中国人の工場幹部 3 人、従業員に惨殺される 「反中」広がるザンビア

アフリカ南部ザンビアにある中国企業の工場で先週、中国人の幹部 3 人が不満を抱いていた従業員によって惨殺されたとみられる事件を受け、中国が大きな存在感を示す状況をめぐり、同国で緊張が再燃している。 地元メディアが報じたところによると、全焼した工場で遺体として見つかった犠牲者 3 人は、自らが所有する繊維企業がある首都ルサカ郊外マケニで、不満を抱いていた従業員らに殺害された。 警察は 27 日、捜査によりこれまでに容疑者 2 人の身柄を拘束したことが明らかにしている。

ジョセフ・マランジ外相は AFP に対し、「痛ましく、残忍な事件だ。 警察は必ず事態を収拾すると確信している。」と述べた。 だが事件に先立ち、ルサカでは住民たちから不当な扱いについて不満の声が上がり、マイルズ・サンパ市長は、理髪店や飲食店をはじめとする中国の事業所を閉鎖する運動を展開していた。 市長はまた、その他の中国企業に対しても矛先を向け、社内では英語を用い、中国人のみの雇用を止めるべきだと激しく非難。 「アパルトヘイト(人種隔離政策)」はずっと前に終わりを迎えていると主張していた。

サンパ市長と中国人とのあつれきはソーシャルメディアで拡散され、政府関係者から市長に対する批判の声が上がった一方で、多くのザンビア国民からは称賛の声が上がっていた。 サンパ市長は 27 日、ザンビア在住の中国人に謝罪し、「私の判断ミスだったことを認める」とコメント。 だが同国の人権活動家の一人は、ザンビア人の労働者が、「この国でわが物顔で振る舞いたがる」中国人の雇用主にないがしろにされているように感じているとして、さらなる反動に警鐘を鳴らしている。

この活動家は AFP に対し、「彼らを保護する立場にある労働組合と労働省は、その務めを果たしていない。 だから人々は、何とかして自分を守らなければならない。」と語った。 国連の世界人口推計 2019 年版によると、ザンビアには推定 8 万人の中国人が居住している。 (AFP/時事 = 5-30-20)


中国南西部・雲南省で地震 M5.0、4 人死亡

中国・南西部の雲南省でマグニチュード 5.0 の地震がありました。 4 人が死亡、24 人が負傷したほか、家屋の倒壊などの被害が出ています。 教室で勉強をする生徒たち。 揺れを感じ、一斉に机の下に潜り込みます。 スーパーでも買い物客が地震に驚き、逃げようとした直後、商品が崩れ落ち、母親が子どもをかばいました。 そして揺れがおさまると慌てて逃げ出しました。 家屋が倒壊するなどの被害が出て、これまでに4人が死亡、24 人の負傷が確認されています。 雲南省の当局は消防隊員など 600 人を現地に派遣し、現在も救助活動や被害状況を確認しているということです。 (TBS = 5-19-20)


中国で個人ユーザ間の Zoom がサービス停止に? 今週開幕の全人代が影響か

人気のビデオ会議アプリ「Zoom」は、中国の個人ユーザが同社のプラットフォームで会議を主催することを一時停止した。 同社の中国の代理店の一つが今月この変更を発表した。 (Bridge = 5-19-20)

重要視すべき理由 : アメリカに拠点を置く Zoom は、新型コロナウイルス感染拡大の中、自宅で仕事をし、会議を開く中国のビジネスパーソンにとって最も人気のあるアプリの一つとなっている。 また個人がウェビナーを主催したりオンラインコースを提供したりするためにも広く利用されている。

  • アプリ調査会社の Sensor Tower によると、このアプリは 2 月中旬以降、中国において、Apple の iPhone App Store のビジネスカテゴリのランキングで4 - 7位にランクされている。
  • 中国の最も重要な政治イベントである全国人民代表大会が今月後半に延期されたことに伴い、個人ユーザに制限がかかることとなった。 この大会は通常、インターネットの規制や制限が付き物である。

詳細情報 : Zoom は 5 月 1 日以降、中国の無料ユーザによる会議の開催を停止した。 Zoom の中国でのパートナーで zoom.com.cn を運営する Shanghai Donghan Telecommunications は、個人ではサービスを購入することはできなくなったと述べている。

  • 上海に本拠を置く同社は、ウェブサイトでの新規ユーザ登録を一時停止したと述べている。 企業がサービスのライセンスを購入するためには、同社の営業担当者に連絡する必要がある。
  • 電話対応してくれた女性は、個人のユーザ登録に関するこの制限は「規制当局の要件」によるものだと話したが、詳細は明かさなかった。
  • 彼女によると、同社のサービスを購入するには、企業は中国の市場規制当局が発行したビジネスライセンスを提供しなければならない。 料金の支払は法人口座からの送金のみ可能だ。
  • 同社のウェブサイトには、無料ユーザは個人・企業に関わらず会議に参加することができると記載されている。
  • Zoom の中国のパートナーで Zoomvideo.cn を運営する Shanghai Huawan Telecommunications (上海華万通信) は、ユーザ登録もサービス購入も法人ユーザのみ可能としている。 だが TechNode (動点科技)の調査によると、サービスの購入前に企業情報を綿密に精査することはしていないようだ。
  • Zoom のアメリカ本社が決定を下したのかどうかは不明だ。 メールでコメントを求めたがまだ返信は来ていない。

