天安門前突入事件、容疑者 5 人拘束 テロと当局断定

【北京 = 林望、倉重奈苗】 中国北京市の天安門前に車が突入・炎上した事件で、公安当局は 30 日、5 人の容疑者を拘束したと発表した。 当局は、炎上した車内で死亡した 3 人を含む計 8 人はいずれもウイグル族とみており、事件を「綿密に計画された組織的テロ」と断定した。 また、犯行グループが爆薬などを積んだ複数の車両を市内に持ち込んだ恐れがあるとみて、事件発生後も車両の捜索を続けていたことがわかった。

首都北京で組織的なテロ事件が発生したことは、習近平(シーチンピン)指導部には大きな衝撃だ。 一方、事件を契機に政権が反政府勢力への弾圧を強める可能性もある。 市公安局などによると、28 日に天安門前の車中で死亡したのはウイグル族の夫妻と夫の母親の 3 人。 車中には容器に入ったガソリンや 2 本の刀、鉄製の棒のほか、イスラム原理主義に関する記述が書き込まれた旗も見つかったという。 事前に市内の宿泊施設などに出した通知で、8 人はウイグル族としていた。 (asahi = 10-30-13)

◇ ◇ ◇

中国・天安門で車突っ込む 5 人死亡、邦人ら 38 人負傷

【北京 = 倉重奈苗、林望】 中国・北京市公安当局などによると、28 日午後 0 時 5 分(日本時間同日午後 1 時 5 分)ごろ、同市中心部の天安門前にある「金水橋」に小型四輪駆動車が突っ込み、その場で炎上した。 車に乗っていた 3 人と観光客 2 人が死亡し、天安門前にいた日本人を含むその他の観光客ら 38 人が負傷した。

車に乗っていた 3 人の身元は不明。 ただ、市公安当局は、車が北京のメーンストリートの長安街で、柵で隔てられた歩道を東から西に走って天安門前に向かったとしており、故意に事故を起こした可能性も含め調べている。 国営新華社通信によると、死亡した観光客は中国人とフィリピン人だった。 また、在中国日本大使館によると、けがをした日本人は中国在住の 30 代男性。 車にはねられて口を負傷し、市内の病院に入院したが命に別条はないという。 この他、3 人のフィリピン人も負傷した。 (asahi = 10-28-13)


中国、記者拘束 報道の自由に逆風 新快報謝罪、真相は闇

【上海 = 河崎真澄】 中国広東省の日刊紙、新快報は 27 日、政府系企業の不正疑惑を報じて公安当局に拘束された自社の陳永洲記者が、第三者から報酬を受け取ったと認めたことを受け、同日付の 1 面に謝罪文を掲載した。 同紙は 23、24 日付で記者釈放を求める異例の要求を連日掲げたが、一転して非を認めた格好。 中国当局はこの問題をめぐる独自報道を禁じるなど言論統制を強め始めており、今後、調査報道に対する監視が強まるのではないかとの懸念も出ている。

陳記者は湖南省長沙の政府系建機大手、中聯重科の財務上の不正疑惑を昨年から相次いで報道。 今月に入り、長沙の公安当局に拘束された。 中国中央テレビは 26 日、拘束下の陳記者が第三者から提供された資料をもとに記事を書き、「50 万元(約 800 万円)を受け取った」と語る映像を放送。 新華社電もこれを詳報して、問題は "急展開" した。

しかし、陳記者に誰が資料を提供し、利益供与したかなど具体的な説明はされておらず、真相は不明のまま。 中央テレビは、中聯重科とライバル関係にある民間建機大手、三一重工の社名が陳記者の手元の文書に掲載されていた映像を流して同社の関与をにおわせたが、三一重工は関与を否定している。 陳記者の謝罪に対し、中国版ツイッター「微博」には、「記者の金銭授受は許せない」、「発言は強要されたのではないか」などさまざまな反応が出ている。

中国メディアでは記者が取材先から「交通費」の名目で金銭を受け取ることは半ば常識になっている。 企業の会見で中国人の新聞記者には数百元(数千円)、テレビ取材には数千元(数万円)との相場があるともされ、記者と企業が癒着しやすい土壌がある。 当局は中国メディアのこうした弱点を突いたとも指摘されている。

新快報が拠点を置く広東省は、報道の自由に対する意識が高い。 地元紙記者は、習近平指導部が「反腐敗運動」を掲げたことで汚職や不正問題が盛んに報じられたが、「これを見た『微博』上の世論がかえって体制批判を強めたことが反作用となり、習指導部が言論封じ込めに出た」と解説、当局が「報道の自由」で時代の歯車を逆転させたとの見方を示している。 (sankei = 10-27-13)


中国「スタバ批判」特集に国内からも非難 「単純」、「失笑」、「不合理」

米スターバックスが中国でコーヒーの値段を他国より高く設定していると批判した国営テレビの特集が市民らの反感を買っている。 国内から「不合理」、「他に報じるべきことがある」と非難の声が上がっている。

