全国初! 東ティモール実習生を受け入れへ 東南アジアの国、東ティモールからの技能実習生を高知県が全国で初めて受け入れることになり 9 月 19 日、駐日大使が浜田知事を表敬訪問した。 浜田高知県知事を表敬訪問したのは、東ティモールのイリディオ・シメネス・ダ・コスタ大使。 東ティモールは 2002 年にインドネシアから独立した人口約 134 万人の国で、農業や水産業が主な産業だ。 今回、全国で初めて土佐市と須崎市で農業の技能実習生 7 人を受け入れていて、イリディオ大使は「実習生たちが貴重な経験と知識を持って帰ってきてくれることを期待する」と述べた。 東ティモールからの技能実習生 7 人は 18 日に高知入りしたということで、1 か月の講習を経て 10 月からショウガやトマトなどの栽培に携わる予定で、今後さらに東ティモールから 9 人の技能実習生を受け入れる見込みだという。 (RKC 高知放送 = 9-19-23) ベトナムから偽の旧 1 万円札を輸入・両替で使用した疑い 技能実習生ら 4 人逮捕 ベトナムから輸入した偽の旧 1 万円札を県内の金融機関で両替に使うなどしたとして長洲町の会社員の男と技能実習生の男女計 4 人が逮捕されました。 偽造通貨輸入や行使の疑いで逮捕されたのは長洲町宮野に住む元ベトナム人とベトナム人技能実習生の男女 3 人です。 警察によりますと、山中容疑者らは共謀し 8 月 17 日、福岡空港で偽の旧 1 万円札 100 枚を荷物に紛れ込ませ航空機でベトナムから輸入し、玉名郡内の金融機関で両替に使用した疑いです。 山中容疑者らは、このほかにも、7 月、熊本市中央区にある金融機関で偽の旧 1 万円札 6 枚を両替に使った疑いが持たれています。 中央区のこの金融機関が偽札と気づき、警察に届け出たことで事件が発覚。 警察が、防犯カメラの映像などから山中容疑者を特定し逮捕しました。 その後の調べで、ベトナムから偽札を輸入したことなども分かり、14 日までに残りの 3 人も逮捕。 警察は、全員の認否について「捜査に支障がある」として明らかにしていません。 警察は、他に共犯者がいる可能性があるとみて調べを進めるほか、偽札の製造方法や入手ルートについても追及しています。 (TKU テレビ熊本 = 9-14-23) いまは生徒の 6 割が外国ルーツ 夜間中学が担う「移民教育」の現在地 各地で夜間中学の設立準備が進んでいる。 すでに通う生徒の中には、日本語を学びたいと通う外国ルーツの生徒も少なくない。 なぜ、日本語学校ではなく夜間中学なのか。 静岡県磐田市の JR 磐田駅前のビルに今年 4 月、静岡県で初めての公立夜間中学となる県立ふじのくに中学校が開校した。 新しい電子黒板を前に、一つの教室では数学を、もう一つの教室では日本語の授業が進んでいた。 授業を受けていた計 6人のうち 5 人は外国にルーツを持つ生徒だった。 夜間中学は様々な事情で中学校に通えなかった人が教科を改めて学ぶ場だ。 国語や数学だけでなく、美術や保健体育なども学ぶ。 戦後の混乱期は、主に生活が苦しく学校に通えなかった人たちの学びの場だったが、2016 年に成立した教育機会確保法で、学び直しの保証が国や地方自治体の責務とされ、国は各都道府県と政令指定都市に夜間中学の設置を求めた。 だが、学び直しを必要としているのは日本人だけではない。 文科省調査で外国籍が 6 割 文部科学省が 2020 年に調査したところ、夜間中学に通う生徒の 8 割が「日本国籍を有しない者」、つまり外国籍だった。 その半数は「日本語が話せるようになるため」に通っていた。 22 年の調査でも、外国籍が 6 割に達している。 「公的な移民向けの教育機関がない日本では事実上、夜間中学が日本語教育を含めた、移民教育の役割を担ってきていると言えます。 それは静岡も同じです。」 日本に暮らすフィリピン人の社会などを研究する高畑幸・静岡県立大教授は指摘する。 夜間中学開設に向けた静岡県の有識者会議では副委員長を務めた。 静岡県の調査でも、入学希望者 90 人のうち、79 人をブラジルやフィリピンなどの外国出身者が占めた。 実際の入学者は 14 人だったが、7 割超が外国にルーツがある。 日本で生まれても両親が外国人で日本語がほとんど話せない人もいる。 結婚や出稼ぎで来日したが、日本語を学べないまま暮らしてきた人もいる。 また、父母のどちらかが日本人で日本語での会話には不自由しないが、学習するのはむずかしい人もいる。 断片化された支援の結節点に ふじのくに中学では国籍は問わないが、在留資格が「留学」の人は入学対象外だ。 西田秀男校長は「夜間中学は日本語学校ではありません」と強調する。 しかし、日本語から学ぶ必要がある生徒も少なくない。 教科だけを学ぶ標準的なコースの他に、生活に必要な日本語から学ぶコース、学習のための日本語コースも用意した。 