「オバマ氏すごい」中国版ツイッター 米大統領 2 期目就任式

中国の複数の大手ポータルサイトは、オバマ大統領の演説を動画で配信。 中国版ツイッター「微博」では「オバマ氏の政策は気に入らないが、国民を奮い立たせる力はすごい」と、自らの言葉で語る指導者へのあこがれをにじませる書き込みが目立った。 中国政府や専門家は 2 期目のオバマ政権を慎重に見極める姿勢だ。

米中は、オバマ政権 1 期目に「新しい大国関係」の構築で合意した。 「個別の問題を両国関係の全体に影響させない(崔天凱・外務次官)」ことが主眼だったが、中国は最近、尖閣諸島や南シナ海問題で米国が関与を深めようとしていると見て、いらだちを募らせている。 (北京 = 林望、asahi = 1-23-13)


世襲問題に中国人共鳴? つぶやき分析、目立つ政治不満

【守真弓】 「中国の庶民はなんと無力なことか。」 「どれだけ汚職官僚がいるんだ。」 「日本の 10 倍世襲が多い。」 中国で活動する日本企業に微博の情報を提供しているプラップチャイナ(北京)の協力を得て、大手 4 社の微博上のつぶやきを分析したところ、中国の社会や政治に対する様々な不満が浮かび上がった。

日本の総選挙の結果が大々的に報じられた後の 12 月 19 日、「日本総選挙」という言葉がつぶやかれたのは 863 回。 そのうちの 3 割以上が「CCTV (中国中央テレビ)」、「世襲」、「コナン」といった言葉と一緒につぶやかれた。

実はこれらの言葉は、すべて同じ文脈で使われていた。 CCTV が選挙で勝利した自民党の安倍晋三総裁を紹介する際に、中国で人気の日本アニメ「名探偵コナン」の一場面を引用した。 劇場版の「ベイカー街の亡霊」で、登場人物が「政治家の息子は政治家」と話すシーン。 日本の世襲を批判する意味合いで使われたのだが、これが微博上で大評判となった。

その中には「習仲勲 - 習近平」というつぶやきもあった。 中国共産党の総書記に就いた習近平(シーチンピン)氏の父、仲勲氏が元副首相だったことから、「中国だって世襲だ」という意図を込めたと見られる。 「国営放送だが、高度に風刺的だ」といううがった見方を示すつぶやきも。 韓国の大統領選に触れて、国内では選挙でリーダーを選べない不満を表すつぶやきもあった。

12 月 7 日から 4 日間、「釣魚島(尖閣諸島の中国名)」、「環境問題」など、微博上で多く話題に上っていたキーワード 30 語を含むつぶやきを分析したところ、特に「物価」と「収入」への言及が目立った。 物価上昇と収入減少は、セットで語られる傾向にあった。

物価に関連して、最も多い 1,328 回も転載されたつぶやきは「中国の民衆はなんと無力か」と物価上昇や老後の生活を嘆く書き込み。 「給料が年間 11% 上がり、大学生の就職率も 99% だという CCTV の報道のような生活ができたらどんなにいいか」というコメントも多く転載された。

このほか目立ったのは「官僚」の話題。 「愛人」、「腐敗」と一緒につぶやかれる言葉の上位にも「貪官」、「官員」といった官僚を意味する言葉が並び、批判の強さが際だった。 ただ、官僚関連のつぶやきには「面接」という言葉も多かった。 批判の一方で、志望者も多いようだ。

劉志明・中国社会科学院メディア調査センター長は「金融危機の際の刺激策の資金が腐敗官僚に流れ、腐敗の規模が膨大化した」と指摘。 「給料は物価ほど上がらず、生活が苦しくなったのは腐敗官僚のせいだという認識が共有されている」とみる。 (asahi = 1-2-13)

微博の質問に対する回答

微博に中国語の質問を投稿。 多くの答えが寄せられました。

質問 (1) 中国では安倍首相の世襲が話題だそうですが、世襲についてどう考えますか?

  • 完璧な政治制度はない。 能力があれば問題ない。 米国のブッシュ元大統領も世襲だ。
  • 中国の世襲は日本より深刻。 日本や韓国との違いは民主的な選挙がないことだ。
  • 世襲が続けば国は腐る。
  • 中国では世襲より問題なのは、賄賂だ。

質問 (2) 日中関係を改善するにはどうすればいいですか?

  • 唯一の道は中国に対して戦争の賠償をし、徹底的に侵略戦争の問題を解決することだ。
  • 毎日(中国の)テレビで流れる抗日ドラマを止めてほしい。 愚民教育をやめること。
  • 中国が発展を続け、日本をはるかに超越したとき、自然に問題は解決する。
  • 米国の軍隊を米国に返すこと。
  • (中国は)日本を含む世界各国から学び、先進的なことを取り入れるべきだ。 特に自由民主と立憲政治。
  • 日本がビザをとりやめ、中国の若者が日本に行きやすくし、理解を深められるようにすること。
  • 日本人は我々を挑発したり、差別したりしないでほしい。 同時に中国も人権を高め、法制度のレベルを上げなければ、他国に尊重してもらえない。
  • 民間交流。 草の根交流だけが、国家に対抗できる。
  • 釣魚島(尖閣諸島)を中国に返すこと。
  • 中国人は日本の過去の過ちだけを見る。 日本人は中国の将来の脅威だけを見る。 どちらも不健康だ。

尖閣と反日デモの話題が最多 中国のネット書き込み

【北京 = 奥寺淳】 中国のインターネットで 2012 年に最も多く書き込まれた話題は「釣魚島(尖閣諸島の中国名)と反日デモ」。 中国の政府系シンクタンク、中国社会科学院のネット世論分析調査で 19 日、こんな結果が出た。

同科学院が、11 月上旬までの中国版ツイッター・微博など主要なソーシャルメディアの書き込みを調べた。 尖閣諸島と反日デモに関する書き込みは約 1 億 7,740 万件。 2 2位のロンドン五輪(7,580 万件)、3 位の有人宇宙船「神舟 9 号」と無人宇宙実験室「天宮 1 号」との初ドッキング(3,920 万件)を引き離した。 4 位はフィリピンとの間で争いがあるスカボロー礁(中国名・黄岩島)と南シナ海(1,880 万件)。 領土問題など愛国への感情が高まったのが特徴だ。

