世界的ブランドの三重・玉城産キウイ発売、3 年の苦労が実る

三重県内で初めて大規模なキウイ栽培に 3 年前から取り組んでいる玉城町の農場が、初の収穫を迎えた。 三重の人と風土に育てられたキウイは「酸味が少なく当たり外れのない味」が持ち味。 県内のスーパーの店頭でもさっそく、買い物客が手に取っていた。 津市久居西鷹跡町の「ぎゅーとらラブリー久居店」の店頭に 11 月中旬、「玉城町で育った国内産ゼスプリ」のコーナーがお目見えした。 品種は黄色い果肉が特徴の「サンゴールド」。 ニュージーランドのキウイ販売大手ゼスプリが開発した。 4 個入りパックを買った市内の女性 (77) は「地産地消と言うけれど、外国のものだと思っていたキウイが県産とは驚いた。」

県内各地でミニトマトの大規模生産を手がける浅井農園(津市)がゼスプリと提携し、玉城町の耕作放棄地でキウイの栽培に乗り出したのは 2019 年。 かつて次郎柿などを栽培していた農地 8 ヘクタールを地権者 52 人から借りて整備し、翌 20 年に約 8 千本の苗木を植えた。 浅井農園の浅井雄一郎社長 (42) によると、同社はトマトの農閑期にあたる夏から秋に栽培できる収益性の高い農作物を探していた。 他方、ゼスプリはニュージーランドとは季節が反対になる北半球での栽培拡大をめざしており、双方にとって好都合だった。

地権者との交渉が一時は難航したり、コロナ禍で指導員が来日できなくなったりと困難もあったが、今年は無事に約 100 トンを収穫。 数年後には 300 トンの出荷をめざしている。 ゼスプリ日本法人の広報担当者によると、国内では九州を中心に 8 県の生産者と提携してキウイを生産しており、今年は計 1,650 トンの出荷を見込む。 気温や地質が栽培に適した玉城町は、西日本で販売するキウイの重要な生産拠点として、今後も生産量を増やす計画だという。

世界的ブランドのゼスプリだが、浅井社長は玉城町産について「紛れもなく三重の風土と人が育んだ県産のキウイ。 甘くて酸味が少なく、当たり外れのない味に育った。」と太鼓判を押す。 農場の土壌改良には、県内の牧場で集めた松阪牛などの堆肥(たいひ) 3 千トンを使い、PH 値を上げるために伊勢湾などでとれたカキ殻の石灰 300 トンをまいた。

キウイの日々の手入れを担った地元のパートら約 10 人は「休みの日でも気になって見に行くほどのプロ意識で取り組んだ。(浅井社長)」 さらに 9 月末からの収穫には、地権者らを含む多くの地元の人が手伝いを買って出てくれた。 そんなキウイが、収穫から 1 カ月あまりの熟成期間を経て、ようやく県内の食卓に届いた。 浅井社長は「高齢化などで放棄された農地に、外部から人と資本が入って今の市場が求める作物をつくる。 働く場所が生まれ、地域が再生していくひとつのモデルになればうれしい。」と話す。 浅井農園は、今後もアボカドなど新たな特産品の栽培に取り組んでいくという。 (松原央、asahi = 12-12-22)


秋田の名物「ハタハタ」、新幹線で東京へ 朝獲れが午後には店頭に

旬のハタハタを秋田新幹線で東京に送る試みが 10 日、行われた。 トラック輸送に比べ格段に速く届けることができ、秋田の冬の味覚を首都圏に広げることが期待されている。 秋田県やJR東日本秋田支社、県トラック協会などでつくる秋田未来物流協議会が、列車での荷物輸送サービスを利用して行った。

午前 8 時過ぎ、秋田沖でとれたハタハタを積んだトラックが秋田駅近くに到着した。 2 キロ入り 7 箱と 3 匹入り 96 パックがそのまま新幹線ホームに運ばれ、9 時 12 分発のこまち 16 号に積み込まれた。 午後 1 時過ぎには東京に到着し、東京都港区のアンテナショップ「あきた美彩館」の店頭に並び、完売した。 協議会によると、新幹線での輸送はトラックに比べてコストはかかるが半分の時間で運ぶことができ、二酸化炭素 (CO2) 排出量は 10 分の 1 に抑えることができる。 赤上信弥会長は「鮮魚の輸送手段としては有効で、付加価値の高いものに向いている。 秋田の良さを届ける活用法を検討したい。」と話した。 (井上怜、asahi = 12-11-22)


1 匹 400 万円で落札 寒ブリ最高級ブランド「煌」、石川でデビュー

石川県漁業協同組合が今季から設けた寒ブリの最高級ブランド「煌(きらめき)」の認定が 1 日、解禁された。 金沢市の「かなざわ総合市場」で初競りがあり、煌の第 1 号として認定された大物の寒ブリ(体長 94 センチ、重量 15.5 キロ)が、破格の 400 万円で落札された。 県漁協が設けた海産物の最高級ブランドは、雄のズワイガニ「輝(かがやき)」、雌の「輝姫」に続いて 3 例目。 認定の基準は、▽ 県内の定置網漁でとれた寒ブリ、▽ 重量 14 キロ以上、▽ 12 月 - 翌年 1 月の期間限定、▽ 傷がなく胴回りが十分あること、など。 ブランド化で認知度と価格を上げ、資源管理につなげたい考えだ。

