世界で今、最もホットなファッションブランド トップ 20

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世界中の 1 万 2,000 を超えるブランドを取り扱うファッション検索プラットフォームの「リスト (Lyst)」は、2019 年第 2 四半期の人気ファッション・ブランド トップ 20 を発表した。 グッチ (Gucci) は、過去 2 年で 5 度目の 1 位に輝いた。

ランキングを作るにあたって、リストは 500 万人以上の消費者の購買行動を分析、プラットフォーム上での検索、閲覧、購入パターンを追跡した。 これにグーグル検索のデータや顧客転換率、ソーシャルメディア上での特定のブランドのメンションをまとめて、格付けしている。 世界で今、最もホットなブランド・ランキングを紹介しよう。 (Bethany Biron、BusinessInsider = 8-6-19)

20 位 バルマン (Balmain)
19 位 イージー (Yeezy)
18 位 モスキーノ (Moschino)
17 位 モンクレール (Moncler)
16 位 アディダス (Adidas)
15 位 パーム・エンジェルス (Palm Angels)
14 位 ジバンシィ (Givenchy)
13 位 ドルチェ & ガッバーナ (Dolce & Gabbana)
12 位 バーバリー (Burberry)
11 位 ヴェトモン (Vetements)
10 位 サン・ローラン (Saint Laurent)
 9位 ナイキ (Nike)
 8位 ストーンアイランド (Stone Island)
 7位 フェンディ (Fendi)
 6位 ヴェルサーチ (Versace)
 5位 プラダ (Prada)
 4位 ヴァレンティノ (Valentino)
 3位 バレンシアガ (Balenciaga)
 2位 オフホワイト (Off-White)
 1位 グッチ (Gucci)


ミントデザインズ 2020 年リゾートコレクション、キラキラ光るミラーの輝きを散りばめて

ミントデザインズ 2020 年リゾートコレクションが発表された。 テーマは「ミラー」。

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ミラーの "きらめき" を閉じ込めて

ブランド初となるリゾートコレクションを発表した今シーズン。 新作のワードローブは、今季のテーマを体現するモチーフをふんだんに取り入れているのが特徴だ。 例えばストライプシャツや、ゆったりとしたスウェットシャツには、ミラーの "破片" を散らしたかのような箔プリントが登場。

また身幅を多くとったアイボリーのドレスには、そんな煌めく破片が降り積もっているかのようなデザインを裾にあしらった。 凹凸感のある特殊プリントは、ミニマルな表情のテキスタイルに意外性のあるコントラストを生み出し、フレッシュな印象を与えてくれる。

"ガラス" のような透け感のプリーツスカート

テキスタイルにもミラーの輝きを反映。 中でも印象的だったのは、ガラスのような透け感を持つプリーツスカート。 メタリックなラメ入り糸を織り込んだ特殊なオーガンザに、細やかなプリーツを施したこだわりの一着は、流れるような光沢が印象的。 またアシンメトリーな裾にカッティングしたことで、さらなる躍動感を生み出している。

ディテールにもこだわりを詰め込んで

ワードローブのポイントになるディテールにも、"ミラー" の要素を落とし込んで。洗いざらしの風合いがモダンなブラックのロングドレスには、その背中にミラー素材のバックルをアクセントにオン。 また片サイドだけに小さなミラービーズを並べたパンツや、さり気なくミラーのボタンをポイントにあしらったカットソーなども存在する。

ユニークなオリジナルプリント

ホワイト、ブラック、ベージュ、ネイビー、淡いブルーなど、落ち着いたカラーパレットで溢れる中、コレクションに華やかな色どりをもたらしていたのが、和紙をコラージュしたかのようなユニークなオリジナルプリント。 オレンジやパープル、ブルーのストライプ、モノクロのロゴなどを組み合わせた絵柄は、カットソーやプリーツスカートをはじめ、膝丈のドレスなどに登場していた。 (FashionPress = 7-28-19)


ファッションの中の「花」 古今東西 160 点咲き誇る 神戸

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〈花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ〉。 大正・昭和に活躍した俳人・杉田久女の代表的な句だ。 「花衣」は、花見に着る晴れ着。 華麗な桜模様の衣を連想させる。 「花」は古来、国や民族を超えて人々に愛され、衣装のデザインにも多用されてきた。

神戸ファッション美術館(神戸市東灘区)で開催中の企画展「Flowers モードに咲く花(神戸新聞社など主催)」は、花をあしらった古今東西の衣装や靴、帽子、扇など約 160 点を紹介する。 鮮やかな色彩や美しい花びら、甘い香り …。 われわれを引きつけてきた花は「美」そのもの。美術や工芸で扱われ、暮らしを彩ってきたのは当然のことだろう。 服飾の世界でも、写実的表現のほか、華やかな文様・図案として、布地を飾ってきた。

