事業有望国、中国 4 位転落 … 日中関係悪化も主因

国際協力銀行が、国内製造業に海外事業で有望な国を聞いている調査で、1992 年の調査開始から首位だった中国が 4 位に転落した。 市場の拡大が著しいインドネシアが前年の 3 位から初めて 1 位になった。 今後 3 年程度で事業展開に有望な国として、中国を挙げた企業(複数回答可)は 37.5% で、前年より 24.6 ポイントも減った。 人件費の増加や日中関係の悪化への懸念が主な理由だった。

インドネシアは 44.9% で前年より 3.1 ポイント増えた。 成長市場と期待され、所得が向上しており、自動車や電機メーカーなど幅広い企業から支持を受けた。 インドが 2 位で 43.6%、タイが 3 位で 38.5% だった。 調査は、海外に現地法人を 3 社以上もつ企業 992 社が対象で、625 社が回答した。 (yomiuri = 12-1-13)


日系企業の協賛が復活、上海国際マラソン

中国上海市で 1 日、上海国際マラソンが開かれた。 沖縄県・尖閣諸島をめぐる問題を受け、昨年はそれまで冠スポンサーだった東レなど日系企業の協賛が中国側の意向で外されたが、今年はセイコーが協賛企業に名を連ねた。 2003 - 11 年まで同大会の公式計時を担ってきたというセイコーの担当者は「昨年は残念ながら協賛できなかったが、今年は元通りになり良かった」と語った。

3 万人超の参加者が午前 7 時にスタートし、市中心部の市街地を駆け抜けた。 ハーフや 10 キロのコースもあり、外国人も多く参加した。 主催者側は日本人の参加者数は明らかにしていない。 今年で 18 回目となる大会は、長年「東レ上海マラソン」として上海市民に親しまれてきた。 (kyodo = 12-1-13)


「中国に親しみ感じない」 8 割超で過去最高 外交世論調査

日韓関係「良好でない」も高水準

内閣府が 23 日に発表した「外交に関する世論調査」で、中国に「親しみを感じない」と回答した人が 80.7% (前年比 0.1 ポイント増)となり、昭和 53 年の調査開始以来、過去最高となったことが分かった。 韓国への親近感も低く、日本と両国との最近の関係冷え込みを反映した結果となった。

日中関係について「良好だと思わない」は 91.0% だった。 中国で反日デモが相次いだ昨年の調査 (92.8%) に次ぐ過去 2 番目の高さだった。 昨年 12 月に安倍晋三内閣が発足して以来、一度も首脳会談が実現していない。 また、中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)付近に頻繁に公船を出すなど、関係改善の兆しが見られない状況が調査結果に影響を与えたようだ。

韓国に対しては、58.0% が「親しみを感じない」と回答した。 昨年の調査から 1.0 ポイント減ったものの、過去 3 番目に高い結果となった。 日韓関係が「良好だと思わない」は 76.0% 。 昨年 (78.8%) に次ぎ過去 2 番目の高さだった。 韓国の朴(パク)槿恵(クネ)大統領は竹島(島根県隠岐の島町)の領有権主張や、日本の歴史認識を問題視する発言を繰り返しており、そうした韓国側の対応に日本国民の不信感が根強いことがうかがえる。

一方、首相が安全保障や経済で同盟重視を掲げる米国との関係は「良好だと思う」が 83.8% (同 4.5 ポイント増)に上り、平成 10 年の設問開始以来、過去最高を記録した。 「親しみを感じる」も 83.1% あり、昨年の 84.5% に次ぐ過去 2 番目に高い水準となった。

東南アジア諸国に対しても「親しみを感じる」は 60.4% (同 2.5 ポイント増)で過去最高となった。 首相は就任してから約 11 カ月間で東南アジア諸国連合 (ASEAN) 加盟 10 カ国を全て歴訪。 ASEAN 重視で連携の強化を進めてきた首相の外交方針が国民に浸透しつつあるようだ。 調査は内閣府が毎年秋に実施。 今年は 9 月 26 日から 10 月 6 日まで、全国の成人男女 3 千人を対象に個別面接方式で行い、有効回収率は 61.6% だった。 (sankei = 11-23-13)


スマホ向け IGZO、中国大手に外販へ シャープ

シャープは、省電力・高精細の液晶パネル「IGZO (イグゾー)」をスマートフォン向けに外販する。 IGZO 液晶はシャープが世界で初めて量産化に成功したが、価格が高く、スマホではこれまで自社製端末のみに使われていた。

大型テレビ用の液晶パネルを生産している亀山第 2 工場(三重県亀山市)で月内に生産を開始。 中国の大手携帯電話メーカー、ZTE (中興通訊)に販売する。 大型ガラスを切り出してパネルにすることで、安価で大量に生産できるようになったという。 シャープは独自技術の IGZO で経営再建を図る考えだ。 タブレットやパソコン向けとして生産してきたが、成長が見込めるスマホ用を増やしていく。 今後も国内外で外販先の携帯電話メーカーを開拓する。 (asahi = 11-22-13)


