中国から生産拠点を移動させている 3 つの企業、その成果は?

中国は 40 年以上にわたって世界の工場だった。
しかし今、企業は中国への依存を見直そうとしている。
アップル、半導体大手の TSMC、そしてマツダは、中国からサプライチェーンのシフトを進めている。

中国は 40 年以上にわたって世界の工場であり続けてきたが、その流れが変わりつつある。 中国のグローバル化とサプライチェーンの統合という時代は、2018 年頃、当時のドナルド・トランプ大統領が東アジアの巨人・中国に対し行った「米中貿易摩擦」の後に崩れ始めた。 約 3 年間にわたる新型コロナウイルスの厳しいロックダウンも、投資家に地政学的リスクの再評価を促した。

「地政学的な緊張それ自体は、これほどまでサプライチェーンの再編成を進ませるものではなかったかもしれないが、新型コロナウイルスは確かに、より多くのビジョン、人材、刺激を提供した」と、2022 年 12 月、調査会社フォレスターのリサーチ・ディレクター、アシュトシュ・シャルマは Business Insider に語っている。 リスク管理のためにサプライチェーンの一部を中国国外に移行している中国のメーカーさえある。 フォードの上級管理職であるテッド・カニスは 2022 年 12 月、フィナンシャル・タイムズに、自動車サプライチェーン全体で「物流業務の大規模な見直し」が行われていると語った。

「サプライチェーンがこの 10 年の焦点になるだろう」

この記事では、中国の製造業への依存を減らす大手企業 3 社を取り上げ、世界の工場から脱却しようとする試みがどのような成果を上げているかを見てみよう。

  1. アップルはサプライチェーンを中国からシフト … しかし Vision Pro の製造にはまだ中国の請負先が必要

    アップルは、2022 年、中国の新型コロナウイルス感染拡大防止のためのロックダウン(ゼロコロナ対策)に反対する抗議活動が iPhone 生産に打撃を与え、大きな影響を受けた。 それ以来、アップルはサプライチェーンを中国だけでなく他の国にも移行しようとしている。 アップルはすでに iPhone 生産の一部をインドに移し、iPad の製造もインドに移すことを検討していた。

    だが、製造大国・中国から逃れることはできない。 中国の研究機関ウェルセン XR によると、アップルが中国のサプライヤーに依存していることは、2023 年 6 月 5 日に発表した仮想現実 (VR) と拡張現実 (AR) を融合させたヘッドセット、Vision Pro の最新の部品表(原材料や部品のリスト)を分析した結果で明らかだという。 ウェルセンの資料によると、このリストにはアップルの Vision Pro の製造に関わる中国企業が 8 社含まれている。 その中には、カメラモジュールメーカーのコーウェル・イー・ホールディングスや、アップル向けに製品の組み立てを行っているラックスシェアも含まれている。

    アップルが Vision Pro の製造に依存する企業の中には、台湾に本社を構えるフォックスコンがある。 フォックスコンは、サプライチェーンを中国からシフトしている主要サプライヤーだ。 フォックスコンの劉揚偉(リウ・ヤング)会長は 2023 年 3 月の決算説明会で、同社は中国だけでなく、アメリカ、ベトナム、インド、メキシコなどの国々で事業を拡大する必要があると述べている。

  2. TSMC はアメリカ工場に 400 億ドル投資 … 経済的には意味がないとしても

    世界最大の半導体メーカー、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー (TSMC)は地政学的緊張の中にある。 TSMC は 2004 年に中国での製造を開始した。 TSMC の 18 の工場のうち 2 つが中国にあるが、ほとんどはまだ台湾にある。

    TSMC が中国本土から完全に撤退するという兆候はない。 しかし、アメリカなどの地域にも進出している。 2022 年 12 月、TSMC はアメリカのアリゾナ州に第 2 工場を開設すると発表し、同州への投資額を 120 億ドル(約 1 兆 7,269 億円)から 400 億ドル(約 5 兆 7,558 億円)に増やした。 この工場は、アメリカ国内での半導体生産を促進するために 520 億ドル(約 7 兆 4,825 億円)を提供する通称・CHIPS 法 (Tthe CHIPS and Science Act) を通じて、アメリカ政府から部分的に補助金を受ける予定だ。

    TSMC の創業者モリス・チャンこと張忠謀は「この投資は TSMC にとってもアメリカにとっても賢明ではない」と話している。 「TSMC のアメリカ工場で製造される半導体は、台湾や中国で製造される物より、15% から 20% 高になる可能性が高い」と半導体調査・コンサルティング会社セミアナリシスのチーフ・アナリスト、ディラン・パテルは 2022 年 12 月に Insider に話している。 アップルは TSMC にとって最大の顧客であり、2022 年の TSMC の売上高の 26% を占めている。 アップルのティム・クック CEO は、このアリゾナ工場がオンライン化されればアップルは最大の顧客になるだろうと述べている。

