妊婦を有給で休業、企業に助成金 1 人最大 100 万円 新型コロナウイルス感染への不安から仕事を休みたい妊婦を支援するため、厚生労働省は、妊娠中の働き手を有給で休業させた企業への助成金を今年度の第 2 次補正予算案に 90 億円盛り込んだ。 働き手 1 人あたり最大 100 万円を払う。 男女雇用機会均等法は、ひどいつわりや切迫流産の恐れがあるなどの場合、勤務軽減や休業など医師や助産師の指導に基づいた措置を取るよう雇用主に求めている。 厚労省は、新型コロナを受けて指針を改定。 感染への不安が健康に影響するとして医師らに指導を受けた場合も、特別に適用することにしている。 助成対象になるのは、年次有給休暇とは別の休暇制度で賃金の 6 割以上を払い、計 5 日以上妊婦を休ませた企業。 5 - 19 日間の休業に 25 万円を助成し、その後 20 日ごとに 15 万円加算する。 最大 6 カ月ほど賃金を補える水準で、1 企業あたり 20 人を上限とする。 妊婦が新型コロナに感染すると、お産の場所が限られたり、出産直後から母子が分離されたりするリスクがある。 休みたくても賃金減額が不安で休めないとして、妊婦向けの休業補償を求める声が上がっていた。 (岡林佐和、asahi = 5-28-20) 政府備蓄米、子ども食堂に無償提供へ 年間 60 キロ上限 食育の一環として、政府備蓄米を地域の子ども食堂やフードバンクに無償で提供すると、農林水産省が 26 日発表した。 江藤拓農水相は閣議後会見で「子ども食堂などは新型コロナウイルスの感染拡大で学校が休校する中、学校給食の補完機能を果たし、その役割が再認識された」と述べた。 農水省は学校給食でのごはん食を推進するため備蓄米を無償交付してきたが、子ども食堂などにも拡大する。 1 施設あたり年間 60 キロを上限に玄米を交付する。 市区町村の社会福祉協議会を通じて申請を受け付ける。 問い合わせは農水省政策統括官付穀物課 (03・3502・7950) へ。 (asahi = 5-26-20) 在宅勤務 7 割「続けたい」 日経ウーマノミクス・プロジェクト調査 ![]() 仕事と生活が両立しやすいと子育て中の女性を中心に導入されていた在宅勤務制度。 3 月以降、多くの企業が対象を拡大した。 4 月下旬、日経ウーマノミクス・プロジェクトの会員らを対象に調査を実施。 「通勤時間が減り家族との時間が増えた」など在宅勤務をした 1,400 人の 74.8% が「新型コロナ収束後も続けたい」と継続を希望。 回答からは自宅でも業務効率を下げないように様々な手を打った企業の工夫と、コロナ後の女性活用の方策が見えてきた。 ■ 働く時間、柔軟に 「小さい子どもを持つ人が勤務しやすくなった。」 都内在住の鈴木香さん (46) が勤めるメルカリは 4 月、必ず勤務する時間のコアタイムをなくした「フルフレックス」制度の試験導入を始めた。 同僚や上司とコミュニケーションがとれるように、コアタイムを従来 12 時から 16 時までに設定していた。 しかし、子供を保育園などに預けられない家庭の事情を考え、フルフレックスに切り替えた。 早朝や休日など、家庭生活と両立して自分のペースで業務に取り組めるよう、働く時間を社員一人ひとりに委ねた。 「今回の試験導入の反響を踏まえて、本格導入も検討していく。(メルカリ)」 フレックス制のコアタイムは、自由な中でも制約があると見直す企業が相次いだ。 都内在住の女性 (30) が勤めるコンサルティング会社も 3 月下旬、子を持つ社員を対象にコアタイムを撤廃。 規定の業務時間を確保すれば始業・終業時間が自由に調整でき、「子を寝かしつけてから業務にあたるなど、自分の都合で動けるようになった。」 ほかにも「子育て中の社員など一部に利用が制限されていたフレックス制度が全社員に拡大された(40 代)」、「10 時から 15 時のコアタイム付きフレックスからフルフレックスになり、育児の負担が軽減された(30 代)」、「在宅制度の利用週 2 回までが無制限となり、勤務時間の 7 時から 20 時までが、5 時から 22 時までに変更になった(40 代)」。 