鳥取砂丘や出雲大社近くに豪華ホテル 観光需要を開拓

鳥取・島根の山陰両県で新型コロナウイルス禍後の地域活性化策が花開き始めた。 仮想空間のメタバースを活用した魅力発信や婚活支援、ロボット手術を核に据えた医療革新、新しい食や観光の魅力創出など、山陰ならではの地域性を生かしたユニークな取り組みで未来を拓こうとしている。

山陰、仮想技術で拓く未来

仮想空間で過疎対策を - -。 鳥取県は 2 月に立ち上げた架空の「メタバース課」での情報発信を、関係人口の創出につなげようとしている。 パソコンやスマートフォンアプリを通じてだれでも無料で訪問でき、人工知能 (AI) を活用したアバター(分身)の「YAKAMIHIME(八上姫)」が音声で受け答えする。 同課は次世代インターネット技術を活用した県の PR 戦略の一環。 NOBORDER.z FZE (ノーボーダーズ、アラブ首長国連邦)が開発する「XANA (ザナ)」内に設けた。 ザナはブロックチェーン(分散型台帳)技術など次世代のインターネット技術を活用した「Web3 (ウェブスリー)」型の仮想空間という。

AI アバター職員は 24 時間、大勢の相手と同時に対話できるため効率的に情報を伝えられ、日本語と英語でのコミュニケーションが可能だ。 海外への県の PR やインバウンド(訪日外国人)獲得の手段にもなると県ではみている。 少子高齢化で人口減少が進む山陰地方。 仮想空間を使って婚活支援に乗り出す動きも生まれている。 成婚により移住・定住の促進につなげる狙いだ。 島根県出雲市はメタバース婚活協会(東京)と協力し、23 年夏に仮想空間とリアルデートを組み合わせた婚活イベントを実施した。

参加者は、まず 7 月に仮想空間であるメタバースの中で自分の分身であるアバターを操作して自己 PR や対話を行い、同空間上でデート。 その後、8 月に実際に出雲市内に集まって対面の婚活パーティーを開催し、マッチングしたら出雲大社などを巡る現実のデートを楽しんだ。 20 人弱の参加者の中で 5 組のカップルが誕生、イベント後に交際が始まったカップルも 1 組生まれたという。 「(メタバース上では)外見が見えない分、内面的な部分が理解できてよかった」などの声が参加者から聞かれたという。 同市では来年度以降もこうしたイベントを開催したい考えだ。

鳥取県もメタバースを活用した婚活支援を今年度中に始める予定だ。 仮想空間での出会いの後、希望に応じて県の婚活支援事業「えんトリー」の職員がフォロー役となり、仮想空間でのデートのときから対話がスムーズに進むよう手助けする方法を検討している。 島根県安来市では、クリエーター団体がメタバースを使って作品を展示する企画「ヤスギゲシキ」を始めた。 作品は市の風景や特産品などをイメージして創作したものを中心とする予定で、市の魅力を発信して地域活性化につなげる。 将来的には作品を用いたトートバッグなどの商品も製作し、販売する予定だ。

クリエーターが協力してメタバース空間に展示場を開設する試みは中国地方では珍しい。 大櫃孝之代表は「地方のクリエーターにとって作品を常設展示できる場所が少ないが、メタバースを利用すれば手軽に常時見てもらえる」と指摘。 「地域のクリエーターが一体となって地元風景などから発想を得た作品を展示することで、地方活性化にもつなげたい」としている。

観光の新たな魅力創出

今シーズンの松葉ガニ(ズワイガニの雄)は、鳥取港(鳥取市)での 11 月 7 日朝の初競りで最高値が一匹 280 万円と昨年の 100 万円を上回った。 県のトップブランド「特選とっとり松葉がに五輝星(いつきぼし)」に認定されたうちの一匹で、2019 年の 500 万円に次ぐ過去 2 番目の高値となった。 五輝星は甲羅の幅が 13.5 センチ以上、重さ 1.2 キロ以上、脚が全てそろっているなどの 5 つの条件を満たすものを漁港の目利き人が選定する。 水揚げ全体の 0.1% に満たない貴重品だ。 国内やインバウンド(訪日外国人)の富裕層など向け需要増加への期待感が盛り込まれたご祝儀相場となった。

観光の高付加価値化の取り組みは広がってきそうだ。 鳥取砂丘では、これまでになかった大型の高級ホテルができる。 米マリオット・インターナショナルの最高級ホテルブランド「ラグジュアリーコレクション」の誘致が決まり、26 年の開業を目指す。 島根県では島根銀行と SBI ホールディングス、飲食店などを展開するバルニバービなどが協力し、23 年春に島根県出雲市の海岸沿いにホテルやレストランなどの複合誘客施設を整備した。

開発事業は「WINDY FARM ATMOSPHERE」と名付けられ、出雲大社から車で約 20 分の日本海に沈む夕日が望める場所で実施。 崖をくりぬいて建設した全室オーシャンビューの「イズモ ホテル ザ クリフ」はツインとダブルが各 4 室で、スタイリッシュな雰囲気の洋室。 照明を暗めにしていて「洞窟の中にいるような感じで過ごしてほしい」と担当者。

海に面したテラスにはジャグジーを整備し、サウナ施設も楽しめる。 約 180 席の大型レストラン・カフェは、しまね和牛のグリルや地魚のブイヤベースなど島根の食材などを使った食事を提供する。 「誘客だけでなく、実際に人が暮らす街にしていきたい(バルニバービの佐藤裕久会長)」と話していて、今後、第 2 期工事で周辺に住居も整備する計画だ。

