過酷な労働環境、頼れぬ「相談先」 外国人実習生の失踪が相次ぐ背景 東北でも、農業や漁業、建設の現場などで欠かせない存在の外国人技能実習生。 人材育成を通じた国際貢献という理念の一方で、実習生が理不尽な扱いを受けるなどして失踪する例がいまも絶えない。 実習生の労働相談に対応できる労働組合が多くないことも失踪の一因と言えそうだ。 インドネシア出身のアフマッドさん (26) は、宮城県内の住宅メーカーの下請け工場で働いていたが 2021 年末の冬休み、過酷な労働環境に耐えられず、県外へ逃げ出した。 実習生として初めて来日したのは 20 歳だった 17 年 5 月。 「家族のために稼ぎたい」と、渡航費で親から 50 万円を借りた。 実習先の仕事は、住宅の床や屋根などの製造。 節約しつつ、3 年で約 250 万円を家族に送った。 「職場環境が良く、休日も充実していた」と振り返る。 一時帰国の後、20 年 11 月に再び同じ実習先に戻ると、コロナ禍で環境が一変していた。 床と屋根の製造ラインは、コロナ禍前の 9 人から 4 人に半減していた。 納期に間に合わせるため、毎晩 2 時間以上残業するしかなかった。 日本人労働者は次々とやめていき、残ったのは自分と中高年の同僚だけだった。 技能実習の制度上は、監理団体が身近な相談先になっているが、相談しなかった。 「『監理団体に相談しても、我慢しろと言われるだけ』と、実習生の先輩から聞いていた。」 21 年末の冬休みに貯金 70 万円を手に寮から抜け出した。 「心も体もつらくて、もう無理だった。」 同じインドネシアの友人宅に身を寄せた後、支援団体の紹介を受けて、昨年 8 月、国際協力団体「PHD 協会(神戸市)」が運営するシェアハウスに入った。 いまはインドネシアに戻り、新しい職場がみつかれば再渡航を希望している。 同協会の坂西卓郎事務局長は「失踪は特殊ケースではない。 職場がひどい状態でも転職できないとなれば、実習生は逃げるしかない。」と指摘する。 ☆ 外国人技能実習機構によると、東北 6 県の実習生は 21 年度で 7,758 人。 出入国在留管理庁の統計によると、21 年に 6 県の実習先から 310 人が失踪した。 同庁が発表するこの年の失踪者数の割合は全国で 1.8% だった。 年と年度で統計の期間のずれはあるものの、全国と同じように失踪が起きている。 失踪理由はさまざまあるものの、言葉の問題などで、実習生が仕事上のトラブルを相談できる労働組合が東北では限られていることも背景にある。 そのうちの一つが「仙台けやきユニオン(仙台市)」で、21 年は宮城で 2 件、22 年は岩手、宮城の計 5 件に対応。 今年も山形から 3 件の相談を受けた。 「労災事故に対する慰謝料が払われない」、「勤務先から休日の外出を制限された」、「理不尽な理由で解雇された」といった内容があるという。 同ユニオンは 40 人ほどのボランティアスタッフを抱えるが、代表の森進生さんは「寄せられた相談は氷山の一角で、東北全体には目が行き届いていない。 ほとんどの実習生はトラブルがあっても我慢している。」と話す。 技能実習適正化法は、自治体に実習生の保護のために必要な施策を進めるとしているが、努力義務にとどまる。 宮城、岩手、秋田で開かれている実習生と地域住民の交流イベントといった「共生策」が中心だ。 森さんは「国や地元自治体だけでは解決できないトラブルは多い。 行政側が労働組合や外国人コミュニティーと積極的に連携し、実習生に寄り添ってもらいたい。」と話す。 (小川尭洋、asahi = 2-5-23) 「誕生日会は初めて」カンボジアから来た技能実習生 20 歳のお祝いが「泣いた」、「感動した」と話題 三重県の外壁塗装専門店「日塗建」に取材し会社の上司に思いを聞いた 「誕生日会は初めてです。 私はぜんぜん誰からもやってもらった事がないです - -。」 カンボジアから来た技能実習生 20 歳の社内での誕生日会を映した動画が感動的だと、TikTok で話題になっています。 上司や先輩たちにはどのような思いがあったのか。 ねとらぼ編集部では、三重県の外壁塗装専門店「日塗建(にっとけん)」に話を聞きました。 