19 歳で君主制廃止訴え 変遷するトラス氏、目指すは「大志の国」

英国史上 3 人目の女性首相に就くことが決まったリズ・トラス外相 (47)。 庶民的な学校で基礎教育を受けた後、オックスフォード大学を卒業し、最高権力者まで登り詰めた。 いったい、どんな政治家なのか。 トラス氏が保守党員になったのは 1996 年。 その前は中道左派の自由民主党員で、94 年の同党大会では演説までしている。 当時の映像が今回の党首選でも話題を集めた。 19 歳のトラス氏が、君主制の廃止を唱えていたからだ。

「英国の誰もが『誰か』になれるチャンスを持つべきです。 しかし、国家元首になれるのは一族だけだ」、「国民に君主制への意見を聞いたら、何と答えたか知っていますか? 答えは『廃止しろ』だったんです。」と演説で訴えていた。 後にトラス氏はテレビ番組で、演説内容についての今の認識を問われ、「当時の発言は間違っていた」と述べている。

トラス氏には他にも著名な「変遷」がある。 2016 年当時は、英国の欧州連合 (EU) 離脱(ブレグジット)に反対の立場だった。 「私は残留を支持します。 残留は英国の経済的利益になり、自国の重要な経済・社会改革に集中できると考えるからです。」とツイッターで立場を表明していた。 やはり、後に英メディアのインタビューに「間違いだった」と答えたという。

抱くビジョンは「大志の国」

トラス氏が多用するのは「大志」という言葉だ。 党首選の最終盤の演説では、自身が庶民的な学校で教育を受け、期待されず才能を開花できない子どもたちを見てきたことを振り返り、「だから、私は政治家になった。 どこに住んでいようと、どこの出身であろうと、すべての人に機会を与えたい。 私は、この国を『大志の国 (aspiration nation)』にしたい。」と語った。 3 年前の雑誌インタビューでも、記者が「英国のビジョンを単語で語って」と頼むと、すぐに「大志 (Aspirational)」、「自由」との答えが返ってきたという。

「ジョンソンに忠実」後継アピールしたトラス氏

自分の人生をコントロールできること。 女性だから、所得が低いからという理由で、道が閉ざされていると感じない社会にする。 そんな趣旨だったという。 本人は、庶民的な学校で基礎教育を受けた後、オックスフォード大学を卒業。 石油大手シェルなどでの勤務を経て、2010 年に初当選した。 英国での女性首相は、故サッチャー(在任 1979 - 90 年)、メイ(2016 - 19 年)両氏に続いて 3 人目だ。

ジョンソン氏の「後継者」

「私は忠実な人間だ。 ボリス・ジョンソンに忠実だ。」 トラス氏は今回の与党・保守党の党首選で、こう自らを売り込んだ。 ジョンソン首相が 19 年総選挙で保守党を大勝に導いた時のマニフェストについて「必要なのは達成、達成、達成だ」と述べ、ジョンソン政権の「後継者」となることを宣言した。 今年 7 月、ジョンソン氏が度重なる不祥事に虚偽の説明をしたことで批判を浴び、政府から閣僚や副大臣ら幹部 50 人超の辞任ドミノが起きたが、トラス氏は最後まで外相のポストにとどまった。

8 月の演説でも、「ボリス・ジョンソンはブレグジットを実現した。 ワクチンを提供した。 そして、プーチン(ロシア大統領)に立ち向かい、ウクライナを支援することも実現した。」と評価し、内閣の一員であったことを「誇りに思う」と述べた。 今回の党首選では、こうした後継者であることが党員にアピールしたと言えそうだ。 反対に、決選投票での一騎打ちの相手、リシ・スナク前財務相 (42) は 7 月に財務相ポストを辞任した。 政権の屋台骨である重要閣僚の辞任が、ジョンソン氏の辞任劇に発展したことから、党内の一部から「裏切り者」と見られてきた。

党首選は、いわば「後継者」対「裏切り者」の構図になった。 ジョンソン氏は国民全般には不人気だが、保守党内では根強い人気を誇る。 一般を対象にした調査会社ユーガブの調査では、ジョンソン氏の首相としての仕事ぶりについて、「悪い (68%)」が「よい (25%)」を大幅に上回る。 しかし、保守党員を対象にした調査では、決選投票を競った 2 人にジョンソン氏を加えて支持動向を聞くと、一転してジョンソン氏 (46%) が首位。 トラス氏 (24%) とスナク氏 (23%) を引き離す。 ジョンソン支持者の票が、トラス氏に流れたのが勝因の一つとみられている。 (ロンドン = 金成隆一、asahi = 9-5-22)


NPT 会議、再び決裂 ロシアが不合意で最終文書を採択できず

核軍縮、核不拡散、原子力の平和利用を 3 本柱とする「核不拡散条約 (NPT)」の再検討会議は 26 日午後(日本時間 27 日未明)、米ニューヨークの国連本部で最終日を迎えた。 コンセンサス(意見の一致)による「最終文書」の採択をめざしていたが、ロシアが同意せず、決裂した。

会議は 5 年に 1 度開かれ、当初は 2020 年春の予定だった。 だが、新型コロナウイルスの感染拡大によって 4 度にわたって延期。 今月 1 日、4 週間の日程で始まった。 前回 15 年の会議では中東の非核地帯構想をめぐって交渉が決裂し、最終文書を採択できなかった。 2 回連続で決裂したことにより、NPT 体制への信頼は揺らぐことになる。 今回の会議では 1 週目に各国が演説した後、NPT の 3 本柱に沿って三つの委員会が設けられ、争点を洗い出した。 その上でスラウビネン議長が最終文書案をまとめ、25 日夜に内容が固まった。