本展は 4 部構成。 冒頭のテーマは「フラワーガーデン」。 観客を出迎えるのは、デザイナー・永澤陽一氏によるインスタレーション(空間芸術)だ。 6 種の花柄のプリントシャツ 186 枚を円形に配し、カラフルな直径約 5.4 メートルの "花壇" を形作った。 一輪の大輪の花のようでもあり、花の渦のようにも見える。 続く部屋のテーマは「歴史」。 ロココ・スタイル、クリノリン・スタイルなど、18 世紀以降の西洋服飾の様式の変化をたどりつつ、いかに多様多彩な花のモチーフがドレスを装飾していたかを伝える。

驚くべきは職人たちの手業だ。 ベルギー・レースを用いた 19 世紀後半のオーバードレスは、紺地の服に羽織ると、白い花々が幻想的に浮かび上がる。 繊細端麗。 細部に神が宿る。 19 世紀末 - 20 世紀初頭のパリ社交界で人気を博したキャロ姉妹店でデザインされたイブニングドレスは、ピンクや水色、金色のビーズ刺繍の緻密さに目を見張る。 エレガントかつオリエンタルな雰囲気がいい。

「和」の意匠も負けていない。 女子美術大学美術館と東京家政大学博物館の着物コレクションから、江戸時代の小袖や打ち掛け、大正・昭和初期の単衣、振り袖などを出品。 伝統の重みだけでなく、大胆モダンなデザインが見事だ。 チューリップ柄、ユリ柄の単衣が斬新でとりわけ目を引く。 第 3 部は「民族」。 日本の桜・菊や、台湾の梅、スイスのエーデルワイスなど、国や民族を象徴する花があるが、民族衣装はまさに百花繚乱。 百花の王たる牡丹をはじめ、無数の花々が、東欧や南欧、アジアのエキゾチックなスカートやドレスの上で咲き誇る。

インドのマハラジャ階級の女性らが身につける衣装用の布に施された刺繍は、まさに「神業」、「超絶技巧」だ。 驚異的な時間、労力を注ぎ込み、仕上げられた刺繍の花々は、糸で編まれた宝石といってよい。 金糸や絹糸で織られ、透けて見えるような繊細さ、上品さが魅力の貴重な中国の明綴(みんつづれ)の織布も必見。 こちらは「織り」の芸術品だ。 第 4 部には皇帝ナポレオンの戴冠式を再現した絢爛豪華な衣装とマネキンが並ぶ。

ふと思い出したのは、「花様年華(かようねんか)」という中国の言葉。 人生で最も美しく輝く時を意味するとか。 布やドレスの上に、移ろう花の美の最も素晴らしい瞬間が封じ込まれているのだろう。 9 月 1 日まで。 月曜休館(8 月 12 日は開館し、翌 13 日休館)。 一般 800 円ほか。 六甲ライナー・アイランドセンター駅下車。 神戸ファッション美術館 TEL 078・858・0050。 (堀井正純、Hyogo Odekake+ = 7-19-19)


原宿から生まれた仏人女の子 インスタフォロワー 1万人

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本 文 (7-12-19)


クチュールで話題をさらったセリーヌ・ディオンのファッション

「シャネル」から「ヴェトモン」まで着こなす 51 歳

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やはりセリーヌ・ディオンはクチュール・ウイークでの装いを熟知しているようだ。 かの世界的な歌姫は、2019 - 20 年秋冬パリ・オートクチュール・ウイークでも存在感は抜群。 今季のディオンのスタイルは「シャネル」、「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー」、「スキャパレリ」といったデザイナーズブランドで、彼女のファッションの最先端ぶりを印象付けるものとなった。

ディオンはまず 6 月 27 日、「シャネル」のボディースーツに同ブランドの 2019 年春夏コレクションのロゴチェーンベルトで完成させたスタイルで、颯爽とパリの街に現れた。 29 日には、20 日に行われたばかりの「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー」 2020 年春夏メンズショーのラストに登場したグラフィティアーティスト、フューチュラのアートワークを施したオーバーサイズのブレザーとボディースーツを着用。 ディオンはスタイリストのシドニー・ロペスと共にこのスタイルをまとめていたようだ。

