ソファにも直接縫える「未来ミシン」 万博の会場で試作機を展示へ 万博は「未来」を感じる新たな技術に触れる機会でもある。 大阪・関西万博では立体的な物の表面に直接、布を縫い付けたり、縫い目を入れて装飾したりできる「MIRAI ミシン」の試作機が出展される。 一般的なミシンは、上糸と下糸で平らな布地を挟みながら縫っていく。 一方の MIRAI ミシンは両手で持ち、電動ドリルを使うような格好で糸を通した小さなプラスチック「タグピン」を打ち込んでいくことで、立体物の表面に直接装飾品を縫い付けることなどができる。 手がけているのは 1946 年創業のミシンメーカー「アックスヤマザキ(大阪市生野区)」。 「タグステッチ工法」と呼ばれる車のダッシュボードの装飾に利用されるトヨタ車体(愛知県刈谷市)の特許技術を活用している。 この技術を車の部品に使う以外にも広められないかと考えていたトヨタ車体からの申し出を受けて開発が始まり、試作機が完成。 8 月に、万博の大阪ヘルスケアパビリオンで催される関西大学による中小企業などの支援企画事業「リボーンチャレンジ」で展示される。 2026 年の商品化をめざし、タグメーカーとタグピンの形や材質の改良を進めるなどしている。 アックスヤマザキの山崎一史社長は「ソファや自転車のサドルなどを気軽に補修したり、装飾したりできるようにしたい」と話している。 (前田智、asahi = 4-14-25) 高島屋と J フロント、最高益 訪日客が押し上げ トランプ関税に不安
記事コピー (7-18-16〜4-13-25) アダストリア、5 年で売上高 4,000 億円に 社名も変更 アダストリアは 4 日、2030 年 2 月期を最終年度とする 5 カ年の新中期経営計画を発表した。 M & A(合併・買収)などで連結売上高を 25 年 2 月期比 36% 増の 4,000 億円に引き上げる。 社名も「アンドエスティ HD」に変更し、9 月に持ち株会社制へ移行する。 売上高営業利益率は現在 (5%) から 8% にする。 国内外の M & A により売上高をさらに 500 億 - 1,000 億円増やす方針も掲げた。 国内事業では主力ブランドの「グローバルワーク」、「ラコレ」などに集中投資し、ブランドリテール事業の売上高(2,726 億円)を 3,400 億円に増やす。 ネット販売を手掛ける EC 事業は流通総額 (GMV) を 1,000 億円にする目標を掲げた。 25 年 2 月期時点では 403 億円。 新たに子会社を設け、自社 EC サイト「andST (アンドエスティ)」の運営事業などを移管した。 グループ外のブランドを呼び込み、サイトの活性化につなげる。 海外事業も整理する。 業績が低迷していた米国市場は撤退する一方、成長市場である東南アジアに投資を集中させる。 事業売上高は 25 年 2 月期比で 2.3 倍の 400 億円を見込む。 このうち東南アジアで 25% を占めることを狙う。 木村治社長は同日開いた決算説明会で「5 年後には東南アジアで勝ち筋をつかんでいく」と話した。 一連の取り組みを通じ、連結売上高(2,931 億円)を 4,000 億円にする計画だ。 持ち株会社への移行で M & A をテコにした事業の多角化をさらに進める。 既に伊藤忠商事と共同で英アウトドアブランド「カリマー」を日本で展開するカリマーインターナショナルを 3 月末に買収した。 24 年 3 月には外食中堅のゼットンを完全子会社化している。 同社は「持ち株会社制にすることでグループにない特色を持つ企業の M & A を加速させ、マルチカンパニーを実現させる」としている。 アダストリアが 4 日に発表した 25 年 2 月期の連結決算は売上高が前の期比 6% 増の 2,931 億円、純利益は 29% 減の 96 億円だった。主力ブランドの販売が国内外で好調だった一方、円安に伴う仕入れ価格の上昇などで収益を圧迫した。 (nikkei = 4-5-25) ◇ ◇ ◇ グローバルワーク初のグローバル旗艦店が銀座に誕生、「服の自販機」など独自の仕掛け アダストリアが展開するカジュアルブランド「グローバルワーク」が、3 月 27 日に開業するブランド初のグローバル旗艦店「グローバルワーク ギンザ」の内覧会を開催した。 ク゛ローハ゛ルワーク太田訓営業本部長のほか、同ブランドのアンバサダーを務める吉高由里子がゲストとして登壇した。 