好天に恵まれ「日本一早い」山開き 諸塚山で 400 人が山歩き楽しむ 山歩きシーズンの幕開けを告げる「諸塚山山開き(宮崎県諸塚村、同村観光協会主催、朝日新聞社など共催)が 10 日あり、約 400 人が諸塚山(1,342 メートル)の山頂めざし、早春のハイキングを楽しんだ。 今年で 39 回目を迎えた山開きは、関係者が「これまでの中でも指折りの好天」と話す穏やかな晴れ間に恵まれた。 午前 9 時半から登山口近くの飯干緑地広場で開山イベントがあり、今シーズンの登山者の安全を祈願。 諸塚中 3 年生の綾こはるさんと上原南凪さんが「山を愛することで心身の鍛錬に励み、山のおきてを守ります」などの山の誓いを読み上げた。 別々の高校に進む 2 人は卒業式を前に一緒に登山、「上りが急で滑ったが、楽しかった」と良い思い出にしていた。 「日本一早い」とうたう山開きを楽しみにする登山愛好家も多い。 三股町から母と参加した長田小 2 年生の鳥井夢久さんは「霜柱をたくさん踏めた」と笑顔で話し、大人とかわらぬ健脚ぶりをみせていた。 (森田博志、asahi = 3-10-24) 東日本大震災の被災 3 県、減り続ける子ども 2040 年には半減か 被災地の子どもたちは減り続ける一方だ。 住民基本台帳に基づいて岩手、宮城、福島各県の 2011 年以降の 0 - 14 歳の子どもの数をみると、一貫して右肩下がりだ。 少子化は全国的な傾向ではあるものの、21 年までの 10 年間の減少率をみると、全国の 10% に対し、福島は 23%、岩手 21%、宮城 12% といずれも全国より大きい。 さらに国立社会保障・人口問題研究所が 23 年 12 月に発表した将来推計でみると、40 年の子どもの数は、岩手で約 7 万 6 千人、福島で約 12 万 6 千人となり、11 年時点の半数を下回る。 宮城も約 18 万 7 千人との予想で、11 年の 6 割程度。 街を復興させる担い手が不足するとの懸念は、解消できそうにない見通しが示されている。 (福留庸友、asahi = 3-9-24) 黒部宇奈月キャニオンルート 10 月に延期 地震でトロッコ復旧に時間 黒部峡谷の電源開発の歴史をたどれる新たな観光コース「黒部宇奈月キャニオンルート」の開放が、能登半島地震の影響で 10 月 1 日ごろに延びる。 出発点になる黒部峡谷鉄道の全線開通が同日ごろになるため。 旅行商品の発売は 7 月上旬を見込む。 富山県が 7 日、発表した。 キャニオンルートは同鉄道の欅平駅(富山県黒部市)から上流の黒部ダムまでの約 18 キロ。 地中を 200 メートル昇降する工事用の竪坑エレベーター、トロッコ、急傾斜を昇降するインクラインなどの乗り物、「高熱隧道」と呼ばれるトンネルなどが見どころだ。 旅行商品は 1 泊 2 日で 1 人 13 万円程度を見込む。 欅平駅は始発の宇奈月駅からトロッコ電車で約 20 キロだが、地震による落石で、宇奈月駅の上流約 14 キロにある鐘釣橋の桁や枕木が破損。 同社によると、復旧工事は雪解け後の 4 月末移行になり、欅平までの全線開通は 10 月 1 日ごろになる。 商品発売は当初、1 月 29 日、旅行開始は 6 月 30 日をそれぞれ予定していた。 新田八朗・富山県知事は「天災による延期でやむを得ないが、黒部川水系の開発の歴史をたどれるツアーの中身が損なわれるものではない。 宇奈月温泉など観光業界へのダメージは県を挙げて回復していく。 業界のみなさんは前を向いていただきたい。」と述べた。 (小西良昭、asahi = 3-7-24) ◇ ◇ ◇ 黒部峡谷トロッコ電車の橋も地震で被害 復旧見通せず 観光用のトロッコ電車で知られる黒部峡谷鉄道(富山県黒部市)は 9 日、線路が走る鐘釣橋の一部が、能登半島地震の影響で破損したと発表した。 いまは冬季運休中だが、4 月 20 日以降の営業再開に響くおそれがある。 同鉄道は黒部市の宇奈月駅 - 欅平(けやきだいら)駅の約 20 キロを走る。 鐘釣橋(長さ約 86 メートル)は宇奈月駅から約 14 キロ上流の黒部川にかかっており、紅葉の名所でもある。 地震後の 3 日、宇奈月駅側のトンネルの雪よけ出口から約 10 メートルの位置にある橋桁や枕木が壊れているのを確認。 近くの山からの落石によるものとみられる。 担当者は「復旧工事は雪解け後になる。 いつから運行を準備できるか今は見通せない。」と話す。 欅平駅は 6 月 30 日に一般開放される「黒部宇奈月キャニオンルート」の起点になる。 なお、宇奈月駅から約 600 メートル先の新山彦橋までをトロッコで行く「冬の黒部峡谷プレミアムツアー(2 月 12 日までの土日祝日)」は予定通り催行する。 (小西良昭、asahi = 1-12-24) ◇ ◇ ◇ いよいよ開業「第二の黒部ダムルート」 かなりガチな "秘境探検" に! ルート/金額/運行回数は 念願の「一般開放」どんな交通ルートなのか 日本の「秘境地帯」北アルプスを、バスやケーブルカー、ロープウェイ、トロリーバスなど、複数の交通機関を乗り継いで抜けていく観光ルート「立山黒部アルペンルート。」 