中国国営の中央テレビは 20 日、大々的に批判特集を放送したが、著名な経済専門家らが価格決定の複雑なプロセスを考慮しておらず「単純すぎる」と批判。 中国の短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」でも、「高いなら買わなければいい」、「報道は共感を得るどころか失笑を買っている」などの書き込みが相次いだ。

習近平指導部が報道規制のため国内メディアの記者にマルクス主義の研修を義務付けたことを踏まえ「国営メディアはマルクス主義に従って価格設定すべきだと言っている」との皮肉も書き込まれた。 また「中国の住宅価格や医療費高騰を問題視すべきだ」と報道姿勢を問いただす声も殺到。 「(スターバックスより)中国の国有企業の方が暴利をむさぼっている」との声も上がった。 (kyodo = 10-22-13)


南京市長を規律違反で調査 3 億 2 千万円の汚職嫌疑か

【上海 = 金順姫】 中国国営新華社通信(電子版)は 17 日、江蘇省南京市の季建業市長 (56) が、重大な規律違反の疑いで共産党中央規律検査委員会の調査を受けていると報じた。 人民日報のサイト・人民網は、2 千万元(約 3 億 2 千万円)を超える汚職の疑いを持たれているとの見方を伝えている。

季氏は、江沢民元国家主席の出身地である江蘇省揚州市のトップなどを経て、2010 年 1 月に南京市長に就いた。 中国の習近平(シーチンピン)指導部は、汚職の摘発で厳しい姿勢を打ち出し、政権の求心力を高めようとしている。 (asahi = 10-17-13)


大雨で市街地7割浸水、住民 1 万人が抗議 中国

【余姚(中国浙江省) = 鈴木隆弘】 台風による大雨で市街地の 7 割が浸水した中国浙江省余姚(よよう)市で 15 日、災害対策に不満を持つ住民が市庁舎を取り囲んで、市トップの辞任を求める事態にまで発展した。 住民によると、集まった住民は約 1 万人に及び、警官隊と衝突、住民側に負傷者が相次いだ。 「情報手段が発達しているんだ。 水害が起こる前に警告ができたはずだ。」

抗議活動から一夜明けた 16 日午前、腐った水の異臭が残る市庁舎前にいた男性 (40) は、怒りをぶちまけた。 8 日に同市を襲った台風 23 号による水害では、腰の上まで水につかりながら、命からがら自宅から高台に避難した。 男性はインターネットの呼びかけに応じて、15 日午前 9 時からデモに参加。 住民は瞬く間に増え、庁舎の周囲にあふれかえった。 デモ隊は、声を合わせて市トップの毛宏芳・市共産党委員会書記の名前を呼び、何度も「辞任しろ」と叫んだ。 (yomiuri = 10-16-13)


中国でネット監視の研修会開催 危険な世論の動きに対応

中国共産党機関紙、人民日報のウェブサイト「人民網」の世論情報観測室は 14 日、インターネット利用者の書き込みをチェックしている監視要員を対象にした初の研修会を開催した。 18 日まで 5 日間の日程。

中国のインターネット人口は 5 億人を超えている。 人民網は研修会を通じ、監視要員のネット世論に対する分析能力や、「(党にとって都合の悪い)危険な世論の動き」を把握した際の対応能力の向上を図るとした。 研修後の試験に合格した人には監視要員として十分な能力があるとする資格証明が発行される。 第 2 回の研修会は 11 月 18 - 22 日に開催される。 (kyodo = 10-14-13)


中国軍・警察部隊 国慶節期間中、全国 38 都市で非常厳戒態勢

9 月 27 日から 10 月 8 日までの 12 日間にわたる中国の国慶節(建国記念日)長期休暇期間中、中国人民解放軍や武装警察部隊、公安(警察)部隊が休暇を取り消され、非常厳戒態勢を敷いていたことが明らかになった。 昨年のような反日デモや国慶節を狙ったテロ事件を警戒したためで、この間、北京や上海のような大都市のほか、少数民族の暴動が絶えない新疆ウイグル自治区やチベット自治区などの 38 都市はピリピリした雰囲気に包まれていたのだ。

香港誌「争鳴」によると、中国政府と中央軍事委員会は 9 月 14 日早朝、軍や武警、公安部隊に 9 月 17 日早朝から厳戒態勢をとるよう指示し、休暇取り消しを命じた。 これに先立つ 13 日、中国共産党中央委員会や軍事委、政府は国慶節の休暇中に、汚職で私腹を肥やした腐敗官僚らが海外旅行を装って、大金を隠し持って海外に逃亡するケースに目を光らせることなども指示した。

さらに、北京や上海などの大都市圏では地方の観光客が殺到するため、貧富の格差などの不満を抱いた住民が混雑した場所に爆弾を仕掛けるなどのテロ事件には十分気をつけるように通告していた。

とりわけ、党中央が危惧していたのが、新疆ウイグル自治区やチベット自治区での民族暴動の発生だった。 新疆では昨年からこれまでにかけてウイグル族などの少数民族の市民が漢族の住民を襲う暴力事件が続発。 最近では「テロリストが来た」、「食べ物に毒物が混入された」などとのデマもインターネットに書き込まれ、7 月の半月間で 800 件 72 人が摘発されている。

