1,300 万人の運命決める一発勝負 中国、史上最大の大学統一テスト

中国で大学入試の統一テスト「高考(カオカオ)」が 7 日、全国で始まった。 教育省によると、今年の受験者数は昨年より約 100 万人多い過去最高の 1,291 万人。 16 - 24 歳の若者の失業率が 2 割に達するなか、より高学歴を目指す競争がますます激しくなっている。 7 日朝、北京の試験会場の一つとなった中国人民大学付属中学(中国の中等学校は高校も含む)では、運動服を着た受験生が試験開始の 1 時間以上前から、詰めかけた教師らの励ましを受けながら次々と会場へ入っていった。

我が子を送る保護者らがチャイナドレスなどで正装するのも最近の流行だ。 赤いドレスを着た保護者の謝勁氷さん (50) は、「子どもは 3 年間、本当に勉強で大変だった。 この数日で解放されると思うと、胸が熱くなる。」と語った。 会場に取材に訪れていた報道陣だけで約 100 人にのぼり、社会の注目の高さを象徴している。 高考は、中国で「運命を変える試験」と言われる。

トップ校の門戸は上位 0.05%

高考の受験者数は 2018 年以降、増え続けている。 中国は私立大学が少ないため、日本と単純比較はできないが、高考は、今年 47 万人余りが受験した日本の大学入学共通テストの 27 倍の規模だ。 中国では有名校は公立大が大半で、高考の点数を元に受験生が大学を選び、出願して合否が決まる。 学費は比較的安く、格差社会の中国でも「一発勝負」の試験で高得点を取れれば、高学歴への道が開ける。

ただ、その門は狭い。 北京のトップ校、北京大と清華大の入学者数は合わせても 7 千人弱。 今年の全受験者数のトップ 0.05% 程度しか入学できない。 試験の満点は 750 点(一部地域を除く)で、時事問題や古典文学などをテーマにした 800 字作文もある。 清華大の場合、入学には 9 割前後の得点が求められることが多い。

速報された今年の問題は

中国メディアの速報によると、今年の作文では「技術の進歩によって人々は時間をよりよくコントロールできるようになったが、むしろ時間の下僕となってしまう人もいる」という文章を元に自分の考えを述べよ、という題が出された。 習近平(シーチンピン)国家主席の演説からの引用を元に作文させる題を選ぶ地方もあった。 高考をめぐっては、「高校生活の全てをつぎ込んだ」、「生まれてからずっと高考の準備、子どもを産んだらその子の高考の準備」などの声が SNS やメディアにあふれる。 過度な受験勉強の弊害がたびたび指摘されてきた。

大学や専門学校など高等教育の学歴を持つ人の比率は、若い世代では既に 6 割近くに達している。 昨年の新卒者は 1,076 万人にのぼり、500 万人台だった 2008 年の倍になった。 コロナ禍で中国経済がダメージを受けたことに加え、新卒者が望む IT 業界などホワイトカラーの仕事も限られている。 こうした就職の厳しさが、よりよい大学へと入試の競争を激しくしている側面がある。

高等教育を受ける人が増える一方で入試ばかりが過熱する状況に「卒業を厳しくして学生の質を保つことが必要だ(北京の大手紙北京青年報)」といった論調も高まっている。 一方で、当局はカンニングなどの不正防止に力を入れる。 近年、スマホを使って試験会場から会場外へ問題を送信するといった不正が相次いだ。 北京では今年、受験生が会場に入るまでに 2 段階の検査が求められ、スマホなどを持ち込めないようにした。 (北京 = 斎藤徳彦、asahi = 6-7-23)


消息不明の中国投資銀行トップ、規律検査委が拘束 中国メディア

香港 : 中国メディアは 2 日までに、今年 2 月に消息不明となった中国投資銀行「華興資本控股」の包凡創業者兼最高経営責任者 (CEO) について、反腐敗機関によって拘束されており、勾留期間が延長されたと報じた。 高級経済紙の経済観察報によると、包氏は 2 月7日、中央規律検査委員会の当局者により企業関連の不正捜査の一環で連行された。 同紙は匿名の情報筋の話として、包氏の勾留期間は 5 月 7 日に 3 カ月延長されたと報じた。

包氏が謎の失踪を遂げたことで、金融市場や中国のハイテク部門には動揺が走った。 華興資本の株価は 4 月前半に取引停止となるまで 20% あまり下落。 同行は監査人が包氏に連絡を取れなかったことを理由に、年次決算の発表も遅らせた。 華興資本は 2005 年の創業以来、中国で数々の大型ハイテク案件に関わってきた。 CNN は同行にコメントを求めたものの、現時点で返答はない。

中央規律検査委員会は中国共産党の反腐敗機関で、汚職捜査を担当する。 華興資本はこれまで、包氏は一部当局による「捜査に協力」していると述べるにとどめ、詳細は明らかにしていなかった。 包氏は中国のハイテク企業と密接に仕事をする老練なディールメーカーとして知られる。 2015 年には、中国の食品配達関連の 2 大有力サービスである美団と大衆点評の合併を仲介。 合併後の企業の「スーパーアプリ」は中国の至る所で使われている。 (CNN = 6-2-23)