認定解禁の 1 日は、早朝から市場に約 7 キロ - 15 キロ超の寒ブリが並び、石川県七尾市の網元がとった寒ブリが「煌」に認定された。 初競りでは、県内でスーパーマーケットを展開する「どんたく(同市、山口宗大社長)」が 400 万円で落札した。 3 日にどんたくの西南部店(金沢市)とアスティ店(七尾市)で販売する予定だという。 県漁協理事の橋本勝寿さんによると、落札された煌は「(通常なら)良くて 15 万 - 20 万円で落札される大きさ」という。 「確認はしていないが、(ブリの落札額では)ギネス記録かも」と笑みを浮かべた。

全国的に有名な富山・氷見の寒ブリに続き、冬の味覚として浸透するかどうか。 橋本さんは「圧倒的なブランド力を誇る氷見のブリは目標だ。 ただ、味は変わらない。 追いつけ追い越せで頑張っていきたい。」 (小島弘之、asahi = 12-2-22)


カーブ曲がりきれず … 開業に向け試運転中の "次世代型路面電車" 脱線 宇都宮市

宇都宮市によりますと、19 日午前 0 時半ごろ、JR 宇都宮駅の東口近くで試運転中だった LRT (= 次世代型路面電車)がカーブを曲がりきれず 3 両編成の先頭と 2 両目が脱線。 その際、道路とレールを隔てるポールに衝突し、車両の先頭部分などが破損したということです。 ケガ人はいませんでした。 宇都宮市では復旧作業を進めるとともに事故の原因を調べています。 LRT は来年 8 月の開業を目指しています。 (日テレ = 11-19-22)

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震源は三重県沖、なぜ関東・東北が揺れた?
「異常震域」の仕組み

14 日午後 5 時 9 分ごろ、三重県南東沖の深さ 350 キロを震源とするマグニチュード (M) 6.1 の地震が発生した。 震源に近い三重県などで震度が観測されなかった一方、遠く離れた福島県、茨城県で最大震度 4 を観測した。 なぜだろうか。 東京大地震研究所の古村孝志教授によると、今回の地震は沈み込む太平洋プレート内で発生した、震源が深い「深発地震」と呼ばれるタイプと考えられるという。 プレート内を揺れが伝わったため、プレートの沈み込み口に近い関東・東北地方を中心に揺れが観測された。 一方、震源の真上にある「マントル」は軟らかく、プレート部分に比べて揺れが伝わりにくいため、三重県などでは人が感じる揺れはなかったとみられるという。

こうした、震源の近くより遠くの地域で大きく揺れる現象は「異常震域」と呼ばれる。 三重県南東沖では数年に 1 度、M6 クラスの地震が発生しており、いずれも今回のように異常震域が生じたという。 深発地震は震源が浅い地震に比べると、一般的に余震は少ないという。 古村さんは「深発地震であってもマグニチュードが大きくなれば、震度 5 以上となることもある。 今回の地震を機に、備えを再点検してほしい」と話している。 (佐々木凌、asahi = 11-14-22)


ホンダジェットで鮮魚を空輸 長崎・五島から首都圏スーパーへ数時間

ジェット機を開発販売しているホンダとスーパーのマルエツ(本社・東京)、宅配大手のヤマト運輸の 3 社がこのほど、長崎・五島列島でとれた鮮魚を首都圏に空輸して販売する実証実験を行った。 生鮮状態での出荷が難しい海産物を新鮮なまま首都圏に届ける荷物輸送サービスの提供をめざす。 10 月 28 日、午前 6 時半。 ブリやクエ、キビナゴ、アオリイカなど五島列島でとれた 120 キロの鮮魚が五島市福江町の魚市場で次々と競り落とされた。 時間を空けずにヤマト運輸が集荷し福江空港へ。 駐機場に待機していたホンダのジェット機に横付けし、機内に積み込んだ。午前 8 時半過ぎ、ジェット機は成田空港へ向けて飛び立った。

成田空港に午前 11 時半ごろに着いた後、ヤマト運輸が物流センターを介さずに直接輸送。 鮮魚は午後 2 時 40 分ごろには首都圏のスーパーに並んだ。 ホンダのジェット機は、五島 - 東京のように定期直行便がなかったり、公共交通機関による移動が不便だったりする区間でも迅速に運ぶことができる。 ホンダの井上大輔新事業開発部主任は、「今回は物流だが、離島など遠隔地への医師の派遣や、製造業の地方拠点間の効率的な移動、観光を中心としたレジャー用途などの広がりを試していきたい」と期待を込めた。 (五島通信員・梶山王、asahi = 11-11-22)


"キムタク信長" の開催を報告した岐阜市長のツイートに「歴史的イベント」、「対応がお粗末」賛否両論の声

岐阜市の柴橋正直市長 (43) が 8 日、自身のツイッターを更新。 5、6 日に行われた「ぎふ信長まつり」の開催を報告すると、賛否分かれる意見が寄せられた。  柴橋市長は「2 日間で 62 万人のご来場いただきありがとうございました。 安全第一の運営に、ご理解ご協力をいただくとともに、厳重な警備体制で臨んで下さった警察をはじめ関係者に感謝申し上げます。」とツイート。 そして「何よりも木村拓哉さん、伊藤英明さん、信長公騎馬武者行列に参戦していただき、本当にありがとうございました」と馬にまたがった木村、伊藤や武将の格好をした自身の写真も添えて、感謝の言葉をつづった。

