NTT、次世代通信「IOWN」を商用化へ タイムラグを大幅削減

NTT は 2 日、次世代通信基盤「IOWN (アイオン)」の初の商用サービスを 16 日から提供すると発表した。 通信のタイムラグを大幅に抑えられるのが特徴で、従来の光通信に比べて 200 分の 1 の「低遅延」を実現できる。 主に法人向けとなり、自動運転などへの活用も期待されている。 IOWN は NTT が 2019 年に提唱した構想で、発信元から受信先まで、すべての通信を光信号でやりとりするものだ。 一般的な家庭にも普及している光通信は、光ファイバーを使った光信号で通信するが、通信の途中で電気信号と光信号を変換する処理が必要で、その際に遅延が生じる。 IOWN では信号変換がないため、遅延を大幅に減らすことができる。

今回のサービスの特徴である「低遅延」をいかせる事例としては、車の自動運転やロボットの遠隔操作、離れた場所をつないだ e スポーツなどがある。 実証実験で IOWN を使って、手術支援ロボットを遠隔操作した医師は、違和感なく手術できたという。 サービスを利用するには専用の端末などが必要で、NTT 東日本と NTT 西日本が販売する。 すでに引き合いがある一方、具体的な販売目標などを NTT は明らかにしていない。

IOWN では低遅延のほか、従来の光通信に比べ、電力効率 100 倍の低消費電力、伝送容量 125 倍の大容量も目標に掲げている。 今後は、個別の端末や通信設備の開発を通じて目標の実現をめざす。 2030 年以降に構想の全体を実用化したい考えだ。 IOWNをめぐっては、国内外の大手企業も参加し、仕様などを検討する国際団体も立ち上がっている。 NTT の川添雄彦副社長はこの日の記者会見で、国際団体に新たに KDDI が加入したことを明らかにした。 川添氏は「現時点で KDDI さんと一緒に具体的な装置を作るなどの話はしていない」としつつ、IOWN の普及に向けて連携する方針を示した。 (鈴木康朗、asahi = 3-2-23)


スキーしていただけなのに … 相次ぐ "誤検出"

スマホ、高齢者にも浸透

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ひき逃げ被害者のスマホ、衝突のはずみで車の屋根に … 位置情報たどり男逮捕

軽乗用車を運転中に女性をはね、逃走したとして、香川県警高松北署は 6 日、自称アルバイト店員の男 (54、佐賀市) を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致傷)と道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕した。 被害者のスマートフォンが衝突の弾みで車の屋根に載った状態になり、位置情報をたどれたことが決め手になったという。

発表では、男は 5 日午後 10 時半頃、高松市木太町の県道で、横断歩道を歩いて渡っていた近くの専門学校生の女性 (18) をはね、左足に軽傷を負わせて逃げた疑い。 女性のスマホがなくなっていたため、現場にいた知人が位置情報を共有するアプリで捜したところ、移動していたことが判明。 高松北署員が追跡し、約 50 分後、高松市内で女性のスマホが屋根に載った軽乗用車を発見した。 運転席にいた男は当初、容疑を否認したが、署員がスマホが載っていることを伝えると、「間違いありません」と認めたという。 男は県内の実家に帰省中だった。 (yomiuri = 1-6-23)


まずはスマホの「正しい持ち方」から! 60 代以上の親にスマホ操作を伝える際の基本ポイント

スマホ、高齢者にも浸透

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通信障害時の「フルローミング」方針固まる KDDI 障害受け総務省

総務省は 20 日、通信障害の際、利用者が契約先とは別の会社の通信網を使えるようにする「ローミング」の導入に向けた報告書をまとめた。 110 番などの緊急通報だけではなく、一般通話やデータ通信も含めた「フルローミング」の早期導入をめざす方向性が固まった。 緊急通報では、通報者が電話を切った後でも警察などからかけ直しができる「呼び返し」機能が法令で義務付けられているが、今回導入をめざすフルローミングではこの呼び返しも可能にする方針。 実施するエリアについては、都道府県や市区町村など一定の区域の単位ごとに発動の判断をするという。

