中国大使館、日本人へのビザ発給再開 理由説明せず

日本にある中国大使館は停止していた日本人に対する一般ビザの発給を 29 日から再開すると発表しました。 中国政府は 1 月 10 日から日本人に対する就労や留学、商用などの一般ビザの発給を停止していました。 ビザの発給停止は日本の水際措置への対抗策とみられていて、日本政府は中国政府に対して抗議と説明を行い、ビザの発給再開を求めていました。 今回の再開にあたって理由などの説明はありませんが、実際は非公式ながら就労ビザや留学ビザなど一部のビザの発給は、すでに再開されていました。 日中関係筋は「実際は日本の協力が必要な中国側も困っていたのだろう」と分析しています。 (テレ朝 = 1-29-23)

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中国、日本のコロナ対策変更要求 ビザ停止長期化も

【北京】 中国外務省の汪文斌副報道局長は 12 日の記者会見で、日本の新型コロナウイルス感染症の水際対策に関し「中国人への差別的制限措置を速やかに変更するよう望む」と要求した。 対抗措置として打ち出した日本人へのビザ(査証)発給手続きの停止を長引かせる恐れもある。 汪氏は、岸田文雄首相が中国の対応を「一方的」だと批判したことを受けて「科学的な態度と相互尊重の精神に基づき」水際措置を変更するよう求めた。 日本に対し「中国と共に、正常な往来回復のために努力する」ことも呼びかけた。 中国は韓国にも対抗措置としてビザ停止を打ち出している。 (kyodo = 1-12-23)

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中国当局、日本人のビザなしトランジットを一部停止 対抗措置と公言

在日中国大使館が日本人へのビザの発給を一時的に停止している問題に関連し、中国の国家移民管理局は 11 日、中国国内でのトランジットの際に日本人に認めてきた 72 - 144 時間のビザ免除措置を停止すると発表した。 「中国人に対する差別的な入国制限」への対抗措置だとしている。

入国をめぐる日本人に対する一連の措置について、日本側の水際対策に対する対抗措置だと中国側が公表するのは初めて。 日本政府は中国側に抗議の意を表明している。 新たな措置は日本人と韓国人が対象。 中国は国内を経由して第三国に渡る際、空港に応じて 72 時間や 144 時間以内であればビザなしでの滞在を認めてきた。 今後はビザなしでの滞在は 24 4時間に制限される。 また、緊急時などで例外的に認めてきた中国の出入国検査場でのビザ申請も両国民に対しては停止する。

トランジットの際のビザ免除措置について、中国はゼロコロナ政策を事実上終了した今月 8 日に再開したばかりだった。 一方、中国側のビザ発給停止措置について、在中国日本大使館は 11 日、ツイッターで「中国外務省は各国の入国制限に対して同等の措置を採るとしているが、日本は中国人に訪日ビザの発給を制限しておらず、完全に同等性を欠いている」と指摘。 日本の水際対策は国籍を問わず中国からの全ての渡航者に求めているとして「差別との指摘は事実と異なる」と反論した。 (北京 = 高田正幸、asahi = 1-11-23)

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中国、日本でのビザ手続き停止を旅行会社に通知 - 関係者

中国当局が 10 日、日本で中国に渡航するビザ(査証)の手続きを停止したと、事情に詳しい旅行業界関係者の 1 人が明らかにした。 ビザ手続きの停止については、先に共同通信が同日、複数の旅行業界関係者の話として報じていた。 中国で新型コロナ感染が急拡大したことを受け、 日本政府は 12 月 30 日から中国本土に渡航歴(7 日以内)があったり、直行便で入国したりする人を対象に入国時検査を実施するなど臨時的な措置に踏み切っていた。 今年に入って直行便での入国者へ陰性証明の提出を求めるほか、検査方法をより精度が高い PCR 検査に切り替えるなど対応を強化していた。

旅行会社、エイチ・アイ・エスの広報担当者はブルームバーグの取材に対し、中国側からの連絡はなく、中国向けツアー旅行も再開していないと述べた。 中国大使館に取材を試みたものの、時間外であるために回答は得られなかった。 中国の外交部は 9 日、差別的に中国国民に対して入国制限をかける一部の国に「対等の措置」を取ると明言。 10 日、商用や観光、医療、一般私用目的の韓国国民に対する短期ビザ(査証)の発給を一時停止するとも発表していた。 韓国側による中国国民に対する入国規制が解除されれば、中国は今回の措置を調整していくという。 (黄恂恂、Bloomberg = 1-10-23)


日本について全く理解できないこと = 中国ネットで共感続々

日本と中国は文化的に似ているところも多いが違いもある。 中国のネット上でこのほど、「日本について最も理解できないこと」との投稿があり、注目を集めている。 日本に滞在中のブロガーが 26 日、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)のアカウントで日本の朝の通学風景を写した写真を投稿し、「私が日本で最も理解できないものの一つが、日本の女性の足だ。 ここ数日、東京は 1 年のうちでもっとも寒い日になった。 朝、出掛ける時の気温はマイナス。 私はストッキングに長い靴下を履いてもまだ少し寒さを感じるのに、通学中の女子生徒はほとんどみんな足を出している(ストッキングなどを履いていない)」とつづった。