チベット自治区でもチベット仏教僧やチベット族市民らによる小規模なデモや集会が開かれ、軍や武警部隊が出動するケースが相次いでいる。 また、ダライ・ラマの帰還などを求める焼身自殺も 120 人に及んでおり、大半が死亡している。 また 10 月初旬には中国国旗の掲揚を拒否して拘束されたチベット人男性の解放を求める住民に対して、治安部隊が発砲し、60 人以上が負傷したと伝えられている。

このため、軍や武警などは北京などの 4 直轄市や各省の大都市圏、新疆やチベットの主要都市など計 38 都市に非常厳戒態勢を敷き、警戒を強めていたという。 これについて、北京の知識人は「国慶節の休暇中は結局、何ごともなかったが、中国は不満を持つ民衆の暴動が何かのきっかけですぐに発生する可能性があり、いずれにせよ、一触即発の状態であることは間違いない」と指摘する。 (News Post/Seven = 10-13-13)


中国「一人っ子政策」の余波 … 過熱する「単独二胎」の先陣争い

中国で「単独二胎」を巡る論議が沸騰している。 中国では 1979 年から実施してきた「一人っ子政策」を一部緩和し、すでに「双独二胎(夫婦がともに一人っ子の場合には、第 2 子を産んでもよい)」を認めている。 さらにここにきて「単独二胎(夫婦のどちらかが一人っ子の場合にも、第 2 子を産んでもよい)」をも認めるべきだ、との声が高まってきた。

「単独二胎」をまずわが省から、と叫んでいるのが広東省である。 すでに 2011 年に中央政府に申請したが、この時は時期尚早ということで却下された。 ところが最近になって民主党派の一つである九三学社の広東省委員会が、今年春の同省人民代表大会で、「単独二胎」を提案していたことが明らかになった。

同提案によると、広東省は過去 10 年、合計特殊出生率(1 人の女性が生涯に出産する子供の数の推定値)が低い水準を続けてきており、一方で高齢者人口(60 歳以上)は 1,000 万人を超えている。 したがって「単独二胎」を全国に先駆けて試験的に実施する条件を整えている、というわけだ。 「単独二胎」を実施しても、広東省の総人口は微増にとどまると主張している。

広東省当局はこの提案にいまのところ慎重だ。 というのも過去 3 年間の広東省の出生数は、年に 120 万人を超えている。 常住人口は昨年ついに 1 億人の大台を超えた。 合計特殊出生率も全国平均に比べれば、やや高い。 再提案したいところだが、また却下される可能性もある。 ところが「単独二胎」を望んでいるのは広東省だけではない。 福建省や北京市も検討を開始している。 「単独二胎」の実施を巡っての先陣争いは激しさを増しそうな気配である。

中央政府もかたくなに拒んでいるわけではない。 少子化の影響で、労働年齢(15 - 59 歳)人口は昨年、初めて減少した。 今年末には 60 歳以上人口が 2 億人に達する、という厳しい現実がある。 国家衛生・計画生育委員会の関係者が「今年末から来年初めに、『単独二胎』の試験的な実施に踏み切る。 さらに 16 年には完全に二人っ子を認める。」と示唆したこともある。

むしろ抵抗勢力は地方政府だという指摘もある。 最近明らかになったところでは、計画外出産の家庭への罰金として徴収している「社会撫養費」が全国 22 省合計で約 169 億元(約 2,670 億円)に達している。 『単独二胎』の導入でこの収入がなくなるのを恐れているというのだ。 (拓殖大学国際学部教授・藤村幸義、sannkei = 10-9-13)


中国・雲南 観光客に有料見学を強要 苦情には「消えうせろ」と暴言

日本人にも人気の観光地

日本人にも人気の観光地、中国雲南省迪慶チベット族自治州の香格里拉で、旅行会社が団体客に有料で民家の見学を強要し、断ると途中で観光バスを下車させていた。 苦情を訴える観光客に対し地元当局の担当者は「消えうせろ」と暴言を吐いていた。 国営の中国中央テレビなどが 7 日までに報じた。

同テレビの記者が香格里拉観光を手掛ける旅行会社のツアーに潜伏。 バスで香格里拉郊外に向かう途中、同社のガイドが「チベット族の民家訪問」の名目で 280 - 380 元(約 4.4 - 6 千円)を要求。 ツアー申し込み時には買い物などの強制はしないとしていたが、ガイドはイベントの参加を断った客に「首にナイフを突き付けることもできる」と脅した。

支払いを拒絶した客は人里離れた野原に強制的に下車させられた。 記者が、ガイドの要請を断った観光客と共に同自治州の観光当局を訪れ、録音機を突き付けて苦情を訴えると、担当者は「おまえみたいなやつは消えうせろ」と罵倒したという。 (kyodo = 10-7-13)