フルローミングにすることで通信網に大きな負荷がかかるが、実際の運用は各事業者の設備がパンクしない範囲で行う見通し。 設備の改修など事業者にも負担がかかるが、NTT ドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの携帯大手 4 社は賛同意見を明らかにしている。 KDDI が 7 月に起こした過去最大規模の通信障害では、約 61 時間にわたって音声通話やデータ通信が利用しづらくなったほか、影響は物流や銀行の ATM など幅広いサービスに及んだ。 フルローミングにすることで、こうしたサービスが継続できるように取り組む。

一方、KDDI のケースのように通信網の中枢部分に障害が起きた場合はフルローミングが難しいケースもある。 その場合、呼び返し機能のない「緊急通報の発信のみ」のローミングができないかを引き続き検討する。 公衆 WiFi や衛星通信など、ローミング以外の通信手段の推進にも取り組むとした。 今後、報告書をまとめた同省の有識者会議に作業班を設置し、技術面や費用面などの具体的な課題を検討する。 来年 6 月ごろに第 2 次報告書を取りまとめる予定という。 (中島嘉克、鈴木康朗、asahi = 12-20-22)


5G 普及で「スマホ消滅」も 村田製作所社長が市況転換予想

電子部品大手の村田製作所の中島規巨社長 (61) は 13 日までに共同通信のインタビューに応じ、第 5 世代 (5G) 移動通信システム普及を背景に「スマートフォンがなくなる」と述べ、人々の身近にある通信端末が別の機器に置き換わる可能性を指摘した。 クラウド上でのデータ処理が一段と広がり通信端末に従来の高い処理能力が不要になるという。 5G を活用したクラウドは遅延が小さく、スマホで撮った写真を直ちにクラウド上に保存できることを例に「(端末が)スマートである必要はない」と説明。 クラウドに接続するための通信機と電池が付いた単純構造のウエアラブル機器などが台頭すると予想した。 (kyodo = 12-13-22)


スマホは iPhone派? Android派? 10 - 20 代では約 7 割が iPhone ユーザーに モバ研調べ

NTT ドコモモバイル社会研究所では、iPhone ユーザーと Android スマホユーザーの特徴について調査を実施した。 (Web 担当者 Forum = 12-6-22)

10 - 20 代の約 7 割が iPhone ユーザーに

まず、性別・年代別に iPhone/Android スマホ比率を調べ、2015 年調査と比較すると、全体的に若い世代の iPhone 比率が高まっていることが分かった。 10 代では 66.8%、20 代では 70.3% が iPhone を使用している。 一方で、70 代では 70.6% が Android スマホユーザーであった。 男女別でみると、2015 年調査では女性の iPhone ユーザーの割合が男性よりも 13.7 ポイント高かったが、今回の調査では 5.5 ポイントに縮まった。

iPhone ユーザーの過半数が「7 年以上前からスマホを所持」

初めてスマートフォンを持ってからの期間を調べると、iPhone ユーザーは Android ユーザーよりも長く、過半数が「7年以上前から持っている」という結果となった。 「スマートフォンを 7 年以上前から持っている」と回答した割合を年代別で調べると、全ての年代において iPhone ユーザーが Android ユーザーを上回っており、特に 60 - 70 代においてその差が顕著であった。

操作の習得方法や各種サービスの利用状況にも違いあり

初めてスマートフォンを持った際の操作習得方法を年代ごとに調べると、iPhone ユーザーは、知人・友人や子どもに使い方を教えてもらったり、インターネットで調べたりして操作を習得する割合が高かった。 一方で、Android スマホユーザーは取扱い説明書を読んだり、手探りで習得したりする割合が高い結果となった。

次に、SNS やネットショッピング等の ICT サービス(11 種類)の利用状況を年代ごとに調べると、40 代以上の iPhone ユーザーは Android スマホユーザーよりも様々な ICT サービスの利用が全体的に高く、特に 70 代のシニア層においてその傾向が強かった。 一方、10 代の iPhone ユーザーではナビゲーションサービスやゲーム、30 代では SNS の利用が多く、使うサービスに偏りがあった。

iPhone ユーザーは Android ユーザーよりもスマホへの愛着強め?

