大雪で高速道路が立ち往生しても助けなし 「不信の国」中国のあまりにお粗末な防災意識

春節直前の大雪で高速道路の立ち往生が発生しても、中国政府の動きは鈍い。 反政府的な言論には敏感に反応するのに、災害に対するこの感度の鈍さは何なのか?

2024 年の春節直前、湖北省など中国の華中地域に 15 年ぶりの大雪が降った。 数十万台の車が高速道路で立ち往生。 地元政府は何の解決策もなく手詰まり状態で、3 日以上高速道路は動かず、ドライバーは食べ物も防寒用品もない。 中国版 TikTok の抖音など SNS 上には、助けを求める絶望的な投稿が現れ、海外にまで拡散した。 このような事件は今回だけではない。 3 年前の 2021 年夏、河南省で発生した大洪水も天災というより人災だった。 記録的な豪雨であることは分かっていたのに、地下鉄は通常どおり運行し、数百人以上の乗客が冠水した車両の中に閉じ込められた。 低地にあるトンネルも通行止めにしなかったせいで、大勢の人と車が浸水したトンネルで立ち往生した。

「中国政府は無作為だ。」 「中国人の安全意識は低い。」

日本人を含め、この痛いニュースを知った海外の人々は、こう思うかもしれない。 しかし、実はそうではない。 そもそも、安全に関しては、中国政府ほど「有作為」な政府はほかにない。 中国へ行ったことがある方々は賛成するだろう。 中国の街には、あちこちに数え切れないほどの監視カメラがあり、どこにでも巡回中の警察官がいる。 電車や地下鉄に乗るには、日本の空港よりもずっと厳しい安全検査を経ねばならない。 中国政府は安全のため精いっぱい、力を尽くしている。 ただし、それは人民の安全ではなく国家の安全、つまり、共産党政権の安全のため。 全ての人民は警戒すべき対象だ。

中国人の安全意識も決して低くない。 中国のどの家庭にも取り付けられている面格子と防犯ドアを見ると分かる。 「政府が人民を警戒する」のと似て、普通の中国人は、自分と家族以外の他人に対しても用心深く、誰も信用しない。 政府は人民を信じず、人民は他人を信じない。 上は政府から下は民衆まで、この不信社会の国にとって安全意識とはほぼ「防犯」の意味であり、「防災」の意識は極めて薄い。 政府に反対するわずかな言論にも素早く反応するのとは対照的に、自然災害にはいつもなすすべを知らない。 挙げ句、天災そのものよりも人災の犠牲が多くなる。 (ラージャオ・中国人風刺漫画家/トウガラシ・コラムニスト、NewsWeek = 2-20-24)

<2021 年河南洪水> 7 月に中部の河南省などで起きた記録的豪雨。 死者約 300 人。 死者の 9 割以上は省都の鄭州市に集中していた。 河南省政府は当初、死者数を 99 人と発表。 ネットで疑問視された。


中国、春節前の移動ピークに 景気低迷で訪日爆買いも限定的か

中国で 10 日から春節(旧正月)の長期休暇に入るのを前に、帰省や旅行など市民の移動がピークを迎えている。 中国政府は今年の春節期間中に移動する人が「過去最多」とアピールするが、自家用車での移動が増えるなど景気低迷に伴う節約志向が透けてみえる。 日中関係の影響もあり、訪日客の殺到もなさそうだ。 7 日午前、北京市の北京西駅は大荷物を抱えた人々で混雑していた。 湖北省へ帰省するという女性会社員 (37) は「3 年ぶりに両親に会える。 実家でゆっくりしたい。」と笑顔で話した。

今年の春節休暇は例年より 1 日長い 8 日間。 中国政府は、春節休暇を含む前後の 40 日間に移動する人が過去最多の延べ 90 億人になると予測する。 鉄道、航空機、バスなどの旅客数は同 18 億人で、その他の同 72 億人は自家用車による移動と推計。 自家用車での移動は前年比で 2 倍以上となる。 中国では大型連休に高速道路の通行が無料となることも、車利用の増加に拍車をかけているとみられる。 中国民用航空局などによると、2023 年末時点の国内線旅客数は新型コロナウイルス禍前の 19 年の水準を上回ったが、国際線は 6 割程度しか回復していない。 節約志向を反映してか、渡航先もタイなど近場に人気が集中しているという。

一方、春節休暇の人気渡航先だった日本向けの便数は、日系大手航空会社で 5 割前後、中国系でも 5 - 7 割にとどまる。 東京電力福島第 1 原発からの処理水の海洋放出に伴う中国当局の猛反発を受け、「中国国内の旅行会社が日本向け団体旅行ツアーの販売を控えている(航空関係者)」という。 個人旅行は一定程度見込まれるが、中国本土からの「爆買い」需要は限定的となりそうだ。 (北京・岡崎英遠、小倉祥徳、mainichi = 2-7-24)