26 日の最後の全体会合は予定から 4 時間以上遅れて始まった。 軍縮外交筋によると、ロシアがウクライナに関する部分の記述を削除するよう求め、交渉がまとまらなかったという。 今年 2 月にロシアがウクライナに侵攻し、安全保障環境も厳しくなるなか、争点は多岐に及んだ。 NPT 体制の維持のために妥協点を見いだそうとようやくまとまった文書案にもロシアは合意しなかった。 (ニューヨーク = 藤原学思、asahi = 8-27-22)


破産宣言のスリランカ 債務再編主導を日本に依頼へ

深刻な経済危機に陥り、破産を宣言しているスリランカのウィクラマシンハ大統領は 18 日、ロイター通信の取材に対し、債務再編の協議の主導を日本に依頼する考えを示した上で、来月、日本を訪れ、岸田総理大臣と会談する意向を表明しました。 スリランカ・ウィクラマシンハ大統領「誰かが主要債権国を集める必要があり、我々は日本に依頼する。」 ウィクラマシンハ大統領は、このように述べ、債務再編に関する協議の主導を日本に要請する考えを示しました。 その上で、来月に日本を訪れ、岸田総理と会談する意向を表明しました。

スリランカの 2 国間債務は約 62 億ドルに上ると推定され、日本や中国、インドが主な債権国です。 16 日には、中国の調査船がスリランカ南部の港に入港し、インド側が「スパイ船」と批判するなど、中国とインドは、スリランカへの影響力拡大をめぐり対立しています。 ウィクラマシンハ大統領としては、経済危機からの脱却のため、日本の主導で、債務再編の交渉を円滑に進めたい狙いがあるとみられます。 (日テレ = 8-19-22)

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スリランカ、非常事態宣言 大統領国外脱出、デモ激化 - 軍に治安回復命令

【ニューデリー】 スリランカ政府は 13 日、ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領の国外脱出を受け非常事態を宣言した。 最大都市コロンボではデモ隊が首相官邸に突入し、警察が催涙弾を放つなどの騒ぎになった。 ラジャパクサ氏は失権し、後任の大統領選出までウィクラマシンハ首相が大統領代行となったが、混乱が続く恐れもある。

ラジャパクサ氏は 13 日未明、軍用機でモルディブに脱出した。 さらに第三国へ向かう可能性も取り沙汰され、シンガポールに向かうとの報道もある。 非常事態の対象は全土で、期間は無期限。 首相府報道官は「大統領が国外に逃亡した。 国家の現状に対応するため非常事態が既に宣言された。」と述べた。 コロンボを含む西部州は夜間の外出も禁止されたが、デモ隊は「13 日中にウィクラマシンハ首相も辞任しろ」と要求した。 ウィクラマシンハ氏は、軍と警察に対し秩序を取り戻すための活動を命じた。 (jiji = 7-13-22)

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経済危機のスリランカ 大統領が辞任へ 政府への抗議広がる

インド洋の島国・スリランカのラジャパクサ大統領は、今月 13 日に辞任する意向を議会に伝えました。 経済危機が続くスリランカでは 9 日、最大都市のコロンボなどで政府に対する大規模な抗議活動が広がりデモ隊の一部が大統領の公邸を占拠するなど、政府の責任を追及する声が高まっていました。 スリランカは膨大な借金の返済で外貨が不足して経済危機に陥り、政府に対する不満が高まっています。 9 日は最大都市のコロンボなどで大規模な抗議活動が広がり、中心部の通りは国旗を掲げた参加者で埋め尽くされました。

デモ隊の一部はゴタバヤ・ラジャパクサ大統領の公邸を占拠しましたが、大統領は事前に公邸を出て不在でした。 一連の抗議活動では治安部隊との衝突も起き、病院関係者によりますと少なくとも 50 人以上がけがをして手当てを受けたということです。 こうした中、スリランカ議会の議長は 9 日、ラジャパクサ大統領が今月 13 日に辞任する意向を示したと述べました。 スリランカではことし 3 月以降、大統領や政府の責任を追及する抗議行動が相次ぎ、5 月には現職のラジャパクサ大統領の兄で元大統領のマヒンダ・ラジャパクサ首相が辞任するなど、政情不安が続いていました。(NHK = 7-10-22)

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スリランカが「破産」を表明 プーチン大統領に燃料支援など要請

経済危機が深刻化しているスリランカのゴタバヤ・ラジャパクサ大統領は 6 日、自身のツイッターで、ロシアのプーチン大統領に燃料輸入のための支援を要請したことを明らかにした。 ラジャパクサ氏は「プーチン大統領と非常に有意義な電話会談を行った」と投稿。 燃料の問題以外にも、航空便の再開を要請し、観光、貿易、文化などの分野での二国間関係の強化が重要であることで一致したという。 スリランカは、他国などからの借金の返済が滞ってデフォルト(債務不履行)状態に陥っている。 AFP 通信によると、ウィクラマシンハ首相は 5 日、議会の演説で、同国が「破産」したと述べ、経済危機が少なくとも来年末まで続くとの見通しを示した。 (asahi = 7-7-22)