7 月 1 日の「イリス ヴァン ヘルペン」のショーでは、彫刻のようなルックでランウェイに登場。 「まるで生きているみたい。 魔法のよう。」と自らを評した。 3 日には、パリ・メンズ・ファッション・ウイーク期間中に発表されたばかりの「ヴェトモン」 2020 年春夏コレクションから、"I love Paris(Hilton)" というユーモアが利いたメッセージをのせた T シャツ姿をパリの街中でパパラッチされた。 一方で、同日夜に開催された「ヴァレンティノ オートクチュール」のショー会場には、同ブランドのフェザーが施されたドレスで可憐に登場した。 (WWD = 7-6-19)


バカンス気分で装いたい パリジェンヌの初夏スタイル

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梅雨真っ只中のこの時期。 やっぱり気になるのは、フラワー柄のマキシドレスや、ストライプ柄を効かせたマリン調のオールインワンなど、リラックス感溢れるリゾートスタイルだ。 6 月のパリスナップは、夏の本命コーデをピックアップ。 一着で華やかに決まるミニドレスもチェックしてみて。 (Vogue =6-24-19)


宇垣美里、会見ファッションが女子必見のモテコーデ "肌見せバランス" が絶妙

2019 年 3 月 31 日をもって TBS テレビを退社し、それ以降、バラエティ番組やイベントに引っ張りだこのフリーアナウンサー・宇垣美里 (28)。 ブレイクを果たした彼女が披露するファッションは、大人女子が思わず真似したくなるものばかり。 ここでは、そのコーディネートやヘアメイクをまとめる。

透けレース x ロングスカートで上品に肌見せ

宇垣はパンツスタイルを着用することはほとんどなく、基本的にミディ〜ロング丈のドレスに足元はピンヒールというコーディネート。 また、モデルプレスが以前行ったインタビューでも、この春はレース素材のものを多く購入したことを明かしている。 どのドレスにもどこかしらに透けている素材やレースがあしらわれており、チラリと覗く肌見せで、色気もありながら上品にまとめている。

宇垣美里のモテヘアスタイルに注目

ロングヘアをアップでまとめたスタイルが多いことも印象的。 後れ毛や "触覚" と呼ばれる顔周りの髪を巻くことで、ふんわりした雰囲気を醸し出している。 ロングヘアが定着している宇垣だが、イベントではショートヘアスタイルのコスプレ姿も披露し、大きな話題を呼んだ。

真似したくなる、宇垣美里アナのコーディネート

見た瞬間、「モテそう!」と思わず口に出してしまいそうな宇垣のファッションスタイル。 誰にでも真似しやすい、そのモテコーデを一度チャレンジしてみてはいかがだろうか。 (ModelPress = 6-19-19)


自然体、さらりと遊び心 表参道・原宿で探る、初夏の旬コーデ

日差しが強くなった 5 月下旬、東京の表参道と原宿で初夏の装いを探った。 トレンドは、白やベージュ系のグラデーションで全身の色をそろえたコーディネートや、長め丈のワンピースをさらりと装うスタイル。 自然体でさわやかに夏の着こなしを楽しむ人が目立った。

白・ベージュ系、細部にセンス/ロング丈のワンピ主役

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シンプルながら遠くからも目を引いたのは、熊本から旅行で訪れていた中川千秋さん (34)。 ザラの白いワンピースに麻のワイドパンツを合わせた。 肩の力を抜いたスタイルはシャネルの時計 J12 の白いセラミックや、シルバーアクセサリーで洗練されている。 クリアバッグの内袋とパンツを麻で統一し、落ち着いた大人の印象。 「シンプルで楽なものが好き。 今シーズンは長い丈もいい。」 トレンドのアースカラーは地味になりがちという難しさもあり、素材選びや小物使いがポイントだ。

一般社団法人代表の小沢あきさん (38) は、淡いベージュのノースリーブとパンツのスタイルで、バッグとサンダルの茶系レザーをアクセントにした。 ピアスやブレスレット、ニットの指輪などアクセサリーもぬかりなくエレガント。 「この夏はベージュやブラウン、オレンジ系の色が気になります。」

白とベージュの非対称デザインがきいたエンフォルドのワンピース姿は、ファッションウェブマガジン編集長の北村恵奈さん (44)。 サンダル感覚ではける白いスニーカー、ベージュのフレームのサングラスを合わせ、色のトーンをそろえた。 「遊びのあるベーシック。 ワントーンに、サングラスやバッグで遊んだ。」という。 カラフルな大きめバッグで変化をつけた。