日本語レベルを向上させ、標準コースで学べるようにしてもらう狙いだ。 西田校長は 18 年から県教委で夜間中学の開校準備を担当した。 「調査でわかってはいたとはいえ、実際に生徒と接する中で、外国人や外国ルーツの子が、日本語を含めた学びの面で苦しい状況に置かれてきたことを実感する」と話す。 「外国ルーツの子の支援は自治体や民間団体などで行われているが、断片化されている。 公立の夜間中学が結節点になれれば。」と話す。 静岡県は、浜松市などに多くの外国ルーツの人が暮らしてきた。 だが、多くはないが県内全域に外国ルーツの人が暮らし、夜間中学への入学希望者がいることが調査で明らかになった。 「夜間中学で学び直したいという外国人の潜在的ニーズはまだまだある。 入学にどうつなげるかが課題です。」 同県三島市で 10 年から外国人向けの就学支援や日本語学習をボランティアで続ける石井千恵子さん (64) は、夜間中学への入学希望者を探し、願書作成などを支援している。 活動を通じ、外国ルーツの人たちの学びの機会を持つむずかしさを痛感してきた。 出稼ぎなどで来日した人たちにとって、日本語をきちんと学びたくても、学費が年間で数十万円の日本語学校に通う経済的な余裕はない。 本当に必要なものは かといって、小中学校では学齢期を過ぎると入学がむずかしい。 運良く学齢期に間に合っても、留年がないため、学習内容や日本語が身についたかどうかに関係なく、形式的に卒業させられてしまう。 このため、次の進路につながりにくい。 そうした人にとって無料で通える夜間中学は待ち望んでいた学校だと石井さんは言う。 日本の中学卒業という資格を得られれば、進学や転職などの道が開ける。 だが、働きながら3年間通うのは簡単ではない。 石井さんは、夜間中学への入学を迷う外国ルーツの人たちの背中を押したり、他では学べない人に日本語を教えたりしている。 ただ、疑問も感じている。 「私のようなボランティアは、やめたくなったら、やめられるんです。 外国ルーツの人の教育を、永続的ではないボランティアや、本来とは違う形で夜間中学に担わせるのは限界があると思います。」 (岡田玄、asahi = 9-9-23) 技能実習生受け入れ事業場、7 割で法令違反 長野労働局が監督指導 長野労働局は 5 日、昨年 1 年間に県内で外国人技能実習生を受け入れている事業場 243 カ所に対して、労働基準関係法令違反の疑いで監督指導を行い、うち約 7 割にあたる 166 カ所で違反が確認されたと発表した。 違反があった事業場は前年比 41 カ所減。 危険防止措置を怠ったり、必要な資格を持たない労働者に作業させたりした安全基準違反が 76 件と最も多く、全体の 31.3% を占めた。 次いで労働時間に関する違反が 34 件 (14.0%)、割増賃金の支払いに関する違反が 32 件 (13.2%) など。 書類送検した事案はなかった。 (中日新聞 = 9-6-23) 外国人技能実習生らに違法な時間外労働させたなどの疑い 外国人技能実習生らに違法な時間外労働をさせたなどとして、倉敷労働基準監督署が倉敷市の縫製会社とその社長を書類送検しました。 労働基準法違反の疑いで書類送検されたのは、倉敷市児島下の町の縫製会社「MOSC (モスク)」とその社長 (43) です。 倉敷労働基準監督署によりますと「MOSC」は、ベトナム人の技能実習生と特定技能外国人、合わせて 6 人に、違法な時間外労働をさせたほか、2022 年 9 月までの 2 年分の残業代の一部、合わせて約 250 万円を支払わなかった疑いが持たれています。 また、違法な時間外労働を隠そうと、労働基準監督署の聞き取りにうその説明をしたとされています。 倉敷労働基準監督署は社長が容疑を認めているかどうか明らかにしていません。 (KSB 瀬戸内海放送 = 8-30-23) 外国籍の子ら通う施設、無償化打ち切りも 「日本の保育士」基準が壁 約 1 万人のブラジル人が暮らし、製造業を支える滋賀県。 外国籍の子どもたちの受け皿となっている認可外保育施設が、国の幼児教育・保育の無償化の基準見直しを訴えている。 条件となる「日本の保育士資格を持つ職員」の確保が難しいためだ。 外国人向けの保育施設が多い全国の自治体も、同じ事情を抱える。 滋賀県愛荘町のブラジル人学校兼保育施設「サンタナ学園」。 1998 年、日系 2 世の中田ケンコ校長 (66) が始めた。 保育施設には現在、0 - 5 歳のブラジルやフィリピンの外国籍の子どもたち 22 人が県内 8 市町から通う。 2019 年 10 月から始まった幼保無償化。 認可外保育施設が対象となるには、保育士資格者の数や、子ども 1 人あたりの保育室の面積など、国の一定の基準を満たす必要がある。 ただし、来年 9 月末まで 5 年間の猶予期間が設けられた。 学園では 4 年前から日本人スタッフが働き、日本語で書類作成をするなど基準を満たす努力をしてきた。 