パルコ、ネット資金で若手デザイナー発掘へ

ファッションビル大手のパルコは、インターネットを通じ多くの人からお金を集めるクラウドファンディングを始める、と発表した。 ファッションやアート分野などでの強みを生かし、若い才能を発掘して、小売業の活性化を目指す。

アート雑誌の出版やファッションブランドの海外進出、地域活性化のための芸術祭の開催など六つのプロジェクトについて、資金を集め始めた。 今後は、食やゲームなどの分野もプロジェクトを公募する。 審査を通過した事業について、専用サイト「ブースター」で消費者から資金を募る。 あらかじめ決められた目標金額を上回る資金が集まると、事業が始まる。 1 年以内に 10 を超えるプロジェクト化を目指す。 ((北川慧一、asahi = 12-20-14)


「ザラ」などのスペイン・インディテックス、冬季は好調なスタート

[マドリード] 傘下に「ザラ」などのブランドを擁するスペインのアパレル大手インディテックスは、冬季の販売が好調なスタートを切ったことを明らかにした。 11 月 1 日 - 12 月 8 日の売上高(為替変動の影響を除く地元通貨建て)が 14% 増。 欧州では温暖な気候を受けて、秋季の売り上げが低迷する小売業者が目立っていた。 2 - 10 月の売上高は 10.5% 増の 127 億ユーロ(160 億ドル)。 純利益は 16 億 9,000 万ユーロで横ばいだった。 (Reuters = 12-11-14)

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低価格衣料「ザラ」姉妹ブランド、大阪に旗艦店

低価格衣料品ブランド「ザラ」を展開するスペイン・インディテックスは 7 日、姉妹ブランド「ストラディバリウス」の旗艦店を大阪・心斎橋に開く。 国内 7 店目で、店舗面積は世界最大級の約 1,400 平方メートル。 アジアからの訪日観光客が多い土地柄もあり、国内外にブランドイメージを発信する拠点と位置づける。

ストラディバリウスは世界で 900 店を展開しており、日本では今春に 1 号店を開いた。 大型店の出店で知名度向上をめざす。 6 日に開いた内覧会でストラディバリウス・ジャパン(東京・渋谷)のルレ・ノルベール代表取締役は「来年は日本で 5 店以上出店する」と語り、候補地として未出店の東京や九州、地方の大都市を挙げた。

「日本のショッピングモールには勢いがある」とも語り、「ららぽーと」、「イオンモール」などのモールにも引き続き出店していく見通しだ。 ストラディバリウスは 20 代から 30 代前半の女性がターゲットで、ザラと異なりメンズやキッズは扱っていない。 ファストファッションの代表的なブランドの一つで、新商品は週 2 回追加される。 (nikkei = 11-6-14)


ユナイテッドアローズ、通販サイトに衣料サイズチェック機能

ユナイテッドアローズは 4 日、衣料品のサイズを従来より簡単に確認できる新機能を自社のネット通販サイトに導入したと発表した。 同サイトで過去に購入した商品などと、販売中の商品をイラストにして重ねることで比較する。 ネット通販の課題であるサイズチェックを容易にして顧客の不安を解消する。

購入履歴がある商品のほか、手持ちの衣料品もサイズを測って入力すればイラストになって画面に表示される。 これを販売中の商品のイラストと重ねることで、長さや幅などを簡単に比較できる。 サイズの違いは数字でも表示される。 同社のサイトにはウエストなどの数値情報やモデルが着用した写真が掲載されているが、購入者にはサイズのイメージがつかみにくかった。 今後は他の通販サイトの購入履歴も利用できるようにしていきたい考え。 サイズ違いによる不満を小さくし、現在約 7% の返品率を 5% 以下に抑えたい考えだ。 (nikkei = 12-4-14)


アパレル大手、再利用に力 全国で回収、収益で社会貢献

着なくなった衣服の再利用やリサイクル原料への転用など、国内のアパレル大手各社が循環型への取り組みに力を入れ始めた。 環境への配慮だけでなく、社会貢献にもつながっている。

11 月末、横浜市のリサイクル業「スズキ故繊維」の作業場には、アパレル大手、ワールドから送られた段ボールが積まれていた。 中にはスカートやシャツ、コート、スーツなど様々な衣類。 タグを切っていない新品も。 衣替え時期に合わせ、顧客から不用な衣料品を引き取るキャンペーンで回収したものだ。 作業員 5 人が汚れや破れ、変色を瞬時に判別し、直営店で売れる服を手早く分ける。 この日は半日で 10 箱約 500 点を仕分けた。 残った衣類の多くは東南アジアに輸出され、ウエス(工業用雑巾)になるものも。 ゴミはほぼ出ない。 (帯金真弓、asahi = 12-4-14)


服の色合い、触って感じて 視覚障害者向けタグ開発

見えなくても、服装の色のコーディネートを楽しみたい。 目が不自由な人たちのそんな要望に応えようと、日本女子大学家政学部(東京都文京区)の研究室が、触れば色がわかる「触覚カラータグ」を開発した。 都内のアパレルメーカーが採用を検討している。 サテン地のタグは縦 5 センチ、横 3 センチほどの大きさ。 洋服の首の後ろ側にあるサイズなどを表示するタグに似ており、着ても違和感はない。