背景 : 中国の Zoom ユーザは 9 月に国内でのサービスがブロックされた後、Shanghai Donghan(東涵)および Shanghai Huawan (華万)が提供する Zoom の現地版などに切り替え始めた。

  • Zoom は製品開発を中国に依存しているため、国外市場で厳しい調査を受けている。 中国人移民である Eric Yuan(袁征)氏が設立した同社は、2011 年の創設以来、製品開発チームの拠点の一部を中国に置いている。
  • 同社は 4 月、一部のユーザの通話を "誤って" 中国のデータセンター経由で転送したことを認めた。 その結果、会議のセキュリティが中国の監視に対して脆弱になるのではないかと懸念する外国の政府機関や企業からの反発を受けている。

中国、空母建造の元トップを調査 「重大な規律違反」

中国共産党中央規律検査委員会と国家監察委員会は、国有造船大手「中国船舶重工集団(中船重工)」の胡問鳴・元理事長 (63) を重大な規律違反で調査していると、12 日発表した。 容疑の詳細は不明だが、胡元理事長は中国初の国産空母「山東」の建造プロジェクト責任者だった人物で、調査の行方に関心が集まっている。 中船重工を巡っては、胡元理事長の部下だった孫波・総経理が昨年、地位を乱用して賄賂を受け取ったなどとして懲役 12 年の判決を受けた。 香港メディアなどは「空母の機密を外国の情報機関に漏らした可能性がある」とも指摘した。

胡元理事長が建造を担当した山東は昨年 12 月に就役したが、軍事筋によると今も大連で設備工事が続いているという。 構造上の欠陥を指摘する声もあり、「責任を取らされたのでは(中国メディア記者)」との見方も出ている。 胡氏は昨年11月、中船重工と業界トップの「中国船舶工業集団」との統合を機に一線を退いていた。 (北京 = 冨名腰隆、asahi = 5-15-20)


虎門大橋に異常な揺れ、ブロック設置で発生の風の渦が原因か 中国・広東省

中国・広東省にある虎門大橋で 5 日に発生した「異常な揺れ」が注目されている。 著名な橋梁専門家である呉明遠氏は 6 日、揺れは基本的に収まったことを明らかにした上で、現在の観測結果によると、今回発生し、揺れの原因となったとされる「渦励振」は全体構造に影響を与えるものではないとしている。 「渦励振」は、風が物体に当たり、物体の背後に周期的な渦が生成され、物体構造に対し周期的な圧力が加わり共振する現象をいう。

異常な揺れでは、つり橋部分の橋面部分の振り幅が大きく、車両の走行に支障を来すほどだった。 「広東省交通集団」は 6 日早朝、専門家の初期的な判断を発表。 つり橋部分の揺れの原因は、橋の欄干沿いに連続して置かれた交通規制用の樹脂製ブロックが橋梁の空力形状を変えさせ、特定の風が吹く環境条件の下で、橋梁に発生した「渦励振」とした。 虎門大橋の張シンミン副総工程師によると「橋面に置かれたブロックが壁となり、風の流れが阻まれ、橋に影響を与えた。 橋面にブロックを置いたことは、橋の外形を変えたことに等しい。」という。

虎門大橋管理センターの監視カメラの映像によると、5 日午後 3 時 50 分に欄干沿いのブロックを撤去し始め、午後 5 時 42 分に撤去を完了したが、揺れはその後も続いた。 これについて張氏は「風の力と慣性の影響を受け、一つの構造体が振動を始めるとすぐには止まらないが、時間がたてば止まる。 橋梁構造の安全に影響はない。」と説明している。 現在、虎門大橋の全面的な検査を行っており、いつ通行可能となるかは決まっていない。

珠江両岸にある広東省の広州市南沙区と東莞市虎門鎮を結ぶ虎門大橋は、深セン市、珠海市などの重要な都市へと通じている。 1992 年に建設を開始し、1997 年に完成、開通している。 (中新社/AFP = 5-8-29


上海ディズニーランド、11 日に営業再開 マスク着用で

上海ディズニーリゾートは 6 日、新型コロナウイルスの感染防止のために 1 月下旬から休園していた上海ディズニーランドについて、11 日に営業を再開すると発表した。 中国では 1 日に北京の故宮博物院が再開するなど、各地の観光スポットが始動している。 上海ディズニーランドの再開で、国内の感染防止措置の緩和が一気に進みそうだ。