このツイートには「後世に残る歴史的イベントでしたね」、「安全第一の対応でお疲れ様でした」と大きな事故がなく終えられたことに安堵する声が寄せられた一方で「観覧席側の対応がお粗末」、「当選者の怒りをご存じですか」、「公平性をもっと出して欲しかった」と不満を述べる声も上がった。 木村、伊藤が参加した騎馬武者行列は、約 64 倍の抽選倍率で当たった 1 万 5,000 人が片側車線に用意された観覧席で見届けた。 一方、道路を挟んで反対側の歩道は落選者ら観覧チケットのない人々の姿が。 この歩道は当初、歩行者が立ち止まれないように規制されるはずだったが、安全面を考慮して規制を緩めたため、なし崩し的に観覧できる状態になった。 (スポニチ = 11-8-22)


越前がに「極」に過去最高の 310 万円 … これまでの最高値の 4 倍近く 最高級ブランド、重さ 2.2 キロ

福井県の冬の味覚「越前がに」の漁が 11 月 6 日解禁され、初競りでは福井県越前町の越前漁港で最高級ブランド「極(きわみ)」と認定されたかにが、過去最高の 310 万円で落札された。 居酒屋経営のわらび(福井市)の注文を受けたかねいち水産(越前町)が 2.2 キロの大物を落札した。 わらびの中村敏明社長 (47) は「無事に落札できてよかった」と喜んだ。 極は、ゆでた重さが 1.3 キロ以上、甲羅の幅が 14.5 センチ以上、爪の幅が 3 センチ以上の基準をクリアした越前がに。 県水産課によると、これまでの最高額は昨年の 80 万円。 (福井新聞 = 11-6-22)


「海外向けが爆増している」 こんにゃく、コロナ下で輸出好調

日本のこんにゃく製品が海外で注目されている。 これまでは知名度がなかったが、健康志向の高まりで輸出が好調だ。 英語で「konjac (コンジャック)」と呼ばれており、関係者は食感や形に工夫を重ねた製品で「こんにゃくドリーム」をめざす。 ずらりとこんにゃく製品が並ぶ。伝統的な板こんにゃく、しらたきに加えて、ラーメン用とやきそば用のこんにゃく麺、ジャーキー風、餅風、実際に揚げたトンカツ風 …。

10 月中旬、欧米、アジア、中東の海外 14 の国と地域のバイヤー 25 人とオンライン会議システム「Zoom (ズーム)」をつかって、バーチャル産地視察が開かれた。 「訪問先」はこんにゃくの原料であるコンニャクイモの一大産地、群馬県昭和村だ。 群馬県は全国生産量の 9 割を占め、強いブランド力を誇る。 製造業者の北毛久呂保(ほくもうくろほ)の兵藤武志社長 (59) が工場の中に入り、製造方法や商品を説明していく。 視察を企画したジェトロ(日本貿易振興機構)が、英語で同時通訳する。

「日本独特の食べ物でカロリーが低い。 食感も形も自由に変えられて、どんな料理にも合う。」と兵藤社長が熱弁すれば、「社長は、こんにゃくのマジシャンです!」と工場スタッフもユーモアを交えて盛り上げる。 海外のバイヤーの関心は高かった。

「製品も面白いし、生産現場を自分の目で見ることができるのは本当に刺激的。 個別の商談を希望します。(イタリア)」
「日本の食品や原材料、製法・製品についての知識が深まった。 カタログを見てみたい。(ポーランド)」
「製品の説明が気に入りました。(米国)」
「値段を教えて下さい。(フィリピン)」

調査会社の富士経済によると、国内のこんにゃく製品市場は 525 億円程度で減少傾向にある。 農林水産省によると、市販用は量販店で特売品の対象とされやすい。  業務用は新型コロナウイルス感染で外食需要が減り、振るわない。 一方、群馬県によると、こんにゃく製品は輸出拡大が進む。 昨年の輸出額は約 3 億円で 2 年前の 1.3 倍となり、データをさかのぼれる 9 年前のこんにゃく製品を含む農産加工品全体額と比べても 4 倍に増えたという。

低カロリーで食物繊維が豊富な健康食品として認知度が向上したことが要因という。 県は日持ちする利点をいかし、中東を新たなターゲットにして試食会を開くなど輸出拡大を図っている。 バーチャル視察でアピールした北毛久呂保は従業員約 15 人の小さな会社だが、海外展開に力を入れてきた。 香港にあるスターバックスが夏限定で提供するサラダうどんで、こんにゃく麺が採用されるなど実績を積む。 プロ向けに柔軟に対応する会社として評価されている。

記事の後半では、こんにゃくの一大産地、群馬から工夫を重ねて海外に打って出た例を紹介します。 「海外向けが爆増している」という企業も。

「気持ち悪い」最初は大苦戦

ただ、最初は惨敗だった。 初挑戦は 2010 年、アラブ首長国連邦ドバイで開かれた展示会に好奇心から参加した。 刺し身こんにゃくなどを披露したが「これは魚か?」、「グチュグチュして気持ち悪い」と厳しい。 村と交流があったロシアも訪ねたが、同じだった。 沖縄の米軍基地では、米国人シェフに、牛と豚の合いびき肉 3 割を含むこんにゃくハンバーグを披露しても驚かれない。 「ハンバーグなら牛肉だろう。 なぜ豚肉を入れた?」と、「そっち?」と突っ込みたくなる質問も受けた。