視覚障害者が色を識別できる仕掛けは、タグにある突起と、直径 3 ミリの穴にある。 突起は、「マンセル色相環」と呼ばれる色を環状に表した体系に合わせた 10 色と、白黒灰の 3 色、真上を示す突起の 14 カ所。 穴を円の中心に近いところにあけることで、「薄い」色を示す。 計 23 種類の色を表現できるという。 日本女子大家政学部非常勤講師(人間工学)の佐川賢さん (65) らが、突起の高さや材質などを変えながら、一番わかりやすい形を 4 年がかりで開発した。

佐川さんによると、生まれつき目が見えない人も、色のイメージを身につけている人は多いという。 盲学校での美術の授業などで、「黄色はひよこの色。 かわいらしい感じ」といった具合に色から連想できるものや感覚を学ぶ。 (河原田慎一、asahi = 11-30-14)


米衣料品 HanesBrands、越北部で第 3 工場を落成

米衣料品メーカー HanesBrands は、Hung Yen 省 Kim Dong 県でベトナム第 3 工場を落成した。 面積 8 万 4,553m2、投資規模 1,500 万ドル、年間生産能力 6,700 万製品。 2007 年からベトナムで輸出用衣料品工場の建設に着手し、1 カ所目の Hung Yen 省 Khoai Chau 県、2 カ所目の Phu Bai (Hue) の工場で、年間 4 億製品を生産している。 このたびの第 3 工場を含め、3 つの工場の投資総額は 4,500 万ドルとなる。

第 3 工場が安定操業に入れば 6,000 人を雇用、現在の 8,000 人を合わせ、グループの世界の従業員の 20% あまりを占めることになる。 ベトナムでは、Hanes、JMS、Bali ブランドの男性・女性用下着や T シャツを主に生産し、商品の 90% はアメリカや日本、カナダ、中国などに輸出する。 2013 年、1 億 4,000 万製品が Hung Yen 省の工場から出荷、輸出され、売上は 9,300 万ドル。 新工場により、売上は年間 3 億 - 4 億ドルに達する見通し。 (Dau Tu、Hotnam = 11-25-14)


香川手袋 表舞台へ結束 18 社で新ブランド

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セブン & アイが新施設「グランツリー」を公開

イトーヨーカ堂などを展開するセブン & アイ・ホールディングスは 20 日、川崎市の武蔵小杉駅近くで 22 日開業する新施設「グランツリー」を報道陣向けに公開した。 グランツリーでは 1 - 4 階の階ごとに食品や衣料品、家族向けなどテーマを設けて店舗を配置した。 スーパーや百貨店のほか、「ビームス」など衣料専門店が入居する。 知育玩具の遊戯場「ボーネルンド あそびのせかい」も設けられている。

イトーヨーカ堂も、食品や日用品、衣料品の自主企画の売り場を展開するが、それぞれの売り場はつなげず、「イトーヨーカドー」の看板も掲げない。 記者会見した戸井和久社長は、「イトーヨーカドーのイメージを持たずに来てもらいたい」と述べた。 (yomiuri = 11-21-14)


百貨店売上高 2.2% 減、10 月 衣料品が苦戦

日本百貨店協会が 19 日発表した 10 月の全国の百貨店売上高(既存店ベース)は 4,783 億円で前年同月比 2.2% 減った。 消費税引き上げ後の 4 月から 7 カ月連続のマイナスで、減少幅は 9 月(0.7% 減)から拡大した。 訪日外国人向けの免税品販売は好調だったが、国内需要のもたつきが続いている。 今年の年間売上高が 3 年ぶりに前年実績割れする可能性も出てきた。

10 月は婦人服が 2.7% 減と 2 カ月ぶりにマイナスだったほか、高級時計や貴金属などが 6.4% 減と 7 カ月連続で前年割れした。 上旬までは気温が高く秋冬の衣料品の販売が苦戦したことに加えて、台風で客足が遠のいたことも響いた。 1 - 10 月の累計売上高は前年同期比 0.7% 増だ。 昨年は秋以降、消費増税前の駆け込み需要が宝飾品などで膨らみ、11 月と 12 月の販売額は 2012 年の同じ月と比べて 2.4%、1.7% 増えていた。 比較する前年の水準が高いことから、今年の残りの 2 カ月が前年実績を上回る「ハードル」は高い。

実際、11 月に入ってからの販売は前年を 2% 程度下回っている。 12 月 14 日投開票の衆院選に向けて歳暮商戦にマイナスの影響が出るとの見方も出ており、このまま低調な販売が続けば 14年 通年の売上高が 3 年ぶりに減少する可能性もある。

