渦巻く「中国すごい!」論 - - 中国の自尊心はここまで肥大化している

「アメリカは中国に偉そうに上から物を言う資格はない。 中国人はこの手は食わない。」 先日の米中外交トップ会談で、中国外交のトップ楊チエチーは、ブリンケン米国務長官の批判に強く反論。 この発言は直ちに中国国内に広がった。 「今の中国は昔のように貧しくない。 中国人はもう誰の顔色も気にせず大声で『ノー!』と言える時代なんだ!」 楊の発言は中国 SNS であふれるほどシェアされた。 ネット通販サイト「淘宝(タオバオ)」も、赤地に白文字で楊の言葉をプリントしたスマホケースや T シャツを即座に売り始めた。

世界第 2 位の経済大国になり、中国人には金持ちの自覚が生まれた。 アメリカのコロナ対策失敗を見て、「中国の特色ある社会主義」に自信も持つようになった。 民主や自由は大したことない。 カネも儲けられないし、コロナ退治もできない。 欧米に偉そうなことを言われる筋合いはない - - 「もうこの手は食わない」という言葉の背景にはこんな心理がある。 それでは、中国人は何なら食うのか。 これは中国ネット上で最も人気の外国人の振る舞いを見れば分かる。

浙江省杭州市在住のロシア青年「伏拉夫(フラフ)」は、TikTok 中国版アプリの抖音(ドウイン)に「僕、中国人になりたい!」と短く投稿して 300 万超の「いいね!」を獲得した。 「中国大好き!」、「わが中国は本当にすごい!」、「すごい! 中国!」の繰り返しでフラフは1,000 万人以上のフォロワーを集め、1 億 4,000 万以上の「いいね!」を得てネットの有名人になった。 「人はメンツが大事、木は皮が大事」という中国のことわざがある。 メンツ重視は中国の伝統文化だ。 中国人は褒め言葉が好きで、特に外国人の中国賛美はもっと好き。 たとえ「褒め殺し」でも構わない。

いま中国ネット上にはフラフと同じ中国賛美の欧米人がたくさんいる。 本音かどうかは別にして、中国人は彼らの褒め言葉を聞いて気分を良くし、メンツが保たれたように感じる。 ただ、むやみな褒め言葉は、自国に対する客観的な判断を鈍らせる。 自信を回復した中国人が食い尽くしているのは、この「禁断の果実」だ。 (ラージャオ/トウガラシ、NewsWeek = 4-6-21)

ポイント

 俺たちの中国はホントすごいぜ!

伏拉夫(フラフ) : ロシア名ウラジスラフ・ユリエビチ・ココレフスキー。1995 年、ロシアのアムール州生まれ。2012 年に高校卒業後、北京の大学に留学。 さまざまな激辛火鍋に挑戦したり、高速鉄道化やキャッシュレス化が進む中国社会を称賛する投稿で人気だが、「金儲けの手段」との見方も。

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「米国は上から目線」大荒れ米中会談の発言が T シャツに

米国は上から目線で中国にものを言う資格はない - -。 18 日に開かれた米中外交トップ会談で中国の楊潔チー共産党政治局員が米国を批判した言葉を印字した T シャツなどが、中国で早くも商品化された。 楊氏の言葉は中国人の愛国心をくすぐるものと受け止められているようだ。

中国の大手通販サイト・淘宝網で 20 日ごろから売り出されたのは、「中国人はその手は食わない」と書かれた商品。 その下に英語で「内政干渉をするな」と書かれ、続いて中国語で「米国は上から目線 …」のくだりがプリントされている。 淘宝網ではすでに 100 を超すサイトが立ち上がり、商品はスマホケースやトレーナー、ビール、ライター、バッグなどに広がっている。

21 日に 1 枚 59 元(約 950 円)で T シャツの販売を始めた福建省の業者は「愛国の気持ちを示すためにつくった」と言い、すでに注文が入っているという。 楊氏の言葉は、18 日の会談冒頭、ブリンケン米国務長官らの中国批判に対し声を荒らげて反論したもので、中国のニュースアプリや SNS で拡散されていた。 中国の政府関係者は「中国人の多くは米国にいじめられていると感じているので、この言葉は広く受け入れられた」と話す。 一方で、こうした国民の感情を商売に結びつける側面もありそうだ。

ネット上では、米中会談の合間に王毅(ワンイー)国務委員兼外相が楊氏に昼食は食べたかと聞いた際、「カップ麺を食べた」と答えた動画のニュースも注目の話題に。 ゆっくり食事をする間もなく国のために働いているとして、「感動した、祖国の英雄だ」、「強大な国家にはあなたたちが必要だ」などと中国外交団を支持する書き込みが並んでいる。 (広州 = 奥寺淳、asahi = 3-21-21)