iPhone ユーザーは Android スマホユーザーと比べ、「毎月の費用が高い」と感じているものの、「見栄え」や「新製品の情報への興味」等の全ての項目において、年代を問わず愛着を持たれていることが分かった。

調査概要
【調査方法】 Web
【調査対象】 全国・15 - 79 歳男女
【有効回答数】 7,050(集計対象の iPhone/Android スマホのユーザーは 5,542) * シニア向けスマートフォンを含まず
【調査時期】 2022 年 1 月


1 円スマホの競争過熱、規制強化を携帯各社自ら提案 国の有識者会議

スマートフォンが極端に値引きされて 1 円などで売られる「1 円スマホ」について、携帯大手 4 社は 29 日、規制強化を求める考えを明らかにした。 スマホ購入と回線契約がセットの場合は割引規制があるが、スマホ購入だけの場合には規制がない。 各社の端末の割引競争が過熱して転売も助長しており、法規制を視野に入れた新たなルールづくりを求めたかたちだ。

この日開かれた、総務省の有識者会議「競争ルールの検証に関するワーキンググループ」で示した。 スマホ販売の割引規制は 2019 年の法改正で、回線契約とセットの場合の割引上限を税込み 2 万 2 千円とした。 回線とセットでスマホを購入する人に大幅な割引が行われたため、スマホだけ購入する人との不公平感をなくそうとした。 しかし、スマホ端末の割引には制限がなく、法改正後も自由にできた。 例えばスマホの代金が 4 万 8 千円の場合、回線契約の有無にかかわらず、2 万 5,999 円を値引きしておけば、端末の代金は 2 万 2,001 円となる。 そのうえで、回線契約とセットで購入する人に対して、値引き上限である 2 万 2 千円を適用すれば、合法的に「1 円」で売ることができる。

このため法改正後も携帯大手各社の激しい割引競争は続いている。 回線契約を増やすために携帯大手の 1 社が「1 円」販売を始めれば、他社も対抗せざるをえない構図が続いていた。 結果として、端末を大幅な割引で買って転売する「転売ヤー」問題も指摘されている。 日本で購入した端末を海外で売った場合の利益幅が円安進行で大きくなり、転売を助長している。 これらの割引の原資は、端末を頻繁に買い替えない人も含めた利用者が支払う通信料だ。

この日の会合では、携帯大手 4 社はいずれも、スマホ販売ルールの見直しに向けた考え方として、制限がない端末の割引が「過度の競争を生んでいる」などとして、新たな規制を設けることを提案した。 NTT ドコモとソフトバンクは、中古価格を参考に端末の割引上限を設定する案を示した。 KDDI は、割引上限について機種変更時の価格などを基準とすることを提案。 楽天モバイルは、回線契約とセットの有無にかかわらずに割引上限を設けるべきだとした。 (asahi = 11-29-22)


「スマホで切符が買えるアプリ」 "8 割が無人駅" の JR 四国が新たなサービス導入
交通系 IC カードなく背景には厳しい経営状況も

JR 四国で新たな切符の販売サービスが始まりました。 「スマートフォンで切符が買える」ことがポイントの新たなサービス、導入した背景には JR 四国の厳しい経営状況もあります。 JR 高松駅の切符売り場です。 JR 四国には独自の IC カードを使ったチケットレスサービスはなく、四国管内の列車に乗るほとんどの利用者は紙の切符を買うしかありませんでした。

「これで一回だけなんで、都会にいったときは Suica 使った方が便利で、Suica とりいれてやってました。(利用者)」
「ことでんではカードがつかえるんですけど、JR は使えないのでちょっと弱るなって思います。(利用者)」

利用者のサービス向上のために、JR 四国は今日から新たなサービスを始めました。

「こちらが JR 四国できょう(28 日)からサービスが始まった新たなチケットアプリ『しこくスマートえきちゃん』です。 この画面を駅員に見せるとそのまま列車に乗ることができます。(リポート 古川豪太)」

