北京の小学校前で未成年ら刺される 文教地区、保護者「恐ろしい」

中国・北京の小学校前の路上で 28 日、5 人が男に刃物で刺されて負傷する事件があった。 警察の発表によると、事件は現地時間同日午後 3 時 20 分ごろ発生。 被害者 5 人のうち 3 が未成年だった。 命に別条はないという。 在中国日本大使館によると、けが人に日本人は含まれていない。 同大使館は同日、在留邦人向けに注意喚起のメールを送った。 中国メディアが報じた SNS に投稿された動画には、血を流して路上に倒れた小学生らしき子どもの姿が映っている。

警察が 50 歳の男を拘束して調べている。 中国では最近、江蘇省蘇州市や広東省深セン市の日本人学校のほか広東省広州市などの現地校周辺でも子どもが襲われる事件が起きている。 同日夕、現場付近には多くの警察官が警戒に当たっていた。 事件があったのは北京市中心部から近く大学が集中する文教地区。 現場前の小学校に子どもを通わせている女性は「この辺りは北京でも裕福な人が多い。 そういう人を狙った犯行ではないか。 恐ろしすぎる。」と声を震わせた。(北京・井上亮、畑宗太郎、asahi = 10-28-24)

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中国でまた登校中に切りつけ、母子負傷 事件相次ぐも情報共有に課題

中国東部・浙江省で 22 日、登校中の女児と母親が男に刃物で切りつけられる事件があった。 中国メディアが報じた。 中国では通学中の子どもが襲われる事件が相次いでいる。 事件が起きたのは、同省寧波市の団地の入り口。 地元の警察当局は、同日午前 6 時 40 分ごろ、男 (50) が傷害事件を起こし、負傷者 2 人が搬送されたと発表したが、詳細を明らかにしていない。

SNS 上では事件直後の現場をとらえたとされる動画が拡散されている。 一部の中国メディアは動画の内容などをもとに、2 人は登校中の女児と付き添いの母親で、男に刃物で切りつけられたと伝えている。 中国では、先月に広東省深セン市で日本人学校の男児が刺されて死亡し、今月も同省広州市で児童ら 3 人が学校前で切りつけられる事件が起きている。 いずれも当局発表の内容が限られ、主要メディアも報じないため、こうした事件があったという情報自体が社会で十分に共有されていない現状がある。(上海・小早川遥平、asahi = 10-23-24)

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中国・広州の小学校前で切りつけ事件 児童ら 3 人けが、命に別条なし

中国南部・広東省広州市の警察当局は 8 日、刃物を持った男 (60) が通行人 3 人を切りつける事件があったと発表した。 中国メディア「財新」によると、現場は小学校の校門前で、負傷した 3 人のうち 2 人は小学校の児童だった。 命に別条はないという。 財新によると、事件が起きたのは同市天河区の小学校の校門から数十メートルの路上。 昼休み後に学校へ戻る児童が多く集まる時間帯だった。 逮捕された男は 2017 年に元交際相手を刃物で傷つける殺人未遂事件を起こして懲役 6 年半の実刑判決を受けて服役し、今年 3 月に出所していた。

中国では公共の場所で刺傷事件が相次いでおり、在中国日本大使館が注意喚起をしている。 同省深セン市の日本人学校でも先月 18 日、学校から約 200 メートルの路上で 10 歳の児童が刺されて死亡する事件が起きている。 (上海・小早川遥平、asahi = 10-9-24)


李克強前首相の死去から 1 年 献花許さず? 中国当局が警戒する理由は

中国の李克強(リーコーチアン)前首相が 68 歳で急逝してから 27 日で 1 年となった。 李氏が少年時代を過ごしたとされる安徽省合肥の旧居の周りでは、昨年は李氏の死を惜しむ人々が手向けた花束が積み上がっていたが、今年は献花を許さない警備体制を敷いているとみられる。 中国国営メディアによると、李氏は昨年 10 月 27 日に上海で休養中、心臓病の発作で 68 歳で死去した。 安徽省では市民が李氏ゆかりの場所に花束を供えるなど追悼する動きが出たが、関連するネット上の書き込みは制限された。

1 年がたった今年は旧居への献花は確認できず、周辺には大量の警察官や治安要員とみられる人員が監視するように立っていた。 ある花屋の店員は、献花に使う花を売らないように指示されていると話した。 李氏は経済学博士号を持ち、経済分野に明るく、改革開放にも前向きな人物と目されていた。 ただ、習近平(シーチンピン)国家主席への権力集中が進むなかで、思うように力を発揮できなかったと評価されている。

1 年前と一変した光景 背景にあるものは

習政権が李氏の死去から 1 年がたったいまも追悼の動きに神経をとがらせている背景には、国内の経済が失速し、不動産不況や若者の就職難に不満が高まっていることがある。 献花すら見当たらない警備の徹底ぶりは、李氏を追悼する活動が、現政権への不満や批判に転じないようにしたいとの思惑がからんでいるようだ。 記者は昨年に続き、今年も旧居周辺を取材したが、様子が一変していた。