調査の報告書は、12 年に燃え上がった愛国主義は 08 年と違うと指摘した。 当時は、北京五輪の聖火リレーが批判されたことから、仏流通大手カルフールなどの不買運動が起きたものの全体としては平和的な抗議だったからだ。 これに対し 12 年は「ネットユーザーのストレスや怒りが噴き出した」と分析。 9 月に陝西省西安など多くの都市で反日デモが起き、日本車や日系デパートが襲われたことにも触れた。

ただし、湖南省で日本車を破壊するなどし拘束された若者 47 人のうち、12 人は尖閣諸島の場所すら知らなかったとの話も紹介し、「暴力の裏には、貧富の格差に反対する市民の訴えがある」とも言及した。 政府に反省を促し、希望を失った社会の弱者を救わねばならないと結んだ。 (asahi = 12-19-12)


【中国 BBS】 なぜ日本は中国ばかりいじめるの?

中国のネット掲示板で、「なぜ日本は中国ばかりいじめるの?」というタイトルのスレッドが立ち上がり、さまざまなコメントが寄せられている。 日中戦争などの歴史的経緯や、尖閣諸島問題(ほとんどの中国人は「中国固有の領土を日本が奪おうとしている」と認識)により、日本は中国を "いじめている" と捉えている中国人は少なくない。 スレ主が「韓国やロシアをいじめようとはしないのに、なぜ中国ばかりいじめてくるんんだ?」と質問すると次のようなコメントが書き込まれた。

・「中国はいじめやすいってことじゃないの。」
・「我が国の人民は平和を愛しているからだろう。」
・「石原慎太郎なんて中国にばかり文句言ってくるけど、ロシアに対しては何も言わないもんな。」

ロシアの強硬さを羨むような声もあった。

・「ロシアのメドベージェフのように、ヘリコプターで島に上陸する気概を胡錦濤にも持って欲しかったなあ。」
・「プーチンなんて、『領土問題に話し合いはいらん、戦争しかない』って感じだもんな。」
・「国力の問題か、あるいは先祖代々の恨みなのか。 オレにはよく分からん。」
・「国内の問題から国民の目を逸らそうとするとき、中国はなぜアメリカや韓国ではなく日本を利用するんだろう。」

韓国に対しても、次のようなコメントがあった。

・「日本は韓国とも領土問題でもめてるよ。 国家間でいさかいがあるのは当たり前。」
・「韓国人たちは団結力が強いから、日本も手を出せないらしい。 学校の校長先生がそう言ってた。」
・「そうこうしていると、今にロシアも日本も中国も全部韓国人のモノにされちまうぜ。」

日本人から見ると中国はかなり強硬に見えることも多いが、中国人の目には意外にも「自国政府は弱腰」と映っているようである。 (サーチナ = 11-28-12)


【中国ブログ】 数字に表れないわが国への感情「日本人の美徳」

内閣府が 24 日に発表した「外交に関する世論調査」によると、中国に対して「親しみを感じる」、「どちらかというと感じる」と回答した日本人は昨年比 8.3% 減の計 18% となった。 中国人女性の「黄文〓日本印象(〓は火へんに韋)」さんは尖閣諸島(中国名 : 釣魚島)問題で対立が深まっている時期に行われた調査について、「なぜこんな時期に実施したのか」と疑問を呈し、自身が観察した「数字に表れない日本人の感情」についてブログにつづった。

黄文〓日本印象さんは「こんな結果は誰もが予想できたし、意味がない」と苛立ちを見せる。 「日本人の中国への感情は数字で説明できない」と述べ、その理由として日本人は「共産党」と「中国人」、「中国の現状」と「中国文化」は分けて考えているからと説明した。 それゆえ、中国への感情が悪化している最中でも日本人は中国語を学び、友人として中国人と付き合う人がいることを指摘、これは「日本人の美徳」と称賛、日本人はとても柔軟に情況に対応できると分析した。

黄文〓日本印象さんは現在、日本政府に対抗して中国政府が世論調査を行うことを案じているという。 なぜなら中国で調査が行われれば、両国の対立をより深める結果が出ることは疑う余地がなく、それゆえ「なぜ日本政府はこんな時期に調査をしたのか」と疑問を呈したのだ。 国家間では好きか嫌いかは必要なく、利益の有無があれば良いと語り、グローバル化する時代にあって、「国籍を超えた個人の交流こそがより重要な意味を持つ」と主張した。 (サーチナ = 11-27-12)


【中国ブログ】 実は政府批判「もし中国が日本に負けていたら?」

中国人ブロガー「允厥執中」さんは、「もし中国が日本に負けていたら …、きっとこんな恐ろしいことになっていたはず!」というタイトルでブログを書いている。

ブログ画面には、東京裁判の様子を劇画的に再現した写真が張られている。 どうせまた日本の悪口が書かれているのだろう、と思って読み進めると、あれれちょっと様子が違う。 日本が勝っていた場合を仮定して書かれていたのは、「ネット上にファイアーウォールを作って外国サイトをシャットアウト。 日本政府を批判する記事はすべて削除」、「毎晩 7 時に全国統一のテレビニュースがあり、『天皇陛下の支配の下、中国人民はとても幸福に暮らしている』と放送される」などなど。

10 本の箇条書きで書かれているが、ほかには「妊婦を強制的に堕胎させる」、「国民に下水油を飲ませ、赤ん坊には毒ミルク」というものも。 これ、全部現代の中国で行われて問題になっていたことでは …。 ブロガーは日本を批判する風を装って、実は痛烈に中国社会を皮肉っているのだ。

ブロガーも指摘している通り、中国では政府に批判的な文章をウェブ上に掲載すると削除され、最悪の場合逮捕や投獄などのリスクがある。 そこで堂々と叩いても許される日本をダシにして、政府批判をしているのだろう。 日本人としては少々複雑な気持ちになるが、そういうことなら「もっとやれ!」とブロガーを応援したい気になる人もいるのではないだろうか。 (サーチナ = 11-23-12)