中国でイベント中止・活動停止相次ぐ−当局が圧力か、理由不可解

北京郊外で 20 日に予定されていた野外コンサートは昼過ぎにスタートするはずだった。 外国人を含む 10 組のアーティストが「魂を癒すアコースティック音楽」を生演奏することになっていた。 バーベキューの串焼きやクラフトビールを売るブースの近くには折りたたみ椅子などが置かれ、風を楽しみながら、新型コロナウイルス時代の制限からの解放感を満喫したいと願う来場者たちが集まり始めていた。 だが、ボランティアがステージに上がり、「予期せぬ事態」でコンサートが延期になったと告げた。 主催者側は警察から退去を命じられたことを明らかにした。

中国語での「予期せぬ事態」は、警察もしくは他の政府機関などが国家や社会に有害だと見なす活動をやめさせるルールを執行もしくは圧力をかけることを指し示す婉曲表現だ。 サプライヤーの制御が及ばないとして法的責任を免除する「force majeure (不可抗力)」と同義になる。 中国ではここ 1 週間ほど、芸術やビジネスに関するこうしたイベントの中止が相次いでいる。 背景にあるとみられるのが、当局が習近平国家主席の軍事スローガンをお笑い芸人がジョークにしたとして、トークショーの運営会社「笑果」に罰金 1,340 万元(約 2 億 6,300 万円)を科し、少なくとも 2 つの主要都市での公演を「無期限」停止としたことだ。

北京市文化観光局は 17 日、笑果と「ハウス」という名で芸能活動をしている李昊石氏が人民解放軍を「著しく侮辱」したとする声明を出した。 遼寧省大連市の公安当局は同日、李氏の活動停止を疑問視していた 34 歳の女が 16 日夜に拘束されたと発表した。 上海でのテクノロジー業界の女性起業家が集まる大会や広州での日本人コーラスグループのコンサートも中止となったが、こうしたイベントは政府批判とはあまり関係がないように思える。

北京在住のある音楽家は政治的に敏感な問題だとして匿名を条件に、ライブや文化イベントに対する取り締まりはお笑い芸人の問題と関係しているとの考えを示した。 ただ、そうした取り締まりは、外国人やもっと人気のあるバンドや出演者が主要なターゲットになることが多いという。 (Bloomberg = 5-22-23)


中国の若者の失業率が記録更新、アフターコロナの復活難しく - 独メディア

2023 年 5 月 16 日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、コロナ禍後の経済回復が遅れている中国で若者の失業率が過去最高を記録したと報じた。 記事は、中国国家統計局のデータとして、4 月の鉱工業生産が前年同月比 5.6% 増となり、上海市や吉林省で感染拡大が発生した前年同時期から約 11% 増えるという市場の予測を下回ったことが明らかになったほか、小売売上高も同 18.4% 増と大きく増えたものの、21% 程度というエコノミストやメディアの予測をやはり下回ったと伝えた。

また、16 - 24 歳の 4 月の失業率が 20.4% で過去最高を記録したと紹介。 都市失業率は 5.2% で 3 月から 0.1 ポイント改善しており、サービス業の回復鈍化による農村労働力の吸収が滞っていることが浮き彫りになったと伝え、国務院も 4 月に雇用市場の安定に言及した際、特に「新卒者、出稼ぎ労働者の就職対策をしっかり行う」と強調したことを紹介している。

その上で、アジア開発銀行が 4 月に発表した報告で、中国経済は 21 年に回復が見られたものの、22 年、23 年は経済成長が鈍化しており、その背景には内需の低迷が改善されていないことがあるとの見解を示したほか、国際通貨基金 (IMF) も先月 20 日、強硬的なゼロコロナ政策の後遺症とロシアによるウクライナ侵攻の影響から今年の中国の経済成長率予測を中国政府の目標 (5.5%) よりはるかに低い 4.4% に引き下げたと伝えた。

記事は、中国国内の飲食消費が昨年より回復しているもののコロナ禍前ほどの勢いがないほか、中国経済の大きな柱とされてきた不動産投資が依然として低迷しており、4 月の不動産投資額が前年同月比 16.2% 減と 3 月よりも減少幅が 9 ポイント拡大し、1 - 4 月の累計も前年同期比 6.2% の減少となったとしている。 (川尻、Record China = 5-19-23)

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中国大卒者が厳しい就職難、神頼みや低賃金受け入れも

[北京] 中国各地の寺には週末になると長蛇の列ができる。 しょんぼりした姿の多くの若者が「何とか就職できますように」と祈願に訪れるからだ。 22 歳のワン・ジャオニンさんは「仕事探しの重圧」や家賃が手の届かない水準まで高騰している現実に言及した上で「お寺に安らぎの場を見つけたい」と話した。 このワンさんをはじめ中国では今、過去最高の 1,158 万人もの大卒者が厳しい労働市場に向き合わざるを得なくなっている。 労働市場は、徹底的に新型コロナウイルス感染を封じ込める「ゼロコロナ」政策や、伝統的な大口雇用主だったハイテクと教育部門に対する当局の締め付けによる痛手からなかなか回復できていない。

