酪農家が新しく認証制度を立ち上げ、A2 ミルクは「酪農界の救世主」 日本 A2 ミルク協会は今年 3 月、A2 ミルク認証制度を本格スタートさせた。 協会代表理事の藤井雄一郎さんは北海道富良野市で酪農を営む。 A2 ミルクに注目したのは約 10 年前だ。 家業を継ぎ、ちょうど商品の付加価値を高めるためにはどうすれば良いかを考えていた時、知り合いから「海外で非常に注目されている牛乳がある」と聞いたのがきっかけだった。 海外の文献を独自に翻訳して調べると、A2 ミルクの可能性を感じ、日本にも広げていくことを決意した。 そのとき、一番の課題が「生産・運搬・加工時に A1 ミルクの混入が無い、信頼できる生産体制の確立」だった。 実際、2021 年にはオーストリアで A1 ミルクが混入されて販売されていた事件もあった。 第三者が信頼を担保する仕組みが必須と考えた。 学術経験者などとともに同協会で整えた認証制度では、▽ 協会加盟の牧場は飼育する牛の遺伝子検査結果を協会に報告する、▽ 事務局で個体識別番号を登録しデータベース化、▽ 加盟牧場は国による畜産農場での衛生管理基準「農場 HACCP 認証」や、食品安全マネジメントシステムの国際規格「ISO 22000 認証」を取得、▽牛乳の混入がないような対策や作業、記録の作成、▽ 定期的な訪問監査とともに、抜き打ちでのベータガゼイン検査を行う - - など多岐にわたる。 藤井代表は「厳しいかもしれないが、一度でも混入をやってしまうと、市場からブランドの信頼を失ってしまう」と話す。 同協会には約 50 の企業・団体などが所属。 広尾町の鈴木牧場を始め、認証取得に意欲を見せている酪農家も出てきているという。 酪農家は近年、コロナ禍による牛乳需要の減少や生産抑制、円安などによる飼料高・燃料高に苦しむ。 藤井さんは「A2 ミルクは、消費者に対しての新しい価値提案。 酪農業界の救世主になり得ると思う。」と語る。 (中沢滋人、asahi = 5-21-24) 今年度 2 回目の処理水の海洋放出始まる、福島第一原発 来月 4日まで
記事コピー (7-4-23 〜 5-17-24) 政府内にコロナ禍「一斉休校」の反省 指示権拡大に与野党で隔たり 非常事態に国が自治体に具体的な対応を指示できるようにする地方自治法改正案が 14 日、衆院総務委員会で実質審議入りした。 コロナ禍の教訓を踏まえ、「指示権」を拡大する内容だが、野党側は「地方への干渉強化」と懸念を示す。 14 日の衆院総務委員会は「指示権」拡大の必要性をめぐって論戦が展開された。 立憲民主党の吉川元氏は、新たに創設される指示権をめぐり、地方分権に逆行するとの批判があることを踏まえ、「(指示権拡大は)分権なのか、集権なのか」と問いただした。 しかし、松本剛明総務相は「国の責任を明確化する意義がある」と述べ、正面から答えなかった。 今回の改正案は、大規模災害など「国民の生命等の保護のために特に必要な場合」に、個別法で対応できない事態に限って行使できるという指示権創設が柱だ。 政府が改正理由に挙げるのが、コロナ禍での国と地方自治体の対応だ。 2020 年 2 月に横浜市で起きた大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号での集団感染では、患者が多過ぎて患者輸送などを法的に担う自治体間の調整が混乱。 最終的に国が近隣自治体と患者の受け入れを調整したが、明確な法的根拠はなかった。 総務省幹部は「指示権拡大は、個別法がカバーしきれない想定外の『法の穴』を埋めるための措置」と説明する。 政府内では、コロナ禍の「一斉休校」の反省もある。 安倍晋三首相(当時)が根回しもなく、全国の小中高校と特別支援学校に突然要請し、各地で混乱を招いた。 別の総務省幹部は「コロナ禍で超法規的な対応を取らざるを得ない状況に置かれた」と語り、個別法の想定を超える事態が生じたことが首相の独断を生んだととらえる。 ただし、改正案をめぐる大きな問題は、本当に個別法で対応できないのか、という根本的な疑問が解消されない点にある。 政府が個別法で対処できないと主張する「非常事態」について、政府は「現時点で想定しうるものはない(松本総務相)」と繰り返し、具体的事例の説明を避け続ける。 具体的事例を答弁すれば、野党側から個別法で対応できると突っ込まれることを避けたい思惑も垣間見られるが、そもそも事態が想定できないなら、改正の必要性を示す「立法事実」もないともいえる。 