上海ディズニーランドは春節の 1 月 25 日から休園しており、約 3 カ月半ぶりの開園となる。 当面は入場者数を制限し、入場時の体温検査と、マスクの着用を求める。 事前にチケットの予約・購入が必要で、8 日から公式ホームページなどで受け付けを開始する。 上海ディズニーランド周辺のディズニータウンでは 3 月 9 日から、飲食店など一部施設で営業が再開され、イベントも実施されていた。 (上海 = 宮嶋加菜子、asahi = 5-6-20)


中国映画市場、2020 年度年間興収は 300 億元損失見込み 映画館再開のキーは全国人民代表大会か

中国国家映画局の新型コロナウイルス対策会議が 4 月 29 日に開催され、中国映画市場の 2020 年度年間興行収入が約 300 億元(約 4,600 億円)の損失見込みとなることが明らかになった。 この発表は局長・王暁輝氏によるもので、中国の国営テレビ「CCTV (中国中央電視台)」が報じている。

中国では、新たなコロナ感染者数が大幅に減り、各業界が次第に再開へと移行している。 その一方で、現在でも中国全土の映画館は営業を停止している状況だ。 王局長は、映画製作、劇場運営が全て停止しているため「興行収入への影響は非常に大きい」と分析。 19 年度の年間興収は約 642 億元(当時の為替レートで約 1 兆円)だったが、20 年度はこの数値から大幅なダウンとなるようだ。

さらに長期的な視野で考えた場合、「コロナ禍によって、全世界の映画市場の構造が変わるかもしれない」と指摘した王暁輝局長。 その一方で「中国の映画市場はまだ成長期。 観客が簡単には離れないはず。 投資も集まり続けており、コロナ終息後には、観客は必ず映画館に戻る。」と強調。 国、地方政府は、制作会社や映画館への "特別な支援政策" を打ち出す予定だ。

また、中国国家映画局の会議が行われた同日、北京市政府もコロナ対策の定例記者会見を実施。 映画館、博物館、スタジアムなどスポーツ施設を「しばらく再開しない」と発表している。 米ハリウッド・レポーターは、この会見の内容に触れつつ「映画館は 6 月再開予定」と報じているが、その推測は的中しないようだ。

正式に再開が決定した場合、政府からオフィシャルリリースが配布されるのだが、現時点ではそのような情報は存在しない。 "映画館の復活" のキーとなってくるのが、3 月 5 日の開幕が延期した全国人民代表大会(略称 : 全人代)だ。 このほど新たな開幕日が、5 月 22 日に決定。 中国国内では、政府にとって重要な政治行事である全人代が終わった後、映画館の再開に関する議論が活発化していくと予想されている。 (映画.com = 5-5-20)


中国で世界最大のサッカー場の建設開始、復興をアピール

新型コロナウイルスとの戦いでの勝利をアピールする中国では、企業活動が正常を取り戻しつつある。 サッカーの中国スーパーリーグ「広州恒大 (Guanzhou Evergrande)」は総工費 17 億ドル(約 1,800 億円)の世界最大のサッカースタジアムの建設を始動させ、現地の人々の大規模イベント再開に向けた楽観的姿勢を明確にした。

4 月 16 日、広州恒大は 2022 年完成予定のフラワーシティスタジアムの建設を開始した。 このスタジアムの収容人数は FC バルセロナのカンプ・ノウを上回る、世界最大規模の 10 万人になる予定だ。 ESPN の記事によると、場内には 16 カ所の VVIP ラウンジのほか、152 席の VIP スイーツ、FIFA 専用エリアが設けられる。 今年の中国スーパーリーグは 2 月 22 日から開催予定だったが、感染拡大を受けて延期されれている。

2022 年の完成を目指すフラワーシティスタジアムは、2023 年の AFC アジアカップの会場として用いられる予定だ。 広州恒大は中国最大の不動産企業、恒大集団が保有している。 同社の 2019 年の売上は 650 億ドルとされる。 恒大集団プレジデントの Xia Haijun は声明で「恒大集団スタジアムは、シドニー・オペラハウスやドバイのブルジュ・ハリファに匹敵する世界的ランドマークとなり、中国のサッカーの存在感を世界に示す拠点となる」と述べた。

新型コロナウイルスの発生源とされる中国の武漢では、2 カ月に及んだ都市封鎖の後、外出制限が解除され、人々は地元のモールなどに繰り出した。 一方で、スタジアムが建設される広州市はアウトブレイクの影響が比較的少なかったものの、外国人がウイルスを持ち込むことに対する懸念が高まり、アフリカ系住民に対する差別が問題化している。 サッカーチームの広州恒大は現在、約 5 万 8,000 人収容の天河体育中心体育場 (Tianhe Stadium) を本拠地としている。

BBC の報道によると、武漢を本拠地とするサッカーチームの武漢卓爾 (Wuhan Zall) は、1 月下旬からスペインでトレーニングを行ってきたが、武漢がロックダウンされたことを受け、104 日間を海外で過ごすことになった。 武漢卓爾の選手らは 3 月 13 日に帰国し、深センで 3 週間に及ぶ隔離生活を送った後、4 月 18 日に家族らと再会した。 (Alexandra Sternlicht、Forbes = 4-21-20)