標高3000m 超えの立山をはじめ急峻な山脈が連なり、人の進入を拒んできた北アルプスですが、1963 年に「黒部ダム」が完成したのを機に、工事ルートを一部活用する形で 1971 年に誕生しました。 これに加えて、「第二の黒部ダムルート」が 2024 年夏の開業を控えています。 富山県側にはアルペンルートの北側に、宇奈月温泉から黒部川をさかのぼる「黒部峡谷鉄道」があります。 これも工事用ルートを転用したものですが、途中の欅平で終点となり、黒部ダムまでは「関西電力の関係者専用」として、特別な招待枠以外では利用できません。 登山客以外は、着いたら宇奈月へ引き返すしかなかったところ、この「関電専用ルート」がいよいよ「黒部宇奈月キャニオンルート」として一般開放されるのです。 このルートが誕生することで、行き止まりの黒部峡谷鉄道が、宇奈月 - 黒部ダム - 立山という「富山起点の周遊ルート」に組み込まれることとなり、旅行者としては利便性が大幅に向上します。 ![]() 気になるその内容は … 割と「ガチ」だった 黒部宇奈月キャニオンルートは、まず黒部峡谷鉄道の終点・欅平駅からスタートします。 別のトロッコに乗り換え、目の前のトンネルに入ると、すぐ先に「エレベーター」が待ち受けています。 これに乗り換えて一気に 200m も上昇。 エレベーターの床には線路があり、貨車をそのまま積み込むことも可能となっています。 エレベーターを降りるとトンネルが遥か先まで続いており、別のトロッコで再出発。 ここから 6.5km、バッテリー機関車に牽引されて、狭い客車のギリギリサイズの狭いトンネルを延々と奥へ進んでいきます。 ハイライトは、当時の工事作業員を苦しめた「高熱隧道」区間でしょう。 通過時は実際に蒸し風呂のように暑く、温泉のような匂いもします。 現在はトンネルが貫通して空気が通るので、危険な熱さではありませんが、雰囲気を十分に体感できます。 第二のハイライトが、途中でトンネルを抜けて黒部川を鉄橋で横断する「仙人谷駅」です。鉄橋部の「ホーム」はシェルターで覆われていますが、両側は吸い込まれそうな深い谷。 上流側には巨大な「仙人谷ダム」がそびえ立っています。 大自然と巨大人工物が対峙する、非日常の極みのような絶景。 しかし駅には駅名標と時刻表もあり、たしかにここは鉄道風景です。 このギャップはここ以外では楽しむことはできないでしょう。 そのすぐ先は、黒部川第四発電所。 展示施設では巨大なタービンをはじめ、厳しい自然に立ち向かった土木技術の歴史を知ることができます。 第三のハイライトは、終点の黒部川第四発電所前駅から乗り換えるケーブルカー、通称「インクライン」です。 見るからに異様な急勾配「67.4%」で、まるで絶壁の直登のように、暗闇の中を 20 分間延々とのぼり続けます。 登りきると標高 1,325m に達します。 のぼりきった「インクライン上部駅」からは、10.3km にもおよぶ長いトンネル「黒部トンネル」を、電気バスで一気に走り抜けていきます。 その先は、長野県側からやってくる電気バスの黒部ダム駅の地下ターミナル。 立山黒部アルペンルートとの合流地点です。 開業はいつ? いつから予約開始? いくらお金がかかる? 競争率はどれくらい? 黒部宇奈月キャニオンルートは 2024 年 6 月 30 日が営業開始となります。 2024 年は、11 月 29 日までの営業です。 旅行会社による旅行商品はまもなく、1 月 29 日から発売されます。 ツアー価格はまだ商品が発表されていないものの、公式では 1 泊 2 日でホテル代や立山黒部アルペンルートの帰路も全て込みで「13 万円程度」とされています。 営業期間中は、毎日 1 便は運行されます。 1 便あたりの定員は 20 人です。 おもに水曜と木曜は、早い時間にもう 1 便が運行されます。 こちらは 1 便あたり 30 人です。 この期間中で参加できる総人数は、ガイドやスタッフを含めて 8,180 人。 これが開業初年の「総定員」となります。 いままで倍率があまりにも高く「幻のツアー」と言われていた関電専用ルート。 依然として「取り合い」にはなりそうですが、行けるチャンスは今までより格段に高くなります。 (乗りものニュース = 1-2-24) LED 活用の工場レタス出荷式 1 日 10 トン「安定的に供給」 静岡 中部電力などが出資する合同会社が静岡県袋井市に建設した植物工場「テクノファーム袋井」で 1 日、レタスの出荷式があった。 LED (発光ダイオード)の光を活用し、工場内でレタスを 1 日 10 トン生産する能力がある。 合同会社は「ツナグ・コミュニティー・ファーム」。 中電の他に、東京と大阪に本社がある不動産業の日本エスコン、植物工場開発のスプレッド(京都市)が出資した。 