中国の SNS に弁当箱いっぱい コロナが食と心を変えた
中国経済の中心地、上海。黄浦江沿いの高層ビルは夜な夜な輝きを放つ。 夢を抱く若者たちがやってくるこの街で、胡昌良さん (26) が暮らして 9 年。 金融機関が集まる陸家嘴地区で、保険会社の広報部員として働く。 多忙な日々だが、弁当作りは欠かさない。 いつも一品、故郷の味を詰めて出勤する。 内陸部の江西省上饒(シャンラオ)で生まれ育った。 地方の小さな街で、両親は出稼ぎに。 一緒に暮らす祖母が高齢で、10 歳ごろから食事作りは胡さんの担当になった。 貧しく、肉はめったに買えない。 自分でつくる青菜炒めが、一番の好物になった。
17 歳で名門の復旦大学に合格した。 入学のため上海に来たのが 2011 年夏。 観光客でにぎわう旧租界地「外灘(バンド)」に立ち、陸家嘴地区の摩天楼を見て夢の世界に来たような気分になった。 クラスメートは洗練されて裕福に見え、劣等感の塊になった。 旧式の携帯電話を使うのが恥ずかしく、夜になってから学生寮のベッドの中でこっそり取り出した。 積極的に周りに声をかけるうちに友人も増え、劣等感も薄れていった。 携帯には毎日、「今日はちゃんと食べた?」という母からのメッセージが残っていた。
仕事を始めて帰省する機会は減った。 だが、昨年は思いがけず 1 月から約 3 カ月間、両親と過ごすことになった。 春節(旧正月)に合わせて帰省後、新型コロナウイルスの感染拡大により移動規制が続いたためだ。 食卓には母の手料理が並んだ。 上海に戻り、始めたのが弁当作りだ。 よく利用していた社員食堂が、感染防止のため休業に。 弁当は食費の節約が目的だったが、「生活のリズムが良くなった」と、社食が再開した今も続けている。
雑穀米を炊き、肉を炒めた主菜に、野菜を多めに合わせる。 発酵させた漬物と干し豆腐を炒める「酸菜豆干」は、母の得意料理。 小さい頃は母が不在で、口にする機会がなかった。 今回の帰省で作り方を覚え、弁当のおかずの常連になった。 「茶色で見栄えはよくないけど、安心する味なんです。」 「ちゃんと食べてる?」と電話してくる母には、スマートフォンで弁当の写真を送る。
中国では昨年 1 月下旬から 3 月下旬ごろまで、多くの地域で新型コロナの影響による在宅勤務が続いた。 家にこもる暮らしの中、注目されたのが料理レシピのアプリだ。 ネットメディア「澎湃新聞」によると昨年 1 月末 - 2 月中旬、人気アプリの総ダウンロード数は 1,500 万回となり、前年同期比の 6 倍近くに。 SNS では、自作料理のレシピや動画を投稿する様々な「料理大会」が催された。 出勤再開のあと、日々の料理が習慣になった延長線で、弁当を持ち始めた人が目立つ。 冷えた料理を好まない中国人から敬遠されてきた「お弁当」だが、コロナ禍による生活環境の変化をきっかけに、その存在感が増しているのだ。
弁当が「生活にゆとり」
上海で銀行に勤める解傑棟さん (37) は、仕事で外食が多く、結婚後 20 キロ太った。 約 3 カ月の在宅勤務中は毎日家で食事をし、体調がよくなったと実感。 「夫のダイエットにもなる」と、妻の張林琳さん (35) が思いついたのが弁当だった。 子ども 2 人が生まれてから仕事を辞め、パン教室に通うなど料理は得意だ。 ネットで日本の「キャラ弁」を見て、作り方を研究。 面白さにひかれ、毎朝 1 時間ほどかけて作るのが日課になった。
中国では「外売(ワイマイ)」と呼ばれるフードデリバリーが充実している。 だが妻の張さんは「外売は便利だけど、どんな材料や油が使われているか分からず不安」と話す。 夫の解さんは、弁当生活に「生活のゆとり」を感じるようになった。 「食材も調味料も安全にこだわって、時間をかけて作ってくれたものを、味わう。 お金では買えない、丁寧な暮らしができている。」という。
精神的な豊かさへ
上海でアニメ配信会社を経営する黄智?さん (49) は、母の鄭嘉齢さん (76) が用意する弁当を手に出かける。 中身は前日の晩ご飯のおかずだ。 中年になった息子の健康を気づかう母が持たせてくれる。 21 歳で日本に留学し、外資系コンサル会社、IT 企業勤務を経て 06 年に起業した。 昨年 11 月、長男 (5) を日本で教育するため妻が付き添って行き、母と 2 人で暮らす。 じっくり煮込む中華風ボルシチ「羅宋湯」、エンドウ豆のさやを丁寧にむいて作る「小豌豆」、高菜の漬物と豚肉を炒めた「梅干菜焼肉」 …。 下準備が欠かせない家庭料理をランチでも堪能する黄さんは、「栄養バランスが良いから、たくさん食べても太らない気がする」と照れくさそうに笑う。