男児 4 人が土砂に埋まり死亡、中国・河南省原陽県

中国中部の河南省にある団地の建設現場で土砂の中から 4 人の男の子の遺体が見つかりました。 中国メディアは 4 人が土砂に埋まり、窒息死した可能性があると伝えました。

中国メディアによりますと、河南省原陽県で 18 日夕方から夜にかけ、団地の建設現場の土砂の中から子ども 4 人が相次いで遺体で見つかりました。 4 人は近くに住む 5 歳から 9 歳までの男の子で、建設現場の周りにある囲いのすき間から中に入ったとみられるということです。 地元当局は 19 日までに現場の責任者やショベルカーの運転手など 8 人を拘束したということです。 これまでの調べで亡くなった 4 人は現場で作業が行われる中、土砂に埋まり、窒息死した可能性があるということで、地元当局がさらに原因を調べています。 (TBS = 4-21-20)


強風で瞬く間に大規模火災に 消防ら 19 人死亡 中国

消火活動中の消防隊員ら 19 人が風向きの急変で亡くなりました。 中国メディアによりますと、30 日午後に内陸部の四川省にある農場で火事が発生し、強い風にあおられてすぐに燃え広がりました。 消火活動は 31 日も続いていますが、火は住宅街に迫っていて住民が避難をしています。 また、風向きが急変して火から逃げ遅れた消防隊員ら 19 人が死亡しました。 四川省ではこの時期、乾燥した強風の日が多く、去年 3 月も山火事で消防隊員ら 30 人が死亡しています。 (テレ朝 = 3-31-20)


中国・湖南省で特急列車脱線、1 人死亡 127 人けが

中国内陸部・湖南省●(= 林におおざと)州市で 30 日午前 11 時 40 分(日本時間同午後 0 時 40 分)ごろ、18 両編成の特急列車が脱線し、車両の一部が横転する事故が起きた。 地元政府によると、この事故で 1 人が死亡、127 人がけがを負った。 中国メディアによると、列車は山東省済南市から広東省広州市へ向かっていた。 事故直前、現場で土砂崩れが発生し、列車が土砂に乗り上げ、2 両目から 6 両目が脱線して横転した。 現場は山間部にあり、ここ数日雨が続いていたという。 (上海 = 宮嶋加菜子、asahi = 3-30-20)


中国、米主要 3 紙の記者を事実上の国外退去処分に

北京 : 中国政府は 18 日、同国に駐在する米紙ニューヨーク・タイムズ、ウォールストリート・ジャーナル、ワシントン・ポストの米国人記者に対し、今年中に期限切れとなる記者証を持っている場合は 10 日以内に返還するよう求める異例の措置を発表した。 中国は近年、外国人記者に発給するビザの期限を 1 年までに制限しているため、3 紙とも相当数の記者が対象となり、国外退去を余儀なくされる。 これまで中国本土から追放された記者らは香港やマカオへ移動していたが、今回の措置では本土だけでなく香港、マカオでの取材活動も禁止された。

中国外務省は声明で、米政府が近年、在米の中国メディアに「不当な制限」を課してきたと非難した。 米政府は先月、中国の国営メディア 5 社を、今後は中国政府の在外公館と同等に扱い、従業員数を制限すると発表。 従業員名簿を登録し、米国内で不動産を買ったり借りたりする際に許可を得ることを義務付けていた。 中国側は 18 日、さらなる対抗措置として、この 3 紙に海外向け放送のボイス・オブ・アメリカ (VOA) とタイム誌を加えた米メディア 5 社の中国支局に対し、従業員名簿や財務情報などの提出を義務付けた。

ワシントン・ポストのバロン編集主幹は CNN への声明で、「未曽有の世界的危機のさなか、世界各国の新型コロナウイルス対策に関する明確で信頼性のある情報が不可欠となっている時に、中国政府がこのような決断を下したことはとりわけ遺憾だ」と述べた。 ウォールストリート・ジャーナルとワシントン・ポスト、タイムも同様に新型ウイルスをめぐる報道の重要性を訴え、中国政府の決定を非難した。 (CNN = 3-18-20)


中国政府、新たなネット規制施行 デマ流布など禁じる

中国政府は 1 日、ネット上の情報への規制を強める「ネット情報コンテンツ環境管理規定」を施行した。 デマのほか、経済や社会の秩序を乱す情報を流すことを禁じる内容。 新型コロナウイルスへの対策で、当局の対応や情報公開のあり方に疑問が出ているさなかだけに波紋を呼びそうだ。

