中国に「女の園」が続々、家や社会で求められる「役割」から逃れるため - 仏メディア

フランスメディアのラジオ・フランス・アンテルナショナル (RFI) はこのほど、中国各地に女性専用の旅館やカフェ、クラブが作られていると伝えた。 中国の女性は家庭や職場で「一定の役割」を果たすことを求められており、女性があるがゆえの「圧力」から逃れるための「避難場所」として機能しているという。 記事によると、浙江省杭州市の郊外にある民宿の「ココの世の外の桃源」を独力で設立したのは、30 歳女性の C さんだ。 C さんは仕事でしばしばハラスメントを受けており、普通に仕事ができなかった時期もある。 そのことで「人が自由に振舞える場所を作れないか」と考えたという。

C さんが作った民宿には菜園があり、ガチョウも飼育されている。 男性は一人もいない。 この民宿は多くの新興女性コミュニティーのひとつだ。 女性たちはここで、「仕事と生活の二重の圧力」から逃れてリラックスすることや互いに助け合うことを求める。 個人の話題を自由に語り、「自分は脅かされていない」と感じることができるという。 C さんは民宿を開業する前に、春節(旧正月)期間中の宿泊イベントを企画した。 参加した多くの女性は、春節期間中に家族から「侵入的な質問」をされる。つまり、特に 30 歳に近づくと、結婚についてあれこれ尋ねられるので、その圧力から逃れるため宿泊イベントに参加したことが分かった。

C さんは、「女性は家庭内でしばしば、多くの役割を演じる必要があります。 年長者や子どもの世話をし、家事を処理せねばなりません。 同時に仕事の責任も負います。」と述べ、「女性は、何の役割も演じなくてよい場所を必要としています」と説明した。 この民宿を訪れた 28 歳の女性は、「女性は男性がいれば、自分の振る舞いに注意するのですが、ここでは束縛なく交流できます」と述べた。 女性らは、改装された古い家で一緒に肉まんを作り、快適なリビングでゲームをし、コーヒーを飲む。 笑い声が絶えず聞こえてくる。

一部の批評家は、このような女性専用スペースが性別による対立を助長する可能性があると考えている。 しかし C さんは、「女性は子どもや高齢者と同じように、類似した人生の軌跡や問題を持つ社会集団です。 互いに理解しやすく、共感を生みやすいわけです。」と反論した。 条件や境遇に共通点がある人は、互いに交流できる場を持つべきとの考えだ。 同じく杭州市郊外の秀渓村では、46 歳女性の Y さんが「彼女の空間」というクラブを開設した。 質素な家具と書道芸術を融合させた場所で、最初に 3,980 元(約 8 万 2,000 円)を支払えば、生涯いつでも訪れることができる。

Y さんは、「この空間は長期にわたる精神面での支援を提供することを目的としている」と説明した。 「もし彼女が失業し、家族を失い、あるいは都市生活に圧倒されて息が詰まるような状況にあっても、彼女はここに来れば少しの温かさを見つけられることを知っています。 これが、女性に精神面での力添えをすることになるのです。」と強調した。

34 歳女性の J さんは、北京市で「半辺天(天の半分)」という女性専用のカフェ書店を開店した。 店名は「婦女能頂半辺天(女性は天の半分を支えることができる)」という、中国でよく言われる文句から取ったと思われる。 すなわち「女性は社会や家庭で男性と同じぐらい重要な役割を果たすべきだ」との考え方だ。 J さんは男性にはパーティーやスポーツ活動など多くの社交の機会がある一方で、女性には同様の交流の場が欠けていると指摘した。

J さんは、女性は「結婚しないままに年を取ったらどうするのか」と繰り返し言われると指摘。 女性のためのコミュニティーは将来、100% 女性による長期の共同生活により、年を取った女性が互いに助け合って生活するという形態が、伝統的な観念に対抗する「解決策」になり得ると考えている。 (如月隼人、Record China = 8-27-25)


中国・黄河で橋のロープ切れ、作業員 10 人死亡 計画途中で設計変更

中国北西部・青海省で建設中の高速鉄道の橋で 22 日未明、橋を支えるロープが切れ、作業員が転落する事故があった。 国営中央テレビは、同日夕までに 10 人が死亡、4 人が行方不明、2 人の安否が確認できないと伝えている。 現地報道によると、黄河に架かる 366 メートルのアーチ型の橋で、両岸から建設し、最後に真ん中で接合する作業が行われていた。 ニュースの映像はロープが切れ、橋桁が川に落ちている様子や救助隊員がボートで捜索する姿を伝えている。