にもかかわらず、政府が指示権拡大を目指すことに、野党側は「地方への干渉強化」の意図があると疑念を深める。 共産党の宮本岳志氏は「事態の類型を限定せず、政府が判断すれば、何にでも指示権が使える」と批判した。(千葉卓朗) 国と地方、「対等」のはずが … 改正案は「対等」を原則とする国と地方の関係性を変容させる可能性をはらむ。 地域のことは地域で決める - -。 憲法 92 条は、地方自治は国から独立した団体によって運営されるべきだという趣旨の「地方自治の本旨」を明記している。 日本弁護士連合会は3月に出した会長声明で「曖昧な要件のもとに国の指示権を一般的に認めようとする点で、地方自治の本旨に照らして極めて問題」と指摘した。 改正案には、国が出す指示内容の適正化を図るため、事前に「地方の意見を求める」との規定はあるが、努力義務にとどまる。 14日の総務委で松本氏は「(非常時の)事態は多様かつ複雑で特定の手続きを必ず取ることは難しい」と答弁し、義務化に難色を示した。 これでは、国が地方の意見をどの程度尊重するのかは不透明だ。 コロナ対応でも、休業要請やワクチン供給などをめぐる国の施策が「地方の実情を理解していない」との批判が自治体から上がった。 改正案に反対する野党は「(非常時に)リーダーが思い込みで暴走すると現場は混乱する(立憲の藤岡隆雄氏)」と指摘。 時の政府の「暴走」を助長し、「被害を拡大させる」恐れさえあると批判した。 野党側がこうした主張をするのは、改正案では国と自治体の意見が食い違っても、国が指示権を行使すれば、自治体は従わざるを得ないという点を問題視するためだ。 野党側は国の指示について、国会が内容をチェックする仕組みの必要性を訴える。 日本維新の会の中司宏氏は「事前承認や事後承認など、何らかの国会の関与を規定すべきだ」と主張した。 だが、松本総務相は議論の経緯を説明するだけだった。 「(法改正を答申した)地方制度調査会での機動性に欠けるのではないかといった議論を踏まえ、報告などの規定は設けなかった。」 (千葉卓朗、asahi = 5-14-24)
TSMC 効果で融資急増、半導体関連が 2.5 倍に 九州 FG 決算発表 肥後銀行と鹿児島銀行を傘下にもつ九州フィナンシャルグループ(九州 FG、熊本市)は 13 日、2023 年度の半導体関連の新規融資額が約 1 千億円に達し、前年度に比べて 2.5 倍に増えたと発表した。 傘下の肥後銀行が国内外の約 700 社に貸し出した。 台湾積体電路製造 (TSMC) の進出にともない、サプライチェーンの企業が新たな設備投資をするための資金需要が高まっているという。 笠原慶久社長は記者会見で、TSMC 第 2 工場の建設が決定したことなどから「今後も台湾や東京、関西、中京圏を含めて多くの企業が熊本をはじめ九州に投資しようとしている」と説明。 「地元企業もそれに呼応して投資を進めている。 資金需要は高い。 しっかり業績に取り込んでいきたい。」と語った。 九州 FG が発表した 23 年度の決算は、売上高にあたる連結の経常収益が前年比 3.8% 増の 2,225 億円、最終的なもうけを示す純利益が同 6.9% 増の 263 億円だった。 (渡辺淳基、asahi = 5-13-24) 山形・南陽市の山火事、発生 9 日目に鎮火 137 ヘクタール焼ける 山形県南陽市の秋葉山(標高 561 メートル)で 4 日に発生した火事は、発生から 9 日目の 12 日午後 6 時、鎮火した。 市が同日発表した。 ヘリによる上空からの散水や地上からの放水など消火活動を続け、一時は現場近くの 148 世帯 410 人に避難指示が出されたが、7 日夕に鎮圧を確認していた。 この火事で山林約 137 ヘクタールが焼け、70 代男性が足にやけどを負ったほか、山小屋とトイレ計 3 棟が焼けた。 県警が出火原因の特定に向けて調べている。 (大谷秀幸、安斎耕一、asahi = 5-12-24) 北海道新幹線、札幌延伸の開業延期へ 建設主体「遅れは数年単位に」 北海道新幹線の札幌市までの延伸について、建設主体で国土交通省所管の独立行政法人「鉄道・運輸機構」は 8 日、目標とする 2030 年度末の開業が「極めて困難」だと国交省に伝えた。 工事が 3 - 4 年遅れており、工期短縮を図っても遅れを取り戻せないと判断した。 国交省は今後、有識者会議での議論も踏まえ、開業時期の見通しを改めて検討する。 