しかし、今秋行われる施設への立ち入り調査で、基準を満たせる見通しは立っていない。 保護者の早朝勤務に合わせてバス送迎 最も高いハードルが、日本の保育士資格を有する職員を確保することだ。 中田校長は「言葉の問題から、ブラジル人が日本の保育士資格を取るのは難しい。 25 年間続けてきたが、無償化が打ち切りになれば非常に厳しい。」と話す。 学園に通う子どもや保護者の大半は、日本語が不自由だ。 保育士には、ポルトガル語やブラジル文化の理解が欠かせない。 ブラジルの教員資格を持つ職員が数人いるが、日本の保育士資格を持つ職員はパート 1 人。 学園の規模では、最低 2 人の保育士が常時勤務する必要があるという。 学園の運営は保護者からの月謝が頼り。 だが、新型コロナによる雇い止めや物価高で、保護者の生活は厳しい。 幼保無償化による保護者への保育料補助が、学園にとって安定した収入になってきた。 中田校長らは、工場で働く保護者の早朝勤務や残業に合わせて、毎日バスで子どもたちを送迎している。 子どもが体調を崩せば、職員が病院に連れて行く。 かつて長男を入園させた日系 3 世のハルケジュリオさん (36) = 東近江市 = は「日本語が分からず、日本の園になじめなかった。 親の不規則な勤務にも対応してくれる学園は、なくてはならない存在です。」と話す。 製造業の担い手 県は基準緩和を要望 滋賀県内には近畿全体の 6 割、約 1 万人のブラジル人が暮らす。 県内総生産に占める製造業の割合は全国 1 位。 多くの日系ブラジル人らが派遣労働者として製造業を支えている。 県によると、主に外国籍の子どもが通う認可外保育施設は 3 施設あり、今年 4 月 1 日時点で未就学児計約 150 人が在籍。 いずれも、保育士の数が国の基準を満たしていないという。 サンタナ学園の運営を支援する NPO 法人は今年 1 月、三日月大造・滋賀県知事と面会し、幼保無償化の猶予期間延長や基準緩和などを国や県に求める要望書を手渡した。 三日月知事もこれまで、全国知事会などで、基準緩和の要望を重ねてきた。 県は 6 月、外国人向け施設について「外国の保育士有資格者を十分な人数配置した上で、日本の資格者を 1 人以上配置」といった基準緩和を求めて、国に要望書を提出。 県子ども・青年局は「ポルトガル語ができる保育士を確保するのは現実的ではない。 認可園では対応できないセーフティーネットの役割を果たしている学園を支援したい。」と話す。 外国人向けの認可外保育施設を多数抱える自治体でも、事情は同じだ。 自動車関連工場が集まる愛知県。 県内最多の約 9 千人のブラジル人が暮らす豊橋市では、4 月 1 日時点で、6 施設に外国にルーツのある子ども 72 人が通う。 市は 2020 年度、保育の資格に「海外における教員資格」を加えるよう国に要望した。 立ち入り調査をする際は、市の通訳が同行し、施設側に詳しい基準の説明もしている。 「認可園レベルの安全性を」 外国籍の親子向けの認可外保育施設を運営した経験がある NPO 法人メタノイア(東京都)の山田拓路代表理事は「外国にルーツを持つ子どもの実態を把握し、適切な保育につなげることは、労働者として外国人を招き入れる日本社会の責務だ」と指摘する。 その上で「ブラジルの保育士資格者が日本で研修を受ければ資格を認めるなど、両方の専門的知識を持った人材の育成支援が求められる。 基準緩和だけで終わるのではなく、認可園レベルの安全性が確保できるよう行政によるバックアップが必要だ」と話す。 (林利香、asahi = 8-23-23) 外国人技能実習生に月 100 時間超の時間外労働 米沢市の弁当店を書類送検 外国人技能実習生に月 100 時間を超える時間外労働をさせたとして米沢労働基準監督署は 17 日、米沢市の弁当製造会社と男性工場長を労働基準法違反の疑いで書類送検した。 労基法違反の疑いで書類送検されたのは米沢市の松川弁当店と 48 歳の男性工場長。 米沢労基署によると、この会社と工場長は去年 9 月から 10 月の間、時間外労働に関する協定がないにも関わらず、弁当製造を担当する外国人技能実習生 2 人対し、 1 か月で最大 100 時間を超える時間外労働をさせた疑い。 労働基準法では協定がない場合は 1 日 8 時間を超えて労働させることを禁止している。 松川弁当店は全国的に人気が高い駅弁を製造・販売している。 (山形放送 = 8-17-23) 野口健氏、富士山頂で野宿する海外の技能実習生を問題視 アルピニストの野口健氏 (49) が 13 日「X (旧ツイッター)」を更新。 富士山頂で起きている問題を嘆いた。 現在、富士山頂では海外から来たたくさんの技能実習生が野宿していることが問題になっているという。 野口氏は「技能実習生を受け入れている企業様、富士登山の危険性、ルールとマナーを伝えてほしいです。 