話題になっている動画では、20 歳の誕生日を迎えた技能実習生タカさんの誕生日会が開かれ、朝倉社長たちが料理とケーキを振る舞う様子が映されています。 タカさんは日本に来て 8 カ月経っているとのこと。 うれしいサプライズにタカさんは、「誕生日会は初めてです。 私はぜんぜん誰からもやってもらったことがないです。」、「とってもうれしい」と感動した様子です。 もう 1 人の技能実習生であるジンさんによると、カンボジアでは誕生日会があるのはお金持ちだけで、生活が大変な人は開かないとのこと。 朝倉社長は感極まるタカさんを見つめて、「泣くな泣くな」と優しく料理を薦めています。 投稿には 29 万超のいいねが集まり、感動的な展開に 4,000 超のコメントが寄せられています。 「いい会社だ、、、」、「ええ会社やな。 泣いてしもた。」、「こんな温かい人たちと仕事ができたら幸せだな」、「僕の職場にも、ベトナムから技能実習生が来てます。 (中略)僕も何かしてあげたいと思います。」など、胸が熱くなったというコメントが多数見られました。 「撮影しながら涙が止まらなかった」 ねとらぼ編集部では、動画を撮影した日塗建の常務取締役である吉田美香さんに話を聞きました。 カンボジアの技能実習生を迎えたきっかけや背景を教えてください。 また、御社での技能実習生の割合はどれぐらいでしょうか。
話題となった誕生日会のときには、どのようなお気持ちでしたか。 社長のまなざしがわが子や弟子を見るような、温かいまなざしだと感じました。
投稿には「心と目頭が熱くなりました」、「日本のお父さんとお母さん(のような存在)ですね」など、感動したというコメントが多数寄せられていますね。
外国人労働者の受け入れには、企業の負担が大きいなど課題もあると言われています。 言語や文化など異なる点もあるかと思いますが、接する際にはどのような思いを大切にされていますか。
厚生労働省が発表した「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(2021 年 10 月末時点)によると、日本で働く外国人労働者数は約 173 万人。 国籍別では、ベトナムが最も多く約 45 万人、次いで中国が約 40 万人、フィリピンが 19 万人の順となっています。 日本での外国人労働者の雇用環境には課題も多く、労働条件、差別、悪質ブローカー、企業の負担などには改善の余地があると言われています。 法律など制度的な改善だけではなく、日塗建のような温かいまなざしも社会に求められます。 (上代瑠偉、ねとらぼ = 1-31-23) 年近い実習生のため、私だからできること 暴力や未払い「自分だったら」、高校生は動いた 自分と年齢が近い、若い外国人の技能実習生たちが、日本で不安な思いをせずに働けるようにしたい。 そんな思いで日本の高校生が始めた活動が全国に広がっている。 地方の方言や、若者が使う言葉をオンラインや対面で教える。 立場や国籍を超えた、若者たちの交流にもなっている。 「Adovo (アドボ)」は 2020 年 12 月、東京都内の高校 3 年生、松岡柊吾さん (18) ら 3 人で立ち上げた NPO 法人だ。 当時、松岡さんは 1 年生だった。 きっかけは、松岡さんが中学 3 年生の時、インドに短期留学したことだった。 ホストファミリーは家政婦が 3 人もいる裕福な家だった。 一方、町を歩くと、ストリートチルドレンもいた。 貧困や貧富の格差を初めて目の当たりにした。 帰国後に見たドキュメンタリー番組では、ベトナム人の技能実習生が暴力を受けたり、賃金の未払いがあったりするのを知った。 追い詰められる実習生の姿を見て、いたたまれなかった。 「もし自分だったら。」 インドから帰国し、自分の身に置き換える習慣がついていた。 ボランティアで日本語などを教えられないか。 SNS で「手伝ってくれる人はいますか?」と呼びかけた。 「手伝うよ」と応じたのはニュージーランドに留学中だった幼なじみの名取陸之助さん (18)。 現地で言葉も文化も分からず、なじめない生活の中で暮らす大変さを感じていた。 ■ 知れば苦労減る 2 人で思いついたのは、方言や若者が使うスラング(俗語)などの日本語、観光名所や習慣などの文化を教えることだった。 