〈編者注〉 日中間に LCC が飛んでいない状況下では中国人旅行客が増える訳もありません。 只、今の日本で「お上りさん的な団体客」を受け入れるには無理があるように思えます。 しかしながら、現実には中国からの旅行客がいないわけではなく、一握りの富裕層は日本旅行を繰り返しています。 そして、もっともお金を使う層であることも確かです。 日本から見ると、今が一番いい状態なのではと思えます。


130 人が骨折、北京地下鉄の追突事故の調査結果発表 - 中国

昨年 12 月に発生した北京地下鉄の事故に関する調査の結果が 5 日に発表された。 国営の新華社などが伝えた。 2023 年 12 月 14 日午後 6 時 52 分、地下鉄昌平線の西二旗駅から生命科学園駅までの区間で一時停止した先行車に後続車が追突する事故が発生した。 この事故で、乗客ら 130 人が骨折するなど多数の負傷者が出たが死者はいなかった。 経済的な損失は約 950 万 8,000 元(約 2 億円)に上るという。

当局の事故調査チームは、事故の直接的な原因は地下鉄運営会社の準備・対応の不十分さだったと結論付けた。 当時の運行指令員は線路の "渋滞" が完全に排除できない状況で、後続車の制限を解除し、かつ後続車の運転士に先行車の一時停止を知らせなかった。 また、後続車の運転士は手動で走行中にシステムから減速を促されたが直ちにブレーキをかけなかった。その後ブレーキをかけたが降雪の影響でスリップし制動距離が延びたため追突事故につながったという。

調査チームの報告を受けた北京市規律検査委員会と北京市監察委員会は、地下鉄昌平線の運営機関である北京市地下鉄運営有限公司と業界監督管理部門である北京市交通委員会の計 18 人を問責した。 また、公安当局は事故について捜査を進めており、北京市地下鉄運営有限公司はすでに規定に基づき関係者を処分している。 (北田、Record China = 2-6-24)

◇ ◇ ◇

北京の地下鉄で追突事故、102 人骨折 雪の中で線路歩いて移動も

北京の地下鉄で 14 日夜、列車どうしの追突事故があり、乗客ら 500 人以上が病院を受診し、うち 102 人が骨折の重傷だった。 北京市の交通当局が発表した。 当局は、雪の影響でブレーキが利かなくなったとみて調べている。 発表によると、事故は 14 日午後 7 時ごろ、北京市中心部から北西に走る地下鉄昌平線の地上を走る区間で起きた。 当局の調べでは、雪の影響で前の列車が緊急停止をかけた際、後続の列車は下り坂を走行しており、ブレーキが利かずに追突したという。 北京では 11 日ごろから断続的に雪が降り続いていた。

中国の SNS 微博などに掲載された画像では、車両どうしがぶつかって車体が損傷した様子や、連結されているはずの車両と車両が離れている様子が確認できる。 乗客らは雪の中、線路上を歩いて駅などに移動した模様だ。 この影響で同線は一部区間で運休。 現場に近い西二旗駅では、多くの警察官が人々を近隣の別の地下鉄駅や臨時バスに案内していた。 通勤で同線を使うという男性 (20) は「(事故は)驚いた。 もう 30 分以上タクシーがつかまらず、いつ帰宅できるかわからない。」と嘆いていた。 (北京 = 畑宗太郎、asahi = 12-15-23)


中国で春節前に豚肉が売れない「異例」の事態、原因は? - 独メディア

2024 年 2 月 4 日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、例年であれば春節(旧正月)を控えて旺盛になる中国の豚肉需要が今年は盛り上がっていないと報じた。 記事は、春節が迫った中国では例年需要の増加に伴って豚肉の価格が上昇するにもかかわらず、今年は価格に大きな変動が見られないとし、北京市の卸売市場従事者が中国メディアに対して「今年の豚肉価格は例年より安い」と語り、市場関係者も「今年は春節前後で豚肉価格が大きく変動することはない見込み」との見方を示したことを紹介した。

また、国家統計局のデータとして、今年 1 月下旬の生きたブタの価格が 1 キロ当たり 15 元(約 300 円)と 1 月中旬に比べて 9.5% 上昇したものの、中国養豚ネットワークが発表する価格システムによると今月 4 日現在の価格が 14.70 元で再び下落傾向に転じたことが明らかになったと伝えた。 その上で、米ブルームバーグが「豚肉の価格が 1 年前より 20% ほど安いのに、販売量は例年の 3 分の 2 程度にとどまっている」という北京市の食肉販売業者の話を紹介し、「豚肉需要は引き続き軟調だ。 これは、給料の減少が家庭の需要に打撃を与え、消費の足を引っ張っていることの表れだ」と評したことを伝えている。

さらに、中国経済系メディアの報道として、中国国内における豚肉価格下落が、アフリカ豚熱発生により縮小していた国内での養豚産業が 21 年に回復に転じて以降生産過剰の状態にあることに起因していると指摘。 昨年の中国の豚肉生産量は 5,794 トンとこの 10 年で 2 番目に多く「どの四半期にも明らかな供給過剰が発生」し、価格安定のために国家発展開発委員会が 3 度にわたって備蓄用の豚肉購入を発表したと伝えた。