パナソニックの大量削減、テレビで惨敗の中国にも波及か = 中国報道

中国メディア・中国新聞社は 21 日、パナソニックが先日 1 万人規模の人員削減を発表したことについて、中国の業界内から「テレビ事業の低迷により、中国地域にも計画が波及する」との見方が出ていることを報じた。 記事は、松下電器(中国)が「中国のテレビ事業における人員削減通知は受け取っていない」とコメントする一方で、「影響は避けられない」と語る業界アナリストがいたことを紹介した。

中国でも人員削減の影響が出る理由として、記事は同社の中国でのテレビ事業が思わしくないことを挙げた。 中国家電協会の徐東昇事務局長は、ここ数年振るわない日系企業のテレビ事業の中でも「経営能力が低く、業界が液晶技術に集中するなかでプラズマ技術に固執するなど市場トレンドを見誤った」同社の業績がもっとも悪いと説明。 「悲惨な状況を変えるには、然るべき行動をとる必要がある」と語った。

徐事務局長はさらに、同社が中国エリアの人員削減を行うようであれば、今後ほかの日系家電企業に対しての模範的作用が働く可能性があり、ほかの企業の動きを「なおも注視する必要がある」と語った。 (サーチナ = 11-21-12)


【中国 BBS】 日本アニメ「若者に悪影響」として中国で制限対象に

中国大手検索サイト百度の掲示板に「日本アニメは中国の若者に悪影響を与えるため制限されるらしい」というスレッドが立てられた。 スレ主の伝えた情報について中国のネットユーザーが議論を交わした。

アニメや漫画は日本が世界に誇るキラーコンテンツであり、中国でも日本アニメの人気は高い。 スレ主によれば、中国の国家広播電影電視総局の高官が、「多くの若者が日本アニメにのめり込み、中華文化の発揚をないがしろにしているため、中国中央電視台 (CCTV) では日本アニメの放送を制限することにした」と述べたという。 実際、中国のテレビでは現在、日本アニメをほとんど見かけなくなったらしい。

日本アニメの制限に対して、中国人ネットユーザーからは、
・「国家広播電影電視総局が言う中華文化というのはパクリ文化のことですか? それは大いに発揚しなければ!」
・「わが中国の大いなるパクリ文化のことですね」
・「中国は良い作品を作れないからパクリとボイコットで押さえつけるのだ」

日本アニメを制限する理由については、「主な理由は国内のアニメ産業を保護するためだろう」という意見があった。 また中華文明の発揚という点については、「文化の衝突だからな。 国内文化は確かに発揚すべきだ。」と国家広播電影電視総局を支持するコメントがある一方で、「こういう方法での文化発揚は間違っている! まったく不愉快だ。」というユーザーもいた。

そのほかの意見には、「なぜゴミのような韓流ドラマを放送禁止にしないんだ!」 「ネットで見るから、テレビの制限なんて関係ない。」 「今はほとんどのテレビ局で抗日ドラマを流して鬱憤を発散しているね」などのコメントがあった。 (サーチナ = 11-20-12)


【中国 BBS】 日本製の不買、中国企業が業績悪化でトーンダウン

中国大手検索サイト百度の掲示板に「日本製品の不買運動が本当に日本経済へのダメージにつながると思っているのか?」というスレッドが立てられた。 スレ主の質問に対して、中国人ネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。

尖閣諸島(中国名 : 釣魚島)をめぐる対立から、中国では消費者による日本製品の不買運動が盛り上がったほか、政府レベルではレアアース(希土類)の輸出制限を行う動きが見られた。

しかし、中国で販売されている日本製品の多くは中国企業との合弁によって生産されている製品であるため、不買運動が中国企業の業績を悪化させている。 また、日本は中国に代わるレアアース供給国を開拓し、リサイクル技術の開発を進めていたため、レアアースを切り札としようとした中国政府の目論見は大きく外れ、中国国内のレアアース企業は価格下落に苦しんでいる。

スレ主は、ネット上に掲載された日本経済に関する評論記事のリンクを紹介。 同記事によれば、日本経済の底力は多くの中国人の想像を超えており、侮れないという主張がなされており、スレ主は「日本製品の不買が日本経済へのダメージにつながると考えるのは単純すぎる」と述べた。 スレ主の主張に対して次のようなコメントが寄せられた。

・「日本製品を 1 年間買わなければ日本は滅びる、日本経済は崩壊する、などといった主張を耳にするが、頭の悪い愛国青年に経済が分かるはずもない。」
・「日本の工場はタイに移転したほうが良いね。 中国だと税金をたくさん取られるし、不当な扱いを受けるから。」
・「オレは日本企業に撤退してもらいたいと思っている。 そうすれば合弁生産による日本製品を買わなくて済む。 安心して使える高品質の日本製品は、値段が高くても日本からの輸入品に限る。」

また、「中国メディアはプロ意識に欠けるし、意図的な誘導があるから、多くの人が誤解してしまう。」 「国内メディアはいつもこうだからな。 バカではないがプロでもない。」などの意見があった。 ほかには、「本当にスゴイのはブランドではなく、完備されたシステムと豊富な人材だ。 日本の工業は基本的に部品製作の技術で優れており、世界の多くの国で作る機械の部品は日本から提供されたものだ。 日本がなければ作れなくなる。」という冷静なコメントもあった。 (サーチナ = 11-19-12)


【中国 BBS】 不買運動は収束? 日本製購入の告白に支持の声

中国大手検索サイト百度の掲示板に「悩んだ挙句に日本メーカーの携帯電話を買ってしまった」というスレッドが立てられた。 スレ主の告白に対して、中国人ネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。 尖閣諸島(中国名 : 釣魚島)をめぐる対立を受け、中国では日本製品の不買運動が広がった。 消費財を生産する日本企業の多くが不買運動の対象となり、各企業の経営にも大きな影響が出るなど、日本企業として中国戦略の見直しを迫られている。

スレ主は携帯電話を購入するうえで、サムスンはユーザー数が多いことが気に食わず、iPhone は高価すぎて購入できず、中国メーカーは性能で劣るため、消去法の結果としてソニーの携帯電話を購入してしまったと述べ、日本製品を買うことは愛国に反することではないと主張した。 スレ主の主張に対して次のような意見が寄せられた。