鉄道・運輸機構の藤田耕三理事長が 8 日、斉藤鉄夫国交相と面会して伝えた。 報道陣の取材に応じた藤田氏は、開業時期の遅れが「数年単位」になるとの見解を示した。 北海道新幹線の新函館北斗 - 札幌間の延伸区間は当初、35 年度の開業予定だったが、5 年前倒し、30 年度末を目指すことで政府・与党が合意した。 ところが、トンネルの掘削工事で巨大な岩にぶつかったり、土砂の受け入れ先の確保が難航したりして、工期に 3 - 4 年の遅れが発生。 加えて、4 月には建設業に時間外労働の上限規制が適用された。 機構は工事の受注業者と協議した上で、4 月 22 日に、30 年度末の開業が見通せないとの判断に至った。 斉藤国交相は機構に対し、▽ 全体工程の改めての精査、▽ 工程短縮のための検討、▽ 地元自治体など関係者への丁寧な説明 - - などを指示した。 (中村建太、asahi = 5-8-24) モザイク壁画・陶壁の「レガシー」継承 愛知・岐阜で相次ぎ移設保存 高度経済成長期を中心に設置され、建物の建て替え時に姿を消す運命だった「モザイク壁画」や「陶壁」を保存する動きが盛んだ。 名古屋市中区に開業した中日ビルでは市民の声にも支えられ、壁画の一部が新ビルの壁面に移設された。 愛知県蒲郡市でも著名な陶芸家の陶壁が保存のために取り外される予定だ。 4 月 23 日に全面開業した名古屋の新たなランドマーク「中日ビル」 6 階に、旧ビルにあったモザイク画「夜空の饗宴(きょうえん)」の一部が「レガシーの継承」の一つとして移設された。 この壁画を手がけたのは、岐阜県大垣市出身の洋画家・矢橋六郎氏 (1905 - 88)。 旧中日ビルの 1 階正面玄関ホールの天井画として 66 年に制作した。 太陽の輝きや星のきらめき、天使が飛び交う様子をイタリア・ベネチアのガラスや磁器タイル、大理石をちりばめたモザイク画で表現した。 もともとの天井画は幅 10 メートル、長さ 20 メートルの大きさだった。 ただ、この壁画をそのまま移設するスペースが新ビルにはなく、全体の 6 分の 1 ほどを移設することに。 新ビルの壁に移設されたことで、ごく間近で見られるようになった。 「閉館まで 53 年間親しんでいただいたものが一瞬で消えてしまうと、やっぱりさみしい。 旧ビルをご存じの方も多く、昔を思い起こしていただけるものを少しでも残せて、とてもよかった。」 中部日本ビルディングの市村俊光・新中日ビル準備室長 (64) は振り返る。 「レガシーの継承」として、壁画の保存は社内で検討していた。 「モザイク画はどうなるのか」、「なくして欲しくない」という市民の声にも後押しされて、移設保存が決まった。 当初、社内には作品の一部を切り抜くことを心配する声もあった。 旧ビルへの壁画の設置を担当した、矢橋さんの親族が経営する矢橋大理石(岐阜県大垣市)に相談したところ、「一部でも残してもらえれば、矢橋六郎も喜ぶと思う」と背中を押され、一部保存を決めた。 残る 6 分の 5 ほどの壁画は矢橋大理石が保管し、将来、社内に設ける見本室の天井に設置する計画を進めている。 モザイク愛好家の森上千穂さん (56) = 愛知県豊田市 = は「子どものころからの思い出が詰まったビルの一部で、特に思い入れのあるモザイクだった。 一部分でも実物が残り、誰でも見られる場所にあるのがうれしい。 見上げていた天井のモザイクが目の前の壁になっているのは、不思議な感覚。 手作業で並べた一つ一つのピースを間近で見られるのは面白い。」と喜ぶ。 岐阜県庁の新庁舎にもモザイク壁画「春・夏・秋・冬」 2023 年 3 月末に閉館した、愛知県が所有する保養施設「公立学校共済組合蒲郡保養所(蒲郡市港町)」では、5 - 6 月にも、愛知県を代表する陶芸家の鈴木青々氏(1914 - 90)が 76 年に制作した陶壁を取り外す作業が行われる。 美術工芸品として保存しようと、県教育委員会が 2022 年度に検討を始め、移設を担当する専門業者や鈴木さんの親族に意見を聞き、翌 23 年度に移設を決めた。 陶壁はピースごとに取り外された後に、廃校になった県内の高校で保管され、新たにつくる特別支援学校に移設する計画。 陶壁の移設撤去には約 1,200 万円の事業費を掛けるという。 県の施設では、旧労働者研修センターや旧愛知県勤労会館にあった壁画も取り外され、新たにつくられた施設に移設されているという。 モザイク壁画や陶壁の移設の動きは各地で広がる。 