訪日外国人向けの免税品の売上高は好調だった。 10 月は 86 億円と前年からほぼ倍増し、単月ベースでは過去最高だ。 免税対象が化粧品や食料品など消耗品に広がったほか、中国の大型連休にあたる国慶節の時期に中国人客が増えたためだ。 三越銀座店(東京・中央)は 10 月の免税品販売比率が 15% (4 - 9 月が約 8%)に達した。 14 年の免税品売上高は 600 億円を突破する勢いだが、百貨店全体の市場規模(約 6 兆円)のうち 1% にすぎない。 急成長を続けるが全体の押し上げ効果は限定的といえる。 (nikkei = 11-19-14)

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百貨店の衣料品販売、寒さで上向く 前年比 10% 増も

先週半ばからの気温の冷え込みで百貨店の衣料品販売が上向いている。 婦人向けの秋冬物コートを中心に売れ行きが好調だ。 三越伊勢丹ホールディングスや高島屋などは売り場によっては前年の同時期より 10% 以上伸びた。 平均単価も上向きつつある。 衣料品は百貨店の全体売上高の 35% を占める。 消費増税後の反動減を克服する兆しとなるかもしれない。

先週土曜日の 25 日、伊勢丹新宿本店(東京・新宿)で 7 万円台のコートを試着していた 60 代の主婦は「寒い日も暖かい日もあり、それぞれで着こなせる商品がほしい」と品定めをしていた。 同店の婦人服コートの 10 月 13 - 19 日の売上高は前年同期(同じ曜日の累計)と比べ 6% 増、それが直近の 1 週間(20 - 26 日)になると 15% 増えた。 同店の平均購入額も昨年比で 2 割弱上がったという。

そごう・西武の西武池袋本店(東京・豊島)では気温が一気に下がった 22 日からコートの売り上げが伸びた。 25 - 26 日は 10% 増。 婦人向けはフード付きコートや、丈が長めでフォーマルなデザインのチェスターコートなどが売れた。 高島屋は、日本橋店(東京・中央)など全 17 店で紳士服と婦人服の合計が 24 - 26 日の 3 日間で 1.8% %増。 婦人向けニットが 10%、ワンピースが 12% とそれぞれ伸びた。 寒さが緩んだ 25 - 26 日の 2 日間に限っても前年並みにとどめた。 10 月 1 - 26 日の累計は 2% 減だが中旬からは改善しているという。

J・フロントリテイリングの大丸東京店(東京・千代田)では 9 万円の紳士用コートを買い求める 30 - 40 歳代が多いという。 「日用品は節約し気に入った衣料にはしっかりお金をかけている。(J・フロントリテイリングの山本良一社長)」 三陽商会の婦人服「エヴェックス バイ クリツィア」は 1 - 26 日の売上高が 8% 伸びた。 ワールドも婦人服「リフレクト」の既存店売上高が 8% 増。 ニット、コートなどが幅広く売れている。

日本百貨店協会によると 9 月の衣料品売上高は 0.2% 増。 微増ながらも前年実績を 6 カ月ぶりに上回った。 衣料品の好不調は百貨店の業績に直結する。 強まる寒さを追い風にできるか、百貨店各社の力が問われる。 (nikkei = 10-27-14)

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9 月の百貨店売上高は 0.7% 減 6 カ月連続のマイナス、衣料品以外は全滅

日本百貨店協会が 20 日発表した 9 月の全国百貨店売上高は、既存店ベースで前年同月比 0.7% 減となり、6 カ月連続で前年実績を下回った。 商品別では、主力の衣料品が 0.6% のプラスとなったが、それ以外の食料品、身の回り品、雑貨、家庭用品など全てがマイナスとなった。

9 月中旬までは、気温の低下で主力商品である秋冬物の衣料品が好調だったものの、下旬からは台風の影響もあって伸び悩んだ。 4 月の消費税増税の影響については、同協会は「次第に和らいできている」としている。 同時に発表した 9 月の 東京地区百貨店売上高は、既存店ベースで 0.5% 増 で 2 カ月連続のプラス。 これに対し、東京、横浜、名古屋、大阪など主要 10 都市は 0.2% 減で 2 カ月ぶりのマイナス、10 都市以外の地区は 1.8% 減で 6 カ月連続マイナスとなり、都市部と地方の差があらわれた。 (sankei = 10-21-14)


切れにくさ、鋼鉄の 20 倍 カイコ吐き出す「クモの糸」

新有機素材

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一枚の生地から防水ジャケット 縫い目最小限で軽量化

ゴールドウインは 11 月中旬、フード以外を 1 の生地から作った登山用防水ジャケット「ザ・ノース・フェイス ヒューズフォームバートジャケット」の販売を始めた。 縫い合わせる部分を最小限にしたことで生地の間をつなぐ防水テープを省くことができ、重量は通常より 2 - 3 割軽い 170 グラム(L サイズ)。 S、M、L、XL の 4 サイズある。 希望小売価格は 2 万円(税別)。 (asahi = 11-17-14)


東レが米ボーイングから 1 兆円受注 航空機向けの炭素繊維を長期に

東レが米航空大手、米ボーイングから機体などに使う軽量素材の炭素繊維を 1 兆円分受注することが 17 日、分かった。 契約期間は 10 年以上で、ボーイングの次期大型機「777x」などに採用される見込み。 東レは約 1 千億円を投じて米国に新工場を建設し、大量受注に対応する。