昭恵夫人、一足お先に外交再開? 日中友好イベント出席

【冨名腰隆】 安倍晋三首相夫人の昭恵さんが 20 日夜、東京・芝公園のホテルで開かれた訪日中国高校生らの歓迎会に出席した。 中国、韓国との首脳会談のめどが立たないなか、昭恵さんの「ファーストレディー外交」が際だっている。

昭恵さんはあいさつで、日中関係について「必ずしも良好とは言えない」としたうえで、「勇気を持って日本に来ていただき、うれしく思う。 どうか若い感性で目で見て、頭で考え、心で日本を感じてほしい。」と話した。 中国の程永華(チョンヨンホワ)駐日大使は「夫人の言う通り、対話と協力で難題が解決できるよう願う」と返した。

昭恵さんは「韓国通」としても知られ、10 月のアジア太平洋経済協力会議 (APEC) の記念撮影で、韓国の朴槿恵(パククネ)大統領と笑顔で握手を交わすなど、アジア外交に一役買っている。 日中交流事業で訪日した高校生や教育関係者ら 90 人は、日本の高校生との交流や文化体験などを目的に、27 日まで京都や大阪を訪ねる予定だ。 (asahi = 11-20-13)


日系電機メーカーの中国との付き合い方

実際の事例を通して

記事コピー (asahi = 11-18-13)


日中経済協会の訪中団が北京入り 中国副首相と会談へ

【北京 = 山口博敬、斎藤徳彦】 日中経済協会(会長・張富士夫トヨタ自動車名誉会長)の訪中団が 18 日、北京入りした。 日中関係を改善しようと李克強(リーコーチアン)首相との会談を要望していたが、中国側は同日、汪洋(ワンヤン)副首相(政治局員)が 19 日の会談に応じると協会側に伝えた。

訪中団には米倉弘昌経団連会長(住友化学社長)ら大企業幹部約 100 人が参加。 関係改善を模索することが目的だ。 訪問団によると、18 日に会談した中国の高虎城商務相は、「(経済界の)意思疎通が政治関係の回復と発展に寄与できるよう希望する」と応じたという。

ただ、日本側が強く希望した李首相には会えない見通しだ。 中国共産党の最高指導部である 7 人の政治局常務委員でもない汪氏。 中国の大手国有企業の首脳が日本を訪問するなど「雪解け」を目指す動きもあるが、日本の大手金融機関の関係者は「ハイレベルでの交流はまだできないというサインだ」と受け止めている。

中国政府の通商関係を担う汪氏は、日本と関わりの深い広東省トップの党委書記を経験。 習政権を代表する改革派と言われ、次世代の最高指導部入りも有力視される実力者。 中国国内からは「対外経済の最高実務者で、日本の経済人が会うには一番良い相手(中国の国際経済学者)」との声もある。 (asahi = 11-18-13)

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11 月に訪中団 = 経団連会長ら参加 - 日中経協

日中友好 7 団体の一つで主要企業首脳で構成する日中経済協会(会長・張富士夫トヨタ自動車名誉会長)は 19 日、11 月 18 日から 24 日の日程で訪中団を派遣すると発表した。 日本政府による沖縄県・尖閣諸島の国有化以降、冷え込んだままの日中関係の改善を図る。 習近平国家主席、李克強首相ら中国政府要人との会談を目指している。

訪中団には張会長のほか、経団連の米倉弘昌会長、新日鉄住金の今井敬名誉会長ら約 100 人が参加する。 かねて日本の財界は「日中平和友好条約締結 35 周年の今年こそ、日中関係正常化の道筋を付ける(米倉会長)」と主張。 今月 11 日の尖閣国有化 1 年などで中国国内で目立った反日デモがなかったことから、経済分野を通じた両国関係改善の地合いが整いつつあると判断した。 (jiji = 9-19-13)


中国の日本車シェア微減 販売数は昨年 10 月比 2.8倍

中国の自動車工業協会が 11 日発表した 10 月の新車販売統計によると、乗用車の国別シェアで日本車は 16.99% だった。 日中関係の悪化から大きな打撃を受けた昨年 10 月と比べ、販売台数は約 2.8 倍に急回復した。 ただ、米国車が 26.2% 伸びるなどライバルも好調を保っており、日本車のシェアは前月から 0.46 ポイント下がった。 全体では前年比 20.3% 増の 193 万 2,600 台。 19.7% 増だった 9 月に続き、高い伸びとなった。 (asahi = 11-11-13)

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ホンダ、10 月の中国販売は前年比 3 倍超

[上海] ホンダは 4 日、10 月の中国自動車販売(現地合弁事業の販売を含む)が 7 万 5,150 台となり、前年同月比で 211.6% 増加したと発表した。 9 月は 118.1% 増、8 月は 2.5% の減少だった。

比較値となる前年同月の販売台数が低水準だったことが 9 月の急増の一因。 1 年前は、尖閣諸島(中国名・釣魚島)の問題をめぐる反日感情の高まりで販売が打撃を受けた。 1 - 10 月の販売台数は前年同期比 15.8% 増の 57 万 2,405 台だった。 ホンダは東風汽車、広州汽車集団との提携を通じて中国で自動車を生産している。 (Reuters = 11-4-13)