その上で、「『日本人は寒さに強いからでは』という人もいるかもしれないがきっと違う。 彼らは手袋やマフラー、カイロなどの防寒グッズはすべてそろえている。 唯一、足だけが露出しているのだ。 おしゃれのためというのも違うと思う。 大人の女性は足を出したりしていない。 大人になるとおしゃれをしないのだろうか? むしろファッションの概念がない幼稚園児たちの方が足を出している」とし、「いずれにせよ、なぜ日本の幼稚園から高校までの女子は年間を通して足を露出しなければならないのか、私には全く理解できない」とした。

この投稿に、他のユーザーからは「私もずっと不思議だった」、「肌色のストッキングを履いてるとか?」、「私も理解できない。 最近大坂では雪が降ったけど、日本の女性は足を出してた。 ストッキングとかなしで。」、「札幌にいた頃も若い女の子はみんな足を出してたな」、「確かに。 冬に箱根に旅行に行った時に日本人の女性がみんな足を出していて、見ているだけでも寒そうだった。」、「学校でルールがあるのかな? それにしてもストッキングは履いていいはず。」、「日本社会特有の空気? 寒いけどズボン履いたら仲間外れにされるとか。」といった声が上がった。

このほか、「私の友人が日本人の同級生に聞いたことがある。寒いけどその方がかわいいからだって」「とても日本らしい」「かわいいのは3年間だけだからって?」「私は学校で決められてるからって聞いたけど。靴下の長さも決まってるところもあるって」「日本人の先生に聞いたら、ファッションのためだって言ってた」「日本では『子どもは風の子』と言われるからね」などのコメントも寄せられ、興味が尽きない様子だった。 (北田、Record China = 1-28-23)


塩野義、中国でコロナ飲み薬流通契約 海外販売で初

塩野義製薬は 23 日、同社が開発し、国産初となる新型コロナウイルス感染症の飲み薬として緊急承認された「ゾコーバ」について、中国での輸入・流通契約を現地企業と締結したと発表した。 塩野義は中国でゾコーバの承認申請に向けて当局に資料を提出しており、承認取得後に迅速に販売できるようにする。 海外でのゾコーバ販売を巡る現地企業との契約は初めて。

中国企業との合弁会社「平安塩野義」が大手製薬グループ「上海医薬」の子会社と契約した。 同子会社はゾコーバの独占的な中国への輸入と医薬品卸への販売を担う。 塩野義は中国国内での生産についても年内に準備を整え、来年の生産開始を目指している。 ゾコーバについては、ほかに韓国、米国、欧州で申請を目指しているほか、低中所得国 117 カ国への供給体制も整えている。 (牛島要平、sankei = 12-23-22)


参議院の人権決議に中国外務省「偽情報」と反発

参議院で中国の人権状況に「深刻な懸念」を示す決議が採択されたことに対し、中国外務省は「決議は偽情報に満ちあふれている」と反発しました。 5 日、参議院本会議で採択された決議は「新疆ウイグル自治区やチベット自治区などで信教の自由への侵害や強制収監を始めとする深刻な懸念が示されている」と指摘しました。 そのうえで「当該国政府が説明責任を果たすよう強く求める」と強調しています。 これについて、中国外務省は 5 日の会見で「決議は偽情報に満ちあふれ、内政に干渉している」と主張しました。 また、日本側に「厳正に申し入れを行った」と明かし、「中国のイメージを損害させる企みは失敗に終わる」と批判しています。 (テレ朝 = 12-5-22)


中国渡航時の搭乗前 48 時間以内の PCR 検査の回数が 2 回から 1 回に、在日中国大使館が発表

在日中国大使館は 11 月 14 日、「中国渡航前の PCR 検査および健康コードの申請に関する通知(2022 年 11 月 14 日更新、以下、通知)」を発表した。 搭乗前 48 時間以内の PCR 検査の回数を従来の 2 回から 1 回に減らし、条件を満たす検査機関で検査を受け、陰性証明書を取得後に健康コードを申請する流れとなる。 変更後の措置は 11 月 14 日(当日を含む)の渡航から適用された。

同大使館は、変更後の措置に沿った手続きフローとして、以下のケース(非中国籍の未感染者で、搭乗予定日が 12 月 10 日午後 2 時の場合)を例示している。

12 月 8 日午後 2 時以降に PCR 検査を 1 回受検
検査報告書を入手後に健康コードを申請

通知では、PCR 検査について、在日中国大使館・総領事館で登録されており、大使館・総領事館所定の形式での検査報告書を発行できる検査機関での受検が認められるとしたほか、在日中国大使館管轄地域の中国渡航関連 PCR 検査サービスを長期間提供している医療機関のリスト(PDFファイル)も参考として掲載している。 その他の総領事館管轄地域の検査機関は各総領事館ホームページを確認する必要がある。 また、新型コロナウイルスの既感染者や濃厚接触者などが健康コードの申請を行う場合についても、従来の追加の要件を廃止し、一般申請者と同様の要求と手続きとなる。