ベトナムで日本語などを教え、実習生を日本に送り出す「送り出し機関」では教えないだろう。 勉強しておけば苦労も減るはずだと考えた。 ベトナムへの 'つて' はなかった。 そこで、送り出し機関に手当たり次第電話をかけた。 グーグルでベトナム語に翻訳し、送話口から音声で流した。 10 社のうち 2 社で日本人のスタッフが出てくれた。 「実習生になる人に無料で授業をさせてほしい。 自分たちも学生で、ボランティアを通じて勉強させてほしい。」と訴えると、興味を持ち、機会をくれる企業が出てきた。 ベトナムの送り出し機関「LACOLI (ラコリ)」も半年前から、アドボに日本の文化講習を依頼している。 実習生は日本で働き始めれば、寮と職場の往復になりがちな暮らしになる。 対外事業部の宮本勇樹さん (36) は「同じような若い日本人と交流ができるのはありがたい」と話す。 これまでに教えたのは、ベトナムやミャンマー、カンボジアの送り出し機関で学ぶ来日を控えた実習生たちに通算で 500 人ほど。 ボランティアも東京だけでなく、神戸、名古屋など、中学生から大学生の 84 人が活動する。 来日後の実習生の職場に出向いて日本語を教えることもあるという。 教材、それに使うイラスト、授業の形は自分たちで考え、準備した。 例えば、若者言葉の授業では、本当? を意味する「まじ?」、相手に賛成する相づちとして使う「それな」などの言い回しを、クイズやイラストを交えて教える。 実習先が決まっている実習生にはその土地の方言も教えた。 ■ 見えてきた問題 ボランティアをしながら、松岡さんたちは技能実習生が抱える問題にも目を向ける。 なぜ問題があったのか。 その傾向も分析すると、働き手を探したいという日本の受け入れ企業と、技術を習得して帰りたいと考える実習生との間で、認識の違いがあることも見えてきたという。 松岡さんは「若い技能実習生が異国の地で暴力を受けたり、賃金未払いがあったりして、日本が嫌われると思うと悲しい。 年齢の近い自分たちが内外に発信することで、外国人に働いてもらう制度がよくなったらいい」と話す。 3 月にはベトナムに行き、ラコリなどの送り出し機関を視察する予定だ。 (平山亜理、asahi = 1-27-23) 外国人技能実習生「失踪」の理由 過酷な労働環境「辞められず文句も言えない」心も体も限界に 日本人の労働力不足を補い、国内の生産活動を支える外国人技能実習制度。 近年、過酷な労働環境に耐えかね、職場から失踪する実習生が後を絶たない。 2021 年は 1 年間で 7 千人を超え、以後もさらに増えつつあるという。 インドネシア出身のアフマッドさん (26) が東北地方の住宅メーカー工場から逃げた理 由を聞いた。 農家に生まれ、自動車整備の専門学校で学んだアフマッドさんは、仕事を探している時、友人に誘われて日本語学校の寮に入った。 「農家を継ぐより、若さを生かして経験を積みたい」という思いだった。 猛勉強の日々を送る中で「お金をいっぱいため、実家に送ろう」と日本に渡る決心をした。 両親と兄 2 人、妹 1 人の 6 人家族。 交際していた女性もいた。 両親が畑を売って得た 50 万円を借りて渡航費用に充てた。 20 歳だった 17 年 5 月、日本へ。 1 カ月間、静岡の研修センターで日本語を学び、宮城県にある大手住宅メーカーの下請け業者に配属された。 内装仕上げの部品工場で時給は 750 円。 保険や年金、家賃などを引いて、手元に残るのは月 10 万円ほどだった。 だが、当時の東北地方は東日本大震災からの復興需要があり、60 時間の残業で手取りは 20 万円近くに。 自身は月 3 万円で生活し、3 年で 250 万円を家族に送った。 一戸建ての寮に実習生 9 人で暮らした。 倹約しながらも、休みの日は実習生の友人らと、紅葉狩りやスノーボードなど、母国にはない四季を楽しんだ。 日本人の上司や同僚に誘われて行く地元店の「からし焼きラーメン」を堪能した。 だが、新型コロナウイルス禍による経済への打撃の余波が、実習生の労働環境を一変させた。 日本で 3 年間働き、4、5 年目も働ける「3 号」に合格。 20 年 4 月に一時帰国した。 