両社が同日午後、都内で記者会見を開いて発表する。 炭素繊維は最新の高機能素材で、鉄に比べて強度が 10 倍、重さは 4 分の 1 程度。 燃費性能の向上が求められる航空機で、東レは平成 18 年からボーイングと供給契約を結び、現行の中大型機「787」にも採用されている。 両社は 777x の製造開始を視野に契約を更新する。 東レはボーイング向け炭素繊維を供給している愛媛工場(愛媛県松前町)や米アラバマ州の拠点に加え、米サウスカロライナ州に取得済みの約 160 万平方メートルの用地に新工場を建設して生産態勢を整える。 (sankei = 11-17-14)


市場拡大で激戦区参入へ ゲオのリユース店「JUMBLE STORE」初の旗艦店が渋谷に

ゲオが、「JUMBLE STORE (ジャンブルストア)」の旗艦店を 12 月 13 日に初出店する。 同社のリユース部門は昨年対比 10% 以上の成長事業になっており、今後も消費者の価値観の多様化や消費増税による節約志向の高まり、訪日外国人のニーズ増加などリユース品に対する需要拡大が見込まれることからオープンを決定。 トレンドを押さえたリユース品を扱うプライベートブランド「antiqulothes (アンティクローズ)」の取り扱いを強化し、渋谷・神南からリユース市場全体の活性化に注力するという。

経済産業省が 2013 年に公表した数値によると、リユース全体の市場規模(中古車を除く)は 1 兆円に達しており、その内、衣料・服飾類は 14.6% の 1,460 億円と規模を拡大。 その中でも実際のリアル店舗経由の売り上げは 50% を占めているという。

ゲオが運営する「JUMBLE STORE」は、セレクトショップのような店内空間で質の高い品揃えを目指す衣料・服飾専門リユースショップ。 アパレルショップと同じように店舗内に季節性を取り入れ、コーディネートを提案しながらコーナー作りや目を引く什器の充実、長く滞在したくなるような店作りを進めている。 旗艦店と位置付ける渋谷本店は地下 1 階と地上 1 階の 2 フロア構成で、店舗面積は約 250 平方メートル。 「西海岸 & リラックス & アーバン」をイメージした空間で「antiqulothes」を大きく展開し、「JUMBLE STORE」の認知向上を狙う。

同店の 1 区画隣には「RAGTAG (ラグタグ)」も旗艦店を構えるなど、渋谷は衣料・服飾のリユースショップ激戦区。 センター街には、ヤフーとブックオフコーポレーションによる共同店舗「ヤフ OFF!」の旗艦店が 9 月にオープンしている。 (Fashionsnap = 11-11-14)


着物を無形文化遺産に 関連団体が宣言採択

西陣織工業組合や東京織物卸商業組合など全国の和装関連 6 団体の代表が 10 日、東京都内で「きものサミット」を開き、着物のユネスコ無形文化遺産登録を目指す方針を盛り込んだサミット宣言を採択した。 長引く和装需要の低迷に苦しむ関連団体が結束し、着物を世界にアピールするとともに、着物を着る機会を増やし、需要の拡大につなげる狙い。

サミットは、和装産地の振興策などを話し合う場として京都商工会議所が 1996 年に創設し、和装産地の持ち回りで開いている。 本年度は 15 回目で、京商や東京商工会議所を含む開催委員会が主催した。東京開催は 8 年ぶり。 サミットには 120 人が出席した。 開催委員会の服部正毅会長は「(為替の円安で)原材料を輸入する和装産業では厳しい日々だが、業界振興へ具体的に行動したい」とあいさつし、和装業界の発展に向けた取り組みの必要性を強調した。

続いて、着物のユネスコ無形文化遺産をテーマに産地の役員らがパネル討論し、「東京五輪の開催に向けて着物を着る習慣を定着させ、世界へ発信しよう(村上圭子・京都市産業観光局長)」などと提起した。 宣言は「歴史と伝統を有する着物は日本人の心のよりどころ」とした上で、「着物を次世代に継承するため登録を目指し、推進体制を組織して運動を展開する」と具体策も盛り込んだ。出席者が満場一致で採択した。 (京都新聞 = 11-11-14)


大学生がファッションを殺す時 ファストでストップ

もう 11 月。 この 3 連休には多くの大学で学祭が開かれている。 近くの早稲田や学習院も絶賛開催中だった。 日本を代表する服飾教育機関・文化学園もこの文化の日に被せて毎年実施している。 そんなこともあり、ちょっと間が開いてしまったが夏休み直前の 7 月に跡見学園女子大学、夏休み明け直後の 10 月に慶應義塾大学にて講義したことを回想しよう。

跡見ではファッションの授業だったので、弊媒体を例にウェブファッションメディアについて、慶應では美学美術史専攻の先生による読書するゼミ形式の授業だったので、ファッションや美学、メディア論について話した。 なんて大層な感じだが、実際はざっくばらんに、インタラクティブに明け透けに、3・4 年生達とコミュニケーションした。 色々聞いてみたが、ざっくり言うと現代っ子はファッションに興味がない。 確か繊研新聞さんのアンケートに服飾専門学校生が好きなブランドはファストファッションばかりという結果が出ていたかと思うが、その通りであって全身コーディネート 1 万円が本当に普通だった。