国務院共同防疫メカニズムは 11 月 11 日、「新型コロナウイルス感染拡大の予防抑制措置をよりいっそう合理化し、科学的で精密な防疫を徹底する通知」を発表し、入境者の管理を「7 日間の集中隔離 + 3 日間の自宅健康観察」から「5 日間の集中隔離 + 3 日間の自宅隔離」に調整するほか、中国渡航前の PCR検査について、搭乗前 48 時間以内の 1 回の検査で陰性証明を取得すればよいとしていた。 (JETRO = 11-16-22)


中国国防省 日本に対し「台湾問題に手を出すな」

日本政府が年末までに改定する「国家安全保障戦略」に台湾情勢が言及される見通しであることに対し、中国国防省は「台湾問題に手を出すな」と反発しました。 中国国防省は 27 日の会見で、日本が改定を予定する「国家安全保障戦略」ついて、台湾問題への言及を巡り「中国の軍事的脅威を煽り立てるもので、下心があり無責任だ」と批判しました。 そのうえで、台湾問題は「中国の内政だ」と強調し、「日本は台湾問題に手を出すな」と釘を刺しました。

また、アメリカに対しては年末までに台湾への追加の武器売却発表するとの報道を巡り、「平和統一への障害であり台湾海峡の緊張と衝突のリスクを高めている」と非難しました。 (テレ朝 = 10-27-22)


日本の若者の間で「中国発」漫画・ゲームの人気が上昇中、次世代の中国観とは

「日中友好」の言葉の形骸化

記事コピー (10-14-22)


「若い世代ほど中国に親近感」 朝日新聞の記事にツッコミ殺到
中国通「本質的に怖い国、変わらない」

→ 「若い世代ほど中国に親近感」内閣府調査を報じた朝日新聞の記事が話題
→ ネットは「自分の感覚と合致する」との声の一方で「データが信じられない」
→ 中国ウォッチングサイト「黒色中国」のツイッターの指摘は …

朝日新聞デジタルが9月28日に配信した記事が先週末、ネット上で大きな話題を呼んだ。同サイトが配信したのは、『若い世代ほど中国へ親近感 急激な経済成長、「怖い国」から変化』というタイトルの記事だ。 記事では、「内閣府の外交に関する世論調査からは、あるデータが浮かび上がる」とし、若い世代ほど中国への親近感が高いと指摘したが、ネットでは違和感を抱いた人が続出したようだ。

「このデータは信じられない。」

朝日新聞が引用した内閣府の世論調査によれば、中国に「親しみを感じる」と回答した人の比率は、70歳以上で13.2%、60代で13.4%だった。若い世代になればなるほど、この比率は高まっていき、40代は24.6%、30代は25.7%、18〜29歳は41.6%だった。この結果を朝日新聞は、『若い世代ほど中国へ親近感 急激な経済成長、「怖い国」から変化』というタイトルの記事として配信した。 この記事について、「これは私も感じるな」「やっぱり自分の感覚と合致する」といった反応があった一方で、「このデータは信じられない」「教育の問題。中国は怖い国。そう教えるべき」といった反応も少なくなかった。

実際に中国に詳しい人はこの記事をどう見たのか。中国ウォッチャーとして知られるWebサイト「黒色中国」のツイッターアカウント(フォロワー8.5万人)は、朝日新聞の記事のもとになった調査について、次のように指摘していた。 こちらは、「中国に親しみを感じるか」、「日本と中国との関係は全体として良好だと思うか」という非常に単純な設問であって、これらの質問をどのように受け止めるかは、人それぞれであろう。 そのうえで、実際の中国がどんな国なのかを正しく伝えるのが本来のメディアの仕事だと警鐘を鳴らしていた。

朝日新聞の記事、「若い世代ほど中国へ親近感 急激な経済成長、「怖い国」から変化」は、「群盲象を評す」を逆手に取った手法で作られたものであり、若い世代に天安門事件や少数民族弾圧、領土問題など、「実際の中国がどんな国なのか」を正しく伝えるのが、本来のメディアの仕事ではなかろうか。

メディアの "本来の役割" 指摘も

「黒色中国」のツイッターアカウントはさらに、リスペクトできる面もある一方、本質的に怖い国なのは変わらないとし、そうした側面を国民に正しく伝えるのがメディアの役割だと続けた。 現在の中国が優れた製品や楽しいコンテンツを作っているのは否定しない。リスペクトできる面もたくさんある。ただ、中国独特の政治体制により、本質的に「怖い国」なのは変わらない。それを理由に差別や排外主義に陥らず、隣国を正しく理解し、理性的に対応できる世論を作るのがメディアの役割だろう。

