフランスのデザイナーたちに力を借りている。」 「衣料品業界で働く者にとって、オーベルビリエはなくてはならない存在」だと話すのは、仏北西部ブルターニュでストリート・マーケットに出店しているガエタン・ルゴレさん (37) だ。 「既製服のチャイナタウン」だというオーベルビリエに、週 1 回は仕入れのために来る。

さらなる雇用を生むと期待される新しいファッションセンターは、3 月の終わりにオープンした。 同業界ではドイツ・デュッセルドルフを越えて欧州最大規模の市場となる。 「中国との取引にとって、オーベルビリエは欧州全体の中で最も重要な場所となった」と同市のパスカル・ボーデ市長は語る。

「欧州全土からバイヤーを呼び込む」

迷路のような通りに並ぶ家族経営の店。 家族たちのルーツのほとんどは、古くから世界各地への移民が多い中国・浙江省の温州だ。 ボーデ市長によれば 2000 年頃に最初の中国人卸売業者たちがビジネスを始めてから、オーベルビリエの問屋街は雪だるま式に大きくなっていった。 ミンさんのような作業員や従業員を除いても、今や約 1,200 人の中国人取引業者がいる。

オーベルビリエはフランスと中国を結ぶ商業の中心地になった。 「フランス語を話す中国系フランス人のような、新しい世代のビジネスマンも増えている。 店で働く店員たちでは、中国人以外も雇われるようになっている。 これは新しい状況で、市にとっても住民にとっても興味深い。」 パリ周辺の中国人コミュニティに関する専門家リシャール・ベラハ氏によると、その何年か前からフランスに来ていた中国人の最初の世代は当初、何の公的文書も持っていなかったが、仕事を見つけて合法に滞在できる資格を得た。 そして徐々に稼ぎを増やし、卸売業へと進出していった。

そんなパイオニアの 1 人、シュエ・シェン・ワンさんは一大アパレル帝国を築き、40 代後半で巨大な富を持ち「オーベルビリエのキング」と呼ばれるようになった。 ワンさんを含む中国系投資家 8 人が、新ファッションセンターに出資している。

欧州最大の繊維卸売市場となる同センターは、オーベルビリエの中心部に建てられ、広さ 5 万 5,000 平方メートルの敷地に 310 店舗が入る。 欧州全土からバイヤーを呼び込み、取り引きを一か所に集中させることによって繊維製品の輸出入の効率性を高めることが同センターの目的だとワンさんはいう。 フランス経済にも恩恵をもたらすとワンさんはみている。 (Francois Becker & Valentin Bontemps、AFP = 6-1-15)


米グーグル、「スマートジーンズ」開発 リーバイスと

【シリコンバレー = 小川義也】 米グーグルは 29 日、スマートフォン(スマホ)の入力装置として機能する「スマートジーンズ」の開発で、米リーバイ・ストラウスと提携したと発表した。 グーグルが開発した導電性のあるハイテク繊維を使い、近い将来の発売を目指す。 衣料と IT (情報技術)が融合した「スマートウエア」の開発で先行してきた東レや帝人など日本企業の戦略にも影響を与えそうだ。

グーグルは社内の先端技術研究部門「ATAP」にハイテク繊維を開発する「プロジェクト・ジャカード」を発足。 1 年ほど前から、日本の繊維会社の協力を得て開発を進めてきた。 開発した繊維で織った布地は従来の布地と同様に裁断したり、洗濯したりすることができる。 サンフランシスコ市内で開いた開発者会議「グーグル I/O」で披露したデモでは、タッチパッドの機能を持たせた布地の一部を指でたたいてスマホの音楽を再生したり、上下になぞって音量を操作したりしてみせた。

プロジェクトを率いるグーグルのイワン・プピレフ氏は「研究段階は終わった」として、他のファッションブランドとも製品化に向けた話し合いを進めていることを明らかにした。 「スマートウエア」を巡っては、東レが着るだけで心拍数などの生体情報を取得できる繊維を NTT グループと共同開発。 ゴールドウインがトレーニングウエアに採用して昨年発売した。 帝人も圧力を加えると電気エネルギーを発生させる「圧電ファブリック」を関西大学と開発。 医療分野などへの応用を目指している。

グーグルはスマートウエアでは後発だが、眼鏡型のウエアラブル端末「グーグルグラス」や「スマートウオッチ」と呼ばれる時計型端末の開発では業界をリードしてきた。 今後はスマートウエアの分野でも競争が一段と激しくなりそうだ。 (nikkei = 5-30-15)