JR 四国にとって初めてのチケットアプリ「しこくスマートえきちゃん」です。 スマートフォンで観光フリー切符や特急の自由席など一部の切符を緑の窓口などに並ばず 1 割ほど安く購入できます。 クレジットカード決済となっていて紙の切符の発券も不要です。 ただ、他の JR 各社のように IC カードにしなかった理由があります。

「すべての駅に IC 改札を置いていくとかなりのコストがかかりますので、それをせずしてできるだけ利便性だけをあげたいというのが、このアプリの一つの目的。(JR 四国鉄道事業本部 山内條生部長)」

赤字が続いている JR 四国。 IC カード用の改札を設置するには数百万から 1 千万円以上かかるといいます。 さらに、JR 四国管内の 259 の駅のうち、210 が無人駅、その7割ほどでは切符を買うこともできません。 経費を抑えながら、利便性を向上させる。来年春からは日常利用するほとんどの切符をアプリで買うことができるようにする計画です。

「スマホの中で切符が買えれば、客は無人駅で買わなくてもいいんじゃないかと、これを有効に活用いただいてお得に便利に JR 四国をつかっていただければ。(JR 四国鉄道事業本部 山内條生部長)」

新たにはじまったサービス、「しこくスマートえきちゃん」。 利用者を増やすためにサービス向上が求められている JR 四国が踏み出した新たな一歩です。 (RSK 山陽放送 = 11-28-22)


生き埋めの人のスマホを探知 早期救助へドローン活用

ソフトバンクは 25 日、災害で土砂やがれきに生き埋めになった人のスマートフォンの電波をドローンで探知し、位置を特定する技術を公開した。 連続 100 時間以上飛行し、最大 5 メートルまでの深さに埋まったスマホを探し出せるという。 将来、各地の消防署などに導入して被害者の早期救助に役立てたい考えだ。 ドローンに搭載したアンテナでスマホの電波を捉える。 地上の電源とつながった補助ドローンを飛ばし、上空で捜索用ドローンにケーブルで電力を供給。 千葉県内で公開した試験では、4 メートルの深さの土砂に埋めたスマホの電波を捉えた。 現状ではソフトバンク以外のスマホの位置は特定できない。 (kyodo = 11-25-22)


腰への負担、数値で知るアプリ 痛み予防にと宮崎大教授らが開発

仕事で重い物を運んだり、立ったりかがんだりしている時、腰にどのぐらい負担がかかっているのか。 数値で知ることができるスマートフォン用のアプリができた。 腰痛予防に役立ててもらうために宮崎大学工学部の田村宏樹教授(ソフトコンピューティング)らが開発し、無料体験版の公開を始めた。 腰部負担推定アプリ「よーぶくん」は、事前に体重、身長を入力して使用する。 胸ポケットにスマホを入れておくと、センサーで腰や大腿(だいたい)部の角度や振動を瞬時に感知・計測し、腰部への負担を推定して数値にする。

数値は、17 キロのものを持ち上げる動作でかかる負担を基準の 3,400 スコアとしている。 スコアが基準値を超えるとブザーや音声で腰痛の危険性を知らせ、体位や荷物の持ち方を変えるように警告する仕組みだ。 1 週間単位の負担をグラフで示すこともできる。 開発のきっかけは農業関係者からの相談だった。 農業が若者らに敬遠されないよう、「重労働でないことをなんとかデータで示せないか」というのだ。

2015 年から 6 年かけて実用化した。 アプリの数値が上がらないように体を動かせば、結果的に腰に負担がかからない作業になる。 医療、介護などの現場での活用も期待できる。 無料体験版はアップストアで公開。 幅広く使ってもらい、改良点を把握して 1 年後に完成版を仕上げたいという。 そのうえで、宮崎大学発のベンチャー企業を立ち上げ、本格的な販売と収益化を狙う。 腰ポケットに入れたり、首からぶら下げたりしても使えるようにする予定で、田村教授は「将来はアップルウォッチなどの腕時計型端末にもアプリを入れ、血圧、心拍数なども組み合わせられるようにしていきたい」と話している。 (石川雅彦、asahi = 10-22-22)