〈編者注〉 かなりの中国人は、この T シャツを見て笑っているのかもしれません。 "美国" は "中国" の写し間違いではないかと …。


中国北部で「黄砂」 過去 10 年で最大規模

中国では北部の広い範囲で大規模な黄砂が発生し、首都・北京でも、飛来した砂で視界が悪い状態となっていて、中国の気象当局は、過去 10 年で最大規模だとしています。 中国の気象当局によりますと、寒気の影響で、14 日から 15 日朝にかけて、隣国のモンゴルなどで巻き上げられた砂が拡散し、中国北部の広い範囲で、黄砂が発生しました。 首都・北京でも、15 日午前、街全体が黄色くかすみ、市民たちがマスクをして歩く姿や自動車がライトをつけて走る様子が見られました。

北京市の 50 代の男性は「きょうの空気はちょっと、ひどいですね。 もともとこういう天気はありましたが、ここ最近では少なかったので、気分がよくないですね。」と話していました。 中国の気象当局は、今回の黄砂について中国北部では、過去 10 年で最大の規模だとして、なるべく外出を控えるよう呼びかけています。 当初、複数の中国メディアは、北京にある 2 つの空港で 400 を超える便の運航が取りやめとなったと伝えていましたが、2 つの空港は、15 日夕方、SNS の公式アカウントで、取りやめになったのは日本時間の午後 5 時の時点で合わせて 50 余りの便だと投稿していて、交通面にも影響が出ています。 (NHK = 3-15-21)


「ホッキョクグマホテル」開業 24 時間展示、愛護団体は非難 - 中国

【北京】 中国黒竜江省ハルビン市で 12 日、生きたホッキョクグマの 24 時間展示を「売り」にしたホテルが開業した。 動物愛護団体は直ちに非難、「動物の苦痛」から利益を得る施設を利用しないよう訴えた。

ホテルは、中央に設けられた飼育スペースを取り囲むように造られ、ホッキョクグマを「1 日 24 時間、隣人」として常時観察できるという。 公開された映像では、明るい照明の下、偽物の岩やつらら、白いペンキで塗られた床の上で客に撮影されるホッキョクグマの様子が見られた。 愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会 (PETA)」アジア支部のベーカー副会長は「ホッキョクグマは北極にいるべきで、ホテルにいるなどもっての外だ」と批判した。 (AFP/時事 = 3-14-21)


パニックも起きた中国株急落 - 人気集めた株式投信、一部で解約も

→ 国営メディア、新規参入の投資家に理性的であり続けるよう呼び掛け
→ 英雄視していたファンドマネジャーを「犬」呼ばわりする投資家も

中国株式市場が見舞われた 1 兆 3,000 億ドル(約 142 兆円)相当の売りが落ち着つくにつれ、投資信託業界が混乱の中心にあったことがはっきりしつつある。 国営メディアは 11 日、投信業界を名指し。 証券時報は 1 面の論説で、市場に新たに参入した投資家に理性的であり続けるよう呼び掛け、ファンドマネジャーに対しては投資家保護の強化に向け運用資産の規模と長期的パフォーマンスのバランスを図るよう促した。 別の報道によれば、株価急落時に大手保険会社による大規模な株式投信解約はなかった。

投信の運用成績が 2 年連続で市場全体を上回り、当局が長期投資を育む商品の開発を奨励したことから、中国では投信人気が広がった。 業界の記録によれば、昨年だけで株式投資に重点を置く投信 2,400 億ドル余りが販売された。 手っ取り早く稼ぎたいと願う投資家心理の広がりにあらがえず、3 兆ドル規模の投信業界では、同じような一握りの銘柄に資金を投じるファンドが増えている。 そうした銘柄はバリュエーションが急上昇したが、反動も大きかった。 本土株の指標 CSI300 指数は 2 カ月でほぼ 20% 上げた後、今度はそれより速いペースの下げに転じた。

中国ではほとんどの投信が単一の戦略に従っていたようだ。 つまり、酒造関連の大型株買いだ。 貴州茅台酒などの株価が急騰すると投資家のリターンは何倍にも膨らみ、一部のファンドマネジャーを教祖のようにあがめる雰囲気も生じた。 証券時報によれば、E ファンド・マネジメントが今年 1 月に投入した株式投信は 2,370 億元(約 3 兆 9,700 億円)の注文を集め、中国での株式商品の記録を塗り替えた。 だが相場が反転すると、投資家はそれまで英雄視していたファンドマネジャーにかみつき始めた。

ソーシャルメディアで「王子」など賞賛していた張坤氏を「犬」呼ばわりする投資家も現れた。 同氏が運用し、白酒メーカーへの投資などで昨年プラス 95% のリターンを記録した「E ファンド・ブルーチップ・セレクテッド・ミックスド・ファンド」が過去 1 カ月でマイナス 21% となったためだ。 貴州茅台酒は 6 週間で 30% 値上がりし、時価総額は 5,000 億ドルを突破していた。 だが中国当局者による資産バブル警戒発言などで一気に 25z% 余り急落した。 招商銀行の投資マネジャー、アンソン・チャン氏(上海在勤)は「相場が下落に転じると投資家はパニックになった。 特にちょうど株式投信を買った投資家だ。 相場が下げるやいなや、解約する投資家もいた。」と述べた。 (Bloomberg = 3-12-21)