三陽商会が上方修正後に急伸、重衣料が想定以上に好調で上方修正

三陽商会が急伸。 前場に上半期業績予想の上方修正を発表、その後は買いが優勢の展開になっている。 営業利益は従来予想の 30 億円から 60 億円にまで大幅上方修正、一転して前年同期比では大幅な増益となる格好に。 コートを主体とした重衣料の店頭売上が想定以上に好調な推移となったことが背景。 第 1 四半期の推移からみて上振れは想定線だが、早い段階での上方修正発表にはインパクト。 バーバリー契約終了後の過度な反動懸念なども低下する方向か。 (KABUTAN = 5-22-15)

◇ ◇ ◇

バーバリー後継、三陽商会が新ブランド チェック柄売り

三陽商会は、若い世代向けに婦人服の新ブランド「ブルーレーベル・クレストブリッジ」と紳士服の「ブラックレーベル・クレストブリッジ」を 7 月 1 日に売り出す。 英バーバリー社との契約で従来の「バーバリー・ブルーレーベル」などのブランド名が使えなくなったため名称を変更した。 チェック柄が売りで、時計や靴などの雑貨類も充実させる。 デザイナーに三原康裕氏を起用し、迷彩柄など新たなデザインも採り入れた。 価格帯は、婦人コートが税抜き 5 万 9 千 - 11 万円、紳士コートが同 4 万 9 千 - 13 万円。 (asahi = 4-20-15)

前 報 (1-12-15)


ギャップ 2 - 4 月期は減収減益、通期の利益見通し据え置き

米カジュアル衣料小売り大手のギャップが 21 日発表した 2 - 4 月期(第 1 四半期、5 月 2 日までの 13 週間)決算は減収減益となった。 社名を冠した旗艦ブランド「ギャップ」と「バナナリパブリック」の減収が響いた。 ただ、通期の 1 株利益の見通しは据え置いた。 2 - 4 月期の純利益は 2 億 3,900 万ドル(約 289 億円、前年同期は 2 億 6,000 万ドル)と 8% の減益、1 株利益は 0.56 ドル(同 0.58 ドル)。 0.55 - 0.56 ドルとしていた同社の見通しと一致した。

ギャップは先週、「ギャップ」ブランドの既存店売上高が前年同期の 5% 減から、さらに 10% 減少したと明らかにしていた。 既存店売上高は「バナナリパブリック」で 8% 減少した一方、「オールドネイビー」は 3% 増と引き続き好調だった。 通販サイトの売り上げを含む、全体の既存店売上高は 4% 減少した。 前年同期は 1% 減だった。 通販サイトの売上高は 5 億 6,300 万ドルと、前年同期の 5 億 7,500 万ドルから減少した。 総売上高は先週発表の通り前年同期比 3% 減の 36 億 6,000 万ドルと、市場予想を下回った。 為替変動の影響を除くと、減収幅は 1% だった。

ギャップは 2016 年 1 月期の 1 株利益の見通しを 2.75 - 2.80 ドルに据え置いた。 また、今四半期の在庫は前年同期よりやや増える見通しとした。 決算は米株式市場の取引終了後に発表された。 ギャップ株の 21 日終値は前日比 0.11 ドル (0.28%) 安の 38.56 ドル。 その後の時間外取引で一段安となり、終値比 0.21% 安の 38.48 ドルをつけている。 (Maria Armental、The Wall Street Journal = 5-22-15)


西松屋チェーン / 5 月の売上 16.8% 増

西松屋チェーン(2015 年 2 月期売上高 : 1,285 5億円)が発表した 5 月の前年比速報によると、全店売上高は前年同月比 16.8% 増、客数は 8.8% 増、客単価は 7.4% 増となった。 5 店を出店、2 店を閉店し、月末店舗数は 879 店だった。

5 月は夏物衣料の実需ピークに向けた納期管理の徹底が効果を発揮し、加えて月度の前半から連休期間中を通じ好天と気温上昇に恵まれたこともあって、半袖 T シャツ・ハーフパンツなどの初夏物アウトウェアや実用衣料の夏物肌着・夏物パジャマが一気にピークを迎えた。 それらの売上にけん引され、衣料品以外の大型育児用品やコモディティグッズを含めた全カテゴリーがもれなく好調に売上を伸ばした。 (流通ニュース = 5-21-15)


ブラジャーもウェアラブル時代? 歩数計など新機能搭載

トリンプ・インターナショナル・ジャパンは 13 日、世相を反映したブラジャーの新作「ウェアラブル女子力アップブラ」を発表した。 ウェアラブル端末市場の拡大を受け製作。マイクや心拍数を測るセンサー、歩数計などが搭載されている。

「きれい?」などの問いかけには「とってもきれい!」、「最高に輝いてるよ!」などブラジャーが 3 パターンの返答をしたり、ライトで本人を照らしたりする。 「下着で美しくなった女性の自信をさらに高める」機能という。 歩数計が内蔵してあるパッドは、スマホと連動して行動や睡眠などを記録・管理でき、健康管理を支援。 セットのスカートもあり、脱いで組み合わせると写真撮影用の「レフ板」代わりにも使えるという。 非売品。 (asahi = 5-13-15)