医療革新で存在感、ロボ手術の拠点に

鳥取大学医学部付属病院はロボット手術の拠点としての存在感を高めている。 2010 年以降の累計手術実績は 10 月末までで 2,716 件となった。 医療から開発、教育までを担う包括的な体制を整え、3 年後をメドに関連機器開発にも参入する方針だ。 同大病院は企業と連携して医療現場でのニーズを反映した医療関連製品の開発に力を入れており、医工連携のプラットフォームをロボット手術の分野でも活用していく。

ロボット手術の機器には多くの知的財産権が関係する技術が盛り込まれているとされる。 同大病院でも関連部品だけでなく、新しい機能や技術を開発して知財権をメーカーへ提供し、機器のバージョンアップに活用してもらうことも想定する。「最高の形としては新しいロボットを独自開発すること(同大幹部)」とする。 ロボット手術は今後、遠隔手術や人工知能 (AI) を活用した自動手術などへの発展も見込まれる。 機器の進化と手術技術の高度化が同時並行で進むとみて、同大病院ではロボット手術を中心に開発や教育を包括した事業モデルを確立し、病院の競争力を高める戦略だ。

島根県では ERISA (松江市)が AI を用いて認知症リスクを検知するプログラムの開発を手掛けている。 国内約 70 の医療機関や検診施設などですでに導入されていて、海外でも中国などで普及を図る。 同社のプログラムは連携する島根大学医学部が蓄積する脳ドックの膨大な検診データを AI で解析、数年後の認知症へのなりやすさなどを数値化して示す。 AI を用いた脳の解析に取り組む国内企業は他にもあるが、多くは脳の一部を分析するもので、脳の萎縮がどの程度進んでいるかの現状把握にとどまる。

一方、ERISA が開発したプログラムは脳を細分化した上で全体を分析するので精度が高く、3 年後など将来の認知症の発症リスクの予測までできるのが最大の特長だ。 このため早期治療や予防に役立つという。 プログラムは海外でも注目されていて、20 年に中国・南通の瑞慈医療集団と連携。 さらなる普及へ、このほど中国の大手医療機器メーカーである瀋陽の Neusoft Medical Systems などと連携の覚書を結んだ。 タイの医療関連機関からも問い合わせがきているほか、米国での普及も目指す。 河原八郎社長は「多くの国々で社会問題となっている認知症の早期発見、予防のためにもプログラムを普及させたい」と話す。 (nikkei = 12-3-23)


米子空港 - 香港便、運航再開で香港のメディア招いたツアー

来月(12 月)から、鳥取県の米子空港と香港を結ぶ便の運航が再開するのを前に、島根県内に観光客を呼び込もうと、松江市で、香港のメディアを招いたツアーが行われました。 鳥取県の米子空港と香港を結ぶ便は、新型コロナウイルスの影響で運航を中止していましたが、来月から 2 か月余りの期間限定で運航が再開されることになっています。

再開に向けて、島根県は、観光客を誘致しようと、香港で旅行に関する情報を発信している WEB メディアの記者を招いてツアーを開き、1 人が参加しました。 参加した記者は、県の担当者などとともに、28 日午前、松江城を訪れ、城や周囲の風景の写真を撮影しました。 このあと松江城の中に入り、しゃちほこなどの展示を間近で見ながら、通訳を介して松江城の歴史などについて観光ガイドの説明を聞きました。 また、鉄砲を撃つために壁に穴があると説明されると、興味深そうにうなずき、近づいて見ていました。

天守閣では、松江市の町並みや宍道湖が見渡せる景色を楽しんでいました。 参加したメディアの記者は、「松江城は景色がきれいに見え、使われている木材などに歴史を感じた。 香港の人も興味を持つと思う。」と話していました。 このツアーは 30 日まで行われ、出雲市の出雲大社や大田市の石見銀山を訪れる予定です。 (NHK = 11-28-23)


「奥出雲おろち号」多くのファンに見守られラストランへ 25 年に渡る活躍に幕

ラストランを迎えた JR の観光列車「奥出雲おろち号」。 23 日あさ、JR 出雲市駅。 駅のホームに集まった多くの鉄道ファンに見守られながら、おろち号がラストランの日を迎えました。 列車は昼ごろ広島県内で折り返した後、午後 4 時頃に終点雲南市の木次駅に到着し、その役目を終える予定です。

「埼玉から来ました。 ラストラン日よりな天気になってうれしい。(鉄道ファン)」
「残念です。 なくなると絶対乗らないといけないので参りました。(鉄道ファン)」

観光列車「奥出雲おろち号」は 1998 年に運行開始。 約四半世紀に渡り活躍してきましたが、車両の老朽化に伴い 23 日限りでその役目を終えます。 出雲市駅を午前 8 時 45 分に出発した列車は、昼頃広島県庄原市の備後落合駅で折り返した後、午後 4 時ごろ終着駅の木次駅に到着する予定です。 木次駅では「ラストランフェスタ」としてステージイベントが催され、夕方からは列車との別れを惜しむ記念撮影会も開かれます。 (TSK さんいん中央テレビ = 11-23-23)


ロケーションジャパン大賞に「VIVANT x 島根県」ノミネート

『VIVANT』とそのロケ地になった島根県などが、ロケーションジャパン大賞にノミネートされました。 ロケーションジャパン大賞は、この1年間に放送、公開されたドラマやアニメ、映画作品の中から、最も地域を沸かせ、人を動かした作品とロケ地に贈られるもので、雑誌「ロケーションジャパン」が毎年開催しています。 14 回目の今回、『VIVANT』と島根県、松江市、出雲市、奥出雲町などがノミネートされました。