国営中央テレビによると、当初は川に橋脚を建てる計画だったが、川床や魚類への影響を抑えるため、水中構造物を設けない設計に変更されていた。 8 月末に接合作業を終える予定だった。 共産党機関紙・人民日報は、施工関係者の「8 月末に間に合わせるために夜間工事が必要だった。 このような事態になるとは想定していなかった。」という言葉を報じている。 (上海・小早川遥平、asahi = 8-22-25)


旅客機内で乗客が「水ぶっかけ合い」、座席背もたれでトラブル - 中国メディア

中国では、旅客機内で乗客が、大声で罵り合いながらミネラルウオーターの水をかけあう姿を撮影した動画が注目を集めた。 イタリアのローマから四川省成都に向かう四川航空 3U3896 便の機内で、8 月 15 日に発生した出来事だった。 トラブルの発端は、前列に座る女性が座席の背もたれを後ろに倒したことだった。 中国メディアの南都都市報が伝えた。

ネット投稿された動画を見ると、立ち上がった男性と座席に座る女性が激しくののしり合いながら、ペットボトルに入った水をかけ合っている。 水は周辺にも容赦なく飛び散る。 少し離れた場所では、客室乗務員と思われる女性が、おびえた表情を見せる。 悲鳴を上げているようにも見える。 争う 2 人の間には、体格のよい男性乗務員が割って入っている。

動画は、乗客 2 人が激高して争いを始めた場面はないので、発端の様子は分からないが、投稿文によると前列の女性乗客が座席の背もたれを倒したことで後列の男性乗客が怒り、前列の女性にペットボトル入りの水をかけた。 すると前列の女性も水をかけ返した。 女性は「水をかけられた」などと甲高い声で怒鳴っている。 また双方ともに「警察に通報してくれ」などと言ったという。

旅客機はその後、成都天府国際空港に着陸した。 着陸そのものに問題はなかった。 トラブルを起こした 2 人は空港警察に引き渡された。 中国メディアの極目新聞によると、旅客機内で乗客が殴り合いになった事例が、2024 年 11 月、同年 5 月、25 年 4 月、同年 7 月に発生していたという。 (如月隼人、Record Chima = 8-17-25)


中国で「小さな天安門事件」勃発
 … 少女の陰湿ないじめへの抗議が大規模デモに発展、背景に習近平政権への不満

中国の抗議活動、そして拘束

記事コピー (8-13-25)


記録的大雨で 15 人死亡 28 人行方不明に
 「30 年住んでいて初めて」 各地で道路崩壊し住宅も浸水 中国

暗闇の中、勢いよく流れる茶色い濁流。 8 月 7 日、中国・北西部の甘粛省で、豪雨による地滑りが発生しました。 一夜明けても勢いが収まらない濁流。 現地の観光施設などにも甚大な被害をもたらしました。 また、流れ出た大量の土砂により、至る所で道路が崩壊。 救助隊に促され、住民が避難する様子も見られました。 中でも、蘭州市では、7 日朝から強い雨が降り続き、一部の地域では 24 時間で 220.2mm の降水量を記録。 中国国営メディアによりますと、これまでに 15 人が死亡、28 人が行方不明となっているということです。

また、大雨の被害は南部の広東省でも。 住宅は太ももの高さまで浸水。 倒壊した家屋はがれきで埋め尽くされ、ベッドやストーブなどの生活用品も流されてしまいました。 住人は「30 年住んでいますが、こんな水位は初めてです」と話しました。 広州市では、8 月の平均降水量のほぼ 3 倍という記録的な雨が降り、土砂崩れなどで少なくとも 7 人が死亡したということです。 (FNN = 8-11-25)


火球墜落 中国ロケットの残骸がフィリピンに落下、"爆音と揺れ" で住民騒然

中国が打ち上げた人工衛星搭載ロケットの破片がフィリピンに落下し、その破片が炎に包まれて墜落する様子がフィリピンのパラワン上空で捉えられた。 7 日、インスタグラムなどの SNS で、空からミサイルを彷彿とさせる巨大な火の玉が地上に落下する様子が各地で目撃された。 フィリピン宇宙庁 (PhilSA) によると、これは中国の人工衛星の破片であり、4 日に中国が打ち上げた「長征 12 号」ロケットの破片が、南シナ海に面するフィリピン西部パラワン州周辺の海域 4 か所に落下したという。

フィリピンのエドゥアルド・アニョ国家安全保障担当顧問は、「破片が落下した際、パラワン州の州都プエルト・プリンセサおよび近隣の村で夜空を横切る火の玉が目撃され、直後に大きな爆発音とともに地面が揺れた」と説明した。 アニョ顧問は、この破片による人的被害の報告はまだないものの、落下地点付近の陸地、船舶、航空機、漁船およびその他の船舶に明らかな危険をもたらしたと指摘した。 これに関連し、フィリピン国家安全保障会議 (NSC) は声明を発表し、中国の無責任なロケット打ち上げにより「一般市民に不安を与え、パラワンの住民を危険にさらしたことを強く非難する」と述べた。