  3. マツダは一部の部品の生産を日本にシフト … 「コストは原動力ではない」

    日本の自動車メーカーのマツダは、かつては中国での自動車部品の生産を支持する企業だった。 マツダは 2022 年 8 月、部品メーカーに対して中国以外での部品製造を要請する一方、日本での在庫を増やす方針を示したとロイターが同社上層部の話として報じている。 この動きは中国の新型コロナウイルスのロックダウンで、サプライチェーンと生産スケジュールが不安定になったことを受けた措置だが、背後にある本当の原動力は価格だろう。

    しかし、マツダの取締役専務執行役員(現代表取締役社長兼 CEO)の毛籠勝弘は、2022 年 12 月、フィナンシャル・タイムズのインタビューに応じ、「もはや、コストが大きな原動力となる時代ではない。 今、安定した部品調達のためには、サプライチェーンの堅牢性も考慮する必要がある」と話している。 「グローバルにビジネスを展開し続けるにあたっては、我々はもはや過去のようなグローバル化の時代ではなくなったという認識に基づいて、現在の変化を管理していかなければならない。」 (Huileng Tan、Business Insider = 4-4-24)


在中国 EU 商工会議所「中国進出企業が危険」 実態報告書を発表

在中国欧州連合 (EU) 商工会議所が 20 日、「中国に進出した企業が危険だ」という内容の実態報告書『危機意識 : 経済安全保障の政治学』を発表した。 報告書は、この数年間に中国ビジネスの政治化が強まり、中国内の欧州企業が直面したリスクの規模と複雑さ、深刻性がすべて急激に増したと強調した。 EU 商工会議所の 2023 年の企業信頼度調査によると、対象企業の 64% が「中国国内事業が前年より厳しい」と回答した。 報告書は中国市場の予測がさらに難しくなっているからだと指摘した。 経営環境が政治化され、海外企業は国家安全保障関連法案のあいまいな規則を解決するのがさらに難しくなっている。

企業は投資先としての中国の魅力も減少していると吐露した。 2023 年の調査で中国を 3 大投資目的地に選んだ会員企業の比率は過去最低となった。 回答企業の 11% は 2022 年にすでに中国以外の国に投資先を移し、10% はアジア本社を中国国外に移転済みまたは移転中と答えた。 また会員企業の 4 分の 3 は過去 2 年間に従来の中国サプライチェーンを再評価し、12% はサプライチェーンの一部を中国国外に移していると回答した。

ただ、中国国外に代案を探せていないことが明らかになった。 会員企業の 4 分の 3 が代替品の価格、互換性および性能の問題で代案を見つけていないと回答した。 中国と完全に断絶したという会員企業は 1% にとどまった。 報告書は新型コロナとロシアのウクライナ侵攻という 2 つの「ブラックスワン」を経験して危機管理を強化したとし、台湾海峡での緊張が経営にどんな影響を及ぼすかを予想して一部のシナリオ経営およびその他の措置を取ったと指摘した。

危機対応方式は中国撤退から投資拡大まで多様なスペクトラムを見せた。 中国市場の規模と活力を考慮した企業は中国投資をむしろ拡大した。 現規模を維持しながら中国国外で代案を模索する「チャイナ + 1」戦略も多かった。 しかしゼロコロナを経験しながら、核心部品・材料に関連して中国国外での供給源発掘に動き出した企業が多数だった。 これら企業は自発的に中国を放棄しないが、有事発生時に迅速に撤収する準備を終えたと明らかにした。

「中国政治リスクを予測する企業力量を強化すべき」

報告書は中国と EU、個別企業に分けて危機管理策を提案した。 まず個別企業には「中国の法律修正と政治的リスクの増加をさらに深く予測しながら、中国現地化と脱中国の費用算定に関する内部力量を強化するべき」と勧告した。 また本社と中国現地のコミュニケーションを強化し、本社が正確な現場情報を基盤に追加投資や経営関連決定をするよう注文した。

EU レベルでは欧州の核心利益を死守し、精密なデリスキング政策を維持するように建議した。 また中国が「新安全観」と呼ぶ中国式の危険除去政策と欧州共通の言語を作って正当なデリスキングと保護主義を区別するよう促した。 中国当局には経済危機を防ぐための EU の接近法と調整に注力し、過度な自立を追求しないように建議した。

EU 商工会議所代表「中国のリスク管理、保護主義ではいけない」

在中国 EU 商工会議所のイェンス・エスケルンド代表は「経済安全保障を確保するのは正当な政治戦略だが、具体的な実行過程でビジネスに及ぼす影響を最小化する必要がある」とし「リスク管理を達成することと経済安全保障強化の観点で採択された戦略は、節制と正確性の原則を遵守するべきであり、保護主義になってはいけない」と述べた。 (韓国・中央日報 = 3-22-24)

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中国当局が PwC を調査、中国恒大の粉飾決算巡り = BBG

[香港] 経営再建中の中国不動産開発大手、中国恒大集団の粉飾決算を巡る問題で、ブルームバーグ・ニュースは 22 日、中国当局が監査法人を務めていたプライスウォーターハウスクーパース (PwC) を調査していると報じた。 報道によると、当局は中国恒大の監査を担当した PwC の元会計士数人と接触している。 処分を下すかどうかはまだ決定していない。 PwC はロイターのコメントの要請に応じていない。

