グーグルに独禁法違反で排除措置命令へ スマホにクローム搭載強要 米グーグルが、自社の検索アプリのみ初期搭載することなどをスマートフォン端末のメーカー側に強いたとして、公正取引委員会は独占禁止法違反(不公正な取引方法)で排除措置命令を出す方針を固めた。 巨大 IT 企業 4 社「GAFA (ガーファ)」の一角に公取委が同命令を出すのは初めて。 関係者への取材でわかった。 「見くびられるわけにはいかない」 公取委 vs グーグル、水面下の攻防 公取委はグーグルに同命令を出す処分案をすでに通知しており、意見聴取後に最終的に決める。 処分案では、違反行為として認定した日本市場における端末メーカー側との契約の取りやめや、再発防止を求めた。 グーグルが命令に従わなければ罰金などの罰則が科される。 関係者によると、グーグルは一部のスマホ端末メーカーと、自社のアプリストア「グーグルプレイ」の搭載を許可する条件として、初期状態のスマホに検索用のグーグルのアプリ「グーグルサーチ」や「グーグルクローム」などをまとめて搭載(プリインストール)し、画面で目立つ位置に配置する契約を結んでいた。 また、グーグルが広告サービスで得た収益の一部をメーカー側に分配する条件として、競合他社の検索アプリを搭載しないことを求める内容の契約もしていた。 公取委は、二つの契約によって、グーグルの基本ソフト「アンドロイド」を搭載する端末メーカーが、グーグルの競合他社との取引や事業を制限させられたと判断。 いずれも独禁法の「拘束条件付き取引」に当たると認定したとみられる。 圧倒的なシェアを背景に 公取は初の手続き グーグルの 2023 年の売上高は約 3,070 億ドル(約 47 兆円)で、約 6 割を占めるのが検索広告だ。 総務省の資料によると、日本国内のスマホの検索市場ではシェア約 79%。 圧倒的なシェアを背景に、自社のアプリを優遇するようメーカー側に強要し、ユーザーにとっても他の検索サービス事業者が選択肢になりづらい状況になっていたと公取委はみている模様だ。 公取委は、デジタルプラットフォーム事業者に絡む審査について、初期段階で概要を公表し、情報提供を募る方針をとっている。 今回の審査でその方針を初適用し、23 年 10 月から実態解明を進めてきた。 グーグルをめぐっては今年 4 月、旧ヤフー(現 LINE ヤフー)との取引で検索技術の提供を制限するなどしたとして、公取委が行政処分をした。 公取委はこの際、独禁法の「確約手続き」に基づいてグーグルの改善計画を認め、命令を避けて処分の手続きを取った。 グーグルなど巨大 IT 企業をめぐっては、欧米が先行して規制に乗り出してきた。 欧州連合 (EU) の行政府にあたる欧州委員会は 18 年、グーグルが端末メーカーに自社アプリを初期搭載するよう強制したと判断し、EU 競争法(独占禁止法)違反で 40 億ユーロ(約 6,350 億円)超の制裁金を科した。 米国でも、司法省が反トラスト法(独禁法)違反でグーグルを提訴。 首都ワシントンの連邦地裁は 24 年 8 月、グーグルが「インターネット検索で違法な独占状態にある」と判断し、反トラスト法に違反しているとの判決を出した。 (高島曜介、asahi = 12-22-24) スマホ高額買い取り、総務省が是正へ 囲い込み問題視 総務省は携帯会社によるスマートフォンの過度な高額買い取りを是正する。 豊富な資金を持つ大手企業が、高額でスマホを下取りして顧客を囲い込む手法を問題視した。 年内にも指針を見直して端末の買い取り価格の決め方を示し、公正な競争を促す。 スマホを買い替える場合に、大手携帯会社が市場価格を大きく上回る金額で顧客のスマホを買い取っていた。 新しい端末を割安で手に入れられるようにして、顧客の囲い込みにつながっていた。 買い取りの原資は通信料金のため、一つの端末を長く使い続ける人が損しており、通信料金が高止まりする要因にもなっていた。 総務省は携帯端末の中古市場の平均価格などをもとに買い取り価格を設定するよう求める。 指針に違反した場合は行政指導も視野に入れる。 (nikkei = 12-4-24) 携帯電話「060」も割り当てへ スマホ普及での番号不足に対応 携帯電話で「060」から始まる番号の割り当てが始まる。 スマートフォンの普及による番号不足に対応するため、総務相の諮問機関「情報通信行政・郵政行政審議会」は 20 日、番号の開放を認める答申を出した。 新たな番号が加わるのは、「070」の割り当てを始めた 2013 年以来となる。 電話番号は総務省が通信事業者に割り当てる仕組みで、総務省は年内にも関係省令を改正する。 携帯電話には現在「090」、「080」、「070」で始まる 11 桁の番号が使われている。 「090」と「080」は全て割り当て済みで、「070」も残りの番号が約 530 万件(9 月末現在)となっている。 「060」が加わることで、番号の数は 9 千万件増の 3 億 6 千万件となる。 番号の追加にはシステムの整備などの準備が必要となるため、「060」が使えるようになる時期は未定。 前回、「070」を携帯電話向けに開放した際は、12 年 3 月に諮問機関の答申が出たが、実際に携帯各社による提供が始まったのは 13 年 11 月だった。 (黒田健朗、asahi = 11-20-24) 楽天 G、第 3 四半期 744 億円の純損失 - モバイル改善も黒字遠く
