被災地のコールセンター、撤退・解雇相次ぐ 助成で誘致

東日本大震災の被災地 3 県の自治体が、失業対策の国の助成金 25 億円を使って震災後に誘致したコールセンターで、事業撤退や雇い止めが相次いでいる。 東京の運営会社が開設した 10 カ所で計 900 人以上を雇う計画だったが、現在は約 350 人まで減った。 震災後約 3 年で多くの雇用がなくなる異例の事態に、厚生労働省も事実関係の調査に乗り出した。

このコールセンター運営会社は「DIO ジャパン(本社・東京)」。 岩手、宮城、福島の 3 県の自治体の担当者らによると、2012 年末までに 3 県 10 市町にグループ会社を設立。 電話によるホテル宿泊やチケット予約などを受け付けるセンターを開設した。 各センターは、失業者を雇うと人件費などの経費が支給される雇用創出基金を利用し、稼働前に行う約 1 年間の研修費用を基金から賄った。各センターが当初示した雇用規模は合計 935 人。 実際は途中退職者を含め合計のべ 1 千人以上を雇い、基金の支出総額は 25 億円超にのぼる。

だが、研修期間中や営業開始後に大量の退職者が出て、雇い止めも相次いだ。 被災地のあるセンターの運営に携わった男性は「DIO から仕事を紹介してもらえるはずだったが、実際には来なかった。 事業の急拡大に仕事の受注量が追いついていなかった。」と明かす。 各自治体によると、他社に売却されたセンターも含む 10 カ所の従業員数は約 350 人と計画の 4 割以下まで減少している。

昨年 7 月に研修が終わった岩手県花巻市のセンターは、今月末に 1 年足らずで撤退する見通し。 従業員全員が解雇され、雇い止めを通告されたセンターもある。 従業員への給与の支払い遅延も起きている。 (牧内昇平、佐藤秀男、asahi = 6-18-14)


北海道にないはずの「梅雨」? 長雨続き、観光に影響

「梅雨がない」と言われる北海道だが、6 月に入ってから、地元で「蝦夷(えぞ)梅雨」と呼ばれる長雨が続いている。 10 日連続で雨だったところもあり、ぐずついた天気は今週いっぱい続く見込みだ。

北海道は 6 月に入ってすぐに猛暑が続いた。 3 日には十勝の音更(おとふけ)町で 37.8 度を観測するなど、各地で記録的な暑さとなったが、東北北部が梅雨入りした 6 日から一転した。 曇り空が続き、道南の白老町では 15 日まで 10 日連続で雨。 同町森野では今月に入ってからの雨量が 503 ミリに達し、平年の 6 月の 1 カ月雨量の 2.8 倍に達した。 同じ期間の東京都心の雨量(246.5 5ミリ)の 2 倍余りになる。 札幌市も 8 日から連日雨模様だ。

札幌管区気象台によると、偏西風が大きく蛇行し、列島の東側に高気圧があり、西日本に低気圧がある状態が続いたのが原因だ。 低気圧周辺では反時計回りの風が吹き、高気圧周辺では時計回りの風が吹く。 両方が南からの湿った空気を一気に道内に送り込んだ。 12 日からは低気圧が北上してさらに強い雨を降らせた。 (大久保泰、asahi = 6-17-14)


所在不明児、もう二度と 自治体の態勢づくり進む

虐待死が相次ぐ「所在不明児」をなくすため、各地の自治体が対策に乗り出している。 神奈川県厚木市で男児が白骨遺体で見つかった保護責任者遺棄致死事件は、行政が情報共有や所在確認を徹底していれば防げた可能性も指摘される。 組織間の連携や専任保健師の配置など、幼い命を見守る態勢づくりが進む。

愛知県豊橋市のアパートを 11 日、40 代の保健師が訪れた。 3 歳児健診に来なかった子どもの部屋の呼び鈴を鳴らしたが、応答はない。 電気メーターがゆっくり回っていた。 《心配しています。 連絡をください。》 郵便受けに手紙を入れ、次の家に向かった。 昨年 4 月から市が配置している「ハイリスクケース」専任の保健師 3 人のうちの一人だ。 健診を受けず、地区担当の保健師が複数回、電話や訪問をしても会えない家庭を受け持つ。

配置のきっかけは 2012 年、所在不明だった 4 歳女児が衰弱死し、両親が保護責任者遺棄致死罪で有罪判決を受けた事件だ。 「あの時もっと捜していれば。」 この専任保健師は悔やむ。 05 年夏、地区担当として女児が生まれる前の家庭を訪ねていた。 兄が生まれ、「母親が支援を希望している」と病院から連絡があった。 だが、住所が間違っていて親子に会えず、住所を調べ直して再訪することもなかった。 (田中聡子、古城博隆、asahi = 6-15-14)


神戸港は外国客船ラッシュ 記録取り始めてから最多

神戸港(神戸市中央区)が外国客船の寄港ラッシュに沸いている。 今年は延べ 32 隻が訪れる見込みで、25 年前に記録を取り始めてから最多となる。 米国などの船会社が再び日本に目を向けた格好だが、一過性のブームに終わる恐れもあり、市はつなぎとめに懸命だ。