NY 原油市場 85 ドル台に下落 ウクライナへの軍事侵攻以降初めて

16 日のニューヨーク原油市場では、アメリカや中国の景気減速への懸念などを背景に国際的な原油の先物価格(WTIの先物価格)が一時、およそ 7 か月ぶりに 1 バレル = 85 ドル台まで下落しました。 1 バレル = 85 ドル台をつけるのはことし 1 月以来、およそ 7 か月ぶりで、ことし 2 月にロシアがウクライナに軍事侵攻を行って以降、初めてです。 背景にはこのところ発表されたアメリカや中国の経済指標を受けて今後、景気が減速し、原油の需要が落ち込むとの見方が広がっていることがあります。

また、イランとアメリカが EU = ヨーロッパ連合を仲介役として再開した、核合意の立て直しに向けた間接協議に何らかの進展があれば、イランからの原油の輸出が増えるとの観測が出ていることも価格下落につながっています。 ロシアによる軍事侵攻で WTI の先物価格はことし 3 月初旬に一時、1 バレル = 130 ドルを超え、世界的なインフレを加速させる要因となりました。 市場関係者は「世界的な景気減速への懸念が根強いことから原油価格の下落傾向は当面、続くのではないかとの見方が強い」と話しています。 (NHK = 8-17-22)

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NY 原油、ウクライナ侵攻前の水準に下落 1 バレル 90 ドル台

3 日の米ニューヨーク商業取引所で、原油価格の指標となる「米国産 WTI 原油」の先物価格が下落した。 終値として、ロシアがウクライナに侵攻する前の 2 月以来、約 6 カ月ぶりの安値をつけた。 米国の原油やガソリンの在庫が市場予想に反して増え、景気減速懸念が高まり値下がりにつながった。 終値は、前日より 3.76 ドル (3.98%) 安い 1 バレル = 90.66 ドルだった。

3 日に米エネルギー情報局 (EIA) が発表した統計で、原油とガソリンの在庫が増えた。 レジャーシーズンで市場は在庫減少を予想していた。 また、有力産油国でつくる石油輸出国機構 (OPEC) プラスが 3 日、増産計画を協議し、9 月に前月より日量 10 万バレル分増量することで合意した。 世界の石油需要は 1 日あたり約 1 億バレルで、増産幅が小さいことから、価格に大きな影響は出なかった。 (ニューヨーク = 真海喬生、asahi = 8-4-22)


大雨で 9 人死亡、6 人不明 半地下住宅で被害 - 韓国首都圏

【ソウル】 韓国でソウル首都圏を中心とした地域が、8 日から記録的大雨に見舞われている。 韓国政府は 9 日、ソウルおよび隣接する京畿道などで計 9 人が死亡、6 人が行方不明となったと発表した。 繁華街のある江南地区などソウル南部で、とりわけ大きな被害が出た。 住宅の浸水被害が多数報告され、地下鉄駅の浸水や道路の冠水も発生。 半地下の住宅に水が押し寄せ、家族 3 人が命を落とした。 一部地域では 1 時間当たりの雨量が 136 ミリを超えた。 韓国メディアは「115 年の観測史上、最大規模の記録的大雨」と報道。 雨は 12 日ごろまで続く可能性があり、当局は警戒を呼び掛けている。 (jiji = 8-9-22)


米失業率 3.5%、喜べぬ半世紀ぶり水準 非労働力が増加

【ワシントン = 高見浩輔】 米労働省が 5 日発表した 7 月の雇用統計は減速の予想を覆す強い数字だった。 失業率は前月比 0.1 ポイント下がり 3.5% と、半世紀ぶりの水準だった新型コロナウイルス禍前の 2020 年 2 月以来の低さになった。 統計の内容を詳しくみると、仕事を探そうとしないため失業者に数えない非労働力人口の増加など好ましくない兆しも浮かぶ。 「歴史上、最も多くの人々が働いている。」 雇用統計の公表から 1 時間後、バイデン米大統領は高らかにコメントを発表した。 非農業部門の就業者数は 1 億 5,253 万人と、20 年 2 月の 1 億 5,250 万人を超えて過去最高になった。 前月比の増加幅は 52 万 8,000 人と前月(改定後 39 万 8,000 人)から加速した。

この記録に疑義を呈するのは米ゴールドマン・サックスのチーフエコノミスト、ヤン・ハチウス氏だ。 「今の雇用統計は数字が過大に出ている可能性がある」という。 雇用統計で一般に市場が重視する就業者数は企業への調査に基づく。 ハチウス氏は 7 月のリポートで、同じ米労働省が家計に調査した就業者数に注目した。 22 年 3 月にコロナ前比 40 万人減まで回復した後、7 月まで伸びが止まった状態だ。 過去最高には達していない。

2 種類の調査の数字はおおむね同じ動きをしてきたのが、この半年間あまりは差が大きくなっている。 背景として「複数の仕事を掛け持つパートタイマーの急増」を指摘する声がある。 企業からの集計では一部がダブルカウントになっている可能性がある。 雇用者数が頭打ちなら失業率はなぜ下がったのか。 失業率は就業者と失業者を合わせた労働力人口に占める失業者の割合だ。 7 月は分母の労働力人口が 1 億 6,396 万人と前月から 6 万 3,000 人減った。 それ以上に分子の失業者の減り幅(24 万 2,000 人)が大きかった。