ノミネートされたのは全部で 33 作品 65 の地域で、連続テレビ小説『らんまん』と高知県、劇場版『TOKYOMER』と横浜市などもあります。 今後、一般投票による支持率やロケ地が作品の世界観を楽しめるか、といったことをポイント化し、大賞を決定、2024 年 2 月 15 日に結果が発表されるということです。 (BBS 山陰放送 = 11-16-23)

◇ ◇ ◇

「VIVANT」 島根県ロケ地マップが大人気 「初日からなくなってしまうほど」
 VIVANT ロスのあなた … ロケ地めぐりで楽しんで

日曜劇場「VIVANT」。 ついに 17 日に最終回を迎えましたが、ドラマのロケ地となった島根県では、まだまだ VIVANT 熱は冷めません。 県が作成したロケ地マップが大人気で、補充が忙しいほどに。 マップを手に観光を楽しむ人が急増しています。 主演の堺雅人さんに加え、阿部寛さんや二階堂ふみさんなど豪華俳優陣が出演し、多くの謎と怒涛の展開に引き込まれる人が続出しました。 17 日ついに最終回を迎えましたが、翌日、島根県松江市では、最終回を楽しんだ観光客が多くみられました。

「意外な人が裏切ったり、実は味方だったとかそういうワクワクドキドキしながら見てました。(観光客)」
「もうすごいハマりました。 考察したんですけど、ことごとく外れて楽しかったです。(同上)」
「終わり方がこの次もあるのかなっていう余韻を残して終わった感じがして、すごく楽しみにしてるんですけど。(同上)」
「はじめに見たときにすごいダイナミックな作りでしたよね。それで引き込まれてずっと見るようになりました。(同上)」

モンゴルで大規模なロケも行われましたが、島根県も物語の舞台としてたびたび登場し、県内各地で撮影が行われたことも大きな話題となりました。 堺雅人さんが演じた主人公・乃木憂助のふるさととして舞台になった奥出雲町の「櫻井家住宅」をはじめ、出雲大社(出雲市)や本庄小学校(松江市)など、県内でロケが行われたスポットは実に 7 か所にものぼります。 この VIVANT ブームに乗って、島根県は、県内のロケ地情報をまとめたパンフレット「VIVANT 島根県ロケ地 MAP」の配布を様々な施設で始めています。

「この番組をきっかけに島根県のことをたくさんの人に知っていただいて、ロケ地などゆかりの地をめぐっていただきたいなということで制作させて頂きました。(島根県商工労働部観光振興課 佐藤ひかる主任主事)」

松江城周辺の観光客を見てみると…人々の手には「ロケ地マップ」が握られていました。

「ロケ地、ここだったんだって感激しました。(観光客)」
「ロケ地マップ、記念に取っておこうと思いました。(同上)」

ネットには特設サイトも設けられ、大ヒット作の「聖地巡礼」をと、観光に活かしたい考えです。 島根県庁ではさっそく先週からパンフレットを置いていますが …

「初日からパンフレットが一時なくなってしまうほどたくさんの方が手に取っていただいているようで、すごく反響を感じております。(島根県商工労働部観光振興課 佐藤ひかる主任主事)」

パンフレット自体が大人気で補充が追い付かず、一時なくなってしまった場所もあったということです。 最終回を迎え VIVANT ロスになったという人も多いかもしれませんが、島根県のロケ地をめぐって、これからも「VIVANT」を楽しんでみてください。 (BSS 山陰放送 = 9-18-23)

◇ ◇ ◇

島根県が舞台に! TBS 日曜劇場『VIVANT』
福澤克雄監督、堺雅人、阿部寛もハマる出雲のロケ地巡礼で立ち寄りたい鉄道名所

・ 自分のクルマで島根にきて、思った以上にきれいだし。 食事も美味しくてね。 一気に好きになりましたね。(福澤克雄監督)
・ 自然が豊かで、松江城と宍道湖との美しさもそうですし。 不思議な風情がありますよね。(阿部寛)
・ ぼくはね、母方が島根県出雲なんですよ。 だから「ようこそ!」って感じです。 だからむかし松江城のお堀も遊覧船で巡ってましたからね。(堺雅人)

『VIVANT』 いよいよ島根が舞台に

乃木(堺雅人)の正体はなんと、国内外で民間人に紛れて諜報活動を行う特殊部隊 "別班" だった! 同じく別班の黒須(松坂桃李)とともに、テロ組織 "テント" のモニターである山本(迫田孝也)を排除した乃木は、次の目的のため、ある人物の元を訪れる。 いっぽう、山本の死に違和感を抱いた野崎(阿部寛)は、自分たち公安以外に唯一山本の正体を知っていた乃木に疑惑の目を向ける。 野崎が徹底的に乃木を調べる中、衝撃の過去が明らかになっていく。 それぞれの運命を繋ぐ鍵は、壮絶なる "想い"。

そんなスピードとはらはらどきどき、何重にも重なる伏線と、違う立場。 敵か味方か、味方か敵か - -。 そんな話題の TBS ドラマ日曜劇場『VIVANT』はきょう 8 月 13 日よる 9 時から、第 5 話がオンエア。 そのオンエアを前に、島根県がこの TBS ドラマ日曜劇場『VIVANT』のロケ地に選ばれたことを公表。 それにあわせて、島根県庁付近で福澤克雄監督、堺雅人、阿部寛に 3 ショットインタビューを公開!