グローバルワーク ギンザは、マロニエゲート銀座 3 の地下 1 階から地上 2 階までの 3 フロアに出店。 合計敷地面積は約 1,108 平方メートルで、ウィメンズ、メンズ、キッズのフルラインナップを展開する。 外国人旅行者が多く行き交う銀座エリアへ出店することから、コンセプトには「コネクト」を掲げる。 外国語対応した商品 POP やスタッフを配置することで、インバウンド客に向けた接客を強化。 これまで海外限定商品だった「ウツクシルエットショーツ」を国内で初めて取り扱う。 初年度の売り上げ目標は 10 億円で、そのうち 50% をインバウンドの売り上げで構成することを目指すという。 ![]() どこよりもブランドのアイテムが揃う店頭が初披露、「服の自販機」も 店頭では、骨格診断・パーソナルカラー診断を体験でき、その結果に応じて商品をレコメンドするサイネージを設置。 そのほか、フォトブースや T シャツの自販機といったエンターテイメント性を重視した仕掛けを揃える。 このほか、店舗スタッフ用の AI ツール「STAFF VOICE」を同店限定で導入。 試着室で商品の下げ札を読み取るとそのアイテムの着用アイデアが試着室内のサイネージに表示される。 その後顧客にアンケートを提示し、そのアイテムに対する意見を回収。 消費者のニーズを直接吸い上げ、商品企画に反映することを目指す。 店舗の顔となる 1 階では、天井や柱に大型サイネージを設置し、主力商品をインパクト強く打ち出す。 このほか、訪日客を意識した「ジャパンコンテンツ」コーナーを用意。 オープン時には、「ラーメン」や「寿司」など日本食をテーマとした T シャツやトートバッグなどをラインナップし、季節ごとに商品を入れ替えていく。 同コーナーでは、東京のカルチャーを発信するメディア「ディープトウキョウマガジン」とフォトグラファー 川原崎宣喜とのトリプルコラボで製作したポストカードを配布。 銀座エリアのマップのほか、同エリアのフードの名店の店舗情報が記載されている。 また、訪日客が日本の文化として関心を寄せる「自販機」にフォーカスし、ブランド初の「洋服を購入できる自販機」を設置。 オープン時は、グラフィックカットソーブランド「グッドロックスピード」のロック T シャツを取り扱う。 このほか、若年層を意識したフォトブースも用意する。 ウィメンズアイテムを揃える地下 1 階では、アパレル 200 型、アクセサリー 150 型の計 400 型をラインナップ。 中央のサイネージが設置されたエリアでは、シーズンごとの主力商品を展開。 ワコールが展開する「ウイング」とのコラボレーションインナーは、4 月下旬の全国展開に先駆け、同店で先行販売する。 シューズ、バッグなどのアクセサリー類を揃えるほか、低身長向けレーベル「エス」では今春から取り扱いをスタートした M・L サイズの販売も行う。 2 階のメンズ・キッズフロアでは、計 230 型をラインナップ。 メンズはコラボアイテムを充実させることで新たな客層とのタッチポイント強化を目指す。 オープン時には、日本のイラストレーター サンダー・スタジオが描き下ろしたグラフィック T、東京・秋葉原のコーヒーショップ「キエロコーヒー」とのコラボ T シャツを用意。 このほか、一部店舗限定で展開していたビジネス・フォーマル向けドレスクロージングライン「サロン ド グローバルワーク」をフルラインナップで展開する。 キッズアイテムは、100cm - 170cm まで幅広い身長に対応。 ハイティーン向けライン「アンユアエイニー」も揃う。 吉高由里子がイチオシ「オテラク」シリーズ 一足先に店頭を内覧した吉高は「本当に広くて、なんでも揃うと思います。 それに自販機やパーソナルカラー診断、少し懐かしいプリクラのような機械で写真を撮ったりできる空間もあって、遊びに来た方がどうやって過ごすのかなと楽しみになりました」とコメント。 トークセッションでは、「女子会するときの服装は、ワンピース or セットアップ?」という質問に対し「セットアップ」と回答。 「わたし自身セットアップやジャケットが大好きなんです。 なで肩なので、肩パットが入っているアイテムが特に好き。 服装に迷った時にも、お気に入りのセットアップがあれば間違いないです。 CM でも着用している『オテラク』というセットアップシリーズは着心地が良くてすごくおすすめです。」と太鼓判を押した。 