上海に昨年夏オープンした生活雑貨専門店「ロフト」には、2 段式や保温タイプなど、さまざまな種類の弁当箱が並ぶ。 中国の SNS には、手作り弁当の写真があふれる。 豪華ではなくても、人が人を思う気持ちが込められている。 それが何よりのごちそう。 弁当箱から見えてくるのは、精神的な充足をより重視するようになった中国の人々の変化かもしれない。 (上海 = 宮嶋加菜子、asahi = 1-2-21)
中国の「まずくて高い」老舗肉まん屋が大炎上! 国慶節でも一人負けのワケ
中国で 9 月と 10 月は稼ぎ時 … なのに大失敗した老舗肉まん店
エンドユーザーを対象にする中国のビジネス世界では、「金九銀十」という言い方がある。 金の 9 月、銀の 10 月という意味だ。 一説には、9 月と 10 月は農作物の収穫期で、農耕社会では、収穫した農産品を販売して現金収入を手に入れ、最も消費意欲が強い時期なので、このような言い方が生まれたのだという。 より今日的な解釈もある。 9 月や 10 月といえば、中秋の節句や中華人民共和国の建国の日である 10 月 1 日から大型連休もあり、季節的にも涼しくなってくる時期だ。 人々は外出や旅行、外食する意欲が強くなるため、旅行、小売り、飲食などの業界にとっては旧正月の春節に匹敵するほどの稼ぎ時であるという。
しかし、この大事な稼ぎ時に大きくこけてしまった中国の老舗レストランがある。 天津市の肉まん専門店「狗不理(ごうぶり)」だ。 日本ではそれほど知られていないが、1858 年創立の同店は、中国では有名な肉まん専門の老舗(中国では老舗企業を「中華老字号」と呼ぶ)で、最も歴史のあるブランドの一つとして認知されている。 ちなみに、店名の「狗不理」とは「犬も相手にしない」という意味。 昔の中国では、へりくだったニックネームを子供に与えると、その子は丈夫に育つといわれ、犬など身近に存在する動物や物の呼び名を子供のニックネームにすることがあった。
同社の創業者は、「狗子(日本語で犬の意味)」というニックネームで呼ばれていた。 創業してから非常に繁盛して、肉まん作りと販売に精を出した創業者はそれ以外のことに一切構わず、呼ばれても応じなかった。 そこから店は「狗不理」と呼ばれるようになったという。 やがて清王朝の役人がこの狗不理肉まんを北京まで持ち帰り、西太后に食べてもらった。 西太后がその美味を褒めたため、名声が一気に中国全土に広まり、 当時、魯迅と同じ時代の作家として知られた梁実秋も作品の中で狗不理肉まんのジューシーぶりを褒めたたえている。
狗不理の肉まんは皮が薄く、肉餡がたっぷりと入っており、表面は 18 の折があるように作られているといわれる。 貧しかった時代の中国では、B 級グルメとして非常に珍重された。 私は 10 代の頃、つまり文化大革命の時代、黒竜江省に飛ばされ、5 年近く野良仕事をしていた。 上海に帰省するとき、天津に途中下車してわざわざその天津の名物「狗不理肉まん」を買い求めに行ったほどだ。
2010 年前後に全盛期を迎えた狗不理は一気に転落
狗不理がもっとも輝いていた時期は 2010 年前後だ。 同年の中国版紅白歌合戦ともいえる「春節晩会(春節文芸の夕べ)」で漫才の対象になり、数億人がその名を覚えた。 2011 年 11 月、中国政府が第 3 回国家級無形文化遺産リストに「狗不理肉まんの伝統的な手作り技術」を登録したため、狗不理はまさに中国の肉まんの頂点に立った。 その 4 年後の 2015 年 11 月に、「狗不理」は株式上場に成功し、中国 18 省 40 以上の都市に 70 以上のフランチャイズチェーン店を展開、さらには「Go Believe」という英語名で海外にもビジネスを展開し、年間売上高は約 1 億元(約 16 億円)に達した。 ただし、東京の池袋にある「狗不理」は、日本の天津飯店が経営する店舗で、その系統ではないことを断っておきたい。
しかし、あまりにも高く設定された狗不理肉まんの値段はやがて大衆の批判の的になり、品質も守っていなかったため、消費者から敬遠されるようになった。 北京の繁華街王府井にある狗不理王府井店では、蒸した肉まんを竹の籠に入れてくれるのだが、肉まんの価格は 1 つ 40 元前後から 100 元(約 640 - 1,600 円)までで、習近平国家主席も利用したことのある肉まん専門店「慶豊包子店」の価格のほぼ 6 - 12 倍だ。 「朝食に 8 つの狗不理肉まんを買っただけで、合計 270 元(約 4,320 円)もかかった。 問題は味が全然だめで、街角で販売されている肉まんにも及ばなかった」という消費者の批判がその問題の核心をついている。
こうしてほどなく、狗不理は急速に凋落の一途をたどった。 地元の天津市民も、狗不理をお客さんに勧めなくなっている。 日本の食べログに似た「大衆点評」というサイトでは、北京の狗不理王府井店は、評価点数がその地域の最低ラインに入る 2.85 点しか取れていない。 今年の 6 月、創業 162 年を誇る狗不理は消費者からあまりにも敬遠されたため業績を作れず、やむなく証券市場での上場をやめた。 泣き面に蜂とでもいうのか、そこでまた一大事件が起きた。