16 歳以上の人口に占める労働力人口の割合(労働参加率)は 62.1% と 0.1 ポイント低下した。 職探しをしない人は失業者として扱わず、非労働力人口に数える。 7 月の非労働力人口は 23 万 9,000 人増えており、そもそも労働市場からの退出者が増えている様子がうかがえる。 計算上は失業率が下がっていても、必ずしも雇用情勢が改善しているわけではない。

米ブルッキングス研究所は 4 日、「学士号を持たない働き盛り(プライムエイジ)の男性、同じく学士号を持たない 45 - 54 歳の女性」が労働市場に戻っていないと指摘した。 1960 年代にかけて生まれたベビーブーマーの早期退職もある。 雇用統計の強さを受けて、米金利先物市場は 9 月の米連邦公開市場委員会 (FOMC) で 0.75% の大幅利上げが続くとの予想を 7 割ほど織り込んだ。 だがコロナ禍も経て労働市場の構造は大きく変わっている。 雇用の実態をつかみ損なえば、景気を左右する金融政策の判断も誤りかねない。 (nikkei = 8-6-22)

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米就業者 52.8 万人増 7 月雇用統計、失業率 3.5% に低下

【ワシントン = 高見浩輔】 米労働省が 5 日発表した 7 月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月から 52 万 8,000 人増えた。 伸びは前月の 39 万 8,000 人から拡大し、過熱状態が続いている。 失業率も 3.5% と下げた。 米連邦準備理事会 (FRB) は失業率がすぐに上昇しないとみて大幅な利上げを継続する考えだ。

市場関係者の事前予想は前月比 25 万人程度だった。 前月の伸びは 2 万人強上方修正された。 2015 - 19 年は月平均で 19 万人程度の伸びだったが、新型コロナウイルス禍による落ち込みからの回復で 21 年以降は 50 万人を上回るペースが続いていた。 失業率は 3 月から 3.6% で横ばいが続く予想だったが 7 月は 20 年 2 月以来の水準になった。

米経済は 4 - 6 月期まで 2 四半期連続のマイナス成長になったが、専門家の多くは雇用の強さを理由にまだ景気後退には陥っていないと指摘している。 失業率の低下はこうした見方を後押ししそうだ。 雇用の過熱感が和らぐとの事前予想は変化の兆しを踏まえたものだった。 例えばレイオフ(一時解雇)の増加。 テック企業に限らず米ウォルマートなど小売業などでも増えている。 3 月下旬に週 16 万件強と約 53 年ぶりの低水準だった新規失業保険申請件数は、7 月下旬には 26 万件に達した。

足元はまだ十分な求人があり、失業者の増加にはつながっていない。 「レイオフの対象になるみなさん、ぜひうちの求人へ。」 米カリフォルニアで人材育成に関わるテック企業の役員は4日、ツイッター上でこう呼びかけた。 相手は、全社員の 23% を削減すると発表した米スマートフォン証券ロビンフッド・マーケッツの従業員たちだ。 むしろ人手不足を解消したい多くの企業は大幅な賃上げを迫られている。 7 月の平均時給は前月比 0.5% 増となり、0.3% 増の予想を上回って伸びが加速した。

アトランタ連銀の「賃金伸び率トラッカー」でも 6 月の上昇率は 6.7% に達し、1 年間で倍になっている。 さらに加速すれば、人々の購買力が回復してインフレの勢いは抑えにくくなる。 FRB は企業活動を鈍らせる利上げによって求人数が減り、さらにコロナ禍で職探しをしなくなった人が労働市場に戻ってくれば労働市場の過熱が収まるとみている。 実際に 3 月に約 1,186 万件と過去最大を記録した求人件数は 6 月には約 1,069 万件となり、減少傾向にある。

問題は経済の減速に遅れて反応する失業率が今後、大幅に上昇してしまうリスクを否定できないことだ。 米連邦公開市場委員会 (FOMC) の参加者は 6 月に出した経済見通しで、失業率が 23 年末時点で 3.9% までしか上昇しないと予想した。 サマーズ元財務長官は 7 月 29 日の米 CNN で「6% 台かそれ以上になる」と異論を唱えている。 6 - 7 月に当初の想定を超える 0.75% の利上げを迫られた FRB。 金融政策の変更は遅れて経済活動に響くため、景気後退に陥らずにインフレを抑制する軟着陸(ソフトランディング)はますます難しくなっている。 (nikkei = 8-5-22)


インドネシア、日本産食品の輸入規制撤廃 首脳会談
G20 サミットへ協力確認

岸田文雄首相は 27 日、首相官邸でインドネシアのジョコ大統領と会談した。 首相は共同記者発表で、ジョコ氏からインドネシアで一部に残っていた日本産食品の輸入規制を完全に撤廃したとの説明があったと明かした。 ジョコ氏は日本企業による投資拡大に期待を示した。 両首脳は 11 月にインドネシアで開く 20 カ国・地域 (G20) 首脳会議(サミット)の成功に向けて協力すると確認した。 ジョコ氏は共同記者発表で「G20 が国際的な経済危機からの回復に寄与していきたい」と主張した。 「日本と優先アジェンダを常に調整していきたい」と語った。

日本とインドネシアの経済連携協定 (EPA) に関し「G20 サミットで改正議定書に署名することで一致した」とも表明した。 インドネシア産のマグロやパイナップル、バナナに日本が課す関税の軽減・撤廃を要望したと説明した。 首相は「G20 サミットの成功に向け引き続きインドネシアを支え緊密に連携していく」と述べた。 インドネシアでの水力発電所の完成に向けた 436 億円程度の円借款を供与すると伝えた。

