日米台文化人 350 人、中国拘束の台湾編集者の「釈放」要求

【台北 = 矢板明夫】 台湾の出版社「八旗文化」編集長、富察(本名・李延賀)氏が 3 月、中国・上海で中国の治安当局に拘束された事件で、台湾と日本、米国などの学者や作家、メディア関係者ら約 350 人が 12 2日、富察氏の「早期釈放」を中国当局に求める共同声明を発表した。 共同声明は富察氏を「台湾の社会に大きな影響を与えた素晴らしい編集者」とし、中国当局による拘束について「粗暴で理不尽であり、時代遅れのやり方」と批判。 「(中台)両岸の文化交流を傷つける行為だ」と断じた。

富察氏の拘束から 50 日が過ぎたが、いまだに家族や弁護士と面会できていないことに触れ、「基本的人権が守られていない」と中国側に改善を求めた。 署名者には台湾の元文化部長(文化相に相当)の鄭麗君氏、元故宮博物院院長の呉密察氏らのほか、東京大学教授の高原明生氏、阿古智子氏ら日本の学者、米国の出版関係者らが名を連ねた。 富察氏は中国の遼寧省出身で、妻の故郷である台湾に移住後、2009 年に出版社を設立。 3 月、病気の母を見舞うため中国に戻ったところ、拘束された。 (sankei = 5-12-23)

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台湾パインの対日輸出、中国の輸入禁止で 8 倍超 農家「日本に感謝」

中国から 2021 年に輸入禁止の措置を受けた台湾産パイナップルの日本向け輸出量が、この 2 年間で 8 倍以上に急増したことがわかった。 台湾の貿易業者らは、蔡英文(ツァイインウェン)政権による輸送費への補助により、日本市場での価格競争力が得られた結果と分析している。 台湾側の統計によると、禁輸前の 20 年に台湾産パイン中国向け輸出は約 4 万 2 千トン、日本向けは約 2 千トンだった。 中国による禁輸を受けた後、21 年には中国向けが約 4 千トンに急減する一方、日本向けは約 1 万 8 千トンに急増。 22 年も中国向けが約 400 トン、日本向けは約 1 万 7,500 トンで最大の輸出先になったという。

「日本には、とても感謝している。」

台湾南部・高雄市でパイン農家の協同組合を率いる張清泉さん (38) は真剣な表情だ。 対日貿易に関わる台湾の貿易会社は取材に、「台湾産パインを日本に輸出できたのは、補助金でフィリピン産と価格面で勝負できたためだ。 貿易はシビアで、輸入側がいつも台湾への温情から買ってくれるわけではない。」と話す。 中国は 21 年以降、台湾産の果物レンブや養殖魚ハタ、コーリャン酒など 2 千品目超の食品などについて、害虫や新型コロナウイルスの検出などを理由に禁輸とした。 台湾では、中国と距離を置く蔡政権への不満から、中国側が政権支持層を揺さぶる狙いだと受け止められている。

一方、中国は今年 1 月、福建省沖にある台湾の金門県(金門島)から国民党の県長らが訪中したのを受け、即座に同県の主要産業で、公営企業がつくる蒸留酒・コーリャン酒(白酒)について禁輸を解除した。 国民党は台湾の最大野党で、中国との融和を重視する。 中国が近年、輸入を禁じてきた台湾産品は、自国でも生産する農水産品や加工食品が中心だ。 代替調達先の確保が難しい台湾の半導体などは含まれていない。 (台北 = 石田耕一郎、asahi = 4-17-23)


中国で爆発的ヒットの『すずめの戸締まり』
じつは「中国人が感動する日本カルチャー」がテンコ盛りだった …!

中国で日本アニメ『すずめの戸締まり』(以下、『すずめ』)と、『The First Slam Dunk』の 2 作が爆発的大ヒットを飛ばしている。 3 月 24 日に公開された『すずめ』の興行収入は、約 1 ヵ月で約 7 億 7,000 万元(約 150 億円)と日本アニメ映画として中国で歴代 1 位を記録した。 ヒットの理由として、日本では、(1) 根強い日本アニメ人気、(2) 新海誠監督の影響力や知名度、(3) 映像美、(4) ストーリーの面白さ、などが語られているが、遅ればせながら鑑賞した筆者が見たところ、中国の若者だからこそ、「萌える」であろう場面が細部に散りばめられていて、「大ヒットするのは必然」だと感じた。

そこで、本稿では、この二作品について、中国を長く観察してきた私なりに感じた「中国人に刺さるポイント」を紹介してみたい。

その 1 電車の踏切

踏切といえば、『スラムダンク』に登場する神奈川県鎌倉市の江ノ電の踏切があまりにも有名だが、そもそも、なぜ中国人は踏切を魅力に感じるのか。 それは、中国人の日常生活にはほぼ存在しないものだからだ。 日本人にとって、踏切はありふれていて、見慣れた風景のひとつだが、中国を歩いていて、踏切を見かける機会はほとんどない。 まったくないというわけではないが、都市部で見かけたことがある、という人はほぼいないのではないかと思う。 というのも、北京市、上海市など大都市の公共交通機関は主に地下鉄とバスで、日本のように「町中(地上)を走る電車」はないからだ。