中電が工場へのエネルギー供給、日本エスコンが不動産開発のノウハウを生かした事業支援、スプレッドが栽培技術の提供を担当した。 工場は東名高速道路袋井インターチェンジの近く。 敷地面積は約 2 万 4,400 平方メートル。 従業員約 100 人。 1 月から生産を始め、ロメインレタス、スティックレタス、フリルレタス、プリーツレタスの 4 種類を栽培している。 首都圏にも関西にも近い地の利を生かして、二大消費地に出荷する。 出荷式で来賓の大場規之・袋井市長は「市の産業をけん引してほしい」と期待した。 鈴木弘睦・市議会議長は農家の後継ぎがいない問題やエネルギー問題を挙げて「市民が問題解決を期待している工場」と表現した。 関係者でテープカットをして工場内を見学、生産したレタスを試食した。 合同会社の林俊弥社長は出荷式後の取材に「完全に人工型で工場内でレタスを作るため、異常気象や台風、大雨にほとんど影響されず、価格が乱高下しない。 安定的に供給できるのは社会貢献の一つと考えている。」と語った。 (山田英之、mainichi = 3-3-24) 日鉄鹿島高炉廃止 従業員 2,900 人のうち配置転換 80 人 日本製鉄が東日本製鉄所の鹿島地区(茨城県鹿嶋市)に二つある高炉のうち 1 基を 2024 年度末に廃止することを受け、茨城県は 29 日、事前に日鉄から説明を受けていた従業員の配置計画を地元首長らに伝えた。 鹿島地区の従業員約 2,900 人のうち、80 人が配置転換になるという。 この日の会議には、県の担当部のほか鹿嶋市、神栖市、労働局などが出席。 冒頭で横山征成副知事は「下請けなど関連産業も大変多いことも踏まえ、離職者や地域経済への影響を最小化したい」と語った。 鹿島臨海工業地帯の中核を担ってきた施設の縮小は、地域経済や雇用にどの程度の影響を与えるか注目されている。 鹿島地区は 1968 年に開所。 敷地面積は約 1 千万平方メートルで、自動車や家電向けの鋼板を中心に生産している。 鹿島地区では日鉄の従業員だけで約 2,900 人、関連会社を含めると 1 万人が働くという。 この日の会議は合同対策本部会議の 3 回目。80 人が千葉県君津市にある東日本製鉄所の君津地区への配置転換が明らかになった。 ただ、最終的に廃止によって何人が影響を受けるか、県も把握していないという。 県は2月15日、日鉄から途中経過として説明を受けた。日鉄は80人の配置転換に加え、グループ会社・元請け協力会社の配置転換には一定のめどが立っていると説明。高炉廃止後の跡地利用は未定で、県はカーボンニュートラル産業拠点創出に向け、跡地の利活用を要請したという。 (張守男、asahi = 3-1-24) 新卒 7 割が九州の外へ 半導体高度人材の不足深刻、調査で浮き彫りに 2023 年春に卒業して半導体関連企業に就職した九州の高専生や理工系大学院修了者は 7 割前後が九州域外で職を得ていた。 九州全域で深刻な半導体人材不足の一端を示す調査結果が、27 日に熊本市で開かれた「九州半導体人材育成等コンソーシアム」の第 4 回会合で報告された。 調査結果によると、九州の理工系の学校を 23 年春に卒業して 半導体関連企業に就職した推計約 2,400 人のうち、半数近くの約 1,100 人が九州外で就職。 高度人材ほど域外への流出が顕著な実態も示された。 高専生の 67.5%、修士の 64.9% が九州外の国内で就職。 博士は 77.9% が九州外で就職し、24.2% は海外で職を得た。 一方、工業高校生は 56.1% が県内で、九州内は 72.4%。 大学学部生も 57.2% が九州内で就職していた。 調査は九州で理工系教育を行う計 166 の教育機関を対象とし、105 機関の回答から推計値を算出。 22 年度の企業側への調査では、九州では毎年約 3,400 人の半導体人材が必要とされ、改めて人材供給不足が浮き彫りになった。 設問では「半導体関連企業への就職の際に障壁となっている事項」も聞いた。 工業高校では「採用枠」や「地元に企業がない」が上位で、大学学部では「企業からの情報発信の不足」が最多だった。 会合では人材の需給ギャップ解消に向け、どう理工系人材を増やし、マッチングできるかなどを議論。 女性や異分野からの人材を増やす方策や、台湾企業との交流拡大を掲げた 24 年度の活動方針を確認した。 「九州半導体人材育成等コンソーシアム」は 22 年 3 月に設立された産学官連携の協議体で、九州全域から企業や教育機関、国や自治体などの 100 以上の組織が参加している。 (江口悟、asahi = 2-27-24) 山口宇部と韓国結ぶ連続チャーター便は予約率 100%、満足度 93% 山口宇部空港と韓国を結んで約1カ月運航したチャーター便の利用状況を県がまとめた。予約率は100%で、「旅行満足度」は92・7%と好評だったという。 