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極めて異例、全人代期間中の中国株急落 - 当局の介入度合い試す展開に

中国株はつい先日まで世界の株式相場をしのぐ上昇率を示していたが、ここへきて一転、世界でも最悪クラスの大幅下落に見舞われている。 下げのペースを緩やかにしようとする中国当局の取り組みは十分な効果を発揮しておらず、投資家は相場反転の大きさに戸惑っている。

中国本土株の主要指標である CSI300 指数は先月、一時 13 年ぶりの高値を付けたが、その後わずか 14 営業日で 14% 急落した。 中国株の時価総額は 1 兆ドル(約 108 兆 6,500 億円)余り消失し、上昇ピーク時に市場に殺到した個人投資家の保有株に打撃を与えた。 個人投資家の間では、丑(うし)年の今年は縁起が良いとみて株式を買う動きもあった。 9 日には政府系のファンドが株式相場に介入したとみられ、下げ幅が一時縮小する場面があったが、その後再び売られた。

トレーダーが今考えているのは、この下げがどの程度深刻になるか、また投資家のセンチメントを落ち着かせるために中国当局が一段の措置を講じるかどうかだ。 2018 年には、株式相場が大幅下落した際に買い支える政府系ファンドの幾つかが清算されたと伝えられており、当局の支援は以前ほど顕著ではなくなっている。

しかし中国政府はこれまで、主要なイベントの開催期間中およびその前後には特に、金融市場の安定を確保しようと動いてきた。 現在行われている全国人民代表大会(全人代、国会に相当)はそうした機会の一つだ。 全人代の期間中に市場でこうした大きな変動が見られるのは、極めて異例だ。 前回、この年次の重要イベント開催期間中に CSI300 指数が 1% を超えて下げたのは 2014 年。 現在のような下落ペースは 08 年以来となる。 (Richard Frost、Bloomberg = 3-10-21)


中国、定年延長を検討 「孫の世話できない」と不満噴出

中国政府が定年年齢を引き上げる方針を打ち出し、国内で大きな話題になっている。 中国にも高齢化社会の足音が近づく中、経済成長を維持するために労働力の減少を防ぎたい狙いがあるとみられる。 ただ、退職後に孫の世話をする人が多い中国では、反対論が根強く、政府の判断に注目が集まっている。 「法定の定年年齢を段階的に引き上げる。」 5 日の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の政府活動報告で、李克強(リーコーチアン)首相はこう述べた。

中国では現在、約 40 年前の法律に基づき、公務員や民間企業の定年年齢は、男性 60 歳、女性 50 歳、女性の幹部職は 55 歳と定めている。 2 月末には、政府幹部が世界では 65 歳以上の定年が多いとして、具体案の検討に入ったと明かした。 これを受け、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」では不満が噴出。 「全く賛成できない」、「孫の世話をする時間がなくなる」などの書き込みであふれた。 他にも「50 歳を過ぎればそもそも仕事が見つからない」、「若者の就職難を先に解決すべきだ」との声もあった。

反対の理由の一つが、祖父母が孫の世話をすることが多いことだ。 世界銀行によると、2019 年の 15 歳以上の女性の就業率は日本の 54% に対し、中国は 61% と高い。 一方、中国の国家衛生健康委員会によると、3 歳以下の子どもで保育所などに預けられているのは約 4% しかおらず、保育所の整備が進んでいない。 共働きを祖父母が支えている構図で、中国メディアは、定年延長で祖父母が孫の世話をできなくなれば「母親が働けなくなり、少子化がさらに加速する可能性がある」と指摘する。

今後 5 年間の経済運営方針「第 14 次 5 カ年計画」の期間中、60 歳以上は年平均 1 千万人増え、少子化傾向も相まって人口の 2 割に到達するとみられている。 複数の全人代代表からは、労働力の減少につながる高齢化の対策として、「定年年齢を引き上げるべきだ」との提案が出されている。 (北京 = 西山明宏、asahi = 3-10-21)

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中国、東北部で産児制限撤廃を検討 SNS では議論沸騰

中国政府で保健政策を担う国家衛生健康委員会はこのほど、遼寧、吉林、黒竜江の 3 省がある東北地方での産児制限の完全撤廃を容認する見解を示し、議論を呼んでいる。 反響の大きさから火消しを図ったが、「一人っ子政策」をやめても少子高齢化が止まらぬ現実に、政府の危機感は強まっているようだ。 中国政府は 2016 年、40 年近く続いてきた一人っ子政策を廃止し、夫婦一組につき 2 人までの子を持つことを認めた。 しかし、経済的な負担への懸念などから出生率は上がらず、20 年に戸籍登録された新生児は前年比 15% 減というのが現実だ。