米国の船会社が運航する「ダイヤモンド・プリンセス(11 万 6 千トン、乗客定員 2,670 人)」。 7 月 11 日、神戸から瀬戸内海を経て韓国へ向かう。 「瀬戸内海は交通量が多く大型船の昼間の通行が難しいのですが、景色の美しさをぜひ味わってほしい」と、運航会社の日本法人「カーニバル・ジャパン」の木島栄子社長は話す。

船内には今年、すし店や日本風呂を新設。 日本人スタッフも約 40 人そろえた。 カスタマーサービス担当の福田文絵さん (26) は「外国人船員にも日本語の研修をしています。 風呂にはサウナや打たせ湯も作りました。」 料金は 10 日前後のクルーズで 1 人 10 万円台後半から。 食事代や主な娯楽施設の利用料も原則含まれる。 (三嶋伸一、asahi = 6-10-14)


廃炉を柱に新住民受け入れ 福島・浜通りの復興骨子案

政府の原子力災害現地対策本部は 9 日、東京電力福島第一原発事故で住民の避難が続く福島県・浜通り地域の復興を目指す「福島・国際研究産業都市構想」の骨子案を公表した。 第一原発の廃炉を地域の産業の柱とし、作業員らを積極的に受け入れる必要性を訴えた。

福島県の自治体の首長らでつくる同構想研究会で骨子案を示した。 事故で仕事や雇用が失われた浜通りには「産業基盤の再構築」が求められるとしたうえで、今後 30 - 40 年にわたる廃炉作業を円滑に進めるため、約 5 千人の作業員・技術者や溶け落ちた燃料や災害対応ロボットの研究などに数百人の研究者が必要とした。

自治体は、これらの「新住民」を積極的に受け入れ、帰還する地元の住民と一緒に中長期的なまちづくりを進めるべきだ、と打ち出した。 東京五輪が開かれる 2020 年を再生の当面の目標とする考えだ。 (永野真奈、編集委員・大月規義、asahi = 6-9-14)


町工場の顔百景 大阪・生野区役所、30 社イラストに

大阪市内で最も多く製造業者が集まる生野区で、町工場の経営者たちを描いたイラスト集が話題になっている。 世界に誇る高い技術やユニークな商品をつくる「オンリーワン」の魅力を、わかりやすく紹介しようという試みだ。 「生野ものづくり百景(其(そ)の一)」と題したイラスト集は、区役所が 400 万円の予算をかけて今年 4 月に制作した。 機械部品や工芸品、加工食品など幅広い分野の 30 社を紹介している。 3 年間に 100 社まで増やすのが目標だ。

生野区は江戸時代からものづくりが盛んな土地柄で、記録が残る 1995 年には約 4,600 の事業所が集積していた。 しかし、大手企業が生産拠点を海外に移すと廃業が相次ぎ、事業所数は 2012 年に約 2,300 まで減った。 工場跡には住宅やマンションが建ち、騒音などをめぐるトラブルも増えているという。 (山中由睦、asahi = 6-8-14)


キウイ産地、伝染病に泣く 愛媛、感染した畑の木伐採

キウイフルーツの生産量が日本一の愛媛県が、木が枯れる新型の伝染病に悩まされている。 人が食べても健康に影響はないが、感染源は特定できておらず、収まる気配がない。 感染が判明した畑の木は伐採されているが、福岡、佐賀、岡山、和歌山でも感染が見つかり、国も対策に乗り出した。

5 月下旬、愛媛県西条市のキウイ畑。 約 90 アールの畑では 2 台の重機が伐採後に残された 300 以上の切り株を掘り出していた。 初旬に感染がわかり、すぐ伐採。 「つらくて悔しくて作業を見られなかった」と農家の 40 代男性は肩を落とした。

10 年前に栽培を始め、年々収穫量を増やしてきた。 昨年は約 25 トンで収入は 1 千万円以上になったが、手塩にかけて育てた木はすべて失われた。 国や県から伐採や消毒、植え替えにかかる費用の一部が補助されるが、新しい苗を植えても収穫まで 5 年ほどかかる。 「他の生産者に迷惑をかけられないので伐採したが、収入はなくなる。 今後の子どもの進学費用などを賄うつもりだったのに ・・・。 国には支援をお願いしたい。」 (藤家秀一、asahi = 6-7-14)


和紅茶、特産の香り 愛知の茶農家、活路求め試行

「和紅茶」の生産が増えている。 緑茶の値段がペットボトルの普及などで落ち込むなか、緑茶を作ってきた農家が紅茶も手がける。穏やかな味わいで渋みが少ないとされ、愛知県でも特産品にしようと様々な試みが始まっている。