ネットで大炎上! さらなる転落
9 月 8 日、谷岳というネットグルメ評論家が、「王府井周辺で評価がほぼ最下位になっている狗不理は、一体どれだけ悪いのか」を体験し動画に上げるべく、同店を訪問し、2 種類の肉まんを 2 籠選んだ。 値段は合計 100 元(約 1,600 円)。 谷岳氏は「醤油漬け肉まんには本物の醤油漬け肉が入っておらず、とても脂っこかった。 普通の肉まんも皮が厚く餡が少なかっただけでなく、歯に粘着しやすい」と問題点を指摘したうえ、最後に、「まずいと言ってもそんなにまずいわけではありません。 この品質では 20 元(約 320 円)ぐらいが妥当ではないかと思いますが、100 元で 2 籠では、ちょっと高すぎますね。」と動画のなかで、締めくくった。
ところが、この動画がインターネットにアップされて話題になったのを見た狗不理王府井店は、同 10 日、SNS を通して、当該動画は悪口中傷の発言で、すべて不正確な情報だと訴えた。 そして、谷岳氏およびその動画をアップしたサイトに対して、権利侵害行為を直ちに停止し、国内の主流メディアで公開謝罪するよう要求すると同時に、北京市公安局に通報し、法的追及措置も取ると通告した。
このニュースがネットにアップされるやいなや、ネット上では、狗不理の横柄な対応を批判するコメントが怒涛のように打ち寄せてきた。 市場の反応を見て、狗不理天津本社は同 15 日、慌てて狗不理王府井店との契約関係を解除した。 その数日後、狗不理王府井店はあっけなく閉店に追い込まれた。 誇り高いはずの老舗の落日を見た思いがした。 しかし、こうした問題を抱える老舗は狗不理だけではく、北京ダックで有名な「全聚徳」も狗不理とほとんど同じレベルの低い評価しか得られていない。
中華レストランの老舗の数は、中華人民共和国が建国した当初、1 万社以上もあったが、いまや 1,000 社余りに減少している。 現在、中国商務省が認定した中華老舗は計 1,128 店で、平均 160 年以上の歴史があるが、そのうち約 10% だけが発展しており、その他は例外なく深刻な経営危機に見舞われているという。 余計な心配かもしれないが、日本の老舗レストランにも消費者に対して居丈高な姿勢を持つ店舗がある。 それで経営は大丈夫なのだろうか。 老婆心ながら、そんな心配もしている。 (莫邦富、Diamond = 10-9-20)
ザリガニ料理、中国で爆発的ブーム 「マクドナルドを超えた」の報道も
子供のころ、用水路でザリガニ釣りを楽しんだ人も多いはずだ。 棒の先に糸をつけて、サキイカなどをつけるだけで、真っ赤なアメリカザリガニが面白いように釣れた。 そんなアメリカザリガニが、中国では食材として大ブームになっている。 「ザリガニなんて食べられるの?」と驚く方もいると思うが、原産地の北アメリカでは食用に漁獲され地元の名物料理とされるほか、フランス料理にも使われるなど、世界的にはザリガニ料理は意外とポピュラーなのだ。 中国ではアメリカザリガニを食材として、どう活用しているのか。 中国・中華圏ウォッチャーの如月隼人のレポートをお届けしよう。
■ KFC やマクドナルドを凌駕する「ザリガニ専門店」
ザリガニ料理は「13 億人の胃袋を満たすため」ということで、産業規模も拡大の一途。 中国メディアも大いに注目している。 店舗数で「マクドナルドを超えた」、「ケンタッキーフライドチキン (KFC) を超えた」といった文字が踊っている。 中国大手の共同購入型クーポンサイトの美団(メイトゥアン)などによるリポートは、ザリガニ料理専門の料理店は 2015 年から爆発的に増え始め、2016 年 6 月末には前年比 33% 増の 1 万 7,670 店舗に達したと紹介した。
外食産業と言えば、中国でも米国ブランドの KFC やマクドナルドはなじみ深い存在だ。 中国メディアは 2014 年ごろから、KFC の中国における店舗数は 5,000 店規模に到達、マクドナルドは 2,000 店規模などと盛んに報じた。 そして現在、ザリガニ料理専門店の急増を伝える記事は KFC やマクドナルドの店舗数を超えたなどと強調することが多い。
政府発表でも、ザリガニブームは如実だ。 中国政府の農業部漁業漁政管理局(日本の水産庁に相当)と中国水産学会が発表した「中国アメリカザリガニ産業発展報告 (2017)」によると、2007 年に 26 万 5,500 トンだった養殖ザリガニ生産量は 16 年には 85 万 2,300 トンに達した。 9 年間で約 3.2 倍に成長したことになる。 捕獲分を含めれば、16 年にはザリガニの総生産量が 89 万 9,100 トンに達したという。