◇ ◇ ◇

ゴミ散乱・野菜盗む … 悪質観光マナーで中国混乱

【上海 = 鈴木隆弘】 中国の国慶節(建国記念日)に合わせた大型連休(1 - 7 日)で、国内各地の観光地に大勢の観光客が押しかけて交通を乱したり、文化財や展示物を乱暴に扱ったりする混乱が生じている。 公共の場での中国人のマナーの悪さは、度々指摘される中国の社会問題ともいえるが、今年は 3 日に国家観光局が地方政府に対し、対策強化を求める緊急通知を出す異例の事態となった。

緊急通知の直接の引き金となったのは、世界遺産の景勝地、四川省・九寨溝での交通の大混乱。 新華社通信などによると、一部の観光客が 2 日正午頃、停留所で無理にバスに乗ろうとして混乱が始まった。 バスに乗りきれなかった多数の人が道路にはみ出し通行を遮断。 地元当局が武装警察を出動させて治安維持にあたる事態となった。

同日夜になっても約 4,000 人が現場に残されて帰れなくなった。 許容範囲を超える多数の観光客を受け入れたことが原因と指摘されている。 これに先立つ 1 日も、北京の天安門広場で早朝に行われた国旗掲揚の儀式で、集まった観光客が放棄したゴミが計 5 トンに達し、当局が問題視していた。 このほか、大型連休に入って以降、浙江省で高速道路の渋滞に巻き込まれた観光客が、停車中に付近の畑で野菜を盗んだり、江蘇省南京で、600 年前の城壁によじ登る人が出たりと、問題行動が相次いでいた。 (yomiuri = 10-6-13)


さらに 6 人死亡確認、依然 52 人不明 南シナ海の中国船沈没

6 日付の中国紙、広州日報(電子版)によると、南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島の海域で中国漁船 3 隻が沈没した事故で、中国当局は 5 日までに新たに乗組員 6 人の死亡を確認、死者は計 10 人となった。 依然として 52 人が行方不明となっている。 3 隻は、いずれも台風による悪天候で避難していた広東省台山所属の漁船で、西沙諸島のサンゴ島付近の海域で 9 月 29 - 30 日に沈没した。 (kyodo = 10-6-13)

◇ ◇ ◇

中国漁船 3 隻が沈没、74 人行方不明

北京 : 中国国営新華社通信は 30 日、海南島から約 330 キロ沖合の南シナ海で中国の漁船 3 隻が沈没し、乗組員ら 74 人が行方不明となっていると伝えた。

新華社通信によると、現場海域は台風 21 号により嵐となっていた。 2 隻が沈没したのは 29 日午後で、いずれも広東省の漁船だという。 海南省当局筋によると、30 日午前の時点で、14 人が救出されたという。 現場での救出作業は、激しい嵐と高波により難航している。 また同海域では 5 隻の船が嵐に巻き込まれ、あわせて 171 人が乗っているとの情報もある。 台風 21 号は 30 日午後にもベトナム中部に上陸するとみられている。 (CNN = 9-30-13)


中国 「邪教」信者増に苦慮 「全能神」背景に貧富の差拡大

【北京 = 白石徹】 中国政府が「邪教」に指定するキリスト教系の新興宗教「全能神」が急速に信者を増やし、中国当局は対応に苦慮している。 「巨大な赤い龍(共産党のこと)」を倒して新国家を樹立すると主張する全能神は、貧富の格差拡大を背景に勢力を伸ばしており、当局が対応を誤れば大きな社会不安を招く恐れもある。

中国政府関係者によると、全能神の信者は現在、百数十万人に上り、「組織の規則は非常に厳しく、内部管理も徹底している」という。 信者は貧しい農民や農民工(出稼ぎ労働者)が多く、省レベルの指導者から県レベル、末端組織の指導者まで細分され、安徽省や陝西省など少なくとも全国 22 省・直轄市に広がっている。

全能神は脱退者を厳しく処罰する専門組織をもち、入会すると抜け出すのは難しい。 中国当局が「一時は 2 百万人を超えていた」とする邪教指定の気功集団「法輪功」よりも強い組織力があり、映像や書籍を利用した宣伝も活発だ。 さらに、信者になれば金銭が支払われ、別の入会者を紹介すると「激励金」を渡すシステムを確立させ、信者数は急増。 中国当局の調べでは、農民工の信者らが帰郷や友人訪問などの名目で個別の家庭に入り込む形で布教するケースが多く、実態をつかむのは困難という。

中国には「反邪教(カルト)法」がなく、刑法や宗教管理条例によって新興宗教の活動を規制。 しかし、取り締まりには限界があるため、専門家は法律制定を求めている。 ただ、法律が施行されれば、中国政府・共産党に反発する宗教組織は全て邪教扱いされ徹底的に弾圧される恐れが強い。