また「アフリカ豚熱後の価格高騰で既存の養豚業者が生産を拡大するとともに、新規参入者も相次いだ。かくして供給過剰となった市場において、養豚企業はコストダウンと効率向上によって価格下落にあらがおうとしているものの、赤字の宿命からは逃れられていない」とする中国メディアの評価を紹介した。 (川尻、Record China = 2-5-24)


中国南部・江西省の建物で火災、39 人死亡 とじこめられた人も

中国南部・江西省新余市で 24 日午後、建物が燃える火災があり、24 日夜までに 39 人が死亡する惨事となっている。 中国国営中央テレビなどが報じた。 中国メディアによると火災は 24 日、新余市にある店舗などが入る建物の地下 1 階で起きたという。 地下ではインターネットカフェが営業していたとの情報もある。 死者のほか、9 人が負傷し、建物に閉じ込められたままの人もいるという。 中国の SNS には、大きな建物を取り囲むように煙が立ちこめる様子が映った動画や、黒煙が噴き出す建物の 2 階から中にいた人が避難する動画が投稿されている。 (北京 = 斎藤徳彦、asahi = 1-24-24)


中国新疆・アクス地区の地震で 3 人死亡、5 人負傷 現地は厳しい寒さ

中国の新疆ウイグル自治区アクス地区で 23日未明に起きたマグニチュード(M) 7.11の地震で、3 人が死亡、5 人が負傷した。 自治区が同日夜の会見で明らかにした。 約 1 万 2 千人の住民が 避難したという。 現地では厳しい寒さのなかで、救助活動が続いている。 地震が発生したのは、中央アジアのキルギスとの国境に近い標高の高い地帯で、震源の深さは 22 キロ。 中国メディアによると、多くの建物が倒壊し、避難した住民は体育館などに身を寄せている。 (瀋陽 = 金順姫、asahi = 1-23-24)


中国の外国人出入国者数、コロナ前の 4 割 スパイ摘発の強化も影響?

中国の国家移民管理局は 18 日、2023 年 1 - 12 月の外国人の出入国者数が延べ 3,547.8 万人だったと発表した。 前年よりは増加したが、新型コロナウイルスの影響を受ける前の 19 年の 4 割ほど。 厳格な「ゼロコロナ政策」が終わっても、中国と外国の間の往来は戻っていない。 同局によると、19 年の外国人出入国者数は延べ 9,767.5 万人だった。 新型コロナが世界的に流行したため、21、22 年は 400 万人台に激減。 23 年は前年に比べ約 8 倍に急増したが、コロナ前にはほど遠い。

外国人の往来が減った背景には、都市封鎖などの厳しいコロナ対策を経験した外資系企業の変化がある。 中国に駐在するアジアの外交官は「企業が拠点を中国以外に移す動きがある」と指摘。 対中投資の減少は表面化しており、昨年 7 - 9 月の外資企業による中国への直接投資額はマイナスとなっている。 中国にとどまって、駐在員や出張を減らす企業もある。 さらに、中国がスパイ活動の取り締まりを強化して外国人が相次いで摘発されたことも影響している。 具体的に何が違法な行為にあたるか明確ではないことから、拘束を懸念してビジネスや観光での渡航を避ける人も多いとみられる。 (上海 = 井上亮、asahi = 1-22-24)


中国・雲南省で地滑り、47 人が生き埋め 習近平氏が重要指示

中国国営中央テレビによると、中国南西部雲南省の鎮雄県で 22 日午前 5 時 50 分(日本時間午前 6 時 50 分)ごろ、地滑りが発生して 18 戸の住宅が巻き込まれ、47 人が生き埋めになっている。 地元当局が 900 人超の態勢で救助に当たっているが、被害が拡大する恐れもある。 現場は同省と貴州省の境界近くに位置する山あいの村。 報道によると、付近では 21 日から断続的に雪が降っていたとみられるが、今のところ地滑りの原因は明らかになっていない。

中央テレビが報じた映像では、山の斜面が広範囲に崩壊し、黒い土砂がふもとの集落をのみ込んでいる様子が映っている。 また、住宅が破壊されたとみられる場所にはブロック塀や木材の残骸が散らばっていた。 習近平(シーチンピン)国家主席は発生を受けて重要指示を出し、死傷者を最小限に抑えるため全力を尽くすよう求めた。 (上海 = 井上亮、asahi = 1-22-23)


中国市民の実感は「景気後退」、連鎖する不動産・消費・雇用の縮小

[上海] 中国の公務員試験の前夜、メロディ・チャンさん (24) は心配そうに寮の廊下を行ったり来たりしながら、解答の練習をしていた。 自分がずっと泣いていたことに気付いたのは、部屋に戻ってからだ。 メディア業界で 100 回以上も就職を断られたチャンさんの望みは、国家プロパガンダの仕事に就くことだった。 若者の失業危機が叫ばれる中、公務員の求人 3 万 9,600 件に過去最高の 260 万人が押し寄せ、結局チャンさんは落とされた。 難関校の中国人民大学を卒業したチャンさん。 「私たちは間違った時代に生まれた。 不景気で、夢だの野心だのとは言っていられない。 終わりのない就職活動は拷問だ。」と嘆く。