昨年 10 月 29 日、旧居周辺には市民が手向けた無数の花が置かれ、高いところでは 3 メートルほど積み上がっていた。 追悼の人波が途切れることはなかった。 しかし今年 10 月 27 日午前、昨年花が積み上がっていた一画から 70 メートルほど手前の場所に着くと、2 人の女性が急に近づいてきて、「この道は通れない」と大声を出した。 あっという間に 10 人以上の男女が立ちはだかり、それ以上旧居に近づくのを阻まれた。 付近にいた治安要員とみられる人員たちが、厳しい目つきで記者を見ていた。

女性 2 人に「あなた方はどなたですか」と尋ねると、「住民」だと答えた。 なぜ通れないのか、という質問には「私たちの生活があるから」だと言う。 「 歩いて通るだけで住民の生活のじゃまはしない」と告げると、今度は「いまは工事中」だと次々に叫んだ。 女性らはその後、記者の腕を引っ張り、別の方向に連れて行こうとした。 「どこに行きたいの? この道を通らなくても行けるから。 案内する。」 当局者や治安要員とみられる男性たちは終始無言だった。

「花を売ってはいけない」

旧居から 2 キロほど離れた花屋では、店員が旧居について「あそこに行くなら、花を売ってはいけないと言われている」と話し、当局関係者が献花の動きを妨げていることを示唆した。 李氏の死去の翌日に花を手向けた合肥市内の男性 (53) は今年、追悼のため旧居前に行くのをやめた。 昨年黄色い菊を買った花屋で「当局から菊をたくさん仕入れないように指示された」という話を聞いたという。

「李克強総理は合肥人の誇り。 私たちの良き総理をとても尊敬している。 親の力ではなく、自分の力で一歩一歩えらくなった。」と語る一方で、国家主席の任期制限を撤廃して異例の 3 期目に入った習氏を批判した。 習氏が中華人民共和国の建国に貢献した革命世代を父に持つ「紅二代」の政治家であることを指摘し、李氏をたたえた。 合肥市内に住む別の男性 (45) は「今年は旧居前に集まったり、献花したりしてはいけないと聞いている」と話し、それ以上は口をつぐんだ。(合肥・金順姫、asahi = 10-27-24)


中国公安局が 10 万余りのアカウントを閉鎖、「ファンサークル」問題で - 香港メディア

2024 年 9 月 27 日、香港メディア・香港01 は、ネット上の「飯圏(ファンサークル)」問題に関連して、中国公安部が今年に入って SNS アカウント 10 万件以上を凍結していたことが明らかになったと報じた。 記事は、ここ数年ネット上で芸能人やスポーツ選手を追いかけるファンによる自発組織「飯圏」の過激な行動が中国で社会問題化し、しばしば「飯圏」どうしの罵倒合戦や誹謗中傷などが頻発していることを紹介した上で、中国公安部が 27 日、「飯圏」の乱れた状況に対する持続的な取り締まりにより、今年に入って規則に反した SNS アカウント 10 万件以上を凍結したことを明らかにしたと伝えた。

そして、公安部が 6 月に 3 年連続となる全国公安機関夏季治安取り締まり活動を実施する中で、「飯圏」の問題を特に重視し、「飯圏」コミュニティ内で繰り広げられているサクラによる高評価やトラフィック操作、盗撮行為やプライバシー情報の売買、誹謗中傷などのネット暴力といった犯罪行為の徹底的な取り締まりを実施した結果、今年に入ってから関連の事案 700 件余りを立件し、800 人余りを刑事罰に、200 人余りを行政罰に処したことを伝えた。 また、パリ五輪開催中もネット上での「飯圏」の動きを注視して速やかに措置を講じ、スポーツ分野における複数の「飯圏」のネット暴力行為を取り締まり、社会から広く注目され、支持を受けたと紹介している。

記事はさらに、公安機関が宣伝、ネットワーク・情報、文化・旅行、放送など当局と連動して日常的な取り締まり体制を確立し、オンライン、オフラインの両方で「飯圏」の管理を行っており、今年に入って大型文化芸術イベント 2,300 件以上の安全かつスムーズな開催を実現したと伝えた。 (川尻、Record China = 9-29-24)


中国の映画興行収入、夏は 44% 減 「ゼロコロナ」後の盛り返し失速

米国と肩を並べる規模までに急成長した中国の映画市場が失速している。 かき入れ時である夏休みシーズンの興行収入は、前年に比べ 44% の大幅減に。 ヒット作不足に加え、経済の不調で消費者の財布のヒモが固くなっていることも要因になっているようだ。 中国で映画チケットの販売サイトなどを運営する「北京猫眼文化伝媒」の調査や国家統計によると、今年 6 - 8 月の中国国内の映画興行収入は 116 億元(2,380 億円)だった。 厳しい移動制限を伴う「ゼロコロナ」政策が終わって最初の夏休みだった 2023 年の同時期は、過去最高の 206 億元を記録していた。 コロナ前の 19 年(178 億元)と比べても今年は 35% 少ない。

経済成長に伴い、中国の映画市場はコロナ前まで急拡大してきた。 11 年に 115 億元だった年間興行収入は 19 年には 641 億元と 6 倍近くに膨らみ、北米に次ぐ世界 2 位の市場となった。 コロナ下で一気にしぼんだ市場が、22 年末のゼロコロナ政策終了で大きく盛り返すかに見えたが、その勢いは失速している。 この夏に不運だったのはヒット作に恵まれなかったことだ。 興行収入が 5 億元超の作品が昨年の夏休みシーズンには 8 作品あったが、今年は中国のコメディー映画「抓娃娃」や米 SF ホラー「エイリアン : ロムルス」など 3 作品にとどまった。