6 月に日本に戻る予定だったが、コロナ禍で足止めされた。 働きながら再渡航の日を待つ間、付き合っていた女性と結婚。 盛大な結婚式も挙げた。 11 月、日本に戻ることになった。 妻は嫌がったが、実習の契約を結んでいた。 久々に戻った職場は人も仕事も変わっていた。 コロナ禍で仕事が減って多くの日本人従業員が去り、特に若い人がいなくなっていた。 仕事は徐々に戻るも、従業員の数は戻らず業務量は 2 倍に。 床の製造ラインを 3 人、屋根を 6 人で回していたコロナ前に対し、床を 1 人、屋根を 3 人で担っても納期は同じだった。 新たに雇われる人も、重い部品を運ぶ重労働と求められる仕事の速さ、工場内の暑さなどで 2 週間も続かない。 「日本人は辞められるが、実習生は契約上、辞められない。 文句も言えない。」 技能を学ぶ実習生が担うはずがない管理業務も担わされ、最初に出勤し、最後まで職場に残る日々が続いた。 週 1 日の休みは寝るだけで、自分の時間はほとんどなかった。 時給は 900 円まで上がったが、息をつく間もない業務量に、心も体も限界を迎えていた。 誰にも相談しなかった。 実習生の問題は本来、監理団体が対応するが、「『我慢して働け』って言われるのは分かっていた。」 監理団体は、実習生を企業に受け入れてもらうことで収益を得ているからだ。 21 年 12 月末の冬休み。 家族に送る 70 万円を持って、寮から逃げ出した。 頼った先は、栃木にいる同国の友人。 その後、再び仕事探しをするために、神戸市長田区の国際協力団体「PHD 協会」が運営するシェアハウスに移った。 過酷な労働環境でも、日本にこだわるのは、やはり「お金」だ。 一時帰国した際、兄にお金を借りて土地を買った。 いったん帰国し、再渡航を待つアフマッドさんは「全部悪いことばかりじゃなかった。 もう一度頑張りたい。」と前を見る。 (神戸新聞 = 1-18-23) 技能実習生の現状と今後は? ベトナムの短大と長崎県が "介護分野" で覚書締結式 ベトナムの学生が県内の介護分野で学べるよう、互いに支援するための覚書が 12 日、長崎県とベトナムの短期大学の間で交わされました。 一方で政府は『外国人技能実習制度の本格的な見直し』に向けて議論を進めています。 覚書を締結したのは長崎県とベトナムのダナンフォンドン短期大学です。 今回の覚書により、短大側が、長崎で技能を学びたい介護分野の学生を推薦し、県側が介護事業所で働けるようマッチングをして、年に 10 人程度の技能実習生を受け入れる予定です。 技能実習制度は、発展途上国への技術移転を目的に 30 年前に始まり、技能を学ぶ外国人が最大 5 年間、日本に滞在できる制度です。 しかし、『賃金の不払い』や『暴行事件』などがあとを絶たず、12 月に開かれた政府の有識者会議では「技能実習制度の廃止も踏まえた議論が必要」という意見も出ています。 一方で、外国人技能実習生が『介護現場などを支える人材』となっていることから、県では今後の人手不足も見越して、これからも技能実習生を積極的に受け入れたい考えです。
長崎労働局によりますと、県内には 2021 年 10 月時点で 5,782 人の外国人労働者がいて、そのおよそ半分にあたる 2,819 人が "技能実習生" などとなっています。 産業別でみると最も多いのが、製造業、次いで卸売業・小売業となっています。 技能実習制度をめぐっては政府が本格的な見直しを行っていますが、県は「現状国の見解がまったく分からないので、今の所この制度が続く前提で動いていくしかない」としています。 (NBC 長崎放送 = 1-12-23) 実習生に安心な生活を ベトナム語交えた無料学習サイト 日本でひどい目にあった、二度と行きたくない - -。 技能実習生として働くベトナム人らがそんな思いをしないよう、企業と弁護士が協力して無料の学習サイトを作った。 安心して生活してもらい、日本を好きになって帰国してほしいとの願いが込められている。 サイトには、法律や習慣など日本の生活に必要な情報が盛り込まれている。 「日本で働く方法」、「ゴミの出し方」などのテーマがあり、各 5 分程度のアニメ動画が、やさしい日本語やベトナム語などで見られる。 