中国証券監督管理委員会(証監会)は今週、グループの主要事業会社、恒大地産が業績水増しや証券詐欺などの不正行為を行ったとして、中国恒大に 42 億元(5億 8,140 万ドル)、許家印会長に 4,700 万元の罰金を科した。 PwC は中国恒大と 2021 年の会計監査に関する問題で意見が対立したため、昨年初めに監査役を辞退した。 (Reuters = 3-22-24)

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英コンサルティング会社、中国パートナー相次ぎ退社 - 事業環境悪化

英コンサルティング会社コントロール・リスクスで、中国本土パートナーの退社が相次いでいる。 世界 2 位の経済大国でアドバイザリー業務が直面する環境が一段と厳しくなっていることを裏付けている。 北京を拠点としていた大中華圏および北アジア担当のパートナーだったクリス・トーレンス氏は今年初めに退社したと、人事問題だとして関係者が匿名を条件に明らかにした。 同氏は現在、APCO ワールドワイドで中国問題担当のマネジングディレクターをしているという。

上海でコントロール・リスクスの大中華圏および北アジア担当責任者を務めるケント・ケドル氏は、数カ月以内に退社予定。 上海の英商工会議所に所属していたロージー・ホーズ氏は、昨年 3 月に退社した。 関係者の 1 人が話した。 同氏のリンクトインにも記されている。 ブルームバーグ・ニュースの取材に対し、トーレンス、ホーズ両氏はコメントを控えた。 ケドル氏は電子メールで、退社は「長期計画」の一環で、以前から会社と話し合っていたとブルームバーグに伝えた。

コントロール・リスクスのコミュニケーションディレクター、レイチェル・ミルフォード氏(シンガポール在勤)は、同社は人事や顧客名簿についてコメントしないと電子メールで説明。 同社が中国本土を拠点とするパートナーをさらに増やすつもりかどうかという質問には答えなかったが、「コントロール・リスクスは中国でのビジネスとそこで事業を展開するクライアントに引き続きコミットしている」とコメントした。 (Bloomberg = 3-16-24)

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外国企業の中国への投資 8 割減、30 年ぶり低水準 政治優先など懸念

中国国家外貨管理局は 18 日、2023 年の外国企業から中国への直接投資額は前年比 8 割減の 330 億ドル(約 5 兆円)だったと発表した。 減少は 2 年連続で、1993 年以来の低水準となった。 中国での政治リスクの高まりや経済の停滞を受け、外国企業が投資を控えている実態が浮き彫りになった。 直接投資額は、工場建設など新規の投資分から、事業の撤退や縮小による資金の回収分を差し引いたもの。 23 年は新規投資が減り、資金の回収も増えたとみられる。 特に 7 - 9 月は 118 億ドル(1.8 兆円)のマイナスとなり、四半期ごとの統計が確認できる 98 年以降で初めて資金の流出が流入を上回った。

中国ではゼロコロナ政策による厳しい移動制限で、様々な製品の供給網が混乱し、各国企業の生産が滞った。 米中対立や、当局の取り締まり権限を強める改正反スパイ法が昨夏施行されたこともあり、企業の間で「中国は経済より政治を優先する(欧州企業首脳)」との見方が広がった。 長引く不動産不況などによる経済成長の鈍化も重なり、投資が減ったとみられる。 中国に進出する日系企業でつくる中国日本商会が 1 月に発表した会員企業へのアンケートの結果では、23 年の投資額について約半数が「22 年より減少」、「投資はしない」と答えていた。

経済の停滞が続くなか、習近平(シーチンピン)政権は外国企業からの投資の減少に危機感を強めている。 李強(リーチアン)首相は同月にスイスで開かれた世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で「中国市場はリスクではなく、チャンスである。 各国企業が投資を継続することを心から歓迎する。」とアピールしていた。 (北京・西山明宏、asahi = 2-19-24)


強まるデフレ圧力 = 景気減速で消費低迷 - 中国

【北京】中国でデフレ圧力が強まっている。 景気減速を背景に消費が冷え込んでいるためだ。 李強首相は北京で開催中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、内需の拡大に注力する方針を強調した。 国家統計局が 9 日公表した物価統計によると、春節(旧正月)連休の影響をならした 1 - 2 月の消費者物価指数 (CPI) は前年同期比で横ばい。 単月ベースでは、過去 1 年のうち 5 カ月でマイナスだった。 中国では基幹産業である不動産の不振が長期化し、雇用状況も好転していない。

価格変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアインフレ率は 0/8% となった。 このため中国経済は物価上昇の伸びが鈍化する「ディスインフレ」の段階にとどまっているとの見方が有力。 ただ、不動産市場の冷え込みは当面続くと見られ、「デフレリスクは高まっている(中国の研究者)」といった声も上がる。 政府も危機感を強めているもようだ。 共産党の習近平総書記(国家主席)は 2 月下旬に開かれた党の会合で、内需の刺激などを念頭に、工場の設備更新や自動車などの買い替えを促す取り組みを始めるべきだと強調した。