・「自分の好きなものを買えば良いだけ。.」
・「なぜそんなに言い訳をたくさんしてるのだ? 好きなものを使うのに誰の許可が必要というのだ? 日本製品を使うのが罪ならばオレは大罪人だ。」
・「オレは国を愛している。 しかし党は愛していない。 だから国産品は買わない。 オレは日本が好きだ。 だからまず日本製品から買う。」

などといった意見が目立つ。 日本製品の不買を呼びかける声は収まりつつあるようで、意外にもスレ主の行動を支持するというコメントが大勢を占めた。 一方で、スレ主の行動を非難する意見も存在し、「日本製品を買うのはまだ良い。 買ってからこういうスレッドを立てるというのはどういうわけだ? 日本製品を買うことが光栄なことだとでも思っているのか?」というコメントもあった。

だが、日本製品を支持するユーザーは多いようで、「オレはずっと日本製品を使っている」、「ギターは日本のメーカーだ」、「ピアノは日本製を買った。 それとパソコンも。」などのコメントがあった。 ほかには、日本製品は比較的安くて品質が良い、中国製の品質が良ければ外国製なんて誰も買わないのに、などのコメントがあった。 (サーチナ = 11-13-12)


北京マラソン登録問題 「やりすぎ」批判考慮か、サイトに書き込み相次ぐ

北京国際マラソンで日本人選手の登録が 11 日までに一転して可能になった背景には沖縄県・尖閣諸島をめぐり中国政府が続けている対抗措置について中国国内でも「やりすぎ」との批判が出ていることがある。 こうした声は一定の世論を形成しており、当局としても無視できなくなったようだ。 国際陸上競技連盟も対処する姿勢を示していたことから中国側が国際問題に発展することを懸念した可能性もある。

中国の短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」は日本メディアの報道を次々と転載、利用者からは支持の書き込みの一方「五輪を開催した街としてみっともない」、「組織委員会は頭が悪すぎる」との批判が相次いだ。 中国は日本政府の尖閣国有化以降、文化・学術交流を全て中止。 東京国際映画祭への参加も拒否した。 政府系研究機関の研究者は「自国にダメージを及ぼす政策は直ちに見直すべきだ」と指摘した。 (kyodo = 11-11-12)


【中国ブログ】 中国の不買運動、台湾メーカーも対象になった理由

中国では尖閣諸島(中国名:釣魚島)の領土問題が発端となって、日本製品の不買運動が見られるが、インターネット上ではカップ麺メーカー「康師傳」商品の不買運動も呼びかけられている。 台湾の会社である「康師傳」がなぜか日本企業と誤認され、不買運動の危険にさらされる情況に対し、中国人ブロガーの「王永」さんは盲目的な不買運動をやめるように促した。

まず筆者は日本車に乗っていた中国人が襲撃された事件を取り上げ、それが「理性の欠けた愚かな行ない」と非難、理性ある思考によってのみ正しい行動が保証されると述べた。 さらに「日本が投資する企業と日本企業とは別物」とし、「国際的な影響力を持つ企業であれば多国籍の会社が株を持ち合うのは普通のこと」と説明。 「もし愛国主義の名の下にこうした企業を攻撃するならば、中国メーカーを支持するという初志に背くこととなる」と警告した。

さらに筆者は「康師傳」のライバル社が今回の不買運動を煽っている可能性にも触れ、「1 人ひとりの中国人が冷静な思考で不買運動について考えてほしい」、さらに「責任感あるメディアが客観的に公正な報道をしてほしい」と自らの考えを述べた。 筆者は、もしも悪意から不買運動を煽っているならば、それは日本車に乗っていた中国人を傷つけた事件とまったく同じであり、「愛国」という外衣を着ながら仲間を痛めつけることなのだと主張した。 (サーチナ = 11-10-12)


【中国ブログ】 オバマ警告 … 尖閣を武力で取るなら中国滅ぼす

許戦勝さん(ハンドルネーム)はこのほど、「オバマが中国に警告した」とするブログを発表した。 中国が尖閣問題で「力に訴える」つもりなら、米国には中国を "苦も無く崩壊させる秘策" があるというものだ。 同様のブログは他にも多く掲載/転載されている。

中国国内では、「釣魚島(尖閣諸島の中国側通称)は中国古来の領土だ」、「日本は不法にも日清戦争終結時以来、釣魚島の占拠を続けている」と考え、日本に憤りを示す人が多い。 自国政府の主張をそのまま信じ、「悪いのは日本」と決めつける世論だ。 しかし、同問題については自国政府を「全面支持」する人々も、社会に広がる格差の問題や官僚の腐敗や特権階層化についての怒りを忘れたわけではない。

許戦勝さんは、「もし、貴国が釣魚島の問題で "手を動かすなら"、こちらには 6 つの方法がある。 一兵卒も使わずとも中国は壊滅するであろう。」と、米国のオバマ大統領が中国に警告したとのストーリー仕立てで、中国の高級官僚を皮肉った。

方法その 1 は「中国の官僚が海外にもつ資産を凍結する」、その 2 は「米国のパスポートを持つ官僚の名のリストを公開する」、さらに、「家族が米国に移住した高官家族のリストを公開する」、「ロサンゼルスにある(中国高官の)愛人村を摘発する」、「在米の中国高官の家族をグアンダナモ刑務所に収容する」、「リストラされた労働者や失業中の若者に、空中から武器を投下して与える」と、方法その 6 まで続く。

中国では、高官が家族を国外に留学させるケースがかなり多い。 それ自体は合法的だが、庶民には「特権の利用」と見える。 さらに、汚職などの犯罪と関係している場合も多く、「家族と資産を海外に移し、不正が発覚しそうになると、"身ひとつ" で国外に逃げる」ケースが連続して社会問題になった。

一方の国内では、満足な職がみつからず、苦しい生活を耐えねばならない人も多い。 「オバマ大統領の中国に対する警告」はフィクションではあるが、「これをやられたら、中国共産党はひとたまりもない」との現実感がただよう。