もちろん、自宅で 24 時間いつでも勤務が可能になると心身のバランスを崩さないようにする勤怠管理の難しさの問題はある。 しかし、場所に縛られず、仕事に集中できる時間を自分で決められることは女性が活躍する機会を増やす。 ■ 周囲の意識に変化 今回、全社的に在宅勤務を導入され「出勤していなければ休んでいると見なしていた上層部の意識が変わった(30 代)」、「遠隔からのやりとりへの不信感が払拭され、申し訳なさを以前ほど感じず仕事がやりやすくなった(50 代)」という声が多く寄せられた。 在宅勤務の良さを実感した人は今後を見据え、「妊娠中で間もなく産休。 子育てとの両立ができると感じた(40 代)」、「通勤時間がない分、保育園利用時間内でフルタイム勤務したい(30 代女性)」。 体力や時間の不安が解消されるため、今以上に仕事に自分の力を注ぎたいという意欲につながっていた。 もっとも「やっぱり対面で仕事したい(40 代)」という声も。 「在宅勤務がしたい」という意見のなかでも、「週 2 - 3 日在宅 OK がいい(40 代)」、「週 1、2 日程度(50 代)」と、在宅と在社の折衷案を望む声が多かった。 「テレワーク」研究第一人者の比嘉邦彦・東京工業大学教授は在宅勤務を続けるために「企業が社員に対して最低限必要な配慮が 5 つある」という。 「働き過ぎにならないような工夫」、「自宅での業務環境への配慮」、「同居する家族などへの配慮」、「疎外感を緩和するための工夫」、「セキュリティー体制の徹底」だ。 台風や地震などの災害、本人のケガや病気、介護や育児といった事情に対応し、スムーズに在宅勤務を実施できる体制が整った。 比嘉教授は「経営視点でのメリットは大きい。 2 - 3 年以内には在宅勤務を前提とした働き方に切り替える企業が出てくるなど、大きなムーブメントにつながる可能性がある。」と話す。 ■ 会社のサポート拡充 金融関連で働く都内在住の女性 (48) の会社は一律 6 万円の補助金を支給。 女性はパソコン (PC) を新調した。 同社ではマネジャー以下に業務用 PC が支給されず、私用 PC を使っており、古くて使い勝手が悪いのが悩みだった。 今回新調したことで「業務効率が格段に上がった。」 都内在住の女性 (35) の会社はベビーシッター利用の補助を拡大。 子の対象年齢を小学 3 年から小学 6 年へ引き上げ、利用の上限年間 36 回を「3、4 月分は回数に含めない」とした。 ほかにも「デスク、モニター購入やレンタル想定で在宅勤務手当、月 1 万円 (40 代)」、「光熱費として 1 日 500 円(30 代)」など自宅を「効率よく働ける場」に変える費用を会社が負担。 「自宅で FAX が確認できるように PDF で共有ネットワーク上に保存(30 代)」、「全て電子印で承認(40 代)」など女性に託されがちな事務処理の電子化で効率アップを図った。 また、ビデオ会議サービス (Zoom) を使う企業も目立った。 ソフト開発のエイチームは 2 月中旬から社外の会議も Zoom を活用。 新卒や中途入社の採用はオンライン面接で対応している。 同社に勤める安藤春香さん (32) も週 5 - 6 回会議に参加し「業務の進み具合の差が最小限に抑えられている」と実感する。 (nikkei = 5-18-20) 「新しい地図」基金、子ども食堂に 4 千万円 コロナ支援 「新しい地図」の稲垣吾郎さん (46)、草g剛さん (45)、香取慎吾さん (43) と日本財団が始めた基金「LOVE POCKET FUND (愛のポケット基金)」は、14 日午前までに寄付総額が 1 億 9 千万円近くに達し、最初の支援先として、NPO 法人「全国子ども食堂支援センター・むすびえ」に約 4 千万円を寄付すると発表した。 新型コロナウイルスの影響で休校になり、給食で栄養のある食事を十分にとれなくなった世帯の子どもたちを中心に、地域団体や飲食店などと連携して、お弁当や食材の提供、相談支援を行う活動にあてられるという。 基金は、生きにくさを抱える女性や子ども、高齢者らを支援する目的で 4 月 27 日に設立。 