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日産自、10 月の中国販売は前年比 +127.8%

[上海] 日産自動車は 4 日、10 月の中国販売台数(合弁含む)は前年同月比 127.8% 増の 11 万 4,700 台と発表した。 9 月は 83% 増、8 月は 1% 増だった。 比較対象となる前年の数字が日中の領土問題による中国消費者の不買運動などの影響で低かったため、大幅な伸びとなった。 1 - 10 月の販売台数は 100 万 400 台で、前年同期比 7.1% 増。 日産は東風汽車との合弁で現地生産を行っている。 (Reuters = 11-4-13)

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日本車シェアようやく回復 中国、ホンダ・アコード好調

【北京 = 斎藤徳彦】 中国の自動車工業協会が 11 日発表した 9 月の新車販売統計によると、乗用車に占める日本車シェアが 17.45% となり、前月から 2.2 ポイント回復。 昨年 9 月に日中関係が悪化して大幅に売り上げが減ってから、ようやく明るい変化が生まれている。 日本車の 9 月乗用車販売は前年同月比約 74% 増え、27 万 8 千台。 2 年前の 9 月よりも約 8 千台上回った。 大きく引き離されていた首位ドイツとのシェアの差も、9 月は約 1.8 ポイント差まで縮まった。 (asahi = 10-12-13)

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中国での日本車販売、大幅に増加 反日デモの昨年 9 月比

日産自動車とトヨタ自動車、ホンダの自動車大手 3 社は 8 日、9 月の中国での新車販売台数を発表した。 尖閣問題をきっかけとした反日デモで販売が大きな打撃を受けた昨年 9 月と比べると、各社とも 60 - 120% の大幅増となった。 日産が前年同月比 83.4% 増の 11 万 7,100 台、トヨタは同 63.5% 増の 7 万 2,100 台、ホンダは同 118.1% 増の 7 万 3,990 台だった。

問題が起きる前の一昨年 9 月との比較では、日産が 8.1% 増、トヨタが 16.5% 減、ホンダは 29.7% 増となった。 特に伸びが目立ったホンダは、9 月に全面改良した主力の中型セダン「アコード」など、6 - 9 月に新たに投入した 3 車種が売り上げを引っ張った。 広報担当者は「広告を含め、通常の販売活動ができるようになっている」と分析する。 (asahi = 10-8-13)

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中国人好みに全面改良 アコード新モデル発表 ホンダ

【上海 = 河崎真澄】ホンダの中国合弁会社、広汽本田汽車は 12 日、全面改良した主力車種「アコード」の中国市場向けモデルを発表した。 アコードは 1999 年から中国で累計 150 万台を販売した人気車種。 今回の改良では、中国の消費者が好む押し出しの強い外観デザインを採用した。

上海市内で同日、記者会見した同社の神子柴寿昭総経理(社長、ホンダ執行役員)は、「80 年以降に生まれた若い世代がターゲット」と話した。 尖閣諸島(沖縄県石垣市)国有化をきっかけにした反日デモの影響を受けた販売減については、「客足は前年同期と遜色ないところまで戻ってきた」として回復に自信を示した。 内陸部を中心に販売店を増やす方針だ。 また、日本で発売済みのハイブリッド (HV) モデルについて、「中国での将来の販売や現地生産も視野に入れている」という。 (sankei = 9-12-13)


日本の高齢者向け製品 PR 南京、対日感情改善も期待

中国江蘇省南京市で 1 日、高齢者向け製品やサービスの見本市「南京老年産業博覧会」が始まり、日本の福祉機器メーカーや福祉団体が初めて出展した。 高齢化が進む中国で日本の最先端の介護製品とサービスを PR し、シニア向け市場開拓を図る狙い。

同市では、高齢者などに反日感情が根強く残っており、日本側関係者は福祉分野での貢献が対日イメージ改善につながることを期待している。 江蘇省は 60 歳以上の高齢者が 2012 年末時点で約 1,425 万人と、同省に戸籍を有する人口の約 19% を占め、高齢化率が高い地域とされる。

博覧会は今年で 2 回目。 省側が日本貿易振興機構(ジェトロ)に出展を要望し、11 社・団体が参加した。 南京市の周登記さん (74) は「(尖閣諸島をめぐる問題などで)中国と日本には対立してほしくない。 (日本の)出展は相互理解を深める上でプラスだ。」と話した。 (kyodo = 11-1-13)


中国の輸出規制「完全に失敗」 … 希土類需要急減

世界貿易機関 (WTO) の紛争処理小委員会(パネル)が、中国のレアアース(希土類)輸出規制に反対する日米欧の主張を大筋で認める中間報告を出したことが分かった。 レアアースを戦略資源と位置づける中国の手法は曲がり角に来ている。 日本など各国は、レアアースの使用量を減らす技術や代替品の開発を進めている。 新金属協会によると、日本でのレアアースの需要は、2007 年の約 3 万 2,000 トンから 12 年には約 1 万 4,000 トンまで減少。 価格はピークだった 11 年の 10 分の 1 近くまで下落した。