細かくいえば、大連などには路面電車が、上海にもモノレールがあり、一部の区間で、いったん地上に出る地下鉄もあるが、それらはごく一部の人しか利用しない。 地上を走る日本の「電車」に近いものといえば「列車(火車)」があるが、それは旅行や帰省など、少なくとも 1 時間以上乗る長距離列車のことであり、通勤に利用したり、町で日常的に見かけたりするものではない。 ほかに、高速鉄道もあるが、これは日本の新幹線のような乗り物だ。

だから、日本にやってきた中国人がまず新鮮に感じるのは、ビルの谷間や住宅街、田んぼの間を走り、日本人が毎日乗っている JR や私鉄の電車を見たときだ。 『すずめ』では、東京・御茶ノ水駅や、JR 中央線の電車も映るが、日本人が見過ごしてしまうような、こんな何気ないシーンも、彼らの目には「とても日本的なもの」に見える。 そして、アニメの中でしか見たことがなかった憧れの踏切が、日本では、わざわざ探さなくても、どこにでもあることだ。

その踏切、『すずめ』では、冒頭のほうでちらっと登場するだけなので、覚えていない観客も多いかもしれない。 でも、私はこのシーンを見ただけで、すぐに中国人はこの作品の世界に引き込まれるだろうなと感じた。 「踏切 = 日本らしさ」を感じて、胸がキュンとしてしまう人が多いのである。

その 2 お弁当(キャラ弁)

『すずめ』の主人公・すずめが高校に持っていくお弁当も、冒頭のほうで一瞬映るだけだが、日本らしいシーンのひとつだ。 日本の公立では、高校からお弁当を持参する、というのも中国人にとっては、アニメを見て初めて知る話だ。 中国では、地方によって異なるが、小学校から高校まで、学内の食堂に行って食べることが一般的。 レーンに沿って、おかず、ごはん、スープをよそってもらうスタイルだ。 農村の場合、食堂の設備がないため、今でも、昼食のために、数十分も歩いて家に帰る子どもも多い。

家族が作ってくれたり、自分で作ったりするお弁当を学校に持参することは、中国ではほとんどない。 とりわけ手の込んだキャラ弁は、中国ではまず見ることのない日本独自のものだ。 ちなみに、「中国人は(冷めてしまうので)お弁当は好まない」と以前、日本でいわれていたが、最近では変わってきた。 コロナ禍で栄養のバランスを気にするようになったり、節約のためだったりで、手作り弁当をオフィスに持参したりする大人が増えている。 おかずは中国の炒め物が中心で、その中身は日本のキャラ弁とはかなり異なるが、日本旅行に行ったら、かわいいお弁当箱を購入したいと思っている中国人は多い。 これも日本アニメの影響だろう。

その 3 高校の制服

中国の若者、とくに女子にとって、日本の高校生が着ている制服ほど、うらやましく、憧れるものはない。 中高生の青春を描いた日本のアニメの多くにはごく自然に登場するのが制服だが、中国では日本のような制服はまだ一般化していないからだ。

多くの中学・高校の制服はだぶだぶのジャージだ。 体育の時間だけでなく、通学も、授業中もジャージで過ごす。 ここ数年、北京や上海などでは私立校が増え、高価な制服を取り入れているところが急激に増えているが、まだ少数派だ。 中国の若者にとって、学生生活で制服を着ること自体、大きな夢であり憧れだが、それは実現できないことなので、制服はコスプレの一種となっている。 お花見をするときや、記念写真を撮ったりするときに着るため、ネットで好きなデザインのものを買う。

私は 7 - 8 年前、湖南省長沙市という内陸部の都市にある専門学校に、約 1 週間滞在したことがあるが、その専門学校の生徒の中に、ネットで買った日本風の制服を毎日着てくる女の子がいた。 一人だけ、しかも超ミニスカートの制服を着て着席している姿には違和感を覚えたが、本人は大満足で、制服を着ることによってモチベーションが上がり、勉強にも身が入ると話していた。 (中島恵、現代ビジネス = 4-30-23)

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スラムダンク、中国でも「青春そのもの」 映画公開に熱狂のファン

高校バスケットボールを題材にした漫画「スラムダンク」の映画が 20 日、中国で公開された。 30 - 40 代を中心に中国でも絶大な人気を誇り、ファンたちは「私の青春」と口々に語る。 前売り券だけで約 20 億円を売り上げており、中国市場で日本アニメ映画の興行収入の記録を更新する可能性もある。

バスケは中国で最も人気のある球技の一つだ。 1994 年に米プロバスケットボールの NBA ファイナルが初めて中国で中継され、翌 95 年には中国リーグ CBA が開幕。 中国でスラムダンクのテレビ放映が始まったのも 95 年で、この頃子どもだった世代を中心に一気に人気に火が付いた。 80 年生まれで NBA でも活躍した姚明氏 (42) も影響を受けたと語っているほどだ。