中国では、尖閣の問題について自国政府を支持するものの、国内の状態や体制については批判の意見を持つ人も多い。 尖閣諸島については、「世界のだれが見ても、中国領であると納得する証明法」として「パソコンを持って上陸すればよい。 ツイッターやユーチューブへの接続ができなければ、そこが中国領だ。 間違いない。」という皮肉が、書きこまれたこともある。 (サーチナ = 10-29-12)


抗日ごっこと貧困の末 … 日本車を襲った 21 歳 中国デモ

【南陽 = 奥寺淳】 地平線まで続くトウモロコシ畑は、収穫を終えたばかりだった。 中国河南省南陽。 ヤギや豚、鶏の鳴き声が響き合う農家に、出稼ぎ先の陝西省西安から蔡洋容疑者 (21) が予告なしに帰ってきたのは 9 月末のことだった。 様子が変だった。 インターネット上には、9 月 15 日に西安で起きた反日デモで、日本車に乗る中国人男性 (50) を襲った蔡容疑者の写真が出回っていた。 バイク用の U 字形ロックで男性の頭の骨を陥没させ、半身不随にさせていた。

トヨタ・カローラに男性と一緒に乗っていた妻は「日本車を買った私たちが悪かった。 もう二度と買わない。」と必死に許しを求めた。 が、車を守ろうと抵抗した男性に対し、蔡容疑者は容赦なく計 4 度、攻撃したことが、事件を撮影したビデオで分かっている。 蔡容疑者は自らが犯した行為について家族には「愛国のため」と強がっていたという。 南陽の農家に戻って 3 日後、連行され、傷害の疑いで拘束された。

彼を犯行に駆り立てたものは何だったのか。 「気の弱い子だった」と母親の楊水蘭さん (56) は言う。 でも、反日デモに参加した理由は思い当たる。 「小さいころから、(日本軍人が殺人や略奪を繰り返すシーンを強調した)抗日戦争映画やドラマが大好きな子だった」からだ。 村で悪者は誰かと聞くと、子どもたちは「日本人」と答える。 蔡容疑者も小学生のころ、同級生と抗日戦争ごっこをして過ごした。 こん棒を振り上げて、「日本鬼子(日本人の蔑称)をたたきのめせ」と畑の中を駆けた。

小学 5 年で学校はやめた。 1 日 30 元(約 375 円)で左官職人の見習いを始め、18 歳で西安へ。 収入の安定しない日雇い仕事などをしながらの「最下層の生活(父親)」だった。 事件に対する本人の供述内容などは明らかになっていない。 ただ、事件前のブログには「悲しい人生」、「勉強したい」といった文字が並ぶ。 隠れて上司の高級ドイツ車に放尿し、「爽快だ」とも書いていた。

「抗日ドラマ」若者染める

【西安 = 奥寺淳】 蔡洋容疑者 (21) が日本車に乗った中国人男性、李建利さんを襲った事件は、中国陝西省西安の城壁のすぐそばで起きた。 9 月 15 日午後 3 時半ごろ、1 万人以上に上った反日デモの一部が暴れ出し、路上の日本車を襲い始めた。 壁塗りの仕事を終え、自宅に戻る途中の蔡容疑者は路線バスを降り、興奮して輪に加わったようだ。

デモ隊が道を埋め尽くし、李さんのトヨタ・カローラは動きが取れない状態だった。 そこを、十数人の暴徒が取り囲んだ。 蔡容疑者は李さん目がけて突進した。 跳びはねて勢いをつけ、バイクに付ける U 字形の鉄のロックを李さんの頭にたたきつけた。 当時のビデオを見ると、バンと大きな鈍い音がし、その後も蔡容疑者は力いっぱい、頭を目がけて約 20 センチ大のロックを振り下ろしている。 李さんの体は崩れ落ち、血が地面を染めた。

蔡容疑者は周囲に「先に(李さんに)れんがで頭を殴られたので、カッとして殴った」と話している。 だが、目撃者によると、蔡容疑者はその後も、上半身裸になり、黙々とカローラを壊し続けたという。 今月 16 日、両親のもとに当局から通知があった。 故意に他人を傷つけた容疑で勾留した、とあった。

夕暮れ後の農家の裸電球の下で、母親の楊水蘭さん (56) は話した。 「学校では日本人は悪いと教わり、テレビをつければドラマの多くが抗日もの。 反日感情を持つなと言うのが酷だ。」 蔡容疑者は細菌兵器の実験をしていたとされる旧日本軍の 731 部隊が、中国人の子供の心臓を解剖して切り刻むとの設定のシーンがある抗日ドラマをよく見ていたという。

出稼ぎの不満、反日で発散

中国では抗日ドラマが量産されている。 昨年は確認されただけでも 12 シリーズ、計 396 回が新たに制作された。 23 日に全国放送される各地のテレビ局 40 局のうち、半数以上の 21 局が抗日戦争もののドラマを放映している。 9 月に西安で反日デモを組織した自営業男性は、学校の歴史教材やテレビの抗日ドラマ、メディアの宣伝を通じて自分たちに植え付けられた世界観は「反日、イコール愛国だ」と表現する。

豊かな沿海部の住民と比べ、義務教育も十分に受けられない内陸部の農村では、こうした政府の愛国教育や抗日ドラマの思想に染まる若者が圧倒的に多い。 さらに当局が反日デモの暴徒を制止しようとすると、「愛国無罪」と叫んで抵抗する姿も各地で見られた。

警察は反日デモ後、中国各地で日本車などを襲った暴徒の摘発に乗り出した。 その結果、山東省青島で日系スーパーを襲ったり、広東省深セン(センは土へんに川)で日本車を壊したりした若者も、蔡容疑者と同様に貧しい農村から出稼ぎに来た労働者が大半だったことが分かっている。 中国メディアは彼らが暴徒化した動機を「給料が安いなどの現実の不満を吐き出し、私憤をはらした(中国中央テレビ)」などと分析している。 (asahi = 10-24-12)