同報告によると、中国で「ザリガニ産業」が発展し始めたのは 1990 年初頭で、当初は捕獲業者が外食業者に直接販売している状態だった。 しかし現在はすでに養殖、加工、「流通と外食産業」に属する業者が分業化した。 各段階を経て最終的に消費者に提供される「産業チェーン」が形成されているのだという。
■ 小型イセエビの異名も 四川風スパイスと「幸福な出会い」で大人気に
中国人はアメリカザリガニをどのように調理しているのか。 とりわけ人気のメニューは四川料理風の味付けだ。 料理名は「麻辣小龍蝦(マーラー・シァオロンシア)」。 舌をしびれさせる刺激(麻)が特徴の「花椒(ホアジァオ = 中国山椒)」と、唐辛子の辛さ(辣)を合わせて用いる。 レシピ紹介サイトを見ても、「麻辣小龍蝦」がずらりと並んでいる。
それ以外の調理法を見てもウイグル料理などで多用されるクミンを使う料理法や胡椒を使う方法など、スパイスを利用する場合が多い。 「小龍蝦」とはアメリカザリガニのことだ。 食材が外来種と知らねば、まるで伝統中華と思ってしまうような料理名が並ぶ。 なお、「小龍蝦」は「龍蝦(= イセエビ)」にちなむ呼称だ。 中国ではアメリカザリガニが「小型イセエビ」と呼ばれるようになったことも「高級食材に近い」とのイメージを発生させ、人気を呼んだ理由のひとつになったようだ。
一口に中国料理と言っても、地方による伝統的な味付けは相当に異なる。 かつては一般庶民が自分の生活圏以外、あるいは出身地以外の料理を味わうことは、それほど多くなかった。 大きく変化し始めたのは 1980 年代だ。 その背景には改革開放政策に伴い、各地の人々が出身地を離れて個人経営の庶民向け飲食店を開くことが容易になったことがある。
そして、四川風の「麻辣」やウイグル風のクミンを効かせた味付けは、本場の味と全く同一であるかどうかは別にして、全国的に受け入れられることになった。 舌をピリリと突き刺す味付けが、後になって登場した食材のアメリカザリガニにもぴったりだったいうことだろう。 アメリカザリガニは中国で、スパイスとの「幸福な出会い」を果たしたと言ってよい。 なお、地方によっても違いがあるが、アメリカザリガニの出荷が最も盛んなのは 6 月から 8 月ごろだ。 しかも「ビールとの相性は抜群」とされている。 中国人にとってアメリカザリガニはまさに、夏を代表する味覚のひとつになったわけだ。
■ 調理次第では「寄生虫症」の危険も
アメリカザリガニの食用には注意せねばならない点もある。 寄生虫の問題だ。 アメリカザリガニに寄生する生物種は多いが、代表的な例として肺吸虫がある。 肺吸虫が恐ろしいのは、ヒトの体内を移動することで「幼虫移行症」という事態を引き起こすことだ。 腹腔を経由して胸腔、さらには肺に侵入して気胸を起こしたり腹膜炎により水がたまったりすることが多いという。
陝西省西安の地元紙である華商報は 6 月 19 日付で、市場で売られていた生きたアメリカザリガニを検査したところ使った 3 体のサンプルのうち 2 体から寄生虫が見つかったと報じた。 記事はさらに、最近になり江蘇省蘇州市で女性 1 人が喀血し、肺吸虫が寄生していたことが判明した事例があると紹介。 同女性はしばらく前にアメリカザリガニを食べたことがあるという。
この記事では、西安市民にアメリカザリガニを自宅で調理する場合の方法を尋ねたところ、強い火を用いて短時間でざっと炒めると言う人が多かったという事例を紹介した。 中華料理で「爆炒(バオチャオ)」と呼ばれる技法だ。 短時間の加熱の方が食感がよいからとの理由だったという。 しかし、専門家は短時間の「爆炒」で寄生虫を完全に死滅させることは困難と指摘。 アメリカザリガニの場合、全体を摂氏 100 度の温度に 10 分間さらす必要があるとした。 そのために、「爆炒」の技法を用いて調理する場合には、その前に蒸すか圧力鍋で煮るなどで、十分な加熱をしておくことが必要とした。
■ ザリガニ料理が急成長を維持できるかの鍵は「安全性」
中国人にはもともと、「自分の健康を守るのは、最終的には自分自身」との考えが強い。 しかも、中国では食の安全に絡む問題が続発している。 アメリカザリガニは伝統的な食材でないだけに、寄生虫症の発生が問題になれば、「やはり食べるのはやめよう」という人が続出する恐れがある。 中国における 2017 年のアメリカザリガニ生産量は前年比で 2 桁成長を維持して 97 万トン程度になるとの予想もある。 「ザリガニ産業」が高度成長を維持できるかどうかは、飲食店が安全・安心の料理を提供し続けられるかどうかにかかっている。 (如月隼人、Huffpost = 6-25-17)