仁川国際空港から1 月 10 日 - 2 月 2 日に週 3 日、インバウンド(訪日外国人客)限定の旅客機が 11 往復した。 1941 人が搭乗し、利用率は 99・5%。 アンケートに答えた乗客の 85.8% が再利用を希望し、非常に満足、満足が合わせて 92.7% だった。 団体客が大半で、観光スポットとして常盤公園(宇部市)、長府城下町(下関市)、秋吉台(美祢市)が、宿泊先は湯本温泉(長門市)、湯田温泉(山口市)がそれぞれ人気だったという。 また、23 と 26 の両日に台湾とのチャーター便が約 4 年ぶりに復活する。 山口宇部空港と桃園国際空港を 180 人乗り旅客機が 2 往復し、県から台湾に向かう便は予約で満席になった。 合わせて村岡嗣政知事も今年度 3 度目の訪台をし、台南市での台湾ランタンフェスティバルの開幕式に出席して山口観光をアピールする。 村岡知事は 1 月の定例会見で、フェスには海外から多くの観光客が来ることから「PR の絶好の機会になる」と述べ、県内へのインバウンドの増加につなげたいとした。 (大室一也、asahi = 2-23-24) 巡視船「はてるま」を海上保安庁に引き渡し 岡山・玉野 石垣海上保安部(沖縄県石垣市)に配属される巡視船「はてるま」の海上保安庁への引き渡し式が 22 日、岡山県玉野市の三菱重工マリタイムシステムズ玉野本社工場であった。 同社が三井造船から艦船事業を引き継いで以降では 3 隻目の巡視船。 沖縄近海や尖閣諸島周辺などでの警備にあたる。 第 6 管区海上保安本部(広島市)によると「はてるま」は尖閣警備強化のため導入された 1千トン級の 1 隻で、調達費用は 72 億円。 長さ 96 メートル、幅約 11.5 メートル、総トン数約 1,500 トン、速力は 25 ノット(時速約 46 キロメートル)以上。 甲板にヘリコプターが発着でき、30 ミリ機関砲と放水銃を搭載している。 乗員数は 37 人。 船名は八重山諸島の波照間島に由来する。 海上保安庁の船艇は配置先に応じて名前が変更されるため、昨年 12 月に紋別海上保安部(北海道紋別市)に配置換えされ「だいせつ」となった先代「はてるま」から船名を引き継いだ。 引き渡し式では海上保安庁の矢頭康彦装備技術部長が「15 年間にわたって尖閣警備にあたった誇り高き名前を継承し、業務に邁進していただきたい」と長官訓示を代読した。 船は今後、近海などでの訓練を経て、石垣で就役する。 平湯輝久船長は「だいぶ新しくなった装備を自分のものにし、予断を許さない尖閣情勢に対応できるようしっかり訓練したい」と話した。 (大野宏、asahi = 2-23-24) 九州の IC 生産 16 年ぶり 1 兆円超え TSMC 効果でさらに増加視野 九州での 2023 年の集積回路 (IC) の生産額は前年比 24.0% 増の 1 兆 1,533 億円にのぼり、07 年以来 16 年ぶりに 1 兆円を超えた。 九州経済産業局がまとめた鉱工業動向(速報)でわかった。 九州では台湾積体電路製造 (TSMC) の出荷開始を年内に控え、半導体関連の大型投資が相次いでおり、今後、00 年以来の過去最高更新も視野に入る。 生産数量は同 14.3% 減の 48 億個と 6 年連続で減少。 ソニーグループのイメージセンサーをはじめ、付加価値の高い高機能製品が主軸となり、生産額を高めているとみられる。 年単位は未確定だが、23 年 11 月分で見ると、九州の生産額が全国に占める割合は 56.3% に及んだ。 過去の生産額のピークは 00 年の 1 兆 3,924 億円。 IT バブル崩壊後の減少を経て 07 年には 1 兆 345 億円に回復したが、08 年のリーマン・ショック後には 6 千億円台まで落ち込んだ。 その後増減を繰り返し、21 年から 3 年連続で増えた。 この増加傾向が当面、続くことは確実だ。 半導体受託生産世界最大手の TSMC は熊本県菊陽町に建設した第 1 工場の開所式を今月 24 日に行い、年内出荷開始を予定。 熊本県内での第 2 工場建設も決め、年内に着工して 27 年中の稼働開始をめざす。 両工場の設備投資額は計 3 兆円規模となる見込みだ。 国内企業も次々に立地を決め、ソニーグループは 9 千億円規模を投じてイメージセンサーの新工場を熊本県合志市に建設予定。 ロームは 3 千億円規模の投資でパワー半導体などの新工場を宮崎県国富町に設ける。 IC の基板となるウェハー製造の SUMCO も 2 千億円以上を投じて佐賀県伊万里市と吉野ケ里町に新工場を建設する。 (江口悟、asahi = 2-21-24) 福島第一の汚染水 1.5 トン漏れ問題 規制委「実施計画違反の疑い」