愛国主義教育〉 中国で江沢民国家主席時代の 1990 年代、当局が強化した教育重点事項。 小中学校で愛国を題材にした映画や歌、本それぞれ 100 作品を推薦することが決まり、毎学期に数回は抗日や革命を題材にした映画上映会も開かれるようになった。 全国に約 350 カ所ある抗日記念館などの愛国教育基地を見学することも定められた。


【中国 BBS】 中国が久石譲氏のコンサート拒否、ネットで反発の声

中国大手検索サイト百度の掲示板に「中国は久石譲のコンサートまで拒否したらしいぞ!」というスレッドが立てられた。 スレ主の伝えた情報について、中国のネットユーザーからさまざまな意見が寄せられた。

久石譲氏はスタジオジブリの作品の作曲を手がけるなど、日本を代表する作曲家であり、中国でも多くのファンを獲得している。 尖閣諸島(中国名 : 釣魚島)をめぐる対立で、上海で開かれる予定だった久石譲氏のコンサートが中国当局によってキャンセルとなった。

スレ主は、「芸術に国境はないのになぜ政治問題を絡めたのか」と述べ、キャンセルとなったことは非常に残念だと語ったところ、中国のネットユーザーから、次のようなコメントが寄せられた。

・「先生の曲が大好きなのに。 実に惜しい。」
・「これが中国という国だ。 寛容という言葉を知らない民族なんだ。」
・「中国は本当に人をムカつかせる。」

このように、スレ主同様残念だというコメントが比較的多く寄せられた。 しかし、「みんな誤解している。 久石先生が来たら、反日愛国青年に殴られて謀殺されてしまうかもしれないから、それを防ぐための処置だ。」という解釈もあった。 ほかにも今回の対応は理解できるという意見があり、「芸術に国境はなくても芸術家には国境があるからな」、「これは一種の態度なのだよ。 スレ主には理解できなくても当然だ。」などのコメントがあった。

そのほかの意見には、「われわれは礼儀を重んじる国だ。 こんな失礼なことをするわけがない。 スレ主は情報を間違えたに違いない。」というコメントや、「これは中国の損失であって久石譲の損失ではない」という意見もあった。 (サーチナ = 10-20-12)


「中日関係、理性取り戻せ」 中国の知識人らネット署名

尖閣諸島を巡る日中の対立を受け、中国の知識人が「中日関係を理性的なものに戻せ」と訴える署名活動をネット上で始めた。 署名に対して批判が寄せられる一方、民間レベルでの事態打開の動きとして、共感も広がっている。

呼びかけたのは、中国の言論や人権状況について発言を続ける女性作家の崔衛平氏 (56)。 仲間数人と 10 項目の文言を練り、4 日から公開した。 7 日夕の段階で、著名な人権活動家の胡佳氏や法学者の賀衛方氏のほか、各地の医師や報道関係者、学生ら 467 人が実名で署名した。

呼びかけは、9 月の反日デモが暴徒化したことについて「我々は非常に心を痛めている」と批判。 日本関連の本が一部書店から消えるなど、文化や経済面に影響が及んだことについて「極めて賢明さを欠く」と強調し、中国政府に「民衆が理性的に考え、行動するよう導く責任がある」と注文した。 (asahi = 10-8-12)


【中国 BBS】 日本はアジアで孤立? ネットでは「わが国が孤立」

中国大手検索サイト百度の掲示板に「今の日本はアジアで完全に孤立しているよね?」というスレッドが立てられ、スレ主の主張に対してさまざまな意見が寄せられた。

スレ主は、フィリピンで起きたマニラ大虐殺ゆえにフィリピン人は日本を心から憎んでおり、中国とは尖閣諸島(中国名 : 釣魚島)の問題、韓国とは竹島(韓国名 : 独島)問題、ロシアとは北方領土の問題があり、インドとだけは関係が良いが地理的に離れていると主張。 日本は四方を囲まれ、まさに四面楚歌だと述べている。 スレ主の主張に対し、中国のネットユーザーからは、次のような反論が寄せられた。

・「フィリピンと関係が悪い? フィリピンは在中の日本企業を多く受け入れているよね。」
・「日本とフィリピンの関係はとても良好だと思うけど?」
・「少し前に日本は、フィリピンに巡視船を送っている。 日本とフィリピンはとても良い関係だ。」

また、中国こそ孤立しているという意見も少なくなく、「タイトルの日本のところを中国に変えれば正確だ」、「中国も同じだよね。 南シナ海にフィリピンやベトナムがいて、東には日本がいる。」などのコメントがあった。 中国は 11 カ国と国境を接するが、タジキスタンやインド、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ベトナム、韓国、日本などと領土係争を抱えている。 (サーチナ = 10-6-12)


中国に二つの日本像 ドラマの敵役・人気の留学先

冷え込むばかりの日中の国民感情。 29 日の国交正常化 40 周年も、尖閣諸島をめぐる緊張の中で迎える。 中国人の反日感情の土台には戦争があるが、戦後 67 年経った現在も、抗日ドラマが量産されている。 一方で、昨年まで中国人留学生は増加傾向で、訪日する中国人観光客の満足度も高い。 中国人の中に二つの日本像が併存する現在を追う。

「抗日」テーマ 年 400 回放送

「抗日戦争のテレビドラマが多すぎる」という中国人視聴者の声が最近、日中のネットで話題になった。 中国人の声の中には、「なぜ毎日、こんなドラマを放送するのか。 事実じゃないし、つまらない。」との不満もあれば、「愛国の情を発揚できる」との支持もあった。 昨年は確認されるだけで、12 シリーズ計 396 回に及ぶ。

中国の報道によると、毎年制作されるドラマの 4 分の 1 以上が革命歴史物だ。 とっぴな筋書きの作品が目立つのか、国家ラジオ映画テレビ総局のテレビドラマ管理局長がこのほど、「抗日ドラマを過度に商業化してはならない」と述べた。

同局は 2009 年、官僚の腐敗など社会問題を盛り込んだ人気ドラマを「低俗だ」と批判。 一方で、革命歴史物などを挙げ、「主旋律ドラマは手本になる」と奨励した。 中国の映画に出演したことがある日本人俳優は「主旋律とは抗日戦争など政府寄りの作品のこと。 賞を取りやすく、作りたい監督や出たい俳優は多い。」と話す。 社会派ドラマが敬遠され、抗日ドラマが増える構造がある。