全人代で公表された資料などから計算すると、政府は今年の物価上昇率を 2% 超と想定しているもよう。 だが、実際の上昇率は 1% 未満にとどまるとの見方が大勢だ。 英調査会社オックスフォード・エコノミクスはリポートで、中国政府が「緩和的な金融政策」を「今年いっぱい続ける可能性が高い」と予想した。 (jiji = 3-9-24)

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中国 PPI、2 月は 2.7% 下落

中国国家統計局が 9 日発表した 2 月の生産者物価指数 (PPI) は前年同月比 2.7% 下落した。 下落幅は 1 月より 0.2 ポイント拡大。 春節(旧正月)連休(2 月 10 - 17 日)に伴い、工業生産が閑散期に入ったことなどが響いた。 前月比では 0.2% 下がり、下落幅は 1 月と横ばいだった。 (中国・新華社 = 3-9-24)


中国の地方債発行額、1 月は 3,845 億元

【北京】 中国財政部がこのほど発表した 1 月の地方債発行額は 3,845 億元(1 元 = 約 21円) で、うち一般債は 1,938 億元、特別債は 1,907 億元だった。 用途別では新発債が 1,754 億元で、うち一般債が 1,186 億元、特別債が 568 億元。 満期を迎えた既発債の借り換え目的の「再融資債」は 2,091 億元で、一般債が 752 億元、特別債が 1,339 億元となった。 平均償還期間は 8.7 年(一般債 8.0 年、特別債 9.4 年)で、平均表面利率は 2.60% (一般債 2.58%、特別債 2.63%) だった。

1 月末時点の地方政府の債務残高は 40 兆 9,959 億元で、一般債務が 16 兆 203 億元、特別債務が 24 兆 9,756 億元。 政府債は 40 兆 8,297 億元で、政府債以外の政府債務残高は 1,662 億元となった。 平均残存期間は 9.1 年(一般債 6.2 年、特別債 10.9 年)、平均利率は 3.27% (一般債 3.26%、特別債 3.27%)だった。 (中国・新華社 = 3-4-24)


中国株式市場、見事な反転 - 上昇まだ続くと慎重ながら楽観的な見方

中国株急落

記事コピー (1-17-24 〜 2-24-24)


出世狙い? 中国の地方政府、GDP水増し横行か 大幅下方修正が続出

中国の地方政府が、地域ごとの国内総生産 (GDP) にあたる「域内総生産」の実績を大幅に下方修正する動きが相次いでいる。 地方政府の幹部らが、中央政府の掲げる目標を達成して出世につなげようと、水増ししていた可能性がある。 中央政府が不正の調査に力を入れたことで、発覚する例が増えたとみられる。

河南省は 1 月、2022 年の域内総生産について、1 年前に発表した速報値から約 3 千億元(約 6 兆円)下方修正し、約 5 兆 8 千億元(約 120 兆円)だったとした。 修正額は、省内の市が一つ消えるほどの規模だ。 前年比の実質成長率は速報値では 3.1% で、同省は中国全体の 3.0% を上回ったと誇っていたが、修正後は 2.4% にとどまった。

他省でも 1 千億元ほど減少

湖南省と福建省、江西省も先月、22 年の域内総生産を速報値から 1 千億元(約 2 兆円)前後、下方修正した。 修正幅は域内総生産の 2 - 3% 程度で、異例の大きさだ。 各省とも詳しい修正理由は明らかにしていない。 ただ、背景には、中央政府が地方政府による統計の水増しを疑い、監視を強めていることがある。 昨夏には国家統計局が河南省や湖南省などで特別査察を実施した。 公表した結果で、両省を「統計データが真実性を欠く問題がいまだに発生している」と批判。 水増しなどの違法行為が起きていることを示唆した。 実際、過去には天津市が 16 年の域内総生産を水増ししていたことが明らかになっている。

「統計改ざんは最大の腐敗」

水増しが起きるのは、地方の政府や共産党の幹部が、中央政府から毎年示される国の GDP 成長率の目標を達成して、自分の出世につなげようとするからだとされる。 国家統計局は「地方の幹部らが統計作業に口を出す事例がいまだに起きている」と指摘する。

中国の GDP などの統計をめぐっては、かねて国内外から正確性を疑う声があった。 国の GDP は域内総生産を積み上げたものではないので、地方政府による不正があっても直接は影響しない。 それでも中央政府は統計の信頼性を高めるため、近年は不正に厳しく対処する姿勢を強めてきた。 昨年末には、党幹部が重大な捏造をした場合、党籍を剥奪すると発表。 「捏造は統計分野における最大の腐敗だ」と強調した。 (北京・西山明宏、asahi = 2-18-24)


「デリスキング」は中国製品の終わりの始まりなのか - シンガポールメディア

中国メディアの環球時報は 6 日、「デリスキング(リスク低減)」は中国製品の終わりの始まりなのかとするシンガポールのニュースメディア、CNA の記事を取り上げた。 記事はまず、「米国の最大の貿易相手国は長年にわたり中国だったが、昨年時点でメキシコが首位に立った。 これはトランプ政権時代に始まったトレンドによる結果であり、企業が事業拠点から地理的に近い国に生産施設などを移転するニアショアリングや企業が事業拠点を置く国と同盟関係や友好関係にある国に限定してサプライチェーンを構築するフレンドショアリングなど、あらゆる地政学的緊張の中でのデリスキングのトップトレンドの一例でもある」と伝えた。