「自分ではセットアップをよく選びますが、今日はプロの方に着させていただいたのでこういった仕上がりになっています」と笑いを誘う吉高。 同店はオープンを記念し、営業開始日の 3 月 27 日限定で先着 200 人に「銀座 松崎煎餅」のオリジナルデザイン瓦煎餅を提供。 また、同日から 3 月 30 日までの期間中、税込 1 万円以上購入した先着 100 人にオリジナル豆皿を配付する。 このほか、4 月 6 日までの期間、一部の人気アイテムを限定価格で販売。 3 月 27 日と 29 日には、WEB ストア「アンドエスティ」で人気の高いインフルエンサースタッフが店頭で接客を行う。 (FashionSnap = 3-25-25) 米フォーエバー 21、再びの破産 SHEIN などの関税免除が打撃? 米ファストファッションブランド「フォーエバー 21」の運営会社が、米連邦破産法 11 条(日本の民事再生法に相当)の適用を裁判所に申請した。 破産申請は 2019 年に続いて 2 度目。 フォーエバー 21 は、中国発の低価格通販の「SHEIN」や「Temu」が少額品の輸入関税を免除されていることで「重大なマイナスの影響」を受けたと主張。 経営破綻の理由に挙げた。 米国外の事業は運営会社が異なり、日本事業も含めて今回の破産法申請には含まれない。 申請は 16 日付。 裁判所への提出書類によると、過去 3 年間で赤字は 4 億ドル(約 600 億円)を超えていたという。 現在は米国で 354 店を展開し、ネット販売も手がけている。 米国内の全店舗を閉鎖する方針だが、同時に資産の買い取り手も探しているという。 フォーエバー 21 は米ロサンゼルス発祥で、安価で流行を取り入れたファストファッションブランドとして人気を集めた。 一時は米国や欧州、アジアなど全世界に 800 店以上を展開。 最盛期には従業員 4.3 万人以上を抱え、年間の売上高は 40 億ドルを超えていた。 しかし、ネット通販の普及やライバル企業との競争激化、積極的な海外進出で財務が悪化し、19 年にいったん経営破綻した。 その後、ブランドを買い取った会社が事業を続けていたが、新型コロナ後の米国での激しいインフレ(物価高)で従業員の賃金や輸送費が大幅に上昇して経営を圧迫。 さらに、米国への 800 ドル未満の輸入品が免税となる制度を中国発ブランドが利用したことで「従来の中核顧客層を維持する能力に大きな影響」があったとした。 トランプ米大統領は 2 月 1 日、こうした少額輸入品に対する関税免除の制度を廃止する大統領令に署名。 米国市場からの締め出しをねらっている。 (ニューヨーク・真海喬生、asahi = 3-18-25) 西陣織の「風神雷神」 高度な伝統技法で再現 京都・建仁寺に奉納 ![]() 江戸時代に活躍した画家・俵屋宗達の代表作「風神雷神図屏風(国宝)」を西陣織の高度な技術で再現した作品の掛け軸が、建仁寺(京都市東山区)に寄贈された。 14 日、寺で奉納式典があった。 4 月下旬から寺で一般公開する予定という。 ?風は建仁寺が所蔵する。 掛け軸は二つあり、それぞれ縦 192 センチ、横 197 センチ。 宗達の流派・琳派の誕生 400 年を記念して、西陣織工業組合が制作した。 のこぎりのようにギザギザにした爪で横糸を一本一本かき寄せて織り上げる「西陣爪掻き本綴織(つめかきほんつづれおり)」という伝統の技法で 2014 年に織り上がった。 臨済宗建仁寺派の小堀泰巖管長は「日本文化の素晴らしさを感じ取っていただけるのではないかと思います」と話した。 (清水謙司、asahi = 3-15-25) 国内アパレル業界の注目マーケット 矢野経済研究所が、国内アパレル市場に関する 2023 年度の調査結果を発表した。 注目マーケットとして、オーダースーツ、イレギュラーサイズ、リユース学生服、ファッションレンタル、電動ファン付ウェア、アウトドアウェアの 6 市場をピックアップし、市場規模を算出。 6 市場の合計市場規模は、前年度比 103% %の 1 兆 5,434 億 8,000 万円と推計した。 L サイズ以上のウィメンズアパレルを対象とするイレギュラーサイズ市場を除く 5 市場は、いずれも 2 桁に近い伸び率で推移しているという。 そのほか、国内アパレル市場の注目トピックとして、リカバリーウェア市場に成長の可能性があるとしている。 