また、この記事を受けて、SNSなどでは「この記事が中国に利用されそう」と危惧する人も少なくなかった。 早速、記事が配信された翌日に、中国駐大阪総領事の薛剣氏は、次のようにツイートしていた。記事内でコメントした東京大学大学院アジア情報社会コースの園田茂人教授のコメントを引用した形だ。 「年齢が高い世代は冷戦体制下を生き、西側と東側、市場経済と計画経済といった二分法や対立を記憶し、(中国について)天安門事件では感情を高ぶらせたことも覚えているため、それを修正することは難しい。」 (箕輪健伸、SAKISIRU = 10-4-22)

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若い世代ほど中国へ親近感 急激な経済成長、「怖い国」から変化

日中国交正常化から 29 日で 50 年となる。 日中関係が冷え込んだまま迎える節目だが、内閣府の外交に関する世論調査からは、あるデータが浮かび上がる。 それは、若い世代ほど、中国への親近感が高いことだ。

「ガチ中華」にハマる若者 受け入れない親は「中国を下に見ている」

中国に「親しみを感じる」とした比率は、70 歳以上で 13.2%、60 代で 13.4% と低迷している。 40 代では 24.6% とやや上昇する。 それが、18 - 29 歳では 41.6%。 全体平均 20.6% の 2 倍超だ。 一体なぜなのか。

「地理のテストのグラフで、一気に伸びている国があれば、中国だった。」

早稲田大 4 年の菱井創さん (22) が、中学時代に中国に抱いたイメージは「急激に発展した国」というものだった。 地理の授業で見る鉄鉱石生産量や電力消費量の推移などの数値で、2000 年代ぐらいから急伸しているのは、中国だけだった。 小学生のとき、中国製ギョーザによる中毒事件が大きな問題となり「中国は怖い国」だと感じた。

しかし、その後も経済成長を続ける中国の勢いに陰りは見られなかった。 高校 2 年のとき、中国の春秋戦国時代を舞台に描いた人気漫画「キングダム」を学校の図書館で全巻読み、「中国の広大さ」を実感。 漢文の授業で「2 千年以上も前の外国語を原文で読める」ことに魅力を感じ、大学では中国の文学や文化を学ぶことにした。

オランダのライデン大学に留学中の楢本珠貴さん (22) は、子どもの頃から世界遺産に興味があった。 紫禁城、万里の長城など数多くの世界遺産を持つ中国は「いつか行ってみたい」国だった。 しかし 2012 年、日本政府による尖閣諸島国有化をきっかけに、中国各地で反日デモが発生。 テレビで日本車が群衆に破壊される様子を見てショックを受けた。

「中国人は反日の人が多いから、親しくなれない」と思っていた。 しかし、3 年前にオランダに留学し、中国人留学生の友だちができ、先入観が崩れた。 「国同士の関係は難しくても、人同士なら仲良くなれる」という事実が新鮮だった。 専攻した国際学を学ぶ中で、欧州から見ると「日本と中国が小さな島をめぐって争うのは不合理。 経済的にも利益がない。」という見方があることも知った。

若い世代が他の世代に比べて中国への高い親近感を示した前述の内閣府調査。 世代間での格差の広がりは、ここ 10 年ほどで目立つようになった。 それは、2010 年に日中の国内総生産 (GDP) が逆転し、その差が開いていった時期と重なる。 アジア各国の国民意識について研究する東京大大学院の園田茂人教授は、対中認識の世代差の主な原因となっているのは、世代によって異なる「記憶の問題」だと指摘する。

年齢が高い世代は「冷戦体制下を生き、西側と東側、市場経済と計画経済といった二分法や対立を記憶し、天安門事件では感情を高ぶらせたことも覚えている」ため、それを修正することは難しい。 一方、若い世代にとっての中国は「すでに発展をしていて、その中に市場経済もある」存在だった。 「市場経済の中で、IT によるコミュニケーションやゲームなど媒介物を利用する彼らにとって、そこでモノが動いている限り、政治についてそんなに目くじらを立てるようなものなのかと見えるのではないか」と分析する。 (山根祐作、asahi = 9-28-22)


日中 50 周年行事が本格化 習氏のお見舞いで始動 祝賀ムードは遠く

今月 29 日に日中国交正常化から 50 周年を迎えるのを前に 24 日、北京市内で現地の日系経済団体などによる記念イベントが始まった。 中国側の行事も始まっているが、険しい国際情勢もあって祝賀ムードは限定的となっている。 節目に日中の指導者がどのようなメッセージを発するかが焦点だ。 24 日、北京市中心部のショッピングモールで始まった記念イベントは、日本料理と中華料理を組み合わせた創作メニューの紹介、オンラインを通した双方のミュージシャンのコラボレーションなどのほか、日本の食品、自動車メーカーなどがブースを出した。