10 年 9 月、沖縄県尖閣諸島付近の領海に侵入した中国人船員の逮捕で日中関係が緊迫した際、中国産レアアースの日本への輸出が事実上止まって大きな影響が出たが、今や輸出国としての中国の地位は低下している。 中国は 10 年にレアアースの輸出枠を大幅に減らしているが、12 年の輸出量は枠の 4 割前後にとどまったとみられる。 今回の中間報告で、輸出規制が「クロ」判定される公算が大きくなり、「中国の戦略は完全に失敗した(外交筋)」との見方が強まっている。 (yomiuri = 10-26-13)


明治、中国の粉ミルク販売撤退 震災などで売り上げ低迷

【古谷祐伸、広州 = 斎藤徳彦】 食品大手の明治は 24 日、中国での粉ミルク販売から撤退することを明らかにした。 近く発表する。 中国では自国製品への不安から外国製ミルクの人気が高いが、明治は東京電力福島第一原発事故や日中関係の悪化の影響を受けて売り上げを落としていた。

明治は朝日新聞の取材に対し、現在の在庫がなくなり次第、中国での販売を休止することを認めた。 「中国での競争激化によって安定収益を上げられなくなった」ことを理由に挙げている。 明治は 1993 年に中国での粉ミルク販売を始めた。 中国製粉ミルクの毒物混入事件で消費者の不安が高まる中で、代表的な国外ブランドとして知れるようになった。 (asahi = 10-24-13)


中国の対日投資が前年比 4 割減 … 日中関係の悪化が原因?

中国商務部によれば、2013 年 1 - 9 月の中国による対外投資は前年同期比 17.4% 増となる一方、日本および香港への投資が減少したことが分かった。 中国新聞社が報じた。 商務部によると、13 年 1 - 9 月において中国の投資家は世界 156 カ国および地域の企業 3,890 社に直接投資を行い、金融分野を除く直接投資額は計 616 億 4,000 万ドルに達した。

注目すべきは、米国への投資が前年同期比 250% 増、EU が同 108.1% 増、オーストラリアは同 83.6% 増と急速な伸びを示す一方で、日本への投資が同 45.5% 減、香港は同 11.7% 減となった点だ。 商務部の沈丹陽報道官は、中国の対香港投資が減少した理由について、「中国から海外への投資はこれまで香港を経由して行われていたが、現在は対外投資政策の緩和によって、多くの投資が直接行われるようになったため」と述べた。

沈丹陽報道官は、中国による対日投資の減少について理由を述べなかったが、尖閣諸島(中国名 : 釣魚島)をめぐる日中関係の悪化がかかわっている可能性は排除できない。 (サーチナ = 10-20-13)


「アベノミクス」効果? 日中貿易に好転の兆し

中国の 9 月の貿易統計が発表され、中国から日本への輸出が前の年の同じ月を上回りました。 中国・税関総署、鄭躍声報道官 : 「日中貿易が好転した原因は、日本の持続的な拡張通貨政策により、日本経済がある程度、復活してきたからだろう。」

9 月の中国から日本への輸出額は、前の年の同じ月を 1.3% 上回りました。 「アベノミクス」の 3 本の矢の一つである「金融政策」によって日本の景気が回復し、日中貿易にも好転の兆しが見えてきたとしています。 ただし、中国全体の輸出額は前の年の同じ月を 0.3% 下回り、中国経済には依然として不透明感が漂っています。 (ANN = 10-12-13)


中国の訪日客が昨年から倍増、国慶節で「最も人気」

中国の国慶節(建国記念日)連休(1 - 7 日)に中国から日本を訪れた団体旅行客が昨年の連休の 2.3 倍に当たる 3 万 8,600 人だったことが 8 日、中国国家観光局の調べで分かった。 国家観光局は連休中の旅行先として「香港、マカオ、台湾と韓国、日本が最も人気があった」としている。 民間調査によると、外国の中で日本は韓国に次いで 2 番目に人気があったという。

昨年の国慶節の連休は日本政府による沖縄県・尖閣諸島の国有化の直後で、中国人予約客による日本旅行のキャンセルや旅行会社の販売見合わせが続出した。 ことしは日本旅行の販売を再開する動きが相次ぎ、大手旅行会社が売り出した富士山ツアーや北海道観光などの団体旅行が軒並み完売し、回復基調が鮮明になっていた。 (kyodo = 10-8-13)


中国の PM2.5、日本でも注意呼びかけ 3 日に到達か

健康への影響が心配される微小粒子状物質 PM2.5 の濃度が 3 日、九州や中国、四国地方で高まる可能性がある。 日本気象協会は、中国で高濃度で観測された PM2.5 が、大陸からの風に乗って運ばれると予測。 各自治体の予測情報などに注意するよう呼びかけている。

日本の環境基準値は大気 1 立方メートルあたり 35 マイクログラム(1 日の平均値)だが、北京では 9 月末、その数倍の値を観測し、大気汚染が深刻化している。 同協会九州支社によると、気圧の谷が 2 日に九州付近を通過した後、大陸からの北寄りの風が 3 日朝に吹き始め、PM2.5 を含む空気が九州や中国、四国地方に到達するとみられる。