緑茶工場に紅茶の香りが立ちこめていた。 5 月上旬、愛知県新城市の鈴木製茶に鈴木克也さん (26) を訪ねた。 家族経営の 4 代目で、紅茶を作り始めたのは 2 年前。 金属製の重しで茶葉をもむ揉捻(じゅうねん)機を止めては両手で茶葉をすくい、発酵具合を確かめていた。 緑茶は茶葉を傷つけず蒸して発酵を止めて作るが、傷をつけ発酵させれば紅茶になる。 鈴木さんは、もんだ茶葉を 1 時間ほど置いて発酵を進め、乾燥機で熱風にさらした。 葉の色は緑から濃い褐色に変わった。 (増田勇介、asahi = 6-3-14)


キットカット、三陸鉄道の切符に 菓子の箱利用、国内初

キットカットを食べて、被災した鉄道の復興を応援しよう - -。 4 月に全線復旧したばかりの三陸鉄道(岩手県)の切符として使える「キットカット ミニ 切符カット」が 16 日、ネスレ日本から発売される。 切符カットの箱を 190 円分の切符として使えるようにした。 菓子の箱がそのまま鉄道の切符になるのは国内初という。

税込み 108 円。 全国の駅のコンビニや東北の小売店などで売る。 箱の中にはキットカット 3 枚が入っており、値段としては通常の商品と同じになる。 切符として使われた場合は、運賃分をネスレが負担する。 ネスレによる東日本大震災からの復興支援の一環だ。 来年 5 月 31 日まで切符として使える。 (asahi = 6-3-14)

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三陸鉄道復活の軌跡、部長が本に 「あまちゃん」裏話も

津波で被災し、3 年余りで全線復旧を果たした三陸鉄道の軌跡をつづった体験記を、同社の冨手淳・旅客サービス部長 (53) が出版した。 「復旧は全国からの支援があったからこそ。 三鉄の力だけではなしえなかった。」と、感謝の思いを文章に込めた。 三鉄は被災 5 日後に一部区間で列車を動かし、被災者を励ました。 その後も再開区間を延ばし続け、今年 4 月 5 日に南リアス線、6 日に北リアス線の全線でレールがつながった。 本書は、その経緯を知るための貴重な記録となっている。

「三鉄、いつ動くんだ?」 震災から 2 日後、がれきとなった駅付近で出会った人に、こんな声をかけられたエピソードを「まえがき」で紹介。 被害の大きさに動揺する社員に、望月正彦社長が「落ち込んでいる暇はないぞ」と、トップダウンで列車を走らせる決断を下す場面を描いた。 (岩井建樹、asahi = 5-6-14)

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「復興の象徴」三陸鉄道 全国から支援、経営に厳しさも

東日本大震災で被災した岩手県の三陸鉄道(三鉄)南リアス線(36.6 キロ)が 5 日、全線で運転を再開した。 6 日には北リアス線(71 キロ)も完全復旧する。 3 年 1 カ月ぶりの全線開通に住民は喜ぶが、人口減少のなかで三鉄は厳しい経営と向かい合う。 「復興の象徴」を守ろうと各地から支援が寄せられる。

午前 6 時、釜石駅。 住民や観光客約 30 人が 1 両編成の始発列車に乗り込んだ。 津波で自宅を流され、仮設住宅で暮らす岩手県釜石市の川畑宰(つかさ)さん (73) は沿線の風景を自分の目で確かめたい、と乗った。 「昨晩は興奮して眠れなかった。 車が運転できないので、三鉄はありがたい。 元気が出るねえ。」と目を潤ませた。 (岩井建樹、阿部浩明、asahi = 4-5-14)

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三陸鉄道の新レトロ車お披露目 ソファ席にシャンデリア

4 月 6 日に全面再開となる三陸鉄道は 23 日、南リアス線用の新しい「レトロ車」を初公開した。 外装は紫一色で、中にはソファ型でテーブルの付いたボックス席が 12 席並び、従来より一層、高級感がある。 通常より座席の間隔が約 10 センチ広く、ゆったり座れる。 車内照明は LED シャンデリアで、カラオケや配膳棚もあり、宴会にも使える。 クウェートの支援を受けた。

望月正彦社長は、「なかなか町が元に戻らない厳しい状況が続くが、地域の皆さんの足と、観光客を呼んで活性化する役割の二つを果たすため努力します」とあいさつした。 (asahi = 3-24-14)


「幻のラムネ」効果、ふるさと納税殺到 奈良・生駒

入手が困難で「幻のラムネ菓子」などと呼ばれる地元のラムネを、奈良県生駒市がふるさと納税の特典に加えた。 初日の 2 日だけで 78 万円が集まった。 市の昨年度のふるさと納税額は約 372 万円とあって、市は大きな効果を喜んでいる。 ラムネは「イコマ製菓本舗」が製造する「レインボーラムネ」。 一粒が直径約 2 センチで甘酸っぱい。 750 グラム入りが 500 円(税込み)だが、店頭販売はしていない。 通常は年 2 回の申込制で、直近の 3 月は 14 万 1,400 通の応募があり 3,500 人が当選した。 (筒井次郎、asahi = 6-3-14)