「あきらめたらそこで試合終了ですよ。」 「左手は添えるだけ。」 「バスケがしたいです。」

映画の公開を前に上海市内のバスケットボールコートを訪れると、漫画に登場する数々の名ゼリフが中国語と日本語で壁に書かれていた。 それだけではない。 コートを取り囲むように巨大な映画のポスターが掲げられていた。 このコートは、中国で配給を担当する会社と協業して実現した。 作者の井上雄彦さんも設計に目を通し、助言をくれたという。 コートの改修に日本円で少なくとも数十万円以上を投じたという責任者の張継陳さん (37) は小学 5 年の時にテレビで放映されたアニメを見て大ファンになった。 バスケや記念撮影をしにくるファンが 4 月以降急増しているという。

コートで汗を流していた男性 (42) はクラスで漫画を回し読みしたのが「いい思い出だ」という。 影響を受けてバスケを始め、今は自分の子どもに教えている。 「出会わなかったら今の自分はない。 自分の人生を変えた存在。」だという。 16 日、上海市内の映画館であったプレ上映イベントには、当選した約 1 千人のファンが集まった。

イベントには筋金入りのコスプレイヤーも参加していた。「自分の体形を生かした」という劉冰抒さん (34) は、主人公の桜木花道らが通う湘北高校バスケ部監督の「安西先生」に扮した。 「勝つために最後まで努力をする精神を学んだ」という。 公開日が自分の誕生日と重なったと喜ぶ朱欣怡さん (35) は「アニメの影響で男子はみなバスケを始め、私たち女子はそれを見に行った」と笑う。 「スラムダンクは我々の世代にとって特別な記憶で、青春そのものです。」

プレ上映では、桜木がゴールを決めるシーンなどで拍手やどよめきが起きた。 中国では上映中に声を出したり笑ったりするのは一般的だ。 見終わった女性 (34) は「映画と会場が一体になったと感じた」と話した。 中国での日本アニメ映画の興収は、3 月末から上映中の「すずめの戸締まり(新海誠監督)」がこれまでの記録を塗り替えて歴代 1 位になったばかり。 今月 19 日時点で 7.5 億元(約 148 億円)まで伸ばしているが、スラムダンクは 9 億元に達すると予想するメディアもある。 (上海 = 井上亮、asahi = 4-20-23)


日本留学中の香港女子学生を逮捕 香港警察、ネット上の投稿を問題視

日本に留学中の香港人の女子学生(20 代)が 3 月上旬、身分証更新のために帰郷した際、香港国家安全維持法(国安法)違反の疑いで逮捕されていたことがわかった。 学生側から相談を受けた台湾や日本の関係者が明らかにした。 香港警察は学生に、同法が禁じる「国家の分裂を扇動」する行為に関わった疑いがあると説明しているという。

国安法は 2020 年 6 月に施行された。 「国家分裂」、「政権転覆」、「外国勢力との結託」など 4 つの行為を禁じ、最も重い刑は終身刑だ。 香港外での言動にも適用される恐れがあるとして、これまでも国際社会から懸念の声が出ていた。 日台の関係者によると、学生は香港のデモが激化した 19 年以降、日本での滞在を続けていた。 香港警察からは、この間にネット上で香港独立に関する投稿をしたことが同法に抵触すると説明され、「逮捕を口外してはならない」とも指示されたという。

現在は釈放されて自宅にいるが、パスポートを押収されて日本に戻れない状態にある。 5 月以降に処分が決まる見込みという。 同法での摘発を警戒して台湾に住む香港人の元議員は「海外での言動に国安法が適用されることが明らかになった初のケースだと思う。 今後は外国人にも適用される可能性がある。」と指摘する。 香港情勢に詳しい東京大学の阿古智子教授は「在日の香港人や中国人留学生の間には不安や疑心暗鬼が広がっている。 日本社会は、国安法が日本の言論の自由にも悪影響を与えることを深刻に捉える必要がある。」と話している。 (台北 = 石田耕一郎、asahi = 4-20-23)


日本人の忘れられない中国 : 「かつて我が国と日本は戦争を …」 = 中国人教師の温かくて優しい教え

1972 年(昭和 47 年) 6 月。 外務省職員だった父は、数か月後の日中国交回復の兆しがある中で本省よりその命を受け、家族と共に北京に移り住みました。 当時私は小学 3 年生。 北京語など全くわかりません。 もちろん日本人学校はまだなく、夏休みの時期を終えた頃に、中国人児童が通う現地小学校に編入する事になりました。 当時私は小学 3 年生。 北京語など全くわかりません。 もちろん日本人学校はまだなく、夏休みの時期を終えた頃に、中国人児童が通う現地小学校に編入する事になりました。

その学校は我が家が住む外交公寓(外国人用アパート)からほど近い場所にありました。2階建てのセメント塗りの質素ともいえる校舎。風が吹けば土煙が舞うでこぼこしたただの更地である校庭。日本には必ずある鉄棒や雲梯などの遊具、プールや体育館など施設はありません。校名が書かれた看板がなければ、何に使われているかわからないような建物でした。

学校側から指定された 8 月末のある日。 私は両親と、一緒に編入する浜口兄弟一家と共に学校を訪れました。 校門を入ると、左右に分かれて立ち並んでいた数十名の生徒たちが、カラフルな紙で作った花を振りかざしながら、「歓迎 (huan ying)! 歓迎!」と迎えてくれました。 驚きと恥ずかしさを感じながら校舎の玄関に向かうと、校長以下数名の教師が待っていました。