23 年 1 月に開庁した、岐阜県庁の新庁舎にも、矢橋さんのモザイク壁画「春・夏・秋・冬」が、新議会棟には、人間国宝の陶芸家・加藤孝造さんの陶壁が、それぞれ旧庁舎から移設されている。 (戸村登、asahi = 5-4-23) 「太陽の香り」のサクラエビ、富士山と競演 漁獲自主規制で回復傾向 ![]() 静岡市清水区の河川敷で春の風物詩、サクラエビの天日干しが始まっている。 暖かな日差しの下、作業者たちが黒い網の上にサクラエビを散らすと、富士山を背に淡いピンク色のじゅうたんが広がった。 駿河湾では春と秋にサクラエビの漁期があり、6 年前から不漁が続いていた。 静岡県桜えび漁業組合の調べによると、2017 年の春漁の漁獲量は 800 トン以上だったが、翌年の春漁では 300 トン台まで減少。 その年の秋はサクラエビが規定の大きさまで育たず、休漁を決断した。 漁業者たちはその後も、操業する船の数を制限したり、産卵前のサクラエビをとりすぎないようにしたりと自主規制を続けてきた。 静岡県水産・海洋技術研究所も連携し、日々水揚げされるサクラエビの大きさや成長の度合いなどを分析し、操業に生かしてきた。 同研究所によると「漁業者の自主規制の成果もあって漁獲量は回復途中にあるとみられるが、まだ道半ば」という。 香ばしいエビの香りがする中で作業をしていた水産物の加工・販売などを手がけるマルヨの實石(じついし)直樹社長 (43) は今年のサクラエビについて「小さな魚がほとんど交ざっておらず、水揚げはいいと思う」と話す。 春と秋に天日干しをするが、春は日差しが強く、早く乾くため「太陽の香りがする。」 乾き具合が均等になるように動かし、午後 3 時ごろには乾燥を終えるという。 天日干しは漁期が終わる 6 月上旬まで続く予定だ。 (友永翔大、asahi = 5-2-24) 富山県人口、75 年ぶり 100 万人割れ 富山県が 1 日に発表した 4 月 1 日現在の人口は 99 万 9,476 人で、75 年ぶりに 100 万人を下回った。 男性は 48 万 6,552 人、女性は 51 万 2,924 人、世帯数は 41 万 689 世帯。 10 年前の 2014 年 4 月より 7 万 1,781 人減ったが、世帯数は 1 万 8,334 世帯増えた。 主な自治体別では、富山市が 40 万 4,054 人(14 年比 3.4% 減)、高岡市は 16 万 440 人(同 6.7% 減)、魚津市が 3 万 8,222 人(同 12.2% 減)。 10 年前比で、県内 15 市町村のうち 14 市町が減少。 唯一、舟橋村だけが増えて 3,202 人(同 7.7% 増)だった。 1949 年に県人口が 100 万人を超え、それ以降はほぼ増え続け、98 年にピークの 112 万 6 千人となった。 その後は減少を続けた。 国の人口のピークが 08 年だったのに対し、県人口は全国より 10 年早くピークが訪れていた。 この日、新田八朗知事は会見で、「予見されていたことで過度に悲観的にならず、前向きな取り組みを起こすきっかけにすることが重要」と述べた。 今後の対策については、「自然減と、社会減の 15 歳から 34 歳の減少の抑制に尽きる。 人口未来構想本部で大胆な発想でいろいろ考える。」と述べるにとどまった。 県は、国立社会保障・人口問題研究所の 2050 年の推計が、県の予想より 9.7 万人少ない 76.2 万人だったことから、今年 4 月、この課題に全庁で取り組むため、新田知事を本部長とする人口未来構想本部を設置。 11 月に新たな人口ビジョンの骨子案を示す方針。 100 万人割れについて、19 歳の長女の孫ができたばかりという富山市の女性 (37) は、「いま小学 2 年の三女は希望の保育所に入れなかった。 若い人が子どもを産み育てたいと思う政策がないと」と話した。 (朝倉義統、asahi = 5-2-24) 丘陵地彩る 5 万株のツツジ 北陸新幹線延伸の福井・鯖江で満開 ![]() 延伸した北陸新幹線が通る福井県鯖江市の西山公園で、ツツジの花が見頃を迎えている。 なだらかな丘陵地に11種類約5万株が咲き、訪れた観光客らを楽しませている。 5 月 3 日から 5 日まで、屋台が並び、音楽隊の演奏会など様々なイベントが楽しめる「さばえつつじまつり」が行われる。 実行委によると、新型コロナ流行前の 2019 年まで、「まつり」期間に 20 万人ほどが来場していた。 今年は北陸新幹線の延伸で、それより多い客入りを期待しているという。 