ただ、運ばれてくる間に拡散され、中国で観測された高濃度のまま日本にたどりつくわけではない。 松井渉気象予報士は「過剰に反応する必要はないが、中国では視界が 10 メートルといった異常な状態。 改善する見通しもないので自治体の情報発信などに注意を。」と話す。 3 日を過ぎると太平洋高気圧が強まるため、大陸からの風が入りづらくなる。 ただ、晩秋から冬にかけては季節風によって、PM2.5 が越境飛来してくる恐れが高いという。 (asahi = 10-2-13)


日清オイリオが中国事業の立て直しへ現地同業大手と提携 子会社は合弁形式に

日清オイリオグループは 27 日、中国食品大手の中糧集団 (COFCO) 傘下の製油会社、中国糧油控股と業務提携すると発表した。 日清オイリオの中国子会社、大連日清製油の株式 51% を中国糧油の子会社に譲渡し、合弁会社に変更する。 中国糧油のノウハウを活用し、体に脂肪が付きにくい食用油など高付加価値商品の販売を拡大し、苦戦する中国事業を立て直す。 28 日に業務提携を締結し、来年 3 月末に大連日清の株式を中国糧油側に譲渡する。

日清オイリオは 1988 年に中国に進出したが、近年は原材料の高止まりや食用油の供給過剰などの影響で、昨年度まで 3 期連続で営業赤字となっている。 今後は現地の国営企業である COFCO グループのサポートを受け、中国事業の再構築を進めていく。 (sankei = 9-27-13)


経済界、日中関係改善に一歩 中国 10 社首脳が集団訪日

【編集委員・吉岡桂子】 中国の大手企業 10 社の首脳が 24 日から 5 日間、東京を訪問し、日本の政府高官や企業首脳と会う。 尖閣諸島をめぐって日中の対立がとけないなか、中国企業トップが集団で訪日するのは極めて異例。 関係改善に向けて双方の経済界が一歩を踏み出した。

訪問団は、中国最大の国有コングロマリット「中国中信集団 (CITIC)」の常振明会長、国家ファンド「中国投資 (CIC)」の高西慶社長、大手建設機械メーカー「三一集団」の梁穏根会長ら 10 社 11 人。 政府高官や首相経験者のほか、経済同友会(代表幹事 = 長谷川閑史〈やすちか〉・武田薬品工業社長)やみずほフィナンシャルグループ、野村証券、トヨタ自動車などの首脳とも面会する。 (asahi = 9-24-13)


尖閣国有化から 1 年 中国、官民で「反日」押さえ込み

【北京 = 林望】 日本政府が尖閣諸島の国有化を閣議決定して 1 年を迎えた 11 日午前、北京の日本大使館前では数人の私服警官が警備に当たったが、抗議に訪れる市民はいなかった。 当局が反日感情の暴走を抑え込んでいる上、暴力を戒める世論も広がっている。

日本大使館は、東京都の尖閣購入計画が進んでいた昨年 8 月以来、再三のデモに見舞われ、一時は鉄製のバリケードに囲まれた。 だが、11 日午前は数人の武装警察官が正門前に配置された以外、特別な警備態勢も敷かれなかった。 ネット上でも目立ったデモの呼びかけは確認されていない。

日本の尖閣国有化を受け、中国では昨年 9 月、100 以上の都市で大規模な反日デモが発生。 日系企業が焼き打ちや強盗に遭う映像が発信され、中国の国際イメージを損ねた。 当局が暴徒を摘発し「暴力は許さない」との強いメッセージを出した一方、暴力を戒める市民の冷静な声もネットなどを通して浸透した。 (asahi = 9-11-13)


中国での日本車販売、尖閣問題がなおも影落とす

【西安(中国陝西省)】 反日感情を抱く暴徒が 1 年前、地元住民やトヨタカローラを運転していた李建利さんに暴力をふるい、李さんを道路に横倒しにした。 この出来事は中国国民に衝撃を与え、多くの人が日本車を避けるようになった。 李さんの奥さんによると、50 歳代前半の李さんは今もその時のけがに苦しんでいる。 そして、日本の大手自動車メーカー各社も引き続き、人口約 800 万人の中国西部の都市、西安といった地域で失った基盤の回復に苦戦している。

トヨタ自動車とホンダ、日産は日中間の領有権問題のダメージからおおかた回復している。 これらのメーカーは反日デモで被った自動車被害への補償プログラムを提供した。

しかし、アナリストや業界幹部たちは、自動車メーカーが中国内陸部や西部地域で形勢不利になっていると指摘する。 中国沿岸地域での自動車販売競争が落ち着くなか、販売合戦はこうした内陸部や西部地域に移行している。 フォルクスワーゲンやゼネラル・モーターズ (GM)、フォード・モーターといったライバルメーカーは一段と迅速に、それほど富裕ではないが、品質を追い求める中国の運転手にアピールする低価格車種を提供している。

助言会社 JD パワー・チャイナのバイスプレジデントでマネージングディレクターの Mei Songlin 氏は「これこそ自動車業界の将来を左右する地域だ」と述べた。 同氏は中国内陸部の都市に触れ、「自動車メーカーが第 3 層、第 4 層の都市で好調を博すことができなければ、事業拡大にとって障害だ」と話した。

