中国「民主の村」指導部が苦境 土地返還進まず突き上げ

【広州 = 桑原健】 中国の「民主の村」として知られる広東省汕尾市烏坎村で直接選挙で選ばれた指導部が苦境に陥っている。 過去に幹部が開発業者などに不正売却した土地の使用権の返還が停滞し住民が反発。 16 日までの国内報道によると、自治組織、村民委員会の林祖鑾主任(村長)は「(村民の)権利保護活動に参加したことを後悔している」と弱音をもらした。

村関係者によると、住民が不正に売却されたと主張する土地の多くは「すでに法的に権利が移った」などとして返還が阻まれている。 突き上げを受けた村民委では辞職者が相次ぎ、林主任は「(住民の)期待が大きすぎる」とも語った。 中国では地方幹部の土地の不正売却に対する住民の抗議活動が多発。 同村の土地返還と自治の行方は注目を集めている。 (nikkei = 2-16-13)


中国版映画「101 回目のプロポーズ」が大ヒット

フジテレビの人気ドラマ「101 回目のプロポーズ」をリメイクした「101 次求婚」が中国全土で公開され、大ヒットとなっている。 「101 次求婚」は 12 日に中国の各主要都市で封切られ、公開初日から 3 日間で約 11 億円の興行収入をあげる大ヒットになった。

同映画は、浅野温子 & 武田鉄矢のキャストで大ヒットした人気ドラマのリメイク版。 中国・上海を舞台に原作のエッセンスをふんだんに生かしたコメディタッチのラブ・ストーリーとなっている。 原作で浅野が演じた悲劇のヒロイン・薫役には映画「レッドクリフ」に出演したリン・チーリン、武田が演じた 99 回のお見合いに失敗した男・達郎役には中国トップの演技派俳優ホアン・ボーが務めている。 また CHAGE and ASKA のヒット曲で原作ドラマの主題歌「SAY YES」を、人気歌手リー・ダイモーがカバーしている。

同映画は中国全土で公開後、台湾、香港、シンガポールなどアジア各国で公開予定。 日本での公開も検討中だ。 (サンスポ = 2-15-13)


釣魚産魚? したたかに販売「近くを泳いだかも …」 中国

【上海=金順姫】中国・上海に隣接する江蘇省で、沖縄県の尖閣諸島(中国名・釣魚島)近海で取ったという触れ込みの海産物が売られていた、と中国メディアが相次いで報じた。 いずれも偽物か産地偽装の疑いがあるといい、「釣魚島」も商売に使う、したたかさを映し出した。

同省の揚州市の路上で「釣魚島の魚」が販売されているという情報を得た地元紙「揚州晩報」の記者は1月末の朝、現場を訪ね、「魚と釣魚島は関係があるのか」と質問した。 売り手は「釣魚島と関係がないとなぜ言えるのか? 釣魚島の近くを泳いだかもしれない。」と反問した。 ところが、さらに詰めると「自分もどこの海域で取れた魚か知らない」と白状。 尖閣諸島近海で取られたとされる魚が上海でよく売れたと知り、「釣魚島産」として売ることを考え付いたと話したという。 (asahi = 2-15-13)

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「尖閣産」鮮魚 4 千キロ完売 上海の食品見本市

【上海 = 金順姫】 中国浙江省の漁船によって沖縄県の尖閣諸島(中国名・釣魚島)近海で取られたとされる鮮魚が、上海市で開かれた食品見本市で 26 日、販売された。 サワラなど計 4 千キロの魚はすべて売れたという。

国営新華社通信系のサイト・新華網は「中国の海洋監視船と漁業監視船の巡航によって漁民は保障を得られ、釣魚島周辺の海域で操業する漁船が増えている」と報道。 中国紙によると、魚を取った 51 歳の漁民は「かつて釣魚島海域の漁は安全ではなかったが、いまは安心だ」と語った。 見本市の企画に携わった会社の広報担当者は朝日新聞の取材に、尖閣諸島周辺の魚は「質が良いので選んだ」と話し、領有権の主張とは関係ないとの認識を示した。 (asahi = 1-30-13)


中国の養豚場に薬剤耐性菌 人の感染症に影響も

家畜向けの抗生物質の使用によって、中国各地の養豚場で飼われているブタにさまざまな薬剤耐性を持つ細菌などが広まっているとする研究結果を、米ミシガン州立大や中国の研究チームが 11 日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。

周辺の農地の土からも細菌の耐性遺伝子を確認。 排せつ物を利用した肥料を通じて広がった可能性がある。 チームは「耐性遺伝子が人の病原体に取り込まれて治療が困難な感染症が多発しかねない」と警告。 抗生物質の適正使用や監視体制の整備を求めている。 中国は世界最大の抗生物質の生産国と消費国。 家畜の病気を防ぐ目的で大量の抗生物質が使われているが、明確な規制がないという。 (kyodo = 2-12-13)