言論 NPO などの共同世論調査では、中国人が日本を嫌う最大の理由に戦争の歴史があげられる。 今も大勢の戦争体験者が生存し、家庭で語り継ぐ。 学校でも愛国教育の一環で力を入れていることなどが大きな要因と見られるが、大量の抗日ドラマが身近にあふれる現実もある。 抗日ドラマの洪水が反日感情を助長する問題を、有識者による新日中友好 21 世紀委員会の会議で、日本側委員がとりあげた。 中国側委員は「内部の会議で言っている」と答えたという。

自由社会で報道学ぶ

一方で、現実の日本に関心を深める人も多い。 22 日、早稲田大学で秋の入学式が開かれた。 大学院ジャーナリズムコースに入学した留学生 11 人は、全員が中国からだ。 女子留学生のひとりは「京極夏彦の小説が好き。 日本で出版の仕事をしたい。」と話した。

このコースの留学希望者が増え、春と秋合わせて約 40 人が入学する。 大部分が中国人学生だ。 コースを運営する瀬川至朗教授は「日中やアジアの平和のためにより良い報道ができるジャーナリストをめざしたい、という留学生が多い」と語る。 中には自由度が高い社会で報道を学びたいという学生もいた。

2000 年度に 3 万 2 千人だった中国からの留学生は昨年、8 万 8 千人まで増えた。 留学先として、米国に次ぐ 2 位だ。 東日本大震災や原発事故があっても衰えなかった。 卒業後、日本で就職する学生も増え、大手から中小企業に広がる。

科学技術振興機構などが 27、28 日に予定した「日中大学フェア」には、日本の 52 大学・学校、中国の 68 大学が参加するはずだった。 尖閣問題で延期されたが、開催されれば、双方で留学生が拡大する。 同機構中国総合研究センターフェローの米山春子さんは中国人留学生が増える要素の一つとして、「日本はアルバイトをしやすく、中国の中流家庭に人気がある」と話す。

中国人の日本観光も急拡大した。 日本政府観光局によると、震災前の 2010 年の訪日客は 141 万人。 10 年間で 100 万人以上増えた。 また観光庁の調査では、昨年の中国人観光客の約 25% がリピーターだった。 満足度が非常に高く、約 95% が「また日本に来たい。」 尖閣問題で来日キャンセルが相次ぐなどブレーキがかかっているが、観光が日本の印象を上げてきたのは確かだ。

ギャップ埋める活動

二つの日本像のギャップを埋める人々もいる。 著名誌「南方人物週刊」の「日本再発見」という特集記事に元日本銀行検査役の下出憲一さん (65) が出会ったのは一昨年だった。 東京から浙江省金華市の大学へ行き、日本語教師を務めていた。 東京などを訪れた同誌の記者たちは、長い間抱いてきた日本像と実際のギャップに驚き、人当たりの良さや先進性などを列挙して「我々はどうしてこの国と敵対するのか」と書いていた。

下出さんは授業で学生たち 43 人に翻訳させた。 「日本の戦後の経済と社会がわかった」と語ったある学生は現在、日本に留学中だ。 下出さんに「戦前の独裁体制から今の民主主義体制への変化に感心している」と伝えてきた。 下出さんは学生たちの翻訳をまとめて今春、日本で出版。 日本人の中国人像にもギャップを感じ、現地で見た素顔も書いた。

中国情報を伝える SBI サーチナの鈴木秀明編集部長は、両国のネットに流れる大量の意見を読む。 「この 10 年、日本のソフトパワーが効いているが、日本のものが好きでも中国では大っぴらに言えず、声を潜めている傾向もある」と、声高に「反日」を叫ぶ人たちの陰に「声なき声」の存在を指摘する。 「お互いにそうだが、相手が一枚岩だと思わない方がいい。」 (五十川倫義、asahi = 9-28-12)


【中国 BBS】 日本の当局者が尖閣上陸も、意外と冷静な意見

中国の掲示板サイト虎撲の掲示板に「10 日以上も抗議し続けたのに日本の警察が数十人も釣魚島(中国側呼称、日本名 : 尖閣諸島)に上陸したぞ」というスレッドが立てられた。 スレ主は、中国のニュースサイトのリンクと写真を貼り付けて、台湾の活動家の上陸に備えて数十人の海上保安庁職員が、尖閣諸島に上陸したと伝えた。

台湾の抗議船が 21 日、尖閣諸島周辺海域に現れたため、日本は台湾の活動家の上陸に備えて海上保安官や沖縄県警の警察官が尖閣諸島に上陸した。 中国は日本当局者の尖閣上陸に対し、強く抗議した。

中国のネットユーザーからは、
・「制御しきれてないな。 抗議しても効果がないじゃないか。」
・「なぜまだ抗議が出てこないんだ?」
・「中国が次にどんな対応をするのかをまずは見てみよう。」

など、比較的冷静な意見が寄せられた。 しかし、もっとも多かった意見は皮肉をこめたものであり、「これは明らかに中国人だろ。 胸の所に海上保安庁って漢字で書いてある。 お前ら字が読めないのか?」などのコメントがあった。

また、オレたちの海洋監視船はどこに行ったんだ? というコメントがあったが、これに対しては、週末は休みだからだ、連日大口をたたいているからよく咽喉を休めて、月曜日にまた吠えるんだよ、と皮肉で返答するユーザーがいた。 ほかにも、下水油を食べて南シナ海を心配する、日本人に対して怒ったから中国人の車を破壊する、などの中国の矛盾を指摘するようなコメントもあった。 (サーチナ = 9-23-12)


それでも中国人の 6 割が「中国にとって日本との友好関係は重要」

日本政府による尖閣諸島国有化に関する調査

日本政府による尖閣諸島購入の直後に実施された中国でのインターネット調査で、中国消費者に、中国にとって日本との友好関係は重要かを聞いたところ、「とても重要」は 13.6%、「重要」が45.9% となり、尖閣国有化後も 6 割弱の中国人が「日本との友好関係は重要」と認識していることが明らかになった。