全国に 3 件しかない重要文化財駅舎のひとつ、大社駅

そこで、このあと TBS ドラマ日曜劇場『VIVANT』で出てくる、松江・出雲をめぐる "ロケ地巡礼" のときに立ち寄りたい、鉄道 & 駅前スポットをここで紹介。 堺雅人の「母方が出雲」という出雲市に行くならば、出雲市駅から分岐して出雲大社まで結んでいた旧大社線跡をめぐる時間もおすすめ。 1912 (明治 45)年に開業した大社線は、非電化の単線線路で、出雲高松駅、荒茅(あらかや)駅と 2 つの途中駅を経て、出雲市駅と大社駅の間、7.5km を結んでいた路線。 開業当時は蒸気機関車けん引客車列車、1990 (平成 2)年の廃止まではキハ 40 などのディーゼルカーたちが行き来し、京都や大阪から出雲大社への参詣列車、急行だいせんや急行大社といった直通列車も走っていた。

その終点の大社駅は、重要文化財としていまも保存され、自由に出入り・見学できる。 駅舎は、出雲大社の門前町大社町の表玄関にふさわしい、格調のある和風建築で、全国に 3 件しかない重要文化財駅舎のひとつで、西洋建築である東京駅丸の内駅舎、門司港駅舎(北九州市)に対し、和風建築はこの旧大社駅舎だけ。

島式ホームには蒸気機関車 D51 形 774 号機の姿も

また、海側をむく駅舎につくホームの向こう側、島式ホームには D51 形蒸気機関車の姿も。 この D51 形 774 号機は、国府津機関区(神奈川)、新鶴見機関区(東京)、福知山機関区(京都)、新見機関区(岡山)、浜田機関区(島根)と渡り歩いたカマ。 いまも島式ホームを歩きながら間近に見学できる。 そのほか、いまも保存されている改札口を抜けると、大社線で出雲大社さま参りした当時を、疑似体験できる。 TBS 日曜劇場『VIVANT』でいよいよ登場する島根県の名所各地。 そのロケ地巡礼の旅は、大社線跡を歩く時間も入れて、ゆっくりと。 (鉄道チャンネル = 8-13-23)


中間決算 山陰合同銀行 "増収減益" 島根銀行 "増収増益"

県内の地方銀行 2 行のことし 9 月までの中間決算が出そろい、山陰合同銀行は増収減益、島根銀行は増収増益になりました。 山陰合同銀行は、先週、ことし 4 月から 9 月までのグループ全体の中間決算を発表し、それによりますと、一般企業の売り上げにあたる経常収益は 2.8% 増加して 575 億 8,800 万円、最終的な利益は 25.4% 減って 66 億 2,700 万円で、増収減益になりました。 これは、法人・個人向けともに貸し出しが好調で、貸出金の増加率が地方銀行では平均 3.3% なのに対し、山陰合同銀行は 10.4% と大幅に伸びて、利息による収入が増えた一方で、海外の金利上昇により外貨の調達コストが上がったことなどが減益につながりました。

また、島根銀行が 14 日に発表したグループ全体の中間決算は、貸出金が伸びていることや、SBI グループとの連携により提案できる金融商品が増えたことなどから、経常収益は 7.1% 増加して 43 億 7,100 万円、最終的な利益は 5.6% 増えて 2 億 9,000 万円と、増収増益になりました。 (NHK = 11-14-23)


金剛山で初冠雪 昨年より 35 日早く 鳥取・大山では 40 センチ

大阪と奈良の府県境にある金剛山(標高 1,125 メートル)で 13 日、今季の初冠雪が確認された。 大阪府千早赤阪(ちはやあかさか)村によると、山頂付近にある葛木神社では午前 7 時ごろ、零下 0.4 度まで気温が下がり、約 1 センチの雪が積もった。 昨年より 35 日早かった。 13 日朝は西日本の各地で今季最も気温が下がった。 最低気温は大阪 6.8 度、広島 7.2 度、松江 6.1 度など。 初冠雪は、兵庫県養父市と鳥取県にまたがる氷ノ山(標高 1,510 メートル)などでも確認された。 気象庁によると、鳥取県大山町では 40 センチの降雪が観測され、11 月では 1988 年の 53 センチに次ぐ降雪量だった。 (asahi = 11-13-23)

◇ ◇ ◇

鳥取市で 28 度超 山陰 12 か所で 11 月として観測史上最高に

3 日の山陰は、最高気温が鳥取市で 28 度を超えるなど、12 か所の観測点で 11 月としては観測史上、最も高くなりました。 気象台によりますと、3 日の山陰は高気圧に覆われて晴れ、各地で気温が上がりました。 日中の最高気温は、▼ 鳥取市で 28.1 度、▼ 鳥取県の境港市と岩美町岩井で 27 度、▼ 島根県川本町で 26.5 度、▼ 島根県奥出雲町で 26.4 度など山陰にある 29 の観測点のうち、20 か所で夏日になりました。

最高気温は、12 か所で 11 月としては観測史上、最も高くなり、このうち鳥取市では、1979 年に記録した 26.3 度を 44 年ぶりに更新しました。 4 日はくもりや雨となるところもあり、日中の最高気温は、▼ 鳥取市で 25 度と夏日が予想されているほか、▼ 浜田市で 24 度、▼ 米子市で 23 度、▼ 松江市で 22 度、▼ 隠岐の島町で 20 度と予想されています。 場所によっては朝晩の気温が低く、日中との気温差が大きいため体調管理に注意してください。 (NHK = 11-3-23)