新規定はネットコンテンツの制作者は国益を損なってはならないとし、献身的な仕事で「英雄」と称される党員らの功績を否定する内容や、宗教政策への批判なども禁じる。 自然災害や重大な事故に際し、「不当」な評論をさせないことも求めている。 その一方、習近平(シーチンピン)国家主席の政治思想に関する宣伝をネットニュースのトップページに置くことなどを推奨している。 中国では新型ウイルスの感染拡大に警鐘を鳴らし、当局に処分された湖北省武漢市の医師、李文亮氏が死去。 李氏が残した「健全な社会であるならば、声は一つだけになるべきではない」という言葉が共感を呼ぶなど、当局の情報統制への不満も高まっている。 (北京 = 福田直之、asahi = 3-2-20)

〈編者注〉 中国の人々にかような規制を課す前に、中国首脳部は、メディアを通じた意図的な情報操作から手を引くことが先決でしょう。 あまりにも白々しい手法に、中国の人々自身があきれているのではないでしょうか?


中国のマスク生産、1 日 1 億枚を突破 日韓にも送る

中国国家発展改革委員会は 2 日、中国のマスク生産能力が 2 月末までに 1 日あたり 1.1 億枚に達したと発表した。新型コロナウイルスの拡大を防ぐため、異業種にマスクをつくるよう促す当局の政策を背景に、生産能力は 1 カ月で 5.2 倍となった。 多くの企業が生産を始めた結果、品切れが続いたネット通販でもマスクが販売され始めた。 中国当局は防疫製品の生産に参入した企業に補助金を出すことにしている。 中国メディアによると、今年に入って防疫製品を経営範囲に加えた企業は 1 万社に上るという。

自動車メーカーの上海 GM 五菱自動車や BYD も生産を始めて病院に寄付している。 国有エネルギー大手の中国石油天然ガス集団は 3 月に日産 150 万枚を見込めるという。 空母をつくる国有企業の中国船舶集団は 3 月中旬にマスク製造機を 140 台出荷する予定だ。 中国では湖北省を除いて感染者が増えなくなりつつあり、政府は感染者が増える外国に防疫用品を送り始めた。 日本にはマスク 10 万枚と 5 千着の防護服を送る。 韓国・大邱市にはマスクを 2 万 5 千枚、イランにも 25 万枚を送った。 (北京 = 福田直之、asahi = 3-2-20)


白菜 1 個が 1 千円 中国の物価、新型肺炎で急騰

新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大で、中国の生産や物流が滞って物価が急騰している。 1 月の消費者物価指数 (CPI) 上昇率は 5.4% と 8 年 3 カ月ぶりの高水準。 物流や市場が整っている北京市でさえ、市場によっては白菜は 1 月の春節前の 3 倍、大根とキュウリは 2 倍の値をつけている。

上昇の主因は二つの疫病だ。 まずアフリカ豚熱 (AFS) の流行で豚肉が品薄となり、1 月の豚肉価格は前年比 2 倍以上の水準に。CPI 上昇率でみても、昨年 12 月は ASF を主因に 4.5% まで上がった。 追い打ちをかけたのが 1 月下旬以降に急拡大した新型肺炎。 国家統計局の董莉娟・高級統計師は 10 日発表の 1 月の CPI 上昇について「春節と新型肺炎が影響した」と解説した。

感染拡大で人々が外出を控えようと、物資の買い占めが各地で起きた。 各地方政府は感染拡大を防ぐため人の移動を制限。 外との人の往来を一切遮断する地区もあり、産地からの出荷を含め物流が滞った。 春節明けの 2 月も働き手が郷里から元の職場に戻りきらず、物流網の回復は鈍い。 多くの地方政府が 10 日には工場の操業を解禁したが、人手不足や感染拡大への恐怖から生産再開が遅れている。

マスクなど感染防止に必要な品だけでなく、白菜など生鮮食品も大幅高だ。 国営新華社通信によると、河南省鄭州市のスーパーは白菜 1 個を 63.9 人民元(約 1 千円)で販売。 上海市のスーパーはレタス価格が 8 倍。 山東省政府は高騰を防ごうと、感染防止グッズや生活必需品を仕入れ値から 35% 超値上げして売れば処分するとの通知を出した。

中国政府の市場監督当局は 8 日の会議で感染防止グッズや重要な民生商品について、投機的な買い占めや大幅な値上げを厳しく取り締まる方針を強調した。 しかし、物流の停滞や工場操業の遅延が解決しないと、供給は絞られたままとなり値上げは簡単にはおさまりそうもない。 物価高はしばらく続く可能性がある。 (北京 = 福田直之、asahi = 2-11-20)


中国からの輸入肉 9 トンに「アフリカ豚コレラ」 … イタリアで発見

中国、AFS による深刻な被害

記事コピー (9-2-19 〜 1-23-20)


「紫禁城」でのドライブ写真に非難殺到、故宮博物院が謝罪

中国・北京にある、故宮博物院(紫禁城)の敷地内で女性 2 人が SUV の前に立ち、ポーズをとって自分たちを撮影した写真がネット上に投稿され、同博物院が謝罪する事態となった。 故宮博物院は北京市の中央に位置する広大な旧王宮で、600 年近い歴史をもつ。 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産にも指定されており、昨年は 1,900 万人が訪れた。