そんななか、同委員会は今月 18 日、昨年の全国人民代表大会(全人代)に提出された「東北地方での産児制限の全面撤廃」という提案への回答を公表。 提案を「とても参考になる」とし、地元政府に対し、産児制限が撤廃された場合の人口予測や経済に与える影響などを調査し、政策の試案を出すよう促した。 東北 3 省にこうした見解が示されたのは、高齢化や出稼ぎなどによる人口減少が全国の中でも顕著なためだ。

国家統計局によると、19 年、前年より人口が減ったのは、一極集中を避けるため流入制限を敷いている北京市を除き、東北 3 省だけだ。 遼寧省は 65 歳以上の高齢化率が 16.2% と全国平均の 12.6% を大きく上回った。 昨年、全人代に産児制限の撤廃提案をしたのも同省の副省長だった。

同委員会の見解に、SNS 上では議論が沸騰。 「東北地方で緩和されればほかの地域も続くのでは」との期待の声もあったが、「東北に雇用が少ないのが問題。 人口流出が止まることはない。」、「教育費の高騰が少子化の原因」など問題の解決につながらないとの意見が目立った。 予想を上回る反響からか、同委員会は(今回の見解で)「『産児制限が全面撤廃される』などと読み解くのは誤りだ」と火消しに走った。 (瀋陽 = 平井良和、asahi = 2-25-21)

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中国、少子高齢化が加速 新生児 15% 減の 1 千万人

中国で昨年、戸籍登録された新生児が 1,003 万 5 千人で前年から 15% 減ったことが中国公安省の発表で明らかになった。 中国政府は 1979 年以来続いてきた「一人っ子政策」を廃止し、16 年からすべての夫婦が 2 人の子を持つことを認めたが、少子高齢化の勢いはむしろ加速している。 中国政府によると、2025 年までに 60 歳以上の人口が 3 億人に達する見通し。 中国社会科学院は 27 年には人口が減り始めると予測しており、少子高齢化が進めば経済成長が鈍化しかねず、危機感は強まっている。

少子化の大きな原因とされるのが、子育てにかかる費用だ。 教育熱が高い中国では、目指す学校に通わせるためにわざわざ学区内に家を買ったり、小さい頃から塾通いや習い事をさせたりする人が少なくない。 英系金融大手 HSBC の 17 年の調査では、香港などを除く中国本土で子ども 1 人が大学卒業までにかかる費用は平均約 4 万 3 千ドル(約 450 万円)。 20 年の 1 人当たりの平均可処分所得は 52 万円で、負担の大きさから 2 人目をあきらめるケースが多いとされる。 出生数を長年調査している中国国家統計局の調べでは、一人っ子政策廃止直後の 16 年は増加したもののその後は 3 年連続減少。 19 年は 1,465 万人で 1961 年以来の低水準だった。 (北京 = 西山明宏、asahi = 2-15-21)


南アで偽造ワクチン 2,400 回分押収、中国人ら 4 人逮捕

ICPO = 国際刑事警察機構は、南アフリカで偽の新型コロナウイルスワクチンおよそ 2,400 回分が押収され、中国人の男ら 4 人が逮捕されたと発表しました。 フランスに本部を置く ICPO は 3 日、南アフリカ当局が北東部ハウテン州ジャーミストンの倉庫でおよそ 2,400 回分の偽の新型コロナワクチンを発見、押収したことを明らかにしました。 また、同じ現場から大量の偽造された医療用マスクも見つかり、一連の捜査で中国人 3 人とザンビア人 1 人のあわせて 4 人を逮捕したということです。

偽ワクチンをめぐっては、中国でも 3,000 回分が押収され、およそ 80 人が逮捕されたとしています。 ICPO は、去年 12 月に新型コロナワクチン関連の犯罪に備えるよう加盟各国に警告していて、ユルゲン・ストック事務総長は「これは氷山の一角に過ぎない」とさらなる警戒を呼び掛けています。 (TBS = 3-4-21)

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中国、コロナ偽ワクチン製造販売で 70 人逮捕 国外密輸も

中国で、偽の新型コロナウイルスワクチンを製造・販売し、国外への密輸もしていたとして 70 人が逮捕されました。 偽のワクチンの取り締まりが中国で強化されています。 中国の最高人民検察院は 10 日までに、偽の新型コロナウイルスワクチンを製造し高値で販売したとして、70 人を逮捕したと発表しました。 中には、国外への密輸もあったということです。

偽のワクチンをめぐっては今月 1 日、80 人を超える巨大密造グループのメンバーが公安当局に摘発されたと、国営の新華社通信が伝えています。 その翌日には、中国外務省は「関係各国の司法機関と協力して、偽ワクチンの拡散を防ぐ」と強調していました。 中国はこれまでに 53 の発展途上国にワクチンを提供していて、中国製ワクチンの信頼性を脅かしかねない犯罪に神経をとがらせています。 (TBS = 2-10-21)