日本の自動車メーカーも政府統計も、都市や地域ごとの販売台数は明らかにしていない。 しかし、自動車購入者や自動車ディーラーとのインタビューでは、日本車ブランドは引き続き、西安市では販売の苦戦を強いられている。 同市は有名な兵馬俑(へいばよう)の本場で、中国西部への玄関口でもある。

西安市の日産販売店のマネジャーの 1 人は、今年 1 - 7 月期の売上高は前年同期比で約 20% 減少したと述べた。 今年上半期に日産は 2 車種を発表した。 新型セダン「ティアナ」と新型コンパクトカー「リヴィナ」だ。 しかし、販売店のスタッフはティアナの販売が「そこそこだ」と話した。

日産の広報担当者は西安市での販売状況についてコメントを避けた。 ただ、中国全体の統計では、今年 1 - 7 月期に 68 万 2,500 台を販売し、前年同期から 7.1% 減少したことを明らかにした。 日産は中国全域の 118 の新興都市での販売促進を目指し、新たな販売店開設をはじめとする特別の販促キャンペーンを開始、広告と販促活動を強化した。 この広報担当者は、こうした活動が 28 万台以上の販売につながったと述べた。 日産は今年に入り、このキャンペーンの対象都市数を 135 に拡大した。

西安市のトヨタ販売店の 1 店舗もまた、販売が減速していることを明らかにした。 同店舗のマネジャーは「かつては需要がトヨタ車の供給を上回っていた」と言い、「今では反対だ」と述べた。

中国のトヨタの広報担当者は、販売店の発言にはコメントしないと述べた上で、トヨタは現在の低水準の売り上げにも関わらず、中国内陸部での取り組みを強化していることを明らかにした。 この広報担当者は、新型のコンパクトカー「ヴィオス」と「ヤリス」の発売が内陸都市の消費者を大いに念頭に置いたものだと説明した。 トヨタは今年の販売台数は 90 万台と、昨年比で約 7% 増を見込んでいる。

ホンダの広報担当者は、中国内陸部の販売勢いの特徴を示すことは難しいと話した。都市や車種によって異なるからだという。 「しかし、内陸部の都市の市場は一層迅速に拡大しており、わが社もその地域の販売網を強化していることは事実だ」と述べた。

尖閣諸島を巡る日中間の領土問題は、東京都が昨年、民間所有者から尖閣諸島を購入すると発表し、緊張が頂点に達した。 李さんは昨年 9 月 15 日、西安市の中心部で車を運転していた。 その時、群衆が李さんの白いカローラを取り囲んだ。 車を出ると、激しく殴りつけられ、中には自転車の鍵で攻撃してくる者もいた。 この攻撃の映像が中国のインターネットを通じて広がり、日本車を買う可能性のあった人々も日本車から遠ざかった上、全般的な反日感情のために他の人々も日本車を敬遠した。

自動車調査会社 WAYS のデータによると、昨年 10 月までには、日本の自動車メーカー各社の中国での新車販売シェアは 9.1% と、2012 年 8 月の 20.9% から急落した。 日本の自動車メーカー各社は、先を争って買い手を安心させようと努めた。 日産は自動車の修理費を負担し、暴力の結果として負傷する顧客には最大 20 万元(約 330 万円)を支払うと約束した。 日産の広報担当者は、何人の消費者がこうしたオファーを利用したかについてはコメントできないと述べた。

日産の中国での乗用車合弁会社のバイス・マネージングディレクター、Ren Yong 氏は、同社も反日感情を抱く抗議行動を受けて、販売店を対象とする一連の対策を開始したことを明らかにした。 これには暴徒によって打撃を受けた販売店のスタッフに対する補償金の提供などが含まれる。 日産は金額の詳細を明らかにすることは避けた。

ホンダもまた、消費者の懸念を静めるプログラムを提供した。 トヨタは公式キャンペーンを実施しなかったが、苦情についてはケース・バイ・ケースで対応した。 ホンダは何人の顧客がこうした補償を求めたかの公表は避けた。 トヨタの広報担当者は「それほど多くの」苦情はなかったと述べた。

今年 7 月までには、日本の自動車メーカーは中国での市場シェアが 18.8% まで回復した。 西安市の住民の Tian Faling さん (34) は最近、フォルクスワーゲンをはじめ、同じような複数の車種を比較した後、トヨタの「レイズ」を購入することを決めた。 西安市のトヨタ販売店で腰をおろし、「日本車の燃費効率が気に入っている」と言い、「他のことではなく、自動車自体に焦点を絞りたい」と述べた。 日本の自動車メーカー各社は中国向け車種のライナップ拡大に動いている。 日産は 11 年から 16 年の間に中国で 17 の新車種販売を計画している。

ホンダは 15 年末までには、中国市場に 12 の新車種を投入する計画だ。 そのうち 5 車種は特に中国市場向けに開発される。 ホンダの中国で開発されたセダン「クライダー」は 6 月、最低小売価格 11 万 4,800 元(約 186 万円)で発売された。 7 月までには販売台数は約 1 万台に達した。 ポルトガルのサッカー界の星、クリスティアーノ・ロナウド選手を中心に据えた広告が販売の押し上げにつながった。 広報担当者は「過去には、ホンダは中国市場に目を向けていなかったと人々は話していた」と言い、「しかし、今はもうそう言える人はいない」と話した。 (The Wall Street Journal = 9-11-13)