毎年お盆の時期は技能実習生で溢れます。」という富士山で仕事をしている関係者の投稿を引用した上で「これは本当に深刻な問題。 中には勝手にテントを張る人も …。 下界が暑いからと『山頂での野宿しよう』となるのかもしれませんが、しかし、雨でも降ろうものなら、命に関わる。」とその危険性を訴えた。 その上で「そして、この程度の自覚で登ってくる登山者ほどゴミを捨てていくもの。 また技能実習生は大人数でやってくるから、深刻な問題。」とその問題点を指摘している。 (東スポ = 8-13-23) 外国人技能実習生受け入れ 事業所の法令違反 7,200 件超 厚労省 外国人の技能実習生を受け入ている国内の事業所のうち、作業の安全配慮が不十分だったり残業代などの割り増し賃金が未払いだったりするなど何らかの法令違反があった事業所が、去年 1 年間で 7,200 件を超えたことが厚生労働省のまとめでわかりました。 厚生労働省は去年、外国人が働きながら技術を学ぶ技能実習生を受け入れている全国の事業所 9,829 か所に対して立ち入り調査を実施しました。 その結果、全体の 73.7% にあたる、7,247 か所で何らかの法令違反が見つかり、調査の件数、法令違反の件数ともに統計を取り始めた平成 15 年以降、最も多くなりました。 違反で最も多かったのが、作業の安全配慮が不十分だったりするものが 2,326 件で 23.7% を占め、次いで残業代などの割り増し賃金の未払いが 1,666 件で 16.9% でした。 中には時間外や休日労働が月 110 時間を超えていたり朝礼時間のあとにタイムカードで打刻させたりしていた事業所もあったということです。 また、悪質な違反があったとして労働基準監督署が送検したケースも 21 件ありました。 技能実習生の数は去年 12 月の時点で全国でおよそ 32 万 5,000 人にのぼっています。 厚生労働省は「技能実習生の適正な労働条件と安全の確保に向けて、事業所に対する監督や指導に力を入れていきたい」としています。 (nikkei = 8-5-23) 在留資格ない子ども、7 割超に特別許可付与へ 法相発表「今回限り」 斎藤健法相は 4 日、日本で生まれ育ちながら強制退去処分となり、在留資格がない外国籍の子どもらに対し、人道的な理由から日本にとどまることができる「在留特別許可」を与える方針を正式に発表した。 親が不法入国していたケースを除くなど一定の条件を設けるため、在留資格を得られる子どもは 7 割超となる見通しも示した。 改正入管難民法が 6 月に成立し、難民認定の申請中でも送還できるようになった。 国会審議などでは、日本でしか生活したことがない子どもも親とともに送還されたり、家族が離ればなれになったりすることへの懸念が示され、保護のあり方が課題となっていた。 出入国在留管理庁によると、今回の在留特別許可の対象は、日本で生まれ、改正法の施行時(6 月の公布から 1 年以内)までに小中高校で教育を受けている子どもたち。 強制退去処分が出たものの、日本での生活を強く希望する場合、基本的に家族とともに在留を特別に許可するという。 ただ、親が不法に入国していたり、懲役 1 1年超の実刑判決を受けていたり、複数の前科があったりする場合は「看過しがたい事情」があるとみなし、対象から外すことを想定している。 ただ、改正法の成立によって送還のルールが強化され、在留資格がないまま、在留が長引く子どもは今後、少なくなるという見込みから、「今回限り」の対応という。 在留資格がなく、強制退去処分が出ても帰国を拒む外国人のうち、日本で生まれ育った 18 歳未満の子どもは昨年末時点で 201 人。 今後、斎藤法相が個別の事情を総合考慮し、可否を判断する。 在日クルド人支援の弁護士「基準が厳しすぎる」 「私自身、悩み抜いて導き出した結論だ。」 斎藤法相は記者会見で、胸中を明かした。 これまで強制送還の対象の子どもの保護に前向きな姿勢を示してきたが、入管庁内では、ルール違反をした外国人への厳しい意見にも配慮し「バランスをとるのは容易ではない」との見方があったためだ。 在日クルド人を支援してきた大橋毅弁護士は、難民認定申請者について在留特別許可を判断する際、子どもの存在が十分に考慮されてこなかったとし、今回の方針を「法相の政治判断として一定の評価はできる」とした。 ただ、親の事情によっては保護できない場合があるとした点は「条件をつけるのはやむをえないが、基準が厳しすぎる」と指摘。 「今回限り」の対応としたことについても「将来的には救済しないという宣言に等しく、不当だ。」と批判した。 (久保田一道、asahi = 8-4-23)