オムロン、血圧データをスマホに Bluetooth 転送できる手首式血圧計「HEM-6231T2」

オムロン ヘルスケアは、測定した血圧データを Bluetooth 経由でスマートフォンに転送し、健康管理アプリ「OMRON connect」を使って管理できる「オムロン 手首式血圧計 HEM-6231T2」を発表。 11 月 1 日より発売する。 具体的には、血圧測定が終了すると、Bluetooth 通信によって、測定データが「OMRON connect」に転送。 転送された血圧データは、週および月単位のグラフや血圧平均値として表示される。 また、「OMRON connect」内にある「かんたん血圧日記」では、服薬や運動、飲酒などの行動メモと血圧値を一緒に管理できる。

このほか、「オムロン 手首式血圧計 HEM-6231T2」では、正しい位置で測定できるように知らせる「測定姿勢ガイド」機能を搭載。 加えて、カフが正しく巻けているかを確認できる「カフぴったり巻きチェック」で測定をサポートする。 主な仕様は、血圧測定範囲は、最高血圧が 60 - 260mmHg、最低血圧が 40 - 215mmHg。 測定精度は、圧力が ±3mmHg 以内、脈拍数が読み取り数値の ±5% 以内。 対象手首周は、13.5 - 21.5cm。 電源は、単4形アルカリ乾電池 x 2 を使用する。 本体サイズは 91 (幅) x 63.4 (高さ) x 13.4 (奥行)mm(カフ含まず)、重量は約 90g (電池含まず)。 (価格.com = 10-18-22)


3 メガなど 20 行 10 万円以下の送金手数料ゼロに ペイペイに挑む

3 メガバンクやりそな銀行、横浜銀行など計 20 行の口座間の 10 万円以下の送金手数料が無料になるサービス「ことら」が 11 日、始まった。 スマートフォンを通じた個人送金の仕組みで、携帯電話番号だけで送金できる。 スマホ決済が急速に広がる中、顧客をつなぎとめる狙いがあるが、どれほど普及するかは不透明な面もある。 送金には、各行が加盟する「バンクペイ」や「ウォレットプラス」など八つの決済アプリのいずれかをスマホなどにダウンロードし、ことらの設定をする必要がある。 ダウンロードは無料だ。 送り先の口座番号で送金できるほか、相手がダウンロードしたアプリに携帯電話番号を登録していれば、電話番号の入力だけでも送金できる。

20 行ではことらを通じた 10 万円以下の送金であれば、1 回あたり数百円かかることもあった手数料は無料になる。 例えば、横浜銀の「はま Pay」から、バンクペイ上の三菱 UFJ 銀行の口座宛てに無料で送金できる。 ただし、法人口座には使えない。 異なる銀行を使う人同士の割り勘や、家族間の仕送りなどでの利用を想定している。 導入の背景には、金融機関側の危機感がある。 近年、「ペイペイ」や「LINE ペイ」などスマホ決済が急速に普及。 送金に手数料がかかる銀行間ではなく、こうしたスマホ決済のサービスを選ぶ人も増えている。

ことらの川越洋社長は 11 日の発表イベントで「銀行振り込みはこれまでお世辞にも簡単と言えなかった。 これで新たな場面で使えるようになる。」と話した。 銀行にとっては、ことらで新たな顧客との接点が得られたり、キャッシュレス化で窓口や ATM での現金管理コストを抑えられたりといった効果も見込める。 ある参加行は「長期でみれば参加した方が良いのではないか」と話す。

ただ、ことらが普及するかは、参加する金融機関や決済業者の数や姿勢にかかっている。 ことらの利用が広がれば、銀行側は送金の手数料収入が減ることになる。 超低金利が続いて銀行の経営環境が厳しいなか、ことらへの参加は収益上マイナスになりうる。 参加行の中からは「本音を言えば、ことらに人員やコストを費やす余裕はない」との声も漏れる。 千葉銀や京都銀など地銀を中心にほか数十行もすでに参加を決めているが、今後加わる銀行については送金手数料は各行の判断にゆだねられ、無料にならない可能性もある。