中国では経済への信頼感が揺らぎ、消費者の支出や企業の雇用、投資を圧迫している。 このままでは長期的な潜在成長力が損なわれる悪循環に陥りかねない。 昨年の中国の経済成長率は 5.2% で、ほとんどの主要国を上回った。 しかし、職に就けない新卒者、アパートの価格が下がって貧しくなったと感じる不動産オーナー、前年より収入が減った労働者にとっての実感はマイナス成長だ。

中欧国際工商学院のジュー・ティアン経済学教授は、2 四半期連続のマイナス成長という教科書的なリセッション(景気後退)の定義は、国内総生産 (GDP) に占める投資比率が約 40% と米国の 2 倍に達する成長途上の国、中国には当てはまらないはずだと語る。 「中国はリセッションの最中だ。 10 人に話を聞けば、7 人は悪い年だったと言うだろう。」とティアン氏。 「政府はこんなことを看過できないはずだ。 永遠には続けられない。」と言い、自信喪失の「悪循環」を断ち切るために、政府はもっと景気刺激策を講じるべきだと語った。

消えゆく向上心

中国では 16 歳から 24 歳までの約 1 億人のうち、昨年 6 月時点で 4 人に 1 人以上が失業していた。 17 日に公表された 12 月のデータでは、若年失業率(大学生を除く)は 14.9% だ。 調査によると、中国の Z 世代は全ての年齢層の中で最も悲観的だ。 内需不振に対応して企業はコストを削減しているため、就職できても収入は期待より低い。 人材紹介会社、智聯招聘によると、中国の 38 の大都市で昨年第 4・四半期に雇用者が提示した平均給与は、前年同期比で 1.3% 減少した。

1980 年代以降、ドルベースで約 60 倍に拡大した中国経済にとって、これは歴史的なムードの変化だ。 経済成長は主に製造業とインフラへの巨額投資を通じて達成したものだが、このモデルは約 10 年前から成長よりも債務を生み出すようになった。 その一方で、中国は製造、建設業ではなくサービス業の高技能職のために学生を教育した。 だが、家計消費の低迷と、金融、ハイテク、教育産業に対する規制強化により、そうした学生のチャンスは減っている。

ジャニス・チャンさん (34) は 2022 年遅くまでハイテク業界で働いていたが、家族の緊急事態に対処するために退職した。 自分の経験と米国での学歴を考えれば、新しい職を見つけるのは簡単だと高をくくっていた。 ところが、チャンさんが見つけたのは 15 時間シフトのソーシャルメディア・マーケティングの仕事だけ。 だから間もなく退職した。 経済の現状を考えると、自分の運命をコントロールできない「浜辺の砂粒」のような気持ちになる、と彼女は言う。 「中国では『向上心』という言葉が全員を駆り立ててきた。 明日は最良の時になると信じていたからだ。 私が今、人生で克服しようとしているのは、言ってみれば明日がもたらす失望を癒すことだ。」と語った。

不動産危機

上海で高級コーヒーショップを経営するビンセント・リーさんは、「ワンツーパンチ」を食らって中間層からたたき出されたと語る。 消費者は節約のために安いコーヒーを好むようになった。 そして、彼が 17 年に観光地の海南島に 400 万元(55 万 8,612 ドル)で購入したマンション 2 軒は、かれこれ 3 年も賃貸と購入の問い合わせがない。 「不動産市場は飽和状態だ」とため息をつく。 中国人民銀行(中央銀行)の最新データによると、19 年時点で都市部の約 3 億世帯の 96% が、少なくともアパートを 1 軒所有していた。 中国の家計貯蓄の約 70% は不動産に投資されている。

21 年に不動産市場の低迷が始まって以来、一部の都市ではマンション価格が 3 分の 1 に下がり、オーナーは支出を切り詰めていると不動産業者は言う。 最盛期には経済活動の約 4 分の 1 を占めていた不動産セクターは今や、「中所得国のわな」を逃れようとする中国にとって大きな脅威とみなされるようになった。 ジョンズ・ホプキンス大学のアルフレッド・チャンドラー政治経済学講座のユエン・ユエン・アン氏は「大きなリスクは、旧来の成長源の減少による影響が大きすぎて抑えきれなくなり、新たな成長源を阻害することだ。 そうなれば、中国は移行期から抜け出せなくなる可能性がある。」と言う。

中国市民の生活に影響を与えているのは、国内政策だけではない。 台湾、ウクライナ、南シナ海をめぐる西側諸国との外交的緊張により、中国の外国直接投資は初めて流出超過となった。 デビッド・フィンチャーさんが営む上海のコンサルタント会社は、米国の制裁により先端半導体のビジネスを行えなくなり、重要な収入源が閉ざされた。 外交的緊張の高まりや、政府による新たな規制によって事業が立ち行かなくなるのを恐れ、海外移転を検討しているフィンチャーさん。 「まるで鍋の中のロブスターのようでお湯の温度が上がる中、じっと座っているような感じ。 中国政府の動向を心配する気持ちは皆と同じだ。」と語った。 (Casey Hall、Reuters = 1-19-24)