オンライン旅行代理店トリップ・ドット・コムによると、中国における年初来の寺院参拝者は昨年比で 310% 増加。 総人数やパンデミック前との比較は明らかにしていないが、参拝者のほぼ半数は 1990 年以降に生まれた若者だという。 首都北京のラマ教寺院で明るい仕事人生になるよう祈っていたチェンさんは大学卒業までまだまだ時間がある 19 歳。 「採用のハードルは上がり続けている。 プレッシャーは半端ないほどだ。」という。 中国で高等教育を受けた若者の失業率は 20% と過去最悪に達しており、今年の新規雇用数を昨年の 1,100 万人から 1,200 万人に拡大させようとしている当局にとって頭の痛い問題になっている。

国際金融研究センターのジャン・チディ研究員は「(労働市場で)大卒者は深刻な供給過剰状態にあり、彼らが優先するのはまず生き残ることだ」と述べ、多くが配車サービスや宅配などの仕事に就いていると付け加えた。 昨年 12 月にゼロコロナ政策が解除された後、経済は回復しつつある。 しかし雇用の伸びを主導しているのはパンデミックで落ち込んだケータリングや旅行関連で、これらはスキルが低い仕事を安い賃金で募集している。

孔乙己

多くの若者は自らの境遇を、1919 年に出版された魯迅の短編小説の主人公「孔乙己」に重ねる書き込みをソーシャルメディアに投稿している。 孔乙己は、つまらない仕事に就くにはふさわしくない高い教養があるという強い自負を持つアルコール中毒の文人だ。 大学教育を受けた者が就きたい職業に就ける保証もない以上、この社会は教育を軽視しているのではないか、と問いかけるこうした投稿はあっという間に拡散していった。 浙江省では 2 月以降に 1 日平均 10 件の求人に応募し続けているという修士号を持つ25歳の女性が、まさに孔乙己のように教育によって「縛られている」と感じると話した。

都市計画を専攻したこの女性は「この先いつか理想の仕事に出会えるとは思わない。 とても不安で落ち込んだので、何度か心理学者とも面会している。」と語り、オファーされたのは月給が 2,000 - 3,000 元(約 3 万 8,000 - 5 万 8,000 円)の仕事か、「不当なほどの」残業を求められる仕事で、いずれも断ったと明かした。 「自分に今ほどの学歴がなかったなら、ショッピングモールでセールスアシスタントになることができたし、その方がずっと幸せだっただろう」という。

経済学を専攻する北京の大学院生ヤン・シャオシャンさん (24) は、30 回の面接を受けた後でようやく銀行の窓口担当の仕事が決まった。 孔乙己のような永遠の失業状態にならなかったことには安心したものの、不満は残ったままだ。 ヤンさんは「顧客サービスを軽蔑するわけではないが、私の知識が無駄になっているとは思う」とやるせない様子を見せた。

中国中央電視台 (CCTV) は、孔乙己を引き合いに出す風潮を批判。 短文投稿サイト微博(ウェイボ)の公式アカウントに「孔乙己は困窮に陥った。 なぜなら自らの学者気分を手放せず、働くことを通じて状況を変えようとしなかったからだ」と投稿した。 しかし返ってきたのは猛烈な怒りの声だった。 「民間企業の育成を後押しする代わりに、1,158 万人の大卒者が学歴を捨てないと非難するのはなぜなのか」と訴えたある投稿には、300 件を超える「いいね」が寄せられた。 ((Laurie Chen、Sophie Yu、Reuters = 5-5-23)


「100 年耐久」海底トンネル 半月で水漏れ 中国

水浸しになった海底トンネルを走行中、恐怖に震える女性。 中国の SNS から :「海底トンネルで水漏れなの。 やばすぎる。」 「どうすればいいの。 危険すぎる。」 よく見ると、壁の隙間から水が流れ落ちているのが分かります。 場所は、中国・遼寧省大連市。 その中心部を通る長さ 5 キロにも及ぶ海底トンネルで、16 日に水漏れ事故が起きました。 近年、街が急速に発展するなか、交通渋滞を緩和させる目的で 7 年の歳月をかけて作られたこの海底トンネル。

「100 年は耐えられる安全なトンネル」とアピールし、今月 1 日に開通したばかりでしたが、そのわずか半月後に水漏れが発生しました。 中国の先端技術を結集したトンネルと伝えられていましたが、インターネット上ではトンネルを通ることに不安の声も上がっていました。 中国のSNSから : 「怖すぎる」 「開通したばかりなのにこれじゃ心配だ」。 地元当局は「消火用のバルブから水が漏れた」と説明。 トンネル自体から海水は漏れていないと主張しています。 (テレ朝 = 5-18-23)