第 1 弾として新型コロナウイルス対策に取り組むプロジェクトを発表し、「新しい地図」も 3 千万円を寄付していた。基金の詳細は 公式サイト。 (伊藤綾、asahi = 5-14-20) 児童手当、1 人 1 万円を追加 経済対策、ただし 1 回限り 政府・与党は 5 日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急経済対策の原案をまとめた。 児童手当の増額や、新型コロナ感染症の治療薬として期待される抗インフルエンザ薬「アビガン(一般名ファビピラビル)」の備蓄などを盛り込む。 7 日に正式決定し、安倍晋三首相が全体の規模などを公表する方針だ。 政府は 5 日、自民、公明両党の政務調査会幹部に原案を説明。 子育て世帯を支援するため、児童手当は 1 人あたり 1 万円を、1 回限りで増額する。 アビガンについては 200 万人分を備蓄するため増産を急ぐ。 新型コロナへの今後の緊急の支出に対応するため、予備費として 1 兆円を確保する。 所得が減少した世帯への 30 万円の現金給付は、自己申告制とする。 対象は、月収が減り、年収に換算すると住民税非課税世帯の水準まで落ち込む見込みの世帯。 それに加え、所得が半減した世帯にも、一定の所得上限を設けて支給する方針だ。 中小・零細企業対策では、減収幅などの条件に応じて、フリーランスを含む個人事業主に最大 100 万円、中小企業に最大 200 万円の現金を給付する。 今回の新型コロナによる経済的な影響について、対策では「戦後最大の経済危機」と指摘。 感染収束のための緊急支援を中心とする第 1 段階と、収束後の経済の V 字回復をめざす第 2 段階に分けた上で、▽ 感染拡大防止や医療態勢の整備、治療薬の開発、▽ 雇用の維持と事業継続、▽ 経済活動の回復、▽ 強靱な経済構造の構築、▽ 今後の備え - - を対策の柱とした。 西村康稔経済再生相は 5 日のフジテレビの番組で、世帯向けの現金給付について「何回もする必要があるかもしれない」との考えを示したほか、休業補償の助成金では対象外になった風俗業に勤める人も「生活に困っている人には届くように考えている」と除外しない考えを明らかにした。 (asahi = 4-5-20) ◇ ◇ ◇ 休校に伴う助成金、風俗業は対象外 「職業差別」批判も 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための休校に伴い、厚生労働省は子どもの世話で仕事を休んだ保護者向けの助成金を新設したが、風俗業などで働く人は対象外となっている。 支援団体は見直しを求めたが、厚労省は応じない構えだ。 この助成では、一定の要件を満たせば、雇われて働く人は勤め先が日額 8,330 円(上限)を、フリーランスは本人が一律日額 4,100 円を受け取れる。 しかし、要件では「暴力団員」や「暴力主義的破壊活動を行った団体に所属する人」などと並び、「性風俗業」や「接待を伴う飲食業」の関係者を対象外としている。 そのためネット上などで「職業差別だ」と批判が出ており、支援団体「SWASH」は 2 日、要件の見直しを求める要望書を加藤勝信厚労相あてに提出した。 要友紀子代表は「国の制度が、風俗で働く人々への差別や偏見を助長している」と指摘する。 一方、厚労省の担当者は「個人の職業を差別する意図はない」と説明。 風俗業などを除く規定は、雇用維持の助成金などにもあり、今回も同様のルールを適用したという。 加藤厚労相は 3 日の閣議後会見で、除外の趣旨について「公的な支援措置の対象とすることが適切なのかどうか」と説明。 「取り扱いを変える考えはない」と述べた。 (滝沢卓、岡林佐和、asahi = 4-3-20) ◇ ◇ ◇ ひとり親家庭を休校が圧迫 「食費切り詰めるしか …」 新型コロナウイルスの感染拡大による小中高校などの臨時休校が、経済的に苦しいひとり親家庭の財布を圧迫している。 子どもが自宅にいる時間が増え、食費や光熱費などが膨らんでいるためだ。 負担が増えた家庭に手をさしのべる動きも広がっている。 