両首脳の正式な会談は 4 月にインドネシアで会って以来となる。 両首脳は自由で開かれたインド太平洋の実現へ連携すると確かめた。 海上保安や安全保障を巡り協力を深めると合意した。 日本からインドネシアへの巡視船供与に関する覚書の署名を歓迎した。 陸上自衛隊は 8 月にインドネシアで実施される多国間の共同訓練に初めて参加する。 会談ではインフラや気候変動、エネルギー、防災など幅広い分野での連携強化も話し合った。 (nikkei = 7-27-22)


世界経済 3.2% 成長に減速 インフレ重荷の一方、ロシアは上方修正

国際通貨基金 (IMF) は 26 日、2022 年の最新の「世界経済見通し」を公表し、世界経済の成長率が前年比 3.2% まで減速すると明らかにした。 ウクライナ危機勃発で減速した前回 4 月の予測からさらに 0.4 ポイント低く、下方修正は 1 月の予測以来 3 期連続となった。 IMF は世界で加速する物価高(インフレ)などを踏まえ、「景気後退の懸念は高まっている」と警告している。

世界経済は「不確実性増す」 米欧、ゼロ成長リスクも IMF 見通し

世界経済は 21 年、コロナ禍からの回復で 6.1% の成長率を記録した。 だが、今回の見通しで、22 年の成長率は前年の半分程度にとどまり、23 年は 2.9% とさらなる減速を見込む。 背景にあるのが、ウクライナ危機によるエネルギーや食料価格の高騰などで加速するインフレだ。 米欧では物価高を抑えるため、中央銀行が利上げを加速するなど金融引き締めが進んでおり、景気を冷やしかねないとの懸念が高まっている。

先進国の成長率は軒並み減速傾向にある。 上半期に消費が低調だった米国は前回予測より 1.4 ポイント低い 2.3% に大幅に引き下げたほか、ロシアからの天然ガス供給の削減に揺れるドイツも同 0.9 ポイント減の 1.2% に落ち込んだ。 景気回復の足取りが重い日本も同 0.7 ポイント減の 1.7% とした。

一方、ロシアについては、22 年は 6.0% のマイナス成長を見込んだものの、マイナス幅が前回予測より 2.5 ポイント圧縮された。 原油輸出の収入がロシア財政を支えているためだ。 日米欧が科す経済制裁が、原油価格の上昇を招いてロシアを利する一方、先進国のインフレ圧力にも働くという皮肉な展開になっている。 IMF はまた、ロックダウン(都市封鎖)など「ゼロコロナ政策」が経済に打撃を与えている中国についても、同 1.1 ポイント減の 3.3% に減速すると見込んだ。 (ワシントン = 榊原謙、asahi = 7-26-22)


ミャンマー国軍、民主活動家ら 4 人の死刑執行

ミャンマー、クーデターの後

記事コピー (2-1-21〜7-25-22)


「人体に影響も …」 熱波でイギリスに非常事態宣言

厳しい熱波の影響でイギリスでは史上初めて気温 40 度を超える可能性で非常事態宣言が発令されました。 イギリス政府は 15 日、高温に関する初の緊急の会議を行い、非常事態を宣言しました。 気象当局は 18 日と 19 日にロンドンなどで気温が 40 度になると予想し、「人体に影響が出る恐れ」があるとして、高温の警報を出しました。 ロンドンでは冷房設備の少ない地下鉄の利用を控えるよう呼び掛けられ、各地に臨時の給水所が設けられました。 また、ビルの合間に残る昔の運河がプールに変身し、市民に開放されました。 微妙な水の色ですが、暑さをしのごうと多くの市民が泳ぎに来ているということです。 (テレ朝 = 7-17-22)


世界人口、11 月に 80 億人 23 年にインドが中国上回る 国連

【ニューヨーク】 国連は 11 日に公表したリポートで、世界人口が 11 月 15 日に 80 億人を突破するとの見通しを示した。 また、2023 年にはインドの人口が中国を上回り、世界最多になると予想した。 グテレス国連事務総長は、世界人口が節目を迎えることについて「われわれには地球を大切にするという共通の責任があることを思い起こさせる」と強調した。 (AFP/時事 = 7-11-22)


原油価格が急落、100 ドル割れ 「欧米の利上げで景気後退」懸念

5 日の米ニューヨーク商業取引所で、原油価格の指標となる「米国産 WTI 原油」の先物価格が急落し、約 2 カ月ぶりに 1 バレル = 100 ドル台を割り込んだ。 欧州や米国が景気後退に陥り、原油の需要が減るとの見方から値下がりした。 終値は前週末より 8.93 ドル (8.24%) 安い 99.50 ドルだった。

急激な物価高を抑えるため、欧米の中央銀行は利上げなど金融引き締めを進めている。 しかし、引き締めで経済を冷やしすぎて、景気後退に陥るとの見方が出ている。 この日に発表された 6 月のユーロ圏の景況感を示す経済指標が低迷したことをきっかけに、景気悪化の懸念が広がった。 また、欧米の株価が一時、大きく値下がりしたことで、投資家がリスク資産から資金を引きあげる動きも原油価格の下落につながった。 (ニューヨーク = 真海喬生、asahi = 7-6-22)