記事コピー (1-1-24 〜 2-19-24) 南海トラフへ備え、九州初の「ひずみ計」大分県佐伯市に設置 … 観測網の空白域「大きく縮小」 南海トラフでの巨大地震の前兆となる、ごくわずかな地盤の変化を観測できる「ひずみ計」が 18 日、大分県佐伯市に設置される。 気象庁は、東海地方一帯から四国にかけて配置されたひずみ計で常時観測を行っており、初めて九州が加わる。 静岡県沖から九州沖まで延びる南海トラフに対し、広範囲での監視が必要になる中、同庁は「観測網の『空白域』が大きく縮小される」としている。 ひずみ計は、地下深くの岩盤のわずかな伸び縮みを高感度で検知できる観測機器。 データが自動転送される仕組みで、気象庁が 24 時間体制で変化を監視している。 南海トラフで起こる巨大地震は、プレートの境界付近でわずかに動く「ゆっくりすべり」が引き金になる可能性が指摘されている。 ただ、ゆっくりすべりは数日から数年かけて発生し、通常の地震計では変化を検知できない。 このため、気象庁や産業技術総合研究所(産総研)などは 1975 年以降、想定震源域やその周辺の地下数百メートルにひずみ計を設置。 過去の大地震の事例を基に東海から順に整備され、静岡県沖から四国までの 39 か所に設けられたが、想定震源域の西端にあたる九州にはなかった。 産総研は 18 日、佐伯市の廃校となった土地の地下約 550 メートルに設置する。 1、2 年ほどかけて観測データの安定性を確認した上で、気象庁へのデータ転送を開始し、観測網の一つとして運用される。 産総研は宮崎県でも 2024 年度中の設置を目指しており、場所の選定を進めている。 政府が 19 年に導入した「南海トラフ地震臨時情報」は、ひずみ計のデータから、想定震源域でゆっくりすべりが起きたと判断した場合や、マグニチュード 7 級以上の地震が発生した後に、巨大地震への注意を呼びかけることになっている。 産総研の担当者は「大分、宮崎両県に設置することで、これまで手薄だった日向灘の観測体制を強化することができる。 今後も九州の太平洋側で観測点を増やしていきたい」としている。 (池田寛樹、yomiuri = 2-18-24) さっぽろ雪まつりが最終日、市民雪像人気 1 位は「湯ばーばと仲間達」 コロナ禍をへて 4 年ぶりの全面開催となった「さっぽろ雪まつり」が 11 日に最終日を迎え、メインの大通会場は朝から、国内外からの観光客らでにぎわった。 10 日には、1965 年から続く公募チームによる「市民雪像」の人気投票結果が発表された。 アニメのキャラクターや著名人などをモチーフにした作品が並ぶ中で、1 位には「湯ばーばと仲間達(東光電気工事株式会社北海道支社)」が選ばれた。 また、7 日発表された「2024 国際雪像コンクール(第 48 回、海外 9 チーム参加)」では、モンゴルのチームによる「THE LEE/温もり」が優勝した。 (松尾一郎、asahi = 2-11-24) ヨーカドーが北海道、東北、信越から撤退へ 事業苦戦し首都圏に集約 イトーヨーカドーが北海道と東北、信越地方から撤退する。 展開する 17 店舗の看板を下ろす。 そのうち 9 店は、食品スーパー「ロピア」を運営する OIC グループ(川崎市)などに事業承継を進める。 運営会社が 9 日明らかにした。 現在、北海道で 6 店、東北で 8 店、信越で 3 店を展開している。 雇用維持などを目的に承継先を探していた。 残る 8 店のうち 2 店も、ほかのスーパーが跡地に入ることが決まっている。 今年から数年内に承継や閉店を進める。 総合スーパーのイトーヨーカドーは、低価格衣料品店やネット通販の台頭で苦戦を強いられている。 親会社のセブン & アイ・ホールディングスは昨年、構造改革を進めると発表。 店舗を首都圏や関西、中京の 3 大都市圏に集約し、昨年 4 月時点の 125 店舗から 2026 年 2 月末までに 93 店舗に縮小する方針を示した。 店舗を承継するのは、▽ 北海道 = 屯田、琴似、アリオ札幌、▽ 青森 = 青森、弘前、▽ 岩手 = 花巻、▽ 宮城 = 石巻あけぼの、▽ 新潟 = 丸大新潟、▽ 長野 = アリオ上田。 アリオ札幌、同上田は食品売り場を譲り、アリオショッピングセンター自体はセブン & アイグループが営業を続ける。 閉店した跡地に他社が入るのが決まっているのは北海道・帯広と福島・郡山。 (asahi = 2-9-24) クマの指定管理鳥獣追加 北海道で歓迎の声、「地域に沿った支援を」 全国で相次ぐクマの人身事故に対応するため、捕獲や生態調査に国の交付金が出る「指定管理鳥獣」にクマが追加される方針が 8 日に決まり、北海道内ではヒグマ対策の進展への期待が高まっている。 一方で、支援の内容がまだ分からず、地域の実情に沿ったものになるか不安視する声も出ている。 鈴木直道知事は昨年 11 月、他県と連携して指定管理鳥獣への追加を国に要望しており、「スピード感を持って対応をいただいたことに感謝を申し上げたい」と評価した。 より精度の高い個体数調査や詳しいモニタリングへの財政支援が充実すれば、「絶滅を防ぎながら、地域で何頭捕獲すれば市街地出没を抑制できるか割り出し、人とクマのよりよい環境につながる(道ヒグマ対策室)」との期待も高まる。 