中国、高級品の CM 禁止 「誤った価値観」助長で

香港 : 中国政府は旧正月に当たる春節に合わせて、国営ラジオとテレビでぜいたく品の CM を流すことを禁止した。 所得格差に対する不満の高まりを抑えるとともに、ぜいたく品の供与を通じた腐敗を食い止める狙いがあるとみられる。 国営新華社通信によると、同国国家広播電影電視総局 (SARFT) は、ぜいたく品の CM が「誤った価値観を広め、悪い風潮の醸成を助長した」と判断。 高級時計や金貨、希少切手などの CM 禁止を通達した。

この発表を受け、バーバリーや LVMH モエヘネシー・ルイヴィトン といった高級ブランド、宝飾品メーカー世界大手の周大福などの株価は軒並み下落した。 中国の高級品市場規模は 2012 年に日本を抜いて世界最大となった。 米コンサルティング会社マッキンゼーの予想では、15 年までに市場規模は 270 億ドルに達し、世界の売上高の 5 分の 1 を占めるようになる見通しだ。

同国指導部は、指導層が一般国民からかけ離れたイメージを持たれるのを防ぐため、中国共産党関係者などに対し、目立たないライフスタイルを心がけるよう促している。 中国国家統計局が先月、10 年ぶりに発表した数値によれば、国民の所得格差の程度を示すジニ係数 (0 - 1 で示され、1 に近づくほど格差が大きい)は 0.474 だった。 一方、西南大学が 2012 年 12 月に実施した独自調査では、ジニ係数を 0.61 とした。 国連は、0.40 を超すジニ係数を社会不安の兆候と位置付けている。 (CNN = 2-11-13)


中国の春節、爆竹・花火は自粛気味

【北京 = 島田学】 春節(旧正月)を迎えた北京では 10 日午前 0 時を境に、市内各所で花火や爆竹が鳴り響いた。 ただ、絶え間なく爆音が響く状態は例年より短く、1 - 2 時間でほぼ鳴りやんだ。 折からの大気汚染への悪影響や健康被害を懸念し、使用を自粛した人が多かったようだ。 呼吸器系疾患の原因となる微小粒子状物質「PM2.5」の北京市内の濃度も、花火が鳴り始めた 9 日深夜に急上昇したが、ほぼ鳴りやんだ 10 日午前 2 時すぎから一気に下がった。

中国の国営新華社によると、北京での花火や爆竹の販売量は前年比で約 4 割減った。 中国政府は、花火などの燃焼後の煙が「PM2.55」の濃度を高めるとして、春節中は使用を自粛するよう呼びかけていた。 (nikkei = 2-10-13)

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中国の花火「東京大爆発」回収 好戦的イメージ嫌う?

【北京 = 吉岡桂子】 北京で売られていた「東京大爆発」と名付けられた花火が、10 日の春節(旧正月)を前に販売停止となり、回収されている。 北京の業者によると、好戦的な印象を与えるため、イメージダウンを嫌った当局から指示があったという。

中国では春節に花火や爆竹を楽しむ習慣がある。 販売会社の担当者によると、1 月 26 日から 1 箱約 5 千円で、北京で売り始めた。 ヒット商品になったが、今月 3 日ごろ、当局から「中国人は平和的発展の道を歩んでいるにもかかわらず、日本人からそうではないと批判の種にされかねない」と注意され、回収を命じられたという。

担当者は「我々に政治的な意図はまったくなく、消費者をひきつけるはやりの名前を選んでいる」と強調。 「私は釣魚島(尖閣諸島の中国名)を愛している」という花火は引き続き販売中で、「ウルトラマン」、「国威を発揚する空母」や「江南 style」をもじった「北京 style」などもある。 (asahi = 2-8-13)

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旧正月の大気汚さない … 電子爆竹が中国で人気

【北京 = 栗原守】 大気汚染が深刻化する中国で、煙を出さずに、電気で音と光を発する「電子爆竹」が、にわかに注目を集めている。 中国では今月 10 日に旧正月が始まるが、毎年爆竹で祝う習慣がある。 ただ、爆竹の煙が大気を汚すため、使用を禁止・制限する自治体も少なくない。 そこで、本来は結婚式場などの室内で使われる「電子爆竹」で代用できるという情報がインターネットや口コミで広がった。

電子爆竹は、コンセントに差し込むと、電子装置が起動し、本物に近い爆発音と光が連続して発する仕組み。 環境意識の高い若者の間でネット販売などで人気が急上昇している。 価格は 1,500 - 2,000 円程度。 電子爆竹メーカーには、大気汚染が急激に悪化した 1 月に入り注文と問い合わせが相次いでいる。 河北省石家荘市の業者は「昨年より 3 割増で生産したが、ほぼ完売だ(営業担当)」と話し、旧正月直前の出荷作業に忙殺されている様子だった。 (yomiuri = 2-3-13)


1 年の稼ぎ、風で飛ぶ 出稼ぎ労働者の運命は … 中国

【上海 = 金順姫】 中国・上海の路上で、農民工と呼ばれる出稼ぎ労働者の男性 (31) が持っていた 1 万 7,600 元(約 26 万円)の現金が風に吹かれて飛び、多くの人が持ち去った。 10 日の春節(旧正月)を前に故郷の安徽省に帰省する予定だった男性は途方に暮れたが、同情する人たちから多額の寄付が集まった。