中国南部で大雨被害が拡大、福建では 4 人不明 橋が崩落

中国南部で 5 - 7 日に大雨が降り、福建省で 4 人が行方不明になるなどの被害が出ている。 江西省では大規模な洪水が発生し、約 50 万人が被災。 南部では今週末にかけて雨量が増える見込みで、気象台が注意を呼びかけている。 中国国営中央テレビによると、福建省竜岩市で 7 日午前 1 時 40 分ごろ、地元の村幹部らが橋の上から川を確認していたところ、橋が突然崩れて 4 人が流された。 橋は長さが約 100 メートルあり、40 年前につくられたという。 地元当局が捜索したが、行方不明という。

また、江西省では大雨の影響で河川が氾濫。 大規模な洪水が起きて、49 万 7 千人が被災し、1 万 4 千人が避難した。 一部の市では 6 日、24 時間の降水量が過去最大を記録した。 約 6 万 8 千ヘクタールの農地が浸水するなどし、被害額は 5.2 億元(約 101 億円)にのぼるという。 この他、各地で小規模な土砂崩れが確認されている。 今週も南部を中心に広い地域で降水量が増えると予想されており、中国の中央気象台は洪水や鉄砲水などに警戒するよう呼びかけている。 (上海 = 井上亮、asahi = 5-8-23)


中国の鉄鉱山事故で 12 人の遺体隠しと報道 地元政府幹部が指示

中国河北省唐山市郊外の鉄鉱山で昨年 9 月、作業員ら 14 人が死亡、1 人が行方不明になる事故がありながら、地元政府の幹部が「死者は 2 人」との虚偽報告をし、12 人の遺体を隠すなどの工作をしていたことが分かった。 中国メディア「澎湃(ポンパイ)新聞」が伝えた。 事故は昨年 9 月 2 日、唐山市遷西県で開発中の鉄鉱山で起きた。 河北省の担当部門の調査によると、運営会社が定められた計画や手順に従わずに坑道を掘った結果、古い坑道にたまっていた大量の水が流れ込んだという。

事故は同日、鉱山の担当者から地元行政機関の鎮やその上の県政府に報告されたが、県の共産党委員会トップら複数の幹部らは、犠牲者を 2 人と偽って省などの上級機関に報告。 6 日、県幹部の指示の下で作業員らが現場に入り、12 人の遺体を隠したという。 後日、現場に入った救急隊員らが坑道内で遺体を発見。 死者の数が報告と食い違うことから省政府が再調査を指示し、隠蔽が発覚したという。 報道によると、県幹部らは鉱山に設置された監視カメラを壊したり、作業員の坑道への出入りを記録する帳簿を書き換えたり、隠蔽工作を重ねていた。

労災事故に関する中国の規定では、死者が 10 人以上になると「重大事故」と認定され、省政府が対応にあたる。 今回の事件では、県の幹部らが上級機関に責任を問われるのを恐れ、被害規模を偽った疑いが出ている。 県や鎮の幹部や鉱山の運営会社幹部ら 20 人以上が党の規律検査委員会や公安当局に拘束され、調べを受けている。 習近平(シーチンピン)指導部は「国家安全」を政権の最優先課題としており、事故や災害への対応も柱の一つとなっている。 事件の背景には、管轄する地方政府の責任が厳しく問われるようになっている状況もありそうだ。 (北京 = 林望、asahi = 5-6-23)


中国の GW、延べ 2 億 7,400 万人が国内旅行に コロナ禍前を上回る

中国の労働節(メーデー)連休が最終日を迎えた 3 日、中国政府文化旅行省は連休中に国内を旅行した人が延べ 2 億 7,400 万人に達したとの推計を公表した。 前年比で 70% 増え、コロナ禍前の 2019 年も上回った模様だ。 国営中央テレビが伝えた。 20 年以来の「ゼロコロナ政策」が終わって初めて迎えた今年の労働節は、4 月 29 日からの 5 連休だった。

各地の観光地に旅行客が押し寄せ、中国を代表する名山の一つとして知られる黄山(安徽省)では、山中の宿泊施設に入りきれなかった多数の客が公衆トイレで夜を明かしたことなどが SNS で話題になった。 文化旅行省によると、各地の観光収入も総計で 1,480 億元(約 2 兆 8,120 億円)に達し、19 年の水準を回復したという。 (北京 = 林望、asahi = 5-3-23)

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800 人の野宿客がトイレを占領 … 中国ではこのくらいやってこそ「リベンジ観光」

新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)以降 4 年ぶりに 5 日間の 5・1 労働節(メーデー)連休を迎えた中国では、各地に「リベンジ観光」の人々が押し寄せている。 悪名高い「ゼロコロナ」防疫で押さえつけられていた旅行心理が春シーズンのゴールデンウィークと重なり爆発した結果現れた現象だ。 安徽省黄山では宿舎を予約できなかった人々がトイレで夜を明かし、敦煌では「ラクダ信号灯」まで登場する珍風景が続出した。