下着と水着一緒に販売 ワコール子会社「Ai」

ワコールホールディングスは 12 日、三愛の水着・下着事業を買収して設立した子会社「Ai (アイ、京都市)」の事業方針説明会を東京都内で開いた。 事業子会社ワコールの安原弘展社長は「海外では水着と下着は一緒に売られている」と述べ、国内で一緒に販売する店舗を段階的に増やし、売り上げ拡大を目指す考えを示した。 Ai によると、水着市場規模はピークの 1991 年に約 950 億円だったが、最近は約 220 億円と低迷。 安原社長は強みであるファッション水着の企画開発力を高め、「業界を活性化させる」と抱負を述べた。 (徳島新聞 = 5-12-15)

前 報 (1-24-15)


小売り大手、通販に接近 = 合言葉は「オムニチャネル」

小売業界で、「オムニチャネル」が新たな合言葉となっている。 「あらゆる販売経路」といった意味で、店舗での販売とインターネットの通信販売を組み合わせ、消費者がいつでもどこでも欲しい商品を買えるようにする取り組みを指す。 小売り大手は国内事業の成長のカギとみて、通販会社に接近している。

貨店の大丸、松坂屋を傘下に持つ J・フロントリテイリングは、通販事業「ベルメゾン」を運営する千趣会に出資する。 J フロントの山本良一社長は「マルチリテーラー(複合小売り事業者)として生きるには、事業の幅を広げるのが大前提だ」と話す。 両社は 4 月 28 日、大阪市の千趣会本社で業務提携推進委員会の初会合を開催。 千趣会は「オリジナル商品が多く、開発力が魅力(百貨店関係者)」と言われ、商品の共同開発やネット通販の強化などが期待される。

ただ、店舗とネット通販を融合させ、相乗効果を生み出すのは簡単ではない。 セブン & アイグループに入った通販大手ニッセンホールディングスの 2014 年 12 月期決算は、営業損益が 66 億円の赤字。 セブン-イレブンの店頭にニッセンのカタログを置くなど協力を深めるが、低迷に歯止めがかからない。 (jiji = 5-4-15)

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J・フロント、千趣会に資本参加 … 業務面も提携

大丸松坂屋を運営する J・フロントリテイリングは 17 日、通信販売の「ベルメゾン」で知られる千趣会に資本参加すると発表した。 業務面でも提携し、衣料品などそれぞれの自主企画商品の販路を増やすほか、共同開発を進める。 靴や婦人服なども含めて品数を増やし、インターネット通販事業の強化につなげる。

J・フロントは千趣会が実施する第三者割当増資を引き受けるなどし、千趣会に 22% 超を出資する筆頭株主になる。 千趣会は、J・フロントの決算に損益の一部を反映させる「持ち分法適用会社」となる。 株の取得費用は 100 億円程度。 東京都内で 17 日に記者会見した J・フロントの山本良一社長は「事業領域や顧客基盤で補完性が高く、最良の選択だ」と語った。 千趣会の通販は、30 - 50 歳代の女性向けが中心なのに対し、J・フロントは富裕層や中高年に強く、資本・業務提携によって相乗効果が見込めると判断した。 (yomiuri = 4-19-15)


ニューヨーカー ブルー 「夏を楽しむリネン素材」を紹介するページを公開

株式会社ニューヨーカー

衣料事業の主力ブランド NEWYORKER を中心とした紳士服・婦人服の企画販売を行っている株式会社ニューヨーカーは、ブランド NEWYORKER BLUE (http://newyorkerblue.com/) の特集コンテンツページ「Linen Item」を自社通販サイトで公開しました。

"気分にまかせ、お気に入りを身にまとう" をコンセプトに、遊び心のあるトラッドカジュアルスタイルを提案する NEWYORKER BLUE。 2015 年夏の新作商品から、夏場に最適な麻素材アイテム「Linen Item」を紹介するコンテンツページを公開しました。

清涼感のある素材の代名詞といえば、リネン素材。 ドライな肌触りは、高温多湿なニッポンの夏に心強い味方であり、ざっくりとした素材感は傍ら目にも気持ちがいい物。 ベーシックなデザインのリネン素材アイテムなら手っ取り早く上級に季節感を楽しめます。 夏場に最適なリネン素材をお洒落にクリーンに装える NEWYORKER BLUE のリネンアイテムをお楽しみください。 (PR Times = 5-1-15)


セーレン、増収増益 海外で車向けシート生地を強化

自動車のシート生地が主力の繊維メーカー、セーレン(福井市)は、海外での生産能力を強化する。 世界 10 カ国で自動車向け内装材を製造・販売しており、インドやインドネシアに続いてメキシコに新工場を建設中だ。 中国でも生地から縫製まで手がける新会社を 8 月にもつくる。 2016 年 3 月期の設備投資の予定額約 68 億円のうち、7 割を成長が見込める海外にまわす。 川田達男会長は「自動車の国内市場は縮小しており、海外メーカーとの取引も増やしていきたい。」

シート生地に加え医療や電子機器関係の商品も伸びて、15 年 3 月期の売上高は前年比 5.9% 増の 1,037 億円。 純利益は 16.5% 増の 48 億円と過去最高だった。 (asahi = 4-30-15)


コラボ企画の "小さくたためる" シリーズ商品とは?