さらに 1,200 人を対象にした北京猫眼文化伝媒のアンケートからは、映画館に足を運ぶのに慎重になっている人々の姿が浮かぶ。 この夏に映画を見なかった理由として「見たい映画がなかった (42%)」に続いて多かったのが、「映画館に行くのに時間もお金もかかる (38%)」だった。 「チケットが高く、コストパフォーマンスが高くない (28%)」も 4 番目に多かった。 中国の映画チケットの平均価格は 40.8 元 (830 円) で、5 年前から 5.5 元上がっている。

消費に対する考え方がコロナ後にどう変わったのかについても「何に支出するか、より細かく考えるようになった(安い代替品を探すなど)」が最多の 42% にのぼった。  「不必要な出費を減らし、節約できるものは節約し、貯金するようになった」も 31%。 同社は「今後、観客は映画館に行くことにより慎重になるだろう」とみる。 (北京・鈴木友里子、asahi = 9-25-24)

関連記事 (7-17-24)
- - 朝日の記者は見落としているようですが、この SNS の影響も大きかったと思います。


強力な台風が直撃、交通機関が一時停止 中国・上海

香港 : 中国・上海に 16 日、約 70 年ぶりとなる強力な台風が上陸し、航空便が欠航となったほか、電車が運行を停止するなど影響が出た。 台風 13 号(バビンカ)は現地時間午前 7 時半ごろ、上海の南東部に上陸。 合同台風警報センター (JTWC) によれば、台風13号の風速は最大約 36 メートルで、「カテゴリー 1」のハリケーンに相当する。 中国の気象当局によれば、上陸の際、台風目の周辺で風速約 42 メートルを計測した。 国営メディアによれば、1949 年に上海を襲った台風以降で最も強力な台風となる。

中国当局は 16 日、最も上の台風警報を発令し、中国東部の広い範囲で、強風や大雨、沿岸部での洪水に対する警戒を呼び掛けた。 強力な台風によって「中秋節」の 3 連休の旅行計画に混乱が生じている。 上海の二つの国際空港は 15 日午後 8 時以降、全ての便が欠航となった。 上海市ではフェリーの運航も停止したほか、列車の一部も止まっている。 港湾や橋、幹線道路も封鎖された。 上海ディズニーリゾートなど人気観光地も休園となった。 国営放送によれば、15 日深夜までに 41 万 4,000 人あまりが避難した。 展示場や学校の体育館が避難所として開放された。 (CNN = 9-17-24)


中国が定年退職年齢の延長決定、15 年かけて男性 63 歳・女性 55 歳に引き上げ

【北京 = 川瀬大介】 中国の全国人民代表大会(全人代 = 国会)常務委員会は 13 日、来年 1 月から政府職員や会社員の定年退職年齢を延長する決定案を可決した。 急速な少子高齢化で予想される労働力不足に対応するためで、今後 15 年で男女の定年年齢を段階的に引き上げる。 中国政府によると、原則として男性 60 歳、女性 50 歳(管理職 55 歳)となっている法定の退職年齢について、2039 年までに男性 63 歳、女性 55 歳(管理職 58 歳)とする。 同時に年金を受け取るために必要な保険料支払い期間を延長し、現行の 15 年を最終的に 20 年とすることも決めた。

現在の制度は 1950 年代に大枠が定まり、国民の平均寿命が 80 歳近くに達する中で時代に合わないと指摘されていた。 中国は昨年末現在で、人口約 14 億人のうちの約 2 割が 60 歳以上となった。 労働人口の急減で 2035 年に年金財源が枯渇するとした政府系調査機関の予測もあり、定年延長が不可欠となった。 (yomiuri = 9-13-24)


通学バスが登校中の集団に突っ込む 生徒ら 11 人死亡 中国・山東省

中国・山東省泰安市の中学校で 3 日朝、通学バスが登校中の生徒や保護者に突っ込む事故があった。 生徒を含む 11 人が死亡し、13 人が重軽傷を負った。 中国国営中央テレビ (CCTV) が報じた。 現地の警察当局は運転手を拘束し、事故原因を調査中という。

CCTV によると、事故は 3 日午前 7 時 27 分(日本時間午前 8 時 27 分)に発生。 生徒を乗せた通学バスが学校に向かう途中に車両を制御できなくなり、校門付近を登校中だった生徒や保護者らに衝突。 生徒 5 人と保護者 6 人の計 11 人が死亡した。 1 人が意識不明の重体で、12 人が負傷し、現在は治療を受けている。 SNS に投稿された事故直後の動画には、通学バスの周りに倒れる子どもたちや、泣き叫ぶ人の様子などが映し出されている。 中国では今週、多くの学校で新学期を迎えている。 (藤原伸雄、小川尭洋、asahi = 9-3-24)


日本とは対照的、外国人観光客が中国に行かないのはなぜか - 台湾メディア

台湾メディアの自由時報は 28 日、米メディアの報道を引用し、日本と中国の観光業に明暗が分かれているとの記事を掲載した。 記事は、「日本と中国はいずれもコロナによる制限を撤廃したのが比較的遅かったが、両国の観光業の回復の様相は大きく異なっている」と指摘。 「日本は世界最高の観光地リストの上位にランクインし、今年の外国人観光客の数は過去最多を更新すると予想されている。

