各地の海水や砂から化学物質検出 発泡スチロール由来か

【編集委員・永井靖二】 世界 21 カ国・地域の海水や海岸の砂から、発泡スチロールから溶け出たとみられる化学物質が検出されていたことが日韓の研究グループの調査でわかった。 脳などの発達に影響する恐れが指摘されている物質も含まれ、未知の海洋環境汚染が地球規模で広がっている可能性がある。

産業技術総合研究所の道祖土(さいど)勝彦研究員らのグループによる研究成果で、8 日(日本時間9日)から始まる、世界最大級の学会として知られる米国化学会で発表される。 研究グループは、発泡スチロールの原料のポリスチレンが分解してできる物質「スチレンオリゴマー (SO)」に着目。 10 年前から各国の海岸で調査を始め、今回、世界の 21 カ国・地域の 34 地区、267 地点で採取した試料の分析結果をまとめた。 (asahi = 9-7-13)


風呂やエアコン、自動で節電 三菱電機が家庭用の新装置

三菱電機は給湯器、エアコン、冷蔵庫などの動きを制御して自動的に節電する装置「三菱 HEMS (ヘムス)」を 12 月に売り出す。 電力の使用状況をグラフで表し、設定した使用量を超えると機器を操作して節電してくれる。 また、起床や帰宅の時間を設定しておけばエアコンをつけたり風呂を沸かしたりしてくれる。 税込みで 19 万 8,450 円。 対応する家電などは別売り。 (asahi = 8-27-13)


風力発電止めて 騒音被害で住民が仮処分申請 愛知

愛知県田原市六連町にある風力発電の風車による騒音で被害を受けたとして、住民が 26 日、事業者のミツウロコグリーンエネルギー(東京都)を相手取り、運転停止の仮処分を名古屋地裁豊橋支部に申し立てた。 申し立てたのは、風車の北東約 350 メートルに住む農業大河剛さん (45)。 大河さんらによると、風車 1 基は 2007 年 1 月に稼働。 プロペラ音のような音で睡眠不足や頭痛に悩まされた。 同年 6 月から、夜は一家 5 人で約 5 キロ離れたアパートで過ごしているという。

環境省が定める風車の音の環境基準では、大河さんの住む地域での夜間の数値は 45 デシベル。 稼働後に国や県などの調査では 45 - 53 デシベルが測定されたという。 大河さんは「何度も抗議したが騒音は改善されなかった。 平穏な生活が乱され、人格権が侵害された。」と主張している。 ミツウロコ側は「申立書を読んでいないのでコメントできない」としている。 (asahi = 8-26-13)


「発送電分離、避けられぬ」ソフトバンク・孫社長語る

【編集委員・小森敦司、藤崎麻里】 太陽光や風力など再生可能エネルギーの普及に取り組むソフトバンクの孫正義社長は 22 日、朝日新聞のインタビューに対し、遅れている電力制度改革に関し、再エネ普及には「(発電網と送電網を分ける)発送電分離は避けられない」と語り、早期の電力自由化を求めた。 一問一答は次の通り。

- - 東京電力福島第一原発事故から 2 年半近くが経った。

「事故を風化させてはいけない。 多くの人々がまだ仮設住宅に住み、大量の汚染水が流れ出しているという現実がある。 どんな政権であれ、真剣に議論し、対処しなければならない。 原発に死ぬまで反対という気持ちは、いまも変わらない。 原発の代替手段はいくつもある。 廃炉の道筋も決まってないのに、原発の再稼働をどんどん進めることには基本的に反対だ。」

- - 原発事故後に再生可能エネルギーに取り組む姿勢を表明した。

「事故により『安全・安心・安定』という原発の神話が崩れた。 代わりの発電手段として、再エネを増やさないといけない。 我々はその一翼を担うべきだ、と考えた。 200 メガワットの再エネの設備をつくると約束し、それで呼び水になろうとしている。」

- - しかし、再生可能エネルギーの導入目標は不透明になっている。

「政府の成長戦略に位置づけられるべきだ。 法律や税制面の措置など、もっとできるはずだ。」

- - アジア各国で結ぶ送電網で、再生可能エネルギーをやりとりする「アジアスーパーグリッド」構想を提唱しているが。

「アジアの国々の電力を本業とする人々が構想を進化させ、送電網をつなぎ始めるといいと思う。 例えば、モンゴルでの風力発電は、日本までの送電コストを考えても原発より安くできる。 欧州には各国をまたぐ送電網がある。 なぜ、アジアでできないのか。」

- - 発送電分離を進める電気事業法改正案が廃案になるなど電力システム改革は遅れている。

「日本は発送電が分離されていない数少ない先進国になってしまっている。 北海道の再エネを東京に送るにも(送電線は電力会社が所有しているため)『道』がない。 発送電分離は避けられない。 電力制度改革についての問題点を指摘していきたい。」 (asahi = 8-23-13)