入場無料。花は天候にもよるが、ゴールデンウィーク中は楽しめるという。駐車場の情報などは HP。 (金居達朗、asahi = 4-29-24) -------------------------------- 各地で気温 30 度超え 今年初の真夏日に 大型連休 2 日目の 28 日、全国的に気温が上昇し、関東甲信、近畿の各地方で今年初めて真夏日(最高気温 30 度以上)を記録した。 気象庁によると、午後 5 時時点の日中の最高気温は、福島県伊達市 32.3 度、群馬県桐生市 31.4 度、長野県上田市で 31.7 度、岐阜県下呂市 30.7 度、兵庫県朝来市 31.0 度、沖縄県竹富町 31.9 度など。 29 日は全国的に気温は下がり、西日本を中心に雨となる地域も多い見込みという。 (黒田早織、大山稜、asahi = 4-28-24) ◇ ◇ ◇ 新潟で 32.5 度、全国 11 地点で「真夏日」 沖縄以外では今年初 15 日は東日本から北日本を中心によく晴れ、各地で気温が上がった。 気象庁によると、新潟県三条市で 32.5 度、沖縄県石垣市で 31.6 度、秋田県横手市で 30.7 度、山形県鶴岡市で 30.2 度など、全国 11 地点で最高気温が 30 度以上の「真夏日」を観測。 今年に入り、沖縄県以外で初めて真夏日となった。 15 日午後 4 時時点で全国 34 地点で最高気温が 4 月の観測史上最高を更新した。 16 日は、15 日に九州で雨を降らせた気圧の谷が東へ進む影響で、西日本から北日本の一部を含む広い範囲で雨や曇りとなる見通し。 暑さは収まるが、湿度は高い可能性があるという。 (力丸祥子、asahi = 4-15-24) 744 自治体「消滅可能性」 人口戦略会議が新たに公表、全国の 4 割 有識者でつくる人口戦略会議(議長 = 三村明夫・日本製鉄名誉会長)は 24 日、2020 年から 50 年までに全国 1,729 自治体の 4 割にあたる 744 自治体で 20 - 39 歳の女性人口が 50% 以上減り、消滅する可能性があるとする分析結果を公表した。 14 年の同様の分析では約 50% の自治体が「消滅可能性」に該当しており、今回は数が減った。 だが、少子化基調は変わっていないとして、警鐘を鳴らしている。 同会議は、国立社会保障・人口問題研究所が昨年 12 月に公表した「地域別将来推計人口」から算出した。 「若年女性人口が減少し続ける限り、出生数は低下し続け、総人口の減少に歯止めがかからない」という考え方のもと、50 年までの 30 年間で 20 - 39 歳の女性人口が 50% 以上減少する自治体を「消滅可能性自治体」とした。 14 年の分析とは前提条件や対象の自治体、時期が一部異なるが、239 自治体が「消滅可能性」を脱却。 一方、新たに「消滅可能性」に該当した自治体は、前回の分析に含まれていなかった福島県を中心に 99 あった。 同会議の増田寛也副議長は、「(この 10 年で)問題意識は浸透したが、そこからさらに危機感が広がらなかった」として、「出生数が増えていくためには地域全体での後押しがないといけない」と強調した。 (藤谷和広、asahi = 4-24-24)
新千歳空港の国内線旅客数、初の 2 千万人超え コロナ禍前を上回る 新千歳空港の 2023 年度の国内線旅客数が前年度比 18.2% 増の 2,003 万人となり、開港以来初めて年度ベースで 2 千万人を超えた。 新型コロナの 5 類移行で旅客需要が回復した。 運営する北海道エアポートが 23 日発表した。 国内線旅客数のこれまでの最高は、コロナ禍前の 18 年度の 1,978 万人だった。 暦年(1 - 12 月)では 19 年に過去最高の 2,073 万人を記録している。 23 年度の国際線旅客数は 289 万人で前年度の約 4 倍となったが、コロナ禍前の 18 年度の 75.1% にとどまった。 中国本土からの客の回復が鈍いためだ。 国内線と国際線を合わせた旅客数は 2,293 万人で前年度比 28.3% 増、18 年度比では 3.0% 減だった。 (新田哲史、asahi = 4-23-24) 愛媛県、高知県で最大震度 6 弱の強い地震 愛媛県・愛南町、高知県・宿毛市 17 日午後 11 時 14 分ごろ、愛媛県、高知県で最大震度 6 弱を観測する強い地震がありました。 気象庁によりますと、震源地は豊後水道で、震源の深さはおよそ 40km、地震の規模を示すマグニチュードは 6.6 と推定されます。 この地震による津波の心配はありません。 この地震について、緊急地震速報を発表しています。 最大震度 6 弱を観測したのは、愛媛県の愛南町、高知県の宿毛市です。 (TBS = 4-17-24)