中学 1 年の息子と暮らす三重県桑名市の看護師の女性 (42) は 3 月のある日、仕事から帰るとご飯 3 合がなくなっていた。 さらに納豆 4 パック、豆腐 1 丁半、卵四つも。 息子は食べ盛りだが、普段なら 2 - 3 日で食べる量だ。 女性の心配は、臨時休校で外出も自粛させられている息子のストレスが食べることに向かっていることだ。 女性の手取りは月 22 万円ほどで、毎月ぎりぎりの暮らし。 だが、3 月の食費はこれまでの 2 倍になりそうで、暖房費などもかさむ。 「来月は食費を切り詰めるしかないかも。」 国の調査によると、国内のひとり親家庭の 2 世帯に 1 世帯が相対的な貧困状態にある。 ひとり親家庭の支援などをしている全国約 20 団体が 2 月 29 日 - 3 月 5 日、臨時休校に関するアンケートをした。 188 件の回答が寄せられ、食費や光熱費の増加のほか、収入減への不安の声が多かった。 「給食がないので、生活費がかさむ」、「暖房を一日中つけることになるので、灯油代の請求が恐ろしい(いずれも北海道)」、「子連れ出勤できるが、短縮勤務になり収入が減る(愛媛県)」、「家に閉じ込められていることで精神状態が不安(岐阜県)」といった不安の声が寄せられた。 アンケートを呼びかけた NPO 法人「太陽の家(桑名市)」は、寄付された食品などを小中学生がいるひとり親家庭に届ける緊急活動に取り組む。 対馬あさみ理事長は「ひとり親はつらくても我慢してしまいがち。 多くの人が支援をしようとしているので、相談してほしい。」と呼びかける。 欠食や孤食を防ごうと地域の子どもに無料か安価で食事を提供する「子ども食堂」も中止が相次ぐ。 感染防止対策を図りつつ、食事を必要とする家庭に届けようとする団体もある。 名古屋市北区の「わいわい子ども食堂」は 3 月の開催を中止した。 だが月 1 回の開催予定日だった 4 日は、中止を知らずに来る子どものために持ち帰りできる食事を用意した。 食堂には、「ここで食べているから背が伸びたんだよ」と報告してくれる小学生や、親が病気で食事を用意するのが難しい家庭の子どもも訪れる。 運営委員長の杉崎伊津子さん (73) は「給食がない今、欠食の子を出したくない。 こんな時だからこそ子ども食堂として何ができるか考えていきたい。」と話す。 愛知県岡崎市の焼き肉店「ソウルカルビ」は 19 日まで、市内の児童・生徒や保護者を対象におにぎり 2 個と韓国のりのセットか、牛肉カレーライスを 1 日それぞれ 100 食ほど無償提供している。 提供場所は岡崎市のスーパー銭湯「葵湯」で、平日の午前 11 時 - 午後 1 時。希望者にはマスクも配布している。 金伸行社長 (48) が提携業者に声をかけると、農家や肉の卸会社から米や牛肉、水の差し入れがあったという。 金社長は「地元で長く商売をさせてもらっているので、良いことがしたいと思った。 周囲も賛同してくれた。」と話した。 (浦島千佳、小川崇、保坂知晃、asahi = 3-15-20) ◇ ◇ ◇ 保護者の休業手当補助 新型コロナ 小学校休校に向け政府 政府は学校の臨時休校に向け、子どもを持つ保護者が休業した場合に企業が出す手当を補助する助成金を創設する。 雇用保険を活用し、新型コロナウイルス対策の特例措置で 3 月から実施する。 休んだ保護者も一定の収入が得られる。 感染拡大を防ぐためイベント会場などの施設利用の制限を都道府県が要請できるようにする法案も今国会に提出する。 安倍晋三首相が 29 日に記者会見し、小中高の休校などへの対応を説明する。 首相は 28 日の衆院財務金融委員会で休校要請について「基本的な考え方として示した。 各学校、地域で柔軟にご判断いただきたい。」と述べた。 休業手当は会社都合で従業員を休ませた場合、賃金の 6 割以上を補償するよう企業に義務付けている。 臨時休校に伴う保護者の休業は政府の要請に基づくため、今回限りの特例とする。 企業への助成金は小学校の子どもを持つ保護者向けの手当のみにする方向だ。 従業員が休めるよう企業に配慮を求める。 働く時間が短く雇用保険に加入していないパート労働者向けには一般会計予算から同等の支援をする。 働き方で差が生じないようにするためだ。 