来館者は徒歩で入場しなければならないが、この女性たちは、普段は観光客でいっぱいの大広場に 2 人だけで立ち、高級車を背にサングラス姿で写真を撮影した。 しかも同博物院によると、写真が撮影されたのは、閉館日の月曜日だったという。 この写真が中国版ツイッターの微博に投稿されると、たちまち大きな非難が巻き起こった。 故宮博物院は 17 日、微博への投稿で「非常に衝撃を受けている」とし、「心から」の謝罪を表明。 今後このようなことが起きないよう「厳格に管理し、こうした行為を防止する」と述べた。

問題の写真は、微博ユーザーから怒りの声が上がるとすぐに削除された。 ユーザーらは警備の厳しい故宮博物院に女性たちがどうやって入ることができたのかと疑問をぶつけた。 多くのコメントは、中国のエリート富裕層が享受しているとされる特権に怒りの矛先を向けたもので、あるユーザーは「こうした振る舞いは一般市民を傷つけるものだ」と憤った。 また別のユーザーは「外国の指導者たちでさえも、車から降りて」故宮博物院を訪れるのに、と指摘した。 (AFP = 時事、1-19-20)


2020 年、中国に押し寄せる大規模リストラの波

<絶好調だった IT 分野をはじめ、数多の危機に直面する中国企業にとって人件費削減が生き残りへの唯一の道に。 大規模失業による動乱を避けたい政府の施策は …。>

毎年末になると中国企業も 1 年間の出来事を「整理」する。 ユーザーが 10 億人を超える最人気 SNS の微信 (WeChat) も 2019 年の人気投稿トップ 15 を発表した。 第 1 位は「就職 10 年、年収 600 万元、でもリストラはたった 10 分間 - - 時代があなたを捨てるとき、ひとことも掛けない」という長い投稿だった。

「中国ネットの厳冬期」と呼ばれる IT 分野の大規模リストラは 2018 年末に始まった。 2019 年に入ると、騰訊(テンセント)は中間管理職の 10% を降格に。網易(ネットイース)も部門によって 30 - 50% の人員削減に踏み切り、新浪の「新浪閲読」部門はなんとリストラ率 90% … これ以外にも京東商城(JD ドットコム)、滴滴出行が続々とリストラ計画を実行した。 20 年前には新進気鋭で、以来絶好調だった中国の IT 分野は早くも「中年の危機」に陥っているようで、人件費削減しか危機を乗り越える方法がない。

IT 企業さえそうなら、製造業はなおさらだ。 投資環境の悪化や市場規模の縮小で近年、中国から外資系企業の撤退は増える一方。 中国の製造業も「融資難、重税、高コスト、環境問題そして米中貿易摩擦による輸出減少」という 5 大危機に直面している。 世界の自動車市場の低迷で、各国自動車メーカーのリストラは今後数年で合計 8 万人以上とブルームバーグは予測している。 中国は真っ先にこの打撃を受けるだろう。

大規模リストラはすなわち大規模失業で、大規模失業は社会不安をもたらす。 不安定な社会は動乱につながりやすい。 こういう連鎖を中国政府は一番怖がる。 そのため近年、中国の「維穏(治安維持)費」は毎年増えている。 政府が公表した 2019 年の予算案によると、「公共安全支出」予算は 1,797 億 8,000 万元(約 2 兆 7,900 億円)。 2019 年末、国務院は「大規模な失業リスクを全力で防ぐ」ため、各政府機関や地方政府に「就職状況の安定に全力で取り組もう」という意見を公表した。

中国政府のこういった「意見」はただの意見でなく命令。 政府機関や地方政府を通じて各企業に圧力をかけるこの「意見」から分かるのは、2020 年に増えるのは就職率でなく失業率、そして維穏費用だろうということだ。 (ラージャオ =中国人風刺漫画家 / トウガラシ = コラムニスト、NewsWeek = 1-6-20)

騰訊 : 現 CEO の馬化騰(ポニー・マー)が 1998 年に深センで創業。 メッセージサービス「QQ」と SNS の微信で中国ネットを席巻した。 ゲームでも圧倒的シェアを誇る。

維穏費 : 維穏は「維護社会穏定(社会安定維持)」の略。 政府の正式な用語は「公共安全支出費」。 国防費の 15% を占めるが、地方政府計上分は含まれず、総額だと国防費より多いとの見方も。


中国、活動家を一斉摘発 … 香港の波及を警戒か

【北京 = 比嘉清太】 中国の警察当局が、憲法を根拠に人権擁護を訴える「新公民運動」の主要メンバーや人権派弁護士らの一斉摘発に乗り出した。 香港の有力紙・明報(電子版)は、一時的なものも含めて当局に拘束・連行された関係者は 10 人以上と伝えている。 新公民運動の支援者によると、一斉摘発は、運動主要メンバーで北京在住の丁家喜(ディンジアシー氏 (52) や福建省アモイの人権活動家らが拘束された昨年 12 月 26 日頃に始まった模様だ。 運動関係者らが昨年、アモイなどで秘密裏に開いた会合の参加者を中心に拘束されているとの情報がある。 中国の人権擁護活動を支援する海外サイト「維権網」は、拘束者の一部には国家政権転覆扇動容疑がかけられているとしている。