先月 30 日、黄山頂上の日出の名所「光明頂」の公衆トイレには観光客が床に隙間なく座って夜を明かす映像が中国微博に投稿された。 黄山管理所側はこの日ケーブルカーやシャトルバスを午後 8 時 30 分まで延長運行して観光客が下山できるように努力したが、宿泊先をおさえていなかった 800 人余りが頂上の公衆トイレで野宿をする事態が広がったと明らかにした。 インターネットメディア「九派新聞」によると、各ホテルの飲食店やロビー、トイレにまで、宿をおさえられなかった野宿客が集まった。

観光客は 24 時間営業飲食店も占領した。 韓国にも進出している中国式しゃぶしゃぶ専門店「海底撈」は、24 時間営業方針を狙って宿泊費を節約しようとする大学生の主な攻略対象だ。 南京で海底撈を訪れた人は「飲食店の中で大学生が寝ていて、一体ホテルなのか飲食店なのか区別できない」という不平を SNS に投稿した。

同飲食店職員はメーデー連休に有名歌手のコンサートまで開かれて野宿学生が一気に増えたと説明した。 北京の有名観光地も人だかりを記録した。 地方からやってきたある観光客は人波を避けて万里の長城のコースのうち「八達嶺」ではなく「慕田峪」を訪れたが交通渋滞のため朝 8 時に北京市内を出発して午後 5 時になってようやく到着したと愚痴をこぼした。

砂漠のラクダ観光で有名な甘粛省敦煌「月牙泉」にはラクダ信号灯まで登場した。 中国中央テレビ (CCTV) によると、押し寄せる観光客を消化するためにラクダ 2,400 頭が総動員され、ラクダによる交通停滞などを防ぐための専用の信号灯が設置された。 上海の観光地「外灘」には先月 30 日一日で 442 万人が訪れた。 警察当局は 1 日午後 7 時から 9 時まで 8 万人が同時に集まるため事故が予想されるとし、この時間は避けてほしいと呼びかけた。 上海当局は警察を動員した人間信号灯で交差点の人波を調節する方式で事故を防いでいる。

中国は 3 日まで 5 日間のメーデー連休期間に計 2 億 4,000 万人が旅行に出るため 1,200 億人民元(約 2 兆 3,850 億円)の旅行収入が予想されると香港の星島日報が 1 日、報じた。 メーデー観光収入 1,200 億元はコロナ前の 2019 年の 83% 水準だ。 北京は 2019 年比 100% を回復し、広東省の場合 2019 年比 5.9% 増加した。 ただし香港の場合、連休初日である先月 29 日一日、中国観光客 31 万人が訪れて 2019 年 60 万人の 52% にすぎなかったと香港明報は伝えた。 (韓国・中央日報 = 5-2-23)

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動物園で多数の来園客が殴り合い = 中国ネット「動物が見て笑ってるぞ」

2023 年 4 月 30 日、メーデー連休でにぎわう中国・河北省石家荘市の動物園で来園客同士が殴り合うトラブルが発生した。 中国版ツイッター・微博(ウェイボー)の漫画家のアカウント「地瓜熊老六」は 2 日、同市内の動物園にある動物ショーの会場とみられる場所の観客席で、来園客同士が殴り合いのけんかを始めたとし、その様子を撮影した動画を掲載した。 動画には、観客席に大勢の客がいる中で男女数人が殴り合う様子が映っており、他の客たちは動物ではなくけんかを「観賞」しているようだった。

このトラブルについて、中国のネットユーザーは「動物園では先祖返りが起こりやすいのだろうか」、「観光は他人のけんかを見たり、モラルの低さを見るためのもの。 そのほうが観光地を見るより楽しい」、「人が多く集まるところではトラブルが起こりやすいな」、「動物が見て笑ってるぞ」、「いやもう本当に動物が人間を見世物にしてるのか、人間が動物を見世物にしてるのか分からないわ」、「ギャラリーは追加料金なしでけんかショーまで見られてラッキーだな」など、皮肉交じりに当事者を批判するコメントを寄せている。 (川尻、Record China = 5-2-23)

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フライト中の機内で乗客 2 人が乱闘に、原因は … 中国

2023 年 4 月 30 日、中国国内を飛行中の旅客機内で起きた乗客同士によるつかみ合いのけんか動画が注目を集めた。 河北ラジオ局の微博アカウント「農民頻道」など複数のメディアアカウントが伝えた。 報道によると、安徽省在住のネットユーザーが同 29 日、ネット上である動画を公開した。 報道と動画の内容によれば、上空 1 万メートルを飛行していた旅客機内で乗客同士がつかみ合いのけんかを始め、当事者が大騒ぎする中で客室乗務員や周辺の乗客が仲裁に入ったという。

けんかをしたのは後列に座っていた女性と、その前に座っていた客とみられる。 原因について同アカウントは「後ろの座席の乗客が、膝を前の座席に押し付けており、前列の乗客がやめるよう再三求めたところ口論が始まり、やがてエスカレートしてつかみ合いになった」と伝えている。