上海紙によると 3 日、男性がバイクで道を曲がる時にジーンズのポケットからお金が落ち、風で飛んでいった。 「持って行かないで。 1 年間汗水たらして稼いだお金なんだ。」と周りに頼んだが、その場で返してくれたのは 3 人で、計 700 元。 自力で拾い集めたのは 3 千元だった。 (asahi = 2-8-13)


中国で偽札工場摘発 偽の人民元 30 億円分と原版押収

【広州 = 小山謙太郎】 中国広東省で人民元札の偽造グループが摘発され、計 2.1 億元(約 30 億円)分の偽札が見つかった。 同省公安当局が 6 日発表した。 拘束された容疑者は 37 人。 中国国内で偽札の原版を押収できたのは、ここ 10 年で初めてだという。

公安当局は同省の深セン市(センは土へんに川)や東莞市など 5 都市で捜査を進め、12 月と今年 1 月に 2 カ所の「偽札工場」を発見。 掲陽市の家具問屋の建物内にあった工場は、マットレスを積み上げた壁の後ろに隠し廊下があり、印刷機や裁断機のある防音部屋につながっていた。 原版は、元画家の 72 歳の男が手書きしたものから作られていたという。 中国では偽札が広く出回っており、客が 100 元札で支払うと店員が目の前でチェックするのが普通の光景になっている。 (asahi = 2-8-13)


中国で抗日ドラマ量産 厳しい検閲 … 「最も安全なテーマ」

【北京 = 矢板明夫】 沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中両国の対立が深まるなか、約 70 年前の日中戦争をテーマとするテレビドラマが、中国国内で大量に制作されている。 背景には、「日本との戦争ものなら当局の厳しい検閲を通りやすい」という番組制作側の事情があるという。

中国紙、重慶晩報によると昨年、中国全土のテレビ局で「ゴールデンタイム」に放送されたテレビドラマは 200 本余りで、うち 70 本以上は日本軍との戦争や日本人スパイとの暗闘がテーマだった。 浙江省東陽市には当時の町並みを再現した抗日ドラマの撮影基地があり、13 年 1 月末現在、9 本が撮影中だという。

最近の抗日ドラマは史実を無視したものが多い。 寺院の尼僧が抗日ゲリラ部隊を作ったり、抗日の英雄と日本の大物政治家の娘が恋に落ちたりする話のほか、美女だけで組織された暗殺団が日本軍高官を狙うといった杜撰な内容が目立つ。

日本兵を演じるエキストラはてんてこ舞いの忙しさだ。 中国紙、金華日報(電子版)によれば、エキストラ歴 4 年の史中鵬氏 (26) は人相が悪いなどの理由で、多くのドラマで日本兵役に選ばれた。 同じ日に複数のドラマに出演し、計 8 回も中国軍の兵士らに "殺された" こともあった。 「一度でいいから八路軍兵士を演じてみたい」というのが史氏の夢だという。

大量制作の背景に、中国政府がしく厳しい検閲制度がありそうだ。 現代の中国人の生活を描くとすれば、格差や腐敗などの社会問題は避けて通れない。 発禁処分を受ければ投資が回収できなくなる危険性がある。 劇作家の高大庸氏は中国メディアの取材に、「最近審査が厳しくなり、歴史ものも引っかかるケースが増えた。 抗日は最も安全なテーマだ。」と話している。 (sankei = 2-4-13)


中国 "運び屋" が粉ミルク買いあさり 香港が対策強化

【上海 = 河崎真澄】 香港政府は中国広東省から越境して、粉ミルクなどを買いあさり、高値で転売する「運び屋」の急増を警戒し、粉ミルクの輸出原則禁止を柱とする対策を決めた。 隣接する同省深●(=土へんに川)市とつながる香港鉄路 (MRT) で、4 日から車内に持ち込める手荷物の重量を現行の 32 キロから 23 キロに引き下げるほか、駅や列車内での監視態勢を強化する。

香港当局は運び屋のブラックリストを作成し、疑いがある者は入境を拒否。 また、粉ミルク輸出を禁止する関連法規を月内に改正する方針で、個人的な持ち出しも 1 人 2 缶に限った。 モノの流れを規制しない自由貿易港の香港で、特定の日用品に禁輸措置を加えるのは異例。 だが、中国からの運び屋の横行で、粉ミルクなど日用品が不足して価格が高騰。 大量の荷物が一般の通行をじゃまするなど、日常生活にまで支障を来すケースも続発し、香港人の間で中国に対する反感が一段と高まっていた。

中国では、2008 年に有害物質による粉ミルク汚染事件が起き、乳幼児ら 6 人が死亡するなどの健康被害が出た。 現在も偽物が出回っているため、香港で売られている日本製などの粉ミルクが安全だとして人気が高い。 中国の運び屋による粉ミルク買い占めはマカオやオーストラリアなどでも社会問題化している。 (sankei = 2-3-13)