サイト名は「LIGHTBOAT (ライトボート = 灯台船)」。 暗い海の目印に、との願いから名付けられた。 「日本のことを悪く思うベトナム人が、増えているのを知ってますか。」 きっかけは東京都内の IT 企業で執行役員を務める斉藤心吾さん (44) = 黒区 = が、出張先のベトナムの日本語学校で聞いた一言だった。 ベトナムには技能実習生などとして日本に渡った人が多くいる。 実習先で酷使され、「嫌いになった」と語る人が少なくないという。 国の認可法人「外国人技能実習機構」が、帰国した実習生に実施した 2020 年度の調査では「日本人から精神的に嫌がらせを受けた」との回答は約 11%。 「日本人から殴られた」、「男女交際を禁じられた」などの回答も 2% 程度からあったという。M/p> 斉藤さんはかつてアジア各地を旅行。 現地の人に親切にしてもらった経験があり、「日本で困っている働く外国人のために何かできないか。」 勤務先は企業の人材開発システムなどを手がける。 日本のルールや習慣を学べる、オンライン教材の開発を思いついた。 ただ自身に法律の知識があるわけではない。 知り合ったのが、杉田昌平弁護士 (37)。 企業法務に詳しく、ベトナムの大学で教壇に立った経験もある。 相談すると「面白そうだ」と、外国人雇用に関する法的部分の教材案を作ってくれた。 併せて斉藤さんは「会社の活動にして、持続可能にしたい。」 CSR (企業の社会的責任)活動の一環として提案すると、代表は認めてくれた。 社内の賛同者も増え、今は 10 人ほどが協力する。 利用者の評判は上々だ。 現在の利用登録者はベトナム人やミャンマーなど 8 カ国から約 500 人。 名古屋市在住のベトナム人留学生グエン・トゥ・ハさん (24) は来日前、このサイトで日本語や日本の習慣を学んだ。 中でも役立ったのが、留学生が日本で働ける時間の長さについて。インターネット上には不正確な情報があることも分かり、「正しい情報は知っていればいるほどいい。 お陰さまでトラブルは避けられていると思う。」 22 年 2 月の開設から約 1 年。 現在は企業側が外国人を雇用する際に留意すべき点を有料で教えるビジネスにも乗り出した。 受講した企業を認定し、評価する仕組みも構築予定だ。 少子高齢化で外国人の労働力に頼る必要性が高まる中、斉藤さんは、外国人が日本で暮らす際の障害をなくしたいと考える。 「外国人材の能力を最大限に発揮できる環境を作りたい。」 ライトボートのアドレスは https://lightboat.lightworks.co.jp/。 (平山亜理、asahi = 1-7-23) ■ ライトボートで学べる内容例
外国人実習生の「搾取」、厚労省が派遣機関に初の実態調査へ … 1 年で 7,000 人超が失踪 厚生労働省は 2023 年度、日本に派遣される外国人技能実習生の高額な費用負担や人権侵害の実態を調べるため、各国の送り出し機関に対し、初めての現地調査に乗り出す。 少子化による人手不足が進み、円安で日本で働く魅力も低下する中、実習生への不当な扱いを是正しなければ人材確保が難しくなると判断した。 技能実習制度は、日本で働きながら様々な技能を学んでもらう国際協力の名目で行われ、実習生は 21 年 10 月時点で約 35 万人いる。 実際には就労目的の人が多いが、低賃金などを理由に失踪するケースが後を絶たず、21 年は 7,167 人に上った。 政府は失踪の要因の一つに実習生が抱える多額の借金があるとみている。 出入国在留管理庁が 21 - 22 年に実習生約 2,180 人に行った聞き取り調査では、実習生が現地の送り出し機関などに支払った費用は平均約 54 万円に上り、半数超が来日前に借金していた。 費用の名目は、仲介業者への紹介料や日本語の事前教育費などで、「不明」と答えた実習生もいた。 厚労省は、費用の実態を解明するには現地調査が必要と判断した。 調査は 23 年度、実習生の多いベトナムや中国などを中心に行う。 送り出し機関などに対し、実習生から徴収する費用の内訳を聞き取るほか、受け入れ業務を担う日本の監理団体との金銭のやりとりも調べる。 