スタイリストの岡野香里さん (39) はニューヨークを拠点に活動する日本人デザイナーによるブランド、サヤカ・デイヴィスの白とベージュのストライプ柄のワンピースを軽やかにまとった。 着物のような前身頃や袖口の広さを調節できるベルトなど、遊び心のあるディテールが印象的だ。 バッグはメゾン・マルジェラ、足元はチェンバーの黒いサンダルでシャープに見せた。 一枚でスタイルが決まるワンピースは、暑い夏の味方。 丈はロングがトレンドだ。 ヘアメイクやアクセサリーは控えめに、好きな柄や色を主役にして、長い丈を揺らしてさっそうと歩く姿が目立った。

会社員の山田桜子さん (24) は高円寺の古着店でひとめぼれした、赤やオレンジの花柄が映えるミントグリーンのワンピースを着用。 普段はメンズの古着をオーバーサイズで着ることが多いというが「ワンピースを着たい気分になって。 一枚ですっと着られるのも楽でいい。」

会社員の 20 代女性は、今年購入したというザ・ヴァージニアのシャツワンピースが華やか。 「ピンクと白のストライプ柄がさわやかでひかれた。 今年のワンピースは長めが気分です。」 ウエストのリボンベルトでメリハリがきいていて、ほどよくフェミニンなスタイルが合っていた。 (松沢奈々子、神宮桃子、asahi = 6-13-19)


和装の美「アップサイクル」 仏人女性が日本でブランド

フランス人デザイナーが京都の寺で、使われなくなった着物や帯を服飾品によみがえらせる活動をしている。 デザイン性などを高めて新たな価値を生み出すリサイクルは「アップサイクル」と呼ばれる。 寺の一室で手仕事を続けながら、市民向けのワークショップも開いて和の美をアップサイクルする方法を伝えている。

京都市下京区にある桂山宝蓮寺。 8 畳ほどの庫裏の一室がデザイナーのクレモンティーヌ・サンドネールさん (29) のアトリエだ。 フリーマーケットで購入したり、中古業者から買い付けたりした色鮮やかな着物や帯から布地をとり、ミシンを使ってバッグや帽子に仕上げていく。 「京都に来て、金やモノトーンなどを多く使うようになった。 環境は物の感じ方を変えます。」と話す。

サンドネールさんは、環境意識の強いドイツとの国境近くのアルザス地方で育った。 文化人類学者レヴィ = ストロースが唱えた「ブリコラージュ(器用仕事)」が口癖の父は、身近な材料で家具や雑貨を手作りしていた。 庭の草木にまく水も雨水を使った。 そうした環境から、幼い頃から持続可能性の大切さを無意識のうちに学んだ。 同世代の多くがパリをめざす中、絹織物が盛んなリヨンの服飾専門学校を選んだ。 卒業制作も再利用した素材で仕上げた。

2014 年、服飾専門学校の日本校で学ぶため来日。 初めて住んだ東京でフリーマーケットに行くと、着物など良質な絹の生地が大量に安く売られていることに驚いた。 割れた器を漆で継ぎ、金などで化粧して繕う「金継ぎ」など、日本には古くから壊れた物に付加価値をつけてよみがえらせる「アップサイクル」の伝統があると知り、色彩豊かな着物や帯からファッション性ある作品ができるとひらめいた。

日本でブランド「mikan (ミカン)」を立ち上げ、ロゴにかんきつ系のタチバナの花と富士山、着物をあしらった。 ロゴの着物が左前になっているのは、一度命を失った生地を、輪廻転生で生まれ変わらせたいという願いを込めたから。 「かつて美しかった物を捨てず、現代によみがえらせたい」と話す。 また、市民が着物のアップサイクルを体験できるワークショップも開いている。 7 月以降は拠点を宮崎に移す予定だが、制作は同様に続ける。 自身のサイト (http://www.clementinesandner.com/) やインスタグラムのアカウント (@mikan_by_clementine) で販売している。 オーダーメイドでの制作も受け付けている。 (小川裕介、asahi = 6-10-19)


バイヤー本命の若手ブランド 「セリーヌ」出身の「ロク」がフィービーから学んだこと

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ロンドンを拠点にする「ロク (ROKH)」は、業界が今最も注目する若手ブランドの一つだ。 アメリカ育ちの韓国人デザイナーロク・ファンは、フィービー・ファイロの「セリーヌ」を経て、2018 年度の「LVMH プライズ」では優勝した「ダブレット」の井野将之に次ぐ特別賞を受賞。 今年 3 月にはパリで初のランウエイショーを開催した。