中国で春節の帰省ラッシュ バス事故相次ぎ、これまで 48 人死亡

中国で、日本の旧正月にあたる「春節」の帰省ラッシュが始まる中、1 日から 2 日にかけて、バス事故などが相次いで発生し、これまでに 48 人が死亡した。 国営の新華社などによると、四川省で 1 日、大型バスが横転して崖から 100 メートル転落し、これまでに 11 人の死亡が確認された。 また、内陸部の甘粛省では 1 日、バスが崖から転落して炎上し、これまでに 18 人が死亡した。 このバスは、定員より 7 人多く乗客を乗せていたという。

このほか、南部の貴州省などでも、定員オーバーのバスなどによる事故が相次ぎ、これまでに 19 人が死亡している。 現在、中国では、日本の旧正月にあたる春節に向け、帰省ラッシュがピークを迎えていて、乗客のほとんどは、帰省する人々だったとみられている。 (FNN = 2-3-13)

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中国の高速道、橋崩落し 9 人死亡 爆竹積載トラック爆発

【鄭州 = 金順姫】 中国河南省三門峡市で 1 日午前 9 時ごろ、高さ約 30 メートルの高速道路の橋が約 80 メートルにわたって崩落、複数の車が落下した。 国営新華社通信によると、9 人が死亡、けが人は 11 人に上った。 橋の上を走っていた大型トラックが積んでいた花火や爆竹が爆発を起こしており、当局が崩落との関係を調べている。

国営中央テレビは、大破した車両ががれきに埋もれ、爆発で黒く焼けただれた現場の映像を伝えている。 26 人が死亡したとの情報もある。 同テレビは「事故当時、現場は濃い霧で前がよく見えなかった」との目撃者の話を伝えた。 中国では道路や小学校などの「手抜き工事」が社会問題になっており、崩落の原因次第では世論が強く反発する可能性もある。 (asahi = 2-1-13)

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中国で春節帰省ラッシュ始まる 延べ 34 億人大移動

【北京 = 森安健】 中国の春節(旧正月、今年は 2 月 10 日)を挟んだ大型連休をふるさとで過ごす人の帰省ラッシュが 26 日、一部で始まった。 3 月 6 日までの 40 日間に過去最高の延べ 34 億 700 万人が鉄道、道路、飛行機などで移動する。 今年は世界最長の北京 - 広州(広東省)間の高速鉄道(中国版新幹線)などが開通したものの、運賃は高額で、例年通り在来線は大混雑するとみられている。 (nikkei = 1-26-13)


偽フカヒレ、中国各地に出回る 「4 割は偽物」証言も

【上海 = 金順姫】 見た目は似ているがゼラチンなどで作られた偽のフカヒレが中国各地で出回っている、と中国メディアが報じている。 国営の中国中央テレビは「国内で消費されるうち約 4 割は偽物」、「半ば公然の秘密だった」という業界関係者の証言を伝えた。 同テレビによると、江蘇省南京の結婚式場や北京の飲食店などで偽物が使われていた。

また、浙江省の商工部門は昨年末、約 900 カ所の販売業者や飲食店を調査。 発表によると、560 キロ超の不審なフカヒレを押収し、サンプルを抜き取って DNA 検査をしたところ、82 点のうち 79 点が偽物だった。 70 度のお湯に 30 分浸すとゼラチンが溶け出し、ほとんどのサンプルからフカヒレの成分は検出されなかったという。 偽物を製造する過程で有害物質が使われていたとの報道もある。

フカヒレは高級食材として知られるが、飲食店などが偽物を仕入れる際の価格は、500 グラムで 20 元(約 290 円)だったという報道もあった。 (asahi = 1-28-13)


映画も改竄だらけ 映画「007」、消された中国シーンとは

中国で 1 月 21 日に公開された人気映画「007 スカイフォール」が、当局の事前検閲によって改竄されていることが分かり、中国の映画ファンから非難と失望の声が上がっている。 複数のシーンがカットされたり、字幕が本来のセリフから変えられたりしており、物語の流れを完全に無視している。 中国では週刊新聞「南方週末」の社説改竄が大問題になったばかり。 言論の自由とともに、表現の自由も存在しないようだ。

「海賊版買うよ。」 「本当に迷惑だ! いつも同じことしやがって。 楽しみに待っていたのに、見たら改竄だらけだ。」 「場面をカットするなら最初から上映しない方がましだ!」 「これなら(改竄されていない)海賊盤を買って見るよ。」 中国のネット上には、シリーズ 23 作目となる最新作を楽しみに待っていた映画ファンの怒りの声があふれている。 改竄問題は米業界誌ハリウッド・リポーター(電子版)が公開前に報じ、英 BBC やフランス通信 (AFP) など欧米メディアも相次いで伝えた。

最新作は主演のダニエル・クレイグ (44) 演じる英情報局秘密情報部 (MI6) 所属の諜報部員ジェームズ・ボンドが、ロンドンの MI6 本部を爆破した凶悪なサイバーテロと戦う物語で、中国の上海やマカオが重要な舞台となっている。 ところが、当局は中国の描き方がお気に召さなかったようだ。 ハリウッド・リポーター誌によると、ボンドが追う仏人ヒットマンが上海の高層ビルに忍び込む際、エレベーターのロビーで中国人ガードマンを撃つ場面やマカオでの売春のシーンが丸ごとカットされた。