米シカゴ郊外で銃撃 少なくとも 6 人死亡 独立記念日のパレード

[シカゴ] 米中西部イリノイ州シカゴ郊外ハイランドパークで 4 日、独立記念日を祝うパレードのルートで銃撃事件が発生し、地元捜査当局によると、少なくとも 6 人が死亡し、24 人が負傷して病院に搬送された。 地元メディアによると、発砲はパレード開始から約 10 分後に発生し、観客ら数百人が現場から避難した。 地元テレビは捜査当局筋の情報として、容疑者は逃走中と報じている。 当局者は記者会見で、現場からライフルが回収されたと明らかにした。 事件が起きたハイランドパーク市は裕福な住宅街。同市はウェブサイトで、容疑者の捜索が続けられていると明らかにした。 (Reuters/asahi = 7-5-22)


中国除くアジア新興市場から大規模な資金流出 - 始まったばかりか

中国を除くアジアの主要株式・債券市場の一部で過去の市場危機を上回る資金流出が起きている。 この流れはまだ始まったばかりかもしれない。 インドとインドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、台湾、タイの 7 カ国・地域の株式市場は 4 - 6 月期に計 400 億ドル(約 5 兆 4,000 億円)の純流出を記録。 2008 年の世界的な金融危機、13 年の「テーパータントラム」、18 年の米利上げ局面のいずれの時期と比べても多かった。

最も売りが激しかったのはハイテク企業の多い台湾と韓国、そしてエネルギー輸入国のインドだった。 インドネシアの債券市場からも外国勢は大規模に資金を流出させた。 背景には、インフレ高止まりや中銀による積極的な利上げが世界の成長見通しに影を落としていることがある。 新型コロナウイルス対策の行動制限で影響を受けた世界経済がまだ回復途上にある中、米リセッション(景気後退)懸念のほか、欧州や中国のサプライチェーン混乱も資産が売られる要因だ。

アバディーンのアジア株担当シニア投資ディレクター、プルクサ・アイアムトントン氏(シンガポール在勤)は「現状下では輸出依存度の高い経済とバリュエーションが高い市場に対して、投資家は慎重姿勢を維持するだろう」と指摘。 「リセッションのリスク上昇を背景に、世界的にテクノロジー分野の見通しは不透明にとどまると見込まれる」と付け加えた。

一方、フェデレーテッド・ヘルメスのファンドマネジャー、カルバン・チャン氏は円安が台湾と韓国の経済・株式にマイナス要因だと指摘。 日本同様の製品を輸出するため、市場シェアを失うとの懸念につながると分析した。 (Ishika Mookerjee、Marcus Wong、Bloomberg = 7-4-22)


アメリカ中西部で列車脱線 3 人死亡 50 人けが 現地メディア

アメリカ中西部ミズーリ州で、27 日午後 1 時前、日本時間の 28 日午前 3 時前、ロサンゼルスからシカゴに向かっていた長距離列車が踏切でトラックと衝突し、脱線しました。 当時列車には乗客と乗員合わせておよそ 250 人が乗っていて、地元の警察によりますと、列車に乗っていた 2 人と、トラックに乗っていた 1 人の合わせて 3 人が死亡したということです。

また、警察はけがをした人の数を明らかにしていませんが、アメリカメディアはこれまでに少なくとも 50 人がけがをしたと伝えています。 現地からの映像では、複数の車両が横倒しになり、中にいる乗客の救助作業が行われている様子が確認できます。 警察によりますと、現場の踏切には信号機や遮断機などは設置されていなかったということで、警察などが当時の状況を詳しく調べています。 (NHK = 6-28-22)


アフガン東部で地震、920 人死亡 家屋が多数倒壊、被害広がる恐れ

米地質調査所 (USGS) によると、アフガニスタンの東部ホースト州で 22 日午前 1 時 24 分(日本時間午前 5 時 54 分)ごろ、マグニチュード 5.9 の地震があった。 イスラム主義勢力タリバン統制下の国営バフタル通信は、死者が 920 人、負傷者が 610 人に上ったと報じた。 震源は隣国パキスタンとの国境に近く、震源の深さは約 10 キロという。 同国では泥やれんがでつくった家も多く、地元メディアは倒壊した家屋や、住民が負傷者を毛布にまいて搬送する様子を動画で伝えた。 今後死傷者が増える恐れがある。 (ニューデリー = 石原孝、asahi = 6-22-22)


米、銃規制で 30 年ぶり連邦法制定か 超党派で合意、乱射抑止へ正念場

【ワシントン = 渡辺浩生】 多数の犠牲者を伴う銃乱射事件の頻発を受けて、米上院の超党派議員が学校の治安対策や銃購入者のバックグラウンドチェック(身元調査)の強化など銃対策の枠組みで合意した。 連邦法制化による銃犯罪の抑止に今度こそ踏み出せるか。 11 月の中間選挙を控え低支持率が続くバイデン大統領の正念場でもある。

12 日に合意したのは民主・共和の両党各 10 人の計 20 人。 上院(定数 100 人)での可決には長時間演説による議事妨害を阻止する 60 議席の賛成が必要で、民主勢 50 議席にこの共和党議員 10 人が賛成すれば承認される公算。 米紙ワシントン・ポストによると、本格的な連邦銃規制法の制定が実現すれば約 30 年ぶりとなる。