現地の日本企業を中心とする実行委員会と、中国公共外交協会が主催した。 関係者によると、中国当局からイベントの開催許可が出たのは、今月に入ってから。 中国の「ゼロコロナ」政策の影響もあるが、ペロシ米下院議長の訪台などで深まる米中対立の下、日中の政治状況が緊張含みで推移していることが影響したとの見方は強い。 それでも 8 月下旬、新型コロナに感染した岸田文雄首相に習近平(シーチンピン)国家主席が見舞いの電報を送ったことで、「日中関係を落ち着かせ、コントロールしようとする中国指導部のシグナル(日中外交筋)」との受け止めが広がった。

以降、中国公共外交協会、中国人民対外友好協会などが相次いで 50 周年の記念イベントを開催。 「50 周年を機に初心を見つめ直し、中日関係の発展に新たな推進力を注ごう(程永華・前駐日大使)」といった前向きなメッセージを送り始めている。 ただ、中国側の報道などは限定的で、市民に祝賀ムードが広がっているとは言いがたい。 日本留学を経験した妻につきあってこの日のイベントに足を運んだ 33 歳の男性も「正直、自分の周りで 50 周年が話題になることは少ない」と話す。

それでも 10 年前は尖閣国有化に反発する反日デモで記念行事どころではなかっただけに、今月、記念の座談会を開いた日本留学 OB 団体幹部は「開けたことを素直に喜びたい」と話す。 今後は記念日当日の 29 日に向け、日中首脳がどのような形式で、どのようなメッセージを交わすかに注目が集まる。 オンラインや電話による首脳協議の実現には課題が多いが、29 日は中国日本友好協会が迎賓館の釣魚台国賓館で記念のレセプションを開き、中国高官の参加も見込まれる。

習氏が唱える「新しい時代の要請に合致した中日関係の構築」について、どこまで踏み込んだメッセージを出すかは、10 月に発足する新たな党指導部の対日姿勢を占う目安にもなる。 (北京 = 林望、asahi = 9-24-22)

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歴史・台湾「あいまいにせず」 中国外相、日本にくぎ

経団連と在日中国大使館は 12 日、日中国交正常化 50 周年を記念するシンポジウムを東京都内で開いた。 林芳正外相が「建設的かつ安定的な日中関係の構築に向け歩んでいきたい」とのビデオメッセージを寄せたのに対し、中国の王毅国務委員兼外相は歴史や台湾問題に触れ、「原則的問題についてあいまいにしてはならない」とくぎを刺すなど、厳しい日中関係を反映した会合となった。

経団連会館と北京をオンラインで結び開催した。 十倉雅和経団連会長は、国交正常化以降に製造業や貿易分野で結びつきが強まったことに触れ、「日本と中国は緊密で互恵的な関係を構築し、中国各地の経済発展にも寄与してきた」と説明。 長年の企業活動が両国関係を支える基盤になっていると強調した。 一方、孔鉉佑駐日大使は基調講演で「台湾独立を支持したり、挑発的行為に参加したりすることで中日関係にこれ以上のダメージを与えないように」と要求。 中国本土と台湾は不可分とする「一つの中国」原則を堅持するよう改めて求めた。 (jiji = 9-12-22)


中国人に対する発言「差別的」とされた市議 謝罪決議の非掲載求める

大阪府泉南市の添田詩織市議 (33) が 7 月の市議会定例会の一般質問で、中国人に対する差別的な発言をしたとして、市議会が謝罪と反省を求める決議をした。 添田氏は 12 日、「決議の手続きは市議会規則に反しており違法だ」として、市議会の広報誌に決議内容を掲載しないよう求める仮処分を大阪地裁に申し立てた。

添田氏は 7 月 7 日の一般質問で、市が採用している国際交流員について取り上げ、「市民目線でいえば、中国籍の方が就くのは大丈夫か、ありえへん、怖いという声がある」と述べた。 市教育委員会によると、国際交流員は市内の小中学校に通う外国人の児童・生徒への通訳や異文化交流の授業を担当し、4 人のうち 1 人が中国出身だという。 添田氏の発言について、山本優真市長と冨森ゆみ子教育長は、国連の人種差別撤廃条約に違反し、ヘイトスピーチ対策法が定める「不当な差別的言動」にあたるとして、田畑仁議長に抗議文を提出した。 人権団体からの抗議も相次ぎ、市議会は 7 月 26 日、添田氏に謝罪と反省を求める決議を全会一致で可決した。

一方、添田氏はこの決議が実質的な懲罰にあたると主張。 懲罰動議について「事案の発生から 3 日以内に提出」と定めた市議会規則に違反するとして、広報誌「議会だより」に掲載しないよう求めた。 12 日の申し立て後に行った記者会見では、自身の発言について「市民の懸念を代弁したに過ぎない。 市民の暮らしと安全を守るためのもので、差別やヘイトというのは筋違いだ。」と主張した。 添田氏の申し立てを受けて、山本市長は取材に対し、「市民の声だとしても、個人を特定される形で公の場で取り上げ、不当な差別を助長する恐れがある」、田畑議長は「法的手続きを取るのであれば反論していく」とコメントした。 (森下裕介、田中章博、asahi = 9-12-22)