またハビエル・バルデム (43) 演じる MI6 の元諜報部員が香港支局勤務時代に中国政府に捕らわれ激しい拷問を受けたと告白するシーンの中国語の字幕は、拷問にまったく触れないセリフに改竄。 登場人物が中国の腐敗などに触れたセリフも変えられていた。

中国の映画市場は、今や日本を追い抜き、米国に次ぐ世界 2 位を誇る。 しかし当局は国産映画育成のため、海外作品の上映数を制限している。 AFP によると、昨年製作された国産映画は 893 本に上るが、上映を許可した海外映画は前年より 14 本増えたものの、わずか 34 本だった。 当局に批判的だったり、中国をネガティブに描いたりした作品は上映させない。 改竄も日常茶飯事で、昨年公開された「メン・イン・ブラック 3」では、エイリアンがニューヨークの中華料理店の店員に化ける場面がカットされた。

当然、中国メディアは今回の改竄問題についてまったく報じず、配給元のソニー・ピクチャーズ中国もコメントを拒否している。 南方週末の社説改竄では中国メディアが激しく抗議し、当局も火消しに追われたが、「表現の自由」はまだまだ軽視されているようだ。 AFP は中国のご都合主義をこう批判した。 「(公開の)基準が不透明で、上映禁止の理由も明かされない。 検閲を逃れたごく少数の作品は、中国を過剰に美化する描写になっている。」 (sankeiExpress = 1-27-13)


「オバマ氏すごい」中国版ツイッター 米大統領 2 期目就任式

中国発ネット情報

記事コピー (asahi = 9-17-12 〜 1-23-13)


地面が陥没、大穴 20 個以上 中国・湖南省、採掘影響か

【上海 = 金順姫】 中国湖南省漣源市で昨年 9 月以降、次々と地面が陥没し、20 個以上の大穴が出現した。 14 日の地元紙などによると、近くの炭鉱で長年にわたって石炭を採掘したことで、地下水系が乱れたことが原因とみられる。 一帯の地面の陥没によって、これまでに 20 戸を超える家屋にひび割れなどの被害が確認され、井戸の破損などで生活用水にも影響が出ているという。 地元政府がパトロールのほか、危険を知らせる掲示や防護柵を設ける対策を取った。 (asahi = 1-15-13)


人気ブロガー、包丁投げられる 南方週末改ざんで発言

【北京 = 林望】 南方週末の記事改ざん事件で発言を続ける人気ブロガー、李承鵬氏 (44) が 13 日、北京でのサイン会で殴られ、包丁を投げつけられた。 容疑者は、自由や民主を訴える李氏の主張に反発していた。 言論への暴力は、中国社会に深まる亀裂の表れでもある。

李氏本人や弁護士らによると、新著の発売を記念してファンにサインしていた同日午後 5 時 40 分ごろ、会場に乱入した 50 代前後の男が李氏のこめかみを殴打。 同 6 時 50 分ごろには、順番が来た 40 代前後とみられる男が手提げ袋から赤い紙にくるみ、リボンをつけた包丁を取り出した。 李氏の友人らが飛びかかると、男は包丁を李氏に投げつけた。

李氏は「(過去最悪と言われる)大気汚染の中、何時間も並んでくれた読者に申し訳ない」と、最後まで計約 4 千人にサインした。 自身のブログで「私も恐怖は感じるが、作家の価値は未知の恐怖に打ち勝ち、未知の領域を書いて伝えることだ」と語った。 (asahi = 1-15-13)

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中国紙賛同、陰に陽に 1 面に「私たちは一緒」・頭文字つなげ「頑張れ」 改ざん問題

中国紙「南方週末」の紙面が当局の指示で改ざんされた問題で 11 日、河南省の地方紙が、南方週末の題字を 1 面に掲げて公然と連帯を表明した。 暗に同紙を応援する動きは、他のメディアにも広まっており、当局がメディアを管理下におく中国では前例のない事態が続いている。

検閲への反発、冷めぬ熱気

題字を掲載したのは、河南省に拠点を置く「東方今報(部数約 58 万部)」。 11 日付朝刊の 1 面で、南方週末の題字を大きく掲げ、「私たちは一緒にいます」と見出しをつけた。 記事は、南方週末の今週号に載った私設孤児院の火災を巡る記事についてで、東方今報がその写真を提供したと説明。 「ともにメディアの責任を背負い、ともに道徳の最低線を守る」と書いた。

第 4 面もすべてを使い、見出しは「悲しい気持ちは一緒だ。」 孤児院の火災についての言葉だが、南方週末へ向けたとも取れる。 中国では各地方の共産党宣伝部が全メディアの記事をチェックし、「ブラックリスト」に載る一部のメディアには掲載前の検閲を課している。 同部がメディアに対しこの問題の論評を禁じている中で、公然と意思表示をした東方今報の紙面は異例だ。