そしてデジタルネイティブ世代だけあり、雑誌を読まない。 これも真実。 情報を集めるにはスマホでネット、そしてその中のツイッターやフェイスブックなどの SNS アプリを使う。 1 ヶ月の支出構成比を聞いてみると、交際費(飲食含む)と携帯代が大半を占める。 因みに母数は跡見約 300 人、慶應約 15 人。 装飾品は安く、情報は無料で、が現代っ子の実情だ。

私が学生だった頃と比較すると、外資系のファストファッション企業が多く参入しており、安く手軽にトレンドの洋服を求めることができるようになったことは利点だと思っていた。 ファッションに興味を持つハードルが低くなると思ったから。 しかし今の学生諸子は、就職し、稼ぐようになったからといって服飾費に大枚をはたくような雰囲気ではない。 「いいじゃん、この値段でこのクオリティーなら」といった風潮だ。 つまりファストでストップするのだ。

これを突き詰めると、少子高齢化が進む日本ではハイファッションはどんどん嗜好品となり、高齢化と共にブランドも年を取っていき、終いにゃ無くなる … ということ。 まあいきなりそんなことにはならないと思うが、市場は徐々にシュリンクしていく。 加えて、高い物にはそれなりの背景があり、物を作るのに金と時間が掛かるということが認知されていかないことが大きな問題だ。 そもそもの感性や眼識が培われないからね。 慶應の先生は、眼識とは知性とおっしゃっていた。 文化を作るのは知性だ。 若年層への啓蒙をすることもウェブメディアの一つの使命であろう。 未来の文化を作るためにも。

さて、10 月末からディオールの大規模展が始まったが、学生招待プログラムがあるとのこと。 ファッション学校だけでなく、一般大学も是非に参加してもらいたい。 めくるめく美の世界に浸ってもらいたい。 そして銀座にある様々なショップや百貨店を巡って、見て触って着てみてはいかがだろうか。 1 日くらい授業で銀ブラしてもいいじゃないか。 そうじゃないと、本当にファッションが終わる日がやってくる。 (Mitsuhiro Ebihara、編集長、Fashion Headline = 11-3-14)


【主要各社の秋商戦の状況】 落ち込んだ消費回復せず苦戦か

有力通販実施企業各社に今年の秋商戦の状況について聞いたところ、増税後に落ち込んだ消費が回復しきっていないことなどから、多くの企業では前年同期比で苦戦しているようだ。 今年は比較的残暑の影響が少なく、特に 8 月末に秋商戦をスタートする企業にとっては有利な状況だったものの、思うように売り上げは伸びていないようだ。 一方で、大手仮想モール運営各社では、大型セールの実施やハロウィン需要の取り込みなどが奏功し、流通額は伸びているもよう。 今秋商戦における好調・不調な商材ジャンル、売れ筋商品などを通じて各社の状況についてみていく。

主な通販各社の秋商戦は、おおむね横ばい、もしくはやや苦戦しているようだ。 千趣会では、7 月後半から秋商戦の商品展開を開始。 8 月初旬から中旬にかけて気温が高かったことなどから、立ち上がりは前年よりもやや鈍かったという。 秋商戦は、7、8 月の立ち上がりがやや振るわなかったが、11 月に販促を集中し、前年並みの売り上げを見込んでいる。

ディノス・セシールは、ディノス事業が 7 月 18 日から、セシール事業は 7 月 1 日から秋商戦を開始。 新規媒体の「ダーマ・プレミアム」とテレビ通販が好調に推移しているディノス事業はやや良いものの、セシール事業は横ばいという。 ベルーナでは、例年通り 8 月下旬から秋物商品の販売を開始。 客単価は上昇基調にあるが、若年層媒体の縮小で売り上げは若干のマイナス基調に。 ただ、ミセス系媒体は堅調に推移。 秋の立ち上がりは気候の影響もあり堅調に推移したが、中盤から失速。 しかし、足元は回復基調にあるという。

F1 層向けアパレルカタログ「ラプティ」を休止したスクロール。 シニア向けカタログ「ブリアージュ」に注力する形となったアパレル部門は 9 月中旬より、雑貨部門は 9 月末よりネット販売を開始した。 シニア向けの新規顧客獲得が順調に推移したアパレル部門は前年同月よりも良いものの、単価が下落した雑貨部門はやや悪い状況だ。 フェリシモは、8 月上旬より 9 月上旬にかけて秋冬カタログの配布を開始。 客数は減っているが、単価が上がっていることから、売り上げは「今のところ横ばい(フェリシモ)」とする。

三越伊勢丹通信販売は、8 月 18 日に初秋号を発刊。 寝具や家具・家電は客単価の変動はなかったが、販売数量が大幅に減少したことなどから、「前年同期に比べるとやや悪い(三越伊勢丹通信販売)」という。 全体が苦戦する中で家庭生活雑貨は健闘。 「増税以降はやっとここまで回復した感がある。(同)」 高島屋は 8 月下旬から秋商戦をスタートしたものの、主力の婦人アパレルが不振で厳しい推移となっている。