中国、GDP 当たり CO2 排出を過去 5 年で 18.8% 削減

[北京] 中国生態環境省は 2 日に公表した報告書で、単位国内総生産 (GDP) 当たりの二酸化炭素 (CO2) 排出量を示す「CO2 排出原単位」が 2020 年までの 5 年間で 19.8% 減少したと明らかにした。 政府の目標 18% を上回り、中国経済の化石燃料への依存が低下したことを示した。 中国は世界最大の温室効果ガス排出国。 2015 年に 68 兆 9,000 億元だった中国の GDP は、5 年間で 101 兆 6,000 億元(15 兆 7,100 億ドル)に増加した。

習近平国家主席は 2030 年までに CO2 排出をピークアウトさせ、60 年までに実質ゼロにする目標を掲げる。 温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の目標実現に向け、再生可能エネルギーの消費拡大や石炭燃焼の削減に取り組んでいる。 今月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で提示される 2021 - 25 年の 5 カ年計画には、CO2 排出原単位の新たな目標やエネルギー消費管理など気候変動に関連した目標が盛り込まれる見通し。 (Reuters = 3-3-21)


電柱の上で筋トレ、数万世帯で停電 中国・成都

中国・四川省成都で 21 日夜、男が電柱によじ登り、腹筋のトレーニングをし、数万世帯が停電する騒ぎがあった。 現地メディアが 23 日報じた。 中国共産党機関紙・人民日報によると、男は警察に連行された。 地元電力会社が緊急停電を実施したため、数万世帯に影響が及んだという。 人民日報が中国版ツイッターの「ウェイボー(微博)」に公開した動画には、高さ約 10 メートルの電柱の上で筋トレをする男の姿が捉えられている。 ニュースサイト「澎湃新聞」によると、医療関係者ら救急隊員が現場に急行したという。 男が電柱で筋トレをした動機は不明だが、国営メディアはまねをしないよう呼び掛けている。 (AFP = 2-24-21)

〈編者注〉 編者がこの記事をピックアップしたのは、記事の内容ではありません。 地方紙ならまだしも中央紙までわざわざ採りあげるのが奇妙に感じたからです。 人々に正直に伝えなければいけない情報がもっともっとあるように思います。


ツイッター投稿で投獄、締め付け強める中国政府

ズー・シャオキン氏は共産党を批判するツイートを投稿した後に拘束され、禁錮 9 カ月を言い渡された

【香港】 中国共産党は世界における自国のイメージを操作する取り組みを強化しており、中国市民を次々に投獄している。 そのほとんどは、外国のソーシャルメディアを使って習近平国家主席や政府を批判した、ほとんど影響力を持たない一般人だ。

中国当局はここ 3 年で 50 人余りについて、公の秩序を乱し、党の支配を攻撃するためにツイッターなど外国のプラットフォームを使用したとして、刑務所に送り込んでいる。 ウォール・ストリート・ジャーナル (WSJ) が裁判所の記録や、言論の自由を推進する活動家の管理するデータベースを調べた結果、明らかになった。 いずれのプラットフォームも中国では使用が禁止されている。 中国の情報当局を通して公安部に問い合わせたが、返答は得られていない。

投獄の増加は、国外のインターネット上で広がる論調を操作し、批判を抑え込もうとする中国政府の試みがエスカレートしている兆候だ。 人権活動家によると、外国のソーシャルメディア上の意見に対する抑圧はこれまで、たいてい拘束や嫌がらせといった形で行われ、投獄されることはまれだった。 裁判所の記録では、国家元首や共産党への批判から、香港、新疆ウイグル自治区、台湾(中国は自国領と主張)を巡る議論に至るまで、さまざまな言論が問題視されている。 オンラインに残されたそれらのツイッターアカウントなどを見ると、フォロワー数は 3 桁から 4 桁台前半にとどまり、拘束された際のフォロワー数が 30 人にも満たなかった男性もいた。

港湾都市の天津に住む無職のズー・シャオキン氏は昨年、共産党や新型コロナウイルス感染流行を巡る党の対応をツイッターで批判したところ、当局から拘束された。 ズー氏は 2020 年 2 月、「中国共産党の制度は安定を原則としており、大きな問題に直面すれば誰もが保身に走る」とツイート。 病院や保健当局については「意図的であろうとなかろうと、どこも感染者数を少なく見せている」と述べた。

同じ月の終わり頃、近所の自治会員の格好をした 3 人の男がズー氏のアパートに現れ、新型コロナ対策について話し合いたいと伝えた。 ズー氏がドアを開けると、男たちは 7 人の警察官と共に中へ押し入り、ズー氏を押し倒した。 その後、ズー氏はツイッターの使用について取り調べを受けるために連行されたという。 ズー氏は拘束された当時、約 300 人しかフォロワーはいないと訴えたが、現地の裁判所は 11 月、同氏が社会秩序を著しく傷つけたとし、禁錮 9 カ月を言い渡した。 ズー氏は「無力感と憤りを感じた」という。

中国の締め付け強化の裏で、ツイッター上では近年、中国人実業家の郭文貴のように米国へ亡命した告発者たちによる、共産党に批判的な論調が目立って高まってきた。 こう指摘するのは、ハーバード大学ショーレンスタインセンターのガブリエル・リム研究員だ。 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチの中国専門家、ヤキウ・ワン氏は「政府は国内での経験から、反対意見の検閲と組み合わせることでのみ、プロパガンダは機能すると熟知している」と指摘する。