記事コピー (2-14-24〜11-13-24) スマホのセキュリティー対策、70 - 80 代の 6 割「自信ない」 シニアはスマホのセキュリティー対策がよくわからない人が多い スマホのセキュリティー対策をしっかり行っていないシニアが多いことが、NTT ドコモのモバイル社会研究所(東京都千代田区)が 2024 年 11 月 5 日に発表した調査「ご自身のスマホセキュリティ対策、70 - 80 代の 6 割が十分でない」でわかった。 自信がない 70 代記者が心配になり、調査担当者に対策のコツを聞くと - -。 ■ セキュリティーの基本、画面ロックする 80 代は 3 割以下 モバイル社会研究所の調査(2024 年 1 月)は、シニア世代の 60 歳 - 84 歳の男女 1,130 人が対象。 まず、自分のスマホでどのようなセキュリティー対策を行っているかを聞くと、「何もしていない」人が 60 代では 1 割台だが、70 代で 3 割台、80 代では 4 割台に達し、いずれも女性のほうが多かった。 比較的多い画面ロック(パスワード、指紋認証など)は、60 代では約 7 割が行っているが 80 代では 3 割以下で、年代による差が大きい。 特に「最新の OS にアップデートする」は 80 代では 5% しかいなかった。 こんな状態で不安にならないのだろうか。 今の対策は十分できていると思うか聞くと、70 - 80 代の 6 割近くが「十分でないと実感している」と答えた。 なぜ十分な対策ができないのか。 半数のシニアが「何をどこまですれば十分なのかよくわからない」と回答。 また、「定期的なパスワード変更など面倒な対策はしていない」、「対策方法がわからない」などが上位に並んだ。 スマホ操作に疎いことに加え、面倒なことを嫌う億劫さがシニアのセキュリティー対策を不十分にしているようだ。 若い世代でも、シニアより対策をしていない項目も Jcast 編集部は、調査をまとめたモバイル社会研究所の水野一成さん(シニア・防災・子ども調査担当)に話を聞いた。 対策を何もしていない人が 80 代で 4 割という結果。 6 割は何か対策をやっているわけですが、意外とよくやっているとみるか、あるいは非常に危険なレベルとみるか、どう考えますか。 私自身、70 代シニアなので心配です。
若い世代のセキュリティー対策と比較すると、やはり全体的にかなり低いですか。
セキュリティー対策には何をどこまでやるか、ゴールはない それを聞いて少し安心しました。 各セキュリティー対策の項目は、私もやっていないのが半分以上あります。 これを全部やるのは大変ですが、この中でも絶対にやらないといけない項目はどれでしょうか。
私よりスマホを扱い慣れている妻(70 代)は、画面ロックしていません。 「見られて困るものはないから」と言い、私が画面ロックをしていると、「見られたら困る相手と LINE でもしているの?」と不審な目で見られます(笑)。 そういう老夫婦も多いのではないでしょうか。
わからない時はスマホ教室に行くか、子どもに聞こう 「最新の OS にアップデートする」ですが、頻繁に Google や LINE も含め、アップデートの通知がきます。 しかし、いちいちパスワードを入れなくてはならず、面倒なうえ、ひょっとして個人情報を抜き取る「ニセメールではないか」という心配があります。 正直にいえば、ほとんどアップデートをしたことがありません。 マイナカードの 4 桁の暗証番号さえ、メモにしてカードと一緒に入れているシニアも多いです。 新しいパスワードを覚えるのが大変な 2 人暮らしのシニア夫婦は、スマホ教室に通ったほうがいいでしょうか。
アップルの生成 AI 機能、提供開始 新型パソコン「iMac」も発表 米アップルは 28 日、生成 AI (人工知能)を使った新機能「アップルインテリジェンス」の提供を始めた。 当初は英語向けのみで、日本語向けの提供は来年始めるとしている。 アップルインテリジェンスは、メールの文面の校正や、録音した音声の文字起こしと要約などができる。 音声アシスタント「Siri (シリ)」の機能も改善した。 アップルインテリジェンスは基本ソフト (OS) のアップデートを通じて使えるようになる。 昨年発売された iPhone (アイフォーン)の上位機種「15 プロ」以降の機種や、「M1」以降のチップを搭載したタブレット端末「iPad (アイパッド)」などが対象となる。 また、アップルは28 日、デスクトップパソコン「iMac (アイマック)」の新機種も発表した。 自社製チップ「M4」を搭載し、アップルインテリジェンスにも対応する。 価格は 19 万 8,800 円(税込み)から。 28 日から予約を受け付け、来月 8 日に発売する。 (サンフランシスコ・五十嵐大介、asahi = 10-29-24) スマホ新法規制対象「利用者 4 千万人以上」 アップルとグーグル想定 スマートフォンのアプリ市場で支配力を強める巨大 IT 企業を規制する新法で、所管する公正取引委員会は 25 日、規制対象となる事業者の範囲を「国内の月間利用者数 4 千万人以上」とする方針を明らかにした。 米アップルと米グーグルが対象になるとみられる。 国内のスマホ利用者数は約 1 億人とされる。 規制の線引きは、市場シェア 20% 超を「市場における有力な事業者」とする独占禁止法を踏まえ、違反となる行為を事前に禁止する新たな規制であることから「謙抑的に 20% を加算」し、市場シェア 40% を基準とした。 公取委は、規制対象の範囲を定めた政令案を 28 日に公表してパブリックコメントを募集する。 対象事業者はパブコメを経て今年 12 月に確定し、新法は来年 12 月までに施行する。 新法スマホソフトウェア競争促進法は、▽ スマホを動かす基本ソフト (OS)、▽ アプリを追加するためのアプリストア、▽ ウェブサイトを閲覧するためのブラウザー、▽ 検索エンジンの 4 分野で、支配力のある企業を規制する。 他社の参入を妨げる行為などを禁止し、違反すれば課徴金を科す。 (村井七緒子、asahi = 10-25-24) KDDI、スターリンク衛星と「au スマホ」の直接通信に成功 - 日本で開始目前 KDDI は 10 月 24 日、Starlink 衛星と au スマートフォンの直接通信サービスの実証実験に成功したと発表した。 今回の実証実験は、沖縄県の久米島で実施した。 圏外状態の au スマートフォンが、地球低軌道の Starlink 衛星と直接通信し、SMS の送受信ができることを確認したという。 KDDI は、Stalrink の衛星網を活用し「空が見える状況であれば、圏外でもスマートフォンが通信できるサービス」の 2024 年内の提供を目指している。 法制度整備に向けた総務省との調整も順調だという。 当初は SMS から開始するが、順次データ通信や音声通話にも対応する。 衛星との直接通信サービスは、Starlink が「Direct to Cell」として、米T-Mobile などにも提供を予定している。 専用アンテナが不要で、スマートフォン単体で Starlink 網にアクセスできるため、遭難時や災害時の通信にも役立つ。 同様の直接通信サービスは、楽天モバイルも米 AST SpaceMobile (AST) の低軌道衛星を用い、2026 年のサービス開始を目指している。 AST のサービスは YouTube を視聴できる程度の通信速度を目指している。 (小口貴宏、Cnet = 10-24-24) 知床岬携帯基地局「凍結」 再開に高い壁 「会議透明性ない」指摘も 知床世界自然遺産(北海道)の知床岬で計画されていた携帯電話基地局整備事業が「凍結」となった。 事業再開は斜里町内で「推進の合意形成」がなされることが条件で、ハードルは高く、実質的に再開は難しくなった。 「凍結」を決めた 11 日の通信基盤強化連携推進会議の後、斜里町の山内浩彰町長は携帯電話の不感地帯解消の必要性は認めつつも、「町内外から反対の意見がある。 いまの工事内容では推進の合意形成は図れない」と語った。 羅臼町と一緒に携帯電話のエリア拡大の要望書を国に出していたため、「斜里町が翻意した」との指摘もあるが、要望書では「世界自然遺産知床の自然・景観の保護との両立」を絶対条件にしており、山内町長は「考えは変わっていない」という。 羅臼町の湊屋稔町長は「携帯電話の不感地帯解消は漁業者の安心、安全を担保するもの。 岬は中断となったが、やっぱり推進したい。」と語った。 衛星携帯電話については「通話にタイムラグがある」など不安定さを指摘。 気象情報の把握や津波警報などの受信には「スマホがいい」という。 ただ、「環境に配慮するということは大前提。 それは斜里とも一緒の考え。」とも話した。 一方、約 4 万 8 千筆の反対署名を集めた斜里町民有志の会「知床の自然を愛する住民の会」の会長で、世界自然遺産登録を実現した午来昌・元町長 (88) は「多くの人の知床への思いを感じることができた。 ただ斜里に問題の責任があるような印象があるのはおかしい。」 同会のメンバーの一人は「岬の基地局の規模も事業決定まで町民の多くが知らなかった。 大切なのは透明性。 それがなかった。」と話した。 オジロワシ研究者の東京農業大学生物産業学部(網走市)の白木彩子准教授は「環境省は岬地区の許可を出す前にきちんと環境アセスをやるよう事業者を指導すべきだった」と指摘する。 今後は知床岬に近い羅臼側のニカリウス地区で計画が進む。 高さ約 10 メートル、幅約 17 メートルの太陽光パネル設備が 4 基設置される計画で、高さはマンションの 3 - 4 階に匹敵する。 知床岬の教訓から環境省が許可を出す前に時間をかけて環境影響調査をすることになった。 白木さんは「大きな工作物を造れば必ず自然へのインパクトはある。 希少種がいるからではなく、いるのか、いないのかわかないからこそ、きちんと生態系への影響評価をしないといけない」という。 (奈良山雅俊、asahi = 10-12-24) |