福岡市「法人税率 15% に」 特区で引き下げ案

地域を絞って規制を緩める「国家戦略特区」に指定された福岡市は、法人税の実効税率を 15% 程度に引き下げる規制緩和策を、国に追加で求める方針を固めた。 対象は創業から 5 年以内の企業に限るものの、国内外から投資を呼び込んで新しいビジネスを起こしてもらい、地域経済の底上げにつなげる狙いがある。

安倍政権は成長戦略の柱として、実効税率をいまの 30% 台半ばから将来的に 20% 台にすることをめざしているが、福岡市の提案はこれを下回る。 福岡市ではいまは 35.38% で、実現すれば半分以下の水準になる。 3 月に、労働規制を緩めて企業進出を促す「雇用特区」として選ばれたが、法人税率の低さもアピールして、「日本で一番ビジネスがしやすい街」をつくりたいという。

高島宗一郎市長が 31 日、都内で開かれるシンポジウムで方針を打ち出す。 「追加の財源は極めて小さく、政権の成長戦略の目玉にもなる」と位置づけており、実現への期待感は高い。 ただ、同じく特区指定を受けた東京圏や関西圏も、実効税率の引き下げを追加提案する見込み。 政府は全体の税制や政策の優先順位を見定めながら、年末にまとめる税制改正大綱に盛り込むか判断する。 (磯部佳孝、長崎潤一郎、asahi = 5-31-14)


岩手発 CM、再生 170 万回超 音楽のすばらしさ描く

結婚披露宴。サプライズに用意されていたのは、ピアノなんて弾けないはずの、新婦父の演奏。 決して上手ではないその曲は - -。 岩手のこんなローカル CM が、県内外で評判だ。 音楽の楽しさをアピールする宣伝で、動画投稿サイト YouTube (ユーチューブ) の再生回数は 170 万回を超えた。

県内で書店や楽器販売を展開する東山堂(盛岡市)が 3 月末、大人向け音楽教室を盛岡市内にリニューアルした。 それに合わせ 3 月上旬から CM 放映を始めた。 CM の続きはこうだ。 父が演奏したパッヘルベル「カノン」は、新婦が小さい頃、今は亡き母親と一緒に練習した思い出の曲。 最初はいぶかしげに父を見つめていた娘の表情は、みるみる崩れていく。 (寺沢尚晃、asahi = 5-30-14)


ウェルカム「英語村」 小学 5 年生、英語のみで授業

大阪府寝屋川市は 29 日、英語のみで 1 日の授業を過ごす試みを始めた。 「英語村」と名付け、市内の約 2 千人の小学 5 年生全員を対象にしている。

外国人英語講師 (NET) の指導のもと、この日は市立桜小の 82 人が「入村」。 英語の歌を歌ったりグループに分かれて名札作りをしたりした。 1 組の上中亜美さん (10) は「先生が話しているのを見て、自分もしゃべれるような気分になり楽しい。 ハッピーです。」と笑顔を見せた。 寝屋川市は、小学 1 年生の授業を 2005 年度から始めるなど英語教育に力を入れている。 英語村の事業には約 360 万円の予算を計上。 1 年間で全 24 小学校の児童が参加する。 (中島嘉克、asahi = 5-29-14)


1 杯目は地元の酒を 乾杯条例、各地で相次ぎ制定

地酒での乾杯をすすめる「乾杯条例」が各地で相次いで制定されている。 消費拡大をめざし、日本酒だけでなく対象は焼酎、ワインと広がり、酒にあった器の利用を呼びかける自治体もある。 半面、酒食に条例を定めることに違和感を訴える声もある。 福島県南会津町の居酒屋では、食前酒として日本酒がおちょこに無料で振る舞われる。 客で建材会社長の二瓶浩明さん (46) は「はじめに日本酒が用意されていると乾杯後も日本酒でいっちゃうよ。」

店でサービスを始めたのは昨年 7 月。 「乾杯には地元酒を飲用する」とする条例を町が 1 カ月前に作ったのがきっかけだ。 経営者の君島大輔さん (40) は「日本酒に関心を持つお客様が増え、お酒にまつわる会話も増えた。」 日本酒の売り上げは前年同月比で 3 割を超えた。

4 軒の造り酒屋がある南会津町。 条例案を提出した星登志一町議 (64) は約 10 年前、ワインの産地を視察した際、地元の人がワインで乾杯する習慣を知り、日本酒の乾杯普及を考えていた。 造り酒屋「開当男山酒造」の渡部謙一社長は「条例を機に地酒を知ってもらい、消費拡大につなげたい」と話す。 日本酒造組合中央会(東京都)によると、約 60 の自治体が酒類での「乾杯条例」を制定している。 昨年 1 月の京都市を皮切りに、佐賀県鹿島市や千葉県神崎町などに広がった。 (鈴木逸弘、asahi = 5-25-14)


東北の夏、結集 「六魂祭」初日は 13 万人超の人出

東北 6 県の夏祭りが集まる「東北六魂祭」が 24 日、山形市で開幕した。 東日本大震災からの復興への思いを込めた祭りは 2011 年に仙台市で始まり、盛岡、福島両市と続いて、4 年目の今回、初めて日本海側で開かれた。