その上で、「企業の移転先はメキシコだけではなく、中国から移転したのは米国の企業だけではない」とし、「企業がより多角化することで自社の利益にかなうと判断するという点では、トレンドはすでにかなり進んでいる」とする、オバマ政権で国家安全保障会議 (NSC) の中国担当を務めたブルッキングス研究所ジョン・L・ソーントン中国センターのライアン・ハース所長のコメントを紹介した。

記事は「ではこれは中国製品の終わりの始まりなのか。 一つ明らかなことは、製造業が移動しているということだ。 中国企業も主に米国の顧客に近づくことを目的としてメキシコに進出している」とし、世界貿易機関 (WTO) のエコノミスト、ビクター・シュトルツェンブルグ氏によると、これらの国の多くの輸出の増加は中国からの輸入の増加によってもたらされていると伝えた。

記事は「今はデリスキングが話題になっているが、10 年前に『一帯一路』構想として知られる壮大な計画の中で、自国企業に海外工場設立を奨励したのは中国政府だった。 『一帯一路』の下で、何千もの中国企業がより低い土地代と賃金を求めて海外に進出した」とし、「地政学的な緊張やその他の紛争がなかったとしても、中国産業の移転は避けられないであろう」とする中国の政府系シンクタンク、中国社会科学院世界経済政治研究所の徐奇淵(シュー・チーユエン)所長のコメントを紹介した。 記事は「大規模な製造業のオフショアリングはこれまでにも何度か行われてきた。 中国も現在、先進 7 カ国 (G7) 諸国と同様に、よりサービス指向の産業へと移行している」と伝えた。

また「地政学的緊張と中国のサプライチェーン再編にもかかわらず、一部産業の大手は中国への投資を倍増させている」とし、その例として米電気自動車 (EV) 大手テスラを挙げ、「上海の臨港地区にある既存の工場の隣に巨大な工場を建設中だ。 そこでは自動車だけを生産するわけではない。 イーロン・マスク最高経営責任者 (CEO) は昨年、中国政府高官と面会し、中国市場を全面的に信頼していると述べた。 テスラと同様に、欧米の多くの企業が売上の大部分を中国に依存している」と伝えた。

記事が徐氏の話として伝えたところによると、2006 年の在中外国企業の輸出額は国内売上高の約 7 倍だった。 12 年前後はこの割合がほぼ等しく「9,000 億ドルから 1 兆ドルの範囲で変動」していた。 そして 21 年までに外国企業の国内売上高は輸出の 2 倍余りになった。 外国企業全体で考えると、そのビジネスの 3 分の 2 は「中国で生産し、中国で販売」していることになる。 記事によると、中国で中間所得層が台頭する中、北京に本拠を置くシンクタンク、中国・グローバル化センターの創設者、王輝耀(ワン・フイヤオ)氏は、多国籍企業が「中国には大きな可能性がある」と認識しているとの見方を示した。

記事は「世界は中国製品なしではやっていけない」とし、その例として、中国が昨年、日本を抜いて世界最大の自動車輸出国となったこと、中国は EV のリーダーでもあり、国際エネルギー機関 (IEA) によると、18 年の世界の EV 輸出に占める中国の割合はわずか 4.2% だったが、22 年には35% となったこと、中国はまた、世界の太陽光パネル生産の 70% を支配し、世界の風力発電設備の少なくとも 50% を供給していることを挙げ、「したがって、西側諸国が気候変動の目標を達成するために、グリーンテクノロジーのサプライチェーンのリスクを軽減できるかどうかについては、若干の疑問がある」と伝えた。

記事は、シンガポールのリー・クアンユー公共政策大学院の学部長、ダニー・カー氏のコメントとして、「世界がこの(気候)移行にどのように対処できたかを見ると、不可能ではないにしても、非常に費用がかかるのではないかと思う。 地球を救いたいなら、誰かの価値観が自分の価値観と異なることを言い続けることはできない」と伝えた。 また、ハース氏のコメントとして「現実は、世界の最先端技術の多くが中国にあるということだ。 米国ができるだけ早く前進したいのであれば、中国と協力する必要があるだろう。」とも伝えた。 (柳川、Record China = 2-8-24)

〈編者注〉 何を主張したいのか理解に苦しむ内容ですが、要は現在の中国ファンダメンタルズの脆弱性が露見しているに過ぎないと読めてしまいます。 中国の EV が何倍にも伸びたとしても、全自動車産業の何 % にあたるのでしょうか? しかも、今後の技術革新の中で生き延びられると考えているのでしょうか。 太陽光にしても風力にしても、現在は世界で一番安いハードのサプライヤーとみなしているに過ぎないのです。 これも、これまでの中国の輸出商品と同じ運命をたどるのかもしれません。 今、中国に求められるのは全産業の抜本的な構造改革ではないかと思えます。