アニョ顧問は、ロケットの残骸捜索のため、航空機と船舶が落下地点周辺に派遣されたと明かした。 また、ロケットの残骸に有毒な燃料の残留物が付着している可能性があるため、残骸を発見した市民は触れずに当局に通報するよう呼びかけた。 中国の新華社通信は 4 日夜、中国南部の海南省にある商業宇宙発射場から打ち上げられた長征 12 号ロケットが、インターネット用衛星を予定軌道に成功裏に投入したと報じた。 (佐藤美穂、江南タイムズ = 8-8-25)


つり橋のケーブル切れ観光客ら落下、5 人死亡し 24 人重軽傷 … 中国・新疆ウイグル自治区

【上海 = 田村美穂】 中国国営新華社通信は 7 日、中国新疆ウイグル自治区イリ・カザフ自治州で 6 日夕、観光地のつり橋のケーブルが切れ、橋の上にいた 29 人が落下し、5 人が死亡、24 人が重軽傷を負ったと報じた。 観光地は閉鎖され、地元当局が事故原因を調べている。 事故現場の様子として SNS 上で拡散している動画では、橋の下には川が流れ、観光客らが横たわっていた。 (yomiuri = 8-7-25)


北京の豪雨災害、死者・行方不明 53 人に 高齢者施設で 31 人犠牲に

中国・北京市の消防当局は 31 日、23 日から 29 日までにかけて降り続いた豪雨がもたらした水害により、市内で計 44 人が死亡し、9 人が行方不明になったと発表した。 首都では異例の被害規模となった。 死者のうち 31 人は、同市密雲区にある高齢者介護施設で亡くなったという。 中国国営新華社通信などが伝えた。 被害は北京市北部にある密雲、懐柔、延慶、平谷の各区に集中している。 山がちな地域で、7 日間に及んだ豪雨により、家屋がほぼ水没するほどの洪水が各所で起きたという。

歴史的豪雨、未明の高齢者施設襲う

37 人が亡くなった密雲区では、最大の降雨量は 573 ミリに達した。 3 時間の間に 180 ミリを超えるような豪雨も 2 度にわたって降り、区当局は「歴史的な、破壊力の極めて強い」気象だったと表現した。 多くの犠牲者が出た同区の介護施設では災害当時 77 人がいたが、このうち 55 人は介護が必要な状況だったという。 施設を含む地区は 28 日未明、水深が 2 メートルにも達する洪水に襲われた。 救助が難航する間に逃げ遅れた 31 人が亡くなった模様だ。

区当局は事前に約 1 万 6 千人を避難させていたが、施設のある地区は比較的安全とみて避難の対象にはしていなかったという。 中国北部は降雨量が少ないことで知られるが、近年は夏に豪雨に見舞われることが多くなっており、気候変動の影響も指摘されている。 元々は水害の経験が少ないことも、被害を広げる要因となっている可能性がある。 (北京・斎藤徳彦、asahi = 7-31-25)

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北京で記録的大雨、これまでに 30 人死亡 住民 8 万人超避難指示 一部で 500 ミリ超える雨

北京北部の山岳地帯である密雲で 28 人、延慶で 2 人が死亡した。 国営メディアは死者がいつ、どのように発生したかは明らかにしていない。  新華社によると、週末から続く豪雨が 28 日に北京とその周辺の省を中心に強まり、北京の北部では最大 543.4 ミリの降雨を記録した。

北京市は豪雨の影響で住民 8 万 0,322 人を避難させた。 道路や通信インフラが被害を受け、28 日深夜時点で 136 の村が停電している。 中国の習近平国家主席は 28 日夜、犠牲者を最小限に抑えるため、「全力」で捜索・救助活動に当たるよう命じた。 北京はこの日、最高レベルの大雨洪水警報を発令し、住民に外出を控えるよう勧告した。 (Reuters = 7-29-25)


中国版児童手当、3 歳まで年 3,600 元 「ミルク代にも …」効果は?