「WWD ジャパン」 4 月 15 日号の特集「2019 - 20 年秋冬 バイヤー 22 人に聞く本命ブランド」では、「ジル サンダー」と同率で 1 位のイチ押しブランドに選ばれ、「複雑そうでそうじゃない。 1 度着ただけでは理解できない不確実性に魅力を感じた。(ビオトープ)」、「構築的でありながら女性らしいディテールが随所に施されていてエレガント。 デイリーに着用できるアイテムが多い点が買い付けの決め手になった。(阪急うめだ本店ディー・エディット)」と評価された。

4 月中旬には東京・六本木のセレクトショップのリステアで、デザイナーのロク・ファンの来日イベントを開催し、これまでコレクションの制作過程で作ってきたアートワークを初披露した。

WWD : 初披露したアートプワークはどのように制作した?
ロク・ファン(以下、ロク) : 仕事を記録する手法の一つとして、2 年半前にアートワークを作り始めました。 キャスティングやフィッティングの休憩中にモデルたちがくつろいでいる様子を見て、女性が自然体でいる姿を興味深く感じました。 彼女たちの仕草やアティチュードを記録しようと、スケッチのほか、写真や動画でとらえていきました。

WWD : ブランドのルック撮影も自身で行なっていそうだが?
ロク : 全てではないですが、「ロク」を立ち上げてからほとんどのコレクションは自分で撮影するようにしています。 カメラを集めていて、独学で撮影をするようになり、自分のフィルターで瞬間を切り取ることができることに魅了を感じています。 リステアのマイコ(柴田麻衣子クリエイティブ・ディレクター)と話していたときに「誰が撮影しているの?」と写真に興味を持ってくれたことから、一緒にイベントを行うことが決まりました。 リステアはブランド初期から取り扱ってくれている大事な卸先で、一緒に特別な企画ができてとてもうれしかったです。

WWD : 現在のブランドのチーム構成は?
ロク : 僕らはロンドンを拠点にパリでコレクション発表を行うインディペンデントブランドです。 フランスのラグジュアリーブランドで経験を積んだ 10 人で構成されていて、小規模だけれど皆 "小さなメゾン" で働いているという意識を持っています。 妻のステラがマネジング・ディレクターとして一緒に経営を担ってもらっています。 彼女は社内で唯一ファッションを学んでいませんが、演劇の世界で経験を積んでいて、表現者のプロ目線の意見を持っています。 ブランドを構築する上で、ストーリーの組み立て方、素材やシルエットなど、彼女の意見が反映されています。

WWD : ラグジュアリーブランドでの経験はどのように生かされている?
ロク : 「セリーヌ」でフィービーに教えてもらった "アティチュード" と "マナー" を大事にするということは今ブランドの基盤になっています。 商品を美しく仕上げる方法や素材の選び方、扱い方、工場との付き合い方まで、細かいことだけれどプロフェッショナルの仕事を身に付けることができました。 また、ブランドビジネスの構造やチームの築き方についてもメゾンで働きながら学びました。

WWD : 今年 2 月にはパリで初のランウエイショーを行った。 暗闇でのショーにはどのような意味を込めていた?
ロク : 「ロク」では映画のようにブランドストーリーを表現していきたいと考えていて、初のショーでは映画や演劇を見ているような体感型にこだわりました。 秋冬は「Teenage Nightmare (10 代の悪夢)」をテーマに、見ている人を僕の幼少期の世界へ誘いたいと思い、1980 年代後半 - 90 年代前半のテキサス・オースティンが着想源になっています。 夜に外に出ると街の明かりが少なくて、懐中電灯を持って暗闇を歩いた記憶があって、ショー会場でもモデルたちに懐中電灯を持ってウォーキングしてもらいました。 洋服はアメリカらしいカジュアルウエア、クラシカルな柄を掛け合わせています。

WWD : ブランドロゴについている "0000-0000" の数字の意味は?
ロク : 数字にはシーズンレスでタイムレスな服を作りたいという思いを込めて付けています。 僕は昔からデザイナーズのビンテージ服を集めるのが好きで、シャネルやマドレーヌ・ヴィオネ、マダム・グレによるコレクションピースなど、ビンテージショップで気に入ったものを少しずつ買い集めています。 特に古いクチュールの服には、シーズン表記やシリアルナンバーのようなものが記されているものがあるけれど、そのシーズンが過ぎて古くなるものではなく、「ロク」は時代を超えて愛されるような服にしたい。