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トヨタ自動車、8 月の中国自動車販売は前年比 4.2% 減少

[北京] トヨタ自動車は 2 日、8 月の中国自動車販売台数(現地合弁事業の販売を含む)が約 7 万 2,100 台となり、前年同月比で 4.2% 減少したと発表した。 7 月は同 3.5% 減、6 月は同 9% 増だった。 トヨタの在北京広報担当者、横井孝典氏は 8 月の減少について、新型コンパクト SUV (スポーツ多目的車)「RAV4」の中国発売を前に、買い控えがあったと指摘。 8 月最終週に投入した同車が中国全域のディーラーで販売されるようになったため、今後は販売台数も再び弾みがつく見通しだと述べた。

同氏は、第 4・四半期に投入する予定の新型コンパクトカー「ヴィオス」、「ヤリス」も販売に貢献するとみられると述べたうえで、今年の中国での販売目標である 90 万台(前年比 7.1% 増)についても達成可能という見方を示した。 1 - 8 月の販売台数は約 56 万 4,600 台で、前年同期比 5.3% 減少した。 トヨタは中国の第一汽車集団(FAW グループ)、広州汽車集団と自動車合弁事業を行っている。 (Reuters = 9-2-13)


日中関係悪化が学生交流にまで影響

日中関係の緊張化は日本の高等教育機関で学ぶ中国人留学生の数の減少まで引き起こした。 日本語教育振興協会の調べでは、協会に所属する 400 の学校機関で 2010 - 2012 年の間に中国人学生の数は 6 割も減っている。 日本の専門家らは中国人留学生の数の減少はこの先も続くと予想している。

両国の経済、文化コンタクトの縮小傾向は教育分野ではっきり現れている。 中国人学生の数が減っているのは日本語語学学校だけではない。 中国人をはじめとする外国人学生の受け入れに少なからぬ興味をしめしている大学機関でも同じ現象が認められる。 というのは日本国内での出産率の低下をうけて、大学側はこの不足分を補填せねばならないからだ。

中国人留学生の数が減少したことから日本の語学学校はほかのアジア諸国に積極的な働きかけを開始した。 これはすでに効果を発している。 2012 年、ベトナム人留学生の数がほぼ 2 倍に増加し、ネパール人留学生はほぼ 3 倍に膨れ上がった。 明治大学、国際教育センター長の田雅弘教授は、中国人留学生は日中関係が改善の見通しがたたぬうちは減り続けるだろうとの見方を表している。

日本は中国との学生交流を拡大していかねばならない。 横田教授は、日本語を学ぶなかで中国人学生らは日本の文化や精神性をよりよく理解するようになるとの見方を示し、両国関係が悪化しても、日本に暮らす中国人学生は「貴重な人材」となりうると確信を示す。 実際、こん日こうした学生は引く手あまたの存在だ。

ただし、大きな問題はこん日、日中の学生交流が減ることで、将来否定的な影響がでるのではないかということだろう。 日本に来る若い中国人が減ったために、今両国の間にある不信感と無理解がより深刻さを増す恐れがある。 なぜなら日本の文化と言語をよく知る中国人は「平和の使者」となって、歴史の残した複雑な問題をこの先解決していく役割を果たしていく存在だからだ。 (ロシアの声 = 9-6-13)


「反日」中国の実情は 在中日本人 108 人が体験記

【北京 = 林望】 昨年、中国各地で広がった反日デモを体験した日本人たちが「在中日本人 108 人の それでも私たちが中国に住む理由(阪急コミュニケーションズ)」を出版した。 日本で報道された過激な「反日」と、生活者として見聞きした現実の大きなギャップを描いている。

製品のボイコットに悩んだ日系企業幹部、中国人の父と日本人の母を持つ上海の高校生など、中国の 18 都市に暮らす 108 人が中国人との交わりを通して見た等身大の中国観を書いた。 昨年 9 月の尖閣諸島国有化の後、タクシーで乗車拒否されたり、人混みで日本語を話すのをためらったり、中国在住の日本人はそれぞれ苦い思いをした。 それでも「政治は政治」と冷静に事態を見守り、気遣いを示してくれた中国人は少なくなかった、という。 (asahi = 9-1-13)


輸入食品「違反」 1,053 件 国別は中国が最多 221 件

平成 24 年度に日本に輸入された食品に行われた検査で 1,053 件(前年度比 204 件減)の違反があったことが 31 日、厚生労働省の輸入食品監視統計で分かった。 違反件数を国別でみると、輸入総件数が多い、▽ 中国の 221 件が最多で、次いで、▽ アメリカ 190 件、▽ ベトナム 103 件、▽ タイ 84 件、▽ インド 63 件 - の順だった。 もっとも多かった違反は、微生物や残留農薬、添加物の基準超過などの規格違反で 667 件 (59.4%)。 いずれも中国からの輸入食品で最多だった。