同行していた父の職場の通訳を介して簡単に挨拶を済ませたあと、案内されるままにとある教室前まで来ると、先ほどと同じように花を持った女子生徒たちが「歓迎! 歓迎!」と笑顔。教室の中には更に別の生徒たちが、ここでもまた大きな拍手で私たちを迎え入れてくれました。まるでレッドカーペットを歩くアカデミー俳優のようですが、その時は自分に何が起きてるのか理解できず、ただただ「歓迎! 歓迎!」の声と多くの拍手に圧倒されていました。

教室の正面に貼られた毛沢東主席の肖像画の下にある黒板には、赤や白のチョークで「熱烈歓迎日本小朋友」と大きく書かれており、用意された椅子に私たちは座らされました。 間もなく校長先生の挨拶が始まり、促されて父親達も必死に勉強したであろう北京語で挨拶。 そして私は覚えたてのハーモニカで「春の小川」を吹き、浜口兄弟は「手のひらを太陽に」を歌いました。 その後は中国人生徒による歌や踊り、武術の演武まで披露してくれました。 一足先に入学していた先輩格の日本人女子・稲田さんも歌を披露。 数日後に国交回復する友好ムードの中で行われた、文字通り熱烈な編入式でした。

翌日から通学が始まります。 朝、外交公寓の門前には私たちそれぞれの同学(級友)がなんと! 迎えに来てくれていました。 学校側の計らいだったのでしょう。 私には張山くんという同学が、その日以降雨の日も雪の日も毎日欠かさず迎えに来てくれ、下校時も必ず送り届けてくれました。 進級してもクラス替えがなかったので、張くんは卒業するまで毎日私を見守ってくれたのです。

授業はもちろん北京語です。 全くわかりません。 でも、新しい漢字を学んだり短い文章を覚えるために皆で声を出す時には、教師や学生が手振りで「声を出して」と教えてくれます。音楽の授業でもとにかく皆で一緒に歌いました(革命の歌ばかりでしたが)。 時には手の空いてる教師が私を別室に連れて行き、絵札などを使って北京語を教えてくれました。 休み時間になると同学たちはノートを指しては「本 (ben zi)」、教科書を持っては「課本 (ke ben)」。 少し慣れて来ると今度は私が「のおと」、「きょうかしょ」と日本語読みを教えたり …。 誰もが常に笑顔で接してくれ、私は嫌な思いひとつすることなく、学校生活に溶け込んでいきました。

日本では漢字の勉強を始めたばかりの年頃の私にとって、漢字ばかりの教科書は当然読めませんでしたが、その中に何度も出て来る「日本」の二文字に、私は赤ペンで線を引いていきました。純粋に嬉しかったのだと思います。 ただ、「日本」の後には必ず「鬼子」、「帝国主義」の文字が付いていました。 ある日、そんな私の教科書を見た担任教師がこう話し始めました。

「皆さん、教科書を置いて下さい。 … かつて我が国と日本は戦争をしていました。 良くない時代がありました。 でも今は、私たちの国は仲良くなりました。 そしてこのクラスには日本人同学もいます。 皆と一緒に勉強をして、一緒に遊んでいます。 これから両国はもっともっと仲良くなっていくでしょう。」

この日の出来事は、親と教師との間でやり取りされていた連絡ノートに書かれており、教師が言った内容を私は親から聞きました。 小学校低学年には戦争がどういうものなのかまだわかりませんでしたが、教師の言葉は、目の前に座っている生徒たちが、今後両国の懸け橋になるのを望んだ上での教えだったのでしょう。 どんなに温かくて優しかったか。 50 年を経た今でも、思い出すと胸が熱くなります。 (加山到・俳優、RecordChina = 4-16-23)

〈編者注〉 当時の日中関係を知る編者も、加山到氏と同様、中国への期待感・高揚感を抱いていたことを懐かしく思い出します。 中国も「文革」による混乱からようやく脱し、日本が中国に新しい風をもたらしてくれるであろうと、中国の人々にも期待を込めた願望があったのではないでしょうか。 ただその後の中国は、「天安門事件」など私たちの期待を裏切るような流れ、日本人が潜在的に持つ真の中国愛が薄れるばかりです。


「もはや日本は中国への敵意を隠さなくなった」 日中外相会談に対する中国メディアの言い分

約 3 年ぶりとなった日本の外務大臣の中国訪問。 今回の林外務大臣の訪中の主な目的について、日本メディアでは、中国が尖閣諸島を含む東シナ海など日本周辺で軍事活動を活発化させていることへの強い懸念の表明や、中国国内で拘束された日本の大手製薬会社の男性の早期解放を訴えることなどが報じられている。

一方、中国メディアは今回の林外務大臣の訪中をどのように報じているのだろうか。

日本は軍拡に走っている

「悪人の手先となって悪事を働かないことが日本の対中外交の前提となるべきだ。」 強い見出しともに今回の日中外相会談を振り返ったのは中国共産党の機関紙「環球時報(電子版)」だ。 悪人とは「米国」を指しており、記事では林大臣の出発前に日本が対中半導体規制の実施を表明したことを念頭に、「米国に協力して、中国の科学技術に圧力を加えたり、中国とのデカップリングを図ったり、これらは "悪人の手先となって悪事を働く" という行為を拡大したものである。」と強い論調で非難している。