WWD : 「LVMH プライズ」特別賞を受賞して、ブランドはどう変化している? 賞金 15 万ユーロ(約 1,830 万円)はどのように使った?
ファン : LVMH プライズのファイナリストたちはレベルが高いので、特別賞を受賞できて驚きました。 今現在、LVMH 社から 1 年間のメンターシップを受けていて、僕は「パトゥ」 CEO であるソフィー・ブロカール LVMH グループ ファッション事業部シニア・バイス・プレジデントにアドバイスをもらっています。 賞金は、ランウエイショーを開くのにあっという間に使い切りました。

WWD : デザインのインスピレーション源は?
ロク : 僕は人間観察をするのが好きで、リアルな人々が 1 番の着想源になっていると思います。 朝起きて、散歩をして、朝通勤している人や働いている人たちを眺めているんです。

WWD : 憧れのデザイナーは?
ロク : 僕は特にクリスチャン・ディオール、マダム・グレ、マドレーヌ・ヴィオネの作品に影響を受けています。 また川久保玲の作る服も大好きで尊敬しています。

WWD : 仲の良いデザイナーの友人は?
ロク : シモーネ・ロシャとはセント・マーチン美術大学時代の同級生で、今でもロンドンで会っていますね。 また「ダブレット」の井野(将之)さんは LVMH プライズ後から親しくなり、連絡を取り合っています。

WWD : 初来日して、日本のファッションについてどのような感想を持った?
ファン : 少し派手なイメージを持っていたけれど、実際に来日してみるとエレガントで洗練された人が多いと感じました。 街で観察していると、皆アクセサリーやジュエリーを身につけていて、細部まで気を使っている。 今後は来日頻度を増やして、日本のことをもっと学びたいです。

WWD : 今後のブランドの目標は?
ロク : パリでのランウエイショーを継続していきます。 将来的にはメンズウエアも展開して、パリにアトリエを構え、店舗も設けたい。 また、アートワークも継続してお客さまとのコミュニケーションツールにしていきたいですね。 世界観が伝わるような動画も作っていきたいと考えています。 (WWD = 6-1-19)


初夏からのワンピース 二子玉川・南青山のブティックで

東京・二子玉川ライズ「アダムエロペ」では、明るいオレンジ色のワンピースが目を引く。 シルエットはゆったりと広がる A ラインで、すそには刺しゅうが施されている。 襟の開きも程よく、キャップスリーブなどで気になるところを上手にカバーしつつ、シンプルながら存在感がある。 インド綿 100% のさらっとした肌触りは汗ばむ季節にぴったり。 2 万 520 円。

南青山「カバン・ド・ズッカ」では、3 種類の生地を使ってひねりをきかせたワンピースを選ぶ。 縦のラインが強調されたデザインで体形がすっきりと見える。 すそにはプリーツを配し、動きに合わせて揺れる様子もすてき。 背中はジッパー仕様でラフ過ぎず、一枚で様になる。 写真のパープルとネイビー、黒の他に白がある。 3 万 240 円。

南青山「エレンディーク」で見つけたのは、タレントの辺見えみりさんとコラボして作ったワンピース。 着物の打ち合わせのようなカシュクールデザインは涼しげで、前を開けて羽織りものとしても活躍する。 程よく異国ムードのある柄のほうは、両脇を無地の別布にしてすっきり見える。 黒はアクセントにカラフルなベルトがつく。 2 万 8,080 円。 (飯塚りえ、asahi = 5-24-19)


スーパーモデルが 3D プリンタ製の衣装をまといファッションショー

ファッションと 3D プリンタのコラボレーションに挑戦

GE アディティブは 2019 年 5 月 6 日(米現地時間)、デザイナーの Zac Posen 氏、Protolabs と共同で、3D プリンタで作製した衣装のファッションショーをメトロポリタン美術館の Met Gala で開催したと発表した。 Posen 氏と同氏のクリエイティブチーム、両社のデザインエンジニアおよび 3D プリンタ技術の専門家が協業し、6 カ月にわたり 3D プリントとデジタル技術の可能性を探求してきた成果だ。

ショーのコンセプトは「動いている自然の物体を凍らせる」で、動的で自然な姿、かつ革新的で彫刻的なドレスやアクセサリーなどのコラボレーション作品を発表。 Posen 氏の構想を、GE アディティブはエンジニアリングの側面から設計し、Protolabs は 3D プリンタを使って製作した。

ファッションショーでは、スーパーモデルらが、4 つのイブニングドレスと頭飾りを着用して披露した。 作品の 1 つであるローズガウンは、耐久性のあるプラスチック「Accura Xtreme White200」で作られ、ステレオリソグラフィー装置で製作された 21 枚の花びらが付いている。 花びらを固定するケージはチタン製で、GE アディティブの電子ビーム金属積層造形 3D プリンタ「アーカム製 EBM プリンタ」により 3D プリントされている。