このトラブルについて、中国のネットユーザーは「モラルはどこに行った」、「後ろの客が足で座席を蹴ってきたり、膝を押し付けてきたりするの、本当にムカつく」、「足を置く場所がないんだという言い訳は無用だ。 先日飛行機に乗った時、後ろの人が 190 センチ以上あったのに一度も膝を押し付けてこなかったぞ」、「着陸したら空港の警察官がお出迎えだな」、「飛行上の安全を脅かす行為であり、厳しく罰せられるべき」、「2 人とも生涯搭乗禁止にしてほしい」、「国民のモラル向上と、経済発展のペースがマッチしていない」といった感想を残した。 (川尻、RecordChina = 5-1-23)


「もっと寛容になれ」だと? 外国人限定アイス騒動の BMW、謝罪声明に中国ネットは憤慨

2023 年 4 月 21 日、紅星新聞は、上海モーターショーで BMW の MIN Iブランドブースのスタッフが外国人限定でアイスクリームを配ったとされる問題で MINI が発表した 2 度目の謝罪声明が物議を醸しそうな内容を含んでいたことを報じた。

これまでの報道によれば、上海モーターショーに出展する BMW の MINI ブランドブースで 19 日、来場者に無料でアイスを配布するサービスが行われた際、アイスクリームを求めた中国人来場者に対しスタッフ 2 人が「もうなくなった」と断った直後、外国人来場者に対して笑顔を見せながらアイスクリームを提供したという。 また、当時 MINI ブース付近で SNS に生配信していた女性が警備員に無理やり追い出されるトラブルもあったとされている。

記事は、トラブル発生当日にBMW 側が微博「MINI 中国」を通じて謝罪声明を発表したのに続き、21 日午前にも謝罪声明を掲載したことを紹介。 2 度目の謝罪声明には「ごく一部のアイスを、現場でがんばっている同僚のために残しておいた。 問題になっている動画に映っていた 4 - 5 人の『外国人』は同僚であり、スタッフのバッジを身に着けていた」との釈明とともに、「管理不行き届きにより不快な思いをさせてしまったものの、当事者の 2 人の女性スタッフは、社会に出て間もない若者。 どうか彼女たちに対しもう少し寛容になっていただけませんか。」と綴られていたことを紹介した。

BMW による 2 度目の謝罪声明について、中国のネットユーザーは「話にならない」、「仮にスタッフを労うためだったとしても、客がいる前でこんなことはしない」、「社会に出たばかりという割には、随分と媚びた表情をしていたが …」、「こんな言い訳をするなんて どんな状況でも寛容になれるという訳ではない」、「苦しい釈明をすればするほど混乱する シンプルに落ち度を認めればいいのに」、「中国市場が寛容な反応を示さないことを願うわ」など、怒りを一層強めたことをうかがわせるコメントを続々と残している。 一部には「このお姉さんたちはあくまで会社の指示に従って動いたということだから悪くないな」といった声も見られた。

また、あるユーザーは「MINI は一度全国でアイスクリームを配って回るイベントをしたらいい」と提案しつつ、「それでもみんな許してくれるかどうかは分からないけれど」と付け加えた。 (今関忠馬、RecordChina = 4-23-23)


北京の病院火災、死者 29 人に 消防設備に不備か、院長ら 12 人拘束

北京市内の病院で18日、火災があり、19 日朝までに 29 人の死亡が確認される惨事となった。 病院側の管理の不備が被害を広げた可能性があり、市公安局は院長ら 12 人を拘束した。 火災の様子を伝える SNS の投稿が削除されるなど、情報統制の徹底ぶりも浮き彫りになった。 火災から一夜明けた 19 日、現場周辺では警察官による警戒が続いていた。 入院している親戚と連絡がとれないという男性は、市外から病院に駆けつけたものの「中に入れてもらえず、電話にも誰も出ない。 どうしたらいいんだ。」と語り、途方に暮れた様子だった。

国営メディアによると、18 日午後 1 時ごろ、北京市豊台区の北京長峰医院から出火していると通報があった。 約 30 分後に鎮火した。 市当局の 19 日午後の会見によると、搬送された患者や家族、職員ら計 71 人のうち、同日朝までに 29 人が死亡、3 人が重体で、重傷者も 18人に上るとした。 消防当局は出火当時、院内で工事が行われており、火花が揮発性の高い塗料に引火した可能性があるとしている。

中国誌「財新」によると、出火した病棟は 8 階建てで、各階に 2 人部屋が 16 室前後あった。 このうち 5 階部分の焼け方が最も激しいという。 同誌は避難した患者の話として、出火後も警報が鳴らなかった上、消火装置も作動せず、職員が患者らに避難を呼びかけたが、すでに院内には濃い煙が充満していたという。 消防設備の不備が被害を拡大させた可能性があり、公安当局は病院幹部や工事関係者ら 12 2人を刑事拘束した。

火災の発生を中国メディアが一報したのは、出火から約 8 時間経ってからだった。 SNS では病院の窓から逃れた人が空調の室外機の上で救助を待つ映像なども投稿されていたが、瞬く間に削除され、情報が広がらなかった。 財新によると、夜になって初めて火災を知り、病院に駆けつけた患者の家族もいたという。 取材に「私たちは何時間も火災のことを知らなかった。 (入院中の家族が)どこにいるのかもわからない。」と語っている。