太陽光発電、稼働まだ 1 割 買い取りで能力 5 倍も

経済産業省が 20 日発表した 2012 年度の太陽光発電の新設計画は 11 年度までの累積発電能力の 5 倍に達した。 12 年 7 月に始まった固定価格買い取り制度で、高値が付いたため。 ただ、稼働済みは 1 割のみで、計画倒れに終わる恐れがある。 急激な拡大で送電網が限界に達しつつある地域も出てきたほか、コスト高の電気料金の上昇で家計への負担が膨らむ懸念もある。

3 月末までに国の設備認定を受けたのは、再生可能エネルギー全体で 2,109 万キロワット。 うち太陽光が 2,002 万キロワットと 9 割超を占めた。 太陽光の初年度の買い取り価格は 1 キロワット時 42 円。 業界が「非常に良い条件(太陽光発電協会)」と評価する高めの設定で、異業種の参入が相次いだ。

13 年度からパネルなどの値下がりを受けて買い取り価格が同 37.8 円に引き下げられたため、条件が有利だった 12 年度末までに駆け込み申請した業者も多い。 主な建設用地は全国の自治体が使い道に頭を悩ませていた遊休地。 大分市の臨海工業地帯には 5 月、日揮が出力 2 万 6,500 キロワットのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を稼働させた。 丸紅や三井造船も建設を計画する。

広い土地を確保できる北海道では建設計画が集中し、電力会社の送電網が満杯になる問題も発生した。 天候で発電量が変動しやすい太陽光は、送電網で送る量に限界がある。 北海道電力は 4 月に「受け入れが限界に達しつつある」と宣言。 あわてた経産省は建設を別の地域に分散させるよう呼びかけを始めた。

北海道は強い風が安定して吹き、これまでは国内有数の風力発電の適地とされてきた。 風力は太陽光より発電コストが安く、買い取り価格も 1 キロワット時 23.1 円。 3 月末までの設備認定量のうち、風力発電の比率はわずか 4%。 日本風力開発の大村昭一執行役員は「このまま太陽光で送電網が埋まってしまえば、風力発電は締め出されて普及する余地がなくなる」と懸念する。

電力会社は再生エネの買い取り費用を電気料金に上乗せして一般家庭などから回収する。 初年度は標準家庭で月 87 円だったが、今年度は同 120 円に上昇。 富士通総研の浜崎博・主任研究員の試算では、20 年には同 820 円になる。 浜崎主任研究員はこの試算を「かなり楽観的なもの」と話す。 コストの安い風力が再生エネ導入量の半分を占める前提だからだ。 太陽光の比率が高まれば上乗せ幅も拡大する可能性があるという。 太陽光は今年度の価格でも採算性は十分とみられ「導入量を制限する対策が必要」と指摘する。

地熱や風力も含めた再生エネを、原発や火力とどんな比率で組み合わせて使っていくのか国の戦略は定まっていない。 全体目標がないなかで、太陽光がバランスを欠いた拡大を続けている恐れもある。 (nikkei = 8-20-13)


「温暖化進めばリンゴ甘くなる」 … 果樹研究所

地球温暖化の影響で、長野、青森両県のリンゴの甘みが増しているという分析結果を、果樹研究所(茨城県つくば市)などのチームが発表した。 15 日付の英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。

チームは、代表的品種「ふじ(長野県産)」の過去 30 年間の甘さ(糖度)や酸っぱさ(酸の量)、気象条件を分析。 その間に平均気温が約 1 度上がり、酸の量が 15% 減る一方、糖度は 5% 増えたことが分かった。 青森県産のふじや長野県産の別品種も、同様の傾向を示した。 温暖化に伴い、発芽や開花が早まって熟れる期間が長くなることや、高温でリンゴの呼吸が増え、酸の消費が進むことなどが原因と推測している。

温暖化で農作物の収穫量が変わったり、栽培適地が北上したりすることは知られていたが、果物の味への影響は不明だった。 同研究所の杉浦俊彦・上席研究員は「温暖化でリンゴの赤い色が薄くなって商品価値が下がり、収穫量は減る。 生産者にとっては悪影響も大きい。」と話す。 (yomiuri = 8-17-13)


ガスでも涼しい業務用キッチン 節電効果、需要が急増

【高木真也】 夏場には、一層暑くなりがちなキッチン。 業務用ながら、熱気の流れをコントロールすることで涼しくなるガス調理機器が売り上げを伸ばしている。 冷房代の節約にもつながり、節電志向や電気料金値上げを受けた利用者のニーズをつかんだようだ。

大阪ガスの「涼厨(すずちゅう)」シリーズは、炎が出る部分を囲み、熱気を天井近くまで逃がす排気筒がついている。 めんなどをゆでるかまども内釜と外釜の二重構造にして、その間から排気筒に熱気が逃げる。 キッチン内に熱がこもりにくくなり、最大約 4 割の節電効果があるという。 東日本大震災が起きた 2011 年 3 月以降、飲食店や学校、病院などでの需要が急増している。 大阪市中央区の「洋食勝井 御堂筋ロッヂ」では、11 年 9 月の開業時から使っている。 オーナーの勝井景介さん (48) は「キッチンが涼しくなり、仕事の効率が上がった」という。 (asahi = 8-9-13)