新公民運動は、習近平(シージンピン)政権発足直後の 2013 年の一斉摘発によって下火になったが、丁氏ら主要メンバーは 16 - 17 年に刑期を終えて出所していた。 支援者の一人は「当局は、混乱が続く香港情勢が波及して運動が再燃することを警戒し、摘発を始めたのではないか」と指摘する。 趙克志(ジャオクォージー)国務委員兼公安相は昨年 8 月、香港情勢を念頭に「(国家)転覆や浸透、破壊の各種活動を防ぎ、打撃を与えなければならない」と指示していた。 明報によると、香港訪問を計画していた四川省成都の人権派弁護士・盧思位(ルースーウェイ)氏も昨年 12 月 30 日、自宅から当局に連行されたという。 (yomiuri = 1-4-20)


中国独禁法改正へ、ネットも適用 アリババなどに影響か

【北京 = 多部田俊輔】 中国の国家市場監督管理総局は 2 日、独占禁止法の改正案を発表した。 公正な競争に悪影響を及ぼす懸念がある支配的地位の定義について、インターネット上の事業状況やデータの把握状況を追加した。 米グーグルなどの米国の IT (情報技術)大手の多くを排除してきた中国のネット空間で、法改正がアリババ集団など中国のネット大手の事業展開に影響が出るのかが注目を集めそうだ。

改正案は今月 31 日まで専門家や企業などの意見を受け付けて内部での検討を進め、法改正を正式に決める。 改正案について最も関心を集めているのは支配的地位を定義する条項で、インターネットでの事業の規模や先行のメリット、データを収集して処理する能力などを追加した。 中国政府は批判的な意見を封じ込めるため、ネット空間の統制を強めている。 グーグルに加え、米フェイスブックなどの米国企業も中国では大半のサービスが利用できない。 米アマゾン・ドット・コムも 2019 年 4 月に中国国内向けのネット通販事業から撤退すると発表した。

米国勢を排除した中国のネットサービスでは百度(バイドゥ)、アリババ、騰訊控股(テンセント)の中国ネット 3 強「BAT」に加え、ネット通販 2 位の京東集団(JD ドットコム)の利用者が圧倒的に多い。 さらにニュース配信の今日頭条、宅配アプリの美団点評、配車アプリの滴滴出行(ディディ)の 3 社の総称「TMD」の勢いも著しい。 世界ではプラットフォーマーと呼ばれる巨大 IT 企業による支配的地位の乱用に対し、規制しようとする動きが強まっている。 中国のネットに詳しい調査会社の幹部は「中国でも国内ネット企業の国民生活への影響力は強まっており、当局としては統制を強化したいのだろう」と分析する。

今回の改正案では、ネット分野に加え、政府が公平な競争を審査する仕組みを作ったり、違反者に対する罰金の上限金額を従来の 10 倍に引き上げることなど罰則の強化も盛り込まれた。 (nikkei = 1-2-20)


英テスコ、中国サプライヤーの強制労働疑惑を調査−中国政府は反発
中国サプライヤーは「ばかげており、中傷だ」と主張

スーパーマーケットをチェーン展開する英テスコが、クリスマスカードの中国サプライヤーとの取引を停止した。 強制労働を訴える受刑者による書き込みがカードにあったとの報道を受けた措置だが、中国政府は反発している。 中国外務省の耿爽報道官は 23 日の記者会見で、強制労働疑惑は元受刑者が「演出したドラマ」だと述べた。 テスコは中国でのカード生産が強制労働によるものだとの新聞報道を巡り調査するとしている。

英紙サンデー・タイムズによれば、テスコで購入したクリスマスカードをロンドンに住む 6 歳の少女が開けると「私たちは中国・上海の青浦刑務所にいる外国人受刑者で、意思に反して労働を強いられています。 どうか私たちを助け、人権団体に知らせてください。」と書かれていた。 同紙のこの記事を執筆したピーター・ハンフリー氏は以前、同じ刑務所に収容されていた。 同氏は中国で企業の不正行為を調査する仕事をしていたが、恐らくこの仕事が理由で罪状がでっち上げられ収監されたと考えており、「中国での発注もしくは生産を全面的にやめるしか、企業側に防ぐ手だてはない」とブルームバーグとのインタビューで述べた。