大きな狙いの一つだったペイペイや LINE ペイなどスマホ決済業者の参加も、現時点ではない。 「ことらの輪が大きくなれば、スマホ決済業者も無視できないはず。(参加行)」と期待するが、スマホ決済業者は、傘下のサービス間でお金をやりとりしてもらえるように利用者を囲い込む戦略をとっていることが多く、ことらに参加するかどうかは見通せない。 あるスマホ決済業者は「個人間、少額の送金という現状の仕様だと、利用できる場面が非常に限定的だ」とし、参加については様子見の構えだ。

野村総合研究所の木内登英氏は「ことらは手数料減など銀行の負担もあるが、何もしなければスマホ決済業者などにビジネスを奪われてしまう。 スマホ決済業者が加われば、個人間決済の中核を担うようなシステムに育つ可能性もある」と指摘する。 (小出大貴、高橋諒子、asahi = 10-12-22)


基地局からの電波で AirTag などに給電 ソフトバンクが実験に成功、世界初

携帯基地局のリソースを活用して、IoT デバイスなどに無線給電 (WPT) を行うシステムの開発と実験に、ソフトバンクらが成功した。 「AirTag」や「Tile」などのトラッキングデバイスや、センサーなどの IoT デバイスに屋外で給電する用途を想定している。 ソフトバンク、京都大学、金沢工業大学が 10 月 7 日、共同研究の成果として発表した。

実験では、5G で使われるミリ波の設備を使い、同一周波数内に通信と WPT 機能を乗せた。 通信用のベースバンド装置、アンテナなどをそのまま利用しており、現状のミリ波通信の装置で WPT が行えるのが特徴。 通信と WPT の分離には、時分割多重のほか、アンテナの出力方向を動的に変えるビームフォーミング技術も使い、動的に比率を調整できる。 「特に都心部では、夜間になると基地局の利用率が下がる。 使われていない時間に、WPT 機能で街中に配置されているセンサーを駆動させられる。(ソフトバンク)」

これまで屋内向けの WPT 機器の開発は各社が進めてきたが、無線 LAN などに使われる ISM バンドを主に利用するため電波干渉が課題となっていた。 ソフトバンクの取り組みでは、通信用に割り当てられたミリ波を利用するため干渉を調整する必要がない。 次世代通信規格となる Beyond 5G および 6G の拡張機能としての実用化を目指す。 時期は 2030 年を想定し、国際標準規格化もにらみ 3GPP や ITU-R への働きかけも検討する。

現時点の給電能力は 10mW以下で、IoT デバイスをターゲットとしており、30 年時点ではスマートフォンのようなデバイスへの給電は難しい。またミリ波帯は伝搬損失が大きいため基地局は最大でも数百m程度のスモールセルとなるが、その中でも給電可能距離としては 10m 程度を想定している。 給電能力を上げる効率化アップの方法として、アンテナの大開口化と受電 IC の性能強化がある。 アンテナ大開口化に伴う課題の解決法として、192 素子のフェイズドアレイアンテナから送電し、金沢工業大学が開発した電磁波を電流に変換する「GaAs レクテナ IC」で受電する実験も行い、京都大学が提唱するフォーカスビームの有効性も確認した。

また現時点では人体への影響はほぼないが、人体検出機能を盛り込むことで、もう少し高いエネルギーを給電できる可能性もあるとした。 (斎藤健二、ITmedia = 10-7-22)


スマホに求めるスペック、いまどきの若い人は「○○」を最も重視
老年層は「カメラ」重視 - ドコモ・モバ研調べ


(カメラ機能、およびその性能は、2014 年 - 2021 年は聴取なし
メモリ容量は、2014 年以降に聴取)

最重視されているのは「操作性」だが、「○○」がもうすぐ抜きそう

NTT ドコモ・モバイル社会研究所は、「スマホ・ケータイを購入する際に重視する点」に関する調査結果を発表した。 「2022 年 モバイル動向調査」のデータを、「端末デザイン」、「カメラ機能・性能」、「操作性」、「携帯性」、「メモリ容量」の 5 つの観点で分析した内容だ。