中国の人口、14 億 967 万人 少子化止まらず 2 年連続減少

中国国家統計局は 17 日、2023 年末の総人口が 22 年末比 208 万人減の 14 億 967 万人だったと発表した。 人口減少は 2 年連続で、減少幅は 22 年(85 万人)より拡大した。 教育費の増加などを背景にした少子化に歯止めがかからず、出生数が 7 年連続で減少したほか、死者数も増加した。 2 年連続の人口減少は、毛沢東が主導した食料や鉄の大増産運動「大躍進」が失敗し、大量の餓死者が出た 1960 - 61 年以来 62 年ぶりとなった。

23 年の出生数は前年比 54 万人減の 902 万人。 49 年の建国以来の過去最少を更新した。 中国政府は 79 年から導入してきた「一人っ子政策」を見直し、現在 3 人目までの出産を認めているが、住宅価格や教育費など結婚・子育てにかかる費用が高騰。 若者の雇用悪化や給与の伸び悩みなどを背景にした将来不安が強いことも響いた模様だ。 23 年の死者数は 69 万人増の 1,110 万人。 中国では 22 年 12 月から年明けごろにかけて新型コロナウイルスの感染が急拡大し、高齢者の死者数が急増したとみられている。 国連は 23 年 4 月、同月末までに中国の人口がインドに抜かれ世界首位から転落するとの推計を発表している。 (北京・小倉祥徳、mainichi = 1-17-24)


中国で新型コロナ "感染再拡大" の可能性 … 新変異株「JN.1」が主流に

中国、新型コロナウィルス

記事コピー (1-27-20 〜 1-15-24)


最高時速 450 キロの高速列車、2025 年に運用開始 - 中国

中国国家鉄路集団(国鉄集団、国営鉄道会社)は 9 日、集団活動会議を開き、その中で「CR450 (最高時速 450 キロの高速列車)」が注目のキーワードとなりました。 国鉄集団は 2024 年にCR450 の試作車製造と型式試験を完了し、2025 年までに運用を開始する予定だということです。 CR450 高速列車の実験運行速度は時速 450 キロ、商業運行時速は 400 キロ(中国の現在の高速列車の運行時速は最高 350 キロ)となる見込みで、世界最速の商業運行用高速列車になることが期待され、北京から上海まで(約 1,400 キロ)の所要時間はわずか 2 時間 30 分しかかかりません。

これより以前、国鉄集団はより高速で、より安全、より環境に優しく、より省エネで、よりインテリジェントな高速列車「復興号(CRH・中国鉄路高速で運用されている高速鉄道車両)」の新製品開発を加速しており、昨年 6 月には CR450 の重要な新型ハイテク部品の性能試験を完了し、試験運転中に従来の速度を更新する時速 453 キロを記録していました。 国鉄集団は現在、世界で最も大規模な高速鉄道ネットワークを運営していますが、9 日の会議では、同集団はこの鉄道ネットワークシステムのさらなる高度化を目指しています。

「CR450 科学技術革新プロジェクト」は中国の「第 14 次五カ年計画(中国が 5 年ごとに達成すべき経済・社会発展の目標とその手法について定める長期的な計画)」における重大な科学研究プロジェクトであり、より安全で、より環境に優しく、より省エネで、よりインテリジェントな復興号の新製品を開発することになっています。 このプロジェクトでは、国を挙げて、2025 年までに列車の自動制御、車軸設計、操舵システム、軌道のグレードアップと安全措置などの重要な軌道技術に関する重点研究を行った後、CR450 高速列車が実際に使用される予定です。

CR450 の試験列車は、昨年 6 月 28 日に中国東南部の福建省?洲湾を横断する大橋上で時速 453 キロを出し、向かい合ってすれ違う 2 本の試験列車の相対時速は 891 キロに達しました。 さらに翌 29 日、試験列車は中国南部海南省海尾のトンネル内で時速 420 キロを出し、すれ違う 2 本の試験列車は相対時速 840 キロで走行し、新技術による部品の性能が検証されました。 (CRI/Record China = 1-12-24)


習氏の理想都市は空っぽ、権力の限界露呈 - 北京に近い「雄安新区」

中国の改革・開放政策を主導したケ小平氏が 1979 年、中国南部の地図上に円を描き資本主義を実験する経済特区を広東省深センに設けると決めたという逸話がある。 それから 40 年近くたち、中国共産党の習近平総書記(国家主席)は時代を象徴する都市建設の野心を、首都北京に近い「雄安新区」で体現すると発表。 北京の人口密集を解消するハイテク都市になるという雄安は、「人類発展の歴史におけるモデル都市」とうたわれた。

以来、共産党は世界最大の水力発電所である三峡ダムの倍以上となる約 6,100 億元(約 12 兆 3,000 億円)を雄安に費やしてきた。 かつてトウモロコシ畑だった場所には現在、鉄道駅やオフィスビル、集合住宅、5 つ星ホテル、学校、病院が立ち並んでいる。 唯一足りないのは住民だ。 ブルームバーグの記者が今月の平日に訪れた際、雄安に向かう高速道路にはほとんど車が走っていなかった。 雄安中心部の通りで開いている店やレストランもほとんどない。