極上イベリコ豚に中国人の舌鼓
スペインの南西、ハブーゴ村 - -
オークとコルクガシの林が点在する広大な放牧場で、350 頭ほどの黒豚たちが最後の、至福の数週間を過ごしている。 散歩を楽しんだり、広い飼育小屋の中で昼寝をしたり。 秋は大好物のドングリがオークやコルクガシから落ちてくる。 日がな一日おいしいドングリをたらふく食っている。 「豚は雑食といわれるが、大好物のドングリとなると、よく知っていて、えり好みをするんだ。」 この村の養豚農家に生まれ、10 代のころから豚の世話をしてきたというフアン・カルロス・ドミンゲス・ロレンソ (49) がそう教えてくれた。
この村で飼育されるスペイン原産の「イベリコ豚」は、別格の地位を誇る最高級品だ。 甘く、香ばしいドングリで餌付けされるため、その塩漬け生ハムは独特の食感と滋味、風味がある。 最近、世界保健機関 (WHO) が加工肉をとり過ぎると大腸がんリスクが高まる、と発表した。 豚の赤身の肉も含まれる、という WHO の警鐘は、何世代もイベリコ豚のハムを食べてきたスペイン人には屈辱的だった。 ところが、どっこい。 イベリコハムは今も世界中から引っ張りだこだ。 発表後も需要増の傾向にある。 特に、国内で食の安全性が問われている中国で、消費量がうなぎ登りだ。
「スペインのハムは独特で、しかも健康的だとみられている。 中国で食品を売るには、『健康的』という要素が非常に大事なのだ。」 香港を本拠に、中国各地に高級食材を配送するオリビエ・パシフィック社(永興太平洋貿易有限公司)のオリビエ・ウィンは言う。 同社はハブーゴ産イベリコハムのトップブランド「Cinco' Jotas (シンコホタス)」を輸入している。
WHO はスペインの高級生ハムを、加工ソーセージやハンバーグ用のひき肉と同列に扱ったが、スペインの生産者たちは少しも怒っていない。 消費者がそれで離れるなんてことはないからだ。 たとえば、シンコホタスのイベリコハムは最上級の脚 1 本 - およそ 8.2 キログラム - がスペイン国内で 670 ドル(1 ドル 120 円換算で 8 万 400 円)。 米国ではこの倍はする。 値ばかりか、このイベリコハムを薄くスライスする技まで芸術的だと称賛されるほどだ。
「このイベリコハムは最高の自然食品です。 (容器や加工原料などから食品に混入する可能性のある)重金属は無論のこと、保存料や着色料も一切使われていません。 最良のエサを食べ、美しい環境の中で自由に体を動かすことで、筋肉の質が違うのです。」 これまた最高といわれるブランド「Joselito (ホセリート)」のオーナー、ホセ・ゴメスはそう言った。 「実際、がんのリスクを高める食品は何千とあるのです。」 ホセリートにはそのリスクはまったくない、とゴメスは自信を持っている。
イベリコハムは特に豚をこよなく愛する中国で人気が高い。 中国人が豊かになって、イベリコハム市場に活況をもたらしているのだ。 価格は米国内より少し高いのに、引く手あまた。 スペインの生産者たちの次の課題は、イベリコ豚の脚から骨を抜かなければ輸出できないという中国の規制を何とか撤廃させることにある。
豚の腸や肝臓といった内臓に関しては、スペインの生産者は近隣欧州諸国への売り込みに懸命だが、今やその内臓にまで中国人の手がどんどん伸びている。 スペイン肉類輸出事務所によると、同国から中国に輸出される豚の頭や耳、その他の生鮮豚食材は昨年 35% も増加し、フランスに次ぐ規模になった。 こうした傾向を反映してか、中国の大手投資・産業コングロマリット「フォースン・グループ(復星集団)」は、トップブランドであるシンコホタスの親会社株まで購入した。
そのシンコホタスの最高責任者ベルナルディーノ・ロドリゲスは、ハブーゴ村の貯蔵室を案内しながら、こんな話をした。 「スペイン人は文化的にはむしろアメリカに近いと思っています。 しかし、ハムに関しては、中国のグルメの方がわれわれに似ている。」 貯蔵室では、天井からイベリコ豚の脚がつり下げられ、熟成の時を刻んでいる。 ロドリゲスは「生ハムの違いが分かる。 この点に関しては中国人が最高だ。」とも言った。
もっとも、中国人がイベリコ豚を好む理由は、この豚が健康であることと、その質が高いということだ。 今年初め、中国警察は病気の豚の肉を不正に取引したとして 110 人以上を逮捕したが、こうしたケースが相次いでいるためだ。 「安全な食品を求めて多くの中国人が香港に来る。 それで、より安くて安全なものを求めて並行輸入も盛んになっている。」と輸入業者のウィンは言った。
皮肉なことだが、スペインの自然の中で育てられ、食肉処理され、塩づけされたイベリコ豚に中国が触手を伸ばすのとは逆に、米国は「スペイン産」を理由に約 10 年前まで輸入を禁止していた。 豚コレラとスペインの伝統的な生産法が問題になったためだ。 今日でもアメリカへの輸出が許可されている豚肉処理場は 5 社だけだ。