日本生活協同組合連合会(日生協)では、例年通り 8 月初めから秋商戦の商品展開を始めた。 これまでの状況としては、「前年の秋商戦と比べていい(日生協)」という。 好調要因について日生協では、カタログの商品掲載面積をやや増やすとともに効率化を図るなど、売り場の見直しが奏功しているほか、「気候影響が昨年、一昨年に比べて明らかに追い風になっている(同)」としており、アウター衣料が好調に推移している。 JALUX は、9 月初旬より秋物の販売を開始。 昨年は 9 月中旬のダイレクトメール発行たったが、9 月初旬に発行時期を変更した。 昨年実績のあったアパレル、バッグの売れ行きがいま一歩だった影響で、前年同期よりも伸び悩んでいる。 (通販新聞 = 10-29-14)

主な通販実施各社の秋商戦の状況

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バングラの縫製工場、検査で安全上の問題発覚

【ダッカ(バングラデシュ)】 複数の労働組合や欧米の小売企業から成る団体は 14 日、バングラデシュの 1,100 の縫製工場で行った検査で、全工場に安全性の問題があることを突き止めたと発表した。 検査は、2013 年 4 月にダッカ近郊の商業ビル「ラナ・プラザ」が崩落し、ビルに入居していた縫製工場の従業員などを含む 1,000 人以上が死亡したことを受けて実施された。

この団体は「バングラデシュにおける火災予防および建設物の安全に関わる協定(通称「アコード」)」と呼ばれ、スウェーデンのヘネス・アンド・マウリッツ (H & M) や「ZARA (ザラ)」を展開するスペインのインディテックスを含む多国籍の衣料小売企業 189 社が加盟している。 アコードによると、検査の結果、100 以上の縫製工場で直ちに修復が必要な構造上の重大な欠陥が見つかった。 アコードによると、そのうち 17 工場は閉鎖せざるを得ないほど危険とみなされた。

アコードの執行ディレクター、ロブ・ウェイス氏は「検査で認められた安全性上の問題を確実に是正するよう」工場のオーナー、衣料ブランド、工場労働者と協力しているとし、「是正措置が講じられる予定だ」と述べた。 近年、世界の小売り大手が低コストで大量生産が可能なバングラデシュの縫製業界に押し寄せており、同国は衣料輸出額で中国、イタリアに次いで世界 3 位となっている。 バングラの 2014 年 6 月期の衣料輸出額は 220 億ドル(約 2 兆 3,600 億円)と、同国全体の輸出額の 80% を占めた。 (Syed Zain Al-Mahmood、The Wall Street Journal = 10-15-14)


610 社が集結する日本最大級のファッション総合展 「ファッションワールド東京 2014 秋」開催

日本最大級のファッション総合展「ファッション ワールド 東京 2014 秋」が 10 月 20 日から 22 日まで東京ビッグサイトで開催される。 「ファッションワールド 東京 2014 秋」は、「国際アパレル EXPO」、「国際バッグ EXPO」、「国際シューズ EXPO」、「国際アクセサリー EXPO」、そして今回新設される「国際メンズファッション展」の 5 展で構成され、世界中から様々なファッションアイテムがそろう。

さらに今回は出展審査を通過した国内外のハイファッション製品 3,000 点を集めた「PLUS+ (プラス)」ゾーンを設置。 また会期中、牧山浩三・パルコ社長、上田谷真一・バーニーズ ジャパン社長など業界のキーパーソンが基調講演を行うなど見どころ満載だ。 毎回規模が拡大し、前回比 250 社増の 610 社が出展、前回約 1 万 5,000 人だった来場者数は 2 倍の 3 万人を見込んでいる。 昨年の秋展が 43 億円だった商談金額も、今回の予想は約 85 億円だ。 主催のリード エグジビション ジャパンは、「4 年後は、アジア最大のファッション総合展を目指す」と意気込んでいる。 (WWD = 10-14-14)


カンボジアの衣料品工場労働者、生きるため賃上げを求めて H & M、ウォルマート、ザラに圧力

カンボジアの衣料品工場労働者たちは、昨年年 12 月に全国でストライキを起こしたのに続いて、今度は月額 177 米ドル(以下ドル)の最低賃金を要求して再びストライキに出た。 昨年のストライキは、政府に圧力をかけて、当時月額 80 ドルであった最低賃金を引き上げさせる目的で行われた。 労働者側は最低賃金を 2 倍にするよう要求したが、政府側は 15 から 20 ドルの賃上げしか認めなかった。 ストライキは全国で何万人もの労働者を動員したが、今年 1 月に警察と軍によって暴力的に解散させられ 、労働者側に 5 人の死者が出た。