友好協定 30 周年 中国・寧夏回族自治区の訪問団が知事と会談

島根県と中国の寧夏回族(ねいかかいぞく)自治区が友好協定を結んで 30 周年になるのを記念して、自治区の訪問団が丸山知事と会談しました。 島根県と中国内陸部の寧夏回族自治区は、30 年前の 1993 年に友好協定を結んで以来、交流員を派遣するなどの取り組みを続けていて、12 日、自治区から 7 人の訪問団が県庁を訪れました。

はじめに丸山知事が「交流を通してお互いに発展することができ、友好がいっそう深まることを期待している」と歓迎しました。 これに対し、訪問団の白尚成団長は「教育や環境などで協力関係を築くことができ、今後も発展させる自信がある。 お互いの利益につながるよう努力を続けていきましょう。」と応えていました。 また、一行は、県農業技術センターを視察し、去年の「和牛オリンピック」で肉質部門 1 位を獲得した「しまね和牛」の品質向上に向けた取り組みなどを学んだということで、島根の農業が魅力的と感じたことを伝えていました。

このあと前庭で記念の植樹が行われ、丸山知事や白団長らが、島根を代表する木、黒松の苗木に一緒に土をかけ、友好の絆を確かめ合いました。 丸山知事は「大都市から離れた地域でどう発展するかという共通の課題を抱えているので、今後も関係を深めて一緒に取り組みを進めたい」と話していました。 (NHK = 11-12-23)


新型コロナ 平均患者数 1.63 人で微増

山陰地域の新型コロナの感染状況

記事コピー (11-17-20 〜 11-8-23)


島根県、東京のアンテナショップの機能強化 島根の魅力を PR

島根県は、東京・有楽町に置くアンテナショップを改修して売り場面積を拡大し、島根の魅力を首都圏へさらに PR していくことにしています。 島根県は、今月(10 月)から東京・有楽町の「日比谷しまね館」にあるアンテナショップの改修工事に取りかかり、売り場面積を現在より拡大するとともに、多くの人に島根の魅力を発信するため、観光 PR 用のディスプレーを増設します。 島根県によりますと、アンテナショップの売り上げは年々伸びていて、今年度(2023 度)の売り上げはコロナ禍の影響が薄れたこともあって昨年度 よりも 21% 多い 1 億 7,690 万円余りを見込んでいます。

こうした島根への関心を移住にもつなげようと、アンテナショップ内に設けていた移住相談窓口を近くのビルに移転させて相談員を 3 人から 4 4人に増やして体制を強化します。 島根県は、新しいアンテナショップと移住相談窓口を来年 1 月中旬にもリニューアルオープンする計画です。 島根県しまねブランド推進課は「工事を進めるにあたって人手不足や資材高騰といった課題もあるが、アンテナショップの魅力を向上させて都心からの移住を呼び込んでいけるように取り組んでいきたい」と話しています。 (NHK = 10-29-23)


シカ飼育の県研究センターで職員死亡 シカに襲われた可能性

25 日正午すぎ、飯南町にある県の研究センターのシカを飼育しているおりの中で、男性職員が倒れているのが見つかり、その後、死亡が確認されました。 職員は全身に傷があり、警察はシカに襲われた可能性があるとみて詳しい状況を調べています。 25 日午後 0 時 20 分ごろ、飯南町上来島の県中山間地域研究センターから「シカの飼育場で職員が倒れている」と警察に通報がありました。

職員はシカを飼育している、屋外にあるおりの中であおむけの状態で倒れ全身に傷があり、病院に運ばれましたが、およそ 2 時間後に死亡が確認されました。 死亡したのは奥出雲町高尾の藤原悟さん(64 歳)です。 警察によりますと、藤原さんは 1 人で作業をしていて、休憩時間になっても戻ってこないことから、同僚が様子を見に行ったところ倒れているのが見つかり、近くには雄のニホンジカ 1頭がいたということです。

また、センターの職員によりますと、シカの角には赤い血のようなものが付いていたということです。 警察は藤原さんがシカに襲われた可能性があるとみて、詳しい状況を調べています。 県中山間地域研究センターは中山間地域の調査研究などを行っていて、平成 10 年 4 月に設置されました。 センターでは野生動物の対策などを調査するため、施設内でシカを 1 頭、飼っているということです。

県中山間地域研究センターではおりの中でオスのシカ 1 頭を飼育しています。 このシカは 10 年前に子鹿としてセンターに来て、死亡した職員は当時から飼育を担当していました。 センターによりますと、この時期はシカの発情期にあたり縄張り意識が強くなることから、飼育場内に入るときには距離を取るなど注意するよう決めていたということです。 センターによりますと、職員はセンターでの勤務は 21 年目で、研究員の補助としてシカやアライグマなどの動物の飼育やおりの点検、フィールド調査への同行などをしていました。

センターによりますと、職員は 25 日は午前 10 時半以降に 1 人でシカのおりに入って作業をしていたということで、残されていた道具から飼育場内の雑草を取り除いていたとみられるということです。 島根県中山間地域研究センターの福井修二農林技術部長は「駆けつけたところシカの角に赤い血のようなものが付いているのを見ました。 このような事態が起きてしまい、今後、安全対策を改善していきたい。」と話していました。 (NHK = 10-25-23)