WSJ が確認した裁判所の記録によると、ここ 2 年間は毎年少なくとも 25 人が、外国のソーシャルメディア上での活動に直接関連する罪で禁錮刑を言い渡されている。 2018 年には 8 人だった。 2019 年の裁判のうち 1 件は執行猶予付きとなった。 その大半はツイッター絡みだが、フェイスブックやユーチューブ(いずれも中国ではブロックされている)のほか、中国で広く使われているソーシャルメディア「微信(ウィーチャット)」や「微博(ウェイボ)」、「QQ」の利用に関連したものもある。 ツイッターとフェイスブックはコメントを控えた。 ユーチューブを運営するグーグルからコメントは得られていない。 (Chun Han Wong、The Wall Street Journal = 1-30-21)


春節で 17 億人が移動予測 帰省しない人に報奨金やギガ

旧正月の春節(2 月 12 日)を控える中国で、帰省しない人に報奨金や特典を用意する地方政府が相次いでいる。 今月 28 日からの 40 日間で延べ 17 億人が移動すると予測される中、帰省ラッシュを抑えることで新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ狙いだ。 河北省唐山市は農民工(出稼ぎ労働者)が春節期間中に帰省しなかった場合、1 人 500 元(約 8 千円)の「まごころ祝儀」を支給すると通知。 天津市は市内に働きに来ている人が 2 月末まで市外に出なければ 300 元、その間に製造業などの職業訓練を受ければさらに 300 元を手当てするという。 こうした報奨金を出す都市は沿岸部を中心に 20 以上に上っている。

報奨金のほか、スマホのデータ通信量 20 ギガバイトのプレゼント(浙江省義烏市)や観光地や動物園の入場無料(山東省東営市)など特典をつける街もある。 国営中央テレビも「今いる場所で年越しを」と号令をかけるなか、各地がキャンペーンを競い合う状況だ。

例年だと春節の連休中は店や企業が軒並み閉じて休暇ムードに包まれるが、いつも通り仕事をする人や企業を支援することで帰省しない人を増やそうとする例もある。 福建省アモイ市は期間中に道路清掃や公共交通機関などで働く人に 1 日 50 元(約 800 円)の追加手当を支給すると通知。 同市翔安区は、春節前後の 1 週間、祝日も休まず操業した企業には職員 1 人あたり最高 1,500 元を補助するとしている。 中国本土では今年に入って河北省や黒竜江省などで感染が拡大し、国家衛生健康委員会は省をまたいで農村地方へ帰省する人に、7 日以内の PCR 検査を義務づけている。 (平井良和、asahi = 1-27-21)


中国山東省の金鉱事故、地下 11 人救出 まだ 11 人不明

中国山東省煙台市の金鉱で発生した爆発事故により、坑道に閉じ込められていた作業員 11 人が 24 日、救出された。 10 日に起きた事故ではさらに 11 人が行方不明となっており、地元当局が 630 人態勢で救出作業を続けている。

救出された作業員の多くは事故当時、地下 600 メートル地点で掘削業務にあたっていた。 救助隊が事故後に坑道までの穴を通して懐中電灯や筆記具を届けたところ、17 日に「救援作業をやめないで」と書かれたメモが返ってきたため、救助隊員を増員してふさがった坑道の開通を急いでいた。 中国メディアによると、救出された 11 人は 1 人がけがを負っているものの、命に別条はないと いう。 ただ、残りの 11 人とは連絡が取れていない。 同省は事故調査チームを立ち上げており、「法に基づいて厳格に責任を追及する」としている。 (北京 = 冨名腰隆、asahi = 1-24-21)

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中国の金鉱山で爆発、22 人閉じ込め … 7 日後に地下 600m から「救助やめないで」とメモ

【北京 = 田川理恵】 中国国営新華社通信などによると、山東省煙台市の金鉱山で今月 10 日、爆発事故があり、地下 600 メートル超の坑道に閉じ込められた作業員 22 人の救出作業が続いている。 救難隊が 17 日夜、穴にワイヤロープを通して坑道内に栄養剤を届けたところ、中からメモが返ってきたという。 報道によると、メモには胃薬や医療用テープを求める要望に加え、「救助をやめないで。私たちは希望を持っている」とのメッセージが書かれていた。

閉じ込められた 22 人のうち、居場所が判明しているのが 12 人で、そのうち 4 人が負傷していることもメモから分かったという。 当局に事故の報告があったのは発生から 30 時間がたってからだったといい、地元紙によると、山東省共産党委員会は 15 日、指導責任を問う形で地元の書記と市長を解任した。 (yomiuri = 1-19-21)