カンボジアの衣料品工場で働く労働者の月額最低賃金は現在 100 ドルである。 衣料品部門の輸出額は、昨年の同国国内総生産 152.5 億ドルの約 3 分の 1 を占めていた。 同部門で働く労働者は 60 万人を超え、その多くは女性である。 彼(女)らは低賃金に加え、劣悪な労働条件で働いており、特に条件が悪い工場のいくつかでは、労働者が 集団失神する事故がたびたび起きている。

今週、衣料品工場労働者たちは再び賃上げ要求を行ったが、今回は、カンボジア企業と下請け契約を結んだりカンボジア企業から買い付けをしている、世界的なアパレルブランド各社に対して、要求の矛先を向けた。

賃上げ闘争のスローガンである「買い付け企業は、177 ドルの最低賃金を保障せよ」は、H & M, ウォルマート、Levi’s (リーバイス)、GAP (ギャップ)、Puma (プーマ)、C & A (シー & エー)、Adidas (アディダス)、Zara (ザラ)など世界的なアパレルブランド各社に向けたものだ。 これらの企業に圧力をかけ、カンボジアの仕入れ先企業と直接交渉させ、労働者の最低賃金を引き上げさせるよう狙ったものだ。 (GlobalVoices = 10-10-14)


ファストファッションのビル開業 名古屋・栄で行列

流行のデザインをいち早く採り入れているのに、お値段は手ごろ - -。 そんな魅力で若者の心をつかむ「ファストファッション」の店が入ったビル「名古屋ゼロゲート」が 10 日、名古屋・栄の南地区にオープンした。 辺りは同種の店が集まる全国有数の激戦区。 百貨店や高級ブランド店が軒を連ねる栄にあって、若者が主役の街に変化を遂げている。

開店前、ゼロゲートの周りは数百人が並び、ごったがえした。 「一番乗り」は、始発の地下鉄に乗って午前 6 時から並んだという名古屋市港区の大学生、中村美月さん (19)。 「便利な栄に店が増えると、買い回りしやすくなる。 お目当ての帽子を早くかぶってみたい。」 午前 10 時に開店すると、行列は次々と建物内に吸い込まれた。 ゼロゲートは 3 階建てで、のべ床面積は約 7,500 平方メートル。 5 つのテナントのうち 4 つがファストファッションの店だ。 世界的に有名な「フォーエバー 21」や、名古屋初出店の「アメリカンイーグル アウトフィッターズ」などが入る。 (大隈悠、asahi = 10-10-14)


イオン営業益 41% 減 3 - 8 月、増税・悪天候追い打ち

イオンが 3 日発表した 2014 年 3 - 8 月期決算は、消費増税や天候不順で主力業態の総合スーパーが振るわず、連結営業利益が 433 億円と前年同期比 41% 減った。 記者会見で岡田元也社長は「競争力をなくしている」と分析し、商品開発のテコ入れを表明した。 連結営業収益(売上高)はダイエーを子会社化したため 15% 増えたが、そのダイエーは営業赤字が 102 億円(前年同期は 41 億円の赤字)に拡大して足を引っ張った。 中核子会社イオンリテールも 75 億円の営業赤字(同 75 億円の黒字)だ。

いずれも既存店売上高は 2 - 3% 減で、中でも利益率の高い衣料品が落ち込んだ。 イオンリテールなどは 7 月以降、食料品中心に 100 品目を値下げして巻き返しに出たが客数が戻らなかった。 両社を含む総合スーパー事業は営業損益が 131 億円の赤字(同 110 億円の黒字)だった。 同日決算発表したユニーグループ・ホールディングスも、総合スーパー子会社の営業利益が実質 33% 減った。 「想定以上に増税の影響が大きかった(前村哲路会長)」といい、衣料品は 7% の減収となった。

総合スーパーは食品から衣料品、日用雑貨まで何でもそろう半面、圧倒的な低価格や、高価格でも付加価値を求める「消費の二極化」に対応できていないとされる。 分野を絞って魅力的な商品を投入する専門店やネット通信販売などに客を奪われ、コストも膨らんで中長期でみた収益性は低下傾向にある。 イオンの岡田社長は「増税後の戦い方が稚拙だった。 商品提案の仕方や切り口が古く、顧客の嗜好と合っていない。」などとも指摘した。 商品力強化に加えて、持ち株会社の人員(約 440 人)の半分を事業会社に移すなど改革を急ぐ。 (nikkei = 10-4-14)


良品計画 3 - 8 月期は営業利益 19% 増 天然素材の衣料品がけん引

良品計画の 2014 年 3 - 8 月期連結業績は、売上高に相当する営業収益が前年同期比 118.7% の 1,235 億円、営業利益が同 119.7% の 116 億円だった。 国内直営店事業がフレンチリネンやオーガニックコットンなどの衣料品がけん引する形で、営業収益を同 109.5% の 714 億円に伸ばした。

海外ではアジア地域の営業収益が同 176.9% の 262 億円と大幅に伸びた。 中国で前期に 35 店増加した店舗が軌道に乗り始めたことに加え、台湾法人を完全子会社化したことが主な要因。 経常利益は同 110.9% の 118 億円、純利益は同 106.4% の 69 億円だった。 通期(2015 年 2 月期)では営業収益 2,527 億円、営業利益 255 億円、純利益 154 億円を計画する。 (WWD = 10-1-14)