神々と奏でる、この街で 出雲市、全日本吹奏楽・中学代表 3 枠独占

多くの中学生が出場をめざす全日本吹奏楽コンクールの「中学校の部」で今年、中国地方の代表 3 枠を一つの市の学校が占めた。 「高校の部」にも同じ市の学校が出場する。 豊かな音楽が生み出されるのはなぜか。 人口約 17 万人の街を訪ねた。 旧暦 10 月に八百万(やおよろず)の神々が集うという、出雲大社がある島根県出雲市。 9 月 30 日、市中心部の市民会館大ホールに、コンクールの課題曲と自由曲が響きわたった。 4 校の全国大会出場記念の演奏会。 「銀河鉄道 999」、「宝島」などを次々に奏でる中高生を、約 1,200 の客席を埋めた観客が手拍子や拍手で包んだ。

10 月 21 日に「全日本」に出る 3 中学は市立の一中、三中、大社中。 校区はそれぞれ隣り合う。 22 日に出場する高校は三中の校区内の出雲北陵だ。 県西部の益田市から来た木地谷春弓(はるみ)さん (42) は「娘も吹奏楽部でフルートを吹いているけど、同じ中学生とは思えない」と感動しきりだった。 「神様の街」はいつから、「吹奏楽の街」にもなったのか。 楽屋で三中の顧問教諭、高橋勇気さん (34) に聞くと、「先達が一つの『型』をつくってくれた」と言う。

一中に吹奏楽部ができたのが約 65 年前。 創設者の片寄哲夫さん、一中や二中を何度も全国大会に導いた渡部修明さんら、今は亡くなった指導者が吹奏楽関係者から「神様世代」と呼ばれているという。 教えを継いだのが「レジェンド(伝説)世代」。 出雲北陵高を指導しながら、市内の指導者の師ともなっている原田実さん (70) らだ。 「中学 3 校」の全国出場は今年が初めてではない。 1985 年と 90 年にも一中、二中、大社中で独占。 「神様世代」がベテラン、「レジェンド世代」が若手の時代だ。 高橋さんは両世代の教えを受けた「第三世代」にあたる。

生徒や指導者を支えるのが「街の力」だ。 地方の人口が細り、若い世代が大きな街へ出ていくことが多い時代。 ただ、出雲には社会人バンドがいくつもあり、街に戻ってくる吹奏楽経験者たちがいる。 一中の吹奏楽部では卒業生が週末に指導したり、演奏会を主催したり。 吹奏楽部長の高井寧音(ねね)さん (15) は、そうした指導などで「短い時間の中でも質の高い練習ができる」と話す。

吹奏楽経験者が育む街の空気は市民に溶け込む。 映像ディレクターの森山慎二さん (34) は吹奏楽の経験はないが、「吹奏楽や鼓笛隊の演奏を当たり前に感じてきた」という。 「娯楽が少ない」という街で、ショッピングセンターなどで中高生の演奏をみんなが楽しむのは、幼い頃からの日常風景。 吹奏楽への親しみを「刷り込みされているのかも」と笑う。 市の後押しもあった。 街には 97 年に「出雲フィルハーモニー交響楽団」、2005 年に「出雲芸術アカデミー」ができた。 二中の元校長で、アカデミー学長の桑原雅次さん (70) は「小さいけど『芸術文化の都になる』という市長の強い思いがあった」と話す。

その市長とは 95 年から 2009 年まで務めた西尾理弘さん。 領事を務めた米ニューヨークの「ニューヨークフィル」や「メトロポリタン歌劇場」、「ジュリアード音楽院」にならったという。 アカデミーは 10 年に市直営から財団法人に移行。 現在も 2 歳児から大人まで約 300 人が、プロの指導者から合唱や管弦打楽器などを学ぶ。 運営費は市と国が年間計約 3 千万円を補助している。 練習室でホルンを吹いていた福井志帆さん (15) は、三中の吹奏楽部員でもある。 「部活では音程やタイミングを合わせ、ここではのびのびと『表現すること』が多い」と話した。

芸術監督で指揮者の中井章徳さん (48) は「愛好者もプロのレベルで学べる。」 めざすことの一つは、音楽を究めるために巣立った人がやがて出雲に戻り、また、街の音楽文化を育む人材になること。 「中央で経験を積んだ人が、出雲で仕事ができる基盤をつくる必要がある」と言う。 桑原さんは「市民がアカデミーを活用して、音楽と生涯つながれるところまで持っていきたい」と話す。 そうすれば、音楽を続けながら暮らす人が増え、街がもっと活気づくと信じる。 「音楽芸術は、生活を豊かにするためにあるものだから。」(河原田慎一、asahi = 10-19-23)


新型特急「やくも」 273 系公開 国内初の制御機能で乗り物酔い抑制 JR 西日本

JR 西日本は 17 日、岡山 - 出雲市駅を結ぶ特急列車「やくも」の新型車両を報道陣に公開した。 新型車両「273 系」は山陰・山陽の沿線の自然に映える色としてブロンズ色を基調にデザイン。

車両には、シンボルマークである幾重にも重なった雲が描かれた。 高速で曲線を走行できる「車上型の制御付自然振り子方式」を国内で初めて搭載した。 走行データと地図データを照合し連続的に現在位置を補正するなど、適切なタイミングで車体を傾斜させることで乗り心地が向上、乗り物酔いを抑えるという。 (sankei = 10-17-23)


脱炭素へ 松江市が東京のベンチャー企業と連携協定を締結

脱炭素の取り組みについて民間との協力を深めようと、松江市が、15 日、東京のベンチャー企業と連携協定を締結しました。 松江市は、ことし環境省から 2030 年度までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする取り組みを進める「脱炭素先行地域」に選ばれ、脱炭素に関わるさまざまな施策に取り組んでいます。 この動きをさらに深めようと、松江市は 15 日、バイオディーゼル燃料を扱う東京のベンチャー企業と連携協定を結びました。