一方、中国は外国人観光客の回復がはるかに遅く、それにはさまざまな原因がある」と述べた。 そして、中国国家移民管理局のデータとして、今年 1 - 7 月の訪中外国人客は 1,725 万人と前年比で 130% 増加したものの、コロナ前の 2019 年(年間で4,910 万人)と比較するとまだ遠く及ばないと指摘。 一方、訪日外国人客は今年 3 月以降、毎月 300 万人を超え、1 - 7 月では 2,100 万人を超えており、年間では過去最多だった 19 年の 3,190 万人を上回る見通しだと伝えた。

その上で、米 CNBC の報道として、東南アジア旅行アプリ Traveloka のジョイディープ・チャクラボルティー氏が「日本政府は長きにわたり、観光客の旅行体験の向上や旅行者の手続き簡素化などの支援を行ってきた。 これに円安が加わり、日本旅行がより手軽になった」と語ったことを紹介した。

では、中国を訪れる外国人観光客が伸び悩んでいるのはなぜか。 記事は一つ目の理由として、航空分析会社 Cirium のデータでは、コロナ前と比べて多くの国から中国に向かう便が回復しておらず、特に米国はそれが顕著だと指摘した。 また、二つ目の理由には「地政学的な緊張」を挙げ、中国が社会の監視を強めていることは外国人観光客に不快感を与える可能性があるとしたほか、ピュー・リサーチ・センターが 7 月に発表した報告書を基に、「米国、ドイツ、フランス、英国など世界最大の観光消費国のいくつかは基本的に中国に対して否定的な見方をしている」と論じた。

三つ目の理由は「利便性」だとし、「中国ではコロナ以降、多くのオンライン決済や予約システムが導入されており、中国のアプリに不慣れな外国人を悩ませている」と指摘。 オーストラリアのエディスコーワン大学のホアン・ソンシャン教授が「中国で高速鉄道や観光地のチケットを予約するには微信(ウィーチャット)などのアプリを使う必要があり、多くの場所は(中国アプリの)アリペイ(支付宝)やウィーチャットペイにしか対応していない。 外国人が現金やクレジットカードしか持っていないと苦境に陥る」と述べ、中国が外国人観光客を誘致するためにはこれらの問題を解決する必要があると指摘したことを紹介した。 (北田、Record China = 8-30-24)


中国の大富豪 2 人、資産計 180 億ドル失う - PDD と農夫山泉の株急落

消費財を扱う中国大手企業の 2 社が記録的な株の売り浴びせに遭い、同国の大富豪である両社の創業者 2 人が合わせて 180 億ドル(約 2 兆 6,000 億円)強を失った。 中国経済の健全性に投資家が懸念を深める状況が浮き彫りになった。 ブルームバーグ・ビリオネア指数によれば、中国のボトルウオーターメーカー、農夫山泉の創業者で同国の長者番付 1 位の鍾氏は、28 日の香港株式市場で同社の株価が一時 12.9% 下落したことで約 40 億ドルを失い、総資産額が 455 億ドルに減った。

一方、格安サイト「Temu (ティームー)」を運営する PDD ホールディングスの創業者、黄崢氏の資産は 26 日に 141 億ドル減少した。 売り上げの伸び鈍化が避けられないとの同社の発表を受け、株価が上場以来最大の下げを演じた。 その結果、ブルームバーグの長者番付で今月 8 日に鍾氏を抜いてトップになったばかりの黄氏は 4 位に後退した。 PDD の株価は 27 日にさらに 4.1% 下落し、黄氏は 14 億ドルを失った。 中国のゲーム・ソーシャルメディア大手、テンセント・ホールディングス(騰訊)の共同創業者、馬化騰(ポニー・マー)氏が現在、同番付で 2 位となっている。

富豪 2 人の資産急減は中国の消費市場への長期的信頼感が揺らいでいる現状を際立たせる。 中国の景気低迷で世界の大手企業の多くが需要減速に直面している。 節約志向を強める消費者を呼び込むため、企業は価格競争を繰り広げ、農夫山泉は精製水の新商品を 1 元(約 20 円)未満で発売した。 ユニオン・バンケール・プリベのマネジングディレクター、ベイ・サーン・リン氏は「農夫山泉や PDD のような消費財を扱う企業の業績が振るわないとすれば、おそらく中国経済は人々が考えているより悪い状態にある。 需要が底堅いと思われる飲料やコストパフォーマンスの高い製品を手掛けるセクターで、両社は代表的企業だ」と説明した。

両社は今年に入り、評判を落とす問題に直面した。 農夫山泉は主要な競合企業の杭州娃哈哈集団の創業者、宗慶後氏が 2 月 25 日に死去した後、競合企業に対し優位に立つために用いた策略が非難されるなどネット上で厳しい批判にさらされた。 その数カ月後、香港消費者委員会が報告書で同社の飲料水の品質を疑問視したが、その見解は後に撤回された。

PDD を巡っては先月、同社が科す不公平な罰則が強化されていることに抗議する業者の数百人が中国南部の同社オフィス前で集会を開いた。 同社の Temu に対する欧州連合 (EU) などの規制当局の監視の目も厳しくなっている。 農夫山泉のボトルウオーター売上高は今年上期に 18% 減少。 総売上高に占める割合は昨年の約 48% から 39% に低下した。 2 月末以降の同社と鍾氏に対する批判の高まりが背景にある。 (Bloomberg = 8-28-24)