株式会社良品計画は東レ株式会社とコラボで企画した「小さくたためる」シリーズを 4 月下旬に発売する。 商品は "ポリエステル糸" 使いの衣料で、同シリーズは " 良い旅を良いアイテムと" がコンセプトの「MUJI to GO」で初の女性用衣料となった。 旅行シーンに求められる "持ち運びが便利でコンパクトにたためる" 機能とともに、衣料として心地良く、日常および旅行に役立つ素材の設計が施されている。 (BeautyNavi = 4-23-15)


リピートされる EC サイトの特徴とは? ファッション EC サイトの訪問者数ランキングを発表!

ヴァリューズが実施した通販サイトのファッション領域に関する調査から、サイト訪問者数においてはカタログ通販の「ベルメゾンネット」、「ニッセン」が 2 強であることが明らかになった。 ヴァリューズは、マーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、通販サイトのファッション領域について 2015 年 1 月 - 3 月のサイト訪問者数、訪問回数を集計し、訪問頻度ランキングを作成した。 また、訪問頻度の高い上位サイトについて、サイト基本指標、ユーザー属性、集客構造を比較検証を行った。

2015 年 1 - 3 月の 3 か月間で「ファッション」カテゴリの EC サイト訪問者数を集計したところ、訪問者数の 1 位「ベルメゾンネット」、2 位「ニッセン」となり、ユーザー数ではカタログ通販サイトが 2 強となった。 3 位は「ユニクロ」、4 位には「ZOZOTOWN」が入っているが、トップ 10 のうち半数がカタログ通販サイトに。 依然としてカタログ通販の集客力の高さが明らかになった。

次に、同期間のサイト訪問回数を集計し、ユーザー 1 人当たり訪問回数(訪問頻度)でランキングしたところ、1 位は「通販・テレビショッピングのショップチャンネル」、2 位「QVC ジャパン/世界最大級のテレビショッピング・通販」、3 位「ZOZOTOWN」という結果になった。 「ショップチャンネル」や「QVC ジャパン」は TV 通販との連携があるためか、3 か月間で 1 人当たりの訪問回数が 10 回超と非常に高くなっていた。

一方、3 位に入った「ZOZOTOWN」をはじめ、トップ 10 内の「スタイルクルーズ」、「ワールド オンラインストア」、「Stylife」などは、各アパレルブランドのファンが、新作やセールのチェックなどでリピート訪問していると考えられる。 また、4 位のニッセンが運営する「アウトレット通販 BRANDELI」や、「ギルト」、「ファミリーセール グラムール」等、会員制のアウトレットやセールサイトが、複数、訪問頻度上位にランクインしていることも特徴的だ。

各サイトの集客施策の特性は?

来訪頻度の高い上位ファッション EC のうち、TV 通販からは「ショップチャンネル」、アパレル特化の EC モールから「ZOZOTOWN」、会員制アウトレットモールより「BRANDELI」、の 3 サイトについて、サイト基本指標を比較した。 各サイトともに直帰率が 20% 前後と低く、平均滞在時間は約 10 分と、来訪したユーザーを逃さず、サイト内で回遊・滞在させるつくりになっている。 また、購入者に絞った平均滞在時間では、「ZOZOTOWN」は 30 分を超えており、各サイト共通して、購入者では平均滞在時間が約 2 - 3 倍に伸びていた。 この結果から、吟味しながら購入を検討していることが読み取れる。

サイト訪問者の属性でも、各サイトのターゲット像が明確にあらわれていた。 性別では各サイトとも女性の割合が高くなっていたが、「ZOZOTOWN」では男性比率も 37% に。 また、年代では「ZOZOTOWN」は 20 - 30 代が 56%、一方の「ショップチャンネル」は 50 - 60 代が 67% を占める結果となった。

最後に、各サイトの集客構造を比較してみた。 「ショップチャンネル」や「ZOZOTOWN」は、「お気に入り(ブックマーク)/履歴」経由の流入が 30% を超えており、一定のファンがついているようだ。 「BRANDELI」は最初にメルマガ登録をしてセール会場へ誘導するつくりになっているため、「メール経由」の流入が 27% と高くなっていた。