また、先日中国国内で拘束された日本の大手製薬会社の男性については、「(男性は)中国でスパイ活動に従事していた疑いが強いために捉えられた」との認識を示したうえで、日本の世論に対して、次のように "反論" する。

「林芳正の今回の訪中において日本の世論が最も関心を寄せているのが、スパイ活動に従事していたと思われる、拘束された日本国民の一件にあることに注目すべきだ。 なかには『男を "救出" するのではないか』といった声もあれば、中国は『人質外交を展開している』などと攻撃するものもいる。」 「中日間の個別的な案件を拡大して、わざと大げさに言いふらし、事実を捻じ曲げる。 これは日本の世論の常套手段である。 日本の世論が狭い視野で物事を理解し、中日関係を説明することによって、多くの日本人の対中認識は袋小路に導かれている。」

さらに記事は、近年の日本の安全保障政策について、"軍拡に走っている" としたうえで、次のように釘を刺す。

「外交と軍事の面において、日本は中国への敵意をもはや隠すことも抑制することもしなくなった。」 「平和憲法の拘束から逃れたいという日本の衝動はますます強烈になっており、それに応じて行動の度合いもますます大きくなっている。 "中国脅威論" を唱えるだけでは、周辺国はおろか日本国民の疑念さえ打ち消すことはできない。」 「日本は軍拡と戦争準備のために、積極的に域外の力を取り入れており、そのことによって周辺地域の安全環境は著しく悪化している。 中国は日本の軍国主義の最大の被害者であり、日本には中国に対して(そうした行動をとる意味を)説明する義務がある。」 (Courrier = 4-4-23)

〈編者注〉 編者は、「環球時報」が自らの国について語っているのではないかと錯覚してしまいました。 編者が感じるくらいですから、中国人読者も同じように受け取っておられる人も少なくないのではないかと想像してしまいます。

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林外務大臣、今週末にも訪中で調整 秦剛外相と会談へ

林外務大臣は今週末にも中国を訪問し、秦剛外相と会談する方向で調整に入りました。 外務大臣の中国訪問は、およそ 3 年ぶりです。 政府関係者によりますと、林大臣は 4 月 1 日から 2 日間、訪問を調整しています。 会談では建設的で安定的な日中関係の構築に向け、対話を継続していく考えを確認するとみられます。 林大臣は、尖閣諸島を含む東シナ海の情勢やロシアと連携した日本周辺での軍事活動の活発化などに深刻な懸念を伝える考えです。 日本の大手製薬会社の男性が拘束されている問題にも触れ、早期解放を求めるとみられます。 (テレ朝 = 3-29-23)


半導体装置 23 品目規制 中国への輸出、先端品難しく

政府は 31 日、先端半導体の製造装置など 23 品目を輸出管理の規制対象に加えると発表した。 中国向けの輸出が難しくなる。 米国がスーパーコンピューターや人工知能 (AI) に使う先端半導体の製造装置などで中国向けの輸出を厳しく制限しており、日本も足並みをそろえる。 各国の産業競争力や安全保障を左右する半導体分野で世界の分断が深まってきた。 日本は外為法に基づき、武器など軍事向けに転用できる民生品の輸出を管理している。 政府は外為法の省令を改正し、23 品目を輸出管理の対象に追加する。 輸出に経済産業相の事前の許可が必要になる。

省令改正に向けて 31 日にパブリックコメントの募集を始めた。 改正は 5 月の公布、7 月の施行を予定する。 省令改正では中国など特定国・地域を規制対象として名指ししない。 西村康稔経産相は同日の閣議後の記者会見で「特定の国を念頭に置いたものではない」と話した。 ただ、追加される 23 品目は友好国など 42 カ国・地域向けを除いて個別許可が必要になり、中国などへの輸出は事実上難しくなる。

23 品目には極端紫外線 (EUV) 関連製品の製造装置や、記憶素子を立体的に積み上げるエッチング装置などが含まれる。 演算用のロジック半導体の性能では、回路線幅 10 - 14 ナノ(ナノは 10 億分の 1)メートル以下の先端品の製造に必要な装置だ。 東京エレクトロンや SCREEN ホールディングス、ニコンなど 10 社程度が影響を受けるとみられる。 西村氏は企業業績への打撃に関し「全体としての影響は限定的だ」と説明した。

米国が 2022 年 10 月に導入した規制は 14 - 16 ナノメートル以下のロジック半導体の製造などに必要な装置や技術を米商務省の許可制にした。 事実上、輸出を禁じることになった。 米国は半導体製造装置に強みをもつ日本とオランダにも同調するよう求めてきた。 日本は「独自措置(経産省幹部)」としつつも足並みをそろえる。 オランダのスフレイネマーヘル外国貿易・開発協力相は、半導体の輸出規制について「夏前にも輸出制限の対象を広げる」と話す。 オランダは既に EUV 露光装置の輸出を制限しており、最先端ではない深紫外線 (DUV) 露光装置の一部も輸出規制の対象に加える考えだ。