約 197 万人が暮らす大都市・札幌市でも、ヒグマの出没が相次ぎ、2021 年には市街地に出没したクマに襲われた 4 人が負傷している。 秋元克広市長はこの日の記者会見で、追加指定について「クマ対策への大きなひとつの転換点になるのでは」と言及。 「今後、環境省から出される方針に沿って、北海道とも連携をしながら市民の安心安全を守っていきたい」と話した。 ただ、支援の内容がまだ分からないことについて道の担当者も「白紙の状態」と表現。 鈴木知事は「地域の実情を踏まえた取り組みになるように、東北各県とも連携をして、国に(支援を)求めていきたいと考えている」と述べた。 (古畑航希、松尾一郎、asahi = 2-8-24) 沖縄でも買えるセコマの牛乳、次は海外? 自前工場で描く地域の好循環 前日からの吹雪がおさまった昨年 12 月 19 日午後、国内最北の空の玄関口、北海道・稚内空港から全日空機が飛び立った。 機中の保冷ボックス 12 個に入った牛乳とヨーグルトが羽田経由で向かったのは、沖縄県の那覇空港だ。 北海道でコンビニを展開するセコマの牛乳を、沖縄のスーパーで売る試みだ。 量を運べない空輸は高くつくというのが業界の常識だ。 しかし荷物があふれるのは夜や早朝の便。 「日中ならば安く運べる。」 逆転の発想で 2 月 9 日から毎週 1 回、沖縄に牛乳を送る。 製造するのは稚内の南隣、豊富町にある豊富牛乳公社だ。 豊富には放牧に適したサロベツ原野が広がる。 公社は 1966 年、農協の一部門として発足。 しかし、牛乳メーカーとの競争は厳しく、有力な販路のない公社は業績不振が続いた。 再建へ 96 年にセコマが資本参加。 出資話はセコマにとっても「渡りに船」。 牛乳は当時大手メーカーに頼っており、自前の工場を持つことは「いいものを安く」というセコマの方針にも合っていた。 最北の稚内市で店舗展開するセコマにとって、トラック輸送を効率化できるのも魅力的だった。 当時は札幌の配送センターから毎日商品を稚内に運んでいたが、帰りに運ぶ荷物が少ないのが悩みだった。 豊富から大量の牛乳を運んで札幌に戻れば、物流網の有効活用にもつながる。 「北海道ブランド」として牛乳の販路は広がった。 今では全国の大型量販店コストコ、イオングループのウエルシア薬局、スーパーのライフの店頭で並ぶ。 牛乳パック(1 リットル)は道外で年約 2,500 万本を販売し、セイコーマートを中心とする道内の年約 2千万本を上回るほどに成長した。 酪農家は半減、町は新規就農者増やすのに四苦八苦 牛乳公社の昨年 3 月期決算の売上高は約 79 億円。 「セコマの販売力は想像を超えていた。」 豊富町の河田誠一町長 (65) はいう。 公社は今や町内トップクラスの企業になったが、「セコマの販路が広がれば、それだけ牛乳を供給する責任も重たくなる。 しかし、就農者が増えないと生産力も伸びない。」と話す。 道北の酪農は岐路に立つ。 1990 年代には豊富町に 200 戸以上いた酪農家は後継者難などで 103 戸に半減。 さらに飼料や資材の高騰が経営を圧迫する。 町は就農前の希望者に研修費として、2 年間月 20 万円の補助金を出して酪農の担い手を少しでも増やそうと懸命だ。 「豊富の名が全国に広まるのはありがたい。」 豊富町の酪農家、久世薫嗣さん (80) はセコマに感謝する一方、注文もつける。 放牧中心の豊富は牧草を中心に与えるのが特徴だ。 「食べたいときに食べられるので放牧は牛が健康に育つ。 そんな豊富の牛乳はプレミアムをつけて販売し、農家に還元してほしい。 収入が増えれば希望者も増えるはずだ。」 セイコーマートは道内中心に 1,187 店を展開、巨大な物流網がそれを支える。 さらに 11 ある製造子会社の 23 工場で乳製品や飲料品、お総菜などをつくり、オリジナル商品を供給する。 コンビニ大手と違いセコマが店舗・物流に加え、製造も一貫して手がけているのには理由がある。 製造でカバーする収益構造になっているため、店ごとの利益がそれほど上がらなくても事業を継続できる。 また、小売業界は大手による寡占化が進めば商品の調達が難しくなる恐れがある。 「製造小売り」は工場の確保が必要で追随することが難しいビジネスモデルでもある。 しかし、右肩上がりの成長から人口減少時代に突入し、コンビニもまた持続可能性を問われている。 豊富牛乳公社の藤原直人社長 (54) は「人口が減り続ける北海道でグループがどう生き残るか。 長期的な戦略が求められるなかで、何よりも地域の店舗がお客さんに喜んでもらえることが大切だ。」と語る。 高校生の採用、2 年に 1 人いるかいないか 豊富町から南へ車で 1 時間半ほど走ると、かつて「炭鉱の街」だった羽幌町に入る。 ここにセコマグループでアイスを製造しているダイマル乳品がある。 