また、「ZOZOTOWN」では「自然検索」経由の流入割合が 47% と高く、検索キーワードはサイト名の「ZOZO」をはじめ、各アパレルブランドの名称やアイテム名など、バラエティに富んだ結果に。 流行の変化が激しいファッション業界だが、常に新作が入荷する「ZOZOTOWN」では旬のキーワードを的確にとらえた SEO 対策が、有効に機能しているようだ。 (MarkeZine = 4-22-15)


車のシート技術、北陸新幹線に続き ANA へ トヨタ紡織

トヨタ自動車系内装大手のトヨタ紡織は 21 日、全日本空輸の飛行機向けに、シートの納入を始めると発表した。 自動車向け以外では、北陸新幹線、住宅の内壁の装飾に続く本格的な取引となる。 激しい競争で「本業」の利益が低迷するなか、新分野の開拓で収益のてこ入れをはかる。 「航空機シートに適したものとは何かを真摯(しんし)に考え、胸を張って売り出せるものができた。」 納入を発表した 21 日、トヨタ紡織の豊田周平社長は記者会見で、こう手応えを述べた。

全日空と共同開発したシートは、トヨタ紡織が長年自動車で磨いてきた技術を応用。 腰を支えるシートの角度やクッションなどを工夫し、長時間飛行でも疲れにくくした。 シートを従来より 5 センチ低くするなど、小柄な日本人でも座りやすくし、記者会見に同席したスキー・ジャンプの高梨沙羅選手は、「飛行機では届かなかった床に足が着いて感動した」と話した。 (高橋諒子、asahi = 4-22-15)


肌着が進化 特殊糸で通気性など向上 ユニクロとイオン

汗ばむ季節を前に、ユニクロとイオンが機能性肌着のリニューアルを PR している。 大手繊維メーカーの特殊な糸を使い、通気性や吸水性を高めている。 いずれの商品も順次販売が始まっている。

ユニクロは 20 日、通年で着られ、快適性を追求した肌着「エアリズム」を刷新したと発表した。 男性向け「メッシュ型シャツ」(税抜き 990 円)は、肌に触れたときに冷たく感じる東レの糸を使用。 編み方を工夫することで、通気性を従来品の 2 倍に高めた。 部屋干しでも臭くならないという。 女性向け「超快適インナー」は、吸放湿性を 1.5 倍に高めた。 イオンは 13 日、春夏向けの肌着「トップバリュ ピースフィット」の新モデルを公表した。 「除湿インナー」は、編み方を工夫したりして、ムレにくくしたという。 男性向けのシャツで税抜き 980 円。 (asahi = 4-21-15)


作業服、派手な蛍光色に 繊維各社が新素材開発に注力

東レ、帝人など大手繊維メーカーが、最新技術で派手な蛍光色に染めた作業服用の生地に力を入れている。 2020 年の東京五輪・パラリンピックに向けて工事が増えれば、作業服の需要も伸びるとにらんでいるからだ。 帝人は今月、作業服向け生地の専用ブランド「テクシャス」を立ち上げた。 オレンジ色など派手な色合いとともに、独自技術で内側に熱気がこもらず、外からの熱は遮るよう工夫した。

東レも昨秋、作業服の専用ブランド「ブリアンスター」を立ち上げた。 T シャツやズボンなど約 20 種類をそろえる。 17 年度には 14 年度の 10 倍にあたる 20 万着前後を売る計画。 クラボウは 13 年から、燃えにくい繊維を独自技術で蛍光色に染めた生地を売り始めた。 シキボウも昨年から展開する。 工事現場などでの作業員と車の事故は毎年 1 千件ほど起きているとされ、現場で働く人の身を守るため、蛍光色の作業服は欠かせない。 日本工業規格 (JIS) は今夏にも色の明るさや反射率などの基準をつくる見通しで、繊維メーカーは売り込むチャンスになるとみている。 (伊沢友之、asahi = 4-18-15)


アシックス快走、世界 3 位も射程内 海外で人気の理由は

スポーツ用品のアシックス(神戸市)が、業界世界 3 位の「プーマ超え」を射程内にとらえた。 1 位の米ナイキ、2 位の独アディダスにはまだまだ及ばないが、勢いは増すばかり。 その強さ、なぜ? 世界のスポーツ用品業界は「2 強プラス 1」が続いてきた。 売上高 3 兆円を超えるナイキと、2 兆円近いアディダスに、4 千億円の独プーマという構図だ。 そこに、アシックスが割って入ろうとしている。 2015 年 12 月期でめざす売上高は 4,230 億円。 10 年前の約 3 倍で、ここ数年のプーマを上回る数字だ。

「14 年 12 月期は全地域での増収を達成した。 北米はまだ伸ばせるし、ASEAN、インドももっと伸ばせる。」 アシックスの尾山基社長 (64) はこう話し、プーマ超えの先を見据える。 飛躍のきっかけは「オニツカタイガー」だ。 現地法人が 1999 年度に赤字を出し苦戦していた欧州で 02 年、昔のブランドのシューズを本格的に復活させた。 決めたのは現地法人で社長をしていた尾山氏。 社内でも、創業者の名を冠した 60 - 70 年代のシューズを復活させたい、という声があがっていた。