毎回 1 文字の漢字で示してきたテーマは、「東北はくじけていない」との姿勢を示す「起」。 最高気温が 25.4 度と初夏らしい日差しの中、地元・山形の花笠まつりを先頭に、最後の青森ねぶた祭まで約 1,200 人が市中心部の 1.1 キロのコースをパレードした。 沿道を埋めた人々は、巨大な竿燈(かんとう)を操る技に歓声を上げ、長さ 12 メートルのわらじを担ぐ人々に拍手を送った。

この日の人出は 13 万 2 千人。 パレードコースやイベント会場では一時入場が制限された。 祭りは 25 日まで。 来年は秋田市で開く方向で調整が進んでいる。 (戸松康雄、asahi = 5-24-14)


おなじみの毛 1 本、ラベルに 焼酎「いその波平」が人気

宮崎県えびの市の明石酒造の本格芋焼酎「いその波平」が人気だ。 サザエさん放送 45 周年を記念して昨秋につくられ、ラベルには毛 1 本の頭のイラストも。 今年 1 月、父親の磯野波平役で親しまれた声優の永井一郎さんが急逝。 その祭壇に供えられた「波平」の瓶にファンが気付き、問い合わせが一気に増えた。 昔ながらの製法で、ズシリとした味わいの中にも優しい口当たりが特徴だとか。 ただ、飲み過ぎると「ばっかもーん」と怒られるかも。 (asahi = 5-20-14)


訪日外国人に農家体験売り込みへ 「五輪効果を全国に波及」計画

訪日外国人旅行者 2 千万人達成に向けた政府の行動計画の改定案が 14 日、判明した。 「2020 年の東京五輪開催を生かし、全国に効果を波及させる」と強調。 地方への誘致拡大策として、外国人が宿泊できる農家の情報を集約し、インターネットを通じて多言語で紹介する仕組みを整備するとした。 五輪開催時に観戦目的の外国人に東北をはじめとした地方を訪れてもらうため、旅行会社や鉄道業者にツアーの企画、開発を促す。

行動計画の改定版は、6 月に観光立国推進閣僚会議で決定する。 また大都市に集中している免税店の数を現状の約 2 倍の 1 万店程度に増やす。 (kyodo = 5-15-14)


「入館拒否は人種差別」 反捕鯨の豪女性ら太地町提訴

和歌山県太地町の「町立くじらの博物館」から外国人という理由で入館を拒まれたとして、オーストラリア人の女性らが町に約 670 万円の慰謝料などを求める訴訟を和歌山地裁に起こした。 女性らは「憲法(14 条)が禁じる人種差別にあたる」と主張している。 これに対し、昨年 9 月 - 今年 2 月の漁期に「捕鯨反対」の立場の外国人を対象に入館を断ったとする林克紀館長は朝日新聞の取材に「町の文化、財産、漁業を守るためで、差別の意図はない」と反論している。

訴状によると、女性は太地町で続くイルカ漁に反対している団体のメンバー。 2 月 9 日に博物館を訪れた際、職員から「捕鯨反対の方は入館できません」と英語と日本語で書いた紙を示されたという。 女性らは訴状で「捕鯨への考え方によって公共団体が施設の利用を拒むのは、憲法(19 条)の思想・良心の自由も侵害する」とし、今月 13 日に提訴したと説明している。

博物館には捕鯨に使う道具や歴史資料などが展示されている。 女性は 14 日、太地町のイルカ漁を撮影した米国映画「ザ・コーヴ」の出演者らと博物館を訪問。 「訴状を渡そうとしたが、拒否された」としている。 (滝沢文那、asahi = 5-15-14)


大杉谷、つながった登山道 10 年ぶりに全線開通

日本 3 大渓谷の大杉谷(三重県大台町)を貫く登山道が 4 月 25 日、10 年ぶりに全線開通し、奈良・大台ケ原登山口から渓谷へのルートが復活した。 2004 年の台風で斜面が崩落、不通になっていた。

「10 年ぶりの忙しさでした。」 登山道にある山小屋「桃の木山の家」では 3 日夜、約 180 人が宿泊。 オーナーの塩崎紀史(ただし)さん (66) は笑顔を見せた。 「美しい水と緑があるところ。 大勢の人に来て欲しい。」 一方、登山道では滑落死を含む事故が多発。 地元の山岳関係者らは、登山時は足元に注意し、慎重に行動するよう呼びかけている。 (写真・文 林敏行、asahi = 5-10-14)


若年女性、896 自治体で人口半減 2040 年までに

有識者らでつくる民間研究機関「日本創成会議(座長・増田寛也元総務相)」は 8 日、2040 年までに全国の計 896 自治体で、20 - 39 歳の女性が半減するとした独自の試算をまとめ、発表した。 東北の県庁所在地も含まれ、このままでは人口減少が止まらず行政機能の維持が困難になるという。

男女別の自治体間の移動状況、子どもの数などをもとに国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が昨年 3 月にまとめた人口推計データから、同会議が試算した。 社人研は地方から大都市への人口流出は 20 年までに落ち着くと推計したが、同会議は大都市で医療・介護分野の求人が増えるため、現状のまま年間 6 万 - 8 万人規模の流出が続くと仮定した。