ところで、最高級のイベリコ豚が育つのは、天候の変化が大きいスペイン南西部に限られている。 たとえばハブーゴ村はスペインで最も降水量が多く、湿った冬は塩が肉に浸透しやすい。 その塩漬け法は古くローマ帝国時代から受け継がれている。 炎熱の夏はハムに「汗をかかせて、乾かす」のに適している、という。 「天候が正確に変わらないと、生産できなくなる」とホセリートのオーナー、ゴメスと言う。 「ワインと同じです。 製造過程でのちょっとした工夫と手加減、調整、それが並みの製品と最上級の違いに出るのです。」
こうした最上級の生ハムに多くの中国人がひかれる背景には、スペインへの旅行客が増え、現地で豚食品を口にする機会が増えたこともある。 スペイン中部セゴビアにある「ホセ・マリア」は子豚の丸焼きで有名なレストランだが、店主のホセ・マリア・ルイス・ベニトは「うちの店は午後 1 時に開ける。 開店と同時に入ってくるのは、今はほとんど決まって中国人だ。」と明かす。
こうした人気の陰で、スペインの生産者の中には生産技術が中国にまねされるのではないかと懸念する声すら出ている。 2、3 年前だが、中国産のハムに「ハブーゴ」のラベルを貼るという違反行為があり、スペイン側が偽の「ハブーゴ」の生産禁止を中国当局に求める、という事件もあった。 「心配なのは、どうしたら中国産の高級ハムを製造できるか、そのノウハウを知るために今日、中国は喜んでスペイン産を輸入しているのではないか。」 スペインのハム製造会社「アルトゥーロ・サンチェス」社長のリカルド・サンチェスはそう勘ぐってみせた。
とはいえ、そうした話題は黙々とイベリコ豚を育てている生産農家にはあまり関心がないようだ。 (冒頭に登場した)ハブーゴ村のロレンツォは「おれはこの豚たちを一生懸命育てている。 それが、世界の果てでも認められれば、まあ結構なことだ。」 そう言って、豚の群れに向かって叫んだ。 トゥーーーーーーゥ! 豚の群れが振り向いた。 ロレンツォは羊飼いのように、豚たちを次のドングリ林に連れていった。 (Raphael Minder、The New York Times = 12-25-15)
期限切れ肉出荷、上海福喜食品の 340 人解雇
【上海 = 鈴木隆弘】 品質保持期限が切れた肉製品を出荷していた中国・上海市の食品加工会社「上海福喜食品」の親会社、米 OSI グループは 22 日、上海福喜の従業員 340 人を解雇すると発表した。 工場再開のめどがたたないため、一部の従業員以外を解雇することを決めたとしている。 7 月下旬の問題発覚後、同社の工場は操業を停止し、従業員には有給休暇が与えられていた。 (yomiuri = 9-22-14)
期限切れ肉問題、「上海福喜食品」幹部 6 人を逮捕
中国上海市の「上海福喜食品」が使用期限切れの食肉を使った加工品を販売した問題で、同社は 29 日、幹部 6 人が司法当局に逮捕されたと発表した。 上海市人民検察院(地検)は同日、劣悪な食品を生産、販売したとして、6 人を逮捕することを許可したと明らかにしていた。 中国では食の安全が問題になっており、テレビ局が放映した不正現場の映像は社会に衝撃を与えた。 刑事責任を追及することで食品産業全体に品質管理の徹底を促す狙いもあるとみられる。
同社の商品は日本にも輸出され、マクドナルドやファミリーマートなどで販売。 輸入食品の品質管理のチェックをいかに行うべきか、日本企業に課題を突きつけた。 問題を受けて日中両政府は 8 月上旬、食品の安全をめぐる実務者協議を北京で開いた。 上海福喜食品は米食品大手 OSI グループの傘下。 マクドナルドのチキンナゲットを製造する際に期限が過ぎた冷凍鶏肉を混ぜ込んだり、別のレストランチェーンに納品する加工肉に期限を 7 カ月過ぎた肉を使ったりしていた。 元従業員の情報を基に上海のテレビ局が潜入取材し、不正の実態を暴いた。
上海市公安局は 7 月下旬の問題発覚後から、利益を上げるために違法な生産が組織的に行われていたとみて、同社の責任者や品質担当幹部ら計 6 人に対する捜査を進めていた。 (kyodo = 8-29-14)
食品偽装判明でも中国のマックに行列のワケ
中国の食品加工会社「上海福喜食品」が、チキンナゲットに使用期限切れの鶏肉を使っていた事実が発覚してから約 3 週間。 マクドナルドを巻き込んだ食品衛生スキャンダルは、世界各国に衝撃を与えた。 その中国で今、なんとマクドナルドに長蛇の列ができる珍現象が起きている。 危険な食品偽装が発覚したというのに一体なぜ? その背景を探ってみると "中国ならでは" のおぞましすぎる食肉偽装事情があった!