専門学校卒の外国人留学生、就職先拡大へ 在留資格の基準を見直し 出入国在留管理庁は、専門学校を卒業した外国人留学生の就職先を拡大する。 文部科学省が認定した専門学校の卒業生の場合、大学卒並みに改める。 優秀な留学生に国内で定着して働いてもらう狙い。 来春に卒業する留学生の進路選択に間に合うよう、年内にもガイドラインを見直す方針だ。 大学や専門学校を卒業した留学生らが日本で就職する場合、「技術・人文知識・国際業務」という在留資格を得ることが多い。 この在留資格を認めるかどうかの判断では、専攻していた科目と、就職先の業務との関連性がポイントになる。 入管庁はガイドラインで、広い分野の知識を得ることを目的とした大学の卒業者については、専攻科目と就職先の業務との関連性を「柔軟に判断」すると規定。 一方、職業や実生活に必要な能力の育成を目的とした専門学校の卒業生については原則、「相当程度」の関連性を必要とし、大卒より厳格に運用してきた。 今回、このガイドラインを改め、文科省の認定校の卒業生については、大卒の留学生と同じく「柔軟に判断」するようにする。 同省は、質の高い教育が実践されている専門学校を認定する新たな制度を設け、9 月中にも認定する予定。 日本学生支援機構によると、2021 年度に専門学校を卒業した留学生は約 3 万 2 千人で、留学生全体の半数近くを占める。 だが、約 1 割は帰国・出国している。 岸田文雄首相が議長を務める「教育未来創造会議」は 4 月、外国人留学生の定着に向けた環境整備などを提言。 2018 年に約 48% だった国内就職率を、2033 年までに 60% に引き上げる目標を掲げた。 (久保田一道、asahi = 7-29-23) 人手不足の介護分野、外国人労働者受け入れ緩和へ検討開始 課題も ![]() 介護現場の人手不足を解消するため、厚生労働省は 24 日、外国人労働者に関する規制を緩和する方向で検討に入った。 現在は原則認められていない訪問サービスの解禁などが柱だが、コミュニケーションなどの課題も指摘されている。 同省は年末までに方針を取りまとめる考えだ。 この日立ち上げた有識者らの検討会で 3 項目の論点を提示。 @ 介護福祉士の資格を持たない外国人に認められていない訪問系サービスへの従事、A 事業所の開設後 3 年で技能実習生の受け入れを認める要件の見直し、B 介護施設の人員配置基準に技能実習生らを算定できる期間を就労開始後 6 カ月とする要件の短縮、について今後検討する。 委員からは規制緩和に賛同する意見が上がった一方、コミュニケーションの面から慎重論も出た。 少子高齢化の加速で、介護分野の人手不足は深刻化する。 同省は 2019 年度と比べ、40 年度には約 69 万人増やす必要があると見込むが、21 年度までの増加数は 約 4 万人にとどまる。 規制緩和をめざすのは、他の産業に比べて低い職員の処遇を改善することで人材を確保しつつ、外国人労働者に門戸を広げて不足分を補う狙いがある。 緩和策、限定的な内容 検討会で同省は「介護現場からは外国人介護人材の業務拡大を望む意見がある」と説明。 技能実習制度の廃止方針を打ち出した政府の別の有識者会議が、新制度について今秋に最終報告をまとめるのを踏まえつつ、具体的な緩和策を取りまとめる考えを示した。 訪問介護などの訪問系サービスは利用者と介護者が 1 対 1 で行うことが多く、これまで資格がない外国人にはコミュニケーション面の不安から禁止されてきた。 委員からは複数で担う入浴介護で緩和を認める意見が出た一方、「食事や掃除などは適切に対応できる能力も求められ、慎重な判断が必要」.「言葉の問題、日本の文化や風習を考えるとまだ早い」といった指摘もあった。 技能実習生の受け入れを認める「3 年」要件には「事業所ごとでなく法人単位で考えていくのが良い」など賛成論が相次いだ。 配置基準への算定を 6 カ月から短縮する案には「給料を支払い、実習生も業務として就労している。 就労日からのカウントを」との賛成論の一方、「日本人でまずは人員配置を満たすことが前提条件。 実習生でギリギリ満たすのは合意が得られない」との意見があった。 今回、厚労省が示した規制緩和策は限定的な内容となっている。 委員からは「(国際的に)外国人材の取り合いになっている。 選ばれる必要がある。」などと抜本的な対策を求める声も聞かれた。 介護分野では 17 年 9 月に介護福祉士の資格取得を条件とする在留資格「介護」を創設。 ただ、ハードルは高く、現在この資格で働くのは 6,284 人にとどまる。 政府は最長で 5 年の在留期間に限られる技能実習制度を廃止する方針だが、在留資格「特定技能 2 号」については、対象を現在の建設と造船・舶用工業の 2 分野から農業、漁業、飲食料品製造、外食など 11 分野に広げると決めた。 2 号は家族帯同や永住も可能だ。 だが介護は 2 号の対象となっていない。 在留資格も他の分野よりも高い日本語能力を求められている。 委員の一人は「介護は特に要件を他の産業より高くしている。 日本に人が来なくなっている。」と述べた。 (関根慎一、asahi = 7-24-23) 郵便物の中に MDMA 約 200 錠 ベトナム国籍の技能実習生ら逮捕・送検 密輸図った疑い ベトナム国籍の男女が、合成麻薬約 200 錠を密輸しようとした疑いで、逮捕・送検されました。 いずれも愛知県西尾市に住むベトナム国籍で、技能実習生のホアン・ミン・ドゥック容疑者と、会社員のホアン・ティ・トゥイ・ズオン容疑者は、今年 6 月、合成麻薬の MDMA 約 200 錠(末端価格 120 万円相当)をベトナムから密輸しようとした疑いがもたれています。 税関職員が海外から到着した郵便物の中から、ボトルに入った合成麻薬を発見しました。 警察は 2 人の認否を明らかにしていません。 (CBC = 7-22-23) スーダン人に在留資格を許可へ 情勢不安を踏まえた「緊急避難措置」 国軍と準軍事組織「即応支援部隊 (RSF)」の戦闘が続くアフリカ北東部スーダンを巡り、斎藤健法相は 14 日、スーダン人が情勢不安を理由に日本国内にとどまり続けることを希望した場合、個別の事情を踏まえ、緊急避難的な措置として、就労可能な在留資格を許可すると発表した。 スーダンでは 4 月、国軍と RSF が衝突。 事態の改善に向けた動きは見られず、多くの人が国外に逃れている。 出入国在留管理庁によると、日本国内に在留するスーダン人は約 400 人。 現在の在留資格の期限が迫っている人もいるといい、就労可能な「特定活動」の在留資格を認める。 強制退去が決まっている人についても、本人の意思に反して送還することはしないという。 過去にも、クーデターなどを受け、ミャンマー人らに同様の措置をとった例がある。 斎藤法相は、2021 年のアフガニスタンの政権崩壊を受け、今年に入って 137 人のアフガニスタン人を難民認定したことも明らかにした。 昨年は、1 年間で 147 人のアフガニスタン人を難民と認めている。 (久保田一道、asahi = 7-14-23) 「不法残留ベトナム人、複数会社に」失踪実習生利用した派遣ビジネスか 会社幹部が供述 大阪府警 不法残留していた元技能実習生のベトナム人を働かせていたとして入管難民法違反(不法就労助長)容疑で人材派遣会社の「レスプロ JAPAN(堺市中区)」幹部社員の男らが逮捕された事件で、男が「他にも複数の会社に不法残留のベトナム人を派遣していた」と供述していることが 5 日、捜査関係者への取材で分かった。 大阪府警は、派遣会社が実習先から逃亡した技能実習生を交流サイト (SNS) を通じて集め、不法に働かせていたとみて実態解明を進める。 府警によると、レスプロ社の幹部社員、加藤真一容疑者 (55) は、令和 3 年 6 月 - 今年 3 月、実習先から逃亡した不法残留の元技能実習生のベトナム人男性 (36) を米田商店(堺市堺区)が経営するリサイクル工場で働かせていた疑いが持たれている。 元技能実習生は「SNS を通じてベトナム人コミュニティーにアクセスし、レスプロ社にたどり着いた」と説明。 捜査関係者によると、同容疑で逮捕された米田商店の役員は「人手不足でレスプロ社を頼った」という趣旨の供述をしているという。 府警はレスプロ社が SNS で失踪した技能実習生のベトナム人らを集め、人手不足にあえぐ企業に派遣するビジネスを展開していたとみて、同社とベトナム人コミュニティーとの関係を調べている。 技能実習生をめぐっては、低い賃金や現場での暴力を苦に国内で年間 7 千人が実習先から失踪しており、制度の見直しに向けた議論が進められている。 (sankei = 7-5-23) ◇ ◇ ◇ 失踪実習生ら集まる SNS で求人 不法就労助長容疑で派遣会社幹部ら 3 人逮捕 在留期限を過ぎ、不法に滞在していたベトナム人をリサイクル工場で働かせたとして、大阪府警生活環境課は 14 日、入管難民法違反(不法就労助長)容疑で人材派遣会社「レスプロ JAPAN(堺市中区)」の 50 代の幹部社員ら男 3 人を逮捕した。 捜査関係者への取材で分かった。 逃亡した技能実習生らが集まる交流サイト (SNS) を通じてベトナム人の仕事を斡旋し、仲介料を得ていたとみられ、府警は実態解明を進める。 捜査関係者によると、逮捕されたのはレスプロ社の社員 2 人と、リサイクル工場を経営する米田商店(堺市堺区)の役員の男の計 3 人。 3 人は共謀し、今年 3 月ごろまでの約 1 年半にわたり、技能実習生として入国していたベトナム人の男性を大阪府高石市の米田商店のリサイクル工場で働かせた疑いが持たれている。 捜査関係者によると、実習先から逃亡したベトナム人らでつくる SNS 上のグループを通じ、勧誘した実習生らをレスプロ社が雇用。 作業員として派遣していたという。 今年 3 月、米田商店の作業員 4 人が入管難民法違反(不法残留)の疑いで現行犯逮捕されて発覚。 いずれも低い賃金や現場での暴行などを苦に失踪した元技能実習生で、紹介料などを差し引いた毎月 15 万円ほどを給料として受け取っていた。 