パナ、新興国で水ビジネス検討 ヒ素除去装置、量産狙う

【北川慧一】 パナソニックがアジアなど新興国で水処理事業に乗り出す検討に入った。 ヒ素などを取り除く装置をインドの大学と共同開発し、5 年後の量産化を目指すほか、海水淡水化事業を手がけることも検討している。 水ビジネスは世界的な成長産業で、事業の柱を家電から設備産業などに移す戦略の一環だ。

バングラデシュや中国、インドなどの一部地域では、地下水にヒ素やクロムが含まれており、健康被害が問題となっている。 パナソニックの先端技術研究所(京都府精華町)は、有害物質を取り除く装置の研究に約 3 年前から取り組んできた。 世界銀行によると、ヒ素汚染地域には約 6 千万人が住み、中毒患者は約 70 万人にのぼるという。

住宅関連事業で使う壁材の防汚技術を応用する。 塗料にも使う二酸化チタンと鉱物のゼオライトでできた浄化剤を水に入れ、太陽光をあてて混ぜると二酸化チタンが触媒となり、有害物質を無害の物質に変えることができるという。 (asahi = 8-3-13)


異常気象で紛争多発と米チーム 温暖化に警鐘

【ワシントン】 地球温暖化が進んで猛暑や干ばつなどの異常気象が増えると、個人レベルの暴力行為から内戦などのグループ間対立、文明崩壊に至るさまざまな紛争が起きやすくなるとの研究結果を、米カリフォルニア大バークリー校のチームが 1 日、米科学誌サイエンスに発表した。 過去 1 万年の人類史と気候変動の関係を詳細に調べた。 チームは「紛争の発端は多様だが、環境が悪化して食料や財産が脅かされるように感じると、人の行動が暴力性を帯びやすくなる」と指摘。 温暖化に伴って今後さらに世界が不安定になる恐れがあると警告している。 (kyodo = 8-2-13)


シェール革命、変わる米国経済 コスト減、製造業に恵み

記事コピー (asahi = 7-16-13)

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約 40 人が行方不明、死者増える可能性 カナダ列車火災

【ニューヨーク = 中井大助】カナダのケベック州で 6 日未明に原油を積んだ列車が爆発した事故で、7 日現在、依然約 40 人の安否が確認できていない。 現地の警察が明らかにした。 5 人の死亡が確認されているが、犠牲者の数はまだ増える可能性が高いという。

ロイター通信などによると、警察は行方不明者が爆発事故に巻き込まれたのか、夏休みなどで自宅を離れていたのか、確認を進めている。 一方、原油が火災現場から河川に流れ出ているため、汚染対策も必要になっているという。 事故を起こした列車は、米ノースダコタ州で採掘された原油を積んでいたという。 同州を中心にシェールオイルの開発が進むなか、米国やカナダでは石油が列車で運ばれることも増えており、安全対策の必要性が指摘されている。 (asahi = 7-8-13)

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シェールオイル埋蔵量、トップはロシア 世界 42 カ国で 3,450 億バレル

【ニューヨーク = 小川義也】 頁岩(けつがん = シェール)層から採取する新型石油「シェールオイル」の推定埋蔵量は、世界 42 カ国で合計 3,450 億バレル - -。 米エネルギー省は 10 日、現在の技術で採掘可能なシェールオイルと新型天然ガス「シェールガス」に関する報告書を発表した。

エネルギー省は 2011 年に世界のシェールガスの埋蔵量に関する報告書をまとめたが、シェールオイルについては触れていなかった。 シェール革命に沸く米国ではシェールガスからシェールオイルへのシフトが進んでいるが、北米以外でもシェールオイル開発の可能性を示した格好だ。 シェールオイルの埋蔵量を国別にみると、ロシアが 750 億バレルで首位。 2 位は米国(580 億バレル)で、中国(320 億バレル)が 3 位だった。 3,450 億バレルの可採埋蔵量は、在来型を含めた石油の総埋蔵量の 10% を占めるという。

シェールガスの推定埋蔵量も前回調査の 6,622 兆立方フィートから 7,299 兆立方フィートへと 10% 増加。 世界の天然ガスの総埋蔵量の 32% を占めるとしている。 今回の報告書では、中東やカスピ海沿岸など豊富な埋蔵量があると期待されている地域は対象外。 今後の調査で総量がさらに増える可能性がある。 (nikkei = 6-11-13)

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天然ガスの割安調達期待 = 米国の対日輸出解禁に - 電力業界など

米政府が液化天然ガス (LNG) の対日輸出計画を認可したことで、日本のエネルギー業界は、割安な米国産ガスの調達本格化への期待を強めている。 原発停止で火力発電用燃料の輸入量が高止まりする中、購入コストの圧縮が電力会社などの喫緊の課題だからだ。 総合商社を含め日本企業は米国から LNG を輸入する計画に相次いで着手しており、認可が順調に得られれば、電気・ガス料金の上昇抑制につながる可能性がある。