関係者によると、送り出し側から監理団体へのリベートが常態化し、実習生の費用に上乗せされているとの指摘もある。 リベートは技能実習適正実施・実習生保護法で禁じられているが、実態は不明で、行政処分された例はほとんどない。 調査では、国内の監理団体や実習先の企業、実習生にも聞き取りを行う。 送り出し機関との金銭のやりとりのほか、実習生に対するパワハラや残業代未払い、不当解雇など人権侵害の実態についても調べる。 調査は民間調査会社に委託し、海外は在外公館などの協力を得て進める。 送り出し機関による不当な費用徴収が判明した場合は、相手国との 2 国間協議の場で是正を求める。 厚労省は事業費として 23 年度予算案に 4,300 万円を計上した。 (yomiuri = 1-1-23) 「未払い残業代返して」 相談できず最低賃金以下で残業続けた技能実習生
記事コピー (12-28-22) 技能実習生 4 人に 1 人は「妊娠したら仕事を辞めてもらう」 初の調査 妊娠したら仕事を辞めてもらう - -。 外国人技能実習生の 4 人に 1 人が関係機関からこのように言われていたという聞き取り結果を、出入国在留管理庁が 23 日に発表した。 入管庁は「必要な調査を実施し、悪質な場合は行政処分を検討する」としている。 妊娠を理由とした解雇は男女雇用機会均等法で禁止され、実習生にも適用される。 しかし、妊娠発覚による解雇や強制帰国を恐れて周囲に相談できないケースがあり、子どもを遺棄する事件も起きている。 このため、入管庁は外国人技能実習機構に委託して初めての調査を実施。 調査は 8 - 11 月に聞き取りで行われ、ベトナムやフィリピン、インドネシアなどの 650 人から回答を得た。 このうち、26% の 172 人は「妊娠したら仕事を辞めてもらう(帰国してもらう)」という趣旨のことを言われたと回答した。 誰から言われたかについては、74% が母国の送り出し機関、15% が日本の受け入れ窓口の監理団体、11% は受け入れ先の企業と答えた。 「妊娠したら辞める」 … 契約結ぶケースも さらに、全体の 5% の 34 人は「妊娠したら仕事を辞める」という契約まで結んでいた。 契約相手は送り出し機関が 70%、監理団体が 22%、企業が 8% だった。 妊娠しても出産の休暇を取りながら技能実習を続けられるが、半数近くはこの制度を知らないと答えた。 入管庁などは調査結果を踏まえ、全国に約 3,600 ある監理団体に対し、妊娠・出産に関する制度や相談窓口について実習生に説明するよう指示した。 17 年 11 月 - 20 年末の約 3 年では、637 人が妊娠・出産を理由に実習を中断しているという。 (田内康介、asahi = 12-23-22) 魅力は賃金だけじゃない? 円安で実習生の「日本離れ」は起きるのか
記事コピー (12-17-22) ワコール、賃金未払い巡り実習生側に 500 万円寄付 愛媛県西予市の縫製会社で発生したベトナム人技能実習生 11 人への賃金未払い問題を巡り、パジャマ生産を委託していた衣料大手ワコールが 6 日、実習生の支援団体に 500 万円を寄付した。 委託先で生じた実習生の労働問題で金銭補償するのは国内では異例。 「速やかな救済が必要と判断した。 寄付金は実習生の生活支援に役立ててもらう。」としている。 ワコールを傘下に置くワコールホールディングス (HD) が実習生を支援する NPO 法人「日越ともいき支援会(東京)」と支援方法などを協議していた。 ワコールは大阪市にある 1 次委託先を通じて 2019 年 12 月から 22 年 9 月にかけ、西予市の小清水被服工業に女性用パジャマ計約 3 万 5 千枚の生産を発注しており、寄付額はこの発注量などに基づきワコール HD が決めた。 実習生 11 人は 19 - 20 年に小清水被服工業で実習を始めたが、月 100 時間超の残業が常態化し、残業代の未払いが続いていた。 同社は 11 月上旬に遅延損害金を含む計約 2,700 万円を段階的に支払うと実習生側に説明したが、その後自己破産の方針を示し、支払いが困難になっていた。 ワコール HD は 11 月 14 日に破産方針を把握し、翌 15 日に実習生に対する支援を決定した。 