世界の半導体製造装置市場は首位の米アプライドマテリアルズ、2 位のオランダの ASML、3 位の東京エレクトロンなどが競り合う。 日本とオランダが米国と協調することで、先端半導体分野で民主主義陣営と中国との分断が鮮明になる。 日本が新たな規制を導入すれば中国が対抗措置をとるリスクがある。 中国は 22 年 12 月、世界貿易機関 (WTO) に対し、米国の先端半導体を巡る対中輸出規制が不当だと提訴した。 (nikkei = 3-31-23)


中国、日本アニメの海賊版摘発 初ケース、サイトは閉鎖

中国江蘇省の公安当局が、現地に拠点を置く日本向けアニメでは最大級の海賊版サイトの運営者を摘発、サイトが閉鎖されていたことが 28 日分かった。 日本の団体が刑事告発し、中国で海賊版サイトが摘発されるのは初めてのケースという。 日本のアニメ会社などが加盟するコンテンツ海外流通促進機構(CODA、東京都)によると、海賊版サイトは「B9GOOD」。 2008 年から別の名前で運営され、21 年 3 月から今年 2 月までの約 2 年間でのアクセス数は 3 億回超。 CODA は摘発を「大変画期的なこと」としている。

CODA によると、中国江蘇省の公安当局は 2 月 14 日、サイトの運営に関わったとみられる重慶市在住の男 (33) の身柄を拘束し、取り調べ(今月 19 日に保釈)。 男は日本円で 1 億 2 千万 - 1 億 4 千万円の利益を上げていたとみられるという。 その後、報酬を受け取ってアップロードに関わったなどとして中国国内に住む 30 代の男女 3 人も摘発した。 サイトは今月 27 日に閉鎖された。 B9GOOD へのアクセスは日本からが約 95% を占めていた。 (kyodo = 3-28-23)


南京市でまた和服女性が写真撮影、中国ネット「もはやわざととしか」

3 月 21 日、煙台日報傘下の水母網は、江蘇省南京市の花見スポットで市民が「和服姿の女性が写真撮影をしている」と行政ホットラインに通報する騒ぎがあったと報じた。

報道によると、南京市にある古鶏鳴寺の門前で 20 日、満開になった桜の木の下で和服のような衣装を身につけた女性が踏み台に乗って写真撮影をしていたところ、通りかかった男性観光客が警備員に報告するとともに、行政ホットライン「12345 番」に通報したと紹介。 現場の様子を撮影した動画を公開した上で、この撮影者が「和服姿の女性がポーズをとっていた。 和服を着て南京で遊ぶ行為は、歴史に対するリスペクトが足りず、風紀を乱すと思う。」と語ったことを伝えた。

この件について、中国のネットユーザーは「どうして南京でばかりこういうことが起きるんだろうか」、「別の所ならともかく、わざわざ南京でやるのはわざととしか思えない」、「この女性が日本文化を好きなのは別に構わないし、自分も日本のアニメは見るけど …」、「これは文句を言うだけじゃなくて、当事者を処罰すべき」、「もう、南京では和服を禁止するルールをつくるべきだ」といった感想を残している。 (川尻、RecordChina = 3-21-23)

〈編者注〉 中国人が満開の桜の下で着物を着て写真に納まることに、異論が挟まれるのか編者にはどうしても理解できません。 勿論、着物のルーツは中国ですし、その長い歴史は、明の滅亡と共に無くなってしまいました。 事実、中国人が愛する、奈良や京都への旅行! 中国人であれば、唐や明の原風景を探し求められる貴重なところなのです。 そう、日本人に負けないほど、着物への憧れは、先人たちへの敬意を含む気持ちが込められていると感じています。


中国ブランド小型 EV 福島で生産へ 月額 9,800 円「大熊 Car」とは?

中国 EV の日本市場での需要は?

記事コピー (3-14-23)


中国「日本は歴史の行為反省を」 外務省報道官が会見

【北京】 中国外務省の毛寧副報道局長は 6 日の記者会見で、日本の政治家が中国新疆ウイグル自治区や香港の人権状況を問題視していることへのコメントを求められ「日本は人権を語る前に自国の歴史上の犯罪行為を深く反省し、慰安婦や強制労働など残された歴史問題を解決すべきだ」と述べた。 毛氏は「かつて日本は軍国主義に足を踏み入れ、侵略戦争を起こし、人道に対する深刻な罪を犯した。 地域や世界に災難をもたらした。」と批判した。 新疆や香港に関することは「中国の内政であり、外国に干渉する権利はない」とも強調した。 (kyodo = 3-6-23)

〈編者注〉 「天安門事件の犠牲者数すら公表できない中国共産党が何をいまさら」と言いたくなってしまいます。 もともと、日本軍の相手は、軍閥政権や国民党であり、共産党ではありません。 むしろ、今回も後ろに政治的意図があると考えてもいいでしょう。 おそらく、「中国人旅行客の日本行き解禁」ではないでしょうか? 「『自由で安全な日本』をより多くの中国人にできるだけ知って欲しくない」との本音が見え隠れします。