疲労や筋肉のコリなどを改善することを目的としたリカバリーウェアは、ライフスタイルやワークスタイルの変化と健康志向の高まりによって年々関心が集まっており、関連企業各社の販売枚数が近年右肩上がりで伸びていることに加え、新規参入企業も増えていることをその理由として挙げている。 (Fashion Snap = 3-6-25)衣料品販売の越前市「エバ」破産開始決定 負債総額 1 億 4,600 万円 福井県内の倒産、4 カ月連続で前年同月を上回る 越前市に本店を構え、商業施設のテナント出店もしていた衣料品販売の「エバ」が福井地裁から破産手続き開始決定を受けたことが分かりました。 民間の調査会社・帝国データバンク福井支店によりますと、越前市神明町の「エバ」は 1981 年創業、1,987 年に法人化した婦人服店です。 複数ブランドのセレクトショップとして婦人服を販売していたほか、同市内にある商業施設のテナントにも出店。 また、男性向けのカジュアル品の卸売りを手掛けたことで、1996 年 8 月期の年間売り上げは約 3 億 3,000 万円を計上していました。 しかし、卸売りから撤退し事業規模が縮小したほか、入居する商業施設の集客力低下やファストファッションの台頭などで苦戦を強いられ、年商を大幅に上回る借入となりました。 さらに、コロナ禍による来客の減少で業績が回復しないまま物価高の影響を受け、2024 年 6 月期には売上が約 4,700 万円に落ち込みました。 先行きの見通しが立たないことから事業継続を断念し、2 月 19 日に福井地裁へ自己破産を申請。 同日、破産手続き開始決定を受けました。 負債は債権者 39 人に対し約 1 億 4.600 万円の見込みです。 福井県内の 2 月の倒産は 6 社となり、4 カ月連続で前年同月を上回っています。 (福井テレビ = 2-27-25) 縫製工場のシェル(岐阜市) 品質重視の技術力に磨き シェル(岐阜市)はデザイナーブランド向けが主力の縫製工場。 杉浦知美代表が、13 年前に夫の杉浦晃一さんと立ち上げた。 縫製は紳士・婦人のジャケットやコート、ボトム、シャツ・ブラウスと幅広い。 強みは品質を重視した技術力。 縫製は丁寧に中間プレスを挟みながら行う。 物作りは中国からの外国人技能実習生 10 人が中心。 実習生に、その道 50 年で技術力の高い日本人縫製工員 2 人とパターンが分かる裁断担当者 1 人が指導し、常に高品質な物作りを目指している。 実習生以外の中国人縫製工員も 1 人働いている。 他にも検品や営業担当者など 4 人いて、杉浦代表は経理関係を、晃一さんは生産管理を担当している。 生産ロットは 200 枚程度から、工賃により数枚も対応する。 300 枚などの大ロットは、協力工場も活用している。 サンプル生産から始まったこともあり、今でも受注品の約 3 割がサンプル。 サンプルは、工賃や仕様など条件が合えば翌日仕上げる「特急」対応も受ける。 ミシンは特殊機を含め 30 - 40 台を保有する。 デザイナーブランドとは、直接取引と商社経由がある。 そのため工場の仕事が厳しいと言われた昨年でも「多少の波はあったが、年間を通して仕事があった」と安定生産ができた。 今後は特定技能制度を活用して、母国に帰った元技能実習生を特定技能外国人として受け入れていく計画。 日本人の採用・育成も考えており、中途で技術者を採用していき、体制が整ったら新卒採用も視野に入れる。 そのため年内をめどにホームページを開設し発信力を強化したい考えだ。 (繊研新聞 = 1-31-25) アパレル 2 社、染色整理加工のソトー(一宮)が買収 染色整理加工大手のソトー(本社・一宮市)は 15 日、メンズアパレルメーカーのジェノ(本社・大阪市)と、ジェノの関係会社でシャツ製造販売の G-STAGE・JAPAN (ジーステージジャパン、本社・東京都)の全株式を 31 日付で取得し、完全子会社化すると発表した。 取得価額は非公表。 ソトーは染色加工をコア事業に、成長戦略としてメンズアパレル製品の製造販売事業を拡大している。 2 社のアパレル製品の企画及び海外生産のノウハウをグループに取り込み、電子商取引 (EC) チャネルでの新たな販売戦略の構築などを進める。 ジェノの 2024 年 2 月期売上高は 12 億 4,300 万円。 G-STAGE・JAPAN の 24 年 7 月期売上高は 9 億 1,600 万円。 (中部経済新聞 = 1-16-25) |