同紙のウェブサイトは 11 日中に見ることができなくなった。 中国版ツイッター「微博」では、「私も一緒にいる」、「この新聞社は命知らず?」という書き込みが相次いでいる。 「南方週末」自身は、事前検閲の中止を勝ち取り、通常業務に戻っている。 一方、報道の自由を巡って周囲の熱気が冷めない状況で、間接的に意見を示すメディアも多い。 大手ポータルサイト「新浪網」や「網易」のニュースサイトでは、複数の見出しの頭文字をつなげると「南方週末頑張れ」と読めるようにニュースを並べた。

湖南紙「瀟湘晨報」は 9 日、党中央宣伝部の命令を受けて、愛国的な主張を展開する「環球時報」の社説を転載。 「中国でメディアが政府に対抗すれば、必ず敗者になる」とする内容だったが、その横に「ネズミ、ゴキブリ、ノミ、蚊よ、さようなら」とする殺虫剤の広告を掲載した。 広告は転載社説の約4倍の大きさで、「うまいことやった」、「勇気がある」とネットで話題になった。

南方週末を社説で批判した環球時報に対しては、ここ数日、反発が強まっている。 微博で不買運動を呼びかける書き込みや同紙を踏みつける写真が次々に掲載された。 同紙の編集長が微博の自らのアカウントで 10 日、「社説が故意に引き伸ばされてネットに転載されている」と弱音とも取れるコメントを書き込んだ。

1,924 万人のフォロワー(読者)を持つ中国の女優の李冰冰さんによる「南方には暖房がないけど、みなさんお大事に。 春の到来を期待します。」という書き込みは、多くの人が転送した。 一方で、環球時報を「番犬」と呼ぶなどしていた台湾出身で中国でも活躍する女優で歌手の伊能静さんは 10 日、当局の任意聴取を意味する「お茶飲み」に行ったと、微博に自ら書き込んだ。 この話題の拡大を防ごうとする当局側の動きのひとつと見られる。 (広州 = 小山謙太郎、asahi = 1-12-13)

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新京報「南方のおかゆ、勇敢」 改ざん問題で暗黙の抗議

【北京 = 奥寺淳】 9 日の新京報は、中国共産党宣伝部の圧力に屈し、環球時報の社説を転載する一方、グルメ欄で、南方週末と中国語の発音がよく似た「南方のおかゆ(南方的粥)」を紹介する記事を掲載した。 南方の大地から来た温かいおかゆは、「勇敢な心のようだ」とつづり、言論の自由を求めて当局に抗議する南方週末に暗にエールを送った。

このコラムは、ページをめくると「南方的粥」という見出しが目に入る。 北京の新聞に突然、南方のおかゆが紹介される不自然さもあり、すぐに南方週末の事件を連想させられる。 冒頭は「今年はここ数十年で最も寒い冬だ」と始まり、南方週末や新京報が当局の圧力で紙面の内容を変更させられる厳しい状況にあることを示唆。 それでも、温かいおかゆを食べれば、体が温まり、希望が出てくるとつづられている。

コラム自体は 1 ページを使った長い文章だが、書き出しと結びに、南方週末への支援を示唆する言葉をちりばめ、暗黙の抗議をしたと受け取れる内容だ。 (asahi = 1-10-13)

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共産党の指示で全面書き換え 憲政求める中国紙特別号

【北京 = 奥寺淳】 中国紙・南方週末の新年特別号が、共産党宣伝部の指示で全く異なる紙面につくり替えられ、記者らが抗議している。 「憲政を元にした改革の夢」は、習近平(シーチンピン)総書記が訴える「中華民族の偉大な復興の夢」に書き換えられた。 記者らはボツになった原文を公開した。

問題の紙面は 3 日発売の特別号。 恒例の新年の祝辞として、同紙の特約評論家が「中国の夢 憲政の夢」と題する文章を書いた。 だが同紙関係者などによると、広東省党委の宣伝部長が直接的に書き直しを指示。 冒頭部分は少なくとも 5 度変更させられ、「夢とは当たり前のことを承諾すること」になった。 個人の署名も「南方週末編集部」に変えられ、中華民族復興の夢は「これまでよりもずっと近くにある」との表現で発行された。

法がおろそかにされがちな現状を改め、憲法に基づく法治国家の実現や、自由や正義を求める論調はことごとく削除。 「国家が良くなることで、みんな(の生活)も良くなる」との共産党のフレーズに置き換わった。 反日デモの理性的な愛国者に関する報道も削除された。 (asahi = 1-5-13)


中国・太原市の局長解任へ 息子の飲酒運転もみ消し図る

【上海 = 金順姫】 13 日の新華社通信などによると、山西省太原市の李亜力・公安局長の解任が決まった。 李氏の息子は昨年 10 月に飲酒運転の摘発を受けた際、警官を殴ったとされる。 李氏は取り締まりの警官に休暇を取るよう要求するなどしてもみ消しを図り、警察の職務を妨害したとされた。 こうした情報がネット上に出回り、李氏は停職処分となって取り調べを受けていた。 (asahi = 1-13-13)