暴君・始皇帝を賛美する中国ドラマ - 独裁国家を待ち受ける滅亡の運命

真実を歪めなければ、わずか 15 年で滅亡した秦の歴史に学べるはずだが …

「神州大地」とは古くからある中国の自称だが、近年ブームになった荒唐無稽な抗日神劇(神ドラマ)や、最近盛んに作られている歴史神劇を見ると、「神州大地」というより「神劇大国」が適しているのではないかと思えてくる。 いま話題の連続ドラマ『大秦賦(ターチンフー)』もその 1 つ。 暴君として有名な始皇帝が、今作中では人々に敬愛される仁君で、人民を苦難に満ちた生活から解放するため中国を統一し、幸福な生活をもたらす救世主として賛美されている。 歴史の真実から乖離した内容に歴史学者らはあきれているが。

中国を統一した始皇帝は強かった。 その強さ故、「百家争鳴」といわれた春秋戦国時代の思想の自由はなくなり、人々の思考も統一させられた。 秦の思想統制として最も有名な歴史的事件は「焚書坑儒」。 秦が編纂したもの以外、全ての史書を燃やし尽くし、体制を非難する儒者たちを生き埋めにする - - 2000 年前の文化大革命だ。 現在の中国でよく発生している言論弾圧事件も想起させる。 このドラマの中で、民衆が始皇帝を囲んでいる画面は、明らかに子供たちに囲まれた毛沢東の有名な写真をまねている。 ドラマが示す「大一統(全国統一)」思想と、中国政府がいつも強調する「一つの中国原則」をつなげてみると、なるほど始皇帝を賛美することによって、秦と同じような軍事強国となった今の中国を賛美していると分かる。

中国メディアは共産党の代弁者。文芸事業も党の指導に従って、社会主義強国を賛美しなければならない。 そのため、『大秦賦』のような、事実から懸け離れた歴史神劇が生まれる。 ただしどんなに歴史をゆがめても、1 つの重要な事実を忘れることはできない。 それは秦がどのように崩壊したのか、だ。 高圧的な中央集権・官僚主義国家となった秦は、強大な軍備を維持するためさまざまな名目の税金を課し、苛酷な法律で多くの人民を処罰した。 強権と暴政は、強国だった秦が自身へ刺した 2 本の矢だ。 秦王朝は中国統一後、たった 15 年で滅亡した。 歴史は繰り返す。 独裁国家の運命は、2000 年前も今も変わらない。 (ラージャオ/トウガラシ、NewsWeek = 1-16-21)

ポイント

神劇 : 中国のネットスラング。 ネット上で人気のあるドラマや、不思議なお笑いドラマを意味する。 荒唐無稽な抗日戦争ドラマ「抗日神劇」が有名だが、最近歴史ドラマにも使われるようになった。

大一統思想 : 集中的で統一的な国家体制が広大な国土、広域に分散した多数の人口、多民族社会といった中国の実情に合致しているという考え。 秦朝以前の春秋戦国時代に形成されたとされる。


強烈な光 逃げ惑う人も 中国の工場大爆発

中国で起きた大爆発の瞬間をカメラがとらえました。 暗闇を照らす強烈な光。 中国南部・湖南省で 7 日の午後 6 時ごろに起きた工場爆発の瞬間です。 インターネットに投稿されたこちらの映像には、現場近くにいた人が逃げ惑う様子が …。 中国メディアによりますと、爆発した工場は、アメリカの電気自動車メーカー「テスラ」にバッテリーを供給する企業の系列会社のもので、リチウム電池のリサイクル事業などを行っているということです。 けが人は全員、病院で治療を受けていて、死者はいませんでしたが、倉庫にはアルミニウムの粉末が保管されていたということで、地元の消防当局が爆発の原因を調べています。 (TBS = 1-8-21)


ハルビン氷雪祭り、コロナ禍でも客足上々 値下げ効果?

中国・黒竜江省ハルビンの冬の恒例行事「国際氷雪祭り」も、コロナ禍で大きな影響を受けている。 昨年 12 月に省内で数十人の感染者が確認されるなどしたため、メイン会場で 1 月 5 日に予定されていた開幕式や、国内外の腕利きが集まる氷の彫刻大会などが中止に。 それでも零下 20 度の中、多くの旅客が足を運んでいる。 先行開業しているメイン会場には例年通り 20 万立方メートル超の氷や雪で造った城や滑り台などが並ぶ。

停滞する観光業を活性化しようと、例年は 300 元(約 4,700 円)前後の入場料が 100 元に下げられた。 中国本土では新たな市中感染の確認が 1 日 10 人前後にとどまっていることもあり、客足は上々だ。 地元の中学に通う翁俊治さん (14) は「人が集まるところは不安だったけど、入場料が安くなったから高性能のマスクを着けてきた。」 約 3 千キロ離れた南部の広西チワン族自治区から家族で来た陳●(= 金を重ね、計3個) さん (41) は「子どもがずっと来たがっていた。 イベントがなくても滑り台があれば十分楽しい。」と笑顔だった。