中国 未洗浄のタンクローリーで食用油輸送 刑事責任追及へ

中国で、燃料を運んだタンクローリーがタンク内を洗浄せずに食用油の輸送に使われていたと報じられたことについて、中国政府は事実だと認定した上で関係者の刑事責任を追及すると明らかにしました。 食の安全への意識が高まる中、厳格に対応する姿勢をアピールするねらいもあるとみられます。 北京の有力紙「新京報」は先月、北京に隣接する河北省と天津市で液体燃料を運んだタンクローリーがタンク内を洗浄しないまま食用油の輸送に使われていたと独自の調査の結果として伝えました。

国営の新華社通信によりますと、この問題について、中国政府の食品安全部門と警察などの合同調査チームが 25 日、調査結果を公表し、「極めて悪質で基本的な常識にも反する違法な犯罪行為だ」として報道の内容を事実だと認定しました。 その上でタンクローリーの運転手の刑事責任を追及するほか、輸送を依頼した業者などには罰金などの行政処分を科すと明らかにしました。 そして「食用油の輸送には専用の車両を使用することを徹底し、違法行為は厳しく取り締まる」と強調しています。

市民の間で食の安全への意識が高まる中、メディアの調査報道を受けて政府が対応をとった形で、政府としては食をめぐる不正に厳格に対応する姿勢をアピールするねらいもあるとみられます。 (NHK = 8-26-24)

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全中国に衝撃、石炭液化燃料を運んだタンクローリー、荷下ろし後タンク内部を洗浄せず食用大豆油積み込む

2 台のタンクローリーが石炭液化燃料を荷下ろしした後、タンク内部を洗浄せずに食用大豆油を積み込んで運んでいたと報じられ、全中国に衝撃が走っている。 中国メディアの新京報によると、5 月 16 日、石炭液化燃料を満載したナンバープレート番号「冀E**65Z」のタンクローリーが、寧夏回族自治区霊武市の寧東能源化工基地にある石炭液化プラントを出発し、2 日後に 1,000 キロ余り離れた河北省秦皇島市に到着した。

同 20 日午後、タンクローリーは同省三河市燕郊鎮へ向かい、食用油企業、匯福糧油集団の生産プラントに入ると、荷下ろし後にタンク内部を洗浄せず、1 時間後に一級大豆油 31.86 トンを積み込んで出発した。 同 24 日、天津市の食用油企業、中儲糧油脂(天津)のプラントの駐車場では、ナンバープレート番号「冀E**76W」のタンクローリーが、寧夏回族自治区から運んできた石炭液化燃料を河北省石家荘市で荷下ろしした後、タンク内部を洗浄しないまま到着し、タンク内部の洗浄状況を確認されることもなく、大豆油 35 トンを積み込んで走り去った。

多数の業界関係者によると、河北省●(刑の右側がおおざと)台市南和区は「タンクローリーの郷」としてその名を知られている。 あるタンクローリー運転手によると、ここ 1 - 2 年、タンクローリーの増加により競争が激化し、輸送価格も大幅に下がったことから、多くのタンクローリーが帰路に就く際、空では帰れないため積荷の確保に迫られ、経費削減のためタンク内部を洗浄しないことさえあるという。 タンクの 1 回当たり洗浄費用は通常 300 - 500 元(約 6,600 - 1 万 1,000 円)だが、800 - 900 元(約 1 万 7,600 - 1 万 9,800 円)に及ぶ場合もあるそうだ。 残留する石炭液化燃料に汚染された食用油は、人の健康に影響を与え、中毒を引き起こす可能性もある。

各食用油メーカーのプラントと付き合いがあるというタンクローリー運転手は、「通常、タンク内部まで検査することはない。 二つの開口部をちょっと見るだけ。 だから私たちは、開口部を拭くだけでよい」と語る。 食用油の輸送に当たり、国の強制的な基準はなく、2014 年 6 月施行の「食用植物油ばら積み運輸規範」は食用植物油のばら積み輸送に専用車両を使用することについて言及しているが、推奨基準であるため、メーカーに対する拘束力は限定的だ。 (柳川、Reocrd China = 7-10-24)


中国内外の航空会社の国際路線運営に対照的な動き、背後にロシアの要因も - 香港メディア

香港メディアの東網などによると、中国の航空会社は海外路線の拡充を続けている。 一方で、海外の航空会社は中国路線の便数を減らしたり、運航をとりやめつつある。 中国内外の航空会社の対照的な動きの背景には「ロシア要因」もあるという。

中国の航空会社が運航する自国と海外を結ぶ国際便の割合は、すでに新型コロナウイルス感染症の発生前を上回り、上昇を続けている。 一方で、英国のブリティッシュ・エアウェイズはこのほど、10 月 26 日からロンドンと北京を結ぶ便の運航を 2025 年 11 月まで停止すると発表した。 英ヴァージン・アトランティック航空も先月10 月末からロンドン−上海便を無期限に運航停止すると発表した。 オーストラリアのカンタス航空は 7 月、シドニー - 上海便を休止した際に、中国への旅行需要は低迷しており、搭乗率は半分程度だったと説明した。 ロイヤル・ブルネイ航空は市場状況を理由に、10 月から週 2 便の北京便の運航を休止する。