協定には、循環型社会の地方都市モデルの構築や、カーボンニュートラルの推進、それに、バイオ燃料の普及啓発などが盛り込まれています。 協定の締結によって、松江市は、ベンチャー企業から家庭などの使用済み食用油から作られた従来のものよりエンジンへの負荷などを与えないバイオディーゼル燃料の提供を受けます。 松江市は今後、市の清掃収集車の燃料を軽油からこのバイオディーゼル燃料に変更することで温室効果ガスの排出量を減らし、脱炭素を進めていくということです。

このほか、この燃料を市内のリサイクル処理施設で使い、原料となる使用済みの食用油を回収することも予定しているということです。 上定市長は、「脱炭素の取り組みを民間と協力しながら今後も続けていくことで、市民の間にもその輪が広がっていってほしい」と話していました。 (NHK = 10-16-23)


出雲全日本大学選抜駅伝 昨季三冠の駒沢大 大会新記録で連覇

大学三大駅伝の初戦となる「出雲全日本大学選抜駅伝」が島根県で行われ、昨シーズン、大学駅伝三冠を達成した駒沢大が去年に続く大会新記録で連覇を果たし、2 シーズン連続の大学駅伝三冠に向けて好スタートを切りました。 この大会は「全日本大学駅伝」、「箱根駅伝」と合わせた大学三大駅伝の初戦で、島根県出雲市の出雲大社前をスタートし、出雲ドーム前までの 6 区間、45.1 キロのコースで争われました。

昨シーズン、史上 5 校目の大学駅伝三冠を達成した駒沢大は、1 区で 3 年生の篠原倖太朗選手がトップに立ってたすきをつなぎました。 続く 2 区でも 2 年生の佐藤圭汰選手が区間賞の走りを見せ、序盤で有利にレースを進めます。 3 区では 2 年生の山川拓馬選手が後続に 1 分近い差をつけました。 4 区と 5 区ではトップを追う創価大に差を縮められましたが、アンカーの 4 年生で、キャプテンの鈴木芽吹選手が安定した走りでリードを守り、2 時間 7 分 51 秒の大会新記録で 2 連覇を果たしました。 駒沢大は 1 区から一度もトップを譲らない圧倒的な力で 5 回目の優勝を果たし、史上初めての 2 シーズン連続の大学駅伝三冠に向けて好スタートを切りました。

2 位には創価大、3 位は城西大が入り、ともに過去最高の順位でした。 (NHK = 10-9-23)


「最低賃金」島根・鳥取とも初の 900 円台に 「引き上げ」を街頭で PR

10 月から、働く人の最低賃金が 47 都道府県で順次改定されます。 島根県では 6 日から最低賃金が過去最高額に引き上げられるのに伴い、松江市で周知する街頭活動が行われました。 街頭活動は JR 松江駅前で行われ、島根労働局の職員が新しい最低賃金が書かれたチラシ入りのティッシュを通勤、通学者に配りました。 島根県の最低賃金は、これまでの時給 857 円が 6 日から 904 円に引き上げられます。 47 円の引き上げは、47 都道府県で最大の上げ幅です。

一方、鳥取県では、5 日から新賃金になっていて、これまでの 854 円が 900 円に引き上げられました。 46 円の引き上げは、全国 3 番目の上げ幅です。

「この機会に自分の給料が時間単価 904 円になっているのか確かめてもらえれば。(島根労働局長・宮口真二局長)」

この引き上げで、山陰両県ともに初の 900 円台に乗ったものの、今年の全国平均 1,004 円にはまだ大きく及ばない状況で、全国順位は島根県が 31 位、鳥取県が32 位となっています。 (TSK さんいん中央テレビ = 10-6-23)


自衛隊ヘリ、船舶で避難訓練 島根原発事故に備え、県職員ら 70 人

中国電力島根原発(松江市)の重大事故に備えるため、同市内で自衛隊のヘリコプターや船を使った避難訓練が 9 月 30 日にあった。 島根県や同市、陸上・海上自衛隊から約 70 人が参加した。 避難計画では、自家用車などを使った陸路での避難が基本だが、原発事故とともに自然災害が起きて道路がふさがれた場合などに備え、補完的な手段としてヘリや船を使った避難も盛り込まれている。 島根総合公園野球場(同市島根町大芦)ではヘリを使った訓練があった。 陸上自衛隊の輸送用のヘリが降り立ち、住民役の県職員や同市職員らを乗せて離陸した。 また、加賀漁港(同市島根町加賀)でも住民役が海上自衛隊の船に乗り込んだ後に離岸。 それぞれ空路・海路での避難の手順を確認した。 (mainichi = 10-1-23)


道の駅「段ボール製授乳室」への批判に島根・丸山知事が反論
 100 点じゃないからダメは「間違った考え方、非難に惑わされちゃいけない。」

今月、島根県松江市の道の駅に設置された段ボール製の授乳室について、SNS などで批判の声が多く寄せられましたが、島根県の丸山知事は 28 日の記者会見で「間違った考え方」などと批判を一蹴しました。 今回議論の的となったのが、松江市の道の駅「秋鹿なぎさ公園」に設置された段ボール製の授乳室です。 日本道路建設業協会が寄贈したものですが、設置された当初、上から覗けるのではないかという構造で、入り口がカーテン 1 枚ということもあり、この段ボール授乳室に SNS で厳しい声が上がりました。