枠組みは、@ 警備員配置など学校施設の治安強化の予算化、A 銃購入時の身元調査で 21 歳未満には犯罪歴や精神衛生の記録調査を義務化、B 他者への脅迫など危険な行動をみせる者の銃の差し押さえを警察などが裁判所に要請できるレッド・フラッグ(赤旗)法の全米化 - が柱。 同法は首都ワシントンと 19 州で可決されており、他州に導入を促す。

これまでは悲劇の記憶が風化するにつれて、政策論議が下火になるパターンが繰り返されてきた。 憲法修正第 2 条(銃を保有・携行する権利)を金科玉条のようにとらえる共和党が規制強化に抵抗し、全米ライフル協会 (NRA) のロビー活動も壁となっている。 だが先月、ニューヨーク州バファローで黒人 10 人、テキサス州ユバルディで小学児童・教師 21 人が相次ぎ殺害され、「今、何とかしなければならない(バイデン氏)」という危機感は広がっている。

事件の生存者や犠牲者の遺族らも議会公聴会で「即時行動を」と訴える。 共和党上院議員のスタッフは本紙に「修正第 2 条は尊重するが、今回は結果を出さねばならない」と語った。 バイデン氏が 2 日の演説で訴えた、@ 殺傷力の高い銃の販売禁止か購入最低年齢の 18 歳から 21 歳への引き上げ、A 大容量の弾倉の販売禁止 - は共和党の支持が得られる可能性は低く、枠組みにも盛り込まれなかった。 (asahi = 6-15-22)


ロシア、日本との漁業協定停止 = 北方領土周辺の安全操業

ロシア外務省は 7 日、1998 年に発効した北方領土周辺海域の日本漁船の安全操業に関する政府間協定の履行停止を発表した。 日本側の義務不履行を主張している。 日ロは毎年、協定に基づいて政府間協議と民間交渉を行い、北方領土周辺での日本漁船の漁期や漁獲量など具体的な操業条件を決定。 協定の履行停止によって、日本漁船が操業できなくなる可能性が高まった。 (jiji = 6-8-22)


フィリピン・ルソン島で火山噴火、周辺に灰

フィリピン北部ルソン島南部ソルソゴン州ブルサン山が 5 日、噴火した。 黒く大きな噴煙が立ち上り、周囲の町は灰に覆われた。 フィリピン火山地震研究所によると、水蒸気噴火は 17 分続き、上空 1 キロに噴煙が達した。 死者は報告されていない。 首都マニラの南方約 500 キロに位置するソルソゴン州によると、10 の村で降灰が確認された。 ブルサン山では近年、火山活動が活発化しており、2016 年と 17 年にも数十回噴火が発生した。 (AFP/時事 = 6-6-22)


カムチャツカ半島 ベズィミアニィ火山で噴火 噴煙は約 1 万 5,000m に

今日 5 月 28 日(土)夕方、カムチャツカ半島のベズィミアニィ火山で大規模な噴火が発生しました。 現地当局 (KVERT) の監視カメラの観測では、噴煙は高度 1 万 5,000m に到達しているものとみられます。

* 気象庁は 18 時 05 分に臨時の情報を発表し、1 月のトンガの火山噴火時のような津波が発生しないか監視しています。
* 気象庁によると、21 時 30 分現在、海外および国内の観測点で有意な潮位変化は観測されていません。

ベズィミアニィ火山は 1955 年以降たびたび規模の大きな噴火を起こしていて、近年も活発な火山活動を続けています。 噴煙の高さのみで噴火の規模は比較できないものの、2019 年 3 月にも今回と同程度まで噴煙を上げる噴火を起こしています。 ウェザーニュースの現時点での見立てでは、海水や湖水から離れた火口であることや過去の事例等から、空振による潮位変化(津波)の可能性は低いと考えています。 ウェザーニュースと KVERT が共同設置した監視カメラにも、噴煙が高く立ちのぼる様子が映されています。

画像の中央の富士山様の山は「クリュチェフスカヤ山(標高 4,750 メートル)」で、その左後ろに隠れる形でベズィミアニィの火口があります。 噴煙は南東に流れていて、アリューシャン列島方面に拡散している様子が気象衛星ひまわり 8 号の画像から確認出来ます。 噴火により多量の火山灰が大気中に放出されると、それを吸い込んだ飛行機のエンジンが停止したり、操縦席の窓ガラスに傷が付いて見通しが利かなくなるなど、航空機の運航へ重大な影響を及ぼすおそれがあります。

今後の火山灰の状況次第では、カムチャツカ半島付近を発着する旅客機をはじめ、付近を通過する北米や欧州とアジアを結ぶ国際線の航空便の経路変更などで、遅延等の影響が生じる可能性があります。 今年 1 月にトンガの火山フンガトンガ = フンガハアパイで大規模な噴火が発生した際には、通常とは異なる津波が発生して、日本にも津波が到達しました。 今回のベズィミアニィ火山の噴火により津波が発生するかどうかはわかりませんが、気象庁が潮位変化を監視する旨の発表を行いました。 (ウェザーニュース = 5-28-22)


テキサスの小学校で銃乱射 児童 19 人、教員 2 人殺害 容疑者は死亡

米南部テキサス州ユバルディの小学校で 24 日昼、児童らが銃で撃たれる事件があった。地元の警察によると、児童 19 人と教員2人の計 21 人が殺害された。 アボット州知事によると、容疑者は地元の 18 歳の男で、現場で死亡したという。