知名度のなさを痛感した。 「テレビ CM を流して」と無理を言われた。 「健康に良いなら科学的根拠を示して」とも言われた。 苦労はあっても、世界を相手に商売することに刺激を受けた。 いまでは海外輸出の商談が増え、香港にやきそば麺も出荷する。 兵藤社長は「英語ができなくても情熱は伝わる。 外国の人にも喜んでもらいたい。 夢とロマンがあるでしょ。」と話す。

「海外に商機あり」と小規模な会社も打って出ている。 海外に駐在する日本人向けのこんにゃく製品が多い中、ツトム食品(群馬県富岡市、従業員約 20 人)は米国の高級スーパーと「枝豆こんにゃく」を共同開発した。 米国の展示会で認められたことがきっかけで、今年 7 月から店頭に並ぶ。 認知度向上へ現地のインフルエンサーと連携し、SNS を通じて PR もする。 国内では主に相手ブランドや下請けで製造するが、「こんにゃくが定着していない海外だからこそ、自社ブランドの良さを伝えられるチャンスだ」と土屋和巳営業部長 (43) は話す。

ビーガン、大豆ミートに注目

コロナ太り予防、ビーガン(完全菜食主義者)や大豆ミートの人気に注目した茂木食品工業(群馬県下仁田町、約 15 人)は昨年、こんにゃくと大豆でつくる「サラダバーグ」を商品化した。 好みの味に調整できるよう薄味なのも特徴だ。 コロナ下でお土産商戦が苦戦する中、香港向けに毎月 5 千パックを輸出し、欧米やニュージーランド進出も視野に入れる。 茂木大悟・経営戦略室長 (31) は「海外向けが爆増している。 新しい世界が広がった。」と喜ぶ。

イスラム圏での商機を見据えた動きもある。 雪国アグリ(群馬県沼田市、約 65 人)はイスラムの戒律に従っていることを示す「ハラール認証」をこんにゃく粉で取得した。 海外向け商品のパッケージの表面は国内向けとあえて同じにして「メイド・イン・ジャパンの品質を伝えたい」と担当者は話す。

海外展開を支援するジェトロによると、板こんにゃくやしらたきは、世界中の日本食やアジア向けのスーパーで見かけるようになってきたという。 こんにゃく製品の購買層の中心はまだまだ日本人・日系人だが、こんにゃくゼリーは手軽さからアジア圏で人気があり、欧州ではビーガン向けの代替品として、パスタにしらたき、ラーメンにこんにゃく麺が使われるケースが見られるという。 ジェトロ群馬でこんにゃくの海外展開を担当する狩山直紀さん (28) は「こんにゃくは、これからの可能性を非常に秘めている食材。 こんにゃくの魅力が世界に広がるように一緒に PR していきたい。」と話す。 (張春穎、asahi = 10-24-22)

こんにゃく 原料はサトイモの仲間のコンニャクイモ。 生いもの乾燥、製粉、水溶き、凝固剤の使用などを経て製品になる。 農林水産省や群馬県によると、県の西部や北部は涼しくて水はけが良いことから生産が盛んで、県全体で全国の収穫量の 9 割を占める。 群馬ではこの 20 年で、栽培農家数が高齢化や担い手不足で 4 分の 1 に減少した一方、1 戸あたりの平均栽培面積は 1.3 ヘクタールから 3.3 ヘクタールへと大規模化が進む。

製品面では、健康志向の高まりから食感や形、色を工夫したバラエティー豊かな新商品の開発が進む。 海外では「konjac」や「konnyaku」として知られる。 花の姿から英語で「デビルズ・タン(悪魔の舌)」とも言われるが、食品販売の現場ではまず使われないという。


「240 年前の地面が出てくる」 "日本のポンペイ" 発掘調査 浅間山大噴火で埋まった村

群馬県の西、浅間山のふもとに位置する嬬恋村鎌原地区は、1783 年「天明の大噴火」で発生した土石なだれに一瞬にしてのみ込まれ、住民の約 8 割にあたる、477 人が亡くなったとされています。 火山の噴火で埋没したイタリアの古代都市ポンペイになぞらえて "日本のポンペイ" とも言われています。 その鎌原地区で発掘作業が始まりました。

「当時の地面をまったく侵食しないで、土砂が止まっている場所。 うまく剥がすことで、240 年前の地面がそのまま出てくる。 集落を襲った土石の中に、当時の遺物が含まれている可能性。(嬬恋郷土資料館・関俊明館長)」

集落で唯一残った建物が鎌原観音堂です。 前回の発掘調査で、15 段しか見えていなかった石段が、実際には 50 段あったことが分かりました。 この石段を上り切った人だけが助かったのです。 石段からは、折り重なるようにして倒れている 2 人の遺骨が見つかっています。 年老いた女性を背負って逃げていた若い女性が、あと一歩間に合わず、土石なだれにのまれたとみられています。

「"日本のポンペイ" ということで、2 - 3 メートル下の地面を公開できるような、そういった史跡にするのが、最終的な目標。(嬬恋郷土資料館・関俊明館長)」

今回の調査では、約 1 カ月かけて 4 カ所を発掘する予定です。 (テレ朝 = 10-20-22)