国内では年間 7 千人を超える技能実習生が失踪しており、捜査幹部は「レスプロ社のようなブローカーが横行している可能性もある」と話し、組織性を調べる。 (sankei = 6-14-23) 「服を脱いで患部を見せるよう求められた」 枕崎市で外国人技能実習生が不当な扱い訴え 鹿児島 鹿児島県枕崎市のかつお節工場で技能実習生として働いていたフィリピン人の女性 2 人が、枕崎市にある技能実習生を管理する団体に対し「寮にプライベートな空間がない」、「服を脱いで患部を見せるよう求められた」などの不当な扱いを受けたと訴え、損害賠償の請求を検討していることが分かりました。 訴えているのは、フィリピン人の 20 代と 30 代の女性の実習生 2 人です。 実習生の弁護士によりますと、2 人は枕崎市水産物振興協同組合が管理する寮での生活について「健康的な実習生活を送れずプライベートな空間がない」としています。 また、寮のスタッフに「服を脱いで患部を見せるよう求められた」などとしていて、今後、組合に対して損害賠償を求める可能性があるとしています。
一方、枕崎市水産物振興協同組合は国の基準で定められた寝室の広さを満たしていないことを認めていて、今後、改修を行い広さを確保する予定としています。 また、服を脱いで患部を見せるよう求めたことについては、実習生が病院での診察を断ったことから、組合の女性スタッフ 3 人が患部を確認しようとしたためだったとして強要ではないとしています。 組合側も今後、弁護士を立てて事実確認を行っていくとしています。 (KTS 鹿児島テレビ = 6-26-23) ベトナム人の「闇バイト」急増 円安で技能実習生が小遣い稼ぎか
記事コピー (6-23-23) 外国人技能実習生の「労働組合」結成 監理団体と連合東京 劣悪な労働環境の「抑止力」に 外国人技能実習生の受け入れ企業を監督する「監理団体」と労働組合の連合東京が、外国人技能実習生のための労働組合を結成し、19 日に東京都内で結成大会があった。 監理団体が主導した組合の結成は珍しいという。 監理団体は、海外の技能実習生送り出し機関と国内の受け入れ企業をつなぎ、受け入れ企業の監督をする非営利団体。連合東京によると、監理団体の数が多すぎて国の監査が追いついておらず、一部の監理団体の下では劣悪な労働環境で働く実習生に目が届いていないという現状がある。 連合東京の元事務局長で、労組の執行委員長に選出された須永謙治氏は「画期的な取り組みだ。 きちんとした監理団体から送り出す実習生の多くが組合員になれば、受け入れ企業に対して労働問題を起こさせない抑止力になる」と話した。 監理団体の日和(ひより)協同組合(熊本市)の理事長で、副執行委員長に選出された太田真平氏は「今は困っていない人(技能実習生)にも、労働問題のリスクが減る保険のようなイメージで説明して勧誘していきたい」と語った。 現時点での組合員は、熊本県と静岡県のベトナム人とインドネシア人技能実習生の約 30 人で、50 人程度に増える見込みという。 (原田晋也、東京新聞 = 6-19-23) 政府、在留資格「特定技能 2 号」の 11 分野拡大を閣議決定 政府は 9 日、熟練した技能を有する外国人労働者が取得できる在留資格「特定技能 2 号」を現在の 2 分野から 11 分野へ拡大する案を閣議決定した。 2 号を取得すれば無期限就労が可能になる上、家族の帯同も認められる。 日本が人口減少社会に突入する中、外国人労働者の永住に道を開く大きな転換点となる。 特定技能は人手不足が深刻な特定産業分野で外国人を受け入れるため、2019 年 4 月にスタートした。 在留期間が通算 5 年の「1 号」と、在留期間の更新回数に上限がない「2 号」がある。 1 号は相当程度の知識・経験、2 号はより熟練した技能が求められる。 いずれも同じ分野内であれば職場を自由に選べる「転籍」ができる。 1 号は全 12 分野あり、家族の帯同は認められていない。 一方、2 号は家族の帯同が可能だが、これまでは「建設」、「造船」の 2 分野しか認めていなかった。 今回、2 号の追加が決まったのは、▽ ビルクリーニング、▽ 製造業、▽ 自動車整備、▽ 航空、▽ 宿泊、▽ 農業、▽ 漁業、▽ 飲食料品製造業、▽ 外食業 - - の 9 分野。12 分野のうち「介護」は別制度で 2 号と同様の待遇が認められており、1 号の全分野で無期限就労ができることになる。 ただし、2 号は現場監督者として業務を統括できる程度の技能が求められ、取得のハードルは高い。 今秋以降、各分野で 2 号への移行が可能かを見極める試験が始まる見通し。 出入国在留管理庁によると、3 月末現在の 1 号の在留者数は 15 万 4,864 人、2 号は 11 人。 