中国、デフレ懸念さらに 1 月の消費者物価、14 年ぶりの下落幅

中国国家統計局が 8 日発表した 1 月の消費者物価指数 (CPI) は前年同月比で 0.8% 下落した。 マイナスは 4 カ月連続で、下落幅は 2009 年 9 月以来 14 年 4 カ月ぶりの大きさだった。 食品価格が下がっている影響が大きいが、自動車や家電なども下落傾向が続いており、デフレ懸念がさらに強まりかねない情勢だ。 食品の下落が 5.9% と目立った。 前月から下落幅は 2.2 ポイント拡大し、酒やたばこを含めると、CPI 全体を約 1 ポイント押し下げた。 消費量が多く「食卓の主役」とされる豚肉は価格変動が大きく、17.3% の大幅なマイナスになったことが響いた。

電気自動車 (EV) などの値下げ競争が続く「乗り物」は 5.6% の下落。 家具も長期化する不動産不況を反映して 0.2%、スマートフォンなど通信機器も 1.7% それぞれ下落した。 この結果、変動幅の大きな食品・エネルギー価格を除いたコア指数は 0.4% 上昇にとどまり、前月から 0.2 ポイント下落した。 コア指数は 22 年 4 月から 1% 以下の低水準が続いており、個人消費の弱さを示している。

消費低迷の背景には、不動産不況による住宅価格の下落に加え、所得の伸び悩みがある。 同時に発表された 1 月の工業品卸売物価指数 (PPI) は前年同月比 2.5% 下落し、16 カ月連続のマイナス。 中国産 EV や太陽光、風力発電などは世界シェアを高めているが、過剰な投資や生産が目立つ。 製品価格に反映されずに企業収益が悪化し、給料が上がりにくい状況が続いている。 (北京・小倉祥徳、mainichi = 2-8-24)

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中国消費者物価、昨年 12 月は 3 カ月連続で下落 - 内需低迷浮き彫り

→ 12 月の CPI は前年同月比 0.3% 低下 - 予想 0.4% 低下
→ 23 年の年間 CPI、前年比 0.2% 上昇 - 公式目標は 3% 上昇だった

中国の消費者物価が 3 カ月連続で下落し、2023 年を終えた。 エコノミストらが景気刺激策を強化する必要性を訴える中で、内需の弱さが浮き彫りとなった。 国家統計局が 12 日発表した 12 月の消費者物価指数 (CPI) は前年同月比 0.3% 低下し、09 年 10 月以来最も長い連続での下げを記録。 エコノミスト予想は 0.4% 低下だった。 23 年の年間CPIは前年比0.2%上昇。 公式目標は 3% 上昇だった。 12 月のコアインフレ率(変動しやすい食品・エネルギー価格を除く)は 0.6%。

12 月の生産者物価指数 (PPI) は前年同月比 2.7% 低下。 エコノミストらは 2.6% 低下を予想していた。 世界 2 位の経済大国である中国は、不動産不況や消費者心理の悪化、輸出低迷が重なり、デフレと闘っている。

オーストラリア・ニュージーランド銀行 (ANZ) の大中華圏担当チーフエコノミスト、楊宇霆氏は「デフレの連鎖を断ち切るため、中国は大胆に行動する必要がある。 そうでなければ負のスパイラルに陥ってしまう」と指摘。 「中国のデフレ圧力は依然として強い。 企業は販売価格を下げ、出稼ぎ労働者も希望する賃金を引き下げている。」と述べた。 楊氏によれば、中国人民銀行(中央銀行)は近く緩和策を実施する可能性があり、利下げや預金準備率の引き下げもあり得る。 (Tom Hancock、Bloomberg = 1-12-24)

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中国の消費者物価 0.5% 下落、3 年ぶりの落ち込み幅 … デフレ懸念強まる

【北京 = 山下福太郎】中国国家統計局が 9 日発表した 11 月の消費者物価指数 (CPI) は、前年同月比 0.5% のマイナスだった。 物価が下落したのは 2 か月連続で、2020 年 11 月 (-0.5%) 以来の落ち込み幅だった。 項目別では食品が 4.2% 下落した。 中国の食卓に欠かせないとされる豚肉の下落幅は 31.8% に達した。 自動車・バイクは 5.0% 減、スマートフォンなどの通信機器は 3.7% 減となるなど、耐久消費財も下落傾向が続いている。 中国では若年層を中心とした就職難や景気の悪化で消費が低迷しており、デフレに陥るとの懸念が一段と強まっている。 (yomiuri = 12-9-23)


習近平政権に不協和音? 中国共産党の重要会議「3 中全会」、異例の未開催に臆測広がる

【北京 = 新貝憲弘】 中国共産党の重要会議、中央委員会第 3 回全体会議(3 中全会)の開催時期が公表されず、外交関係者や専門家の注目を集めている。 経済運営や人事で習近平政権内の方針が固まっていないことが理由との見方も出ている。 中央委員会全体会議は、党の序列上位約 200 人の中央委員が全員出席する最重要会議の一つで、毎年 1 回は開催されている。