中国の憲法は「信仰宗教の自由」を保障するが、実際は国家の管理下にある宗教団体の活動しか認めていない。 中国内に 6 千万人以上いるキリスト教徒の 3 分の 2 は「地下教会」で信仰する非合法の信者で、取り締まりを受けている。 迷信を含むさまざまな新興宗教が出現する中、中国政府は格差是正や反腐敗キャンペーンを続け、国民の不満を軽減させることで、新興宗教の活動を抑えるしか当面は打つ手がないのが現状だ。 (東京新聞 = 10-4-13)

全能神> 1990 年代に活動を開始したキリスト教系新興宗教。 教祖は黒竜江省出身の趙維山(ちょう・いざん)氏で「大祭司」を名乗り、2000 年に「邪教」指定された後、米国内で生活。 中国当局は、全能神の活動資金は外国から提供されているとみている。 12 年末には古代マヤ文明の終末論を利用して信者を集め、反政府活動の疑いで幹部ら 1,000 人以上が逮捕されたが、その後も信者を増やしている。


スズメバチ被害拡大 死傷者 1,700 人超 中国

香港 : 中国で猛毒を持つオオスズメバチに刺される被害が続出し、これまでに 40 人以上が死亡、1,600 人を超す負傷者が出ている。 米国の専門家によると、オオスズメバチは赤血球を破壊する毒を持ち、刺されれば腎不全を起こして死亡することもある。 また、急性アレルギー反応のアナフィラキシーショックを起こして死に至る危険はさらに大きいという。

地元当局によると、中部の陝西省では 7 月以来、3 都市で 42 人が死亡、1,675 人が負傷した。 そのうち 37 人が重傷または重体となっている。 オオスズメバチは世界最大種のスズメバチで、中国、韓国、日本、インド、ネパールなど東アジアから東南アジアにかけて生息する。 体長は 3.5 - 3.9 センチ、女王蜂は 5 センチを超すこともある。 新華社通信によれば、人間の汗やアルコール、甘い香りなどに引き寄せられ、特に走っている人間や動物には敏感に反応するという。

巣は木の空洞や地下に作ることが多く、森林総合研究所北海道支所の牧野俊一支所長によれば、通常は隠れた場所に巣があることから、攻撃を避けるのは極めて難しいという。 中国ではこの夏から秋にかけて農場や学校が相次いで襲われた。 農作業中に刺されたという女性は新華社の取材に対し、「ハチは私の頭を直撃し、両足に群がった。 突然刺されて動けなくなった。 今でも足はハチに刺された穴だらけだ。」と振り返る。 女性は 2 カ月で 13 回の透析を受け、200 針を縫った。 それでもまだ退院できず、両足も動かせないままだ。

オオスズメバチの毒が体内に入るとアレルギー反応を引き起こして多臓器不全に陥り、死に至ることもある。 患者には毒を除去するために透析などの治療を行う。 患者の手足には銃弾を浴びたような深い大きな傷跡が残っている。 西安交通大学附属病院の専門家は、オオスズメバチが繁殖期を迎える 9 月から 10 月にかけてはさらに行動が活発になり、攻撃的になる傾向があるとして、注意を呼びかけている。

地元当局は警察官など数千人を動員して巣の除去に乗り出しており、これまでに約 710 個を除去、被害が出ている地域のために約 700 万人民元(約 1 億 1,000 万円)を拠出したと発表した。 オオスズメバチの被害は日本でも発生しており、国内の統計によると、毎年 30 - 50 人が死亡している。 牧野氏によれば、死因は毒によるアレルギー反応が大部分を占めるという。 (CNN = 10-4-13)

◇ ◇ ◇

中国中部でスズメバチが猛威 19 人が刺され死亡

香港 : 中国中部陝西省で最近、人がスズメバチに襲われる事件が相次いでいる。 最も被害が大きいと見られる同省安康市によると、これまでに少なくとも 19 人がスズメバチに刺されて死亡しており、人を襲ったスズメバチの中には世界最大種のオオスズメバチが含まれている可能性もあるという。 市の職員によると、7 月 1 日以来、スズメバチに刺された人の数は 583 人に上り、そのうち 70 人は今も入院中だという。

また陝西省の南に位置する広西チワン族自治区でも今月、6 - 8 歳の小学生 23 人を含む 30 人がスズメバチに襲われ、負傷した。 小学生らの担任教師は、生徒たちに机の下に隠れるように指示し、スズメバチを追い払おうとしたが、逆に襲われ意識を失った。 地元メディアによると、同自治区で今月はじめに発生した別の事件でも、生徒と教師合わせ約 60 人がスズメバチに襲われ負傷したという。

これらの地域でスズメバチの活動が活発化した原因について、専門家らは、高温で乾燥した気候、土地開発、人の匂いに敏感なスズメバチの特性など、さまざま理由が考えられるとしている。 (CNN = 9-28-13)


ネットで「虚偽の噂」を広めると 3 年間勾留 中国

中国では、2012 年の 2 カ月間で 1,065 人が、インターネットで「虚偽の噂」を流したとして逮捕されている。 噂が 5,000 件以上の訪問を受けるか、SNS で 500 回以上言及された場合、噂の発信者は 3 年間、拘留される可能性がある。 中国当局はこのほど、同国のルールに従わないアプリを禁止すると発表した。 「虚偽の情報」や、禁止されている外国サイトからのニュースを公開するニュースアプリなどを指すものだ。