羽幌町はピークの 1965 (昭和 40)年には人口 3 万人を超えたが、炭鉱閉山などで現在は約 6,100 人。 約 5 分の 1 に減った。 現在社員とパート合わせ約 70 人。 寺ア寿哉社長 (57) によると、高校を出ると若者が町を出てしまうため、地元の高校生を採用できるのは 2 年に 1 人あるかどうかだ。 寺ア社長は「人手不足で商品をつくれなくなることは絶対に避けたい」と力をこめる。 ![]() アイスのカップやコーンを運ぶ無人搬送車を 2022 年秋に導入。 人工知能により不良品を自動検知するシステムも検討中だ。 11 人いる牛乳ソフトの生産ラインをやがて半分の人員で回せるようにする考えだ。 空輸が始まった豊富の牛乳は将来的に台湾などアジアに輸出する構想だ。 「地域おこしの前に、まず『地域残し』。(セコマの丸谷智保会長)」 地域再生への好循環につなげる取り組みは待ったなしだ。 (編集委員・堀篭俊材、asahi = 2-7-24) -------------------------------- 「今が花の摘みごろです」 千葉・南房総の「花畑」が見ごろ 千葉県南房総市千倉町では、早春の風物詩の花畑で色とりどりの花が見ごろを迎えている。 同町の白間津地区では、農家が栽培したストックやキンセンカ、金魚草などが咲き誇っていた。 同町は生花の露地栽培が盛ん。 黒潮の影響で真冬でも霜が降りないため、栽培に適しているという。 一般の人も花畑にいる農家に声をかけると有料で花摘みをすることができる。 市価と比べ安価なため、人気があるという。 同市観光協会によると 3 月中旬ごろまで楽しめる。 担当者は「今年は例年より少し暖かく、今が花の摘みごろです」と話す。 (上田幸一、asahi = 2-4-24) 黄金の国「ジパング」健在なり … 国内唯一の「菱刈鉱山」の総採掘量は佐渡金山の 3 倍超! 日経平均株価がバブル期の高値に迫りつつある中、金も国内価格(店頭小売価格)は 1 グラム 1 万円を超え、為替の影響を除けば、史上最高値を更新中だ。 日本の金山というと佐渡金山が有名だが、現在も商業的規模で唯一操業している金山がある。 鹿児島県にある住友金属鉱山の菱刈(ひしかり)鉱山で、今回、一般には公開されていない同鉱山の内部を取材した。 ■ 地下坑道内の気温 30 度、温泉水がつくる "湯の華" タワーも 菱刈鉱山は、宮崎県境にある霧島連山の北西部、伊佐市にある。 周囲に田んぼや林が散在する山の中に鉱山の入り口はあった。 幅 5 メートル、高さが 4.5 メートルで、大型重機がそのまま入れる。 取材時もクルマに乗り込んだまま、トンネル内を延々と下っていく。 明かりはあるものの薄暗い。 クルマの取っ手につかまっていないと前の座席にぶつかりそうになるほどの急傾斜の部分もある。 クルマのすれ違いができる箇所は限られるため、基本的に一方通行の道になっている。 地上の入り口から深さにして約 350 メートル(海抜マイナス 80 メートル)、時間にして約 10 分ほど下ってからクルマを降りる。 内部の気温は 30 度もあり、湿度も高い。 その理由は温泉水だ。 菱刈鉱山の金鉱床は「浅熱水性(せんねっすいせい)鉱脈型金銀鉱床」というタイプで、地下のマグマに熱せられた水(温泉水)が地表の割れ目に入り、温泉水に溶けだした物質が冷えて固まって鉱脈になった。 このため、採掘前にまず地中周囲の温泉水を抜く作業が必要になる。 温泉水の水温は湧出時で約 65 度。 道路わきの温泉水が漏れ出ている所では、鍾乳石に似たものがあった。 鍾乳石は石灰成分が固まったものだが、こちらは温泉水の「湯の華(花)」が固まったものだ。 近くには地中から温泉水を抜く「抜湯(ばっとう)設備」のパイプもあり、温泉水はパイプを通じて地上に送り出された後、一部は近くにある湯之尾温泉の旅館に供給されている。 ■ 日本でも操業が可能な理由は『世界トップクラスの金含有量』 温泉水が抜かれた地区の岩壁を見学する。 黒や白の帯状の模様が見える。この帯状の部分に金が含まれている。 この日は見学できなかったが、この岩壁にダイナマイトを埋め込み、爆破して鉱石としてから取り出すのだ。 金鉱山の採算ラインとしては、鉱石 1 トンあたりに金が約 3 グラム以上含まれることが条件という。 坑道内部を案内してくれた菱刈鉱山長の草場康弘さんは「菱刈鉱山の金含有量は 1 トンあたり約 20 グラムで世界トップクラス。 現在も日本で操業できている最大の理由です。」と話す。 ■ 確認埋蔵量は約 155 トンで、40 年近くは採掘が可能 菱刈鉱山で金鉱床が見つかったのは 1981 年で、これまで年平均 6 トンの金を産出してきた。 佐渡金山は江戸時代以降の約 400 年で約 83 トンの金を産出している。 ところが、菱刈鉱山はその約 10 分の 1 の期間で累計 264 ト ン(2023 年 3 月末)の金を掘り出していて、日本一の金山と言っていい。 