首都からの移転を迫られている研究所の職員は、子どもたちの教育の質が心配だと打ち明けた。 2022 年に移転計画を発表した北京を拠点とする大学 4 校は今、代わりに第二キャンパスの設置を目指している。 中国地質大学の 1 年生は「北京に来ようと大学入試で頑張った。 雄安に来るためではない。」と当局の報復を恐れ匿名を条件に話した。 雄安の人口伸び悩みは、国家最高のリソースが集中する北京から住民を誘致するという習氏が描いた計画の欠陥を浮き彫りにしている。

人々の抵抗はまた、毛沢東初代国家主席以後、中国で最も強い権限を握る指導者となった習氏でさえ、市場原理に反する行動を促すのに苦慮していることを示し、習氏個人の権力にも限界があることが露呈している。 習氏は毎年行う新年の演説で、雄安が「急成長」し、中国東北部の活性化に貢献していると述べた。 習氏は昨年、このプロジェクトに抵抗しないよう警告を発し、李強首相ら共産党中央政治局常務委員と共に昨年 5 月に雄安を視察した際、「必要であれば、人々は移動しなければならない」と語った。

シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策大学院のアルフレッド・ウー准教授は「この抵抗は現実的な利害に基づいている。 住民の利益と習氏自身の利益を一致させることができなければ、当然、実現することはできない。 習氏の力にはやはり限りがある。」と指摘した。 深センの無秩序な成長を招いたケ氏の自由放任主義とは異なり、習氏は中国各地で生じている問題を回避するため綿密に練られた計画を選んだ。

例えば、雄安は「住宅は住むためのものであり、投機のためではない」という習氏の信条を守り、投機を防ぐため住宅価格を厳しく管理している。 雄安は昨年、不動産開発会社が住宅を建設する前にその住宅を販売することを禁止。 これは住宅バブルをあおった中国全土で見られる一般的な先行販売モデルからの大きな脱却だ。 雄安は歓迎する産業を選別している。 情報技術 (IT) や生物医学、新エネルギー分野の企業に進出を促す一方、伝統的とみる産業の企業は排除。 何百万人もの出稼ぎ労働者や起業家を引き付けた深センとは異なるアプローチだ。

雄安は今世紀半ばの完成を目標に、開発の節目を 35 年に設定。 政府文書によると、11 年後には北京の非首都機能の一部を担い、「ハイレベルの現代的社会主義都市」になると見込まれている。 デジタルセクターが地元経済の少なくとも 80% を占め、都市廃棄物の 45% がリサイクルされ、高速インターネットが全面的に整備される予定だ。 (Bloomberg = 1-10-24)

〈編者注〉 上記の記事を読んで一番不思議に思うのは、率先して政治・行政機能の移転を、どうして始めようとしなのか、筆者のみならず、誰でもがいぶかります。 先例は、米国のみならず、他の国でも見られます。 先ずは、党総本部の移転でしょう。 自ずと民間セクターもついてくるはずです。 そして、それが一番自然です。


中国が党中央宣伝部の局長を解任、突然のゲーム規制案で混乱後 - 報道

中国当局は共産党中央宣伝部の出版局局長、馮士新氏を解任したと、ロイター通信が事情に詳しい複数の関係者を引用して報じた。 国家新聞出版署は先月 22 日にオンラインゲームを巡る新たな規制案を発表し、株式市場で関連銘柄が急落する事態を招いていた。 (Lin Cheng、Bloomberg = 1-3-24)

◇ ◇ ◇

中国、オンラインゲームの新規制案公表 利用者の支出抑制狙う

[香港] 中国の国家新聞出版署は 22 日、オンラインゲームに関する包括的な規制案を公表した。 ユーザーに利用を促すリワードと呼ばれるインセンティブや利用者の支出を制限することが目的で、ゲーム市場に打撃となる。 中国政府は、若年層の「ゲーム中毒」を懸念し、未成年がビデオゲームを楽しむ時間に一定の制限を設けたり、新規ゲームの認可を一時中断したりした。 こうした取り締まりは昨年、正式に終了し、ゲーム認可手続きも再開したが、ユーザーへの課金を抑制する措置は取っていた。

22 日発表された規則案では、毎日のログイン、初めての課金、連続での課金などへのリワード提供といったオンラインゲームで一般的な慣行を禁じる。 ユーザーがゲーム内でデジタルウォレットにチャージできる金額にも制限を設けるよう命じた。 「ガチャ」と呼ばれる有料のくじを未成年に提供することを禁止したほか、ゲームアイテムのオークションを防ぐよう求めた。 ユーザーデータの管理に対する懸念からゲーム会社にサーバーを国内に置くことを義務付けた。