この調査項目は一連の調査の中でも極力尖閣国有化や反日デモを連想させない形で聞いた。 その結果と、全く同じスペックで行った、やはり尖閣問題を契機に中国において 2 年ぶりに発生した反日デモの直後に行われた 8 月の調査、2012 年 7 月、2011 年 6 月のそれぞれの調査結果と比べてみると、日本との友好関係は「とても重要」、「重要」の数値は下がっており、「あまり重要ではない」、「全く重要ではない」の数値が上昇してはいる。

こうした数値の変化は、尖閣国有化後の中国人の対日感情の変化と対応しているものとは言える。 また、日本製不買運動意向の高まり、デモ暴徒化に対する許容度拡大、日中関係に対する評価の悪化など、今回実施された調査のその他の結果とも共通している。

一方で、日本との友好関係が「とても重要」、「重要」と回答する中国人も、半数を超え、6 割近くに達していることは、「不買運動や暴徒化、武力解決も辞さずなどの強硬な見方は中国に確かに存在するし、それらが現在は主流ではあるものの、一方で、中国メディアの報道で現在においても "日中両国はすでにお互いになくてはならない関係になっている" などと報じられており、そうした意識が一般の中国消費者にも根付いていることの結果ではないか(サーチナ総合研究所)」という。

この調査は 2012 年 9 月 14 日から 18 日まで実施、有効回答数は男性 1,500 人、女性 1,500 人。 日本政府による尖閣諸島購入を契機とした、中国国民の日本に対する感情変化や、日本企業の中国ビジネスへの影響などを定量的かつ客観的に図る目的のために行われた。 サーチナ総合研究所(上海サーチナ)が企画、設計、実査を担当した。 (サーチナ = 9-19-12)


【米国ブログ】 尖閣問題「中国人の日本への抗議は愚かな行為」

さまざまな社会問題に関する情報を発信する米国のブログ「wanderingamericantravlblog」では、中国在住の米国人男性が沖縄県・尖閣諸島に関する問題について語っている。 日本政府による尖閣諸島の国有化をめぐって抗議する反日デモが中国各都市で広がっている。

筆者は、何千人もの抗議者が日本に対してデモ行進するのを、9 階のビルから眺めていたという。 尖閣諸島問題の緊張が高まり、中国全土に抗議運動が広がり、怒りが爆発していると状況を説明している。 しかし、これは相反する目的を持つ「両刃の剣」だと指摘する。 現在、中国人は日本に抗議しているが、政府の無策や汚職、あるいは住宅価格の高騰などにすぐさま視点を変えることができるという。 中国当局は、抗議の矛先が変われば、暴力で封じ込めようとするだろうと見ている。

筆者は、中国人の本当の敵は誰だろうと疑問を投げかけ、教養ある人たちは本当の脅威がどこにあるか気づいているようだと記している。 しかし大部分の抗議者は、当局のやみくもに続くプロパガンダに踊らされているのが実情だと述べ、とても愚かだと思うと感想を語っている。

多くの中国人は、教養のある人も含めて、尖閣諸島が自国の領土だという間違った信念を持っているという。 しかし、尖閣諸島に上陸しようとした香港の活動家が日本の警察に逮捕され、その後日本人が上陸したが逮捕されなかったと経緯を紹介。 この事実を見ても、尖閣諸島が日本の領土だと理解するには十分だとの考えを記している。

筆者は、中国の主張が途方もなくばかげているのはいうまでもないことだと述べている。 その上、一般の中国人は日本の商品にかなり依存しており、中国社会は全体的に日本が大好きだと思えるので、矛盾を感じるという。 多くの抗議者がソニーの製品を使い、日本車を運転する。 また、漫画を読むか、アニメをテレビで見る人も多いだろうし、ほぼ全員が寿司を好むだろう。 おそらく日本に移住する機会があれば、喜んで乗じるだろうと語っている。

中国人が日本に抗議する理由は、ただ当局に被害者意識をあおられているにすぎないと筆者は語る。 そのうち中国人は彼ら自身で事実を学ぶ日がくるだろうと締めくくっている。 (サーチナ = 9-18-12)


【中国 BBS】 中国で報じられない暴徒化した反日デモ、中国の声は

中国大手検索サイト百度の掲示板に「日本メディアが報道した反日デモがスゴイことになっているんだけど」というスレッドが立てられた。 スレ主が写真入りで伝えたニュースについて、さまざまなコメントが寄せられた。

週末にかけて中国全土で発生した反日デモの様子について、中国国内の報道では暴徒化した様子は報道されていない。 トヨタのディーラーやパナソニックの工場で放火や破壊行為が発生したほか、ジャスコや平和堂などのスーパーでは略奪行為も多数発生した。 中国では理性的なデモを行うよう呼びかけつつ、報道規制が行われているが、スレ主は、破壊行為の様子について写真入りで紹介し、日本メディアの報道を見て恐ろしくなったと述べたところ、中国のネットユーザーから次のようなコメントが寄せられた。

・「これは 3 代続く金家の統治下で反米を叫ぶ朝鮮人よりもアホだな。」
・「一部の中国人の "高い民度" には本当に吐き気がする。」
・「愚かな暴徒、これこそ中国の非劇だ。 内部での混乱を日本人がもっとも望んでいることなのに! これが愛国と言えるか? 中国人よ、目を覚ましてくれ!」

このように、暴徒化したことに対しては非難するコメントが比較的多かった。 しかし、スレ主は日本メディアの報道をソースにしているため、「これ中国では見られないんだど」、「日本の宣伝を信じるのか?」、「この写真は日本人によるでっち上げだろ」といった反論もあった。 また、この種のデモは政府に責任があるという意見もあり「みんな政府の教育の結果に生まれた "良い国民" だよ」、「この種の反日愛国青年は、みんな共産党が取り決めた組織的なものだ」といったコメントがあった。

ほかには、これではテロリストと変わらないと批判する意見や、中国国内でここまで暴徒化するとは思わなかったという驚きの意見、機会に乗じて略奪行為をしている窃盗犯に過ぎない、などのコメントも寄せられた。 (サーチナ = 9-17-12)