最新の確認埋蔵量は約 155 トン(2022 年末現在)。 「金価格が高値をつけて採算ラインが低くなったこともあり、現在は年間 4 トンを掘り出しています(草場さん)」とのことで、単純計算すると、あと約 40 年は採掘できることになる。 年間採掘量を減らして採掘期間を延ばすことには、実は大きな意味がある。 安価な海外鉱石が増えたことで、国内の鉱山のほとんどは採算ライン割れなどを理由に閉山している。 国内で鉱山技術を学ぶ場所として、菱刈鉱山は数少ない実地体験できるところなのだ。 このため、国内外の大学や大学院で学んでいる学生らが毎年、見学・研修に来ているそうだ。 今後さらに先進国にある鉱山という点を生かし、現場で働く従業員の減少や高齢化の対策として、坑道内に Wi-Fi (ワイファイ)設備も導入する。 鉱石の積み下ろしや運搬などを行う重機の自動運転化などを進めていく計画だという。 自動運転化のシステムが確立できたら、同社の海外鉱山への展開も考えている。 イタリアのマルコ・ポーロがモンゴル帝国などで見聞きした内容をまとめた旅行記「東方見聞録」は、日本のことを「黄金の国ジパング」と呼んだ。 「黄金の国ジパング」はまだまだ健在といえそうだ。 (松崎恵三、yomiuri = 1-31-24) 2030 年の人手不足、9 県で約 50 万人の深刻な予測 九州経済白書 九州・山口・沖縄 9 県で 2030 年、約 50 万人の労働力不足に - -。 民間シンクタンクの九州経済調査協会(九経調)は、26 日に公表した 2024 年版の九州経済白書で、深刻な人手不足の加速を予測する推計結果を明らかにした。 人手不足数は労働需要量と労働供給量の差。 30 年の 9 県の人手不足数は 49 万 5 千人と推計され、22 年の人手不足を補うための求人数 16 万 6 千人の約 3 倍に増える計算だ。 県別では、▽ 福岡 11 万 6 千人、▽ 鹿児島 6 万 7 千人、▽ 熊本 6 万 5 千人、▽ 長崎 6 万 2 千人など。 職業別では、▽ 商品販売 5 万 1 千人、▽ ドライバー(輸送・機械運転・運搬) 4 万 7 千人、▽ 建設 3 万 1 千人、▽ 保健医療専門職 3 万人と続くと試算された。 全国の地域ブロック別の比較でも、九州の全国シェア 12.1% は南関東の 21.3%、近畿の 13・5% に次いで高い。 都市部よりも地方で生産年齢人口に対する人手不足数の割合が高く、九経調は「新たな労働参加や省人化を進めない限り、労働需要に対応できないことになる。」と指摘する。 九経調の推計は、リクルートワークス研究所が 23 年 3 月に発行した「未来予測 2040」の全国推計をベースにしている。 未来予測 2040 は国全体の人手不足数を 30 年に 342 万人、40 年に 1,100 万人と推計。 九経調は 20 年の地域別・職業別従業者数の構成が 30 年まで維持されると仮定し、人口動態も加味して地域別・職業別の人手不足数を算出した。 (江口悟、asahi = 1-28-24) 廃校育ちのシイタケ、全国へ 田川に「国内最大級」の工場計画を発表 全国の廃校をシイタケの生産拠点にする構想を、シイタケ生産のクレセント(本社・福岡県宮若市)が進めている。 キャッチフレーズは「学校育ちのしいたけ」。 25 日には、田川市の廃校に全国最大規模というシイタケ生産拠点をつくる計画を発表した。 2023 年 3 月に廃校になった旧鎮西中学校(田川市伊田)を市から 505 万円で購入し、「田川しいたけ栽培センター」を建設。 来年 4 月に操業を始め、年間 2 千トンの生産を目指す。 同社によると、全国でも最大級という。 校舎や体育館は事務所や社員寮などに改修。 グラウンドには、種菌を植える菌床の製造工場や、シイタケを育てる栽培ハウス 48 棟を新築する。 今年 9 月着工、来年 3 月完成の見通しで、総工費は 6 億 5 千万円。 最大で 80 人を雇用し、年間売り上げ 16 億円を目指す。 クレセントは 19 年に設立され、宮若市内の小学校跡地でシイタケの試験栽培をスタートした。 現在は年間 300 トンを生産してスーパーなどで販売しているが、経営拡大のために新たな拠点を探していた。 全国の廃校を活用して地元のスーパーなどに販路を広げる方針で、関東や関西方面の廃校を活用する計画もあるという。 宮若では菌床を購入して栽培してきたが、田川では菌の開発から菌床づくり、栽培、加工品製造までを一手に扱うという。 村田武博会長は「菌の開発から加工まで『オールインワン』で行うのは日本初」としている。 同社は 25 日の市長定例会見に同席。 村上卓哉市長は「田川に日本最大級のシイタケ栽培工場ができるのは喜ばしい」、村田亜紀社長は「全国の廃校を活用し、地産地消で高品質な商品を手頃な価格で安定供給したい」と話した。 (徳山徹、asahi = 1-26-24) |