中国 KFC で「速成鶏」 抗生剤・成長剤を過剰投与

【上海 = 金順姫】 ファストフード大手のケンタッキー・フライド・チキン (KFC) の中国の店舗で、過度に成長を促された鶏が使われていた問題が発覚した。 KFC の運営を手がける米ヤム・ブランズ社の中国事業部は 10 日、「問題を外部に迅速に知らせなかった」などとして消費者に謝罪する文書を発表した。

問題の鶏肉は、山東省の業者が出荷した。 養鶏場でえさをより多く食べさせるため 24 時間照明を点灯し、過剰な抗生物質や成長促進剤を投与。 孵化して 45 日程度で成長させて大量に出荷していたとみられる。 中国メディアは「速成鶏」事件と報じた。 KFC 側は、2010 - 11 年に検査機関に依頼して調べた鶏肉から、基準を超える抗生物質が検出されたにもかかわらず、当局への報告や公表をしていなかった。 また、12 年夏まで同じ業者から鶏肉を調達することをやめなかった。 (asahi = 1-11-13)


中国で地滑り、46 人生き埋め・38 人死亡

【北京 = 大木聖馬】 中国中央テレビによると、中国南西部の雲南省昭通市鎮雄県で 11 日朝、地滑りが起き、14 世帯の家屋などが土砂にのみこまれて子ども 19 人を含む 46 人が生き埋めとなった。

現場で救出作業が続いているが、夜までに 38 人の死亡が確認された。 習近平総書記は同日、被災者の救出作業を急ぎ、二次災害の発生を防ぐように指示を出した。 地滑り現場から約 150km 離れた同市内の 'い良県' では昨年 9 月、80 人以上が死亡した最大マグニチュード (M) 5.7 の地震が発生した。 (yomiuri = 1-11-13)


中国規律検査委、昨年 1 年で 16 万人処分

【北京 = 林望】 中国共産党員の不正を取り締まる党中央規律検査委員会などは 9 日、2012 年に処分した官僚・党員が 16 万 718 人に上ったと発表した。 昨年より 2 万人近く増え、賄賂などの汚職で処分された党員も 3 万人を超えた。

昨年は巨額収賄や職権乱用などで党籍を剥奪された薄熙来・元重慶市党委書記や、劉志軍・前鉄道相ら党高官の腐敗事件が相次いだ。 収賄のほか、食品や薬品の安全管理、不正な公共料金の取り立てなど 130 万件の情報提供を受け、地方都市のトップクラスの高官も約 4,700 人が処分を受けた。 (asahi = 1-9-13)


裁判なしで「懲役刑」 中国、労働教養制度を廃止へ

【北京 = 林望】 中国の悪名高い「労働教養制度」が年内に廃止される見通しとなった。 警察・司法機関を総括する共産党中央政法委員会トップの孟建柱書記が 7 日の幹部会議で表明した。 同制度は、警察などの行政機関が政治犯や軽犯罪の容疑者らを対象に、裁判所の判断を経ずに最長 4 年間の身柄拘束と強制労働を科すことができる。

複数の中国メディアが伝えた。 昨年 11 月に発足した習近平(シーチンピン)体制は、党の直面する課題に「法治」実現を掲げており、「人権侵害の温床(中国の人権活動家)」とも言われながら温存されてきた同制度の廃止を通じ、憲法が定めた権利の実現に向けた強い姿勢を示そうとしているとみられる。

1957 年に始まった同制度は、警察が実質的な「懲役刑」を科すことができるもので、工場や農場を併設した労働教養施設に収容される。 中国紙によると、麻薬常習者をのぞく収容者は多い時で約 30 万人、2012 年で約 6 万人に上っている。 処分の基準が明確でないため、人権侵害や警察権力の暴走を招くとして、中国内でも見直しを求める声が高まっていた。

ただ、人権活動家らは手放しで評価はしていない。 2007 年に制度廃止を求める建議書を発表した発起人の一人、法学者の賀衛方氏は「法治の実現に向けた重要な一歩」としつつ、「司法が党から独立しなければ意味がない」と指摘した。 また、薄熙来・元重慶市書記を批判する詩をネット上で公開したとして 11 年に 1 年間の労働教養処分を受けた元公務員の方洪氏 (46) は「政府を批判する人間を精神病患者として病院に送り込むなど、弾圧の手段は多く残っている」と警戒を解いていない。 (asahi = 1-8-13)


中国の工場から有害物質流出 川へ 8 トン、5 日後に報告

【北京 = 奥寺淳】 中国国営の新華社通信によると、中国山西省長治市の化学工場で昨年末にパイプが破裂し、染料などに使われる有害物質アニリン 8.7 トンが川に流れ出す事故があった。 しかし、省政府が企業から通報を受けたのは事故から 5 日後とされ、隠蔽との批判が高まっている。

事故があったのは、昨年 12 月 31 日朝。 工場職員がアニリンを輸送するパイプが破裂し、漏れているのを見つけた。 アニリンが流れ出た恐れがあるのは川の下流約 80 キロに及ぶとみられ、流域に 28 の村があるという。 下流の河北省邯鄲市で断水措置が取られ、市民がスーパーで飲料水を買い付ける騒ぎになった。 企業側が当局に通報したのは、5 日になってからとされる。 これを受け、6 日、化学工場の社長ら 4 人が解任されたと発表された。 (asahi = 1-7-13)