同 HD は「人権尊重の実効性を高める施策を講じていく」としている。 (kyodo = 12-6-22) ◇ ◇ ◇ ワコール、委託先実習生を支援へ 異例、賃金未払い問題巡り 愛媛県西予市の縫製会社で発生したベトナム人技能実習生 11 人への賃金未払い問題を巡り、衣料大手のワコールホールディングス (HD) は、傘下のワコールがパジャマ生産を委託していたとして、実習生に金銭補償を行うことが 20 日、同 HD への取材で分かった。 人権尊重や労働法令の順守を定めた独自の指針に基づく判断。 委託先で生じた実習生の労働問題で補償するのは国内では異例とみられる。 実習生の支援団体を通じて金銭補償の方法や金額を協議し、再発防止策を検討して公表する方針。 ワコール HD は「迅速な救済が必要と考えた。 あってはならないことで、大変重く受け止めている。」としている。 (kyodo = 11-20-22) ◇ ◇ ◇ ベトナム人技能実習生 11 人に計約 2,700 万円残業代未払い 愛媛県西予市の縫製会社で、ベトナム人の技能実習生 11 人に対し、計約 2,700 万円の賃金の未払いがあることがわかりました。 この会社は自己破産申請に向け準備を進めています。 西予市宇和町の縫製会社「小清水被服工業」で、受け入れているベトナム人の技能実習生 11 人に対し、2020 年 4 月から今年 9 月末までの間、あわせておよそ 2,700 万円の残業代が未払いであることがわかりました。 小清水被服工業の代理人弁護士によりますと、会社は自己破産の準備を始めていて、近く裁判所に手続きを申請する予定です。 負債総額はおよそ 6,000 万円に上ると見られています。 これを受け、小清水被服工業で働くベトナム人技能実習生と実習生から相談を受けた NPO 法人「日越ともいき支援会」が 16 日、会見し、実習生は「家族を助けるために日本に来たのに悲しい」などと心境を明かしました。
また、実習生は平日の就業前や終業後、それに日曜にも勤務が続き、1 か月の残業時間がおよそ 150 時間にのぼっていたにもかかわらず、残業代は適切に支払われていなかったと訴えました。
なお実習生 11 人は 16 日、岐阜県に移動し、岐阜市などの縫製会社で実習を継続するということです。 一方、小清水被服工業の代理人弁護士は、国の「未払い賃金立て替え払い制度」を活用し、400 万円ほどは支払える見通しだと説明しています。 (itv あいテレビ = 11-16-22) 岡山の技能実習生、264 事業場で残業代未払いなど違反 5 年で最多 外国人技能実習生がいる岡山県内の事業場をめぐり、岡山労働局は 2021 年中に監督指導した状況を公表した。 264 事業場で残業代の未払いなど労働基準法に違反する事例が確認され、過去 5 年間では最多となった。 岡山労働局がこうしたデータを公表するのは初めて。 21 年に県内の労働基準監督署が監督指導をしたのは 421 事業場で、20 年比 126 増。 法令違反が認められたのは 264 事業場で、同 49 増となった。 法令違反の事業場の数は 17 - 19 年はいずれも 200 以下だった。 全体に対する違反の多さの割合を示す「違反率」は 21 年が 62.7% で、20 年の 72.9% よりもやや改善している。 21 年の主な違反事項は、残業代の未払いなど割増賃金の支払いに関するものが 51 件と最多。 通常の賃金の支払いに関するものが 40 件、年次有給休暇の取得に関するものが 27 件などと続いた。 全国的には安全基準に関するものが最も多い傾向になっているが、県内では賃金関係が目立っている。 法令違反が多かった点について岡山労働局の担当者は、事業場を指導監督する機関「外国人技能実習機構」との連携強化により情報提供が増えているとし、「監督指導に力を入れている結果ではないか」との見方を示した。 今年 1 月、岡山市内の建設会社でベトナム人の技能実習生に対する暴行事件が発覚したことなどを受け、岡山労働局は外国人技能実習生に関する情報を公表することにした。 (雨宮徹、asahi = 12-4-22) ベトナム人技能実習生が女性を脅迫 新潟市西蒲区 新潟県警西浦署は 26 日、新潟市西蒲区に住むベトナム国籍の技能実習生の男 (23) を脅迫の疑いで逮捕した。 発表では容疑者は 25 日午後 5 時 10 分ごろ、新潟市内から自分の携帯電話機の通話アプリを利用して 20 歳代の女性の携帯電話機に「ころすんか?」などと送信したうえ、カッターナイフの刃を出した写真を送信し、新潟市西蒲区地内で女性に見せて生命、身体に害を加えることを告げ、脅迫した。 (kenoh.com : 新潟・県央 = 11-27-22) 技能実習制度、抜本的見直しへ 初代長官「パンドラの箱が開いた」