流水型で動き出す川辺川ダム 熊本知事の環境評価は「極限まで配慮」 熊本県南部・球磨川水系の川辺川への流水型ダム建設を巡り、熊本県は 12 日、ダムの環境への影響や保全についての蒲島郁夫知事の意見書を国に出したと発表した。 「環境に極限まで配慮されたもの」と評価している。 国が公表した「環境影響評価準備レポート」に対するもので、国が行う環境影響評価法に準じた環境アセスメントの手続きの一環で知事が意見を出す最後の機会で、地元の同意を経て本体着工に弾みがつく見通しだ。 流水型ダムは、下部に放流口を設けて普段は川の流れを止めず、大雨のときだけ水をためて洪水を防ぐものだ。意見書は、流域12市町村や公聴会の意見も踏まえて作成。 安全性を検証するため一時的に水をためる際に環境への負荷を減らす方法を検討することや、住民に丁寧な説明をすることを要望。 積極的に良好な環境の回復をはかる「ネイチャーポジティブ」の観点の必要性も記した。 ダム計画は、利水と治水の課題解決を目指し 1966 年に旧建設省が発表。 反対の住民意見などを受け蒲島知事が 2008 年に白紙撤回し、翌年に当時の民主党政権が建設中止を表明した。 しかし、20 年 7 月の豪雨災害で氾濫による犠牲が多数出たため、流水型ダム建設に方針転換した経緯がある。 蒲島知事は、環境影響への懸念の声が住民から寄せられているのを承知しているとしつつ、国が専門家の議論や模型実験の結果を踏まえて(環境への)影響低減を追求しているとして「命と清流を守るダムに限りなく近づいているのではないかと評価している」と述べた。 この日、流域自治体でつくる川辺川ダム建設促進協議会も県庁を訪れ、ダムの早期着工や完成、建設・水没地の振興を求める要望書を出した。 水没地を抱える木下丈二・五木村長は「村が新たなスタートラインにつく時期」と語り、21 日の村民集会で自身の考えを明らかにすると説明した。 (杉浦奈実、asahi = 4-12-24) 前 報 (7-4-20〜8-20-21) 福岡県の人口、北海道上回り全国 8 位に 45 年には兵庫県抜く推計も 今年 1 月末時点の住民基本台帳にもとづく人口統計(速報値)で、福岡県が 509 万 1,167 人となり、北海道の 508 万 8,470 人を抜き、都道府県で全国 8 位に浮上した。 道によると、道人口は 1998 年がピークで、同年は福岡県を 75 万 3 千人上回っていた。 同年から人口減少に転じた。 一方、福岡県の人口は 2020 年以降は減少に転じたが、昨年の減少数は北海道が 4 万 6,112 人(1 月末時点)、福岡県が 8,395 人(同)で人口逆転につながった。 県によると、県内では 15 年連続で転入が転出を上回る「社会増」の状態だが、出生を死亡が上回る「自然減」も 13 年続いている。 県幹部は「福岡県も人口は減ってきているが、まだ元気があるかなと思う。」と話す。 国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口によると、福岡県の人口は 2045 年に 462 万 2,818 人となる。 同年の兵庫県の 456万 3,557 人を抜き、全国 7 位に浮上するとされる。 6 位の千葉県の 582 万 4,413 人とは 100 万人以上の差があり、6 位浮上は難しそうだ。 同年の北海道の人口は 406 万 7,642 人となっている。 (大下美倫、asahi = 4-10-24)