「ドンキのパクリ」と言われた中国の店、閉店次々 激安人気だったが

中国で「ドンキのパクリ」と言われたディスカウントストアが相次いで閉店している。 日本の「ドン・キホーテ」に似た看板の「BOOM BOOM MART 繁栄集市」は、賞味期限が近い商品を激安価格で売って若者の人気を集めた。 2020 年の創業から約 2 年で上海などに約 20 店を出し、1.5 億元(約 30 億円)を売り上げたという。 だが、中国メディアによると、今年 3 月ごろから卸業者と支払いの不履行などでトラブルになり、少なくとも 15 件の訴訟を抱えているという。

23 日に上海の店舗の電話に出た関係者とみられる男性は「店はすでに封鎖した。 少し前に身売りの話もあったが、それもかなわず閉店した」と話した。 ほかの店舗もすでに営業していないという。 香港メディアは「『偽物ドンキ』、賞味期限切れ間近の商品を販売 2 年で破産へ」などと報じている。

賞味期限近づいた菓子、値段は?

日本で「ドン・キホーテ」などを運営する「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス (PPIH)」は、海外向けには香港や台湾などで「DON DON DONKI」を展開している。 19 年に香港で開店を始めたドンキは、新型コロナ禍で香港人が日本に旅行に行けないことから「日本を疑似体験」したい人を引きつけてきた。 繁栄集市も「巣ごもり需要」を狙い、ドンキがまだ進出していない中国本土に出店したとされる。

繁栄集市の売り場の写真や、買い物をしたという消費者らによると、エビ味の袋菓子が 1.5 元(約 30 円)、ポッキーは 4,2 元(約 85 円)で中国本土の物価の中でも比較的安く、特価の時はアルコール飲料が 1 本 1 元(約 20 円)で売られていた。 店舗紹介のアプリには、消費者とみられる人の「賞味期限があと 2 カ月に迫ったチョコパイの 30 個入りを 15.8 元(約 315 円)で買った」などと笑顔のマークがつけられた投稿が並ぶ。 市場価格の半額ほどの値段だ。 「買ってすぐ食べるから、実利がある」と記す人もいた。 創業者は、22 年までに 60 店舗まで増やし、23 年には上場計画もあったとされる。 (広州 = 奥寺淳、asahi = 8-26-22)


ユニクロ、ダイソー酷似で急成長 異形の中国企業が突然の「脱日本」

「ばかげている。 これまで散々、コピーをしておきながら。」

19 日、記者の携帯に、香港人の 30 代会社員からこんなメッセージが送られてきた。 この知人がそう怒ったのは、中国の雑貨チェーン「名創優品産業」が「脱日本宣言」を発表したことに対してだ。 名創優品という名前に心当たりがない人ならば、まず同社の店舗の写真を見てもらいたい。 3 年前、米国で撮影したものだ。 日本語のカタカナで「メイソウ」。海外の消費者に、まるで日本企業を名乗るかのようだ。 そして、このデザインはまるで - -。 そう。 名創優品は「ユニクロとダイソー、無印良品を足して 3 で割ったような中国ブランド」と言われながら急成長し、世界に 5 千店舗以上を展開してきた。

「パクり」と呼ばれても押し出してきた日本を …

これまで「パクリ」といわれても日本を前面に出してきた同社が、「消費者を傷つけた」と謝罪し、「脱日本宣言」をした。 背景に何があったのか。 「日本のデザイナーによるブランドとして運営してきたことに、多くのネットユーザーからの批判を招き、消費者の感情を害してしまいました。 慚愧の念に堪えず、謝罪します。」 「メイソウ」、「MINISO」として、世界約 100 カ国に 5,113 店舗(5 月時点、うち中国は 3,197 店舗)を展開する同社が突然、こんな内容の謝罪声明を出したのは今月 18 日だ。

声明は続く。 2015 年から 18 年にかけ店舗の世界展開を進めたころ、日本人を首席デザイナーに迎え、「日本人デザイナーによるブランド」と対外宣伝してきたと説明。 これについて、「会社が成長する初期段階で、ブランドの立ち位置や営業行動で過ちを犯し、回り道をしてしまった」と謝罪した。 さらに声明は、謝罪にとどまらない。 同社は、海外展開を進めるうえで、「深刻な過ちがあった」とし、関係した幹部を処分したことも明らかにした。

炎上また炎上

「深刻な過ち」が何かは明らかにしていない。 しかし、今月に入り、同社がギリシャで事業展開を始めた際の 18 年の式典で、日本とギリシャ国旗が掲げられていた写真がアップされて、中国のネット上で炎上。 「中国企業なのに日本の国旗を掲げるのは受け入れがたい。 祖国への裏切りだ。」などと批判が集まった。 ブルガリアやイラン、モンゴルと戦略的に業務協力を結ぶ式典でも、机の上には中国国旗ではなく、日の丸が掲げられた写真がネット上で暴露された。