記事コピー (11-6-22) ベトナム人の犯罪急増 毎年 5,000 人前後が失踪 日本で働くベトナム人が急増する中で、ベトナム人による犯罪も増えている。 ベトナム人の保護活動を行っている NPO 法人の代表が、犯罪の背景にあると考える『技能実習生が直面する厳しい現実』とは。 日本で働く外国人労働者の数は、2019 年ごろに中国人を抜いてベトナム人が最多となり、その数は 2021 年 10 月時点で約 45 万人に上っている(厚生労働省のデータより)。 中国国内の経済発展や円安の影響で中国人労働者の減少が予期され、日本が積極的にベトナム人を技能実習生として受け入れてきたことがその背景にある。 そんな中、警察庁の調査によると、2021 年に検挙された来日外国人の数はベトナム人が 1,908 人で 2 年連続最多となっている。 なぜベトナム人による犯罪が相次いでいるのか。 NPO 法人・日越ともいき支援会の代表で、職や家を失ったベトナム人を保護する活動を続ける吉水慈豊さんは技能実習生が直面する厳しい現実が犯罪の根源にあると考えている。 (MBS = 11-4-22) 日本の技能実習制度の本質がわかる本 学而図書 学而図書(所在地:神奈川県横浜市、代表:笠原正大)は、技能実習生を主人公とした小説と専門家の解説によって日本の「技能実習制度」の本質を明らかにする、 新刊『アインが見た、碧い空。 あなたの知らないベトナム技能実習生の物語(近藤秀将著)』を、2022 年 11 月 5 日(土)より全国の書店にて発売いたします。 小説 x 解説で、技能実習制度の本質がわかる 本書『アインが見た、碧い空。』では、ベトナム技能実習生・アインと、彼女を取り巻く人々の挫折と再起が、誰にも読みやすいライトノベル形態で描かれます。 さらに、シーン毎に挿入される専門家の解説によって、リスクを負いながらも来日することを選ぶ実習生の実情や、制度が生む「キャリアの搾取」の姿、今後の日本がとるべき道が論じられます。 ベトナムでの教育実践にもとづいた情報と解説 日本の技能実習制度については、米国国務省から制度を悪用した強制労働の存在を指摘され、日本政府によって制度の見直し検討が開始されるなど、さまざまな視点から問題が提起されています。 本書の著者・近藤秀将氏は、ベトナム国立フエ科学大学特任教授を務めながら、元・技能実習生の再教育を担い、現地で精力的に活動してきた人物です。 同氏の実践経験に基づいた小説と解説は、この問題を単純な善悪で論じるのではなく、現代の日本、そしてアジアの現実を、誰もが理解できる形で伝えようとしています。 実写映画『縁の下のイミグレ』原案作品 本書は、11 月 1 日にティザーサイトが公開された、映画『縁の下のイミグレ(2023年公開予定)』の原案作品です。 同作の監督・なるせゆうせい氏は、今年 6 月より池袋ヒューマックスシネマを皮切りに全国 25 ヶ所以上で上映中の社会派青春映画『君たちはまだ長いトンネルの中』を手がけ、さらに同作のクラウドファンディングで 1,300 万円以上の支援を受け、大きな話題を呼びました。 今作『縁の下のイミグレ』においては、アジアの技能実習生と日本社会の直面する問題が映像を通して、ワンシチュエーションで、誰もが見やすいようにブラックコメディタッチで届けられます。 本書『アインが見た、碧い空。』の内容を、一層深くご理解いただける映画作品です。 (PR Times = 11-2-22)
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