電気事業連合会によると、電力 10 社の 2012 年度の発電電力量に占める LNG 火力の比率は前年度比 3 ポイント増の 42.5% と 2 年連続で過去最高を更新。 東日本大震災前は 3 割以下だったが、原発に代わる電力源として依存度が高まっている。 (jiji = 5-18-13)

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シェールガス : 米 2017 年にも対日輸出

【ワシントン平地修】 米エネルギー省は 17 日、米フリーポート社(テキサス州)が申請していた米国産天然ガスの日本向け輸出を許可すると発表した。 同社は 2017 年をめどにフリーポート市に計画中の液化天然ガス (LNG) 基地から中部電力、大阪ガス向けに供給を始める。 米政府が自由貿易協定 (FTA) を締結していない国にシェールガスの輸出を許可するのは 11 年の英、インド両国向けなどに続いて 2 件目で、対日輸出の許可は初めて。

日本は原発の稼働停止に伴い LNG の輸入量が増加している。 「シェールガス革命」に沸く米国の安価な天然ガスの輸入に道が開けたことで、エネルギー調達費の抑制につながることが期待される。

米エネルギー省はフリーポート社の申請に対し、20 年間にわたり日量 14 億立方フィート(約 396 億リットル)の輸出を認め、「この条件であれば米国の公益に反することはない」との声明を発表した。 これを受けて同社と中部電、大阪ガスがシェールガスを含む天然ガスを米国内から集め、冷却して液化する LNG 基地の建設に着手。 中部電などは同社から年 440 万トンの LNG を確保する契約を締結しており、基地完成後に日本への輸出を開始する。

日本の 12 年の LNG 輸入量は 8,731 万トンで、今回許可が下りた米国からの輸入量はこの 5% 程度に当たる。 米国では 00 年代後半からシェールガスの開発が本格化したのに伴いガス価格が大幅に下落し、各国への輸出申請が急増している。 ただ、FTA 非締結国への輸出については天然ガス法でエネルギー省の審査による個別許可を定めている。 輸出が急増すれば国内価格が上昇する懸念があることから、11 年 5 月にインドなどへの輸出が許可されて以降は審査が凍結状態だった。

日本は 11 年 3 月の福島第 1 原発事故後の相次ぐ原発の稼働停止で、火力発電の燃料となる天然ガスの輸入が増加し、貿易赤字拡大の大きな要因になっている。 今年 2 月の日米首脳会談では、安倍晋三首相がオバマ大統領に日本への輸出許可を強く要請していた。 (mainichi = 5-18-13)

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東電・東ガス、米国産 LPG を初調達 = 従来品より 2 - 3 割安

東京電力と東京ガスは 27 日、液化石油ガス (LPG) の輸入・販売を手掛けるアストモスエネルギー社(東京)との間で、米国産 LPG の購入について基本合意したと発表した。 東電と東ガスが米国の LPG を調達するのは初めて。 米産 LPG はシェールガス開発の影響で価格が低下しており、輸送費や液化するためのコストを加味しても従来の LPG より 2 - 3 割安くなる見通し。 (jiji = 2-27-13)


熱帯夜、過去 70 - 80 年で 2 倍 東京都心では 4 倍超

【赤井陽介】 最低気温が 25 度を下回らない「熱帯夜」の年間日数がこの 70 - 80 年で 2.1 倍に増えたことが、気象庁が 12 日に公表した「気候変動監視レポート」で分かった。 この夏も 927 観測点のうち、100 地点前後で熱帯夜になる日が続出している。 気象庁は、夜間も熱中症に注意するよう呼びかけている。 レポートによると、全国 15 地点の熱帯夜の年間日数は 1931 - 40 年は平均 9.7 日だったが、2003 - 12 年は 20.7 日に増えた。 この間、これらの地点の夏の最低気温は約 1.2 度上がった。

コンクリートの建物などに太陽の熱がたまり、夜の気温が下がりにくくなる「ヒートアイランド現象」が顕著な都市部では、熱帯夜の増え方も急で、東京都心は 1931 - 40 年は年 7 日だったが、直近 10 年は 33.9 日に。 10 年で 3.9 日増えている計算で、名古屋市でも 3.7 日、京都市でも 3.6 日、同様に増えていた。 夏の最低気温は 2.2 - 2.5 度上がった。

気象庁によると、今年は 7 月に入ってから、100 地点超で最低気温が 25 度以上を記録した日がすでに 6 日間あった。 担当者は「地球温暖化とヒートアイランド現象で最低気温が上がっている。 夜もクーラーをつけるなど、対策をとってほしい。」と話している。 (asahi = 7-13-13)

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猛暑日、過去 40 - 50 年で 3 倍に 地球温暖化が影響

【赤井陽介】 最高気温が 35 度以上になる猛暑日の全国の年間日数が、過去 40 - 50 年間で 3 倍近くに増えていることが気象庁のまとめで分かった。 地球温暖化の影響とみられ、近年は気象庁の 927 観測点のうち、猛暑日になるのが 100 地点を超える日も珍しくなくなっている。