"和牛のオリンピック" 閉幕 鹿児島に最高賞の内閣総理大臣賞

5 年に一度開かれ、"和牛のオリンピック" とも呼ばれる「全国和牛能力共進会」で最高賞の内閣総理大臣賞に種牛の部で鹿児島が決まりました。 鹿児島で 5 日間開かれた全国和牛能力共進会には、過去最多の 41 道府県から 438 頭が出品され、肉質や改良の成果などを競いました。

最終日となる 10 日、最高賞の内閣総理大臣賞には種牛の部で 4 区に出品された鹿児島の姶良和牛育種組合の「やすこ」、「てるはな」、「さき」に決まり、閉会式に出席している岸田総理から先ほど賞状が手渡されました。 大会ではこのほか肉牛の部の内閣総理大臣賞は宮崎の和牛に決まりました。 また 9 つの審査区のうち、鹿児島が 6 つの区でトップに輝きました。 次の大会は 5 年後の 2027 年に北海道で開かれます。 (MBC 南日本放送 = 10-10-22)


サンマ水揚げ全国一「根室さんま祭り」 3 年ぶり開催

サンマの水揚げが、12 年連続で全国一の北海道根室市で、旬のサンマを楽しむ「根室さんま祭り」が 3 年ぶりに開かれ、大勢の人たちで賑わっています。 「根室さんま祭り」は、サンマの水揚げが最盛期を迎える毎年秋に開かれていますが、去年とおととしは新型コロナウイルスの影響で中止となり、9 日、3 年ぶりに開催されました。 サンマ漁は近年、記録的な不漁が続いていますが、先月下旬から漁獲量がやや上向きな傾向も見られ、今回の祭りではおよそ 4 トンのサンマが用意されました。

会場には容器と箸を 100 円で買うとサンマが食べ放題で楽しめるコーナーが設けられ、訪れた人たちが長い列を作りました。 そしてサンマを受け取ると、それぞれ炭火でしっかりと焼き上げ、丁寧に身をほぐして旬の味を楽しんでいました。 根室市内の 44 歳の女性は「祭りが中止になっていたので待ち望んでいました。 立派なサンマを炭火焼きで食べるとおいしいです。」と話していました。 祭りの実行委員会の田家徹委員長は「今、揚がっているサンマの中でいちばんいいものを用意しました。 "サンマの町" として少しでも活気づいてほしい」と話していました。 「根室さんま祭り」は午後 2 時半まで根室港で開かれています。

東京「目黒のさんま祭」も 3 年ぶりに開催

秋の味覚のサンマがふるまわれる「目黒のさんま祭」も、3 年ぶりに開催され、不漁の影響で準備したサンマは例年の 5 分の 1 にとどまっているものの、多くの人でにぎわいました。 祭りは、古典落語の「目黒のさんま」にちなんで、地元の町内会や商店街などが開いているもので、新型コロナの影響で、おととしと去年は中止となり、ことしは 3 年ぶりの開催となりました。 会場の公園では 9 日朝、友好都市の宮城県気仙沼市から届いたばかりのサンマが炭火で焼かれ、事前に予約をした家族連れなどが秋の味覚を楽しんでいました。

主催者によりますと、サンマの不漁の影響で、準備したサンマは例年の 5 分の 1 ほどのおよそ 1,000 匹にとどまったほか、新型コロナ対策のため事前に抽せんを行ったということです。 夫婦で訪れた 30 代の男性は「ことしもサンマのシーズンが始まったなという感じがしてうれしいです。 不漁でも来年も開催してほしいです。」と話していました。 5 歳と 7 歳の息子と訪れた 30 代の父親は、「サンマの値段も上がっていて子どもたちと一緒に食べられる機会はなかなかありません。 このようなイベントはとてもありがたいです。」と話していました。

イベントの実行委員会の藤森昇さんは「不漁の影響で当初はサンマを確保できるのか不安でした。気仙沼のみなさんが頑張って用意してくれて、みなさんに楽しんでもらえてよかったです」と話していました。 (NHK = 10-9-22)


記録的な大雨で浸水被害 静岡市約 5 万 5,000 世帯で断水続く

台風 15 号の影響で記録的な大雨となった静岡県内では、浸水被害が 25 日午前 6 時までに 2,500 棟近く確認されたほか、静岡市では約 5 万 5,000 世帯で断水が続いています。 静岡県によりますと、台風 15 号の影響で、県内では、24 日までに、2 人が死亡、1 人が行方不明になっています。

このうち、掛川市では、土砂崩れで 2 階建ての住宅 1 棟が全壊して、この家に住む 45 歳の男性が死亡したほか、袋井市では 74 歳の男性が水に浸かった軽トラックの近くで倒れているのが見つかり、その場で死亡が確認されました。 さらに、川根本町では、道路にできた穴に軽トラックが転落し、運転していた 70 代の男性が行方不明になっています。 各地で、浸水の被害も相次ぎ、26 日午前 6 時の時点で、あわせて 12 の市と町で、床上浸水が 1,247 棟、床下浸水が 1,211 棟、あわせて 2,458 棟に上るなど被害が拡大しています。