また、7 月にはスペインの SNS で公表した同社のディズニー関連商品の告知で、キャラクターが「芸者の服装を身につけている」と表現。 これも中国のネット世論から「これは中国の旗袍(チーパオ)だ」と指摘を受けて、非難を浴びた。 こうした事情が背景にあったとみられる。 同社はこれまで、ユニクロに似た「メイソウ」とカタカナで書かれた赤い看板を店舗に配置。 買い物袋には「MINISO JAPAN」と大きく記載し、商品の会社説明欄には「東京都中央区銀座3丁目」の住所が記載されていた。

中国のブログでも、「名前はダイソーと無印商品のパクリで、ロゴはユニクロのまねだ」と揶揄されてきた。 同社の本社は中国南部の広州市だ。 にもかかわらず、商品のパッケージで「銀座」を語っていたので、そもそも銀座の住所が実在するのか記者は 19 年に訪ねたことがある。

銀座の住所、訪ねると

雑居ビルに入る小さな一室を訪れると、男性の中国人社員と数人のスタッフが勤務していた。 確かに事務所はあったが、パッケージで会社の住所を語るほどの規模ではなかった。 一方、広州の本社にも行ってみたが、こちらは旧市街にある金色のビルに大きな事務所があった。 当時、広州本社の広報担当者にどこの国の企業かと尋ねたら、「中国のブランドだが、日本人によるデザイン」と回答。 あいまい戦略ながら、日本のイメージをブランド戦略に利用していることは明らかだった。

こうして世界展開を進め、21 年度に 90 億 7 千万元(約 1,800 億円)を売り上げる雑貨チェーンに成長。 ダイソーやユニクロを知らない国の消費者には、「ミニソウのブランドがオリジナルに見える(知的財産権に詳しい日本人弁護士)」ともいわれた。 ただ、名創優品によると、20 年ごろから、「JAPAN」のロゴ入り買い物袋をやめるなど、日本の露出を減らし始めたという。

18 日に広州の店舗で確認すると、「銀座」の住所が印刷された商品はタオルなど一部の商品にとどまっていた。 さらにここ数年は、米ディズニーやマーベルと提携し、それらの商品展開も進めるなど、日本のイメージからの転換を少しずつ図っていた。 それでも、謝罪に追い込まれたのは、中国でもネット世論の圧力が強いことが背景にある。

「愛国」強いるネット世論

中国では、強制労働が疑われる新疆ウイグル自治区の綿花を使用しないと公表したスウェーデン衣料品大手 H & M など、欧米企業が非難の的になり、相次いで閉店に追い込まれている。 中国の企業であっても、ひとたびネット上で炎上すれば、謝罪や処分をして、顔の見えない世論の怒りを収めないと事業に影響が出かねないのだ。 さらに、最近の中国では、日中関係をめぐる市民感情が悪化していることも関係している可能性がある。 名創優品の謝罪を伝えるニュースサイトには、こんなネットユーザーの書き込みがずらりと並ぶ。

「中日関係が最近悪くなり、日本ブランドを偽るうまみがなくなったから、祖国に回帰したいのだろう。」
「企業は利益の前に、愛国であるべきだ。」

一部には、「旧ドイツのナチスは民族への恨みから生まれた。 私たちのネット上の民族主義をみて、心配にならないのか。」という理性的な声もある。 しかし、こうした書き込みも攻撃対象になり、企業は「愛国」の側にたって、炎上の火消しに力を注がざるを得ないのが現状なのだ。 今月 10 日には、江蘇省蘇州の日本食レストランが並ぶ通りで、和服を着てコスプレの写真を撮っていた若い女性が治安関係者に連行されたとされる事案も発生。 女性は「中国人は和服を着ることはできない」と大声で怒鳴られ、和服を引っ張られる動画がネット上に出回った。

これについて、共産党機関紙・人民日報系の環球時報前編集長の胡錫進氏は、「日本が米国と協力して中国を抑え込もうとし、中日関係が緊張していることから、民衆の反日感情を刺激したのだろう」と指摘。 最近の日中関係をめぐる市民感情の悪化が、こうした事案を生んでいると分析する。

「来年 3 月末までに脱日本の作業を完了させる。」

名創優品は謝罪声明のなかで、宣言した。 そして、こう続けた。

「正々堂々と、中国ブランドとして、中国の文化を発揚していく。」

「ジョークか」 それでも優先させるもの

まったく恥を知らない。 正々堂々と中国ブランドとは、ジョークか - -。 冒頭の知人からの記者へのメッセージは、そう続いていた。 このように、同社の宣言にあぜんとする人は少なくない。 けれど、消費者に、何を今さら、矛盾した対応だと思われようとも、謝罪を優先せざるを得ない事情が、いまの中国社会にはあるようだ。 知的財産権に詳しい西村あさひ法律事務所の野村高志・上海事務所代表はこう語る。