今回のコラボレーションは、「洗練されたグラマラスなスタイルに、最先端の技術と革新を取り入れる」という Posen 氏の思いを追求したもので、ファッションと 3D プリンタのコラボレーションの可能性に挑戦した。 GE アディティブは、機械設計と工業設計、CAD モデリングなどの知見を提供し、Protolabs は、幅広い製造プロセス、材料、産業にわたって豊富な業界の専門知識を提供した。 (MONOist = 5-23-19)


リーバイスとグーグル開発の「IoT G ジャン」、ファッションショーに

スタートアップのハードウエアばかりを集めた店舗で、異色のファッションショーが開催された。 米リーバイスが米グーグルと開発した IoT G ジャンを着たモデルが店内を歩き回った。 グーグルはアーティストによる新商品の開発を支援しており、ファッションとテクノロジーの融合が新たなトレンドを生み出しそうだ。

2019 年 4 月末、米サンフランシスコ市内の「b8ta」に、米リーバイ・ストラウスの IoT G ジャンである「Levi's Commuter X Jacquard By Google」を着たファッションモデルたちが現れた。 b8ta はクラウドファンディング中の製品などを店頭に並べ、ベータ版なども試せるユニークな業態で、スタートアップが新しいハードウエアを披露する場として定着した感がある。

新素材の T シャツなどを展示している店舗もあるが、ファッションショーは珍しい。 b8ta サンフランシスコ店の担当者は「ファッションとテクノロジーの融合を試してみたかった。 特にサンフランシスコは自転車で通勤するビジネスパーソンが多いので、この地を選んだ。」と話す。

IoT G ジャンは左手の袖の部分に、特殊な電導性のある繊維が入っている。 その部分をマウスパッドのように使うことができる。 指でなでたり、タップしたりしてジェスチャーすることで、スマートフォンのアプリを操作できる。例えば、音楽を再生したり、止めたりといった操作が可能だ。 自転車や交通機関に乗っているような場合に便利だろう。 個人の好みに応じた操作をアプリを利用して設定できる。 グーグルマップとも連携する。 例えば、ナビゲーション中に自転車に乗りながら袖をタップすると、次にどこの角で曲がるのかを教えてもらえる。

こうした特定のシチュエーションでの操作に絞ることで、汎用的な音声 AI (人工知能)アシスタントより便利な場面もある。 これらの操作は袖の部分に装着した IoT モジュールを利用し、ワイヤレスでスマホに伝える。 電話が着信したり、ライドシェアのクルマが到着したりした際に、スマホ側からモジュールを振動させて伝えるといったことも可能だ。 さまざまなアクションごとにモジュールのライトが発光する条件を決めることもできる。 モジュールは脱着でき、外せば G ジャン本体を洗濯できる。 (市嶋洋平、日経 X Trend = 5-14-19)


世界最大のファッションの祭典【Met Gala 2019】が開催! セレブの豪華絢爛な衣装をチェック!

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5 月 6 日(現地時間)に毎年 5 月の第一月曜日に開催される世界最大のファッションの祭典【Met Gala 2019(メットガラ 2019)】がメトロポリタン美術館にて開催された。

Met Gala とはメトロポリタン美術館コスチューム・インスティテュートの資金調達を目的として 1995 年に始まった、アメリカ版『VOGUE』編集長の Anna Wintour (アナ・ウィンター)主催のファッションの展覧会のオープニング・イベント。

第 71 回目となる 2019 年のテーマは、「Camp : Notes on Fashion」という、作家 Susan Sontag (スーザン・ソンタグ)が 1964 年に刊行したエッセイ「Notes on "Camp"」にちなんだもの。 Susan Sontag はエッセイの中で「キャンプの要素は、不自然なもの、技巧と誇張を愛する感性だ」と定義しており、キャンプの要素がどのようにファッションに表現されてきたかを詳らかにする展覧会だ。

今年の司会は主催者である Anna Wintour に加えて、Lady Gaga (レディー・ガガ)、Alessandro Michele (アレッサンドロ・ミケーレ)、Harry Styles (ハリー・スタイルズ)、Serena Williams (セリーナ・ウィリアムズ)が務める。

今年も Kanye West (カニエ・ウエスト)、Travis Scott (トラビス・スコット)、Frank Ocean (フランク・オーシャン)、Cardi B (カーディー・B)、Nicki Minaj (ニッキー・ミナージュ)など数多くのミュージシャンが訪れた。 ファッション界のアカデミー賞と称される祭典での、豪華絢爛なセレブの衣装を紹介しよう。 (iFlyer = 5-7-19)