8 月の小売販売額、1.2% 増 2 カ月連続プラス 衣料品など伸びる

経済産業省が 30 日発表した 8 月の商業販売統計(速報)によると、小売業の販売額は 11 兆 4,520 億円と、前年同月比 1.2% 増えた。 2 カ月連続のプラスで、伸び率は 7 月(0.6% 増)から拡大した。 前年に比べ日曜日が 1 日多かったことに加え、月後半の気温低下で秋物衣料の販売が伸びた。

小売業の内訳をみると、織物・衣服・身の回り品が 3.1% 増。 飲食料品が 2.8% 増。 一方、自動車や機械器具は 4 月の消費増税以降、前年割れが続いている。 大型小売店は 2.8% 増の 1 兆 6,265 億円。 既存店ベースでは 1.6% 増と消費増税後初めてのプラス。 このうち百貨店は 2.0% 増、スーパーは 1.4% 増だった。 コンビニエンスストアは 4.4% 増の 9,444 億円。 ファストフード及び日配食品の販売が好調だった。 既存店ベースでは 0.3% 減った。

同時に発表した専門量販店販売統計(速報)によると、8 月の販売額は家電大型専門店は 3,563 億円、ドラッグストアが 4,090 億円、ホームセンターが 2,741 億円となった。 (nikkei = 9-30-14)

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秋冬衣料、はや好調 気温低めで消費後押し

秋冬物の衣料品販売の滑り出しが好調だ。 8 月下旬から気温が平年を下回る日が続いているためだ。 9 月に入り三陽商会ではニットやジャケットの売れ行きが前年の同時期に比べ 2 桁増。 三越銀座店(東京・中央)では 5 万円台の冬物コートが動き始めた。 秋冬物は価格が高めの商品が多い。 消費増税後に苦戦する流通各社にとって一足早い気温の冷え込みが追い風となりそうだ。

東武百貨店池袋店(東京・豊島)では婦人ジャケットが 9 月以降、前年の 2 割増のペースで売れている。 三陽商会の主力ブランド「ポール・スチュアート」は 9 月第 2 週の紳士向けジャケットの売上高が前年同期比 6 割増、婦人向けは 3 割増えた。 付着したウイルスの活動を抑える機能がある婦人ジャケット(税別 4 万 3 千 - 4 万 6 千円)が人気という。 イトキンもニットなどの羽織物が 2 倍、オンワード樫山の紳士服「五大陸」もニットが 6 割増の売れ行きだ。

今年は 8 月下旬から平年より気温が低い日が続いている。 気象庁によると 9 月 1 - 21 日で最高気温、最低気温ともに平年を下回った日数は東京と大阪でそれぞれ 14 日ある。 冬物コートを買い求める客も増えている。 三越銀座店では 9 月に入りコートの売上高が前年比 8 割増。 紺色のロングコート(5 万 7,240 円)の人気が高いという。 昨年よりも商品が売れ始めるのが 2 週間程度早い。

百貨店やアパレル各社が増税後の販売刺激策として秋冬物を前倒しで販売したことも消費者の購買意欲を高めた。 アパレル大手のファイブフォックス(東京・渋谷)は主力の「コムサデモード」など全ブランドで、秋冬物の発売を例年より平均 1 カ月早めた。 百貨店向けに供給する婦人服ブランドの売上高は 9 月 11 - 15 日で前年同期比 1 割増。 同社の菊地豊執行役員は「秋物を先取りして買う客は主にファッションに関心の高い層だったが、今は寒さ対策で伸びている」と話す。

そごう・西武も一部店舗で昨年より 1 カ月早くプライベートブランド(PB = 自主企画)のカシミヤセーターを投入した。 昨年の発売当初と比べ 4 倍のペースで売れているという。 三陽商会のポール・スチュアートは 19 日から店頭で一番目立つ陳列商品をニットやジャケットからコートに切り替えた。 そごう・西武はジャケットやコートの品ぞろえを先週から 25% 増やすなど寒さの到来を商機に結びつけようと懸命だ。 (nikkei = 9-22-14)


藍の古布、長ーく愛して 京都の服飾メーカーが洋服に

着古した藍染めの古布、「襤褸(らんる)」を使った洋服作りに、京都市のアパレルメーカーが取り組んでいる。 穴が開いていたり、接ぎが当てられていたりする布を組み合わせて 1 着の服に仕立てる。 襤褸は近年コレクターが増えるなどして手に入りにくくなっており、ジャケットだと、年に 3、4 着しか作れないという。

この会社は「古代新(京都市北区)」。 「オスティア・ジャパン衣」の店名で、京都市や東京・代官山などに 6 店を構える。 1988 年の創業当初から、襤褸に着目した服作りを続けてきた。 時の流れによって、溶けたように見える生地が魅力だという。 近藤香預子会長 (55) は「必死に襤褸を集めて、やっとジャケットが出来たときは売らなくていいとさえ思うこともある」と話す。 (戸村登、asahi = 9-27-14)