ハルビンに住む鮑杰(バオジエ)さん (30) は四川省の友だちを連れてきた。 「地元の旅行業界を応援したいと思って友だちを招待した。 今年はイベントが中止になったけど、来年は元通りになってほしい。」と話した。 氷雪祭りの期間は氷が解け始める 2 月末ごろまでの予定。 (ハルビン = 平井良和、asahi = 1-3-21)


中国の SNS に弁当箱いっぱい コロナが食と心を変えた

中国の手製お弁当

記事コピー (1-2-21)


武漢の実態「虚偽情報伝えた」として起訴 裁判開始

新型コロナウイルスの感染が最初に拡大した中国・武漢の惨状を伝えたことで起訴された中国人ジャーナリストの裁判が開かれています。

張展さん (37) : 「(中国の警察は)権利を求める人やコロナの被害者に圧力を掛けている。」

元弁護士の張さんは市民ジャーナリストとして武漢の病院の実態や遺族への当局の圧力などを SNS で発信しました。 5 月に突然、滞在中のホテルで拘束されて「悪意を持って嘘の情報を伝えた」などの理由で起訴されました。 最長 5 年の禁錮刑になる可能性があります。 張さんは留置施設で「当局批判に対する仕打ちで裁判自体が違法だ」として抗議のための絶食、ハンガーストライキを続けていて、健康状態が悪化しているということです。 (テレ朝 = 12-28-20)


貧富の差、広がるばかりの中国 - 経済規模は 10 年以内に米国抜く可能性

→ 所得上位の 1% が下位 50% 全体より多くの資産を保有
→ 大学入試「高考」の抜本改革、学生や親が激しく反対

10 年以内に米国を抜き世界一の経済大国となる可能性のある中国は、世界有数の格差社会でもある。 新型コロナウイルス感染拡大は早めに封じ込めたものの、貧富の差は広がるばかりだ。 親がエリート層でない中国人にとって、社会的地位の向上は一段と難しくなっている。 新興国の多くでよく見られるように、富裕層の子どもなら教育と資産を十分に与えられることで優位な立場を享受できる。

中国全土で毎年一斉に行われる大学入試「高考」はその厳しさで悪名高いが、チャンスをつかむ入り口というより障害と見られるようになりつつある。 学生人口が急増しているほか、一流校とそれ以外の学校の開きが大きくなっていることが主な要因だ。 深センのような不動産ブームに沸く都市では住宅価格が高騰し、多くの中国人にとって持ち家取得は夢のまた夢になっている。

中国の問題を数字で見る
所得上位の 1% が下位 50% 全体より多くの資産を保有
名門の清華大学に昨年入学した学生のうち、地方もしくは比較的発展が遅れている地域の出身者は 2 割に届かなかった
深センの集合住宅価格は平均年収の 43.5 倍

反発招くリスク

中国共産党が 2022 年に開く 5 年に 1 度の党大会で最高指導者の地位にとどまり続けることを目指す習近平総書記(国家主席)にとって、支持確保に必要なことは国民 14 億人の富の格差を確実に小さくしていくことだ。 新型コロナの感染拡大を抑えた中国の景気回復は比較的速いペースで進むが、低所得者層の痛みは大きい。 国の大義のために犠牲を受け入れたきた世代とは異なり、巨万の富を一部の人が築き上げるのを目の当たりにしてきた現労働者の期待は大きい。

政府は改革で対応する必要性を認識するものの、改革が不公平だと見なされた場合、反発を招くリスクもある。 台頭しつつある中産階級の怒りを買う恐れもあり、遺産や不動産などに課税する案は実施に至っていない。 高考制度を抜本改革する試みも、途中でのルール変更と感じる学生や親からの強い反対に見舞われている。 (Sharon Chen、Bloomberg = 12-25-20)


中国、食べ残しを規制へ 大食い動画には罰金 160 万円

中国が「食べ残し」を減らすための法規制を検討している。 客に大量の食べ残しを許した飲食店に最大 1 万元(約 16 万円)の罰金を、「大食い」がテーマの動画や番組を制作、公開した場合には最大 10 万元(約 160 万円)の罰金を科すなどの内容。 SNS などでは「やり過ぎだ」と指摘する声も出ている。 検討中の法案は「反食品浪費法案」。 22 日に開幕した全国人民代表大会(国会に相当)常務委員会で審議が始まった。

中国中央テレビによると、法案は飲食店に食事の無駄を防ぐ取り組みを求めている。 飲食店が食べ残しをした客に処分費用を請求できる、という条項も盛り込んだ。 新型コロナウイルスの流行や対米関係の悪化で、中国では食の安全保障に関心が高まっている。 習近平(シーチンピン)国家主席は 8 月、食べ物のむだをなくすよう求める「重要指示」を発表。 それ以来、多くの飲食店は量の少ない食事メニューを用意するなど「光盤行動(食べきりキャンペーン)」に取り組んでいる。 ただ、法規制には中国でも賛否が分かれている。 SNS 上では「料理が下手なシェフは罰金を払うのか」といった皮肉も投稿された。 (北京 = 高田正幸、asahi = 12-25-20)