現時点で重視 1 位は「操作性」、10 年前に 1 位だった
「端末デザイン」は大幅下落

ここ 10 年ほどの推移を見ると、重視するスぺックの数値は全体的に低下・分散している。 2010 年時点で過半数が重視していた「デザイン」、「カメラ機能」、「操作性」は大幅に減少し、2010 年に 54.6% だった「端末デザイン」は今回調査では 14.6% まで下がり 5 項目中 4 位にとどまった。 一方「メモリ容量」は右肩上がりの傾向を見せ、調査項目となった 2014 年には 12.8% だったが、今回調査では 24.5% と倍増し、1 位「操作性」 26.2% に次いで 2 位に迫っている。

スマホ・ケータイを購入する際に重視する点

そこで「メモリ容量」を重視する人たちを性年代で見ると、基本的に若い世代ほど多いが、特に 10 代が突出している。 逆に「カメラ機能」は、若年層だけでなく、60 代・70 代の高齢層が重視しており、2 極化の傾向が見られた。 (冨岡晶、impress・web 担当者 = 10-6-22)

調査概要 :
【調査対象】 全国・15 - 79 歳男女
【調査方法】 Web
【調査時期】 2022 年 1 月
【有効回答】 7,050 人

〈編者注〉 メモリー容量と言われても、保存媒体 (ROM) なのか RAM 容量なのか分かりません。 もし、RAM 容量であれば、正しく「操作性」であり、操作性優位は変わりません。


アップル、インドで iPhone14 生産 中国依存の供給網を多角化

米アップルは 26 日、今月発売した新型「iPhone (アイフォーン) 14」の生産をインドで始めたことを明らかにした。 アップルは iPhone などの製品の大半を中国で生産しているが、厳格なコロナ対策による生産への影響や米中摩擦などのリスクが高まるなか、供給網の分散を進めている。

アップルは声明で「iPhone14 をインドで生産できることを楽しみにしている」とコメントした。 アップルは iPhone の組み立てを台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が持つ中国の工場に委託しているが、中国の厳しいコロナ対策で工場が操業停止に追い込まれるなど、中国依存へのリスクが高まっていた。 インドは中国に次ぐ世界 2 位のスマートフォン市場とされ、現地でのシェア拡大につなげる狙いもあるとみられる。

米メディアによると、米金融大手 JP モルガンの調査では、アップルは iPhone14 の生産の約 5% をインドに移し、iPad (アイパッド)やアップルウォッチも含めた製品全体の生産の 4 分の 1 を、2025 年までに中国国外に移すと予測している。 (サンフランシスコ = 五十嵐大介、asahi = 9-27-22)


VR で「ながらスマホ」の危険性体験 KDDI

自転車運転中にスマートフォンを操作する「ながらスマホ」による交通事故を防ぐことを目的に、仮想現実 (VR) を活用して危険性を疑似体験できる仕組みを KDDI などが開発し、9 月 22 日、さいたま市で体験会が開かれた。 自転車に乗る際にスマホを使うことは、運転中の判断力などにどのような影響を与えるのか。 体験会に参加して実際に味わってみた。 体験会は秋の全国交通安全運動(21 - 30 日)に合わせて埼玉県警大宮署が開いた。 ブレーキをかけるまでの時間がどれだけ長くなるかを算出し危険性を認識してもらおうという企画で、会場のさいたま市北区役所を訪れていた人たちに呼びかけて実施した。

VR 対応ゴーグルとヘッドホンを装着して「ながらスマホ」の世界に飛び込んでみると、スマホ使用によってどれだけ視界が狭くなるかを臨場感あふれる映像で実感できる。 前方の物陰から歩行者が飛び出してきた。 あわててブレーキをかける。要した時間は 2.64 秒。 後で計測したスマホを使っていない状態と比べると 1.2 秒長く、歩行者にぶつかり事故が起きると判定された。

体験会に参加した曽根原幸子さん (55) は、買い物などで日常的に自転車を使っているといい「全く見えなくなると思った。 子供にも体験させたい。」 大宮署の吉田勝則交通課長は「ルール違反が大きな交通事故につながる。 危険性を理解してもらい、事故の防止につなげたい」と期待を語った。 (星直人、sankei = 9-26-22)