SNS でも「こんな大事件を誰も知らなかったのはなぜなのか」と疑問視する書き込みが相次いでいる。 「社会の安定」を最重要視する習近平(シーチンピン)指導部の下、事故や災害などの報道や市民による発信への取り締まりも強化されており、SNS などへの統制の徹底が急速に進んでいることをうかがわせている。 (北京 = 高田正幸、asahi = 4-19-23)


「東京」にタイムスリップ! 中国の古都・洛陽に漢服姿の観光客が押し寄せてくる

中国中部の河南省にある古都・洛陽ではこのほど、漢服(漢民族の伝統的な衣装)ショーが行われ、多くの観光客も漢服を着て観光地を訪れています。 その様子は多くのネットユーザーの注目を集め、ネット上で議論を呼んでいます。

洛陽は現在、牡丹が満開で、全国各地から多くの観光客を引きつけています。 また、洛陽の多くの観光地は漢服着用者向けに入場無料キャンペーンなどを実施しています。 大勢の漢服愛好家は、きれいな漢服を身にまとって各観光地や洛陽の街を散策しています。 漢服を持っていない人々でさえ、この雰囲気に押されて、漢服レンタル専門店で漢服をレンタルし、メークもしてもらい、古都・洛陽で写真撮影を楽しんでいます。

地下鉄やバス、観光地など、至る所でさまざまなスタイルの漢服を着ている人々が見かけられ、一瞬、隋・唐の時代など中国の古代を彷彿とさせます。 写真や動画を見たネットユーザーからは、「漢服を着なくても洛陽に入ることはできるのか」、「今の服装で洛陽を歩けば雰囲気に合わない気がする」、「いいね。 『東京』にタイムスリップしたような気がする。」などのコメントが寄せられています。

洛陽はかつて夏、殷、周、隋、唐など 13 の時代の都で、唐の天宝年間(742 - 756 年)には「東京」と呼ばれていました。 洛陽はまた、牡丹で有名です。 牡丹は中国の国花として愛され、多くの品種と色があります。 毎年 3 月から洛陽のあちこちで牡丹が次々と咲き誇り、毎年の観光シーズンとなっています。 (CGTN = 4-19-23)


中国著名弁護士夫妻を拘束 秩序騒乱疑い、独が批判

中国の著名な人権派弁護士、余文生氏と妻許艶さんを当局が公共秩序騒乱の疑いで刑事拘留したことが 16 日、分かった。 支援者が明らかにした。 ドイツのベーアボック外相が 13 日に訪中したのに合わせ、中国当局は著名な人権派弁護士らを一時自宅軟禁したり連行したりしていた。 在中国ドイツ大使館は 16 日、交流サイト (SNS) で「恣意的な拘束や逮捕は容認できない」と批判し、釈放を求めた。

余氏夫妻は 13 日、北京の欧州連合 (EU) 代表部に向かう途中で当局に連行され、許さんがツイッターの投稿で助けを求めていた。 支援者によると警察当局は 15 日、余氏夫妻の 10 代の息子に対し、夫妻を正式に刑事拘留したと通知した。 容疑の具体的な内容は不明。 16 日時点で息子も当局者の監視下に置かれている。 (kyodo = 4-16-23)


黄砂が「長江越え」、上海でも視界悪化 13 日以降さらなる発生も

日本へも広がっている黄砂は 11 日夜から 12 日にかけ、中国国内の広範囲に及んだ。 10 日以降の北京など北部地域に続き、長江を越えて上海などにも飛散。 中国メディアによると、上海では視界が 3 - 5 キロ程度まで悪化し、当局が住民に注意を呼びかけた。 中国中央気象台は 13 日からはさらに、西部の新疆ウイグル自治区や北部の内モンゴル自治区などで新たな黄砂が起き、14 日に北京や沿岸部の天津などにも達すると予報。 16 - 18 日にかけても、別の黄砂が発生すると予測している。

例年、中国では 1 月からこの時期までの黄砂が起きる頻度は平均 5 - 6 回だが、今年は 12 日に日本に達した黄砂を含め、すでに 8 回も発生している。 中国の生態環境省は 3 月末の記者会見で、モンゴル南部と中国西北部の 3 月の気温が例年より 5 - 8 度高く、凍土が解けて乾燥し、砂が巻き上げられやすい状態になっていると指摘。 加えて、モンゴル周辺で上昇気流が起きやすい気象条件が重なり、黄砂を頻発させているとの見方を示していた。 (北京 = 林望、asahi = 4-12-23)


銀行員年収 2 千万は高過ぎ? 政権の意向か、中国金融界に大減給の波

中国の習近平(シーチンピン)政権が金融業界に対し、欧米のようなエリート主義や拝金主義をまねしていると批判し、圧力を強めている。 高給を得る金融業界は、習氏が目指す共に豊かになる「共同富裕」と相反する存在に映るようだ。 企業の給与削減や当局による業界関係者の摘発が相次いでいる。 「90 年代生まれの証券ディーラーの月収が 8 万 2,500 元(約 160 万円)」。 2022 年 7 月末に、中国である若い男性の給料が話題になった。