インフラへの影響も続いています。 静岡市では、清水区内に水道水を供給する興津川の取水口で、流木などが詰まって水を取り込むができなくなり、24 日昼前からおよそ 5 万 5,000 世帯で断水が続いていて、市と海上保安庁があわせて 28 か所に給水所を設けて対応していますが、復旧のメドは立っていないということです。 一方、中部電力パワーグリッドによりますと、県内は、送電用の鉄塔 2 基が土砂崩れで倒れたのが原因で、静岡市葵区を中心に 24 日、最大でおよそ 12 万戸が停電しましたが、復旧作業の結果、停電は 25 日午前 11 時の時点で 1,430 戸まで解消したということです。

静岡市では給水所に多くの市民

記録的な大雨の影響で大規模な断水が続いている静岡市清水区では、25 日も、市が設置した給水所に水を求めて多くの人が訪れています。 市では 25 日も、清水区内の 27 か所に給水所を設けて対応しています。 このうち、有度生涯学習交流館の給水所では 3 トンの水が用意され、多くの住民が車や徒歩などで次々に訪れていました。 50 代の男性は「2 リットルのペットボトルを 6 本用意していたのですが、足りなくなってしまったので、給水所にきました」と話していました。

また、家族で訪れていた 40 代の女性は「水が出なくて一番困るのはトイレですが、手を洗うことも習慣になってるので、すぐ手を洗うことが出来なくて不便です」と話していました。 このほか、海上保安庁も、25 日午前から、清水区日の出町の巴川河口の岸壁で、巡視船による給水活動をしているということです。 静岡市では、興津川の取水口に詰まった土砂や流木など撤去作業を進めていますが、断水復旧のめどは立っていないということです。 (NHK = 9-25-22)


床も席も天井も … ピンク一色のアート列車 田園地帯の「走る異空間」

床も座席も天井もすべてショッキングピンク。 そんなど派手な列車を、現代美術家の原高史さんがデザインした。 青森県の津軽地域の田園風景を走る弘南鉄道の「アート列車」で、乗客を文字どおり「異空間」にいざなう。 原さんは、作品にピンクを採り入れることで知られ、今回はリンゴの栽培やねぷた、それらにかける青森の人たちの情熱をイメージ。 座席の生地はわざわざスイスのメーカーから取り寄せたもので、車体にもピンクのラインが入る。

列車は、2 年前に開館した弘前れんが倉庫美術館のある弘前市を起点に、黒石市との間を結ぶ弘南鉄道弘南線に乗り、沿線の魅力を再発見してほしいと、青森県などが企画。 東北芸術工科大の教授でもある原さんに依頼した。 車両をタイムマシンに見立て、乗客が自らの過去をたどれるよう、床には「NOVEMBER 1972」といった年号とともに、「どこで生まれました?」、「思い出の場所はどこですか?」などと言葉が添えられている。

「ほかの列車にはない空間ができている。 (乗客)それぞれの記憶にリンクしながら、大事なものを思い出してもらえれば。」と原さん。 運行が始まった 9 月 14 日の開幕式では「弘南鉄道の人もこんなにピンク色になるとは思っていなかったのでは」といたずらっぽく笑った。 弘南鉄道の成田敏専務は「コロナで厳しい状況が続いているが、明るい企画を実施していただけてありがたい。 結構派手だが、アート列車を楽しんでほしい。」と期待する。

列車は 2 両編成で、2 両目は地元の県立黒石高校情報デザイン科の生徒 9 人がデザインを担当した。 地元の人たちを取材し、「映画館は 5 軒あり、パチンコが盛んだった」「神奈川から黒石に、30 歳頃戻ってきた」など、聞き取った思い出や言葉からデザインしたピンク色を基調にした広告を、車内につったりはったりしている。 3 年の木村胡那未さん (17) は「様々な年代の人に話を聞いたので、時代を感じてもらえればうれしい」と話す。

アート列車は弘前 - 黒石間を 1 日最大 9 往復。 運行は 11 月 13 日までの予定だが、乗客の反応をみて継続を検討するという。 (土肥修一、asahi = 9-24-22)


「台風の通り道」でも「今までで一番」 鹿児島・屋久島、町民ら驚き

台風 14 号が通過し、午前 11 時 51 分には最大瞬間風速 50.9 メートルを記録した鹿児島県屋久島町では、町民らが強い風雨に驚きを隠せない様子だった。 同町に約 20 年前から住み、町内で居酒屋「鮨 居酒屋やしま」を営む寺田和子さん (73) は「今までの台風で一番強い。」 これまで、屋久島の知人たちから「屋久島は『台風の通り道』」と聞いてきたが、台風の脅威を感じたことはあまりなかった。

ただ、今回の台風 14 号は様相が違った。 午前 9 時ごろから風が強まり、自宅近くのダイダイの枝が窓ガラスに当たった。 「ここ数年なかった(寺田さん)」ほどの激しい雨も降り続いた。 寺田さんによると、屋久島へのフェリーが 16 日から欠航となっている影響で、スーパーの品薄も相次いでいる。 近所の店舗は、17 日の段階では冷凍の精肉や干物がわずかに残っている程度だった。 居酒屋で使う食材は足りているが、「交通機関がストップしている間は開けられない。 20 日あたりには店を再開できたらいいけど …」と心配そうだった。