中国でのアプリは多くの場合、人々が「グレート・ファイアウォール(防火長城)」を迂回して、禁止されたサイトや情報にアクセスする手段になっている。 ロイター通信の報道によると、この傾向を知る中国国務院情報省 (Chinese State Council Information Office) は、アプリ開発者に向けて、封鎖を迂回するやり方を「改める」ことを求める声明を出した。

情報省が問題にしているのは、「ポルノやわいせつな情報」を公開して「若者たちの心と体の健康に悪い影響を与えている」アプリなどだが、さらに重要なのは、「虚偽の情報を公開するアプリ」が含まれていることだ。 狙いを付けられているアプリのひとつが「Zaker」。 マイクロブログ、ニュース、ブログ、新聞、雑誌などからコンテンツを集めるアプリだ。(2007 年創業のウェブ会社 Dooland (読覧)社が運営しているもので、2011 年 5 月に中国でブロックされた「Flipboard」の代わりとして人気を集めてきた。 (Liat Clark、Wired = 10-2-13)

◇ ◇ ◇

ネットに「デマ流した」と中 3 拘束 中国の公安当局、「社会の安定に深刻な影響もたらした」

中国甘粛省張家川回族自治県で変死した男性の死因をめぐり、インターネット上にデマ情報を流して大衆を扇動したとして、地元の公安当局は 17 日、中学 3 年の少年 (16) を拘束した。 21 日付の中国紙、新京報などが伝えた。 中国政府はネット上の言論統制を強化。 少年の拘束に「やりすぎだ」と批判も出ている。

報道によると、警察は男性の遺体を検視しようとしたが、遺族に拒否された。 少年は短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」に男性が殺害されたとの見方を示唆し「警察が積極的に調べていない」などと虚偽情報を投稿したという。 書き込みは繰り返し転載され、数百人が適切な調査を求めデモ行進した。 警察はさらに調べを進め、死因は転落死と断定。 公安当局が社会の安定に深刻な影響をもたらしたとして、少年を拘束した。 (kyodo = 9-21-13)


一人っ子違反 2,700 億円 中国、利権の温床に 習指導部も不正調査

中国で一人っ子政策に反したとして「社会扶養費」の名目で徴収される違反金が全国計 21 の省、直轄市、自治区で少なくとも年間 168 億元(約 2,700 億円)に上ることが 2 日、情報公開請求した弁護士の調べで分かった。 違反金が利権の温床となり、不正流用されているとの疑惑が広がっていることから、習近平指導部も不正調査に乗り出している。

中国政府は超高齢化の到来や労働人口の減少を懸念し、一人っ子政策の緩和を検討しているが、一人っ子政策の利権に連なる各地方政府の担当部門の抵抗も予想される。 浙江省杭州の弁護士、呉有水氏らは、2012 年の「社会扶養費」の収支について計 31 の省など地方政府に情報公開を請求。 複数の弁護士が共同通信に提供した資料によると、21 の地方政府が請求に応じて情報公開した。 (kyodo = 10-2-13)

◇ ◇ ◇

一人っ子政策の罰金を不正流用 中国

中国重慶市や四川省など 9 省・直轄市の地方都市で、一人っ子政策に違反したとして徴収された罰金の多くが子供の教育や医療費など本来の目的に使われず、公用車の修理代や接待費などに充てられていたことが 20 日までに分かった。 不正流用を含め適切に処理されなかった罰金の総額は約 16 億元(約 260 億円)に上るという。 日本の会計検査院に当たる審計署が調査結果を公表した。

同政策に基づく罰金は財源が乏しい地方政府にとって貴重な収入とされるが、徴収額が公表されないなど不透明さが問題視されている。 政府が罰金に関する調査結果を公表するのは珍しく、全国で担当部署の大規模な摘発が行われる可能性もある。 20 日付の中国紙、新京報は社説で「法律を無視した地方政府や役人に対して法的な責任を追及すべきだ」と訴えた。 (kyodo = 9-20-13)


経済鈍化の中国でなぜ? 富豪資産、空前の大幅増

英国人ジャーナリストのルパート・フーゲワーフ氏による中国富豪ランキング「胡潤百富」の 2013 年版が発表となった。 これをみて驚いたのは、昨年に比べ資産額が大幅に増えていることだ。 今年のトップ 5 は、平均してみると、昨年よりも倍近くに資産額を増やしている。 ここにきて不動産相場が回復しているうえ、IT 産業の発展が著しいことが背景にある。

同ランキングは 1,000 位まで発表しているが、このうち 559 人の資産が前年よりも増えている。 昨年は 291 人だったので、今年の増え方が目立つ。 中でも 144 人の増加率は 50% を超えている。 一方、資産額が減ったのは、252 人しかいない。