まとめでは、全国 15 地点の 1961 - 70 年の年間猛暑日の日数を平均すると 1 カ所あたり 0.78 日。 これに対して、直近の 2003 - 12 年は 2.3 日で、10 年あたり 0.5 日のペースで増えていた。 この間、夏(6 - 8 月)の最高気温が 0.77 度上がった。 10 日、記録が残る 1876 年以降でタイ記録となる 4 日連続の猛暑日になった東京都心は、1961 - 70 年は年 2.5 日だったが、10 年あたり 0.7 日のペースで増え、直近 10 年は年 4.4 日に。 猛暑日が 3 日以上続いた 8 回のうち、7 回が 1990 年以降に集中していた。 (asahi = 7-11-13)

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滝のような雨、40 年で 3 割増 ゲリラ豪雨も都心で増加

【赤井陽介】 1 時間に 50 ミリ以上の「非常に激しい雨」が降る頻度が、過去 30 - 40 年で 3 割余り増え、今世紀末ごろには現在の 1.65 倍に上る恐れがあることが気象庁の分析でわかった。 都心で突発的な「ゲリラ豪雨」が増えていることも判明。 気象庁は近く公表する「気候変動監視レポート」で、風水害の危険について警鐘を鳴らす。

分析では、全国の降水量観測点(アメダス)で 1 時間に 50 ミリ以上の雨を観測した年間回数を集計。 観測点が年々増えていることを考慮し、1 千地点あたりの数に計算し直して比較した。 滝のように降り、傘が全く役に立たず、車の運転が危険になるような雨量だという。 気象庁によると、1976 - 85 年は平均で年 174.4 回だったが、直近の 10 年は 236.4 回に。 10 年あたり 21.9 回のペースで増えていた。 スーパーコンピューターを使った試算では、2076 - 95 年は年 390 回に達した。 (asahi = 7-8-13)


三井物産、企業向け電力小売りに参入 制度改革で商機

【中川透】 三井物産は 9 月から、企業向けの電力小売り事業に参入する方針を固めた。 発送電分離など電力改革が今後進むのをにらみ、発電から小売りまでを手がける態勢を整える。 大手商社は今まで海外の電力事業に力を入れてきたが、経験を生かして国内でも強化する動きを広げている。 三井物産は、企業向けの小売事業者「新電力」の届け出を経済産業省にすでに出しており、売電先の交渉を進めている。 風力や太陽光の発電所の建設も、愛知県や鳥取県などで始めた。 小売りへの参入で、発電から小売りまでのサービスを一貫して提供する。

海外で三井は、原発 6 基分の約 600 万キロワット分の発電所を持ち、地元の政府系電力会社などに電気を売っている。 国内では、昨年 7 月に自然エネルギーの固定価格買い取り制度が始まったのを機に、電力事業を強化。 政府が発送電分離や電力自由化を今後進める方針のため、小売りの商機も広がる、と判断した。

政府は 6 月にまとめた成長戦略で、電力制度改革を進めてエネルギー産業を育てる方針を掲げた。 電力以外の異業種から新規参入を増やしたり、サービスの融合を進めたりして、競争を進める。 商社のほか、NTT やソフトバンクなど通信各社も電力事業を広げている。 (asahi = 7-7-13)


北半球、数年後に寒冷化? 海洋機構が海水温から解析

【瀬川茂子】 北半球は数年後に寒冷化するかもしれない。 そんな可能性を示す解析を、海洋研究開発機構の中村元隆主任研究員が、28 日付米専門誌に発表する。 グリーンランド海の水温が気候に及ぼす影響を解析した結果だが、二酸化炭素の増加による温暖化との関係の研究も必要という。

北大西洋を中心に、約 70 年周期で寒冷化と温暖化が繰り返される傾向がある。 北半球は 1940 - 70 年代にかけて寒冷化し、80 年代以降は温暖化している。 グリーンランド海の水温が海水の大循環を通じて、北半球の気候に影響を与える可能性が指摘されてきた。

1957 年以降の海水温度を解析した結果、グリーンランド海の水温が 70 年周期の気候変動の先行指標になる可能性が示された。 現在の温暖化は 1979 年にグリーンランド海の水温が 2 度上昇したことがきっかけで始まったとみられ、2015 年前後には寒冷化が起こる可能性があるという。 (asahi = 6-29-13)


.海に浮かぶ発電風車、福島へ出発 世界初の実用化めざす

福島県沖の海面に浮かべた風車で発電する「浮体式洋上風力発電」の実証研究で使われる風車が 28 日、福島県いわき市の小名浜港に向けて東京湾を出発した。 三井造船の千葉事業所(千葉県市原市)での組み立て作業がこのほど終わり、ドックから海に出した風車を船で曳航して運ぶ。