2022 年 10 月の党大会で選出された第 20 期は第 1 回(1 中全会)を党大会閉幕直後に、第 2 回(2 中全会)を昨年 2 月 26 - 28 日に開いた。 今年 1 月 31 日の中央政治局会議で 3 中全会の日程が発表されるとも見られたが、言及がなかった。 経済運営が主テーマになる場合が多い 3 中全会の日程が決まらない背景には、不動産不況や地方財政難などの課題を抱える中、改革開放路線を維持するか、「国家安全」を優先して統制を強めるのかを巡って政権内で意見が分かれているとの指摘がある。

昨年相次いで解任された秦剛(しんごう)前外相と李尚福(りしょうふく)前国防相の中央委員職が解かれたとの公式発表はなく、両氏の処遇が最終的に決まっていないことも一因ともいわれる。 習氏が党内で独裁色を強め「3 中全会をいつ開くか、何を議論するかは彼の心情次第だ(フランス自由放送)」と、開催の遅れが権力基盤の弱体を示すものではないとの分析もあるが、日程の見通しや理由が明らかにならないことで、中国政治の不透明さが増している。 (東京新聞 = 2-2-24)


中国の 180 兆円規模の政府系ファンド、市場安定化を支援する方針表明

中国の 1 兆 2,400 億ドル(約 180 兆円)規模の政府系ファンドは、2024 年にリスク軽減と市場安定化を支援する方針を表明した。 低迷する株式相場の下支えで国有企業がより大きな役割を果たしていることがあらためて示された。 国有金融資本を強化するため、大手金融機関の政府持ち分を保有する部門である中央匯金投資はそうした業務を調整する方針だと、親会社の中国投資 (CIC) が 15 日の年次会議の声明で明らかにした。 また、中央匯金投資は株式運用ツールの「充実、改善、アップグレード」を行うと、CIC が詳細を明らかにせずに表明した。

CIC は声明で、昨年に「国有金融資本の価値保全と成長を達成」し、運用先の企業の業績も改善したと説明した。 中央匯金投資が 13 年 6 月と 15 年 7 月に上場投資信託 (ETF) 購入に動いた後、いずれも 3 カ月以内に上海総合指数は 20% 余り上昇していた。 しかし、同社が昨年 10 月 23 日に発表した最新の ETF 購入の動きは、センチメント改善にほとんど寄与せず、上海総合指数は約 2% 下落している。 (Bloomberg = 1-16-24)

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中国の「融資平台」、債務の早期償還を積極推進 投資家から不満も

[上海/シンガポール] 中国の地方政府傘下のインフラ投資会社「融資平台 (LGFV)」が 2018 年以来の早いペースで債務の早期償還を進めている。 中央政府が地方政府の借り入れコスト圧縮を狙って打ち出した債務借り換えプログラムが呼び水となった形だが、利回りの高い融資平台債を手放したくない投資家から不満の声も出ている。 融資平台による債務償還は、中央政府が地方政府に 1 兆元(1,390 億 5,000 万ドル)相当の特別借り換え債の発行を認めた昨年 10 月以降に急増。 ファイナンシャル・チャイナ・インフォメーション・テクノロジーのデータによると、昨年 12 月の早期償還は 378 億元相当と、月間として 5 年ぶりの高水準となった。

一方、投資家は高利回りの LGFV 債から得られる利益を失うことを懸念しているほか、融資平台債並みのリターンを見込める代替商品がないことから償還に抵抗。 景気低迷と不動産市況の悪化に見舞われる中、2024 年に大量の債券が満期を迎える地方自治体は財政が一段と苦しくなっている。 市場関係者は「償還資金を再投資すればリターンが下がる」ため、債券保有者は早期償還に応じようとしないと述べた。 (Samuel Shen、Vidya Ranganathan、Reuters = 1-5-24)

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中国地方政府が債券発行の準備開始、「新規特別分は 45 兆円強?」と専門家予想

中国各地の地方政府が経済安定と投資促進に向け、新年の債券発行計画の準備を開始したと中国メディアが報じた。 地方政府の債務リスクは不動産不況と並んで「ポストコロナ」の経済成長の足を引っ張る要因ともされるが、専門家は新規特別債券が 2 兆 2,800 億元(約 45 兆 6,000 億円)前後になると予想した。 ロイター通信などによると、中国の国会に当たる全国人民代表大会(全人代)が 27 日公表した第 14 次 5 カ年計画の中間報告は内需を拡大し、迅速な景気回復を確かなものとし、安定成長の促進に努めるとの方針を示した。

鄭山傑・共産党書記兼国家発展改革委員会主任は 26 日の会合で「消費の回復と拡大を優先し、大量消費を安定化し、サービス消費を促進する」と言及。 さらに中所得層の拡大を目指した改革を加速させるとした。

不動産不況や地方政府の債務リスク、世界経済成長の鈍化を背景に中国当局は最近数カ月、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後の景気てこ入れ策を明らかにしてきた。 鄭氏は「中国は市場志向の改革と制度 開放を深化させ、発展を後押しする」と説明。 「不動産や地方政府債務、中小金融機関のリスクの解消に向けた調整により、主要分野でのリスク防止と解消に取り組む」とした。