日本の刑務所の様子に中国ネット民衝撃 = 「まるで高級ホテル」、「どうりで日本では …」

日本の法務省がこのほど公開した刑務所内の写真が、中国のネットユーザーらに衝撃を与えているようだ。  フェニックステレビ(鳳凰衛視)東京駐在記者・李●(リー・ミャオ、●は水 3 つ)氏は 1 日、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)の自身のアカウントで日本で受刑者が過ごす部屋の写真を紹介した。 写真は法務省がウェブサイト上で公開した「刑務所バーチャルツアー」のもので、和室(集団室)、洋室(単独室)、和室(単独室)の 3 タイプ。 和室には布団、洋室にはベッドが置かれており、いずれの部屋にも本棚や薄型テレビが設置されている。 便器はむき出しだがプライバシーを守るための立て板も置かれており、全体的に明るく、清潔感のある様子が分かる。

この様子に、中国のネットユーザーからは「めちゃめちゃ清潔だ」、「中国の大学の 16 人部屋よりもずっと良い」、「これはバカンスを過ごす場所か?」、「こんな環境で刑務所と呼べるのか? まるで高級ホテルだよ。」、「これにスマホと Wi-Fi があれば、もう出たくなくなるだろう」といった声が上がった。 また、「これでは犯罪を奨励しているようなもの」、「どうりで日本では万引きで捕まる高齢者が多いわけだ。 1 LDK の賃貸よりよっぽど環境がいいし、ご飯も付いてくるんだから」、「年を取ったら日本の刑務所に行くよ」といったコメントも書き込まれている。 (北田、RecordChina = 3-6-23)


日本での生活は台湾より幸せ? 台湾ネット民が議論繰り広げる - 台湾メディア

2023 年 2 月 25 日、台湾 TVBS は、「日本での暮らしは台湾よりいいか」についての議論が台湾のネット上で繰り広げられたことを報じた。

記事は現在の台湾が低賃金、高物価という問題を抱えており、多くの住民が台湾のことを「鬼島」と自嘲していると紹介。 そんな中、台湾の著名ネット掲示板 PTT にユーザーが「みんな台湾のことを『鬼島』と言うが、それじゃあ一体どこに移住すればいいかな」と疑問を提起するとともに、台湾を出て日本に行く人が多いとした上で「日本に住むのは台湾で暮らすより良いだろうか。 衣食住を含めた生活水準、不動産の事情など生活レベルについて、本当に日本に移住した台湾人に教えてもらいたい」と書き込んだことを伝えた。

そして、この書き込みに対してすぐさま他のユーザーが反応し「道路を横断する時がとても安全」、「日本はスーパマーケットの商品が安い」、「空気と交通、インフラだけをとっても数段上」、「われわれが日本に行きたくなるのも当たり前。 だって差があまりにも大きいから。」、「日本で暮らした方がはるかに快適」といった感想を残していることを伝えた。

一方で、一部のユーザーからは「日本は旅するには適しているが、日本で暮らすのはお断りだ」、「遊ぶのには良いけれど、社会的ストレスがとても大きい」、「排外的だし、仕事のストレスも大きい」、「日本のビジネスが持つ独特の雰囲気が耐えられない」といった感想を残しているとした。 さらに「排外的だったり仕事のストレスが大きかったりという部分は、運の影響も受けている。 仕事のストレスは台北とあまり変わらないし、排外的になるのは相手の日本人の警戒心が大きい場合のこと。 自分はラッキーなことにとてもいい同僚と友達になれた。」と語るユーザーも見られたことを紹介した。 (川尻、RecordChina = 3-1-23)

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日本旅行はなぜこれほど安いのか - 台湾ネット

2023 年 2 月 10 日、台湾のヤフーニュースに、「どうして日本旅行はこんなに安いのか」という議論が台湾のネット掲示板で繰り広げられたことを紹介する記事が掲載された。

記事は、台湾のネット掲示板 PTT でこのほど「日本は開発レベルが高く、国民所得も消費水準も高く、道理からいえば欧米諸国同様に物価が非常に高いはずなのに、日本を旅行すると、思った以上にモノの値段が安い。 宿泊では 2,000 台湾ドル(約 8,000 円)前後で良いホテルに泊まれ、5,000 台湾ドル(約 2 万 1,000 円)もあれば豪華なホテルに泊まれる。 レストランの値段も台湾に比べて高いわけでもなく、街頭のスナックフードも台湾の夜市の値段と大差ない。 どうしてこんなに安く日本を旅行できるのだろうか。」というスレッドが立ったことを紹介した。

その上で、他のネットユーザーから「日本はホテルが多くて競争が激しいから安い」、「日本円の価値が大きく下がったからそう感じるのだ」、「十数年前のレートだとちっとも安くない」といった意見が寄せられたと伝えた。 また、「交通費が割と高い」、「高いのは交通費。 特に電車代が高い。」、「日本は交通費が本当に高い」などと指摘する声や、「日本は生活コストが高い」など旅行では感じられない部分で値段が高いものが多いとするユーザーも見られたことを紹介した。 (川尻、RecordChina = 2-13-23)