その結果、12 年に子どもを産んだ女性の 9 割以上を占める 20 - 39 歳の「若年女性」の人口は、全国 1,800 自治体(福島県のみ県単位、20 政令指定都市のうち 12 市は区単位)のうち、10 - 40 年には 896 (49.8%) で 10 年と比べて 50% 以上減り、373 (20.7%) だった社人研の推計の 2.4 倍となった。 男性も同様に減少する。

若年女性が半減した自治体は、介護保険や医療保険などの社会保障の維持が困難で、雇用も確保しづらい「消滅可能性都市」になると指摘。 896 のうち人口が 1 万人を切る 523 は消滅の可能性が高いとした。 全国で最も減少率が高かったのは、群馬県南牧(なんもく)村(89.9% 減)。 半減する自治体には県庁所在地の青森市(57.4% 減)や秋田市(54.3% 減)も含まれる。 都道府県別にみると、東北 4 県と島根県で全市町村の 8 割以上が半減。 秋田県では 25 市町村のうち大潟村を除く 24 市町村が半減する。

同会議は、合計特殊出生率が全国最低の東京などの大都市に若者が吸い込まれて人口減が加速しているとも指摘。 @ 地方ごとに拠点都市をつくり、周辺自治体を支える仕組みづくり、A 都市から住み替える人への税制優遇、B 出生率を 35 年までに 2.1 に引き上げること - - などが必要と訴えた。(田中聡子、東郷隆、二階堂祐介、asahi = 5-8-14)

「日本創成会議」の公表内容の詳細は公式ウェブサイト (http://www.policycouncil.jp/) で見ることができる。

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中国 5 県の生産年齢人口比率、全国下回る 島根は最低

総務省が 15 日発表した 2013 年 10 月 1 日現在の人口推計で、中国 5 県の人口は前年比 0.5% 減の 747 万人だった。 15 - 64 歳の生産年齢人口の割合は 5 県とも前年より低下し、各県で全国平均の 62.1% を下回った。 島根県が全国で最も低く、山口県も 3 番目に低かった。 島根の生産年齢人口の比率は前年より 0.9 ポイント低下し、56.4% だった。 山口も 0.9 ポイント低下の 57.3% だった。 鳥取、岡山も 60% を割り込み、広島は 60.4% と中国 5 県で最も高かったが、全国平均を下回った。

一方で、65 歳以上の老年人口の割合は 5 県すべてで上昇した。 島根は 30.9% と、秋田、高知に次いで全国で 3 番目に高く、山口が 30.2% で島根に続いた。 鳥取、岡山、広島の 3 県も全国平均の 25.1% を上回った。 75 歳以上の割合では島根県が 17.6% と全国で 2 番目に高かった。

人口の減少率では鳥取、岡山、広島の 3 県は前年より拡大。 島根、山口は縮小したものの、それぞれ 0.68%、0.77% と全国でも高い水準で推移している。 各県の人口と都道府県別の順位は、広島が 284 万人で 12 位、岡山が 193 万人で 21 位、山口が 142 万人で 25 位、島根が 70 万 2,000 人で 46 位、鳥取が 57 万 8,000 人で 47 位だった。 5 県とも前年から順位に変動はなかった。 (nikkei = 4-16-14)


クルーズ船、九州への寄港激減 中韓との関係悪化響く

昨年 1 年間に九州 7 県の港を訪れたクルーズ船が、前年から半減したことが国土交通省の調べで分かった。 日中、日韓関係の冷え込みの影響で、全国 2 位だった博多(福岡市)は 7 位に転落、鹿児島や別府(大分県)もベストテンから外れた。 一方、横浜や神戸、台湾に近い石垣(沖縄県)や那覇はにぎわう。 自治体は経済効果を期待するが、明暗が分かれている。

横浜や神戸、石垣は好調

発表によると、2013 年の国内の総寄港数は前年より 1 割減の 1,001 回。 「飛鳥 II」など日本の船会社が運航するものは 628 回とほぼ前年と同じだったが、外国の船会社の運航分が 2 割減。とくに九州への寄港は 12 年の計 324 回から計 168 回にほぼ半減した。 博多は前年の 112 回から 7 割減の 38 回に。 全国 1 位だった外国船の寄港が激減したのが響いた。 鹿児島は 8 位(34 回)から 11 位(22 回)に。 ここ数年名を連ねてきたベストテンを外れた。 前年同じく 8 位(34 回)だった別府は 22 位(9 回)になった。

国交省などによると、九州の港は 12 年、地理的に近い韓国や中国からの船が多かったが、尖閣問題をはじめとする日中関係や、日韓関係の悪化で減った。 寄港回数が多かった韓国のクルーズ船が集客不振で昨年運休したのも響いたという。