埼玉県から旅行で来ている IT エンジニアの八木佑侑季さん (31) は身の危険を感じ旅館から一歩も外に出なかった。 「朝から窓をたたきつけるような風雨でサッシがガタガタと音を立てていた。 窓のそばにいるのが怖かった。」と状況を説明した。 強風はすでに前日から吹き荒れていた。 「運転している車のハンドルがあおられるような状態で、踏ん張っていないと立っていられなかった。 枝などが飛んできても防ぐことができない。 お年寄りであれば飛ばされてしまうと思った。」と語った。 帰りの航空便は欠航となり、20 日から始まる仕事に間に合うのか、案じていた。 (豊島鉄博、釆沢嘉高、asahi = 9-18-22)


全面開通前に 再び崩落 岐阜「乗鞍スカイライン」

10 日の全面開通を前に、再び崩落。 岐阜・高山市の「乗鞍スカイライン」で、長さおよそ 38 メートル・幅およそ 10 メートルにわたり、道路が崩落しているのを、現地の確認に来た施工業者が見つけた。 この現場は、2020 年の豪雨でも崩落し、復旧工事を終えて、10 日に全面開通する予定だった。 原因はわかっておらず、復旧の時期は未定。 (FNN = 9-10-22)


国産ビーツでウクライナ支援「ボルシチまつり」 避難民が味の仕上げ

真っ赤な西洋野菜のビーツを煮込んだウクライナ発祥とされるスープ料理「ボルシチ」。 長野県朝日村観光協会と日本ウクライナ文化協会(名古屋市)などが 24 日、村でとれたビーツを使ってボルシチを販売する「ボルシチまつり」を村内で初めて開く。 ウクライナから愛知県に避難している人たちが故郷の味に仕上げ、売上金を母国の戦災孤児の支援に充てる。

ウクライナ出身で、名古屋市に住むウクライナ文化協会副理事の榊原ナターリヤさん (38) が 2 年前、村産のビーツを食べたのが開催のきっかけ。 友人の小石原祐子さん (44) が、おじで村観光協会理事の山田喜孝さん (64) から取り寄せた。 ナターリヤさんは「色が濃くて甘く、ウクライナのビーツに負けないくらいおいしかった。 畑の土質がウクライナの豊かな黒土と似ているのかもしれない。」と驚いたという。

「本場のお墨付きをもらったビーツは、村の特産品になる」と考えた山田さんは、めいの小石原さんらに相談。 ウクライナがロシアの侵攻を受けたため、チャリティー企画としてボルシチまつりを開くことにした。 ボルシチは、ウクライナの家庭に欠かせない「おふくろの味」だ。 国連教育科学文化機関(ユネスコ)は 7 月、ロシアの侵攻により食文化の存続が脅かされているとして、「ウクライナのボルシチ料理の文化」を「緊急に保護する必要のある無形文化遺産」のリストに登録している。

まつりで提供するボルシチは、ウクライナから愛知県に避難している 7 人やナターリヤさんら計 10 人ほどが村を訪れて作る。 ウクライナ国民が大好きという香草のディルを効かせた、香り高いボルシチに仕上げるという。 ビーツは生産農家の下田明範さん (49) が、約 100 キロを無償で提供する。 下田さんによると、村内でビーツを生産する農家は 3 軒ほど。 大半は首都圏へ出荷され、地元ではほとんど消費されないという。 ビーツをしぼったジュースは「飲む点滴」と呼ばれるほど体にも良いとされ、「まつりを機に地元でも消費が増えてほしい」と期待する。

15 年ほど前に来日したナターリヤさんの両親や姉の家族は、いまも首都キーウ(キエフ)や近郊で暮らしている。 ロシア軍は周辺から撤退したが、近くにミサイルが着弾することもあり、学校は再開できないままだという。 ナターリヤさんは「日本でウクライナのニュースが少なくなっているように感じるが、戦争はまだ終わっていないことを改めて伝えたい」と話す。 ボルシチまつりは、緑のコロシアムで正午 - 午後 3 時。 1 杯 500 円(限定 300 食)。 寄付も募り、売上金とともに戦災孤児を支援する現地の NGO に送る。 (滝沢隆史、asahi = 9-7-22)


HIS など株主がハウステンボスを 1,000 億円で売却

長崎県にあるテーマパーク「ハウステンボス」が香港の投資会社に売却されることになり、大手旅行会社「エイチ・アイ・エス」などの株主が売却の方針を 8 月 30 日正式に発表しました。 「ハウステンボス」をめぐっては運営会社の株式の 66% 余りを大手旅行会社の「エイチ・アイ・エス」が保有し残りの株式を九州電力や西部ガスなど九州の企業 5 社が保有しています。 各社は、保有する株式を香港に拠点を置く投資会社「PAG」に合わせて 1,000 億円で売却する方針を決め、8 月 30 日各社が正式に発表しました。

売却後も「ハウステンボス」の営業は続けられる見通しです。 「ハウステンボス」は 2003 年に会社更生法の適用を申請したあと投資会社の支援を受け、2010 年からは「エイチ・アイ・エス」の傘下に入って経営再建に取り組んできました。 コロナ禍で入場者数が一時、大きく落ち込みましたがこのところは回復傾向にありました。 一方、筆頭株主の「エイチ・アイ・エス」は新型コロナの影響による主力の海外旅行事業の落ち込みで厳しい業績が続いていて、「ハウステンボス」の売却で財務状況の改善につなげたいねらいがあるとみられます。 (NHK = 8-30-22)