三井造船がつくった高さ 32 メートルの鋼鉄製の浮体の上に、日立製作所製の直径 80 メートルの風車をのせた設備で「ふくしま未来」と名付けられた。 経済産業省の委託事業で、海に浮かべた風車による発電として、世界初の実用化をめざす。 10 月に発電を始める予定だ。

小名浜港で風車の調整試験などをした後、福島県沖約 20 キロ、水深約 120 メートルの海上に船のように浮かべ、浮体と海底を鉄のくさりでつないで設置する。 浮体の半分が水面下に沈む設計で、最大 2 メガワットの発電能力がある。 このプロジェクトは丸紅や東京大学など 11 の企業・団体が共同で進めている。 (木村裕明、asahi = 6-29-13)

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洋上風力の発電機設置へ会社設立 丸紅

丸紅は国内で洋上風力発電が増えることを見込み、海上で発電機を設置するための会社「シージャックス・ジャパン」を設立した。 海上での作業に必要な特殊船を使い、日本やアジアで洋上風力の拡大をめざす。 洋上風力の建設計画は、茨城県沖などで進んでいる。 (asahi = 6-3-13)

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無限の風力発電、洋上に広がる 実用化へ北九州沖に施設

【原口晋也】 北九州市若松区沖の響灘で、新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) などが建設を進めていた洋上風力発電施設が完成し、4 日、報道陣に公開された。

巨大な風車は海面からの高さ 80 メートル、羽根の長さは 41.5 メートル。 騒音や振動で建設地が限られる陸上と違い、洋上は適地が「ほぼ無限」という。 6 月から約 2 年、風などのデータを集め、実用化の準備を進める。 事業費は約 35 億円。 出力は 2 千キロワットで、一般家庭約 1,500 戸分の消費電力に相当するという。 NEDO の担当者は「これまで風力発電は陸上中心だった。 洋上展開をできるかどうかが自然エネルギーの可能性も左右する。」と語った。 (asahi = 4-5-13)


再生エネ発電、実稼働 4% 計画放置の業者は認定撤回も

【香取啓介、編集委員・石井徹】 太陽光や風力などの再生可能エネルギーを広めるために始まった固定価格買い取り制度で、資源エネルギー庁は、国から計画を認められながら発電をなかなか開始しない業者について、合理的な理由がなければ、一度出した認定を取り消す方針を固めた。

昨年 7 月の制度開始後、認定済みの計画は急増しているが、ごくわずかしか実際に発電を始めていない。 高い買い取り価格だけを取得して当面は発電するつもりがない業者が含まれていると見られ、放置すれば自然エネルギーを早く増やすという目的が達成できないと判断した。 制度では、事業者は設備の計画や費用の計算などを見積もって国に申請し、「設備認定」をもらう。 前後に地域の電力会社に「送電線への接続」も申請して、ともに認められれば買い取り価格が決まる。 (asahi = 6-28-13)


KDDI、電力小売り参入へ 携帯とセットで割引きも

【高重治香、永島学】 KDDI (au) は、電力小売り事業に参入し、携帯電話会社としては初めて家庭向けに電力を売ることを検討する。 固定の電話やインターネット回線とセットで契約すると、割安になる料金プランも視野に入れる。 19 日に東京都内であった株主総会で、事業目的に発電や電気の供給、販売を加える定款変更が認められた。

KDDI が今年 4 月に子会社化したケーブルテレビ最大手ジュピターテレコム (JCOM) が、すでに昨年末からマンション向けに電力を売っている。 JCOM は、住友商事系の新電力「サミットエナジー」から電力を仕入れ、割安な電力を多チャンネル放送やネット回線とセットで販売している。

KDDI はいま、スマホと固定ネット回線のセット契約で通信料の割引をしている。 JCOM の取り組みを参考に固定回線と電力もセットにすることを考える。 現在の電力制度では、電力を売れるのは 50 キロワット以上の大口向けに限られているため、当面はマンション向けになる見通しだ。 (asahi =6-20-13)


地球温暖化 : 洪水確率高まり 世界で 1 億人に被災リスク

【ボン 阿部周一】 地球温暖化が進むと、今世紀末には日本を含むアジアの大部分やアフリカ中部、南米で洪水発生の確率が高まり、河川氾濫の危険にさらされる世界の人口がこれまでの推定の 25 倍、最大約 1 億人に上るとの推計を、東京大などの研究チームが発表した。 「温室効果ガス削減と同時に、洪水被害の軽減策が重要だ」と指摘している。

平林由希子・東大准教授(水文学)らは、公表されている 11 種の気候モデルと最新の河川氾濫モデルを使い、2100 年までに各地の洪水リスクがどう変化するかを推計した。

その結果、世界の平均気温が今後 100 年間で 1 - 6 度上昇する場合、全世界の約 4 割の地域で被災リスクが増え、100 年に 1 回レベルの大洪水で河川氾濫に見舞われる地域の居住人口は 20 世紀後半の推定約 420 万人(全世界の人口の 0.1%)から、今世紀末には、温暖化が最も著しいシナリオで 25 倍の約 1 億 600 万人、最も穏やかなシナリオでも 7 倍の約 3,000 万人に拡大すると予測した。