唐沢寿明、山口智子夫妻も駆け抜ける 熊本でクラシックカーラリー 全国から集まったクラシックカーが熊本市から阿蘇をめぐる「GO! GO! ラリー in 熊本」が 6 日、初開催された。 震災の被災地を励まそうと俳優の唐沢寿明さんが発起人となって企画した。 これまで東北で 3 回開催されている。 熊本市中央区の花畑広場には 6 日朝、50 年以上前に製造された 106 台がずらりと並んだ。 唐沢さんにクラシックカーの魅力を教えた堺正章さんも参加した。 開会式で唐沢さんは「熊本の方々に勇気と笑顔を届けましょう」とあいさつ。 その後、集まった車は阿蘇に向けて出発していった。 唐沢さんの愛車・ポルシェ 356 スピードスターの助手席には妻の山口智子さんが乗り、今後動画配信するためのスマホを掲げた。 (森北喜久馬、asahi = 4-6-24) 東京でサクラ開花 気象庁 平年より 5 日遅く 気象庁は 29 日午後、「東京でサクラが開花した」と発表しました。 気象庁によりますと、29 日の東京は、午前中、雨や風が強まり荒れた天気となりましたが、その後回復し、午後 2 時までの最高気温は 20.9 度と 4 月下旬並みの暖かさとなりました。 日が差しはじめ青空が見えた午後 2 時ごろには、気象庁の担当者が東京のサクラの開花の目安となっている千代田区の靖国神社のソメイヨシノを訪れて、基準を超える 11 輪の花が咲いているのを確認し、「東京でサクラが開花した」と発表しました。 東京のサクラの開花の発表は、平年より 5 日、統計を取り始めてから最も早かった去年より 15 日、それぞれ遅くなりました。 2013 年以降でも最も遅くなっています。 ことしの開花について、東京管区気象台の小林與朗地上気象観測班長は「先月後半からきょうの開花まで気温が低い日が続き、つぼみの成長が遅れため、開花が平年よりも遅くなった」と話していました。 サクラは 1 週間から 10 日ほどで満開となる見込みです。 (NHK = 3-29-24) ◇ ◇ ◇ 6 年ぶり、高知が「春」一番乗り 気象台、ソメイヨシノの開花宣言 高知地方気象台は 23 日、高知で桜(ソメイヨシノ)が開花したと発表した。 今季、全国で最も早い観測で、昨年より 6 日遅く、平年より 1 日遅い。 全国で高知が最も早い開花となったのは 2018 年以来6年ぶり。 午後 4 時、高知城三ノ丸(高知市)で、標本木に 5 輪が咲いているのを職員が確認した。 この日、高知市の最高気温は 14.7 度だった。 同気象台の増田純一調査官によると、20 - 21 日の寒さで開花が遅れたとみられる。 1 週間から 10 日ほどで満開になる見込みという。 開花宣言を聞きに来た市内の竹内有香さん (51) は「明日は雨の予報なので今日の開花宣言に期待していた。 次は満開のころに見に来たい。」と話していた。 (羽賀和紀、asahi = 3-23-24) 北海道全域で高速道路乗り放題 「道トクふりーぱす」 24 年度も販売 東日本高速道路 (NEXCO 東日本) 北海道支社は 15 日、4 月 1 日から 12 月 6 日までの指定した日について一定金額で高速道路が乗り放題になる「道トクふりーぱす」(ETC 利用者限定)の販売を始めた。 普通車で 8 千円(2 日間)から 1 万 3,700 円(7 日間)のパスをネット上で事前購入することで全道の高速道路が乗り放題になる。 ただし、ゴールデンウィークやお盆期間などはパスの対象期間外になる。 未使用のパスについては代金を課金されないが、短距離でも高速道路を登録した ETC カードで利用した場合、全額が課金される。 また、利用区間・時間帯によって、ETC 時間帯割引を利用する方が割安となる場合もあるという。 昨年はゴールデンウィークとお盆期間を除く 4 月 4 日から 10 月末までで 5 万 6,889 件の利用があった。 申し込みは「ドラぷら」で受け付けている。 (松尾一郎、asahi = 3-16-24) ロケット「カイロス」打ち上げ直後に爆発 「飛行中断措置行われた」 宇宙ベンチャー「スペースワン(東京)」の小型ロケット「カイロス」初号機が 13 日午前 11 時 1 分ごろ、和歌山県串本町の発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げられたが、直後に爆発した。 同社は「飛行中断措置が行われた。 詳細については調査中」としている。 同日午後に会見で説明する予定。 地元の消防や警察によると、午前 11 時25 分現在、けが人などは確認されていないという。 計画によると、機体はエンジンを燃焼させて高度約 500 キロへ上昇し、打ち上げの約 51 分後、内閣官房の人工衛星 1 機を軌道に投入する予定だった。 9 日の予定だった打ち上げは、発射場近くの警戒区域に船舶が入って延期になったため、同社は警戒する船を増やすなどしていた。 (asahi = 3-14-24) ◇ ◇ ◇ 民間ロケット、過疎の町から宇宙へ あす発射、衛星の軌道投入なるか 民間が開発した小型ロケットが、9 日にも本州最南端のまち・和歌山県串本町から飛び立つ。 