制服が生み出すパワーとは? 「ニッポン制服百年史」展

制服とは基本的には、特定の目的のための画一的な服だ。 しかし逆に制約があるからこそ、それを突き抜けようとするパワーがある。 あえて個性を主張したり、権威に抵抗する心やその表現を促したりもする。 だから時代の変化に敏感でファッションにもなった。 日本の女学生服のダイナミックな展開をたどった、東京都文京区の弥生美術館で開催中の「ニッポン制服百年史」展(6 月 30 日まで)を見ると、制服のそんな力が具体的によく分かる。

展示によると、日本で女学生の洋装制服ができた大きなきっかけは、1919 年(大正 8 年)、山脇学園のワンピース型制服が誕生したことだった。 色は濃紺で縦長のバックル付き、取り外しできる白い襟とカフスのコントラストも効いている、シンプルだが上品さのあるスタイルだった。 しかも、それまでの和服スタイルと比べてずっと動きやすく、体操着としても使えた。 この制服は今でも第一制服として着られている。

当時は女子学生に限らず和装が一般的で、この制服を着た学生たちはいわば「洋装第一世代」だった。 続いてセーラー服型、ジャンパー型などが登場し、全国各地の女学校で洋装化・制服化の動きが広まった。 中でもより動きやすく、作るのも簡単なセーラー服がより一般的なスタイルになった。 そして戦後になると、義務教育延長で新制の中学校が制服を導入したことで、学生服は質・量ともに劇的な展開を見せるようになった。 ベストとブレザーの組み合わせ型は 1950 年代に登場した。

1960 年代末から活発化した制服廃止を求める動きは、実際には廃止よりも制服の自由化・多様化に向かった。 それは多分、完全な私服化よりもスタイルが確立した制服をアレンジや着こなしで個性化する方が、労力や経済的にもやりやすかったからだろう。 多様化の大きなきっかけは、嘉悦女子や頌栄女子学院の高校生制服に、タータンチェックのひざ丈スカート、エンブレムを付けたブレザー、ハイソックスの組み合わせが採用されたことだった。

英国式の端正なトラッドスタイルだったが人気を呼び、制服のモデルチェンジブームが起きた。 80 年代後半までには、制服をモデルチェンジした全国の高校の約 8 割がこのスタイルを採用したという。 90 年代になると、オーバーサイズのセーターやスカートのミニ丈化、ルーズソックスなど着崩した「コギャルスタイル」や、過激な「ガングロ」、「ヤマンバ」などが登場した。

こうした展開の背景には、93 年に大幅値下げされたポケベルの普及やプリクラによって、学校の枠を超えたコミュニケーションの場ができたこと。 彼女たちのスタイルを対象にしたストリート系の雑誌『Cawaii!』、『egg』などの創刊や、若者らのリアルな心象風景を詩的なフレーズと共に描き出した今日マチ子さんや、かとうれいさんらの漫画やイラストの影響などもあったという。

かわいい制服は映画やテレビドラマ、アイドルの衣装にも欠かせない要素になり、また日本発信のポップカルチャーとして海外からも注目を集めるようになっている。 こんなことが起きたのは、まず制服を着た一人ひとりの思いや工夫、そしてメディアによる情報の行き来、制服のデザイナーや生産業界の競争のための努力なども含めた膨大な実践の積み重ねが、この制服のパワーを生み出したのではないかと思う。

このパワーは、制服をファッションに、さらに広い意味でのアートに変化させた。 1989 年から始まった平成の時代は、日本では戦争はなかったとはいえ多くの自然災害や大事故、深刻な経済不安も起きた。 インターネットや IT の急速な進展やそれに伴うグローバリゼーションがもたらした格差も広がっている。

そんなマイナスイメージの中では、制服の変化は数少ないプラスイメージの変化の一つに違いない。 制服はたいていの人が着たことがあり、思い出も詰まっている。 だから同世代だけではなく、世代を超えて若き日の思いを語り合うきっかけにもなれるだろう。 2000 年代に入ってからは、カジュアルだが上品な色・柄の落ち着いた傾向が復活しているようだが、今後はどうなるのか?

展覧会と同時に発行された「ニッポン制服百年史 女学生服がポップカルチャーになった!(河出書房新社)」の編著者で弥生美術館の学芸員、内田静枝さんが書いているように、「平成は制服の時代」でもあったのだ。 (上間常正、asahi = 4-26-19)