一方で、ゲームの承認を 60 日以内に処理することも盛り込まれた。 来年 1 月 22 日まで一般から意見を募集する。 発表を受け、ゲーム会社の業績への影響を巡り懸念が広がり、香港株式市場で世界最大のゲーム会社である騰訊控股(テンセント・ホールディングス)の株価は一時 16% 下落。 同業のネットイースも一時 25% 急落した。 欧州時間になり、テンセント株を 26% 保有するテック投資家のプロサスも序盤で 14.2% 下落した。

テンセントのゲーム部門幹部は、規制の要件を厳格に履行していくと述べた。 発表された規則案については、ゲーム企業が妥当なビジネスモデルを持つことを目指す当局の方針から逸脱するものではないとの認識も示した。 そのうえで、未成年のゲーム中毒問題が当局の重要課題になった 2021 年以降、自社のゲームに未成年者がかける金額や時間はこれまでよりも低水準にとどまっていると説明した。

大華継顕(UOB Kay Hian)の機関投資家営業担当エグゼクティブディレクター、スティーブン・レオン氏は「規制そのものが問題ではなく、政策リスクが大きすぎる」と指摘。 「この種のリスクはもう終わったと考えられ、ファンダメンタルズに目を向けるようになっていたため、信頼感を大きく傷つけることになる」と指摘した。

モーニングスターのアナリスト、アイバン・スー氏は 1 日当たりのアクティブユーザー数が減少したり、アプリ内課金による収入が減ったりする公算が大きいと述べた。 「ゲーム会社はゲームのデザインや収益戦略の見直しを迫られる可能性がある」との見方を示した。 ある業界幹部は新規則について、新たな取り締まりではなくゲーム業界健全化の取り組みの一環だとし、市場は過剰に反応していると述べた。 (Josh Ye、Reuters = 12-22-23)


中国最長の海底道路トンネル、本線シールド掘削始まる

【北京】 中国山東省青島市で 12 月 30 日、青島膠州湾第 2 トンネルの本線シールド掘削工事が始まった。 中国で建設規模が最大、距離が最長となる海底道路トンネルで、インフラ建設大手、中国鉄建傘下の中鉄第四勘察設計院集団が設計し、中鉄十四局集団が施工する。 トンネルは青島市中心部と国家級新区の青島西海岸新区を結ぶ。 設計速度は時速 80 キロ、総延長 17.48 キロで、うち本線トンネルは 9.95 キロの海域区間を含む 14.37 キロとなる。 (中国・新華社 = 1-1-24)


中国・青島で大規模火災 倉庫から立ち上る巨大火柱

30 日夜、中国・青島市の倉庫で火災が発生し、消火活動が行われています。 倉庫から激しく吹き上がる炎。 火柱は倉庫の何倍もの高さに達しています。 現地 30 日午後 8 時ごろ、中国東部・山東省青島市にある倉庫で火災が発生しました。 地元当局によりますと、現在のところ、けが人は確認されていません。 消防が消火活動に当たるとともに、出火の原因を調べています。 (TBS = 12-31-23)


3つのものがない中国の未来 - 韓国メディア

中国メディアの環球時報は 27 日、韓国経済新聞に掲載された「三つのものがない中国の未来」とする記事を取り上げた。

記事はまず、中国でよく聞かれる言葉として「中国の未来を見たいなら深センに行け」を取り上げ、「深セン経済特区という名前から分かるように、深センは中国の未来を導く都市だ。 1970 年代末に中国が市場経済を初めて導入したのが深センで、それ以来、中国の新技術と新政策がここで最初に適用されてきた」とした。 その上で「7 年前に深センの近くで働いていたことがある筆者が今年初めに到着するとすぐにある変化に気づいた。 何より印象深い変化は三つのものが消えていたことだ。 7 年前にスローガンとして叫ばれていた技術がすでに日常に深く浸透していた。」とした。

記事は「まず現金が消えた」とし、「中国で 1 年暮らしてみて、現金を見たことがほぼない。 ここではスマートフォンに表示されたデジタルの数字だけがお金で、スマートフォン一つですべての決済が行われる。 最近では多くの決済が顔認識で行われる。 商店の出口で商品を手に持ってカメラを見るだけでいい。 深センはフィンテックハブとして位置付けられている。 市当局の積極的な規制緩和により全国のフィンテックスタートアップがここに集い、自らの金融技術を誇っている。」とした。

記事は、なくなったものの二つ目として「ばい煙と自動車の騒音」を挙げ、「ソウルの 3 倍の大きさの深センは電動都市となった。 路線バスとタクシーはどちらも電気自動車に変身した。 オートバイなどの路上のほぼすべての乗り物も電気で駆動する。 充電インフラが市内の至る所にありとても便利だ。 深センで今、熱いキーワードもバッテリーだ。 ここにはバッテリーの素材から製造、機器、リサイクルに至るまで多様な企業がある。」とした。

記事は「冷蔵庫も消えつつある。 正確に言えば冷蔵庫のサイズが小さくなっている。」とし、「スマートフォンで生鮮食品を注文すれば、30 分以内にドアの前まで配送される。 以前のように野菜、シーフード、肉をあらかじめ買う必要はなくなった。 食品を必要な時に必要な量だけ買うのがここの生活スタイルだ。」とした。 記事は「中国の未来の手掛かりを深センで見つけることができる。 深センで成功したモデルは徐々に中国全域に広がる。 国内外の多くの企業家がここ深センで、新たな機会を探している。 中国の未来を垣間見たいなら深センに来るといい。」と結んだ。 (柳川、Record China = 12-30-23)