顧客の都合に応じてロケットを飛ばす「宇宙宅配便」ビジネスへの参入を見すえ、民間では初となる衛星の打ち上げに挑む。 このロケットは、宇宙ベンチャー「スペースワン(東京)」が開発した「カイロス」初号機。 全長約 18 メートル、重さ約 23 トンの固体燃料ロケットで、出資を受けるキヤノン電子、IHI エアロスペースなどから技術協力を得た。 計画によると、天候に問題がなければ 9 日午前 11 時 1 分 - 17 分に発射される。 機体はエンジンを燃焼させて高度約 500 キロへ上昇。 打ち上げから約 51 分後に、内閣官房の人工衛星 1 機を軌道に投入する流れだ。 日本の宇宙開発は、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) を中心に進められてきた。 「官主導だった宇宙事業を、民主導へ変えるきっかけにしたい。」 スペースワンの豊田正和社長は 1 日の会見でそう期待を述べた。 国内初の快挙達成で見えてくる未来 国内の民間ロケットでは、2019 年 5 月に宇宙ベンチャー「インターステラテクノロジズ(北海道大樹町)」の小型ロケットが、高度 100 キロ超の宇宙に初めて到達した。 ただ、衛星は載せていなかった。 衛星を軌道投入できれば、民間ロケットとしては国内初となる。 宇宙では近年、通信や観測に使う衛星の打ち上げ需要が急拡大しているが、運び手となるロケットが足りていないのが実情だ。 先日打ち上げに成功した日本の「H3」のような大型ロケットでは、他の衛星との相乗りで待ち時間が長いなどの不都合もあるため、世界中の企業がすぐ打ち上げられるような小回りのきく安価な小型ロケットの開発競争を続けている。 スペースワンは、契約から 12 2カ月以内に打ち上げる「世界最短」と、打ち上げ回数の「世界最高頻度」を掲げ、衛星打ち上げ事業への参入を狙う。 (石倉徹也) たぶんアカン けれど頑張れ カイロスの発射場「スペースポート紀伊」は、和歌山県串本町にある。 スペースワンが整備し、2021 年に完成した。 県などによると、発射場の候補地を探していた同社から協力依頼文が届いたのは 17 年 9 月のことだ。 文書は 47 都道府県すべてに送られたが、太平洋に面した和歌山県には以前から打診があったという。 安全確保のため、発射方向の南側が海で、半径 2 キロ圏内に人家がないなどが条件だった。 和歌山県は同社に全面協力を伝えた。 県南部の過疎化をプラスに変える機会となった。 とはいえ、地権者の買収交渉や漁業関係者との合意形成などは難航が予想された。 県企業政策局長だった稲本英介さん (64) は、当時の仁坂吉伸知事からこう言われたという。 「たぶんアカンと思うけれど頑張れ。」 ロケット発射場と見学場の位置 候補地を絞り込む中で、スペースワンが選んだのは串本町だった。 町には、原発計画が中止となって関西電力から寄付された約 30 万平方メートルの土地があった。 町は、この町有地などを同社に無償で貸与。 関電が買収できていなかった民有地もあったが、県や町が仲介して地権者との買収交渉をまとめたという。 串本町は「ロケットのまち」づくりも進めた。 宇宙関連の展示物を集めた「宇宙ふれあいホール Sora-Miru (ソラミル)」は今夏をめどに開館する予定。 町内にある県立串本古座高校では、宇宙開発の歴史や人工衛星の仕組みなどを学ぶ「宇宙探究コース(定員 40 人)」が 4 月に新設される。 見学チケット完売 打ち上げは当初、22 年 3 月の予定だったが、新型コロナや国際情勢の影響で部品調達が遅れるなどして 4 回延期された。 その分、期待も大きい。 当日は発射場から約 2 キロ離れた田原海水浴場(串本町)と旧浦神小学校(那智勝浦町)に各 2,500 人分の有料見学場(予約制)を開設する。 チケットを 1 月下旬に専用サイトで売り出すと 2 日で売り切れた。 周辺の宿泊施設も予約でほぼ埋まっているという。 和歌山市内の商業施設や高速道路のサービスエリアなど十数カ所には、パブリックビューイング会場が設けられる。 打ち上げの様子は、カイロスロケットの打ち上げ 応援サイト でもユーチューブ中継される。(伊藤秀樹、勝部真一、松永和彦、asahi = 3-8-23)
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