一方で、横浜や神戸、東京は順調だ。 横浜は 9 年連続のトップで、過去最高の 152 回。 東京も 5 位と躍進した。 「これまでクルーズは横浜に任せていたけど、東京五輪の開催も決まったし、本気でやる。(東京都港湾局)」 1 月に東京クルーズビジョンを策定し、誘致に力を入れる。 3 港とも 8 割を国内船が占めている。 (渡辺純子、asahi = 5-7-14)

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英の豪華客船、青森港に初入港 船内を公開

青森港沖館埠頭(青森市)に 4 月 28 日朝、豪華大型客船ダイヤモンド・プリンセス(英国船籍、約 11 万 6 千トン)が初めて入港し、報道関係者らに船内が公開された。 全長約 290 メートル、幅 37.5 メートル、高さ 62.5 メートル。 乗客定員 2,670 人と、青森港を訪れた客船では過去最大だ。 船内は 18 階建て。 大型スクリーンで映画観賞ができるプールや公海上で営業するカジノ、すしレストラン、劇場、大浴場などの施設がそろう。 (asahi = 5-4-14)

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客船「ダイヤモンド・プリンセス」、舞鶴に初寄港

クルーズ客船「ダイヤモンド・プリンセス(11 万 6 千トン)」が 30 日朝、舞鶴市の舞鶴港(西港)に初めて寄港した。 舞鶴では最大級の客船の入港とあって、夕方の出港まで船内や市内各地で様々な歓迎行事があった。 午前 7 時すぎ、ダイヤモンド・プリンセスが高層ビルを思わせる船体を着岸させると、日星高校による吹奏楽や、サムライ姿に扮したガイド役のジョー・岡田さん (84) が出迎える中、次々と船客が上陸した。

約 2,400 人のうち、7 割が欧米系の外国人。 京都市内や天橋立方面などへのオプショナルツアーに約 900 人が出発したが、舞鶴市内で観光を楽しんだ人も多く、茶道体験や琴の演奏、自衛隊桟橋の開放など趣向を凝らした行事があった。 ロシア・モスクワから夫婦で訪れた主婦イワナ・ロガチョワさん (39) は「天橋立を見学するのが楽しみ」と話した。

船内では午前 10 時から歓迎式典があり、舞鶴市の多々見良三市長から記念の盾を贈られたファブリッツィオ・マレスカ船長が「友好関係が続くことを願っている」とあいさつした。 続く船内見学では今春、新設されたすしレストランや大浴場などが披露された。 (福家司、asahi = 5-1-14)


馬肉の消費が伸びている 値上げでも連日満席 熊本

減り続けてきた馬肉の消費が持ち直している。 日本一の産地・熊本では 9 年ぶりに生産量が増加に転じた。 牛肉より割高な「高級品」だけに、景気回復の追い風を強く受けている。 3 年前の牛ユッケによる集団食中毒事件の逆風も、安全対策の強化で乗り越えてきた。

4 月中旬の平日、熊本市中心部の繁華街にある馬肉料理専門店「菅乃屋(すがのや) 銀座通り店」。午後 4 時の開店直後から予約客が次々に訪れ、午後 7 時には店内の全 66 席が埋まった。 ほぼすべての客が注文するのが、馬刺しの盛り合わせ(3 - 4 人前、税込み 4,600 円)。 赤身や霜降り、心臓など 8 種類の刺し身が皿に並び、桜色に輝く。

青森県八戸市から出張で来た男性 (62) は「やっぱり本場は違うね」と舌鼓を打っていた。 おろしニンニクとしょうゆにつけた霜降り肉が、舌の上でとろける。 焼酎が 2 杯、3 杯とすすみ、赤ら顔で刺し身のお替わりを注文していた。 この店では 1 年以上前から連日満席が続く。 4 月からは消費増税分を価格に転嫁。 肉の仕入れ値も上がっており、値上げ幅は一部で 3% を超すが、「客の入りは全く変わらない」と店長。 企業の交際費の伸びを映してか、最近は領収書をもらう客が目立つという。

馬肉は鉄分やビタミンが豊富な一方、カロリーは牛肉や豚肉の半分ほど。 スタミナ満点のヘルシー食だが、値も張る。 霜降りなら 100 グラムで 2 千円を超えるものも多く、消費量は「景気の影響を受けやすい(熊本県畜産課)」という。 実際、全国の馬肉の生産量の 4 割を占める熊本県の処理頭数は 2004 年度(8,523 頭)をピークに減り続けた。 12 年度は 5 千頭を割り込んだが、13 年度は 6,018 頭と前年度より 2 割以上増えた。 増加は 9 年ぶりだ。

ゆるキャラ「くまモン」の人気で熊本を訪れる観光客は増えている。 企業収益が回復し、出張で訪れるビジネス客の財布のひもも緩んでいるようだ。 百貨店で宝飾品や時計の売り上げが伸びたように、「高額品」の馬肉を口にする客が増えている。 福島県や青森県などほかの主産地でも増加に転じており、「アベノミクスによる景気回復の効果」と業界関係者は口をそろえる。 (長崎潤一郎、asahi = 5-7-14)