宇宙開発の影に住民の不安 中国・広西チワン族自治区

中国・広西チワン族自治区で、ロケットの残骸が住宅地近くに落下した。 同じ時間帯に四川省で衛星の打ち上げが行われており、現地当局は、切り離したロケットの残骸が落下したと発表している。 回転しながらゆっくりと落下した物体は、やがて山の中に消え、真っ赤な炎が上がった。 中国・広西チワン族自治区で目撃された出来事だ。 別の映像には、巨大な破片が転がり、住宅近くにある筒状の物体からは黄色い煙がモクモクと立ち上がる様子が捉えられていた。 ちょうど同じ時間帯に、四川省では中国が開発した衛星の打ち上げが行われていた。

現地当局は、切り離したロケットの残骸が落下したと発表。 これまでのところけが人はいないという。 実は、広西チワン族自治区では、2022 年の同じ時期にもロケットの残骸が落下していた。 今回は事前に、空を見て注意するよう呼びかけられていた。 国の威信をかけた宇宙開発の影で、住民の不安が続いている。 (FNN = 12-29-23)


歴史的寒波に見舞われる中国、河南省の一部では暖房が止まる - 独メディア

2023 年 12 月 24 日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国の北部を中心に記録的な低温に見舞われ、河南省では集中暖房設備が故障するトラブルも発生したと報じた。 記事は、中国の多くの地域に寒波が襲来し、暴風雪に見舞われたほか、気温の低い状態が長時間にわたって続いたと紹介。 首都の北京市では 9 日連続で最低気温がマイナス 10 度を下回り、11 日からの連続氷点下気温記録が 300 時間を超えて 1951 年以降で最長となったことを伝えた。 また、華北地域や東北地域でも記録的な低温となり、東北地域の一部では最低気温がマイナス 40 度にまで下がったとした。

また、華中地域に位置する河南省でも 24 日の最低気温が氷点下になり、一部地域ではマイナス 15 度になるなどの低温に見舞われており、複数地域で集中暖房供給がひっ迫していると指摘。 同省焦作市内の供給企業では全負荷状態の運転が続いており、このうち 1 社では 22 日にボイラーが突然故障して一部地域の熱源供給が著しく不足し、病院などの必要な施設を除く党や政府の機関で暖房供給がストップしているほか、一部の団地でも供給に影響が出ていると伝えた。 記事は、今週に入って北から暖気が南下することにより気温は徐々に上昇する見込みで、華中や華東の一部地域では今後数日で気温が 10 度ほど上昇する可能性があるとした。 (川尻、Record China = 12-25-23)


中国内陸部で地震 118 人死亡 20 人行方不明 救助活動続く

中国内陸部の甘粛省で 18 日夜遅くに起きた地震で、死者の数はこれまでに 118 人となり、20 人が行方不明になっています。 被災地は厳しい寒さの中、停電や断水が起きているうえ、余震が相次いでいて厳しい環境での救助活動が続いています。 中国地震局によりますと、18 日午後 11 時 59 分ごろ、日本時間の 19 日午前 1 時前に内陸部、甘粛省の臨夏回族自治州を震源とするマグニチュード 6.2 の地震がありました。

甘粛省の地元政府によりますと、これまでに甘粛省で 105 人の死亡が確認され、397 人がけがをしたということです。 損壊した建物は 4,782 棟に上っているということです。 また、隣接する青海省の地元政府によりますと、青海省でも 13 人が死亡、182 人がけがをし、死者の数は甘粛省と合わせてこれまでに 118 人となっています。 このほか、青海省では、土砂崩れに巻き込まれ、20 人が行方不明となっているということです。

被災地では、寒波の影響で最低気温がマイナス 10 度を下回り、厳しい寒さになっているうえ、停電や断水が起きていて、現地からの映像では被災した人たちがたき火で暖をとる様子がみられます。 また、国営メディアによりますと、日本時間の 19 日午後 1 時までの余震の回数は 300 回を超えています。 中国政府は軍も動員して救助活動を行っていますが、厳しい環境の中での活動が続いています。

北京にある日本大使館によりますと、日本時間の 19 日午後 4 時半現在、今回の地震で日本人が被害に遭ったという情報は入っていないということです。 中国の国営メディアによりますと、習近平国家主席は関係機関に、全力で捜索と救助を行うとともに適切に被災者の対応にあたり、住民の生命と財産の安全を最大限守るよう指示しました。

台湾 蔡英文総統「必要な支援を提供したい」

中国の甘粛省で起きた地震を受け、台湾の蔡英文総統は自身の SNS に、中国で使われている簡体字で「亡くなられた方々とご遺族に哀悼の意を表します」とした上で「必要な支援を提供したいと思っています。 救助と復興が進み、一日も早く、日常が戻ることを願っています。」と投稿しました。 (NHK = 12-19-23)