アボット氏によると、男は車で学校を訪れ、拳銃を持って校内に入った。 ライフルも所持していた可能性があるという。現場に駆けつけた警察官が容疑者の男を撃って死亡させたとみられ、警察官も 2 人が撃たれたが、けがはないという。 容疑者の動機については、捜査中としている。 米 CNN のインタビューに応じた同州のグティエレス上院議員は、捜査当局から受けた説明として、容疑者の男は 18 歳の誕生日に、殺傷能力の高いアサルトライフル(突撃銃)を購入したと説明した。 CNN はまた、男が学校で事件を起こす前に、祖母にも発砲したと報じた。

警察によると、事件は午前 11 時半ごろに発生。 容疑者の単独犯行とみられるという。 警察は被害者について「複数が負傷し、複数が死亡した」とだけ述べた。 地元の病院はフェイスブックで「13 人の子どもを受け入れた。 病院に到着した 2 人が死亡した。」としている。 ユバルディは、同州で 2 番目に人口の多い都市サンアントニオから、西に約 130 キロ。 メキシコとの国境までは 90 キロほどで、車で 1 時間半ほどで着く。 人口は約 1 万 6 千人で、ヒスパニックが 7割ほどを占める。 AP 通信によると、事件があった「ロブ小学校」には約 600 人の児童が在籍しているという。 (ユバルディ = 中井大助、ニューヨーク = 藤原学思、asahi = 5-25-22)


クアッド首脳会合 インフラ分野で 500 億ドル以上の支援や投資

日米豪印 4 か国の枠組み、クアッドの首脳会合が開かれ、ロシアの軍事侵攻が続く中、力による一方的な現状変更をいかなる地域でも許してはならないという認識を共有し、中国を念頭に、緊張を高めるあらゆる威圧的、挑発的な行動などに強く反対していくことを確認しました。 また、インフラ分野で今後 5 年間に 500 億ドル以上の支援や投資を目指すことで合意しました。

首脳会合ではロシアのウクライナへの軍事侵攻という国際秩序の根幹を揺るがす事態が起きる中、力による一方的な現状変更を、いかなる地域でも許してはならないという認識を共有し、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、引き続き強く関与していくことで一致しました。 そのうえで、ウクライナ情勢がインド太平洋地域に与える影響について意見を交わし、現状への懸念を表明し、法の支配や、主権と領土の一体性などの原則はいかなる地域でも守られなければならないことを確認しました。

また、岸田総理大臣が、中国を念頭に、東シナ海と南シナ海での力を背景にした一方的な現状変更の試みへの深刻な懸念を表明し、4 か国の首脳は、ルールに基づく海洋秩序への挑戦に対抗するため、国際法などの順守が重要だという認識で一致しました。 そして、現状を変更し、地域の緊張を高めようとするいかなる威圧的、挑発的、または、一方的な行動に強く反対していくことを確認しました。 さらに、ミャンマー情勢への深刻な懸念を表明し、暴力の停止や民主的な体制の早期回復の必要性を共有したほか、岸田総理大臣は、香港や新疆ウイグル自治区、それに台湾をめぐる日本の立場を説明したということです。

また、会合では、地域の不安定化をもたらす北朝鮮の弾道ミサイル開発を非難し、国連安保理決議に従った朝鮮半島の完全な非核化への関与を改めて確認したうえで、岸田総理大臣が、拉致問題の即時解決に向けた理解と協力を求め、各国から支持が示されました。 一方、4 か国の首脳は「善を推進する力」と称し、インド太平洋地域に具体的な利益をもたらす協力を推進することで合意しました。 具体的には、インフラ分野で今後 5 年間で 500 億ドル以上の支援や投資を目指し、気候変動問題に対応する新たな連携の枠組みを立ち上げるとしています。

また、宇宙分野で、4 か国の衛星データを地域諸国に提供するしくみをつくることや、高速・大容量の通信規格 5G などの重要・新興技術の推進に向けた協力を推進していくことなどを申し合わせました。 そして、次回の対面による首脳会合を、来年、オーストラリアで開催することで一致し、緊密に連携していくことを確認しました。 (NHK = 5-24-22)

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中国とロシア 6 機の爆撃機 日本周辺を共同飛行 岸防衛相「看過できない」

防衛省によると、24 日午前から午後にかけて、中国軍の爆撃機 4 機とロシア軍の爆撃機 2 機の計 6 機が入れ替わりながら、沖縄本島と宮古島の間など含む、東シナ海から太平洋にかけての長距離を共同飛行しているのが確認された。 中露による日本周辺の共同飛行は 2021 年 11 月以来、4 回目。 岸防衛相は緊急の会見で、「国際社会がロシアによるウクライナ侵略に対応している中で、中国が侵略国であるロシアと共同する形でこのような行動に出ることは懸念を抱かざるを得ず、看過することはできない」と述べた。

また、ロシアに対しては「東アジア地域の緊張を高めるような行動をとることは看過できない」と申し入れた上で、外交ルートを通じて両国に重大な懸念を伝達したことを明らかにした。 この日は日米豪印 4 カ国の枠組み = クアッド首脳会合が日本で開催されていて、岸防衛相は「両国の戦略爆撃機による我が国近傍での軍事演習は、開催国たる我が国に対する示威行動を意図したもの」と両国の対応を非難した。 (FNN = 5-24-22)