これは同時期の世界人口の 0.3 - 1.1% にあたる。 世界の人口が仮に今後一定だとした場合でも、地域拡大で影響人数は 4 - 14 倍に増えるという。 論文は 9 日付の英科学誌「ネイチャー・クライメート・チェンジ」に掲載された。 (mainichi = 6-10-13)


広がる「ご当地電力」 市民ファンドが原動力

【菅沼栄一郎】 市民や地元企業が資金を集めて組織を立ち上げ、自治体と連携して電気をつくる動きが広がっている。 5 万円、10 万円単位の投資を積み上げて太陽光発電を進めるほか、小水力やバイオマスによる発電も研究。 大手電力会社による独占状態を脱し、コミュニティーによる「電気を自治する」動きともいえる。

静岡市の日本平動物園で 1 日、市内 3 カ所に新設された太陽光発電所の発電開始のセレモニーがあった。 入り口左手の壁に、「地域のエネルギーはみんなで創ろう」と呼びかけた約 2 メートル四方のボードが掲げられた。 ボードには約 200 人の名前が並んでいる。 発電事業に使う 2 千万円を出資した人たちだ。

発電所を運営する「しずおか未来エネルギー株式会社」は、地球温暖化防止問題に取り組む NPO などが昨年 12 月に設立した。 一口 5 万円で手軽に参加できる「マイクロファンド」が特色だ。 4 口 20 万円を投資した杉山かほるさん (54) は、「自宅の屋根に載せようと思ったのですが、南向きの面積や重量の条件が合わないのでこちらに参加しました。」 5 年間で返還される予定だ。

「コミュニティー・ソーラー」と呼ぶ太陽光パネルは、動物園の管理棟の屋根をはじめ、サッカーの J1 「清水エスパルス」のスタジアム駐車場と、市民活動センター屋上の 3 カ所に設置。 いずれも約 50 キロワットを発電、売電する。 「私たちはもうお客様ではない。 これからはみんなで自然を生かしたエネルギーを生みだし、その使い方を改めて考えていきたい。」と服部乃利子社長は言う。 (asahi = 6-9-13)


女性クールビズ「香り」推奨を撤回 環境省、文書も削除

【編集委員・大村美香】 環境省が今夏初めて「女性のクールビズ」を提案し、洗濯の時に使う香り付き柔軟剤や制汗剤を薦めたところ、「香料などの化学物質で体調を崩す人を増やす」と市民団体が撤回を求めた。 環境省は配慮の必要を認め、削除作業を進めている。

「女性のクールビズ」は先月 20 日に発表。 ファッションなどの事例とともに、汗やにおいへの対策として「香り付き柔軟剤」、「制汗剤、冷却スプレー、汗ふきシート」を挙げた。 これに対し、農薬や化学物質の安易な使用に反対する「反農薬東京グループ」など 3 団体が 3 日、撤回を求めた。 室内や電車、バスで、柔軟剤などのにおいで具合が悪くなる人が出ることや、化学物質過敏症の患者が外出しにくくなることが考えられると指摘した。 (asahi = 6-8-13)


風力発電で強風弱まる 山形の悪風「清川だし」

【松本紗知】 山形県の庄内平野に吹く局地風で、日本三大悪風の一つとして知られる「清川だし」が、風力発電所の建設に伴い、風下で弱まっていることが、東北学院大学(宮城県)の菊地立・名誉教授(気候学)らの研究で分かった。

清川だしは、同県庄内町清川付近で夏場に吹く強い東風で、農作物に被害をもたらす。 岡山県の広戸風、愛媛県のやまじ風と並んで、日本三大悪風の一つとされる。 清川のある旧立川町は、逆転の発想で強風を利用しようと、1994 年に「第 1 回全国風サミット」を開催。 93 年か 2003 年にかけて計 11 基の風力発電所を建設してきた。 菊地さんが同大学のゼミの学生と、清川地区から 4 キロ西のアメダス狩川のデータを調べたところ、風力発電所の建設前と後で、最大風速 10 メートル以上の日が半減していることが分かった。 (asahi = 5-31-13)


温暖化でオゾンホール縮小か 海洋機構が解析

【瀬川茂子】 紫外線をさえぎるオゾン層が薄くなり、皮膚がんなどの増加につながる「オゾンホール」が、地球温暖化の進展に伴って小さくなる可能性があることを、海洋研究開発機構のチームがシミュレーションと観測で突き止めた。 温暖化で赤道上空 18 - 50 キロの成層圏の上昇流が強まり、オゾンが中高緯度に運ばれるためという。 23 日付英科学誌ネイチャーに発表する。

チームは、赤道の成層圏に約 28 カ月周期で交互に現れる東風と西風が、上昇流にかかわることに注目。 シミュレーションした結果、温暖化で上昇流が強まると、成層圏の東西風が弱まることを突き止めた。 実際に 1953 年から 2012 年までの 60 年間の成層圏の東西風の観測データを解析すると、約 35% 弱まっていた。 オゾンホールが縮小する傾向にある可能性がわかった。 (asahi = 5-23-13)