450 年以上の歴史 夜空に映える歴史絵巻の大提灯

愛知県西尾市の諏訪神社で 27日、「三河一色大提灯(ぢょうちん)まつり」が始まった。 450 年以上の歴史があるとされる祭り。 神社の境内に掲げられた 6 組、計 12 張りの大ぢょうちんは、最大で長さ約 10 メートル、直径約 5.6 メートルにもなるという。 周囲が暗くなりはじめた午後 7 時過ぎ、大ぢょうちんには次々とろうそくの灯がともされた。 浮かび上がる歴史絵巻が夜空に映え、訪れた人はその姿に魅了されていた。 大ぢょうちんは 28 日午後 5 時まで掲げられている。 (asahi = 8-27-22)


アンテナ消え、隣県と同じ放送に? 地方のテレビに何が起きるのか

TV 全国ネットの存続

記事コピー (6-5-22〜8-26-22)


真夏の門出「強くて優しい大人に」 和歌山で「二十歳を祝う会」

和歌山県田辺市本宮町の「二十歳を祝う会」が 13 日、世界遺産熊野本宮館であった。 対象者 10 人中 9 人が浴衣やスーツ姿で参加し、真夏の門出を祝った。 民法改正で 4 月から成人年齢が 18 歳に引き下げられ、従来の「新成人を祝う会」から名称を変えた。

進学や就職で地元を離れた人が 1 月の「成人の日」に帰省しづらいため、旧本宮町時代から町自治会連絡協議会などが毎年、お盆に開いている。 新型コロナウイルスの影響で中止や時期が変更になったため、お盆の開催は 3 年ぶり。

式では、真砂充敏市長の祝辞の代読や本宮中学校の恩師のビデオレターの上映があり、参加者代表の関西大 2 年、小野珠茄さん (19) が「社会に貢献できるように努力し、失敗を恐れず、強くて優しい大人へと成長していきたい」と決意を述べた。 (竹内之浩、mainichi = 8-14-22)

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豪雨で養殖施設が被害、イワナやヤマメ 17 万匹が死ぬ
県が支援方針

今月の記録的豪雨によって、石川県内では養殖の川魚 17 万匹が死ぬなど農林水産業が打撃を受けている。 県は 12 日の対策本部会議で被害状況を改めてまとめ、被害を受けた業者を支援する方針を確認した。 県によると、12 日までに複数の養殖施設で被害が確認されている。

白山市の養殖施設では、取水ポンプが停止するなどして、イワナ約 9 万匹が死亡。 小松市の施設でも、土砂が水槽に入るなどしてイワナ 4 万匹、ヤマメ 3 万匹が死亡した。 他の施設を含めると、全体で約 17 万匹の死亡が確認されているという。 馳浩知事は 12 日の災害対策会議後、水産業の被害について、「業者の事業持続への支援をどこまで対応するのか。 相談に乗れる体制を作るのは大事だと思う。」と述べた。 (山田健悟、asahi = 8-13-22)

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アマゴ、ヤマメ、イワナで 24 万匹死ぬ 勝山市の養殖場

今月初旬の豪雨によって、福井県内有数の川魚の養殖地・勝山市で深刻な被害が出ている。 養殖池に土砂が流入するなどして死んだイワナ、アマゴ、ヤマメなどは 20 万匹を超えるとみられる。 地元の特産物を失ったばかりか、各地の漁協に出荷している放流用の稚魚などの流通に影響を与える恐れがある。 勝山淡水漁業生産組合では、氾濫した野津又川の水を引いて 32 の養殖池(同市野向町横倉)でヤマメとアマゴ、イワナなど 20 万 8 千匹を養殖していた。 4 日午前の豪雨で野津又川が増水。 川の水を石などでせき止めて水かさを増やし、パイプを使って水槽に水を導いていたが、豪雨で取水施設が破損した。

組合長の北川雅敏さん (69) によると、養殖池には川からあふれた泥水が流れ込み、魚は 9 割ほどが酸欠で死んだとみられるという。 魚だけの被害額でも 2 千万円近くになる見込みで、「政治や行政の力で河川の工事をしてもらわなければ事業を再開できない」と話す。 社長を務める近くの「あまごの宿」では 10 日から宿泊客を受け入れ始めたが、魚はアユなどを外部から調達するという。

あまごの宿から東に 6 キロほど離れた滝波川水系の八瀬川。 谷淡水魚生産組合の養殖場(同市北谷町谷)では 10 基の養殖池が被害に遭った。 ここではイワナ約 3 万匹が養殖されていたが、土砂に埋もれたり、流されたりした。道具小屋にも土砂が流れ込んだ。 組合長の広田志津雄さん (72) は 4 日午前、養殖場で仕事をしていた。 雨がひどくなって道路が冠水し始めたため近くのコミュニティセンターに避難したが、午前 11 時ごろに養殖場に戻るとすでに被害が出た後だった。

イワナは県内のイベントや旅館、漁協などに出荷していた。 ボランティアの力も借りて水槽の泥上げを 9 日までに半分ほど終えたというが、事業の再開は見通せない。 広田さんは「40 年間ここで仕事をしてきたが、初めてのこと。 言葉も出てこない。」と話した。 (小田健司、asahi = 8-11-22)