トップは大手不動産、大連万達集団の王健林会長で、資産額は 1,350 億元(約 2 兆 1,720 億円)に達している。 昨年に比べると倍以上に増加。 過去の最高額はバブル経済が全盛だった 07 年に楊恵妍一族(不動産の碧桂園)が記録した 1,300 億元だったが、今回はそれすらも抜き去った。

同集団は 12 年の営業収入が 1,417 億元で前年比 34.8% も増加し、保有する店舗の面積・不動産の面積は 1,290 万平方メートルに達している。 中国紙によると、世界 2 位の不動産企業になったという。 「万達広場」と呼ばれるショッピングセンターを各地に持っているほか、五つ星ホテルは全国で 40 軒もある。

第 2 位は大手清涼飲料メーカー、娃哈哈集団の宗慶後会長だ。 昨年はランキングトップで、この 1 年間に資産額を 44% も増やしたが、それでも第 2 位に甘んじた。 トップ 10 をみると、不動産関係が 6 人、IT 関係が 3 人もいる。 不動産では前述の楊恵妍一族や世茂集団の許栄茂主席が返り咲いている。 一方 IT では、騰訊の馬化騰 CEO や検索でおなじみの百度の李彦宏会長らが入っている。

経済成長は 7% 台に落ち込み、今後もそれほど高成長は見込めない。 しかも新しく登場した李克強首相は、格差の是正を訴えている。 それなのになぜ、富豪の資産がこれほどまでに急増しているのか。

政府が金融システムの崩壊を恐れ、資金供給を減らしていないからだ。 そのため、不動産相場は沈静化するどころか、逆に北京や上海など大都市を中心に再び急騰している。 富豪はこの時とばかりに土地取引で資産を増やしている。 どうみても、ちぐはぐな経済運営としか言いようがない。 (拓殖大学国際学部教授・藤村幸義、sankei = 10-2-13)


共産党・規律検査委で「虐待行為」 裁判所が認定 中国

【上海 = 金順姫】 中国浙江省温州市の国有企業幹部だった於其一さん(当時 41)が 4 月、同市共産党委員会の規律検査委員会の取り調べの末に死亡した事件で、同省衢州市中級人民法院(地裁に相当)は 30 日、故意傷害罪に問われた捜査担当の 6 被告に懲役 4 - 14 年の判決を言い渡した。

判決は、被告らが於さんの手足を押さえつけ、氷水を張ったバスタブに頭を漬ける行為を繰り返し、「無理やり自白させようとした」と認定。 死因は「液体の吸入による肺機能の障害」で、被告らの行為との因果関係があると認めた。

規律検査委は、共産党で汚職などの疑いがある党員の内部調査にあたる部門。 虐待行為が法廷で裁かれるのは極めて異例だ。 規律検査委の行き過ぎた取り調べには世論から厳しい目が向けられており、当局は危機感を抱いた習近平(シーチンピン)指導部の意向を受けて起訴に踏み切ったとみられている。 (asahi = 10-1-13)


誘拐された子どもら 94 人救出 中国、巨大犯罪網を摘発

中国公安省と河南、雲南など 11 省の公安当局は、複数の地域にまたがる大規模な誘拐ネットワークを一斉捜査し、子ども 92 人と女性 2 人を救出、容疑者 301 人を摘発した。 公安省が 29 日までに発表した。 河南省の公安当局は今年 3 月、全国で組織的に子どもを売買する誘拐グループの存在をつかみ、公安省に報告した。

グループは雲南や四川省などで子どもを誘拐し、専門の「運び屋」を介して全国の指定された場所に子どもを送り届け、転売。 "分業" を徹底することで捜査当局の目をくらませていた。 中国紙によると、男児は少なくとも 2 万 6 千元(約 41 万 7 千円)、女児は 1 万 4 千元前後で売られていた。 公安省の担当者は「誘拐事件解決への責任は重大だ」と強調し、誘拐行為のほか、子どもを売る親や購入者への取り締まりを徹底する姿勢を示した。 (kyodo = 9-29-13)


裁かれなかった「打黒」 薄熙来事件判決

記事コピー (asahi = 9-24-13)

◇ ◇ ◇

薄熙来被告に無期懲役 中国の地裁、政治的権利も剥奪

【済南 = 金順姫】 中国共産党の最高指導部入りを有力視されながら失脚した元重慶市党委員会書記の薄熙来(ポーシーライ)被告 (64) が収賄と横領、職権乱用の罪に問われた裁判の判決公判が 22 日、山東省の済南市中級人民法院(地裁に相当)で開かれ、薄元書記に無期懲役と政治的権利を剥奪する判決が言い渡された。

薄元書記は 8 月 22 日から 5 日間にわたった審理で捜査段階の供述を翻し、2,179 万元(約 3 億 5 千万円)の収賄罪と 500 万元(約 8 千万円)の横領罪、元側近の米総領事館への駆け込み事件などにからむ職権乱用罪について、すべての罪状を否認していた。 22 日は日曜日だが、中国では中秋節の 3 連休が明けた振り替え出勤日となっている。 (asahi = 9-22-13)