当時、欧州のファッション業界では、レトロなデザインが流行し始めていた。 オニツカは底が薄く、デザインや色づかいがシンプルで、まさにもってこい。 尾山氏は、オニツカを高級ブティックで売られるようなブランドにしようと、天然皮革を使うなど素材や質にこだわり、イタリアやフランスの高級店だけで売った。

そうしているうちに、世界中のスクリーンに登場した。 03 年に公開されたハリウッド映画「キル・ビル」で、主役のユマ・サーマンが黄色いオニツカをはいてアクションシーンを演じたのだ。 尾山氏は「ファッショナブルなイメージが浸透した」と振り返る。 欧州でのオニツカの売り上げは 07 年度、全体の 1 割を占めるまでになった。 欧州でのもうけは、日本国内の 2 倍以上にあたる 123 億円になった。 (笠井哲也、asahi = 4-13-15)


洗濯表示、きめ細かに 記号 22 → 41 種に、来年 12 月

衣類の裏側に付いている洗濯方法を示す記号が来年 12 月から一新される。 新しい国際規格に沿うように国内規程を改めるためで、記号は 22 種類から 41 種類に増える。 新記号を発表した消費者庁は「よりきめ細かい情報が提供され、海外で買った製品も取り扱いやすくなる」と説明している。

洗濯機で洗えることは現在は四角い絵で表しているが、新記号では洗いおけのような絵で表し、洗う時の強さも、おけの下に棒線を引いて場合分けする。 手洗いは従来、洗いおけのような絵に「手洗イ」の文字を添えていたが、新記号では手のひらの絵を添える。 塩素系漂白剤を使えることは、フラスコのような絵に「エンソサラシ」と書いていたが、新記号は単に三角形となる。 三角形の中が空白だと「塩素系と酸素系の漂白剤を使える」を意味し、斜線が引かれると「酸素系は使えるが、塩素系はだめ」という意味になる。 (高橋健次郎、asahi = 4-4-15)


国産ジーンズ「復権」へ連携 石川と倉敷の企業、新衣料ブランド開発

繊維産業が盛んな石川県と、国産デニム発祥の地とされる岡山県倉敷市の企業がタッグを組んで、ジーンズを中心とする新たな衣料ブランドづくりに乗り出した。 新素材を使って機能性を高めたり、斬新なデザインを導入したりすることで、安価な外国産に押され気味の国産製品を盛り立てるのが狙い。 現在試作に取り組んでいる。

プロジェクトには、石川から合繊メーカーや衣料品会社、倉敷から「ビッグジョン」、「ベティスミス」といった有名ジーンズメーカーなどが参加。 ブランド名は石川の県都・金沢と倉敷の頭文字を取って「KK ブランド(仮称)」だ。 石川県繊維協会の伊藤靖彦会長が昨年、視察に訪れた倉敷の衣料関係者に連携を提案したのがきっかけ。 「視察で終わるのはもったいない。 一緒にやれば新しい何かが生まれるのでは、とひらめいた。」

ジーンズ以外にも、トータルコーディネートできるよう上衣や小物の生産も計画しており「ジーンズに合わせても高級感があって優雅」がコンセプトだ。 外国産の低価格商品で攻勢を仕掛ける大手の衣料チェーンや総合スーパーに対抗するためには、付加価値の高い商品や、既存の考えにとらわれないユニークな商品開発も求められる。 伊藤会長は「オフィスのユニホームをデニムで作るのも面白い」とイメージを膨らませる。

素材開発やシャツ、ブラウスなど上衣の開発は石川側が担当、新素材を使ったジーンズやデニム雑貨の開発を倉敷側が担う。 倉敷側の関係者が「石川の繊維技術を生かして糸作りからこだわり、機能性など色合い以外の魅力も示したい」と言えば、伊藤会長も「ジーンズ調で極薄だったり、デニムでも防水性が高かったりする生地もできるのでは」と意欲満々だ。

価格以外にもレギンスやチノパンツなどに押される形で、国内メーカーのジーンズ生産は 2007 年の約 9,500 万本(日本ジーンズ協議会推計)をピークに減少が続き、12 年は約 7,350 万本だった。 同協議会の佐伯晃専務理事は「デニムの機能性といっても、今は伸縮性ぐらい。 得意分野が異なる 2 地域が刺激し合って若者の心をつかむ製品を生み出してほしい。」と期待している。 (sankei = 4-2-15)