多くの意見が寄せられ、賛否が巻き起こりましたが、28 日に行われた定例記者会見で丸山知事は、こうした批判を一蹴しました。

「色々問題はあったと思いますが、100 点じゃないから供用すべきじゃないっていうのは間違った考え方です。 車の中で、段ボールすらないガラス越しで授乳しなきゃいけないのなら、段ボール授乳室の方が使いたいって人がいるかもしれないから設置する。 5 点でも 10 点でも前進するなら、100 点でなくてもやるべきことはやる。 50 点のものでも良いから使いたいという人がおられるかどうかですよ。 これでも良いから使いますって人がおられるなら供用し続ければいいと思いますよ。 非難がたくさん来たんでしょうけど、そんなことに惑わされちゃいけない。(島根県 丸山達也知事)」

丸山知事は、利用者に選択の幅が広がるとして、段ボール授乳室の設置に肯定的な考え方を示しました。

「協会の皆さんが寄付してくれてるわけで、そうあしざまに言うような話じゃないんじゃないかと。 良い善意だと思いますよ、私は。 役所がやるんだから 100 点満点のものをって叫ぶのは構わないけど、簡単にできない、ハードルを上げるだけですよ。 結果的に何もできずに終わってしまう。(島根県 丸山達也知事)」

松江市ではさっそく上から覗きこめないよう天井に覆いをかぶせる改良を実施。 今後も要望に合わせて積極的に改良を進めたいとしています。 寄贈した日本道路建設業協会も、全国道の駅連絡会などと検討・連携して、寄せられた意見に対し、前向きに対応していくとしています。 (BSS 山陰放送 = 9-28-23)

〈編者注〉2021 年の東京オリンピック選手村のベッドは全てダンポール製でした。 それを知った選手たちがむき出しにしたベッドの上で飛んだり跳ねたり! その動画がバズったことを思い出しました。 ダンボールだから、安っぽい壊れやすいといった思考から脱却し、サステナブルの観点からも、ダンボールでとって代われるのであれば採用していこうとの考えは正しいはずです。 溢れかえるプラスチック製品を少しでも抑えることに貢献するのは間違いありません。


空き家の県知事公舎を廃止へ 資産価値は土地・建物で計 2 億円 島根

空き家となっていた島根県知事公舎(松江市北堀町)について、丸山達也知事は 21 日、2023 年度末で廃止する考えを明らかにした。 庭園の手入れなど維持管理に年間 300 万円弱かかることなどが理由。 松江城近くの武家屋敷が並ぶ一角にあり、資産価値は土地と建物で計約 2 億円。 跡地利用は売却を含めて検討するという。 県管財課によると、公舎は 1986 年築。木造平屋建てで床面積は 342 平方メートル。 そのうち来客や打ち合わせで使う公邸部分は 151 平方メートル、居住スペースの私邸部分は 191 平方メートル。 敷地は約 2,400 平方メートルと広く、日本庭園がある。

完成後は 3 人の知事が続けて入居したが、丸山知事は 2019 年 4 月の初当選後、市内に自宅を購入し、公舎は使っていない。 県は同年 10 月から、公舎を文化芸術のイベントに有償で貸し出しているが、今年 8 月末時点で計 6 件の利用にとどまる。 築 37 年で老朽化も進み雨漏りが発生。 庭園の樹木の管理や、清掃、警備などの維持管理費は 19 - 22 年度の 4 年間で約 1,100 万円に上った。 21 日の県議会一般質問で丸山知事は、「私が仮に今期末で退任し、新しく選ばれた知事が入居できる選択肢を残すためにかけるコストとしては、県民のご理解をいただく水準を超えている。 のちの知事の入居を想定せず、廃止することが適当と考える」と答弁した。 公舎の貸し出しも 23 年度末で終える。

公舎の 23 年の路線価に基づく評価額は、土地 1 億 8,800 万円、建物 1,300 万円。 丸山知事は、門や白壁は残し、景観を維持する形で、売却を含めて検討すると説明。 今後、公舎が必要になった際はマンションの部屋の借り上げを検討するとし、「最終判断は新知事に委ねることが適当」と述べた。 県管財課によると、7 月時点で知事公舎があるのは全国 27 自治体。 うち 7 自治体が公舎を使っていないという。 (垣花昌弘、asahi = 9-23-22)


島根県 6 月の「実質賃金」 4 か月ぶりにプラスに

記録的な物価高騰が続く中、島根県内で働く人 1 人あたりのことし 6 月の給与は去年の同じ月より上昇し、物価の変動分を反映した「実質賃金」も 4 か月ぶりにプラスに転じました。 今後、企業の間で物価の上昇に見合う持続的な賃上げが広がるかが焦点となります。 国や県によりますと、県内にある従業員 5 人以上の事業所で、基本給やボーナスなどをあわせた働く人 1 人あたりのことし 6 月の現金給与総額は平均で 41 万 8,956 円と、前の年の同じ月より 3.9% 増加しました。 前の年の同じ月を上回るのは 6 か月連続です。

この結果、受け取る給与に物価の変動分を反映した「実質賃金」は、前の年の同じ月より 0.2% 上昇し、4 か月ぶりにプラスに転じました。 「実質賃金」を産業別に見ると、「建設業」が前の年の同じ月よりプラス 9.4%、「卸売業・小売業」がプラス 9.1% だった一方、「製造業」はマイナス 12.4% などとなりました。 これまで給与の増加が物価高騰の勢いに追いつかない状況が続いてきた中、今後、企業の間で物価の上昇に見合う持続的な賃上げが広がるかが焦点となります。 (NHK = 9-22-23)