従業員を休ませるなどして雇用を維持する企業に支給する「雇用調整助成金」も拡充する。 中国関連の販売がある企業への特例を新型コロナで影響がある企業全般に広げる。 政府は信用保証協会が融資額を一定の条件で 100% 保証する資金繰り支援について全国の中小企業が受けられるように対象を広げる。 感染拡大防止に向けて法整備をする。 政府が区域を定めた「緊急事態」を宣言した後、一定期間を目安に都道府県知事が外出の自粛などを要請できると規定する。 一定以上の面積を超える教育施設や運動施設、劇場などの利用制限も求める。 違反しても罰則はない。 首相は 28 日、法整備について「早期に成立させなければいけない。 野党の意見もうかがう。」と述べた。 大規模イベントの中止などを求めておりその法的な裏付けとなる。 (nikkei = 2-29-20) 「保育園落ちた」今春も 4 人に 1 人 本社主要自治体調査 今年 4 月の入園に向けて認可保育施設の利用を申し込んだものの、1 次選考で落選した子どもが全国の主要 59 自治体で約 6 万人に上ることが朝日新聞の調査でわかった。 申込者に占める落選者の割合(落選率)は 27.1%。 政府が公約した来年 3 月までの「待機児童ゼロ」が目前に迫るが、落選率が前年より悪化した自治体がなお約 4 割あった。 一部の自治体は昨秋に始まった幼児教育・保育の無償化で申込者が増えたとみており、目標達成は見通せない。 認可保育園や小規模保育園などの入園は、保護者からの申し込みを受け市区町村が調整する。 新年度となる 4 月の入園分は 1 - 2 月ごろに行われる 1 次選考で大半が決まる。 朝日新聞は、政令指定市と東京 23 区、昨年 4 月時点で待機児童が 100 人以上いた自治体の計 71 市区町を対象に 1 次選考の結果を調査。 13 日までに 62 自治体から回答があり、うち落選者数を明らかにしたのは 59 自治体だった。 59 自治体で 22 万 1,087 人が申し込み、5 万 9,850 人が落ちていた。 落選率が前年より悪化した自治体は 23 自治体。 落選率が最も高かったのは兵庫県宝塚市で 44.5%。 申込者数が前年より約 1 割増え、担当者は「前年度に入れなかった子どものほか、無償化の対象となった 3 - 5 歳児の申し込みが増えた」という。 沖縄県南城市 ( 41.3%)、東京都港区 (41.0%) と続いた。 政府は昨年 10 月から、すべての 3 - 5 歳児の認可保育施設や幼稚園の利用料を原則無料に。 一部の自治体では、幼稚園より長い時間子どもを預かる認可保育施設の利用を希望する人が増えたとみられる。 調査で 3 - 5 歳児の申込者数を分析したところ、62 自治体のうち 11 自治体で 1 割以上増加していた。 前年の 2 倍になった東京都中野区では、2 歳児までを対象とする一部の保育施設からの転園者が多いことを理由とするが、前年より 6 割増えた大阪府東大阪市では、幼稚園に通っていた保護者から保育園の利用について相談されるケースがあり、無償化の影響を指摘。 3 割近く増えた東京都品川区も無償化によるニーズ増とみている。 一方、3 - 5 歳児の申し込みが 1 割以上減少した自治体も 18 あった。 前年から半減した港区は、認可外保育施設も無償化の対象となったことを挙げ、認可外の利用を希望する人が増えたのではないかと分析している。 アンケートでは、無償化に伴う課題も尋ねた。 回答した 27 自治体のうち 15 自治体は、自治体や保育施設での負担増を指摘。 「制度が非常に複雑で、保護者や施設への説明に苦労している(相模原市)」、「無償化に伴って保育園の利用時間が増え、保育士の働き方に影響する懸念がある(東京都葛飾区)」といった声が寄せられた。 このほか、利用する施設によっては無償化の対象外となる場合もあることから「公平性が確保できていない(川崎市)」との指摘や、「認可外施設の保育の質の確保(東京都大田区)」を挙げた自治体もあった。 (栗田優美、畑山敦子、伊藤舞虹、asahi = 3-14-20) 前 報 (3-17-19) |