「ツタヤ図書館」目標 2 倍の 100 万人突破 佐賀・武雄

ツタヤと提携した佐賀県の武雄市図書館で 5 日、昨年 4 月のリニューアル後の入館者が 100 万人を突破した。 年間 50 万人という目標の 2 倍の数だ。 100 万人目は毎週のように来るという近くの久保由香さん (40)、楓(かえで)ちゃん (8) 親子。 花束が渡されたが、思わぬ展開に戸惑い気味の面持ちだった。 対照的に樋渡啓祐市長は終始上機嫌で、報道陣に「数(にこだわるの)は終わり。」 ただ図書館の充実を口にしつつ、思わず「次の目標は 1 億人」とも。 (asahi = 5-5-14)

前 報 (5-25-13)


こいのぼり、魚と競演 大分マリーンパレス水族館

大分市の大分マリーンパレス水族館「うみたまご」の水槽で、こいのぼりが「水中デビュー」した。 豊後水道の魚たちに交じって悠々と舞っている。 GW の特別企画。 青や緑に彩られた約 1 メートルのナイロン製こいのぼり 12 匹が、水流の働きで約 1,500 匹の魚たちと一緒に泳ぐような演出をした。 飼育係の浜田貴史さん (41) は「魚たちは最初、『変なものが下りてきた』と避けていたようですが、今では仲良く泳いでいます。」 (asahi = 5-5-14)

気分は戦国武将、鎧甲を着て記念写真 宮崎

端午の節句にちなみ、子どもたちが鎧甲(よろいかぶと)を着て記念写真を撮るイベントが 4 日、宮崎市芳士の「みやざき歴史文化館(大倉敏館長)」であった。 ちょっぴり勇ましい武者姿の我が子を写真に撮ろうと、大勢の親子でにぎわった。

鎧甲は、同館が所蔵する伊達政宗や真田幸村、黒田長政ら戦国武将が身につけていたもののレプリカや、同館のボランティアが塩化ビニール板などで精巧に手作りした大小計 11 体。 本物よりも軽量だが、着るのに係員 2 人が手伝って 10 分近くかかる。 お父さんも一緒に試着して記念写真を撮る光景も見られた。 朝6時に起きて親子 5 人で来た延岡市立南小学校 4 年の田中稜人くん (9) は「初めて鎧甲を着ました。 重たいです。 戦国武将になった気分です。」と話した。 (佐藤幸徳、asahi = 5-5-14)


人馬一体、坂駆け上がる 三重・桑名「上げ馬神事」

武者姿の若者が、馬に乗って急な坂を駆け上がる「上げ馬神事」が 4 日、三重県桑名市多度町の多度大社で始まった。 5 日まで。 南北朝時代(1336 - 92 年)から続くとされる伝統行事。 馬場を 100 メートル近く走った馬が、長さ 20 メートルの坂へ。 最後に約 2 メートルの土壁を勢いよく飛び越えると、集まった観客から大きな歓声が起きた。 この日は 12 回出走し、3 回成功した。 (asahi = 5-4-14)



闇にかかる七色のカーテン 熊本・鍋ケ滝でライトアップ

九州・山口の各地で今年一番の暑さとなった 2 日、熊本県小国町黒渕の鍋ケ滝で大型連休恒例のライトアップが始まり、山あいの暗闇に「光のカーテン」が幻想的に浮かび上がった。 6 日まで。

高さ 10 メートル、幅 25 メートルにわたって流れ落ち、滝の裏側に入ることもできる。 地元の町おこしグループが企画した。 点灯は日没から午後 9 時まで。 夜は協力金として 200 円が必要だ。 福岡管区気象台によると、九州・山口は 5 日に前線が通過する影響で一時雨が降るものの、連休中はおおむね晴れ間が広がるという。 (asahi = 5-3-14)


たま駅長人気、海を渡る アジアからの観光客 2.5 倍

和歌山電鉄の PR 役を務める三毛猫の「たま駅長」の人気が海外にも広がっている。 昨年度は香港や台湾を中心にアジアから約 2 万人が訪れ、前年度比で 2.5 倍に急増。 乗客総数が初めて 220 万人を超える原動力となった。 29 日は 15 歳の誕生日。 人間なら 77 歳の「喜寿」に近い高齢だが、集客力は衰えない。

4 月中旬、たま駅長がいる貴志駅(和歌山県紀の川市)に香港からの団体客 38 人が訪れた。 ホームに車両が入ってくると、先頭にはたまの顔。 大はしゃぎで写真を撮り始めた。 同行したガイドの陳健滔(チンケントウ)さん (30) は「ここはとても人気がある観光コース。 1 日 2 - 3 グループを案内することもある。」と明かす。

和歌山電鉄によると、南海電鉄から運営移管された 2006 年度以降、乗客数は年間 215 万人前後で横ばいだったが、昨年度は初めて 220 万人を突破。 アジアからの観光客が押し上げたという。 「日によっては、乗客の半分くらいがアジアの方の感じ。 平日もたいてい 1、2 組は乗車している。」と和歌山電鉄広報。 (広津興一、asahi = 4-29-14)