「中国では、この種の問題は長引くと沈静化せず、激しさを増すことが多い。 このため迅速に社会に向けておわびし、収束をはかることが定型のパターンになっているのです。」 (広州 = 奥寺淳、asahi = 8-20-22)


秋葉国家安全保障局長、中国・楊氏と会談 台湾情勢などで 7 時間

秋葉国家安全保障局長は、中国の外交を統括する楊潔※チ政治局委員と 7 時間にわたって会談しました。 台湾海峡をめぐる緊張が高まる中で会談が行われた背景には、日中国交正常化 50 年の節目に、関係が決定的に悪化するのを避ける双方のねらいがあるものとみられます。 (※チ = 竹かんむりに褫のつくり)

台湾海峡をめぐっては、アメリカのペロシ下院議長の台湾訪問に反発した中国が、大規模な軍事演習を行うなど緊張が高まっていて、発射された弾道ミサイルの一部が、日本の EEZ = 排他的経済水域の内側に落下するなど、日中関係にも影響が及んでいます。 今回の会談は中国の呼びかけで、17 日午後に北京に隣接する天津で行われ、7 時間にわたって意見が交わされました。

秋葉局長は、中国軍の軍事演習は、地域や国際社会の平和と安定に深刻な影響を与えるものだとして抗議し、自制を求めました。 一方で、両国の国交正常化 50 年の節目を来月に控えていることも踏まえ、対話の重要性を再確認し、両国の「建設的かつ安定的な関係」の構築に向けて対話を継続していくことで一致しました。 日中両国は、中国が海洋進出の動きを強めていることに加え、ウクライナ情勢での立場の違いなどもあり関係が悪化していて、台湾情勢の緊張も波及し、さらに厳しさを増しています。

今回の会談の背景には、国交正常化 50 年を前に、関係が決定的に悪化するのを避ける双方のねらいがあるものとみられます。 日中関係をめぐって、岸田総理は先の記者会見で「今のような時こそ、しっかり意思疎通を図ることは重要だ」と述べていて、政府としては、国交正常化 50 年の節目も見据えつつ、関係改善の模索を続けていく方針です。

楊氏「台湾問題は中国と日本両国間の基本的な信頼に関わる」

中国外務省によりますと会談の中で、楊政治局委員は「台湾は、中国の領土の不可分の一部分だ。 台湾問題は中国と日本の関係の政治的な基礎、そして両国間の基本的な信頼に関わるものだ」と述べました。 そのうえで、日中関係について「中国と日本の 2000 年以上の歴史と国交正常化 50 年の歩みは、平和共存、友好と協力が両国関係の唯一の正しい選択だということを明確に示している。 日本は、両国と両国の人々の長期的な利益に焦点を当て、中国に対する正しい認識を確立し、前向きで現実的かつ理性的な対中国政策を追求すべきだ。」と強調したということです。 (NHK = 8-18-22)


中国軍艦、尖閣周辺で活動 1 週間、領有権主張強化か

沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域を 7 月 4 日に航行した中国海軍のフリゲート艦が、その前後、約 1 週間にわたり尖閣周辺海域にとどまって活動していたことが 30 日、分かった。 中国の軍艦が尖閣周辺を通過する例はあったが、長期の活動は異例。 日本側は、中国が尖閣の領有権主張を強める可能性があるとみて警戒し、外交ルートで「注視している」と伝達した。 複数の日本政府関係者が明らかにした。 尖閣を巡っては、日本政府による 2012 年の国有化以降、中国海警局の船による領海侵入が常態化。軍艦までもが周辺海域で頻繁に活動するようになれば、緊張が一段と高まる恐れがある。 (kyodo = 7-30-22)


寺に戦犯の位牌奉納、女性拘束 = 批判殺到で責任者更迭 - 中国・南京

【上海】 中国江蘇省南京市の寺に日中戦争時の南京攻略に関わった旧日本軍人の名前が書かれた位牌が祭られていたことが分かり、中国メディアによると、市公安当局は 25 日までに、奉納した中国人女性 (31) を拘束した。 22 日にインターネット交流サイト (SNS) に位牌の写真が投稿されると、批判が殺到し、市当局が寺の責任者らを更迭する騒ぎに発展している。

位牌が奉納されたのは「玄奘寺」。 位牌には 1937 年の南京事件の責任を問われ、戦犯として死刑が執行された松井石根陸軍大将ら軍人の氏名が書かれていた。 女性は当局の調べに対し、奉納を「個人の行為」と供述。 「戦犯の罪行」を知った後に悪夢に悩まされるようになったが、位牌を奉納することで苦しみから逃れられると考えたという。 公安当局は「錯誤と身勝手な動機によるものであり、公共の秩序を厳重に破壊し、民族感情を著しく傷つけた」と拘束に踏み切った理由を説明。 女性はメディアの取材に「すべての人に謝りたい。 法による制裁を受け入れる。」と述べた。 (jiji = 7-26-22)