ワールド社長に上山氏 18 年ぶり交代 創業家以外から初

アパレル大手のワールド(神戸市)が上山健二常務執行役員最高執行責任者 (COO) = (49) = を社長に昇格させる人事を固めたことが 31 日、分かった。 4 月中旬に開かれる臨時株主総会後の取締役会で正式決定する。 寺井秀蔵社長 (65) は代表権のある会長に就く。

創業家以外からの社長登用は初めてで、社長交代は平成 9 年以来 18 年ぶり。 同社は 26 年 3 月期連結決算で 2 期連続の最終赤字を計上するなどしており、新体制の下で業績回復を目指す。 上山氏は住友銀行(現三井住友銀行)入行後、スーパーの長崎屋や英会話教室の GABA で社長を歴任。 25 年にワールド入社後は若手社員の登用を進め、店舗運営やブランド開発を主導してきた。 (sankei = 3-31-15)

かみやま・けんじ 東大経卒。 昭和 63 年、住友銀行(現三井住友銀行)。 長崎屋社長などを経て平成 25 年ワールド常務執行役員。 26 年 6 月から常務執行役員 COO。 兵庫県出身。


美脚パンツ、震災バネに躍進 屈伸テストは数十万回

足は長く細く、ヒップは高くみせたい。 そう考える女性向けのストレッチパンツを開発して売る神戸市の会社の店「B-Three (ビースリー)」が、全都道府県への出店を達成した。 起業半年でおきた 20 年前の阪神大震災で廃業寸前まで追い詰められた。 けれど、躍進のきっかけもまた、この震災だった。 この会社の名は、バリュープランニング。 新神戸駅近くに本社がある。 そこから道を隔てたところにある「美脚研究所」の最大の使命が、1 本 1 万円余りするパンツの機能追求だ。

足を細く長く見せるために、生地の中心部の色を薄く、まわりを濃くする。 ヒップを高く見せるために、おしりの部分の生地に上への力をくわえる。 ポッコリおなかを目立たなくするには、足を若々しくたもつには ・・・。 そういったテーマを、人間工学などにもとづき、大学や理学療法士の力も借りて研究している。 品質も支える。 腰から下だけあるロボットにパンツをはかせ、何十万回もひざの屈伸をさせて丈夫さも確認。 家庭での洗濯 OK にもこだわっているので、ドラム式と全自動の洗濯機で何百回も洗い、色落ちをチェックしている。

そんなこだわりのため、試作品を 100 点つくっても商品化にこぎつけるのは 2 - 3 点だ。 開発期間は 3 - 4 年かかることもある。 2000 年に神戸に 1 号店を出してから、いまおよそ 250 店を構える。 昨年 11 月、福井市郊外にあるショッピングモールの中に「B-Three」がオープン、これで空白都道府県がなくなった。

もっとも無理に出店してきたのではない。 賃料を安くあげて費用を抑えるため、大型の商業施設や百貨店、駅の地下街で、改装にあわせたり、撤退した店のあとに出したりしてきた。 福井の店は、100 円ショップ撤退の跡地だ。 東京の京王百貨店新宿店には、フロアの改装にあわせて出店した。 京王の副店長兼婦人服部長の水島英樹さん (53) は「お値打ち感が強く、若い人だけでなく、ミセス、シニアなどすべての年代の女性に受け入れられています。 全国に大展開できているのも納得です。」と話す。

被災者との会話、転機

バリュー社の井元憲生(のりお)社長 (61) は、1994 年 6 月に起業、「はくだけでスタイルアップする女性用パンツ」を売り出した。 小売店に卸すと、半年で 1 億円を売り上げた。 95 年 1 月 17 日、阪神大震災がおこる。 倉庫は壊れて在庫は雨でずぶぬれ、おじゃんに。 神戸の街は仕事どころではない。 〈このままなら倒産や。 ためたカネをスタッフ 4 人と山分けして廃業しよ。〉 そう思って、がれきの片付けのボランティアをしていたある日、たき火にあたっていた被災者たちに話しかけたことが、転機となった。

「あったかい毛布がほしいねん」、「あったかい風呂にも入りたいわあ」といった声に「廃業」の 2 文字は消えた。 〈アパレルには、あったかさを届ける力がある〉と気づいたからだ。 保温下着をつくってみるとまだ珍しく、よく売れた。 3 年間で資金をためて 98 年、パンツづくりを再開、小売店や百貨店に卸した。 そして、みずから小売りを始める。

バリュー社の本社の電話番号の下 4 桁「7074」は、ずっと変えていない。 「何もなし」と読む。 「おごるな、初心を忘れるな。 わたしのそんなこだわりです。」と井元さん。 徹底するのは、消費者の声を聞くことだ。 商品に「どんなパンツがほしいか」を聞くアンケートを添えて声を集め、機能性の追求を続ける。 大震災のとき、おっちゃんたちの生の声を聞いたからこそ、再スタートができたのだから。(編集委員・中島隆、asahi = 3-28-15)