世界を震撼させた期限切れ鶏肉騒動も、中国ではとらえられ方が違った。 中国の食品製造の現場に詳しいジャーナリスト程健軍氏はこう語る。 「中国庶民にとって『マクドナルドが 100% 本物の肉を使っていた』と判明した衝撃の方が大きかったのです。 えたいの知れない肉でも『ウマくて死ななきゃいい』と思っていますから、期限切れや、床に落とした程度なら、問題ありませんよ。」
にわかには信じられない話だ。 だが、そもそも中国では庶民が日常的に口にする肉といえば「混合肉」と呼ばれるビニールチューブ袋詰め肉。 羊肉をメーンに鶏肉などが混じっていることになっているが、消費者も「いろいろ混ざっているんだろうな」と覚悟した上で食べているという状況だ。 「その混合肉は、まさに "肉の福袋" で、何が入っているか、分からないんです。 中国庶民は羊肉が大好きですが、価格を抑えながら量を増やし、味にパンチを利かせるために、各店がさまざまな肉を勝手にブレンドして売っています。(同)」
例えば、夏には犬肉を加えたスタミナブレンド、冬にはヤギ肉を増やしたかみごたえ抜群ブレンド。 このあたりは "表示偽装" ではあるものの、食べられる肉なので、中国庶民は許容している。 しかし、食用不適格の肉による偽装はより深刻だ。 中国庶民にとって一番身近な肉料理は、街の屋台で売られている羊の串焼き。 長さ 30 センチほどの串に羊肉をたっぷり刺した "中国版ファストフード" で、安いものでは 1 本 2 元(約 33 円)という激安ぶりだ。
「多くの人は『絶対、何かほかの肉だよな』と思いながら、食べているんです。 これらの肉は、実はネコやネズミのケースも多いといわれているんです。(程氏)」 ネコやネズミの肉が使われているという話は有名で、昨年、安徽省の安徽大学で生物科学を専攻する大学生が卒業論文のテーマとして羊の串焼きの DNA 鑑定を行い、サンプルの約 8 割に羊以外の DNA が確認されたと公表。 中国メディアで大々的に報道された。 羊肉の DNA が示されたのは全体でわずか 19.7% だった。 69% はブタ肉で、残りからはネコ、ネズミなどの DNA も検出されたという。
ネコやネズミの肉は本来、羊とは似ても似つかない味のはずだが「これを羊の尿に 2 時間ほど漬け込んでから、そのまま尿ごと低温でコトコト煮込み、さらに羊の油と精油を擦り込んで一晩、熟成させれば、味も臭いも見分けのつかない "羊肉風味の肉" のできあがりなんです。(程氏)」 自分が食べなければ、どうでもいいという中国人の考え方なのだろうが、さらに先がある。
「材料となるネズミやネコを捕まえる際、安易に殺鼠剤を使っている場合が多いんです。 そんな肉の串焼きで命を落とす人もいるくらい。 日本人が中国旅行する際に気になるなら、激安食堂や激安屋台 を避けるべきでしょう。(程氏)」 毒入り小便煮込みネズミ肉 … もはや、どう考えても食べ物ではない。 程氏は「もちろん、すべての肉が偽装というわけではない。 でも、こんなものが横行するなかで、本物の肉を使っていることが証明されたマクドナルドに人気が集まったのも当然だと思います。」とため息をついた。 (東スポ = 8-16-14)
〈編者注〉 さすがに、日本の大手マスメディアで採り上げられるような話題ではありません。
中国 : 米系スーパー、期限切れ肉使用か
【上海・隅俊之】 中国・広東省深セン市(センは土へんに川)にある米国系の小売り世界最大手「ウォルマート・ストアーズ」のスーパーで、期限切れの肉を使った総菜や不衛生な食用油を使った食品を販売していた疑惑が浮上した。 従業員が撮影したとする告発ビデオを地元テレビ局が 7 日、報じ、これを受け市衛生当局が調査に乗り出した。
報道によると、このスーパーでは、品質保持期限が切れた鶏肉を使っていたほか、黒く変色した食用油で鶏肉を揚げていた。 記録簿には「(油は)交換済み」と記入していたという。 また、虫が入っていた米も再利用していたという。ウォルマート側は「違法行為は見つかっていない」と疑惑を否定したが、調査を受け入れるという。 (mainichi = 8-9-14)
肉使うメニュー、大半「売り切れ」 中国のマクドナルド
中国のマクドナルドでは、代名詞のハンバーガーなど肉類を使ったメニューがほとんど提供できない事態になっている。 期限切れ肉問題を引き起こした「上海福喜食品」が所属する米 OSI グループに原料供給の多くを頼ってきたが、取引を止めたためだ。 北京市の繁華街にあるマクドナルド。 29 日午後、通常はおすすめのセットを宣伝するレジの脇のスペースでは、「限られたメニューしか提供できません」とした断り書きが大きく貼られていた。 店員は「バーガー類は魚フライを使ったものしかない」と説明する。