厚労省によると、24 年度に輸入された食品の届け出件数は約 218 万件。 10.2% に当たる約 22 万 3,000 件で、検査が行われた。 厚労省は「今後も効果的な検査を推進し、輸入食品の安全を確保する」としている。 (sankei = 8-31-13)


貿易低迷の中国、責任を日本に押しつけるお粗末と見え隠れする危機

このところ、日中貿易が減少している要因について、中国商務省の報道官は、為替の円安とともに「日本政府と政界要人が中国に関する問題で誤った言行をし、中国の国民感情を傷つけた」として沖縄県・尖閣諸島の問題や閣僚の靖国神社参拝などを念頭に日本を批判。 「中国の消費者が日本商品を購入する積極性に影響しており、日本から中国への自動車や家電、部品などの輸出減少を招いている」と強調した。

数字を整理しておこう。 2013 年 7 月に発表された財務省貿易統計(円ベース)を日本貿易振興機構がドル建て換算したところ、13 年上半期の日中貿易について、輸出 614 億 3,317 万ドル(対前年同期比 16.7% 減)、輸入 858 億 4,096 万ドル(同 6.1% 減)総額 1,472 億 7,413 万ドル(同 10.8% 減)であった。 貿易総額の対前年同月比で見ると、昨年 6 月以降、13 カ月連続して減少状態になっている。

中国の報道官の発言のうち、円安が要因というのはその通りである。 しかし、日中の政治摩擦が中国消費者の日本離れを招いているというのはおかしい。 まず、貿易額をドルベースで見ると、円安のために数字が少なく見える。 これは円安になっても、数量の調整はすぐ行われないが、為替レートの変化のペースが速いための減少で、「J カーブ効果」という。 ちなみに、13 年上半期の日中貿易について、円ベースで見ると、輸出 5 兆 8,375 億円(同 0.6% 減)、輸入 8 兆 1,116 億円(同 11.4% 増)、総額 13 兆 9,491 億円(同 6.1% 増)と減少状況ではない。

もっとも、J カーブ効果だけで、2013 年上半期のドル建ての日本の対中国輸出減少は説明できない。 中国人民元は事実上ドルペッグなので、中国の他に米国も入れて分析する。 13 年上半期について、日本の対米輸出はドル建てで 6.5% 減、円建てで 11.5% 増と、それぞれ、対中国輸出を 10% 程度も上回っている。 これは、米国の経済好調と中国の経済停滞を示している。 米国の対中国輸出の伸びと、中国の対米国輸出の伸びを比較すると、前者のほうが大きいので、中国の経済停滞は相当なものであることがわかる。

こうしたことから、中国の報道官の「政治摩擦説」がおかしいことが示唆される。 時系列で見ても、尖閣諸島問題で日中間の関係がギクシャクし出したのは、10 年はじめごろからだが、当時は日本の対中輸出は増加していた。 減少し始めたのは 11 年 10 月からだ。 また、日中貿易の主要商品でみても、中国の報道官のお粗末さがわかる。 日本の対中輸出の減少は、自動車の 42.8% 減などが原因だが、ドイツや韓国も低迷しており、要因は中国の経済停滞である。

さらに問題は、この経済停滞は中国の安価な農村労働力が底をついたからという可能性が高いことだ。 そうだとすると、中国経済は大きな壁にぶち当たったことになり、相当な改革がないと克服できない。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一、ZAKZAK = 8-29-13)

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日中貿易総額 4 年ぶりに減少 1 - 6 月期 中国経済の減速響く

日本貿易振興機構(ジェトロ)が 14 日発表した平成 25 年上期(1 - 6 月)の日中貿易総額(ドル換算)は、前年同期比 10.8% 減の 1,472 億ドルとなった。 上期としては 4 年ぶりに前年実績を下回った。 中国経済の減速を背景に輸出が落ち込んだ。 日本の輸出額に占める中国のシェアは前年同期の 18.0% から 17.2% に縮小。 米国 (18.3%) が首位となり、中国は 5 年ぶりに 2 位に転落した。

対中輸出は 16.7% 減の 614 億ドルで 2 年連続の減少。 中国国内の需要の伸び悩みで、建設・鉱山用機械が 61.6% 減、自動車が 42.8% 減となるなど、主要な輸出品が軒並み不調だった。 中国向けの自動車輸出は、ドイツや韓国などでも低迷しており、ジェトロは「尖閣諸島(沖縄県石垣市)国有化以降の日中関係悪化の影響より、中国の景気減速の影響の方が大きい」とみる。

一方、中国からの輸入は 6.1% 減の 858 億ドルで 4 年ぶりの減少。 スマートフォン(高機能携帯電話)向けの通信機などの輸入は増加したが、国内の液晶テレビ市場の縮小で音響映像機器の輸入が 29.5% 減の大幅減だった。 ウナギや鶏肉などを含む食料品も落ち込んだ。 日中貿易の先行きについて、ジェトロは「中国が経済成長より構造改革優先に転じており、輸出の減少傾向は続く(真家陽一・中国北アジア課長)」と分析している。 (sankei = 8-14-13)