外国人労働者の受け入れを巡っては、政府の有識者会議が 4 月、国際貢献を目的に外国人の技能を育成する「技能実習」制度を廃止して、特定技能にキャリアアップしてもらうための新制度の設立を求める中間報告をまとめている。 (飯田憲、奥山はるな、mainichi = 6-9-23) ◇ ◇ ◇ 「特定技能 2 号」大幅拡大へ 外国人労働者、永住に道 政府方針 人手不足の分野で外国人労働者を受け入れる在留資格「特定技能」について政府は 24 日、在留期間の更新に制限がなく、家族も帯同できる「2 号」を現行の 2 分野から 11 分野に拡大する方針を自民党に示した。 与党内の了承を経て、6 月の閣議決定を目指す。 経済界などの要望を受けた措置で、幅広い分野で外国人の永住に道を開く転換点となるが、自民党の保守派などからは「事実上の移民の受け入れにつながる」といった反発が予想される。 ■ 人手不足が深刻 2 分野 → 11 分野に 特定技能は、深刻な人手不足に対応するために、一定の専門性を持つ即戦力の外国人を受け入れる制度。 2019 年 4 月に導入され、1 号と 2 号がある。 1 号には飲食料品製造、産業機械など製造、農業、介護などの 12 分野があり、「相当程度の知識または経験」が求められる。 在留期間の上限は 5 年で、家族は帯同できない。 1 号からのステップアップを想定した 2 号は「熟練した技能」まで必要で、現場統括ができる知識などが要る。 在留期間の更新に制限はなく、家族帯同も可能だが、人手不足が特に深刻な建設と造船・舶用工業の 2 分野に限られていた。 今年 2 月末現在で、1 号は約 14 万 6 千人いるが、2 号は 10 人にとどまる。 特定技能制度の導入後も人手不足は続く中、各分野を所管する省庁や経済界は「人材の定着」につながる 2 号の分野拡大を要望していた。 政府はこの日の自民党の外国人労働者等特別委員会で、介護を除く 11 分野に 2 号を拡大する方針を示した。 介護分野は、在留延長が可能な資格「介護」が既に別途あるため、特定技能 2 号には含めないという。 (asahi = 4-24-23) 入管法改正案が成立へ 与党、採決押し切る 難民申請中も送還可能に 難民認定の申請中でも外国人の送還を可能にする入管難民法改正案が 8 日の参院法務委員会で、自民、公明両党などの賛成多数で可決された。 野党の日本維新の会と国民民主党も賛成した。 立憲民主党が法相問責決議案の提出などで抵抗を続けてきたが、改正案は 9 日の参院本会議で可決、成立する見通しだ。 8 日の法務委は、立憲や共産などが採決に反対する中、杉久武委員長(公明)が職権で開催。 立憲の石川大我氏は討論で「法案が成立すれば(難民申請者が)強制送還され、投獄、拷問、虐殺を受ける。 人の命を奪う法案には絶対に反対だ」と訴えた。 採決の際、委員長席に詰め寄った野党議員が与党議員ともみ合いになるなど、委員会室は一時騒然とした。 政府は、難民と認められなかった後も送還を拒む外国人が増え、申請を重ねて退去を免れようとするケースを問題視してきた。 2021 年の通常国会で、3 回目以降の申請者は「相当の理由」が示されなければ送還できるようにする旧法案を国会に提出したが、入管施設でスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(当時 33)が亡くなったことで世論が反発。 採決を見送った経緯がある。 だが、今回の改正案は、その骨格を維持したまま通常国会に提出された。 送還を妨げる行為などを対象に罰則付きの退去命令制度を創設するほか、自発的に帰国すれば再入国できない期間を 5 年から 1 年に短縮し、速やかな帰国を促す。 送還まで原則、収容としてきた規定を改め、支援者ら「監理人」の監督下で生活できる「監理措置」を設け、収容せずに退去手続きを進めるといった内容も盛り込まれた。 紛争から逃れた人らを難民に準じて保護する「補完的保護対象者」制度も創設する。 衆院での審議で、立憲は難民認定を審査する第三者機関の設置を求めたが受け入れられなかった。 一方、参院審議では、難民認定の不服審査が一部の担当者に偏っていたことが判明し、入管の女性常勤医が酒に酔ったまま収容者を診察したと指摘されるなど、入管行政をめぐる問題が次々に発覚した。 それでも与党は 21 日の国会会期末が迫る中、採決を押し切った。 法務委では性犯罪の規定を見直す刑法などの改正案の審議が控えており、立憲としても「しっかり通さなければいけない(幹部)」との事情があることから、これ以上の抵抗を見送った。 後半国会最大の対決法案と位置づける防衛費増額の財源確保法案をめぐり、来週にも見込まれる採決で徹底抗戦する構えだ。 (松井望美、里見稔、asahi = 6-8-23) ◆ 入管難民法改正案の骨子
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