高島屋とエイチ・ツー・オー、商品の共同開発を拡大

高島屋とエイチ・ツー・オーリテイリング (H2O) は 23 日、業務提携を強化すると発表した。 婦人服や紳士雑貨、中元や歳暮で商品の共同開発範囲を拡大し、物流面でも協力する。 2014 年度に 45 億円と見込む提携による事業規模を 15 年度に 75 億円、3 年後をめどに 100 億円程度に引き上げる。 今回の合意について高島屋は「これまでの業務提携が成果をあげており、商品開発の面で一段の関係強化に踏み込みたい」としている。

両社は 08 年に経営統合に向けて協議入りすることで合意し、互いに株式を 10% を持ち合った後、統合協議が 10 年に破談になった経緯がある。 双方とも株式は持ち続けており、現在高島屋は H2O 株を 8.3%、H2O は高島屋株を 9.3% 保有している。 今回、5% を相互に継続保有する資本提携を締結し直した。

両社ともに一部の株式を自己株式として取得し、残りを第三者に譲渡する。 高島屋は 16 年 2 月期に売却益として 42 億円を特別利益に計上する。 一方、H2O は今後の売却を予定しているが、現時点で売却益は確定していないとしている。 (nikkei = 3-23-15)


ヨーカ堂、カジュアル衣料品の新ブランド 30 - 50 代の主婦狙う

イトーヨーカ堂は 25 日、女性向けカジュアル衣料品の新ブランドを立ち上げる。 グループ会社のそごう・西武が持つ商品ラインアップの派生ブランドとして同社と共同開発した。 ヨーカ堂の主要顧客である主婦層向けに、上質な日常着を用意する。 衣料品の品ぞろえを刷新し、食品を求めて来店した顧客に衣料品売り場にも足を運んでもらう狙いだ。

そごう・西武と共同開発した「リミテッドエディション デイリーモード」を立ち上げた。 アウターやシャツブラウス、ニット、ワンピース、パンツなど春夏アイテム 100 品目を用意する。 都市部を中心とした約 50 店舗の衣料品売り場で、30 - 40 平方メートルの特設売り場を展開する。 ヨーカ堂の衣料品売り場にはシニア消費者向けの商品が多く、30 - 50 代の主婦層が利用しにくいという課題を抱えていた。 グループ内の百貨店と共同で新ブランドを立ち上げ、売り場の魅力作りに取り組む。 (nikkei = 3-21-15)

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セブン&アイ、百貨店・スーパー共通衣料を展開

有名デザイナー起用、まず仏ゴルチエ氏

セブン & アイ・ホールディングスは傘下の百貨店とスーパーが共通で扱う衣料品を発売する。 第 1 弾の婦人服を 10 月、全国の約 160 店で売り出す。 国内外の有名デザイナーを起用し、機能性とファッション性を兼ね備えた商品を開発。 グループの多様な販路を生かして消費者にアピールし、苦戦が続く衣料品の販売をてこ入れする。

衣料品の共通商品はセブン & アイが企画開発・製造も自前で手掛ける。 ブランド名を「セット プルミエ」とし、第 1 弾は仏有名デザイナーのジャンポール・ゴルチエ氏を起用する。 シャツやパンツ、ワンピースなど 1,500 種類を用意し、うち 500 種類がゴルチエ氏のデザインになる。 セブン & アイ傘下では百貨店のそごう・西武、スーパーのイトーヨーカ堂がそれぞれ独自のブランドで衣料品を販売している。 新ブランドは既存商品と価格帯やデザインが重ならないように配慮し、ファーストリテイリング傘下の「ユニクロ」など衣料品専門店に流れていた層を取り込む。

3,000 円台のカットソーから 3 万円近いコートまでをそろえ、百貨店 24 店、スーパー約 135 店でまず販売。 インターネット通販でも扱い、コンビニエンスストア「セブンイレブン」で商品の受け取りができるようにする。 紳士服や子供服の販売も検討する。 衣料品の企画開発に外部デザイナーを起用する例は海外では多い。 先駆けとされる衣料品販売世界 2 位のヘネス・アンド・マウリッツ(H & M、スウェーデン)は 10 年ほど前から外部デザイナーとの連携に乗り出し、半年から 1 年ごとにデザイナーと開発した商品を販売している。

ユニクロは 3 日、仏有名デザイナーのクリストフ・ルメール氏と開発する商品を 15 年秋冬商戦で発売すると発表した。 ルメール氏は 11 年、ゴルチエ氏の後任として仏高級ブランド「エルメス」のデザイナーに就任し、15 年春夏コレクションを最後に退任していた。 ユニクロは 09 年にも独有名デザイナーのジル・サンダー氏と開発した商品「+J (プラスジェイ)」を売り出すなどしている。 (nikkei = 3-4-15)