◇ ◇ ◇

外国人記者はホテルへ 中国、異例の広報体制 薄煕来被告公判始まる

【済南(中国山東省) = 矢板明夫】 中国で収賄と横領、職権乱用の罪で起訴された重慶市の元トップ(元中国共産党政治局員)、薄煕来被告 (64) の初公判が 22 日午前、山東省済南市の中級人民法院(地裁)で始まった。 裁判所の周辺では厳重な警備が敷かれるなか、昨年 3 月の失脚から 1 年 5 カ月を経て開かれた公判で、薄被告の罪状認否や刑事処分の行方に関心が集まっている。

中国メディアによれば、公判での薄被告の罪状は、地方在任中の公金横領や、遼寧省の企業家から 2,500 万元(約 4 億円)の賄賂を受け取った収賄など、主に経済犯罪に絞られた。 地元の党関係者は、公判の運営について、「薄氏の犯罪事実を公表することで、裁判が政治迫害ではないことを国内外に知ってもらいたい」と話している。

中国当局は裁判を取材する外国人記者を済南市内のいくつかのホテルに集中させ、取材証を発行し、裁判後に記者会見を開くなど、一般の刑事裁判にはない広報態勢が取られた。 公判開始にあたっては、裁判所前の取材エリアに報道関係者を集める措置も取られた。 インターネットには「裁判所に行って応援しよう」といった薄被告を支持する呼びかけが事前に流れた。 この日の裁判所周辺では、毛沢東の肖像画や、「共に豊かになることが民心の赴くところだ」とのスローガンを掲げた支持者も姿をみせたが、すぐに制止された。 (sankei = 8-22-13)

◇ ◇ ◇

薄熙来氏、起訴へ 4 億円の収賄・横領罪、職権乱用罪も

【広州 = 小山謙太郎】 香港各紙は 24 日、昨年 9 月に党籍剥奪(はくだつ)と司法送致の処分を受けた薄熙来(ポーシーライ)・元重慶市党委書記 (64) が、約 2 千万元(約 3 億 2 千万円)の収賄罪や約 500 万元(約 8 千万円)の横領罪のほか、職権乱用罪で近々起訴される見通しだと報じた。

明報などによると、重慶市で 23 日に幹部会議があり、薄氏の初公判が近々開かれるとする党中央の文書が伝達された。 収賄罪と横領罪は、薄氏が 1984 年から 2004 年まで勤務していた遼寧省時代の職務にからむもの。 職権乱用罪は 07 年から 12 年までの重慶市党委書記時代の行為が問われるという。 (asahi = 7-24-13)

薄熙来氏、党籍剥奪へ 胡主席派、保守派押し切る (8-26-12)


「半沢直樹」、中国でも話題 = 新聞が紹介、「倍返し」に共感も

【北京】 TBS 系連続ドラマ「半沢直樹」が中国でも話題となっている。 中国週刊紙・経済観察報の最新号は、文化面に「金融サークルの秘密」という見出しを掲げ、日本での記録的な高視聴率を紹介。 中国ではあまり取り上げられない銀行を舞台に繰り広げられる「金融業界の潜規則(見えないルール)(同紙)」にも注目している。

中国紙が国内のテレビで放映していない日本のドラマを詳しく伝えるのは珍しい。 インターネット上の無料動画では、日本での放映直後に海賊版が中国語の字幕付きで視聴でき、日本ドラマ愛好者を中心に人気が高まっている。 堺雅人さん演じる主人公のセリフ「やられたらやり返す。 倍返しだ。」は中国語で「加倍奉還」と訳され、中国版ツイッター「微博」にも登場。 微博には「下克上の典型であり、『倍返し』は人を満足させる」との書き込みもあり、銀行という巨大組織や国家権力に立ち向かう主人公の姿にも共感が集まっているもようだ。 (jiji = 9-19-13)

◇ ◇ ◇

中国でも「半沢」人気 海賊版 DVD も

高視聴率で話題の TBS 系の連続テレビドラマ「半沢直樹」が、中国でも注目を集めている。 大銀行を舞台に、主人公が逆境に立ち向かう姿が共感を呼んだ。 堺雅人さん演じる主人公の決めぜりふ「やられたらやり返す。倍返しだ!」は、中国語で「加倍奉還」と訳され、ファンの間で定着している。 中国では正式には放映されていないが、インターネット上で無料動画が流れ、海賊版 DVD も売れている。

無料動画サイトでは毎週、同ドラマの放送翌日あたりから、中国語の字幕付きで動画が流れ始める。 あるサイトの人気ランキングでは、中国のドラマに混じって上位に入った。 上海の DVD 販売店では、店員が商品の補充に追われている。 TBS 側は「動画は違法で、DVD も海賊版だ」と指摘するが、野放しで人気が広がっている状態だ。

さまざまな圧力やピンチを切り抜けるストーリーに、中国のネット上では「日本人の粘り強い精神力を見た」との称賛も。 有力経済紙、経済観察報は「日本企業の仕事のやり方や、日本人と企業の密接なつながりが描かれている」と紹介した。 (kyodo = 9-19-13)