店内の食事メニューでは、デザート類とポテト、魚を使ったもの以外のあらゆる品目に「売り切れ」を示す黄色いシールが貼られていた。 アイスクリームを食べていた女性客 (18) は「事態が収まっても、もう主食類は頼みにくいね。」 「マクドナルドが飲み物屋になった」と評する中国紙もある。 中国のマクドナルドは上海福喜の事件発覚後、一度は同社との取引を打ち切る代わりに、同じ OSI グループの別会社から供給を受けると発表した。 だが、国内から批判が相次ぎ、一転してグループ全体との取引を停止した。 このことで、店への肉類の供給がたちまち不足している。(北京 = 斎藤徳彦、asahi = 7-30-14)
(日本)マック、全ての中国製鶏肉を使用中止 タイ製に切り替え
日本マクドナルドは 25 日、中国製の鶏肉の使用を中止したと発表した。 使用期限切れの鶏肉を使っていた中国の上海福喜食品との取引はやめたが、中国製の鶏肉全般に消費者の不安が高まっていることを考慮した。 26 日からタイ製に切り替えるが、補充が間に合わず、多くの店で品切れが起きる可能性があるという。
マクドナルドの 2013 年の鶏肉製品の総輸入量は約 4 万 5 千トン。 うち約 4 割にあたる約 1 万 7 千トンを中国から、残る約 6 割をタイから輸入している。 同社は人気メニューの「チキンマックナゲット」など鶏肉を使った商品を 8 種類、販売している。 このうち中国製の鶏肉を使っているのは、「マックウィング」を除く 7 商品。 26 日から使う鶏肉はすべてタイ製に切り替える。 (asahi = 7-25-14)
上海当局、食品 100 トン押収 期限切れ鶏肉問題
【上海 = 菅原透】 中国・上海の米系食肉加工会社「上海福喜食品」が米マクドナルドなどに使用期限切れの鶏肉などを供給していた問題で、上海市の食品監督当局は 23 日までにチキンナゲットなど加工食品約 100 トンを押収した。 当局は組織的な違法行為が行われていたとみて、公安部門と連携して上海福喜を徹底追及する構え。 同社製品は広東省や四川省など中国の幅広い地域で使われており、各地の食品監督当局も調査に乗り出した。
上海市当局の発表によると、上海福喜は「マクドナルド」や「ピザハット」、「バーガーキング」など外資系ファストフード大手のほか、コンビニエンスストアの「セブンイレブン」や中国の食品会社など合計 9 社に食品を納入していた。 上海市当局の担当者は中国メディアに「一連の違法行為は組織的に行われていた」と語った。 日本のピザハットやバーガーキング、セブンイレブンなどでは「該当する鶏肉は扱っていない」としている。
上海福喜は、米食肉大手 OSI グループの傘下企業。 OSI は中国で河北省や山東省など約 10 カ所に工場がある。 中国メディアによると、全国の食品監督部門を束ねる国家食品薬品監督管理総局はすべての工場で生産や品質管理に問題がないか調べるよう通知を出した。 中国各地の食品監督当局も上海福喜の商品が流通していないかを調査している。 広東省、四川省など幅広い地域の「マクドナルド」などの店舗から同社製の商品が見つかっており、押収するなど対応を急いでいる。 (nikkei = 7-23-14)
(日本)マックとファミマ、鶏肉商品一部販売中止 期限切れ報道
日本マクドナルドは 22 日、人気メニュー「チキンマックナゲット」の販売を一部店舗で中止したと発表した。 仕入れ先の中国の食品会社が、使用期限の切れた鶏肉を使っていた疑いが浮上したためだ。 コンビニ大手のファミリーマートも同日、この会社から仕入れた「ガーリックナゲット」などの販売を取りやめた。 いまのところ、両社とも健康被害は確認されていないとしている。 ただ中国での報道によると、疑惑が浮上した中国・上海の食品会社「上海福喜食品」では、期限を 7 カ月過ぎた牛肉を使った事例も確認されているという。 マクドナルドは 2002 年から、ファミマは今月から取引を始めたという。
マクドナルドは、国内で使うナゲットの 2 割を、この会社から仕入れていた。 このためマクドナルドは、関東地方などの約 500 店で一時販売をやめた。 同社は、仕入れ先をタイなどの食品会社に切り替え、遅くとも 23 日までには販売を再開するとしている。 ファミマは、約 1 万店で扱っていた「ガーリックナゲット」と、東京都内中心に 10 店においていた「ポップコーンチキン」の販売をやめた。 マクドナルドは「お客様にご不便をおかけし、ご不安な気持ちにさせたことは申し訳なく思っている(同社 PR 部)」としている。 (asahi = 7-22-14)
期限切れ肉の使用停止 中国、マックと KFC 米系食品会社
中国・上海の米国系の食品会社が、外資系ファストフード大手に保存期限の切れた食肉加工品を供給していた問題で、中国のマクドナルドは 21 日までに、中国の全店舗で、問題の食品会社から仕入れた食肉加工品の使用を停止すると発表した。 この食品会社に対する調査を始めたという。 中国でケンタッキー・フライド・チキン (KFC) などを運営する会社も同様の発表をした。 中国メディアによると、この食品会社は期限切れの肉を使ったハンバーグなどを供給、生産日時の改ざんも行っていたという。 (kyodo = 7-21-14)
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