テスコは 22 日、この中国工場で生産されている全てのカードを売り場から引き揚げたと発表。同社の規定に反して刑務所の労働力が使われていたことが調査で判明すれば、同工場はテスコのサプライヤーリストから「即時かつ恒久的」に排除されると資料でコメントした。 欧米企業が中国での生産に頼る中で、請負業者側は刑務所の労働力を使っていると繰り返し報じられてきた。こうした書き込みは米国のウォルマートやサックスが販売した製品でも以前見つかっている。

テスコはサプライヤーの浙江雲広印業は独自監査を受けており、先月にも監査が実施されたが、規定違反の証拠は見つからなかったと説明した。 浙江雲広の担当者は 23 日の電話取材に対し、報道は「ばかげており、中傷だ」と主張。 この担当者は名前を明かさず「われわれの工場とわれわれの国を中傷したいのだろう」と話した。 青浦刑務所に電話したが、応答はなかった。 (Corinne Gretler、Bloomberg = 12-24-19)


中国・浙江省にカーシェアリングの「墓場」出現、背景に業界の不振

先ごろ、中国・浙江省嘉興市秀洲区で、自動車の「墓場」が再び出現したと報じられた。 多くの廃棄処分となったカーシェアリング用の車が畑の脇にぎっしりと置かれてあり、その光景は異様だ。 この「墓場」に置かれた車は、競売にかけられる予定ではあるものの、処理が進んでいない。 その背景には、業界の置かれている苦しい状況がある。 最近、北京市のカーシェアリング大手プラットフォームの「途歌 (TOGO)」が資金難で担保に入れる資産がなくなったと伝えられたほか、「PandAuto」などの同業者も資金繰りに行き詰まり、ユーザーのデポジットも返金困難な状態だという。

カーシェアリングの分野は、かつて投資が集中した時期があった。 中国電子商務研究センターのデータによると、2017 年に 764 億 5,900 万元(約 1 兆 2,000 億円)の融資を得て、当年度で最も大きな融資を獲得した分野となった。 2018 年になっても、投資家らは発展の可能性が高い会社に対する投資を継続させた。 しかし、現在では、投資の動きは少なくなり、逆に企業の経営不振が相次いで伝わってきている。

2017 年以降、多くのカーシェアリング企業がこの事業から撤退している。 2017 年 3 月、北京に本部があるカーシェアリング・プラットフォームの「友友用車」が会社の解散を発表、2018 年 5 月には杭州などでカーシェアリング事業を展開する「麻瓜出行」がサービスを停止。 今年に入ってからは、「途歌」のほかに「PandAuto」、「立刻出行 (LIKE)」などのプラットフォームで次々とユーザーのデポジット返金問題が発生している。

「途歌」のケースについて、北京市海淀区法院に確認したところ、「途歌」名義の資産はないため強制執行不能で、元の法定代表者とは連絡が取れない状況だという。 ドイツ系コンサルティング会社ローランド・ベルガーは、2025 年には中国のタイムシェアリング自動車は 60 万台となり、将来的には中国の利用者は 1 日に延べ 3,700 万人、市場規模は 1 年に 3,800 億元(約 5 兆 9,500 億円)と分析・予測している。 (CNS/AFP = 12-22-19)


上海の名門大、規約から「思想の自由」を削除 学生反発

中国・上海の名門大学、復旦大学がこのほど、大学の教育方針や運営方法などを定める規約を改め、理念に掲げていた「思想の自由」を削除するなどしたため、ネット上で大きな議論を呼んでいる。 新たに「愛国への貢献」を加えるなどしており、「政治への忖度(そんたく)だ」と学生らも反発している。 発端は、中国教育省が 17 日に公表した復旦大の規約改正申請に対する許可通知だった。 改正前は「学術の独立と思想の自由を学校運営の理念とする」としていた序文の一部が、「愛国への貢献、学術の独立を実践する」と修正され、「思想の自由」が抜け落ちた。

1905 年に設立された復旦大は、北京大学や清華大学と並ぶ名門。 歴代総書記の知恵袋として知られ、自身も党最高指導部に上り詰めた王滬寧氏らの出身校でもある。 規約改正は復旦大が自主的に行ったものとされるが、ネット上には卒業生や教育界から「党中央に忖度し、後世に名を残す改悪を行った母校に失望した」、「教育と学術界へのあしき挑戦だ」と批判の投稿が相次いだ。 復旦大の校歌にも歌詞に「思想の自由」という言葉があるため、「(忖度するなら)校歌の改正も教育省に申請するべきだ」と皮肉る投稿もある。

復旦大関係者によると、規約改正に不満を持つ学生らが学生食堂で校歌を合唱するなど、学内でも反発の声が大きいという。 中国では「愛国主義教育」が推進され、習近平(シーチンピン)指導部のもとで学術界への思想的締め付けも厳しさを増している。 江蘇省の南京大学もこのほど規約を改正し、習氏が提唱する「中華民族の偉大な復興という中国の夢」の文言を新たに加えた。 中国政府は 11 月、愛国主義教育の強化に向け、学校や地域での取り組みを求める「実施綱要」を発表した。 (上海 = 宮嶋加菜子、asahi = 12-21-19)