尖閣、台湾めぐって暴言 日中外相電話会談で中国・秦外相「歴史や台湾の問題で言動を慎め」
石平氏「言語道断、林氏は即座に言い返さねば」

林芳正外相は 2 日、中国の秦剛外相と電話会談した。 秦氏が昨年末に外相に就任して以降、初の会談となった。 両者は、建設的かつ安定的な関係構築のため連携することで一致したが、沖縄県・尖閣諸島や、歴史、台湾、東京電力福島第 1 原発の「処理水」の海洋放出などをめぐっては、秦氏から看過できない暴言が飛び出した。

「『建設的かつ安定的な関係』の構築という大きな方向性の実現のため連携していきたい。(林氏)」
「中国と日本は一衣帯水の隣国だ。 新しい時代に合う関係を築くことに共に力を尽くしたい。(秦氏)」

両外相は初会談で、こう発言したという。 日中の外務省がそれぞれ発表した。 双方が関係改善に意欲を示したといえそうだが、中国はこれで終わらない。 秦氏は、尖閣諸島について、日本側に「右翼勢力の挑発を制止する」ことを要求してきた。 さらに、「歴史や台湾の問題で言動を慎む」よう求めた。 福島第 1 原発の放射性物質トリチウムを含む「処理水」の海洋放出についても、「日本側が排出を一方的に決めたことに、中国と国際社会は重大な関心を寄せている」などと語ったという。

尖閣諸島は、歴史的にも国際法上も日本固有の領土である。 自由主義国では「言論の自由」が保障されており、歴史や台湾について自由な言論が認められている。 「処理水」の海洋放出計画についても、国際原子力機関 (IAEA) は「国際的な安全基準に沿って適切に行われている」と評価している。 林氏も、中国の軍事的活動の活発化や、香港や新疆ウイグル自治区などの問題にも言及したようだが、秦氏の発言は「事実上の内政干渉」、「大きなお世話」というしかない。

評論家の石平氏は「秦氏の発言は、日本の主権に対する言語道断の暴言といえる。 林氏は即座に『指図を受けるつもりはない』と言い返さなければならない。 そもそも、中国海警局船が 1 月 30 日、尖閣周辺で領海侵入した。このタイミングで日本が会談に応じたこと自体があり得ない。 これでは対外的に『日本側が領海侵入を認めた』ように受け取られる。 こんなときに『建設的な関係』を呼び掛けるとは弱腰外交だ。」と語っている。 (ZakZak = 2-3-23)


日本の半導体「ドリームチーム」は成功するか - 中国メディア

2023 年 1 月 31 日、中国のポータルサイト・百度(バイドゥ)に、「日本の半導体ドリームチームは、TSMC に挑戦できるのか」と題した文章が掲載された。 文章は、日本で昨年 8 月にソニー、トヨタ、NTT、NEC、デンソー、ソフトバンク、キオクシア、三菱 UFJ 銀行の 8 社が出資して半導体の新会社ラピダスを設立、2025 - 30 年の間に最先端の 2 ナノプロセスもしくはさらに先進的な半導体の量産を目指す目標を示したと紹介。 日本政府も 700 億円の補助を出すことから、日本の半導体産業における「ドリームチーム」だと称した。

また、「ドリームチーム」を結成した日本の半導体産業が 1970 年代 - 80 年代に持っていた高い競争力、世界シェアを取り戻すという「夢」を持っているとし、高度成長の波に乗って大きく発展するも、80 年代後半より米国による圧力を受けて競争力を奪われて衰退していき、米国、韓国、そして台湾といった勢力が世界の先進半導体分野をリードするようになっていった経緯を伝えた。

その上で、大きな「夢」を持っている日本の半導体産業が、現在世界の頂点に立つ台湾の TSMC に挑戦することができるのかについて考察。 「挑戦というよりも、追いかけると言うべき」とした上で、「総じて見れば、ラピダスに全く優位な部分がないというわけではない」と指摘。 生産の面では世界をリードする日本の半導体設備、材料会社や欧米企業のサポートを受けることができ、ラピダスがサポートを受けながら 2 ナノプロセス半導体生産の実現に邁進できる可能性があるとの見方を示した。

また、日本が科学技術発展史において「挙国体制」で臨むのは今回では初めてではなく、これまでにも新技術開発に当たりリソースを集中させ、長期的かつ野心的で明確な目標を実現するためのプロジェクトで日本政府と技術界が強力なタッグを組んできたと紹介。 2001 年度から 10 年度にわたって行われた 65 ナノプロセス半導体設計開発の「ASUKA プロジェクト」、45 ナノプロセス技術開発の「MIRAI プロジェクト」を例に挙げた。

その一方で「欠点も明らかだ」とし、ラピダスにとって最大の問題は深刻な資金不足であり、2 ナノプロセス技術の確立には 2 兆円、量産体制確立にはさらに 3 兆円が必要だと指摘。 また、製造技術のブラッシュアップは決して一朝一夕で成し遂げられるものではなく、相応の時間がかかるとした。

文章はラピダスの社名について、「速い」という意味があり、そこには日本が半導体業界のトップグループにいち早く返り咲きたいという願望が含まれているとした上で、「ラピダスはTSMC に大きな脅威をもたらすとは言い難い。 しかし、短期的に見れば必然的に追撃者のポジションに入るだろう。」と評した。 (川尻、RecordChina = 2-2-23)

参照記事 (12-13-22)