PM2.5 濃度、測定地点の 7 割で基準超過 11 年度

【中村浩彦】 環境省は 16 日、微小粒子状物質「PM2.5」について、2011 年度の観測結果を公表した。 全国 156 カ所の測定局のうち 7 割を超える 112 カ所で大気中の濃度が国の環境基準を上回った。 初の調査となった 10 年度とほぼ同じで、汚染状況は改善していないことがわかった。

PM2.5 の国内の環境基準は「年平均濃度が 1 立方メートル当たり 15 マイクログラム以下、かつ、日平均が同 35 マイクログラム以下」。 環境省によると、11 年度は住宅地域などの大気を測定する「一般局」 105 カ所のうち 76 カ所 (72.4%)、幹線道路沿いにある「自排局」 51 カ所のうち 36 カ所 (70.6%) で環境基準を超えていた。 西日本や首都圏などで上回っていた。

PM2.5 は 13 年初め、中国からの越境汚染により西日本を中心に環境基準を超えたことで懸念が高まった。 しかし、それ以前から環境基準を超えていた状況が明らかになりつつある。 環境省は「国際協力による越境汚染対策だけでなく、国内対策もより一層進める必要がある。 測定局を増やして国内の発生状況を把握し、対策につなげたい。」としている。 (asahi = 5-17-13)


ハワイの CO2 最高値に 初の 400ppm 超え

温暖化、危険水準に 科学者が警告の声明

米海洋大気局 (NOAA) は 10 日、ハワイのマウナロア観測所で測定した大気中の二酸化炭素 (CO2) の平均濃度が、1958 年の観測開始から初めて 400ppm を超え、最高値を記録したと発表した。

標高 3,397 メートルにある同観測所のデータは人間活動の影響を受けにくく、温暖化対策の重要な指標。 産業革命以降の気温上昇を 2 度以内に抑えるには CO2 濃度を 450ppm までに抑制する必要があるとされ、危険水準にまた一歩近づいた形だ。 リベラルな科学者で組織する米国の「憂慮する科学者連盟」は「一刻も早く CO2 排出を減らさないと、猛暑やハリケーン、干ばつなどの異常気象が常態化する」として国際社会の対応を求める声明を出した。 (kyodo = 5-11-13)


17 府県がメガソーラー 遊休地活用、計 3 万世帯分

発電能力 1 千キロワット(1 メガワット)以上の太陽光発電「メガソーラー」を、全国 17 の府県が自治体として建設し、電力会社に売電することがわかった。 自然エネルギーの固定価格買い取り制度を使って自然エネを広げ、もうけも得る。 自治体が発電に積極参入する動きが広がる。 47 都道府県への取材をもとに朝日新聞が集計した。 公有地を企業に貸すのではなく、自治体が直営や第三セクター方式で自ら手がけるものを調べた。 (asahi = 5-6-13)


COP19 作業部会開幕 「ポスト京都」へ議論本格化

【ボン = 小林哲】 国連気候変動枠組み条約の 19 回目の締約国会議 (COP19) に向けた作業部会が 29 日、ドイツのボンで始まった。 先進国に温室効果ガスの削減義務を課した京都議定書に代わり、すべての国が地球温暖化防止に取り組む新しい体制作りの交渉が本格的にスタートした。

「ポスト京都」の体制作りは 2011 年の COP17 で合意された。京都議定書から離脱した米国に加え中国やインドなどの新興国、途上国も参加し、具体的な制度設計を 15 年末までに進める予定で、本格的な議論が今年からおこなわれる。 今回の作業部会は「相手の腹の内を探り合う(外務省幹部)」段階だが、各国の思惑は徐々に見えてきた。

米国のトッド・スターン気候変動特使は 1 月、講演で「京都議定書のような削減義務は机上の空論。 必要なのは現実的な目標だ。 各国が自ら目標を設定し、できるだけ高めていく仕組みが望ましい。」と述べた。 (asahi = 4-30-13)


関空にメガソーラー アジア最大級、来年稼働へ

新関西国際空港会社は 23 日、関西空港の敷地内に年間約 1,200 万キロワット時を発電するメガソーラー(大規模太陽光発電所)を設置する、と発表した。 同社は「規模はアジア最大級で、環境先進空港を目指す関西空港の象徴となる」としている。

昭和シェル石油の子会社「ソーラーフロンティア(東京)」と日本政策投資銀行(同)が設立した共同投資会社が、関空二期島に薄膜太陽電池計約 7 万 2 千枚(計約 11 万 9,700 平方メートル)を設置し、来年からの稼働を目指す。 年間発電量は一般住宅の年間使用量に換算したら約 4,100 世帯分に相当し、当面は関西電力に販売する。 新関西国際空港会社の安藤圭一社長は「将来的には、空港の非常用電源や水素発電の電源として利用することも議論していきたい」と語った。 (asahi = 4-23-13)