22 年にロシアがウクライナに侵攻して以来、欧米などの航空会社はロシアあるいは自国政府によってロシア領空への進入を禁止されたり、安全上の理由から自主的に該当空域を飛行しないようになった。 一方で、中国の航空会社は自国から北米や欧米に向けての便で、飛行距離が比較的短いロシア領空を経由する空路を利用し続けている。 そのため、運航コストは国外の競合航空会社よりも約 30% 低いという。 このことで、中国の航空会社のコスト面での強みが拡大した。

旅行情報を扱うオフィシャル・エアライン・ガイド (OAG) のシニアアナリストであるジョン・グラン氏は、中国の航空会社は路線を急拡大するために、大量の資金を求めていると述べた。 また、欧米などの航空会社は、中国路線の業績が悪いために、より大きな利益を出せる可能性がある、他の国際路線に多くを投入するとみられるという。 (如月隼人、Record China = 8-19-24)


貨物が突然大爆発 … 爆炎に包まれる

中国・浙江省で 9 日午後 1 時 50 分頃、コンテナターミナルの監視カメラが、停泊中の貨物船の荷物が爆発する瞬間を捉えた。 黒い煙と舞い散る破片が、瞬く間に画面全体に広がっていく。 その爆発の大きさは港から離れた住宅街でも確認できるほどだった。 住宅街にいた人は、「わーっ! 爆発だ! 何が爆発したの?」とつぶやきながら、爆発を興奮気味に撮影していた。 約 4km 離れた場所でも衝撃波が伝わったのか、撮影者は思わずカメラを傾けている。

爆発したのはリチウム電池含む貨物

爆発が起きた場所は、世界でも有数の貨物取扱量を誇る寧波舟山港の巨大ターミナルだ。 爆発したのは、上海から中東に向け停泊中だった船に積まれた貨物だ。 現地メディアによると、中にはリチウム電池や危険物が積まれていたとみられている。 住宅街から撮影していた住民は爆発の発生源を理解すると、「港方面だから、ヤバい!」、「貨物とか爆発したの?」と心配そうに見つめていた。

また、別のところでは、「大変なことだ! 爆発が起こった!」と叫ぶ人が港の様子を撮影する映像も残っている。 危険物が爆発した原因は、港で積み替え中だったコンテナの電源が差し込まれておらず、温度上昇で発火し、爆発が起きたとみられている。 幸い、死傷者は出ていないという。 (FNN = 8-18-24)


きしむ中国の公的医療 ほぼ「国民皆保険」も負担増で加入者が大幅減

中国で、公的医療保険に入らない人たちが農村を中心に目立ち始めた。 「実質的な国民皆保険」とも言える制度だが、負担が年々重くなるのに対し、恩恵が少ないとの不満が強い。 急速な高齢化で今後の医療費が膨らむと見込まれる中で、健康な人からの支持が離れつつある状況は、制度の将来に重大な懸念を投げかけている。 湖南省北部の農村で小規模な建築会社を営む男性 (37) はここ数年、医療保険料を払っていない。 年収は約 18 万元(約 360 万円)あるが、今年 380 元の年間保険料は、一家 5 人分で 1,900 元に。 「大病をする家族がいるわけでもなく、必要ないんだ。」という。

同省のアルバイトの男性 (55) も同じ選択をしている。 年収は約 4 万元(約 80 万円)で、保険料負担を重く感じる。 「数百元も払えない。 大病になったらあきらめるしかない。」と話す。 こうした事例がいま、全国に広がっているとみられる。 中国の公的医療保険制度は、都市の会社員や公務員を中心に入る「都市職工基本医療保険」と、都市で無職の人や農村の人たちなどが対象の「都市・農村住民基本医療保険」の二つに大別される。 2 種類の保険の加入者数は 13 億人を超え、国民のほとんどが加入する仕組みとなっている。

制度のきしみが目立つのは、このうち後者の都市・農村住民保険だ。 加入者は 2021 年末に 10 億人を超えていたが、7 月 25 日に公表された 2023 年末の加入者は 9 億 6,294 万人で、2 年前と比べると約 4,600 万人減という大きな落ち込みを見せた。

上がり続けた保険料、20年で …

この間にもう一方の都市職工保険の加入者は都市化の進展などを背景に約1700万人増えているが、全体の落ち込みは補い切れていない。 政府は今年 3 月に「加入が重複する例などを整理した結果で、『脱保険ラッシュ』などは起きていない(国家医療保障局)」と説明した。 だが、研究者による農村などでの実地調査でも、医療保険料を支払わない人が増えていることが報告されている。 都市で働く人を対象にする医療保険が建国直後からの長い歴史を持つのに対し、非就労者や農民向けの医療保険は比較的歴史が新しく、10 年代にかけて今の仕組みに整った。

企業を通じて強制的に加入するのではなく、任意で年々の保険料を支払う仕組みをとる。 末端の行政組織が加入を強く呼びかけ、ほぼ全員の加入を達成してきた。 だが、当初は加入しやすくするために低めだった保険料は、前身の制度ができた 03 年と比べて約 20 年で 40 倍近くになった。 これが、人々の負担感を大きくさせている。 企業に属していない人を対象にするため企業からの拠出金に頼れない。 加入者が支払う保険料だけでは給付金をまかなえず、政府からの財政補助に収入の 6 割以上を頼る脆弱な財政構造だ。