こうした中、中国網によると、中国財政予算績効専門委員会の副主任委員である張依群氏は上海証券報の記者に「地方が 2024 年の債券発行計画活動を開始したことは、24 年の財政政策が早期発効することを意味する」と言明。 「重大プロジェクトおよびインフラは依然として、安定成長の重要な足掛かりだ。 24 年第 1 - 3 四半期には地方債券の発行が適度に拡大され、通年で全体的にバランスを保つ見通しだ」と述べた。

今年の 9 兆元超の地方政府債券発行は終わりに近付いている。 特別債券情報ネットワークのデータによると、25 日までの年内の地方債券発行額は 9 兆 3,424 億元に上っている。 うち新規特別債券は 3 兆 9,555 億元、新規一般債券は 7,016 億元だ。 中国債券情報ネットワークのデータによると、このほど河北省、山西省、海南省、江蘇省などが 24 年第 1 四半期の地方政府債券発行計画を発表した。 規模は 2,200 億元を超える見込みという。

財政部は先ごろ、「国務院の手配と関連活動計画に基づき、24 年度の一部の新規地方政府債券発行額を前倒しで割り当て、地方の資金調達の需要を合理的にサポートする」と発表した。 専門家は「来年は新規地方政府債券の前倒し発行額が上限 60% で割り当てられ、うち新規特別債券が 2 兆 2,800 億元前後になる」とみている。 (日向、Record China = 12-31-23)


中国とアフリカの関係に変化、中国からの融資が激減 - 仏メディア

2024 年 1 月 8 日、仏国際放送局 RFI (ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、中国がアフリカとの関係を変化させ、融資を大幅に削減していると報じた。

記事は、中国とアフリカ大陸の関係は転換期を迎えており、中国によるサハラ以南アフリカ諸国への中国からの融資が大幅に減少しているとする仏紙ル・モンドの 8 日付報道を紹介。 国際通貨基金 (IMF) が昨年 10 月に発表した報告書の中で、中国とアフリカの関係は「岐路に立っている」と表現したほか、同 6 月に中国湖南省で開催された中国・アフリカ経済貿易博覧会 (CAETE) でも契約プロジェクト総額が約 100 億ドル(約 1 兆 4,400 億円)と、19 年に開かれた前回の半分にも満たなかったと伝えた。

そして、変化の背景に中国が国内経済の減速という困難に直面していることがあり、不動産危機、若者の失業、輸出減少の影響を受けて中国が現実予算主義に転じていると指摘。 あらゆる資金源が枯渇する中、中国による融資縮小はアフリカにとっては非常に頭の痛い問題だとした。 一方で、「評判を守りたい中国も、アフリカの政府を崩壊させるようなことはしたくない。 また、アフリカに対する中国の関心は低下していない。」との見方を示し、建設、エネルギーから電気通信に至るまで、数多の中国企業が自らの力でアフリカ市場に進出していると指摘する専門家もいることを紹介した。

その上で、20 年間アフリカ各地を渡ってきた欧州の政府関係者が「今では、すべての公共入札に中国企業が参加している。 技術的には、中国企業のオファーは欧州とほぼ同等であるものの、欧州の駐在員は現場から離れた冷房完備のホテルを求めるのに対し、中国の駐在員は現場付近の小屋で寝ることを良しとするため、中国人が市場の大半を占めつつある」と語ったことを伝えている。

記事は、中国がアフリカ大陸に注目し続ける理由について、天然資源へのアクセス確保と現地政府の囲い込みという二つの点が少なくとも存在するとし、現時点で中国側の思惑は奏功していると紹介。 そして、アフリカ政府も中国がこれ以上支援から手を引くようなことを望んでおらず、中国からの融資が大幅に減少しても両者は依然として相思相愛の状態にあるとする一方で「アフリカの中国に対する依存度が、中国のアフリカに対する依存度よりもはるかに大きい」という非対称性も今後さらに続くことになるだろうとした。 (川尻、Record China = 1-11-24)


中国 "海外コンサル会社の責任者摘発 英に協力しスパイ活動"

中国でスパイの取締りなどを行う国家安全省は、8 日、海外のコンサルティング会社の責任者をイギリスの対外諜報機関に協力し、スパイ活動を行っていたとして摘発したと発表しました。 習近平指導部が「国家の安全」を重視する中、中国で活動する海外のコンサルティング会社への締めつけを強める姿勢を示した形です。 発表によりますと、この責任者はイギリスの対外諜報機関「MI6」の訓練を受け、中国で得た機密情報などをイギリス側に提供したということです。 ただ、発表では摘発したとする人物の性別や国籍、それに企業名のほか、機密情報の具体的な内容などは明らかにされていません。

国家安全省は先週、海外のコンサルティング会社が社員を装ってスパイ行為を行っているとする事例や、日常生活でも外国人スパイが接近することがあるなどとする動画を SNS 上で公開し、国民に当局への通報を呼びかけていました。 中国では、習近平指導部が「国家の安全」を重視する方針を示していて、2023 年 5 月には、国家安全当局が米中両国に拠点を持つコンサルティング会社を捜査したと伝えられました。 国家安全省としては中国で活動する海外のコンサルティング会社への締めつけを強める姿勢を示した形です。 (NHK = 1-8-24)