「黄信号は止まれ」 6 日で撤回 中国の規制、市民が反発

【北京 = 奥寺淳】中国で 1 日から新交通規制が施行され、黄信号で交差点に入ったら赤信号無視として扱うと厳格化された。 ところが、「それじゃ、赤信号と同じだ」と市民からの反対意見が殺到。 公安省は 6 日、急きょ軌道修正し、黄信号違反で当面は罰則を科さないと発表した。

北京紙・新京報などによると、今回の規制ではナンバープレートを隠す行為や飲酒運転などの取り締まりを強化。 「史上最も厳しい交通規則」と物議を醸した。 特に黄信号違反の規定が厳しく、持ち点 12 点のうち 6 点の減点。 黄信号になってから、止まりきれずに交差点内に入れば、赤信号違反となるため、「急ブレーキをかけるので逆に危険だ(タクシー運転手)」などと不満が集中した。

このため公安省は 6 日、黄信号の新規定は当面罰則を科さないと全国に通知。 「教育的な警告」をドライバーに与えることにした。 中国では車線変更や信号無視、赤信号でも交差点に進入するなどの交通違反が常態化している。 公安省は交通事故死者を減らそうと新規制を導入したが、急に厳しくしすぎて市民に受け入れられなかった形だ。 (asahi = 1-7-13)


ハルビン国際氷雪祭 零下 20 度、「釣魚島」もテーマに

【ハルビン = 石田耕一郎】 中国黒竜江省ハルビンで 5 日、各国の氷像や雪像制作者が技術を競う世界最大級の「ハルビン国際氷雪祭」が始まった。 今年は「中国の領土」を守る兵士像が登場、「釣魚島(尖閣諸島の中国名)は昔から中国領だ。 国を守る鋼鉄の意志を雪で表現した。」との表示が添えられた。

メーン会場の「氷雪大世界」では、計 32 万立方メートルの氷雪を使った「建築物」が並ぶ。 中国各地や日米のほか、韓国やロシア、カナダの技術者も制作に関わったという。 各会場の氷雪像は夜間にライトアップされる。 零下 20 度の寒さだが、地元住民や観光客が幻想的な雰囲気を楽しんでいた。 開催は 2 月末まで。 (asahi = 1-6-13)


習総書記が貧村視察 イメージ戦略に冷ややかな目も

【北京 = 林望】 中国共産党の機関紙、人民日報など中国主要紙は 31 日、習近平(シーチンピン)総書記が貧しい農村に足を運び、脱貧困と脱腐敗を誓う様子を一斉に伝えた。 弱者に寄り添うイメージ戦略とみられる。 ただ、中央の指導者が地方官僚を懲らしめるスタイルに限界を指摘する声もある。

習氏は 29、30 の両日、中国北部河北省の農村を視察した。 国営新華社通信は「中国版ツイッター」の微博も使ってリアルタイムで報じた。 零下 10 度と冷え込む中で農家に上がり込んだ習氏は、「年収はいくらか」、「暖を取る炭は足りているか」などと声をかけた。 ある村では、貧困対策の予算の不正流用問題に関して、「犯罪であり、私は怒りを感じている。 必ず一掃しなければならない。」などと強い言葉で地方組織の幹部を戒めた。 (asahi = 12-31-12)


中国、ネット実名を義務化 市民の言論に影響も

【北京 = 林望】 中国の国会に当たる全国人民代表大会(全人代)常務委員会は 28 日、インターネットユーザーの「実名登録制」など、ネットの管理強化の義務化を決定した。 個人情報の保護が目的だが、権力の監視役を担っている「ネット世論」を萎縮させかねないとの懸念が出ている。

「ネット情報保護の強化に関する決定」によると、ネット上に企業の顧客名簿が流出したり、個人のプライバシーが暴露されたりする問題が深刻化しているとして、ユーザーの身元管理を強化するため、メールやサイトを利用する際、実名で登録することを義務づけた。 今後、関連法規が整備される見通しだ。 (asahi = 12-28-12)


中国で新生児ら子ども 89 人救出 誘拐グループ摘発

【上海 = 金順姫】 中国公安省は、売買目的で子どもたちを誘拐していた九つの犯罪グループを摘発、容疑者 355 人を逮捕し、新生児ら 89 人を救出したと発表した。 犯罪グループは誘拐や売買、移送などで役割を分担し、暴利を得ていたという。

国営新華社通信系のサイト「新華網」によると、公安省などは 18 - 24 日、福建省、雲南省、安徽省など 9 省で集中取り締まりを実施。 7 回転売され、最終的に約 6 万 3 千元(約 85 万円)で売られた生後 1 カ月の赤ちゃんも見つかった。 助けられた子どもたちは、DNA 鑑定などを経て両親のもとに返される見通しだ。

また、中国中央テレビは 25 日、四川省でへその緒がついたままの新生児が助け出される様子を放映した。 公安省関係者は中国メディアに対し、事件の背景として「買い手の需要が大きいため」との見方を示している。 (asahi = 12-27-12)