この結果として、都市・農村住民保険は加入者が 3 倍近くいるにもかかわらず、年間収入は逆に都市職工保険が約 2 倍になっている。 財政の弱さが、病気になって医療保険を使う時の待遇の差になって表れる。安価な治療は自己負担でまかなうことが求められる。一方、大病をした場合にも保険からの支払いの上限額が低く、自己負担がさらにかかる。 加入者には「メリットがない」と感じられることも多い。

ネット上では加入を拒む理由として「小病には使えない。 若けりゃ大病は心配ない。」といった声が出る。 こうした感覚は、特に大きな病気を経験していない現役世代に強い。 経済が停滞して収入が減っていることが、割高感に拍車をかけている。 ただ、その事態は深刻な懸念をはらむ。

健康の人ほど離脱しやすい、その帰結は

中国の社会保障に詳しいニッセイ基礎研究所の片山ゆき主任研究員は、「高齢者や病気をした人らリスクの高い人が加入者に残って健康な人が抜けることで、より財政が厳しくなる恐れがある」と指摘する。 中国国内では「一度医療保険を抜けた人が、その後は戻ってこない傾向がある(研究者」)とも指摘される。 若いころに医療保険料を支払わなくなった人が高齢になった場合、そのまま無保険になる可能性も高いという。

今春の全国人民代表大会(全人代、国会にあたる)期間中には、代表らから「しばらくは保険料の上昇を止める」、「保険料負担を下げる」、「低所得者向けの減免措置を設ける」といった提案が相次ぎ、事態を深刻に受け止める人が多いことを印象づけた。 ただ、いずれも財源が必要になる措置のため、抜本的な対策は難しい。 経済成長とともに「95% 超の加入率」を公称するまでに発達した医療保険制度を中国政府は「世界最大」と自負する。 ただ、高齢化で医療費の支払いが急増すると見込まれる今後に、人々の医療保険離れを食い止められないと、制度の持続可能性も脅かしかねない。 (北京・斎藤徳彦、asahi = 8-12-24)


突然空から砲弾 … 女性が大けが 中国気象台、年 80 万発発射のわけは

中国南部・雲南省の小さな村で、農作業をしていた女性に空から落ちてきた砲弾が当たり、大けがを負う「事件」が起きた。 砲弾は隣町の気象台が打ち上げたもの。 中国では「天から降ってきた災いだ」と驚きをもって受け止められている。 中国のネットメディア「澎湃新聞」などによると、異変が起きたのは 5 日の午後 6 時すぎ。 女性の親族が SNS 上に公表した監視カメラ映像では、家の庭先とみられる場所で突然の大きな音とともに、物体が煙を噴きながら落ちてくる様子が映っていた。 女性は右足に大けがを負い、搬送先で切断することになったという。

動画には、現場に落ちていた黒い筒状の物体も。 この物体は、約 70 キロ離れた隣町の気象台が発射した砲弾の「不発弾」だったことが地元当局の調べで確認された。 気象台は「第 3 の砲兵?」 なぜ、気象台が砲弾を打ち上げるのか。 気象台は同紙の取材に、当日はひょうの被害を防ぐ「防雹」の作業をしていたと説明。 作業では、雲の中のひょうを除去するために砲弾を雲に撃ち込み、空中で爆発させることで触媒を散布するとともに衝撃を与えるのだという。

地元メディアによると、この気象台では 6 月 30 日にもひょうの除去で 79 発の砲弾を打ち上げていたという。 中国では、人工降雨などのために砲弾やロケット弾が積極的に使われている。 ひょうの警報が出ると気象当局が今回のような「人工防雹作業」を準備すると報じられる。 2008 年の北京五輪開会式や 09 年の建国 60 周年式典では、直前に多数のロケット弾を雲に撃ち込んで雨を降らせ、晴れ間をつくる「人工消雨」が実施された。

共産党機関紙・人民日報の 18 年 9 月の記事によると、中国各地の気象台が 6 年間で使ったロケット弾は 74 万発、砲弾は 526 万発。 砲弾だけで年間 80 万発以上を使う計算だ。 打ち上げ用の高射砲は、計 6,500 基以上保有しているという。 一部ではこうした規模の装備をもつ中国気象局を「第 3 の砲兵」と呼び、前身が軍の組織だった来歴と関連づける見方もある。

ただ、今回のような人身事故が明らかになるのは珍しく、中国のネット上では驚きや不安の声が上がっている。 負傷した女性の治療費は、気象台側が補償・賠償をする見込みだという。 6 月末には、河南省鄭州市でロケットエンジンの試験運転中にロケットが誤って試験台から分離し、1.5 キロあまり離れた山中に墜落する事故も起きている。 この事故で死傷者は出なかったが、試験運転をしていた民間のロケット会社は謝罪し、周辺住民に必要な補償をする意向を示した。 (北京・畑宗太郎、asahi = 8-8-24)