国有の投資銀行である中国国際金融という大企業に勤めており、その給与額を妻が SNS に投稿したことがきっかけだった。 ネット上で金融業界の収入について「もらいすぎだ」などの議論が広がり、中国国営メディアも次々に騒ぎを報じた。 それから 8 カ月後の今年 3 月末。 男性の勤め先である中国国際金融は「22 年の社員の平均年収は前年から 20 万元(約 380 万円)下がった」と発表した。 元々は 100 万元弱(約 1,900 万円)で、平均年収を 2 割も一気に削減したことになる。 中国メディアによると、大手証券会社が次々に給与の削減を発表し、4 割も減らした社もあった。

業界を見舞う嵐は減給だけではなかった

ある金融関係者は、背景に「政権の意向があった」とみる。 共同富裕をかかげる習政権が、高給取りの多い金融業界を狙い撃ちにしているとの見方が広がる。 「金融腐敗の『ねずみ』を撃退する。」 中国共産党で反腐敗の取り締まりなどを行う党中央規律検査委員会は 21 年 9 月、中央銀行の中国人民銀行や国有銀行などに 6 年ぶりに調査に入った。

その後、人民銀行の現職副総裁、大手ファンドのトップ、国有銀行の幹部らを次々に摘発した。 同委員会は今年 2 月に金融業界の腐敗についての文章を公表し、「金融はエリート、カネが第一、西側を見習えといった誤った思想を打ち破る」と強調。 「享楽主義やぜいたくを味わおうとする雰囲気をこらしめる」とした。 3 月に発表された党の機構改革では、金融業界の監視を担う「党中央金融委員会」と並び、もう一つの組織「党中央金融工作委員会」を新たに設立した。 業界への党による思想指導や規律の徹底がねらいだ。 (北京 = 西山明宏、asahi = 4-9-23)


中国に芽吹き始めていた多様性、だが… 彼女たちは白紙を手に取った

中国の抗議活動、そして密かな拘束

記事コピー (10-24-22〜3-29-23)


中国、女性の社会的活動が持続的かつ健全に発展する

女性の地位はその国の文明の程度を物語る。 医者になって 40 年近くになる銭素雲さんがいうには、高い医療技術と医師としての倫理観で無数の重症患者を救ってきた。 天安門広場の清掃を統括する蔡鳳輝さんは、平凡な仕事にも夢があることを証明した。 湖北省監利市の稲の田植え専門合作社では女性が活躍し、科学技術による穀物生産を模索している。 これらの女性は「女性も文明と精神文化の創造者であり、社会の発展と進歩を推し進める重要な力であること」を自らの行動で以て示した。

女性が輝くことと、新時代の女性による社会的活動が質の高い発展を遂げることは不可分の関係である。 中国は女性による社会的活動の発展を重視し、女性の法による民主的権利の行使や、経済社会の発展への女性の平等な参加、改革・発展の成果の平等な享受を推進していく。

目下、中国では 100 本以上の法律・法規において女性の権利を保障している。 女性の平均余命は 80 歳を超えた。 義務教育の段階におけるジェンダーギャップは基本的に解消され、高等教育機関の学部生における女子学生の比率は 50% を超えた。 2020 年末、全国で出産保険に入っている女性は 1 億 300 万人、基本医療保険に入っている女性は 6 億 5,000 万人である。 女性の就業人口は社会全体で 40% 以上を維持し、科学技術産業における女性比率は 45.8% である。 これらのデータは、女性による社会的活動が重視され、中国において女性の権益保障が充実し、権利を享受できる範囲が十分広がってきたことの反映であろう。

中国共産党第 20 回全国代表大会では「男女平等の基本的国策を堅持し、女性と子供の合法的権益を保障する」、「平等な就職に影響する就職の不合理な制限および就職差別を解消する」、「出産育児をサポートする政策体系を確立する」レポートが提出された。 関連する機関では、女性による社会活動を推進しより大きな発展を実現するための方向性が明らかにされた。

中国における女性の社会的活動は、女性たちの受益がますます多く、発展するための環境がより最適化され、発展の水準が上がっていく黄金期に入ったといえるだろう。 家庭と仕事のバランスに理解を求めることから、職場の昇進における「ガラスの天井」を打ち破ることまで、女性の活躍は全社会の関心と支持を集めている。 各方面で女性の社会的活動の持続的かつ健全な発展が推し進められるにつれ、中国女性の社会的活動に関する発展の余地は比類なく広がっており、前途は非常に明るい。 (中国・人民日報/AFP = 3-27-23)

〈編者注〉 相変わらず、党機関紙の報道は一方的であり、口を挟む余地なしの言説ですが、現実、男女差別が見られない部分も多く、学ぶべきところは吸収していく必要があります。