中国共産党と政府は 28 日、満 3 歳までの子どもに年間 3,600 元(約 7 万 2 千円)を払うとする育児手当を導入すると発表した。 全国的な制度はこれまでになく、中国版の児童手当と言えるが、金額や支給期間は限定的で、急速に進む少子化を食い止めることができるかは見通せない。

新制度は今年 1 月 1 日を基準に、3 歳未満の子どもが対象となる。 既に生まれている子どもも、今年 1 月から満 3 歳を迎えるまでの月数分の受給の資格があるとした。 地方政府が先行している補助制度では 2 人目や 3 人目の子どもに手厚く支給する例が多いが、全国の制度は一律の支給とした。 手当の配布の方法について、中国国営中央テレビは、普及しているスマホによるモバイル決済の仕組みが用いられるとの見通しを報じている。

止まらぬ少子化、指導部に危機感

中国は少子化が急ピッチで進んでいる。 人口の増えすぎを警戒した「一人っ子政策」が 2015 年まで続けられ、その後も政策の緩和にもかかわらず出生数の減少傾向が続く。 24 年の出生数は 954 万人で、産児制限の緩和で一時的に増えた 16 年と比べるとほぼ半減した。 「一人っ子」の時代から子育てに多額の費用をかけるのが社会の常識となり、大きな負担になっていることが、出生減の背景にある。 少子化による国力の低下を懸念する指導部が、負担を和らげる策の導入に迫られた。

ネット上では新制度を歓迎する一方で、月額にすると 300 元(約 6 千円)の手当が「粉ミルク代にも足りない」との意見も目立つ。 より費用がかかる就学年齢の時期は手当の対象外で、出産をためらう世帯の背中を押す効果をもたらせるか、疑問視する声も出ている。 (北京・斎藤徳彦、asahi - 7-29-25)


中国で「世界 AI 大会」 李強首相、国際的な協力機構の設立呼びかけ

中国の李強(リーチアン)首相は 26 日、上海で同日開幕した人工知能 (AI) の見本市「世界人工知能大会」で講演し、AI のグローバルガバナンスを担う国際的な協力機構の設立を提唱した。 開発競争が進む AI 分野に関し、国際的な規制の面で主導権を握りたい考えだ。 中国外務省によると、昨年に続いて開幕日の演説に立った李氏はこの日、グローバルサウス(新興・途上国)の AI の開発能力向上を支援すると表明。 開発と安全の両立も必要だとし、幅広い支持が得られるようなグローバルガバナンスの枠組みやルールづくりを早期に進めるべきだと述べた。

グーグルの元 CEO も登壇

この日はグーグルの元最高経営責任者 (CEO) エリック・シュミット氏も登壇した。同氏は米中の AI 技術の進展をめぐり、中国企業が開発した主な AI モデルが「オープンソース(公開型)」であるのに対し、米国は非公開だという「大きな違い」を指摘。 強力な AI が悪意のある国家や個人に利用されるリスクにも触れた上で、「世界の安定と平和を保ち、人類がこのツール (AI) を制御し続けるため、大国である米中は協力を進めるべきだ」と訴えた。 大会は今年で 8 回目。 上海の複数の会場で 3 日間、開かれる。 専門家などによるシンポジウムの他、中国メディアによると、73 カ国から約 800 社が出展して最新技術を展示する。

AI をめぐっては米中で激しい開発競争が続いている。 米トランプ政権は 4 月、米半導体大手エヌビディアが中国市場向けに設計した AI 半導体が兵器の開発に利用される恐れがあるとして輸出規制の対象としていたが、同社は今月 14 日、近く出荷が許可される見通しだと発表した。 関税やレアアース(希土類)と並び、米中間の重要な通商問題のひとつとなっている。 一方、AI の規制をめぐって米中は昨年 5 月、バイデン政権の下で初の対話を開いたものの、その後、具体的な進展はみられていない。 (北京・畑宗太郎、asahi = 7-26-25)

〈編者注〉 李強首相が主張するグローバルガバナンスの世界的な組織を作っても、そこから最初に脱退するのは、米国でしょうか?  中国でしょうか? それが一番の問題です。


中国の大学生 6 人が溺死 内モンゴルの工場で実習中にタンクに落下

中国内モンゴル自治区の工場で 23 日、実習のため訪れていた学生 6 人が鉱物などを攪拌するタンクに落下し、溺死する事故が起きた。 大学生らは大学の必須科目の実習で工場を訪問していた。 自治区政府が事故原因を調べている。 国営中央テレビ (CCTV) などが伝えた。

6 人は中国遼寧省にある東北大学で鉱物加工工学を専攻する 20 - 22 歳の学生。23日午前、鉱物の採掘や加工をする会社の工場で鉱石から有用な鉱物を選別する工程を見学していた際、足元の板が外れて約2メートル下のタンクに落下した。 2 時間 20 分後に 6 人とも救助され、病院に運ばれたが 6 人の死亡が確認された。 板の固定部分が劣化していたという情報もある。 事故で教員 1 人もけがを負った。 (瀋陽・岩田恵実、asahi = 7-25-25)