中国酷暑 浙江省など広い地域で最高気温が 40 度超え、地表温度 72.3 度の記録も

日本でも猛暑が続いているが、中国大陸はそれ以上の「酷暑」に見舞われている地域が多い。 中国中央気象台の発表によると、2 日には上海市および浙江省の広い範囲と新疆ウイグル自治区の一部で最高気温がセ氏 40 度を超えた。 浙江省杭州市蕭山区では地表温度が観測史上最高の 72.3 度に達した。 浙江省では 2 日、極端な高温を示す赤色警報が続々と出された。 浙江省気象台によると、午後 4 時までの段階で全省各地で気温が 40 度を超えた。 最高気温は諸曁市で 41.5 度で、島しょ部の舟山市普陀区はで 37.6 度、温州市で 39.6 度など、いずれも 8 月上旬の最高気温記録を更新した。

杭州の最高気温は 40.9 度で、今年の最高記録だった。 中国気象網によれば、午後 3 時 41 分までに浙江省の余姚市、杭州市蕭山区山、同市臨安区などでは地表温度が 70 度を超え、歴史的な珍しい記録となった。 うち臨安区では地表温度が 72.3 度に達し、1990 年 7 月 27 日の 71.1 度の記録が更新された。 また、杭州市中心部の午後 9 時 15 分時点の気温が 36.5 度などと、日没後も高温が続いた。

杭州九溪

中央気象台による 3 日の予想では、安徽省の中南部、江蘇省の中南部、上海市、浙江、福建省の大部分、江西省の大部分、湖南省の北東部、湖北省の南東部、新疆ウイグル自治区の一部地域では最高気温が 37 - 39 度に達し、浙江省の大部分、安徽省の南東部、江蘇省南部、上海市の一部地域では 40 度以上になる見込みだ。

福州

現在は夏休みの旅行シーズンで、水遊びなどのできる景勝地を訪れる観光客も多い。 杭州九溪景区もそんな観光地の一つだが、気温があまりにも高いために「耐えられない」とこぼす観光客もいる。 しかも川の水量が減って、大きな石がむき出しになっており、水は足首をひたす程度の深さしかない。 水遊びには不向きな状態ということで、8 月に入った時点ですでに近隣の民宿などの売り上げに影響が出る状態だったという。

上海

上海市でも気温の高い状態が続いている。 市内の多くの場所で 2 日午前 8 時には 35 度前後に達した。 その後、市内各地で最高気温が 40 度に達した。 この日には市内の繁華街でも最高気温が 40 度を超えた。 同地で 40 度を超えたのは 152 年の観測史上で 22 回目だった。 上海市気象局の関係者は、「上海では平年ならば、(1 日の最高気温が 35 度を超える)高温日の数は 20 日ですが、今年は高温日が続いて "コンプリート" 状態です。 今後 10 日間の天気予報から判断すれば、高温日の数は歴史的なトップ 10 に入る可能性があります。」と説明した。 (如月隼人、Record China = 8-4-24)


中国、「学校にパスポートを提出せよ」命令 … 夏休みを控えて大学街が緊張

夏休みを控え、中国が教師や学生、銀行員に対する海外旅行制限を拡大しているという報道があった。 当局がパスポートを提出するよう要求したり、出国許可を要求したという投稿がソーシャルメディアを通じて多数登場した。 22 日、米国ラジオ・フリー・アジア (RFA) によると、名称が公開されていないある県に 6 月 25 日付けで通達された通知文によると、教育当局がすべての教職員を対象に学校共産党事務所にパスポートを提出するよう指示した。 党事務所は中国共産党が大学を直接統制しようとする最新の努力目的として設置した新しい行政事務所だと RFA は説明した。

中国市民記者である X (旧ツイッター)ユーザーが張り付けた該当の通知文は「党事務所が名簿を作り、該当県の教育当局人事部が情報を保管する」という内容もある。 あわせてパスポート申請前に作成して雇用主が承認しなければならない文書様式も投稿された。 このような公示が相次いだことについて、批評家は海外留学や移民をしようとする教師と学生を狙ったものだとみられると指摘した。 RFA は「習近平政府は長い間、人権活動家や弁護士、反体制要人などに旅行禁止命令を出してきたが、『ゼロコロナ』期間 3 年間、中国検索ポータルで移民方法を調べる検索が急増し、パスポートを回収する慣行が強化された」と指摘した。

続いて「消息筋はパンデミック制限が終わったのに、事実上旅行禁止は続いていて、これは教育分野だけにとどまらないという」と付け加えた。 広東省銀行業界のある職員は RFA に「銀行システムで仕事をしている人々は現在の勤務日基準で少なくとも出国 10 日前に出国申請をしなければならない」とし、「一定期間に出国できる回数に制限がある」と話した。 続いて「ある市は年に 1 回だけ海外に出国できるようにし、一部は 2 回許容する」とし、「基本的に彼ら(当局)は人々が中国を離れようとする意志を折っている」と指摘した。

家族が教育分野に従事している武漢市のある住民は RFA に、香港旅行に行くためにはさまざまな段階の承認を経なくてはならず、現地教育当局に報告しなければならないと明らかにした。 この住民は「一部の教師はこれから夏休みの間、子女を海外に連れていくことが禁止される可能性がある」と話した。 海外に居住している前職教師出身の人権活動家は、該当の旅行制限が、家族全体が移民する前の最初の段階として子女を海外に留学させることを模索する親たちを狙ったとみられると指摘した。 彼は子女を先に海外に留学させることは「資産を移して結局は移民する非常に安全な方法」と説明した。 (韓国・中央日報 = 7-23-24)